JP2005200049A - 易開封液体紙容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、内容物を完全に密封した状態でありながら、且つ容易に開封することができ、トップシール部の形状やシール部の設備を変更することもなくシール強度の変更ができ、工程数が増えず、特殊な設備も使用せず、安価でシール強度も内容物による影響のない易開封液体紙容器を提供することを目的とする。
【解決手段】板紙層を基材層として、少なくとも表面層および裏面層に熱可塑性樹脂層を積層した積層板からなるブランクを折畳み成形した易開封液体紙容器において、トップシール部Xに全ベタ剥離ニス層c、網点パターン状剥離ニス層bを順次設け、且つトップシール部Xおよび該トップシール部Xの下縁に連設された頂部Yとの間に設けられた折り目線(罫線)に掛かるようにして全ベタ剥離ニス層cを設けたことを特徴とする易開封液体紙容器である。
【選択図】図1

Description

本発明は、酒類、果実飲料、調味料、台所洗剤などの液体内容物を包装する易開封液体紙容器に関するものであり、さらに詳しくは、液体紙容器に液体内容物を完全密封した状態に保持しながら、且つ該容器のトップシール部の開封を容易にした易開封液体紙容器に関するものである。
従来、易開封構造を有する液体紙容器として、容器本体の頂部閉鎖用側壁面のうち、切妻部折込み側壁の上端部をストレートに形成し、この切妻部折込み側壁の上部接着フラップを外側から挟持して接着する垂直壁上部の一部に抗接着剤を塗布して該フラップの熱可塑性樹脂層の熱溶着部が容易に剥離し得るようにし、該フラップを剥離し引き出して注出用スパウトを形成させる形式のものが知られている。
しかしながら、このような易開封構造を有する液体紙容器の頂部閉鎖用側壁の接着シールは、頂部閉鎖用側壁のうち切妻部折込み側壁を内側に折り込んで、上部接着フラップを外側から挟持し、頂部閉鎖用側壁を高温にして押圧して行われる。
このため、前記のように切妻部折込み側壁の上部接着フラップを外側から挟持して接着する垂直壁上部の一部に抗接着剤を塗布して、上部接着フラップの熱可塑性樹脂層の熱溶着部が容易に剥離し得るようにしようとしても、シール時の押圧と高温の影響で塗布面の構成が破壊され、上部接着フラップの熱可塑性樹脂層である熱溶着部の開封のし易さが損なわれるという問題点を有している。
このため、上部接着フラップの熱可塑性樹脂層の熱溶着部の開封時に剥離面が一定せず熱可塑性樹脂層が紙質の一部を剥ぎ取り、紙質内部で剥離することになり、この場合、注ぎ口に紙の繊維が露出してしまい、内容物が紙層に滲み込み、非衛生的になるという問題点を有している。
このような問題点を解決し、トップシール部を開封し易くするために各種の提案がなされている。
例えば、図6に示すように、易開封液体紙容器においてシール面の最もシールし易い面の形状を変えることにより、該紙容器の開封を従来よりも小さい力で容易に行えるようにするとともに、シールの完全性を向上させるものである。
図において、20は、少なくとも表裏面に熱可塑性樹脂層(図示せず)をもつゲーブル型の易開封液体紙容器本体、21は、第1パネル、22は、第2パネル、23は、第3パネル、24は、第4パネル、25は、第5パネルである。
27は、第1パネル21、第2パネル22、第3パネル23、第4パネル24の上部に形成され易開封液体紙容器本体20の頂部を閉鎖する頂部閉鎖用側壁である。
26は、第1パネル21と第3パネル23の上部に形成された頂部閉鎖用側壁27を内側に折り込むようにした切妻部折込み側壁である。
28は、第2パネル22と第4パネル24の頂部閉鎖用側壁27の上部で合わせ垂直に立てて接着シールするようにした接着用垂直壁である。
33は、第1パネル21、第2パネル22、第3パネル23、第4パネル24、第5パネル25に帯状に連続して形成される易開封液体紙容器本体20を封止するための接着フラップである。
次に、第1パネル21の切妻部折込み側壁26の折込み部の上端部29は山形に形成されており、また、第3パネル23の切妻部折込み側壁26の略中央上端部には、水平端部より上方に突出する突出部30が形成されており、この突出部30の両側には水平端部より下方に下がる切欠部31、32が形成されている。
このように一対の頂部切妻部折込み側壁26の、一方の上端部29を山形に形成するとともに、他方の上端部の略中央に上方に突き出す突出部30を形成し、且つ該突出部30の左右に上端部より下方に切り欠いた切欠部31、32を形成したことにより、第1パネル21の切妻部折込み側壁26の接着フラップ33と第3パネル23の切妻部折込み側壁26の接着フラップ33は、第3パネル23の切妻部折込み側壁26の略中央上端部の突出部30の両側の切欠部31、32の部分で幅が狭くなっているため、その部分で接着幅が小さく、易開封液体紙容器本体20の切妻部折込み側壁26の折込み部を従来に比べて小さい力で容易に開封することができる(例えば、特許文献1参照。)。
この提案の場合は、開封性の度合いによってトップ部の形状を変更させる必要が生じることや接着幅が狭くなってもその部分は完全に接着されているため開封する際には、シール強度以上の強度が必要となる。
また、シール部分がしっかりと接着できるように工夫が施されている場合には開封が困難となる問題点がある。
次の提案は、特に液体用紙容器の使用後の空容器を解体して分別回収するときに、手で容易にトップシール部を開口し易い該容器の提案がなされている。
図7(a)に示すように、板紙層を基材層とし、少なくとも表面層および裏面層に熱融着層をもつ積層板からなるブランク100は、該ブランク100の左側パネル120および右側パネル140のトップシール部X表面中心より片側部分に剥離ニス塗膜Vを部分的に形成し、且つ図7(b)に示すように、表パネル130および裏パネル150のトップシール部Xの裏面にイージーピールテープW(層間で容易に剥離可能な多層構成のテープ)を貼着するものである。
このようなブランク100を使用し、背シールパネル110と裏パネル150をシールして作製されたスリーブを成形して、トップシール部Xと頂部Yが切妻屋根型で側壁部Zが四角柱状の液体用紙容器は、使用後にトップシール部Xを開口するため、先ず、左側パネル120のトップシール部Xと右側パネル140のトップシール部Xを剥離するときに熱融着面に部分的に剥離ニス塗膜Vが形成されて接着力が調整されているので、手で容易に剥離することができる。
次に、内面同士が熱融着されている表パネル130のトップシール部Xと左側および右側パネル120、140のトップシール部X、また、内面同士が熱融着されている裏パネル150のトップシール部Xと左側および右側パネル120、140のトップシール部Xとを剥離するときに、その間にイージーピールテープWが介在しているので、手で容易に剥離してトップシール部Xを開口することができる(例えば、特許文献2参照。)。
この提案の場合は、テープ貼着のための新たな設備が必要となり、工程数も増加し、ま
たテープ自体のコストも加わるために液体用紙容器の大幅なコストアップにつながる問題点がある。
次の提案は、内容物を注出する注出口が部分的にシールを弱める成分で構成されているので該注出口の開口が容易である易開封液体紙容器Aの提案である
図8に示すように、板紙層を基材層とし、少なくとも表面層および裏面層に熱可塑性プラスチック層をもつ積層板からなるブランクHは、折り目が作製し易いように折り目線が設けられている。
該ブランクHは、この折り目線を介して、右から横に側壁部40、41、42、43およびサイドシール側壁部44が順次連設され、該側壁部40、41、42、43およびサイドシール側壁部44の上縁に上部フラップ部45、46、47、48およびサイドシールフラップ部49が折り目線を介して、各々連設されている。
さらに、該上部フラップ部45、46、47、48およびサイドシールフラップ部49の上縁にトップシール部50、51、52、53およびサイドトップシール部54が折り目線を介して、各々連設されている。
該ブランクHの前記トップシール部50、51、52の裏面にシールを弱める能力を有する成分を含む塗膜層D、E、F、Gが部分的に形成されている。
該塗膜層D、E、F、Gは、熱可塑性プラスチック、特にポリエチレンの分散水溶液をベースとし、この熱可塑性プラスチックをカルボキシメチル・セルローズ、特にカルボキシメチル・セルローズナトリウムにより改質乃至変態させたものである。
このようなブランクHをフレームシール機(製函機)でサイドシールしてスリーブを作製し、このスリーブを液体用充填包装機に装填し、底部55を熱融着して封緘し、図9に示すような易開封液体紙容器Aを作製する。
この易開封液体紙容器Aは、トップシール部を開口するために、熱融着面に部分的にシールを弱める能力を有する成分を含む塗膜層D、E、F、Gが部分的に形成されて接着力が調整されているので、手で容易に剥離することができる(例えば、特許文献3参照。)。
この提案の場合は、牛乳パックなどでは、従来から用いられている手法であるが、一般的な剥離二スでは完全密封性を保持することは不可能である。
そこで提案のように剥離成分と接着成分を組み合わせて塗布することで適度なシール強度と密封性を得ることは可能であるが、そのような場合は、この部分が直接内容物に触れるため、内容物にシール強度が影響されてしまう場合があり、シール強度に安定性を欠くという問題点がある。
以下に先行技術文献を示す。
実公平7−44591号公報 特許第3255075号公報 実開平6−54533号公報
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、内容物を完全に密封した状態でありながら、且つ容易に開封することができる易開封液体紙容器を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、板紙層を基材層として、少なくとも表面層および裏面層に熱可塑性樹脂層を積層した積層板からなるブランクを折畳み成形した易開封液体紙容器において、トップシール部Xに剥離ニスを網点Mでパターン印刷を施したことを特徴とする易開封液体紙容器である。
本発明の請求項2に係る発明は、板紙層を基材層として、少なくとも表面層および裏面層に熱可塑性樹脂層を積層した積層板からなるブランクを折畳み成形した易開封液体紙容器において、トップシール部Xの裏面に全ベタ剥離ニス層c、網点パターン状剥離ニス層bを順次設け、且つトップシール部Xおよび該トップシール部Xの下縁に連設された頂部Yとの間に設けられた折り目線(罫線)に掛かるようにして全ベタ剥離ニス層cを設けたことを特徴とする易開封液体紙容器である。
本発明の請求項3に係る発明は、板紙層を基材層として、少なくとも表面層および裏面層に熱可塑性樹脂層を積層した積層板からなるブランクを折畳み成形した易開封液体紙容器において、トップシール部Xの裏面に全ベタ剥離ニス層c、網点パターン状剥離ニス層bを順次設けたことを特徴とする易開封液体紙容器である。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の易開封液体紙容器において、前記網点パターン状剥離ニス層bは、網点Mの線数が10〜250線以下の範囲であり、且つ1マス当りのシール部N面積が0.005mm2〜3mm2未満であり、さらに網点印刷部の印刷面積が全体面積に対して5%より上かつ55%未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の易開封液体紙容器である。
本発明は、板紙層を基材層として、少なくとも表面層および裏面層に熱可塑性樹脂層を積層した積層板からなるブランクを折畳み成形した易開封液体紙容器において、トップシール部に剥離ニスを網点でパターン印刷を施すことにより、内容物を完全に密封した状態でありながら、且つ容易に開封することができ、また剥離ニスの網点部の調整を行うことにより、トップシール部の形状やシール部の設備を変更することもなくシール強度の変更ができ、シール部と未シール部が近距離、且つバランス良く配置されるため、幅が広く安定したシール状態を得ることが可能で、網点印刷という一般的な方法を用いるため工程数が増えず、特殊な設備も使用せず、安価でシール強度も内容物による影響のない易開封液体紙容器を提供するものである。
本発明の実施の形態を図1から図5に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る易開封液体紙容器のブランクの1実施例を示す部分展開平面図であり、図2は本発明に係る易開封液体紙容器ブランクの他の実施例を示す部分展開平面図であり、図3は本発明に係る易開封液体紙容器のトップシール部Xに設ける剥離ニス層bの網点パターンの1実施例を示す平面図であり、図4は本発明に係る易開封液体紙容器のトップシール部Xに設ける剥離ニス層bの網点パターンの要部拡大平面図であり、図5は本
発明に係る易開封液体紙容器の1実施例を示す斜視図である。
本発明の易開封液体紙容器のブランクは、通常、坪量が300〜400g/m2の板紙層を基材層とし、少なくとも表面層に15〜30μm程度のポリエチレンおよび裏面層に40〜70μm程度のポリエチレンなどの熱可塑性樹脂の熱融着層を積層した積層板を打抜き加工したものである。
次に、該ブランクをフレームシーラーでサイド貼りしてスリーブを作製し、該スリーブを液体充填包装機で成形すると同時に内容物を充填して密封するものである。
尚、ブランクの積層板の構成としては、ガスバリア性などを目的として、中間層を含める場合は、廃棄のし易さを考慮して、最近ではガスバリア層として使用されていたアルミニウム箔を酸化珪素や酸化アルミウムなどの無機酸化物をポリエチレンテレフタレート(PET)などに蒸着した蒸着フィルムに代替した構成が普及している。
例えば、ポリエチレン層/板紙層/ポリエチレン層/ポリエチレンテレフタレート(PET)層/酸化珪素蒸着薄膜層/ポリエチレン層構成などがある。
図1に示すように、板紙層を基材層とし、少なくとも表面層および裏面層に熱可塑性プラスチック層をもつ積層板からなるブランクHは、折り目が作製し易いように折り目線が設けられている。
該ブランクHは、この折り目線を介して、左から右横に側壁部Zを構成する側壁パネル1、2、3、4およびサイドシール側壁パネル5が順次連設され、該側壁パネル1、2、3、4およびサイドシール側壁パネル5の各々上縁に、頂部Yを構成する頂部パネル6、7、8、9およびサイドシール頂部パネル10が折り目線を介して、各々連設されている。
さらに、該頂部パネル6、7、8、9およびサイドシール頂部パネル10の各々上縁にトップシール部Xを構成するトップシールパネル12、13、14、15およびサイドシールトップパネル16が折り目線(罫線)11を介して、各々連設されている。
このような構成からなるブランクHの裏面のトップシール部Xに全ベタ剥離ニス層cと網点パターン状剥離ニス層bが順次設けられ、且つトップシール部Xおよび該トップシール部Xの下縁に連設された頂部Yとの間に設けられた折り目線(罫線)に掛かるようにして全ベタ剥離ニス層cが設けられている。
同様に、図2に示すように、ブランクHの裏面のトップシール部Xに全ベタ剥離ニス層cと網点パターン状剥離ニス層bが順次設けられている場合もある。
尚、いずれの剥離ニス層もブランクHをスリーブ状に成形する際にサイドシールが完全にできるようにサイドシール側壁パネル5の上縁のサイドシール頂部パネル10、サイドシールトップパネル16と貼り合わせられる頂部パネル6、トップシールパネル12の端縁においては塗布しないようにしている。
次に、トップシール部Xの裏面に全ベタ剥離ニス層c、網点パターン状剥離ニス層bを設ける方法は、公知のオフセット印刷方式、グラビア印刷方式、シルクスクリーン印刷方式、フレキソ印刷方式などの印刷方式、或いはグラビアコーティング方式、リバースロールコーティング方式などのコーティング方式を使用することができる。
図3に示すように、一つ一つの網点Mの形状は、菱形や長方形に限定されるものではなく、エッジが崩れた場合や円形でも良い。
また、前記網点Mの線数は、250線以下で、好ましくは、10線以上から250線以下の範囲内、且つ1マス当り(線によって区切られた1区間)のシール部Nの面積は、3mm2未満で、好ましくは、0.005mm2から3mm2未満の範囲内、さらに網点印刷部の印刷面積は、全体面積に対して5%より上かつ55%以下の範囲内が適当である。
トップシール部Xのシール強度は、網点Mの濃度や、図4に示すように、線数(網点間距離Lおよびシール部N距離)を調整することで行うことができる。
尚、易開封液体紙容器のトップ部の形態は、図5に示すような、ゲーベルトップ型に制約されることはなく、トップシール部Xを熱融着する形態ならばフラットトップ型などどのような形態でも良い。
以上のように、本発明は、板紙層を基材層として、少なくとも表面層および裏面層に熱可塑性樹脂層を積層した積層板からなるブランクを折畳み成形した易開封液体紙容器において、トップシール部Xに剥離ニスを網点Mでパターン印刷を施すことにより、内容物を完全に密封した状態でありながら、且つ容易に開封することができる。
また、剥離ニスの網点部の調整を行うことにより、トップシール部Xの形状やシール部の設備を変更することなくシール強度の制御ができる。
シール部と未シール部が近距離、且つバランス良く配置されるため、幅が広く安定したシール状態を得ることが可能である。
印刷が網点印刷という一般的な方法を用いるため工程数が増えず、特殊な設備も使用することなく加工が行える。
また、使用する材料も一般的な剥離ニスであるので、特にコストアップにつながることも無く、比較的安価な加工ができる。
トップシール部Xにおいて接着される部分は、板紙の両面に積層したポリエチレン樹脂などのシーラント同士であるため、内容物による影響は、通常の剥離ニスを塗布していないシール部分と変わらない易開封液体紙容器を提供できるものである。
以下に、本発明の具体的実施例に基づいて詳細に説明する。
本発明の易開封液体紙容器のブランクは、坪量が400g/m2の晒クラフトパルプからなる板紙を基材層とし、該基材層の表面層に30μmのポリエチレンをエクストルージョンラミネーション法により積層し、次にポリエチレン25μm/ポリエチレンテレフタレート(PET)18μm/膜厚300Åの酸化珪素蒸着薄膜からなる中間層を積層し、さらに最裏面層に70μmのポリエチレンをドライラミネーション法により積層した積層板を打抜き加工したものである。
次に、図1に示すように、該ブランク容器本体の上部開口内周面のトップシール部Xに全ベタ剥離ニス層c、網点パターン状剥離ニス層bを順次設け、且つトップシール部Xおよび該トップシール部Xの下縁に連設された頂部Yとの間に設けられた折り目線(罫線)に掛かるようにして全ベタ剥離ニス層cをいずれもオフセット印刷方式で設けた。
上記のような構成に対応したオフセット印刷方式による剥離ニス層を設けるために、全ベタ剥離ニス層c用の全ベタ版、および網点パターン状剥離ニス層b用の網点印刷版を作製した。
尚、前記網点印刷版は、線数を250線(網点間距離0.1mm)に一定にして、網点印刷面積を5%、10%、25%、40%、50%、55%の6種類に変化させた実用版を作製するための製版フィルムを作製した。
次に、全ベタ/網点パターン/全ベタの順で製版された6種類の印刷版を使用して剥離ニスをオフセット印刷方式で行った。
網点の線数を130線(網点間距離0.2mm)にした以外は、実施例1と同様にして全ベタ/網点パターン/全ベタの順で製版された6種類の印刷版を使用して剥離ニスをオフセット印刷方式で行った。
網点の線数を85線(網点間距離0.3mm)にした以外は、実施例1と同様にして全ベタ/網点パターン/全ベタの順で製版された6種類の印刷版を使用して剥離ニスをオフセット印刷方式で行った。
網点の線数を50線(網点間距離0.5mm)にした以外は、実施例1と同様にして全ベタ/網点パターン/全ベタの順で製版された6種類の印刷版を使用して剥離ニスをオフセット印刷方式で行った。
網点の線数を25線(網点間距離1.0mm)にした以外は、実施例1と同様にして全ベタ/網点パターン/全ベタの順で製版された6種類の印刷版を使用して剥離ニスをオフセット印刷方式で行った。
網点の線数を17線(網点間距離1.5mm)にした以外は、実施例1と同様にして全ベタ/網点パターン/全ベタの順で製版された6種類の印刷版を使用して剥離ニスをオフセット印刷方式で行った。
網点の線数を13線(網点間距離2.0mm)にした以外は、実施例1と同様にして全ベタ/網点パターン/全ベタの順で製版された6種類の印刷版を使用して剥離ニスをオフセット印刷方式で行った。
網点の線数を10線(網点間距離2.5mm)にした以外は、実施例1と同様にして全ベタ/網点パターン/全ベタの順で製版された6種類の印刷版を使用して剥離ニスをオフセット印刷方式で行った。
このようにして作製したブランクをフレームシーラーでスリーブ状に成形し、トップシール部Xをトップシール温度345℃、圧力310mmAqでシールして易開封液体紙容器を作製した。
以上のような条件で作製した、各種易開封液体紙容器のトップシール部Xのヒートシールした部分を幅35mmの短冊状にサンプリングして、テンシロンで剥離強度試験を行って、トップシール部Xの易開封性と密封性を確認するためシール強度を測定した。
その結果を表1に示した。
Figure 2005200049
表1から考察すると、各網点の線数共、網点印刷面積が5%の場合、即ち1マス当たりのシール部面積(mm2)が各々相対的に大き過ぎてシール強度が非常に強く、テンシロンでの剥離強度試験の結果は、材破(シール面同士の材料が破れてしまうこと)が発生しシール強度測定が不可能であった。
すなわち、密封性が非常に強く、易開封性は全くなかった。
次に、網点の線数が13線で網点印刷面積が10%の場合、および10線で網点印刷面積が10%、25%、40%の場合も同様にシール強度測定が不可能であった。
すなわち、この場合も同様に密封性が非常に強く、易開封性は全くなかった。
いわゆる、易開封液体紙容器としての目的の一つである内容物を完全に密封した状態に保持することはできたが、もう一つの目的である容易に開封することができるという利便性については全く不適当であった。
次に、逆に網点の線数が10線を除く線数共、網点印刷面積が55%の場合、即ち1マス当たりのシール部面積(mm2)が各々相対的に小さ過ぎてシール強度が非常に弱く、シール面同士の接着が不完全であった。
すなわち、易開封液体紙容器としての目的の一つである内容物を完全に密封した状態に保持することはできず不適当であった。
次に、網点の線数が13線で網点印刷面積が55%の場合、および網点の線数が10線で網点印刷面積が50%、55%の場合は、強度不安定であった。
すなわち、剥離ニスが塗布されていない部分は材破が発生し、剥離ニスが塗布されている部分では密封されていない状態であり、この場合も易開封液体容器としては不適当であった。
尚、一般的なオフセット印刷方式で印刷可能なニスの線数を考慮して、上限250線にて評価した。
すなわち、250線より線数が多いと印刷不良などの問題が予測されるため不適当と考えられるためである。
以上の結果から、網点Mの線数は、250線以下で、好ましくは、10線以上から250線以下の範囲内、且つ1マス当り(線によって区切られた1区間)のシール部Nの面積は、3mm2未満で、好ましくは、0.005mm2から3mm2未満の範囲内、さらに網点印刷部の印刷面積は、全体面積に対して5%より上かつ55%以下の範囲内が適当であった。
このようにトップシール部Xのシール強度は、網点Mの濃度や、図4に示すように、線数(網点間距離Lおよびシール部N距離)を調整することで行うことができた。
尚、易開封液体紙容器のトップ部の形態は、図5に示すような、ゲーベルトップ型に制約されることはなく、トップシール部Xを熱融着する形態ならばフラットトップ型などどのような形態でも良い。
以上のように、本発明は、板紙層を基材層として、少なくとも表面層および裏面層に熱可塑性樹脂層を積層した積層板からなるブランクを折畳み成形した易開封液体紙容器において、トップシール部Xに剥離ニスを網点Mでパターン印刷を施すことにより、内容物を完全に密封した状態でありながら、且つ容易に開封することができた。
また、剥離ニスの網点部の調整を行うことにより、トップシール部の形状やシール部の設備を変更することなくシール強度の制御ができた。
シール部と未シール部が近距離、且つバランス良く配置されるため、幅が広く安定したシール状態を得ることが可能であった。
印刷が網点印刷という一般的な方法を用いるため工程数が増えず、特殊な設備も使用することなく加工が行えた。
また、使用する材料も一般的な剥離ニスであるので、特にコストアップにつながることも無く、比較的安価な加工ができた。
トップシール部Xにおいて接着される部分は、板紙の両面に積層したポリエチレン樹脂などのシーラント同士であるため、内容物による影響は、通常の剥離ニスを塗布していないシール部分と変わらなかった。
本発明に係る易開封液体紙容器のブランクの1実施例を示す部分展開平面図である。 本発明に係る易開封液体紙容器のブランクのその他の実施例を示す部分展開平面図である。 本発明に係る易開封液体紙容器のトップシール部に設ける剥離ニス層の網点パターンの1実施例を示す平面図である。 本発明に係る易開封液体紙容器のトップシール部に設ける剥離ニス層の網点パターンの要部拡大平面図である。 本発明に係る易開封液体紙容器の1実施例を示す斜視図である。 従来の1実施例の易開封液体紙容器のブランクの部分展開平面図である。 (a)は、従来の1実施例の易開封液体紙容器のトップシール部の表面の状態を示すブランクの部分展開平面図であり、(b)は、トップシール部の裏面の状態を示すブランクの部分展開平面図であり、 従来の1実施例の易開封液体紙容器のブランクの展開平面図である。 従来の1実施例の易開封液体紙容器の開封状態を示す斜視図である。
符号の説明
b・・・網点パターン状剥離ニス層
c・・・全ベタ剥離ニス層
A・・・易開封液体紙容器
D・・・塗膜層
E・・・塗膜層
F・・・塗膜層
G・・・塗膜層
H・・・ブランク
L・・・網点間距離
M・・・網点
N・・・シール部
V・・・剥離ニス塗膜
W・・・イージーピールテープ
X・・・トップシール部
Y・・・頂部
Z・・・側壁部
1・・・側壁パネル
2・・・側壁パネル
3・・・側壁パネル
4・・・側壁パネル
5・・・サイドシール側壁パネル
6・・・頂部パネル
7・・・頂部パネル
8・・・頂部パネル
9・・・頂部パネル
10・・・サイドシール頂部パネル
12・・・トップシールパネル
13・・・トップシールパネル
14・・・トップシールパネル
15・・・トップシールパネル
16・・・サイドシールトップパネル
20・・・易開封液体紙容器本体
21・・・第1パネル
22・・・第2パネル
23・・・第3パネル
24・・・第4パネル
25・・・第5パネル
26・・・切妻部折込み側壁
27・・・頂部閉鎖用側壁
28・・・接着用垂直壁
29・・・上端部
30・・・突出部
31・・・切欠部
32・・・切欠部
33・・・接着フラップ
40・・・側壁部
41・・・側壁部
42・・・側壁部
43・・・側壁部
44・・・サイドシール側壁部
45・・・上部フラップ部
46・・・上部フラップ部
47・・・上部フラップ部
48・・・上部フラップ部
49・・・サイドシールフラップ部
50・・・トップシール部
51・・・トップシール部
52・・・トップシール部
53・・・トップシール部
54・・・サイドトップシール部
55・・・底部
100・・・ブランク
110・・・背シールパネル
120・・・左側パネル
130・・・表パネル
140・・・右側パネル
150・・・裏パネル

Claims (4)

  1. 板紙層を基材層として、少なくとも表面層および裏面層に熱可塑性樹脂層を積層した積層板からなるブランクを折畳み成形した易開封液体紙容器において、トップシール部に剥離ニスを網点でパターン印刷を施したことを特徴とする易開封液体紙容器。
  2. 板紙層を基材層として、少なくとも表面層および裏面層に熱可塑性樹脂層を積層した積層板からなるブランクを折畳み成形した易開封液体紙容器において、トップシール部の裏面に全ベタ剥離ニス層、網点パターン状剥離ニス層を順次設け、且つトップシール部および該トップシール部の下縁に連設された頂部との間に設けられた折り目線(罫線)に掛かるようにして全ベタ剥離ニス層を設けたことを特徴とする易開封液体紙容器。
  3. 板紙層を基材層として、少なくとも表面層および裏面層に熱可塑性樹脂層を積層した積層板からなるブランクを折畳み成形した易開封液体紙容器において、トップシール部の裏面に全ベタ剥離ニス層、網点パターン状剥離ニス層を順次設けたことを特徴とする易開封液体紙容器。
  4. 前記網点パターン状剥離ニス層は、網点の線数が10〜250線以下の範囲であり、且つ1マス当りのシール部面積が0.005mm2〜3mm2未満であり、さらに網点印刷部の印刷面積が全体面積に対して5%より上かつ55%未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の易開封液体紙容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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