JP4396407B2 - 生体高分子分析チップ、生体高分子チップの製造方法 - Google Patents

生体高分子分析チップ、生体高分子チップの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、生体高分子の構造を特定するために用いる生体高分子分析チップ及び生体高分子アレイフィルムに関するとともに、その生体高分子分析チップの製造方法に関する。
近年、医療分野、農業分野等の幅広い分野で生物の遺伝子情報が利用されるようになってきているが、遺伝子の利用に際しては、DNAの構造解明が不可欠である。DNAは螺旋状によじれあった2本のポリヌクレオチド鎖を有し、それぞれのポリヌクレオチド鎖は4種の塩基(アデニン:A、グアニン:G、シトシン:C、チミン:T)が一次元的に並んだ塩基配列を有し、アデニンとチミン、グアニンとシトシンという相補性に基づいて一方のポリヌクレオチド鎖の塩基が他方のポリヌクレオチド鎖の塩基に結合している。
DNAの構造解明とは、塩基配列を特定することであり、DNAの塩基配列を特定するためにDNAマイクロアレイ及びその読取装置が開発されており(特許文献1)、DNAマイクロアレイ及びその読取装置を用いて次のようにしてサンプルDNAの塩基配列を特定する。
まず、既知の塩基配列を有した複数種類のcDNAをスライドガラス等の固体担体に整列固定させたDNAマイクロアレイを準備する。次に、被検出物であるサンプルDNAを一本鎖のDNAに変性して、変性したサンプルDNAに蛍光物質等を結合させる。
次に、サンプルDNAをDNAマイクロアレイ上に添加すると、サンプルDNAがハイブリダイゼーションによってDNAマイクロアレイ上に固定される。つまり、サンプルDNAが複数種類のcDNAのうち相補的なcDNAと結合して、二本鎖が生じる。一方、サンプルDNAは、相補性を有しないcDNAとは結合しない。サンプルDNAに蛍光物質でマーキングを施しているため、サンプルDNAと結合したcDNAが蛍光を発することになる。例えば、TCGGGAAと塩基配列を有するサンプルDNAは、AGCCCTTという塩基配列を有するcDNAと結合し、そのcDNAが蛍光を発する。
次いで、DNAマイクロアレイを読取装置にセッティングし、読取装置にて分析する。読取装置は、光源から発した励起光をコリメーターレンズによりビームとして収束し、ビームをDNAマイクロアレイに対して二次元走査し、ビームの二次元走査と共に集光レンズ及びフォトマルも二次元走査し、ビームにより発した蛍光を集光レンズでフォトマルに集光させ、蛍光強度をフォトマルで計測し、二次元走査によってDNAマイクロアレイの面内の蛍光強度分布を計測するようになっている。これにより、DNAマイクロアレイ上の蛍光強度分布が二次元の画像として出力される。出力された画像内で蛍光強度が大きい部分には、サンプルDNAの塩基配列と相補的な塩基配列を有したcDNAが含まれていることを表している。従って、二次元画像中のどの部分の蛍光強度が大きいかによってサンプルDNAの塩基配列を特定することができる。
特開2000−131237号公報
ところが、従来のDNAマイクロアレイを用いてDNAを分析するには、DNAマイクロアレイに対してビーム及びフォトマル等を走査する機構を必要とし、読取装置全体が大きいという問題がある。
そこで、本発明は、上記のような問題点を解決しようとしてなされたものであり、簡易な構造の生体高分子分析チップを提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、固体撮像デバイスと、前記固体撮像デバイスの受光面に貼り付けられたフィルムと、既知の生体高分子からなり、前記フィルム上に点在した複数種のスポットと、を備えることを特徴とする生体高分子分析チップである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の生体高分子分析チップにおいて、前記フィルムが前記固体撮像デバイスの受光面から剥離可能になっていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の生体高分子分析チップにおいて、前記フィルムが粘着材によって前記固体撮像デバイスの受光面に粘着していることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の生体高分子分析チップにおいて、前記フィルムが光透過性を有することを特徴とする。
以上の生体高分子分析チップを用いる際には、蛍光標識されたサンプルを固体撮像デバイスの受光面に添加する。そうすると、サンプルが特異的な(例えば、相補的な)スポットには結合し、特異的でないスポットには結合しない。そのため、固体撮像デバイスの受光面に向けて励起光を照射した状態で固体撮像デバイスで撮像を行えば、サンプルに結合したスポットが付いた部分では蛍光により明るくなり、サンプルに結合したスポットが付いていない部分では暗くなる。
このように、走査を行わずとも固体撮像デバイスの受光面に複数種のスポットが設けられたフィルムを配置させたので、レンズ等の光学系が無くとも固体撮像デバイスで鮮明な像を得ることができる。
請求項に記載の発明は、固体撮像デバイスの受光面にフィルムを貼り付ける工程と、前記フィルムの表面に、既知の生体高分子からなる複数種のスポットを点着する工程と、を含むことを特徴とする生体高分子分析チップの製造方法である。なお、フィルムを固体撮像デバイスの受光面に貼り付ける工程が先であっても良いし、フィルムにスポットを貼着する工程が先であっても良いし、これら工程が同時であっても良い。
以上のように製造された生体高分子分析チップを用いれば、走査を行わずとも固体撮像デバイスで撮像を行うだけで、二次元の画像が得られ、得られた画像からサンプルの分析を行うことができる。また、固体撮像デバイスの受光面にフィルムが貼り付けられているから、生体高分子分析チップの使用後等にフィルムを剥離すれば、固体撮像デバイスを再利用することができる。
本発明によれば、走査を行わずとも固体撮像デバイスで撮像を行うだけで二次元の画像が得られ、レンズ等の光学系が無くとも固体撮像デバイスで鮮明な像を得ることができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
〔1〕生体高分子分析チップの全体構成
図1は、本発明を適用した実施形態における生体高分子分析チップ1の概略平面図であり、図2は、図1の切断面IIを矢印方向に見た断面図である。
この生体高分子分析チップ1は、透明基板17と、透明基板17上に画素としての光電変換素子を二次元アレイ状に配列してなる固体撮像デバイス3と、固体撮像デバイス3の受光面に貼り付けられたフィルム32と、フィルム32上においてマトリクス状に点在したスポット60,60,…と、を具備する。
〔2〕固体撮像デバイス
図1〜図4を用いて固体撮像デバイス3について詳細に説明する。ここで、図3は、固体撮像デバイス3の画素である光電変換素子の電極構造を示した平面図であり、図4は、固体撮像デバイス3の光電変換素子の断面図である。
この固体撮像デバイス3においては、光電変換素子としてダブルゲート型電界効果トランジスタ(以下、ダブルゲートトランジスタという。)20が利用されている。複数のダブルゲートトランジスタ20,20,…が透明基板17上に二次元アレイ状特にマトリクス状に配列されている。
透明基板17は、光を透過する性質(以下、光透過性という。)を有するとともに絶縁性を有し、石英ガラス等といったガラス基板又はポリカーボネート、PMMA等といったプラスチック基板である。
ダブルゲートトランジスタ20,20,…はそれぞれ、透明基板17上に形成されたボトムゲート電極21と、ボトムゲート電極21上に形成されたボトムゲート絶縁膜22と、ボトムゲート電極21に対向するとともにボトムゲート絶縁膜22をボトムゲート電極21と挟む真性な半導体膜23と、半導体膜23の中央部上に形成されたチャネル保護膜24と、半導体膜23の両端部上に互いに離間して形成された不純物半導体膜25,26と、不純物半導体膜25上に形成されたソース電極27と、不純物半導体膜26上に形成されたドレイン電極28と、ソース電極27及びドレイン電極28上に形成されたトップゲート絶縁膜29と、半導体膜23に対向するとともにトップゲート絶縁膜29及びチャネル保護膜24を半導体膜23と挟むトップゲート電極30と、を具備する。
ボトムゲート電極21は、ダブルゲートトランジスタ20ごとに透明基板17上に形成されている。また、透明基板17上には横方向に延在する複数本のボトムゲートライン41,41,…が形成されており、横方向に配列された同一の行のダブルゲートトランジスタ20,20,…のそれぞれのボトムゲート電極21は共通のボトムゲートライン41と一体となって形成されている。ボトムゲート電極21及びボトムゲートライン41は、導電性及び遮光性を有し、例えばクロム、クロム合金、アルミ若しくはアルミ合金又はこれらの合金からなる。
ボトムゲート絶縁膜22は、全てのダブルゲートトランジスタ20,20,…に共通して形成されており、ダブルゲートトランジスタ20,20,…のボトムゲート電極21及びボトムゲートライン41,41,…をまとめて被覆している。ボトムゲート絶縁膜22は、絶縁性及び光透過性を有し、例えば窒化シリコン(SiN)又は酸化シリコン(SiO2)からなる。
ボトムゲート絶縁膜22上には、半導体膜23がダブルゲートトランジスタ20ごとに形成されている。半導体膜23は、平面視して略矩形状を呈しており、受光した蛍光の光量に応じた量の電子−正孔対を生成するアモルファスシリコン又はポリシリコンで形成された層である。半導体膜23上には、チャネル保護膜24が形成されている。チャネル保護膜24は、絶縁性及び光透過性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。チャネル保護膜24は、パターニングに用いられるエッチャントから半導体膜23の界面を保護するものである。半導体膜23に光が入射すると、入射した光量に従った量の電子−正孔対がチャネル保護膜24と半導体膜23との界面付近を中心に発生するようになっている。この場合、半導体膜23側にはキャリアとして正孔が発生し、チャネル保護膜24側には電子が発生する。
半導体膜23の一端部上には、不純物半導体膜25が一部チャネル保護膜24に重なるようにして形成されており、半導体膜23の他端部上には、不純物半導体膜26が一部チャネル保護膜24に重なるようにして形成されている。不純物半導体膜25,26は、ダブルゲートトランジスタ20ごとにパターニングされている。不純物半導体膜25,26は、n型の不純物イオンを含むアモルファスシリコン(n+シリコン)からなる。
不純物半導体膜25上には、ダブルゲートトランジスタ20ごとにパターニングされたソース電極27が形成されている。不純物半導体膜26上には、ダブルゲートトランジスタ20ごとにパターニングされたドレイン電極28が形成されている。また、縦方向に延在する複数本のソースライン42,42,…及びドレインライン43,43,…がボトムゲート絶縁膜22上に形成されている。縦方向に配列された同一の列のダブルゲートトランジスタ20,20,…のそれぞれのソース電極27は共通のソースライン42と一体に形成されており、縦方向に配列された同一の列のダブルゲートトランジスタ20,20,…のそれぞれのドレイン電極28は共通のドレインライン43と一体に形成されている。ソース電極27、ドレイン電極28、ソースライン42及びドレインライン43は、導電性及び遮光性を有しており、例えばクロム、クロム合金、アルミ若しくはアルミ合金又はこれらの合金からなる。
トップゲート絶縁膜29は、全てのダブルゲートトランジスタ20,20,…に共通して形成されており、ダブルゲートトランジスタ20,20,…のチャネル保護膜24、ソース電極27及びドレイン電極28並びにソースライン42,42,…及びドレインライン43,43,…をまとめて被覆している。トップゲート絶縁膜29は、絶縁性及び光透過性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
トップゲート絶縁膜29上には、ダブルゲートトランジスタ20ごとにパターニングされたトップゲート電極30が形成されている。また、トップゲート絶縁膜29上には横方向に延在する複数本のトップゲートライン44,44,…が形成されており、横方向に配列された同一の行のダブルゲートトランジスタ20,20,…のそれぞれのトップゲート電極30は共通のトップゲートライン44と一体に形成されている。トップゲート電極30及びトップゲートライン44は、導電性及び光透過性を有し、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛若しくは酸化スズ又はこれらのうちの少なくとも一つを含む混合物(例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム)で形成されている。
ダブルゲートトランジスタ20,20,…のトップゲート電極30及びトップゲートライン44,44,…は保護絶縁膜31によってまとめて被覆されている。保護絶縁膜31は、絶縁性及び光透過性を有し、窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
以上のように構成された固体撮像デバイス3は、保護絶縁膜31の表面を受光面としており、それぞれのダブルゲートトランジスタ20の半導体膜23において受光した光量を電気信号に変換するように設けられている。
なお、保護絶縁膜31の表面に、励起光を遮蔽するとともに可視光を透過する励起光遮蔽膜を成膜し、その励起光遮蔽膜の表面を固体撮像デバイス3の受光面としても良い。励起光遮蔽膜は例えばTiO2からなり、励起光として特に紫外線を遮蔽する性質を有するものである。
〔3〕フィルム
フィルム32は、固体撮像デバイス3の受光面(保護絶縁膜31の表面又は励起光遮蔽膜の表面)に貼り付けられている。ここで、フィルム32と固体撮像デバイス3の受光面との間に粘着材が介在せずに、フィルム32が固体撮像デバイス3の受光面に直接貼り付けられていても良いし、フィルム32と固体撮像デバイス3との間に光透過性の粘着材が介在し、粘着材によってフィルム32が固体撮像デバイス3の受光面に粘着されていても良いし、フィルム32と固体撮像デバイス3の受光面との間に粘着材が介在せずに、フィルム32が静電気によって固体撮像デバイス3の受光面に貼り付けられていても良い。粘着材は固体撮像デバイス3に固着しないため、何れの場合でも、貼り付けられたフィルム32は固体撮像デバイス3の受光面から剥離可能となっている。
フィルム32は樹脂製であり、光透過性を有する。特に、フィルム32が可視光(蛍光)波長域の光を透過し、紫外線波長域の光を遮蔽するよう設けられていることがより好ましい。
〔4〕スポット
次に、スポット60について説明する。図1、図2、図4に示すように、複数種のスポット60,60,…が互いに離間して、マトリクス状となってフィルム32の表面上に配列されている。1つのスポット60は一本鎖プローブDNA61が多数集まった群集であり、1つのスポット60に含まれる多数の一本鎖プローブDNA61は同じ塩基配列(ヌクレオチド配列)を有する。また、スポット60ごとに一本鎖プローブDNA61の塩基配列が異なる配列となっている。DNAを構成するポリヌクレオチド核酸のような塩基は、相補的な塩基配列のみの高分子としか螺旋結合つまりハイブリダイゼーションしないので、各スポット60毎の一本鎖プローブDNA61は、それぞれ個体情報に応じたハイブリダイゼーション特性を有している。何れのスポット60も、塩基配列が既知のものである。
1つのスポット60につき1つのダブルゲートトランジスタ20が重なるように、スポット60,60,…が配列されている。なお、1つのスポット60につき隣り合う幾つかのダブルゲートトランジスタ20,20,…が重なっても良いが、この場合には何れのスポット60でも重なったダブルゲートトランジスタ20の数が同じである。
〔5〕生体高分子分析チップの製造方法
まず、透明基板17上に固体撮像デバイス3を半導体装置製造技術により形成する。すなわち、気相成長法(例えば、PVD法、CVD法、スパッタリング法等)といった成膜工程、フォトリソグラフィー法、メタルマスク法といったマスク工程、エッチングといった形状加工工程を適宜行うことにより固体撮像デバイス3を透明基板17上にパターニングする。その後、固体撮像デバイス3を検査し、固体撮像デバイス3が正常であることを確認する。
保護絶縁膜31の表面に励起光遮蔽膜を気相成長法によって成膜しても良いが、その場合には励起光遮蔽膜の表面が固体撮像デバイス3の受光面となり、励起光遮蔽膜を成膜しない場合には、保護絶縁膜31の表面が固体撮像デバイス3の受光面となる。また、保護絶縁膜31の表面又は励起光遮蔽膜の表面に光学的薄膜又は透明薄膜を成膜しても良いが、その場合には光学的薄膜又は透明薄膜が固体撮像デバイス3の受光面になる。
一方、固体撮像デバイス3に貼り付けるためのフィルム32を準備し、分注装置によってフィルム32の一方の面にスポット60,60,…つまり各種一本鎖プローブDNA61を点着する。ここで、ダブルゲートトランジスタ20,20,…の配列にスポット60,60,…の配列が対応するようスポット60,60,…をフィルム32に点着し、必要に応じてフィルム32の他方の面に粘着材を均一の膜厚になるよう塗布する。スポット60,60を点着する前に予め粘着材が基材の裏面に塗布された粘着テープの基材をフィルム32として用いる場合には、基材の表面にスポット60,60,…を点着する。以上のように、フィルム32と、フィルム32の一方の面に塗布された粘着材と、フィルム32の他方の面上に点在したスポット60,60,…と、からなるものを、生体高分子アレイフィルムという。なお、フィルム32の一方の面にスポット60,60,…を点着する前又は後に、気相成長法等によって励起光遮蔽膜をフィルム32の他方の面に成膜しても良い。フィルム32に設けられた粘着材は、固体撮像デバイス3に貼り付く粘着面に隔離自在な離型紙が設けられてもよい。固体撮像デバイス3に貼り付けられる直前に離型紙を剥がすことで貼り付けの作業を行いやすく、また粘着面の露出による粘着性の低下を抑制できる。
次に、正常の固体撮像デバイス3のダブルゲートトランジスタ20,20,…にスポット60,60,…をそれぞれ重ねるように、フィルム32の他方の面をその固体撮像デバイス3の受光面に貼り付ける。ここで、フィルム32の他方の面に粘着材が予め塗布されている場合には、フィルム32と固体撮像デバイス3の受光面に挟まれた粘着材によってフィルム32が固体撮像デバイス3の受光面に密着する。なお、固体撮像デバイス3の受光面に粘着材を均一の膜厚でコーティングし、その粘着材を介在させてフィルム32の他方の面を固体撮像デバイス3の受光面に貼り付けても良い。具体的には、固体撮像デバイス3とフィルム32との間に大きな屈折率の差をもたらす隙間が生じないように、まずフィルム32の表面の一方の辺側を固体撮像デバイス3に貼り付け、フィルム32の一方の辺側から徐々に一方の辺側に対向する辺側を押しつけるようにして隙間の空間を押し出させるように貼り付けてもよい。フィルム32は可撓性なので、押しつけられても傷ついたり割れたりすることがないが、スポット60,60上を押しつけることがないようにする必要がある。
次に、完成した生体高分子分析チップ1を検査し、生体高分子分析チップ1が正常でない場合には、固体撮像デバイス3からフィルム32を剥離する。そして、スポット60,60,…が点着された別のフィルム32を、その固体撮像デバイス3の受光面に貼り付ける。このように、生体高分子分析チップ1が不良品であっても、固体撮像デバイス3を再利用することができ、歩留まりがいい。また、所定の塩基配列のスポット60,60,…の点着されているフィルム32を貼り付けて塩基配列の同定を行った固体撮像デバイス3からこのフィルム32を剥がして、このフィルム32のスポット60,60,…と塩基配列が異なるスポット60,60,…の点着されているフィルム32を新たに貼り付けて再び生体高分子分析チップ1として利用するようにしてもよい。
なお、複数の生体高分子分析チップ1を製造する場合には、一枚の透明基板17に複数の固体撮像デバイス3を半導体製造技術により同時に形成し、一枚のフィルム32にスポット群(スポット群とは、1つの生体高分子分析チップ1に設ける数だけスポット60,60,…の集まり)を固体撮像デバイス3の数だけ点着する。そして、1つの固体撮像デバイス3につき1つのスポット群が重なるよう、フィルム32を固体撮像デバイス3群の受光面に貼り付け、できたものを固体撮像デバイス3ごとに切断する。これにより、複数の生体高分子分析チップ1を同時に製造することができる。
以上では、フィルム32の一方の面にスポット60,60,…を点着した後に、そのフィルム32の他方の面を固体撮像デバイス3の受光面に貼着するものとして説明した。それに対して、スポット60,60,…の点着されていないフィルム32を固体撮像デバイス3の受光面に貼着した後に、そのフィルム32の表面にスポット60,60,…を点着しても良い。すなわち、スポット60,60,…が点在していないフィルム32を、固体撮像デバイス3及びフィルム32の少なくともいずれか一方に設けられた粘着材によって固体撮像デバイス3に貼り付けてからスポット60,60,…をフィルム32に設ける。この場合、上述のようにフィルム32の表面の一方の辺側を固体撮像デバイス3に貼り付け、フィルム32の一方の辺側から徐々に一方の辺側に対向する辺側を押しつけるようにして隙間の空間を押し出させる際に、フィルム32の表面にスポット60,60が形成されていないので、フィルム32の表面の全面を押しつけて隙間を無いように貼り付けることができるため、隙間の空気による屈折率の差により、正常にスポット60での蛍光がダブルゲートトランジスタ20に伝搬できないといったことを防止するとともに、スポット60,60,…がダブルゲートトランジスタ20面に対して平滑に配置、つまり生体高分子分析チップ1の複数の画素において、スポット60とダブルゲートトランジスタ20との間の距離が均等に保持されるので受光量の面内バラツキを抑制することができる。この後、固体撮像デバイス3のダブルゲートトランジスタ20,20,…の位置に合わせてスポット60,60を設けて生体高分子分析チップ1が製造される。なお、この場合でも、生体高分子分析チップ1が正常でない場合には、固体撮像デバイス3からフィルム32を剥離し、その固体撮像デバイス3の受光面に別のフィルム32を貼着することによって、生体高分子分析チップ1が不良品であっても固体撮像デバイス3を再利用することができる。
〔6〕DNA分析方法及び分析支援装置
次に、生体高分子分析チップ1を用いてDNAの塩基配列を分析する方法について説明する。
生体高分子分析チップ1を分析支援装置にセッティングして生体高分子分析チップ1を用いるので、まず分析支援装置について図5、図6を用いて説明する。図5は、分析支援装置70の回路構成を示したブロック図であり、図6は、分析支援装置70に生体高分子分析チップ1をセッティングした場合の側面図である。図6において、生体高分子分析チップ1は破断して示されている。
分析支援装置70は、生体高分子分析チップ1がセッティングされる分析台71と、固体撮像デバイス3の受光面の上から受光面に向けて励起光を照射する励起光照射装置72と、固体撮像デバイス3を駆動するトップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76と、励起光照射装置72、トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76を制御するコントローラ73と、コントローラ73から出力された信号により出力(表示又はプリント)を行う出力装置77と、から構成されている。
生体高分子分析チップ1は分析台71に対して着脱自在になっている。生体高分子分析チップ1が分析台71にセッティングされた場合には、固体撮像デバイス3のトップゲートライン44,44,…がトップゲートドライバ74の端子にそれぞれ接続されるようになっている。同様に、固体撮像デバイス3のボトムゲートライン41,41,…がボトムゲートドライバ75の端子にそれぞれ接続されるようになっており、固体撮像デバイス3のドレインライン43,43,…がドレインドライバ76の端子にそれぞれ接続されるようになっている。また、生体高分子分析チップ1が分析台71にセッティングされた場合、固体撮像デバイス3のソースライン42,42,…が一定電圧源に接続され、この例ではソースライン42,42,…が接地されるようになっている。
励起光照射装置72は分析台71に対向しており、分析台71に生体高分子分析チップ1が搭載された場合に、励起光照射装置72から面状に出射した励起光が生体高分子分析チップ1に照射されるようになっている。励起光照射装置72が照射する励起光は紫外線波長域の光である。なお、励起光照射装置72は、出射する励起光の波長域を可変可能に設けられていても良い。
出力装置77はプロッタ、プリンタ又はディスプレイである。
トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76は、協同して固体撮像デバイス3を駆動するものである。トップゲートドライバ74は、シフトレジスタである。つまり、図7に示すように、トップゲートドライバ74はトップゲートライン44,44,…にリセットパルスを順次出力するようになっている。リセットパルスのレベルは+5〔V〕のハイレベルである。一方、トップゲートドライバ74は、リセットパルスを出力しない時にローレベルの−20〔V〕の電位をそれぞれのトップゲートライン44に印加するようになっている。
ボトムゲートドライバ75は、シフトレジスタである。つまり、図7に示すように、ボトムゲートライン41,41,…にリードパルスを順次出力するようになっている。リードパルスのレベルは+10〔V〕のハイレベルであり、リードパルスが出力されていない時のレベルは±0〔V〕のローレベルである。
トップゲートドライバ74が何れかの行のトップゲートライン44にリセットパルスを出力した後にキャリア蓄積期間を経てボトムゲートドライバ75が同じ行のボトムゲートライン41にリードパルスを出力するように、トップゲートドライバ74及びボトムゲートドライバ75が出力信号をシフトする。つまり、各行では、リードパルスが出力されるタイミングは、リセットパルスが出力されるタイミングより遅れている。また、何れかの行のトップゲートライン44へのリセットパルスの入力が開始してから、同じ行のボトムゲートライン41へのリードパルスの入力が終了するまでの期間は、その行の選択期間である。リセットパルスのレベルは+5〔V〕のハイレベルであり、リセットパルスが出力されていない時のレベルは−20〔V〕のローレベルである。
図7に示すように、ドレインドライバ76は、それぞれの行の選択期間において、リセットパルスが出力されてからリードパルスが出力されるまでの間に、全てのドレインライン43,43,…にプリチャージパルスを出力するようになっている。プリチャージパルスのレベルは+10〔V〕のハイレベルであり、プリチャージパルスが出力されていない時のレベルは±0〔V〕のローレベルである。また、ドレインドライバ76は、プリチャージパルスの出力後にドレインライン43,43,…の電圧を増幅してコントローラ73に出力するようになっている。
コントローラ73は励起光照射装置72を点灯させる機能を有する。また、コントローラ73は、トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76に制御信号を出力することによって、トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76に固体撮像デバイス3の駆動動作を行わせる機能を有する。また、コントローラ73はドレインドライバ76から入力した電気信号をA/D変換することで、固体撮像デバイス3の受光面に沿った光強度分布を二次元の画像データとして取得する機能を有する。また、コントローラ73は入力した二次元の画像データ画像データに従った画像を出力装置77に出力させる機能を有する。
生体高分子分析チップ1及び分析支援装置70の動作並びにDNAの分析方法(同定方法)について説明する。
まず、作業者が検体からDNAを採取して、採取した二本鎖DNAを一本鎖DNAに変性してから場合によってPCR増幅を行い、得られた一本鎖DNAに蛍光物質、燐光材料又は光共鳴散乱物質を結合させ、一本鎖DNAを蛍光物質、燐光材料又は光共鳴散乱物質で標識する。蛍光物質、燐光材料又は光共鳴散乱物質は、分析支援装置の励起光照射装置から出射される励起光で励起されるものを選択するが、蛍光物質としては、例えばCyDyeのCy2(アマシャム社製)がある。得られた一本鎖DNAは、溶液中に含まれている。以下では、この一本鎖DNAをサンプルDNAという。
次いで、作業者が、サンプルDNAを含有した溶液を固体撮像デバイス3の受光面に塗布する。ここで、固体撮像デバイス3の受光面にサンプルDNAを分布させるために、サンプルDNAを電気泳動させても良い。なお、サンプルDNAを含有した溶液をスポット60,60,…に順次又は同時に滴下しても良い。このとき、一本鎖が二本鎖とならないようにサンプルDNAを含有した溶液は加熱されている。
その後、サンプルDNAのハイブリダイゼーションを引き起こすために、生体高分子分析チップ1を所定の温度に冷却する。これにより、スポット60,60,…のなかにサンプルDNAと相補的なものがあれば、サンプルDNAが相補的なスポット60のプローブDNA61とハイブリダイゼーションにより結合する。一方、スポット60,60,…のなかにサンプルDNAと相補的なものがなければ、サンプルDNAはどのスポット60,60,…にも結合しない。
その後、固体撮像デバイス3の受光面に塗布したサンプルDNAのうちハイブリダイゼーションしなかったものは洗い流す際に除去され、ハイブリダイゼーションしたものは、固体撮像デバイス3上に残存する。
次いで、作業者が固体撮像デバイス3を分析台71にセッティングし、励起光照射装置72を固体撮像デバイス3の受光面に対向させ、トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76をコントローラ73に接続する。
その後、コントローラ73を起動すると、コントローラ73が励起光照射装置72を制御して励起光照射装置72を点灯させると、励起光照射装置72から固体撮像デバイス3の受光面に向けて励起光が出射する。
サンプルDNAが標識されているので、スポット60,60,…のうちサンプルDNAとハイブリダイゼーションしたスポット60からは蛍光(主に可視光波長域)が発し、サンプルDNAと結合しなかったスポット60からは蛍光が発しない。そのため、サンプルDNAと結合したスポット60に対応したダブルゲートトランジスタ20には高強度の蛍光が入射し、サンプルDNAと結合していないスポット60に対応したダブルゲートトランジスタ20には殆ど蛍光が入射しない。固体撮像デバイス3の受光面にスポット60,60,…が固定されているため、サンプルDNAと結合したスポット60から発した蛍光はあまり減衰せずに、そのスポット60に対応したダブルゲートトランジスタ20に入射して電子−正孔対を発生させる。従って、ダブルゲートトランジスタ20,20,…の感度が低くても、十分に強度を検知することができる。なお、サンプルDNAに燐光材料を結合させた場合、励起光照射装置72が消灯しても、サンプルDNAとハイブリダイゼーションしたスポット60からは燐光(主に可視光波長域)が発し続ける。
その後、蛍光物質又は光共鳴散乱物質をサンプルDNAに結合した場合には励起光照射装置72が点灯した状態で、燐光材料をサンプルDNAに結合した場合には励起光照射装置72が点灯後に消灯した状態で、コントローラ73がトップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76を制御することにより、固体撮像デバイス3に撮像動作を行わせる。これにより、固体撮像デバイス3がダブルゲートトランジスタ20,20,…のそれぞれで光強度又は光量を検知し、受光面に沿った光強度分布を二次元の画像データとして取得する。コントローラ73は、固体撮像デバイス3で取得された画像データを入力し、その画像を出力装置に出力する。そして、コントローラの処理が終了する。
作業者は、出力装置により出力された画像データからハイブリダイゼーションの有無を確認し、ハイブリダイゼーションが起きていればサンプルDNAの塩基配列を特定する。即ち、サンプルDNAの塩基配列は、画像の中でハイブリダイゼーションによって蛍光を発した画素に重なったスポット60と相補的な配列であるので、出力された画像データ中のどの部分が蛍光を発したかによってサンプルDNAの塩基配列を特定することができる。
ここで、トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76による固体撮像デバイス3の動作について説明する。
トップゲートドライバ74が1行目のトップゲートライン44から最終行目のトップゲートライン44へと順次リセットパルスを出力し、ボトムゲートドライバ75がボトムゲートライン41,41,41,…に順次リードパルスを出力する。その際、ドレインドライバ76が各行でリセットパルスが出力されているリセット期間と各行でリードパルスが出力されている期間との間に、プリチャージパルスを全てのドレインライン43,43,…に出力する。
i行目の各ダブルゲートトランジスタ20の動作について詳細に説明する。図7に示すように、トップゲートドライバ74がi行目のトップゲートライン44にリセットパルスを出力すると、i行目のトップゲートライン44がハイレベルになる。i行目のトップゲートライン44がハイレベルになっている間(この期間をリセット期間という。)、i行目の各ダブルゲートトランジスタ20では、半導体膜23内や半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積されたキャリア(ここでは、正孔である。)が、トップゲート電極30の電圧により反発して吐出される。
次に、トップゲートドライバ74がi行目のトップゲートライン44にリセットパルスを出力することを終了する。i行目のトップゲートライン44のリセットパルスが終了してから、i行目のボトムゲートライン41にリードパルスが出力されるまでの間(この期間をキャリア蓄積期間という。)、光量に従った量の電子−正孔対が半導体膜23内で生成されるが、そのうちの正孔がトップゲート電極30の電界により半導体膜23内や半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積される。
次に、キャリア蓄積期間中に、ドレインドライバ76が全てのドレインライン43,43,…にプリチャージパルスを出力する。プリチャージパルスが出力されている間(プリチャージ期間という。)では、i行目の各ダブルゲートトランジスタ20においては、トップゲート電極30に印加されている電位が−20〔V〕であり、ボトムゲート電極21に印加されている電位が±0〔V〕であるため、たとえ半導体膜23内や半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積された正孔の電荷だけではゲート−ソース間電位が低いので半導体膜23にはチャネルが形成されず、ドレイン電極28とソース電極27との間に電流は流れない。プリチャージ期間において、ドレイン電極28とソース電極27との間に電流が流れないため、ドレインライン43,43,…に出力されたプリチャージパルスによってi行目の各ダブルゲートトランジスタ20のドレイン電極28に電荷がチャージされる。
次に、ドレインドライバ76がプリチャージパルスの出力を終了するとともに、ボトムゲートドライバ75がi行目のボトムゲートライン41にリードパルスを出力する。ボトムゲートドライバ75がi行目のボトムゲートライン41にリードパルスを出力している間(この期間を、リード期間という。)では、i行目の各ダブルゲートトランジスタ20のボトムゲート電極21に+10〔V〕の電位が印加されているため、i行目の各ダブルゲートトランジスタ20がオン状態になる。
リード期間においては、キャリア蓄積期間において蓄積されたキャリアがトップゲート電極30の負電界を緩和するように働くため、ボトムゲート電極21の正電界により半導体膜23にnチャネルが形成されて、ドレイン電極28からソース電極27に電流が流れるようになる。従って、リード期間では、ドレインライン43,43,…の電圧は、ドレイン−ソース間電流によって時間の経過とともに徐々に低下する傾向を示す。
ここで、キャリア蓄積期間において半導体膜23に入射した光量が多くなるにつれて、蓄積されるキャリアも多くなり、蓄積されるキャリアが多くなるにつれて、リード期間においてドレイン電極28からソース電極27に流れる電流のレベルも大きくなる。従って、リード期間におけるドレインライン43,43,…の電圧の変化傾向は、キャリア蓄積期間で半導体膜23に入射した光量に深く関連する。そして、i行目のリード期間から次の(i+1)行目のプリチャージ期間までの間に、ドレインドライバ76を介して、リード期間が開始してから所定の時間経過後のドレインライン43,43,…の電圧を検出してA/D変換する。これにより、光の強度に換算される。なお、i行目のリード期間から次の(i+1)行目のプリチャージ期間までの間に、ドレインドライバ76を介して、所定の閾値電圧に至るまでの時間を検出しても良い。この場合でも、光の強度に換算される。また、図7では、トップゲートドライバ74の(i+1)行目のリセットパルスの立ち上がり時期は、ボトムゲートドライバ75のi行目のリードパルスが立ち下がってからであるが、これに限らず、トップゲートドライバ74の(i+1)行目のリセットパルスの立ち上がり時期は、トップゲートドライバ74のi行目のリセットパルスの立ち下がり直後からボトムゲートドライバ75のi行目のリードパルスの立ち下がりまでの間であってもよい。ただし、(i+1)行目のダブルゲートトランジスタ20のためにドレインライン43,43,…に出力されたプリチャージパルスの出力は、ボトムゲートドライバ75のi行目のリードパルスの立ち下がり以降になるように設定されている。
上述した一連の画像読み取り動作を1サイクルとして、全ての行の各ダブルゲートトランジスタ20にも同等の処理手順を繰り返すことにより、生体高分子分析チップ1上の光の強度分布が画像として取得される。そして、光強度分布を表した画像は、コントローラに入力される。
以上のように、本実施形態によれば、固体撮像デバイス3の受光面に貼着したフィルム32上にスポット60,60,…が点在しているから、走査を行わずとも固体撮像デバイス3で撮像を行うだけで二次元の画像が得られる。更に、分析支援装置70にレンズを設けなくとも、固体撮像デバイス3で鮮明な像を得ることができるので、分析支援装置70の小型化を図ることができる。更に、スポット60から発した光が殆ど減衰せずに固体撮像デバイス3の受光面に入射するので、固体撮像デバイス3の感度が高くなくても済む。
また、固体撮像デバイス3の受光面に剥離可能なフィルム32が貼着されているから、生体高分子分析チップ1の使用後にフィルム32を剥離すれば、固体撮像デバイス3を再利用することができる。
さらに、ダブルゲートトランジスタ20とスポット60との距離が短いので、従来のように、フォトマルを設ける必要がなく、装置の小型化を図ることができる。
〔変形例1〕
上記生体高分子分析チップ1では、光電変換素子としてダブルゲートトランジスタ20,20,…を画素として用いた固体撮像デバイス3を用いているが、別の種類の光電変換素子を画素として用いた固体撮像デバイスを生体高分子分析チップに用いても良い。例えば、フォトダイオードを画素として用いたCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等といった固体撮像デバイスを用いても良い。CCDイメージセンサにおいては、フォトダイオードが基板上にマトリクス状となって配列されており、それぞれのフォトダイオードの周囲には、フォトダイオードで光電変換された電気信号を転送するための垂直CCD、水平CCDが形成されている。CMOSイメージセンサにおいては、フォトダイオードが基板上にマトリクス状となって配列されており、それぞれのフォトダイオードの周囲にはフォトダイオードで光電変換された電気信号を増幅するためのCMOS回路が設けられている。
〔変形例2〕
上記分析支援装置70では、励起光照射装置72が固体撮像デバイス3の受光面の上から固体撮像デバイス3に向けて励起光を照射しているが、ボトムゲート電極21が励起光を遮光する材質であれば、透明基板17の裏面(固体撮像デバイス3が形成された面と反対の面)に配置して固体撮像デバイス3に向けて向けて励起光を照射しても良い。固体撮像デバイス3はボトムゲート電極21、ボトムゲートライン41、ソース電極27、ソースライン42、ドレイン電極28、ドレインライン43の部分を除いて光透過性であるから、励起光がダブルゲートトランジスタ20,20,…の間において固体撮像デバイス3の受光面から上へ出射する。このようなレイアウトでは、照射された励起光が直接半導体膜23に入射されることを防止できるとともにダブルゲートトランジスタ20、20の間から進行する励起光がスポット60に入射するので、励起光によって蛍光受光感度特性が低下することを防止し且つハイブリダイゼーションによる蛍光を受光できるため正常に蛍光検知することができる。なお、この場合には、生体高分子分析チップ1には、励起光遮蔽層を成膜しなくてもよい。
〔変形例3〕
上記生体高分子分析チップ1では、スポット60が既知の塩基配列の一本鎖DNAからなるものであるが、その他の既知の生体高分子、例えば、既知のアミノ酸配列やペプチド配列のタンパク質、既知の細胞等からなるものでも良い。したがって、生体高分子分析チップ1によってタンパク質のアミノ酸配列やペプチド配列を分析することが可能となる。
〔変形例4〕
また、上記実施形態では、励起光照射装置72から発する励起光を紫外線とし、励起光によってサンプルDNAから発する光を蛍光(可視光)としたが、このような光の波長域に限定されない。但し、励起光照射装置72から発する励起光がサンプルDNAに結合させた標識物質を励起させる波長域の光であること、励起光によって標識物質から発した光の波長域が励起光の波長域と異なることが必要である。また、固体撮像デバイス3が標識物質から発した光に対して感度を示すことが必要である。
〔変形例5〕
また、上記分析支援装置70では、コントローラ73が固体撮像デバイス3から入力した画像データに従った画像を出力装置77に出力し、作業者が出力された画像からサンプルDNAの配列を特定したが、コントローラ73がサンプルDNAの配列を特定しても良い。すなわち、コントローラが、特徴抽出処理によって画像データ中のどの部分が蛍光を発しているかを特定し、蛍光を発している部分に対応するスポット60を特定し、その特定したスポット60に相補的な塩基配列を出力装置から出力する。
〔変形例6〕
また上記各実施形態では、フィルム32の裏面において、表面に設けられているスポット60,60,…位置に対向した部分に粘着材を設け、スポット60,60,…間には、粘着材の厚さによる隙間を設けてもよい。このようにすることでスポット60での蛍光が、隙間の空気よりも十分屈折率の高い、つまりフィルム32や固体撮像デバイス3の表面との間の屈折率が小さい粘着材を介してその下方に位置するダブルゲートトランジスタ20に伝搬されるが、隣接するスポット60,60間には屈折率の差が大きい空気の層である隙間が生じているので、あるスポット60での蛍光が隣接するスポット60に対応したダブルゲートトランジスタ20に伝搬することを抑制し、細かいピッチでスポット60,60,…を配置でき、画素数に対してより生体高分子分析チップ1を小さくすることができる。
〔変形例7〕
また、フィルム32と固体撮像デバイス3との間に粘着材を設けずに、固定クリップ等によって固体撮像デバイス3上のフィルム32が位置ずれしないように固体撮像デバイス3に組み付けられもよい。
本発明の実施の形態における生体高分子分析チップ1の概略平面図である。 図1の切断面IIに沿った断面図である。 固体撮像デバイス3の1つの画素の平面図である。 図3の切断面IVに沿った断面図である。 分析支援装置70の回路構成を示したブロック図である。 分析支援装置70の概略側面図である。 ドライバによって固体撮像デバイス3に出力される電気信号のレベルの推移を示したタイミングチャートである。
符号の説明
1 … 生体高分子分析チップ
3 … 固体撮像デバイス
32 … フィルム
60 … スポット
61 … 一本鎖プローブDNA(生体高分子)

Claims (6)

  1. 固体撮像デバイスと、
    前記固体撮像デバイスの受光面に貼り付けられたフィルムと、
    既知の生体高分子からなり、前記フィルム上に点在した複数種のスポットと、を備えることを特徴とする生体高分子分析チップ。
  2. 前記フィルムが前記固体撮像デバイスの受光面から剥離可能になっていることを特徴とする請求項1に記載の生体高分子分析チップ。
  3. 前記フィルムが粘着材によって前記固体雑増デバイスの受光面に粘着していることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体高分子分析チップ。
  4. 前記フィルムが光透過性を有することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の生体高分子分析チップ。
  5. 固体撮像デバイスの受光面にフィルムを貼り付ける工程と、
    前記フィルムの表面に、既知の生体高分子からなる複数種のスポットを点着する工程と、を含むことを特徴とする生体高分子分析チップの製造方法。
  6. 前記複数種のスポットを点着する工程は、前記フィルムを貼り付ける工程の前後いずれかに行われることを特徴とする請求項に記載の生体高分子分析チップの製造方法。
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