JP2005196122A - 反射防止フィルム、偏光板用保護フィルム及びそれらの製造方法、並びに偏光板、画像表示装置 - Google Patents

反射防止フィルム、偏光板用保護フィルム及びそれらの製造方法、並びに偏光板、画像表示装置 Download PDF

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Hiroyuki Yoneyama
博之 米山
Kenichi Nakamura
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Abstract

【課題】塵埃(埃など)の付着防止性に優れた反射防止フィルム、偏光板用保護フィルム、偏光板、画像表示装置を提供すること。またこれら反射防止フィルム、偏光板用保護フィルム、偏光板、画像表示装置を、安価で大量に提供すること。
【解決手段】透明支持体上に、含フッ素化合物を含有する最外層及び帯電防止層を有する反射防止フィルム。該反射防止フィルムを用いた偏光板用保護フィルム、及び偏光板。並びにこれらのフィルムを装着した画像表示装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、反射防止フィルム、偏光板用保護フィルム、及び、それらの製造方法に関り、さらに、これらのフィルムを用いた偏光板及び画像表示装置に関する。
近年、液晶表示装置(LCD)は大画面化が進み、反射防止フィルムを配置した液晶表示装置が増大している。
反射防止フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT)などのような様々な画像表示装置において、外光の反射や像の映り込みによるコントラスト低下を防止するために、ディスプレイの表面に配置される。そのため反射防止フィルムには、高い物理強度(耐擦傷性など)、透明性、耐薬品性、耐候性(耐湿熱性、耐光性など)が要求される。さらにまた、ディスプレイの視認性を低下させる塵埃(埃など)が、反射防止フィルムの表面に付着するのを防止する対策が要求される。
反射防止フィルムに用いる反射防止層(高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層など)としては、金属酸化物の透明薄膜を積層させた多層膜が従来から普通に用いられている。金属酸化物の透明薄膜は、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法により形成することが通常に行われてきた。しかし、蒸着による金属酸化物の透明薄膜の形成方法は、生産性が低く大量生産に適しておらず、生産性が高い塗布により形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
一方、液晶表示装置において偏光板は不可欠な光学材料であり、一般に、偏光膜が2枚の保護フィルムによって保護された構造をしている。これらの保護フィルムに反射防止機能を付与することができれば、大幅なコスト削減、表示装置の薄手化が可能となる。
偏光板に用いる保護フィルムは、偏光膜と貼り合わせるうえで十分な密着性を有していることが必要である。偏光膜との密着性を改良する手法として、保護フィルムを鹸化処理して保護フィルムの表面を親水化処理することが通常行われている。
特開2002−116323号公報 特開2002−156508号公報 特開2002−361769号公報 特開2003−4903号公報
本発明の目的は、耐擦傷性など高い物理強度を有し、透明性、耐薬品性、耐候性、更には、塵埃(埃など)の付着防止性や防汚性に優れた反射防止フィルムを提供することである。本発明の他の目的は、上記諸性能に優れた反射防止フィルムを、安価で大量に製造できる反射防止フィルムの製造方法を提供することである。
また、本発明は、適切な手段により反射防止処理がされている、偏光板用保護フィルム及びその製造方法、並びに偏光板、画像表示装置を提供することを目的とする。
上記課題は、下記構成の反射防止フィルム、偏光板用保護フィルム、及び、それらの製造方法、偏光板、画像表示装置により達成される。
(1)透明支持体上に、含フッ素化合物を含有する最外層及び帯電防止層を有することを特徴とする反射防止フィルム。
(2)最外層を有する側の表面抵抗が1×1013Ω/□以下である上記(1)に記載の反射防止フィルム。
(3)最外層を有する側の表面抵抗が1×1012Ω/□以下である上記(1)に記載の反射防止フィルム。
(4)最外層を有する側の表面の動摩擦係数が0.25以下である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(5)最外層を有する側の表面の水に対する接触角が90゜以上である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(6)帯電防止層が電子伝導型の導電材を含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(7)導電材が金属酸化物である上記(6)に記載の反射防止フィルム。
(8)導電材が金属である上記(6)に記載の反射防止フィルム。
(9)導電材が10〜400m2/gの比表面積を有する微粒子である上記(6)〜(8)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(10)導電材が平均粒径1〜200nmの微粒子である上記(6)〜(9)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(11)導電材が分散剤を用いて分散されている上記(6)〜(10)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(12)分散剤がアニオン性基を有する上記(11)に記載の反射防止フィルム。
(13)アニオン性基が、カルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸基である上記(12)に記載の反射防止フィルム。
(14)分散剤が架橋性又は重合性の官能基を有する上記(11)〜(13)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(15)帯電防止層が、さらに有機化合物のバインダーを含有する上記(1)〜(14)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(16)有機化合物のバインダーが、架橋性又は重合性の官能基を有する化合物の硬化物を含有する上記(15)に記載の反射防止フィルム。
(17)有機化合物のバインダーが、分散剤と架橋性又は重合性の官能基を有する化合物とから形成された硬化物を含有する上記(15)又は(16)に記載の反射防止フィルム。
(18)架橋性又は重合性の官能基を有する化合物が、電離放射線硬化性化合物である上記(16)又は(17)に記載の反射防止フィルム。
(19)帯電防止層を透明支持体と最外層との間に有する上記(1)〜(18)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(20)帯電防止層がハードコート処理されたものである上記(1)〜(19)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(21)最外層に含有される含フッ素化合物が、架橋性又は重合性の官能基を有するフッ素原子含有化合物の架橋又は重合反応により形成されたものである上記(1)〜(20)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(22)フッ素原子含有化合物が有する架橋性又は重合性の官能基が、電離放射線硬化性の官能基である上記(21)に記載の反射防止フィルム。
(23)最外層に含有される含フッ素化合物が、含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰り返し単位と側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰り返し単位からなる共重合体を主成分として含有して形成されたものである上記(1)〜(22)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(24)共重合体が下記一般式(1)で表わされる上記(23)に記載の反射防止フィルム。
一般式(1):
Figure 2005196122
一般式(1)中、L11は炭素数1〜10の連結基を表し、mは0又は1を表す。R11は水素原子又はメチル基を表す。Aは任意のビニルモノマーの重合単位を表し、単一成分であっても複数の成分で構成されていてもよい。x、y、zはそれぞれの構成成分のモル%を表し、30≦x≦60、5≦y≦70、0≦z≦65を満たす値を表す。
(25)共重合体が下記一般式(1−1)で表される上記(23)に記載の反射防止フィルム。
一般式(1−1):
Figure 2005196122
一般式(1−1)中、R11、x、yはそれぞれ上記一般式(1)と同義である。Bは任意のビニルモノマーの重合単位を表し、単一成分であっても複数の成分で構成されていてもよい。z1及びz2はそれぞれの構成成分のモル%を表し、0≦z1≦65、0≦z2≦65を満たす値を表す。nは2≦n≦10を満たす整数を表す。
(26)一般式(1−1)で表される共重合体が、40≦x≦60、30≦y≦60、z2=0を満たす上記(25)に記載の反射防止フィルム。
(27)最外層が、下記一般式(2)で表わされるポリシロキサン化合物及び/又はその誘導体を含有してなる上記(1)〜(26)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
一般式(2):
Figure 2005196122
一般式(2)中、R21〜R24はそれぞれ独立に炭素原子を1〜20含む基を表し、それぞれ互いに同じであっても異なっていてもよく、R21、R23、R24のうち少なくとも一つの基が架橋性又は重合性の官能基を表す。pは1≦p≦4を満たす整数を表す。qは10≦q≦500を満たす整数を表し、rは0≦r≦500を満たす整数を表し、r≠0の時、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
(28)一般式(2)で表されるポリシロキサン化合物及び/又はその誘導体が、架橋性又は重合性の官能基として、電離放射線硬化性の官能基を有する上記(27)に記載の反射防止フィルム。
(29)最外層が、含フッ素化合物形成用材料と架橋又は重合するバインダーを含有して形成されたものである上記(1)〜(28)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(30)最外層に含有される含フッ素化合物が、
架橋性もしくは重合性の官能基を有する含フッ素化合物形成用材料と、前記一般式(2)で表されるポリシロキサン化合物及び/もしくはその誘導体と、並びに/又は、該含フッ素化合物形成用材料と架橋又は重合するバインダーと、
から形成される硬化物である上記(21)〜(29)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(31)最外層が微粒子を含有する上記(1)〜(30)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(32)最外層の微粒子の少なくとも1種類が中空の微粒子である上記(31)に記載の反射防止フィルム。
(33)最外層の微粒子の平均粒径が該最外層の厚みの20〜100%である上記(31)又は(32)に記載の反射防止フィルム。
(34)最外層の微粒子が二酸化珪素微粒子である上記(31)〜(33)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(35)最外層が低屈折率層である上記(1)〜(34)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(36)反射防止フィルムが、平均粒径0.2〜10μmの粒子を含有する層を有する上記(1)〜(35)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(37)平均粒径0.2〜10μmの粒子の屈折率と、該粒子を含有する層のマトリックスの屈折率との屈折率の差が0.02以上である上記(36)に記載の反射防止フィルム。
(38)平均粒径が0.2〜10μmの粒子の、下記数式(1)で表される粒径分布値Sが2.0以下である上記(36)又は(37)に記載の反射防止フィルム。
数式(1):S=[D0.9−D0.1]/D0.5
0.1:体積換算粒径の積算値の10%値、
0.5:体積換算粒径の積算値の50%値、
0.9:体積換算粒径の積算値の90%値。
(39)S値が1.0以下である上記(38)に記載の反射防止フィルム。
(40)平均粒径0.2〜10μmの粒子を含有する層が、さらに有機化合物のバインダーを含有する上記(36)〜(39)に記載の反射防止フィルム。
(41)有機化合物のバインダーが、架橋性又は重合性の官能基を有する化合物の硬化物を含有する上記(40)に記載の反射防止フィルム。
(42)有機化合物のバインダーが、電離放射線硬化性化合物の架橋又は重合反応により形成された硬化物を含有する上記(40)又は(41)に記載の反射防止フィルム。
(43)平均粒径0.2〜10μmの粒子を含有する層が、ハードコート層である上記(36)〜(42)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(44)平均粒径0.2〜10μmの粒子を含有する層が、最外層と隣接する層である上記(36)〜(43)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(45)最外層を有する側の最表面に凹凸が形成されており、防眩性を有する上記(1)〜(44)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(46)反射防止フィルムの表面の1mm2の面積当たり、凹の切断面の面積が100μm2以上の凹が存在しない上記(45)に記載の反射防止フィルム。
(47)反射防止フィルムの表面の1mm2の面積当たりの平均表面粗さ(Ra)が0.01〜1μmである上記(45)又は(46)に記載の反射防止フィルム。
(48)上記(36)〜(44)に記載の平均粒径0.2〜10μmの粒子を含有する層が、該粒子により該層の表面に凹凸を形成されており、
最外層を有する側の最表面の凹凸が、上記の粒子により表面に凹凸が形成された層の上に該最外層を形成することにより形成されたものである上記(45)〜(47)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(49)透明支持体と最外層との間に、平均粒径1〜200nmの無機微粒子を含有する層を有する上記(1)〜(48)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(50)無機微粒子が、10〜400m2/gの比表面積を有する上記(49)に記載の反射防止フィルム。
(51)無機微粒子が、分散剤を用いて分散されている上記(49)又は(50)に記載の反射防止フィルム。
(52)分散剤がアニオン性基を有する上記(51)に記載の反射防止フィルム。
(53)アニオン性基が、カルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸基である上記(52)に記載の反射防止フィルム。
(54)分散剤が、架橋性又は重合性の官能基を有する上記(51)〜(53)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(55)平均粒径1〜200nmの無機微粒子を含有する層が、さらに有機化合物のバインダーを含有する上記(49)〜(54)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(56)有機化合物のバインダーが、架橋性又は重合性の官能基を有する化合物の硬化物を含有する上記(55)に記載の反射防止フィルム。
(57)有機化合物のバインダーが、分散剤と架橋性又は重合性の官能基を有する化合物とから形成された硬化物を含有する上記(55)又は(56)に記載の反射防止フィルム。
(58)有機化合物のバインダーが、電離放射線硬化性化合物の架橋性又は重合反応により形成された硬化物を含有することを上記(55)〜(57)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(59)平均粒径1〜200nmの無機微粒子を含有する層の屈折率が、1.55〜2.40である上記(49)〜(58)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(60)平均粒径1〜200nmの無機微粒子を含有する層の屈折率が、1.65〜2.20である上記(49)〜(58)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(61)平均粒径1〜200nmの無機微粒子を含有する層が、ハードコート層である上記(49)〜(60)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(62)平均粒径1〜200nmの無機微粒子を含有する層が、光学干渉層である上記(49)〜(60)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(63)平均粒径1〜200nmの無機微粒子を含有する層が、最外層と隣接する層である上記(49)〜(62)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(64)透明支持体上のいずれかの層が、下記一般式(3)で表されるオルガノシラン化合物及び/又はその誘導体を含有してなる上記(1)〜(63)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
一般式(3):(R31s−Si(Z314-s
一般式(3)中、R31は置換もしくは無置換のアルキル基又は、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Z31は水酸基又は加水分解可能な基を表す。sは1〜3の整数を表す。
(65)オルガノシラン化合物の誘導体が、酸触媒の存在下で作製されたオルガノシラン化合物誘導体である上記(64)に記載の反射防止フィルム。
(66)R31で表される基が、架橋性又は重合性の官能基を有することを特徴とする上記(64)又は(65)に記載の反射防止フィルム。
(67)R31で表される基が、アシルオキシ基、アシルアミノ基又はエポキシ基のいずれかを有する上記(64)〜(66)に記載の反射防止フィルム。
(68)オルガノシラン化合物が、下記一般式(3−1)で表される上記(64)〜(67)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
一般式(3−1):
Figure 2005196122
一般式(3−1)中、R32は水素原子、メチル基、メトキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、又は塩素原子を表す。Y31は単結合、エステル基、アミド基、エーテル基、又はウレア基を表す。L31は2価の連結鎖を表す。tは0又は1を表す。R31及びZ31は上記一般式(3)と同義である。
(69)オルガノシラン化合物及び/又はその誘導体が、該オルガノシラン化合物及び/又はその誘導体を含有してなる層の他の成分と、架橋又は重合反応する上記(64)〜(68)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(70)オルガノシラン化合物及び/又はその誘導体を含有してなる層が、最外層及び/又は該最外層の隣接層である(64)〜(69)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(71)透明支持体上のいずれかの層が、電離放射線硬化性化合物の架橋又は重合反応により形成される硬化物を含み、該架橋又は重合反応における開始剤が光重合開始剤である上記(1)〜(70)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(72)光重合開始剤が光ラジカル重合開始剤である上記(71)に記載の反射防止フィルム。
(73)透明支持体上のいずれかの層が、酸素濃度4体積%以下の雰囲気で形成されたものである上記(1)〜(72)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(74)窒素ガス置換により他の気体を除去すること(窒素パージ)で、酸素濃度4体積%以下の雰囲気とした上記(73)に記載の反射防止フィルム。
(75)透明支持体上のいずれかの層が、酸素濃度1体積%以下の雰囲気で形成されていることを特徴とする上記(73)に記載の反射防止フィルム。
(76)透明支持体上のいずれかの層が、架橋性又は重合性の官能基を有する化合物を含む塗料の塗布と同時又は塗布後に、該架橋性又は重合性の官能基を有する化合物の架橋又は重合反応させることにより形成された層である上記(1)〜(75)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(77)透明支持体がトリアセチルセルロースから形成される上記(1)〜(76)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(78)透明支持体と最外層の間に、非導電材の外表面に金属又は金属酸化物の導電性部分を形成してなる粒子を含有する層を有する上記(1)〜(77)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(79)透明支持体上に、含フッ素化合物を含有する最外層及び帯電防止層を有する反射防止フィルムの製造方法であって、透明支持体上の少なくとも一層を主成分がケトン類、芳香族炭化水素類、又はエステル類である溶媒を含む塗料を塗布して形成することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
(80)溶媒の主成分がケトン類又はエステル類である上記(79)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
(81)透明支持体上に、含フッ素化合物を含有する最外層及び帯電防止層を有する反射防止フィルムの製造方法であって、透明支持体上の少なくとも一層を、面状改良剤を含む塗料を塗布して形成することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
(82)面状改良剤がフルオロ脂肪族基を含有する化合物である上記(81)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
(83)フルオロ脂肪族基を含有する化合物において、該化合物の形成に用いられる全モノマー量に対する下記一般式(4)で示されるフルオロ脂肪族基含有モノマーの量が50モル%以上である上記(82)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
一般式(4):
Figure 2005196122
一般式(4)中、R41は水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を表す。Y41は酸素原子、イオウ原子又は−N(R42)−を表す。R42は水素原子又は、炭素数1〜8のアルキル基を表す。aは1〜6の整数を表し、bは1〜18の整数を表す。
(84)面状改良剤が、面状改良剤を含有しない塗料と比較して、塗料の表面張力を1mN/m以上下げるものである上記(81)〜(83)のいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法。
(85)面状改良剤が、層の形成後に層の表面に存在する上記(81)〜(84)のいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法。
(86)面状改良剤が表面に存在する層上に、該面状改良剤を溶解する溶媒を含有する塗料を塗布し隣接層を形成することにより、該面状改良剤を該塗料の中に溶出させる上記(85)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
(87)面状改良剤をハードコート層形成用の塗料に含有させる上記(81)〜(86)にいずれかに記載の反射防止フィルムの製造方法。
(88)上記(79)〜(87)のいずれかに記載の方法で作製されたことを特徴とする反射防止フィルム。
(89)上記(1)〜(78)のいずれかの反射防止フィルム又は上記(88)に記載の反射防止フィルムを鹸化処理することで得られる偏光板用保護フィルム。
(90)最外層を有する側とは反対側の透明支持体表面の、水に対する接触角が40°以下である上記(89)に記載の偏光板用保護フィルム。
(91)上記(1)〜(78)のいずれかの反射防止フィルム又は上記(88)に記載の反射防止フィルムを鹸化処理することを特徴とする偏光板用保護フィルムの製造方法。
(92)上記(89)又は(90)に記載の偏光板用保護フィルムを、偏光膜の2枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方の保護フィルムとして有することを特徴とする偏光板。
(93)上記(89)又は(90)に記載の偏光板用保護フィルムを偏光膜の2枚の保護フィルムのうちの一方の保護フィルムとして有し、他方の保護フィルムとして光学異方性層を有する光学補償フィルムを有することを特徴とする偏光板。
(94)光学補償フィルムが、ディスコティック構造単位を有する化合物からなる負の複屈折を有する光学異方性層を有し、該ディスコティック構造単位の円盤面がフィルム面に対して傾いており、且つ該ディスコティック構造単位の円盤面とフィルム面とのなす角度が、光学異方性層の深さ方向において変化している上記(93)に記載の偏光板。
(95)上記(1)〜(78)のいずれかの反射防止フィルム又は上記(88)に記載の反射防止フィルムが画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
(96)上記(92)〜(94)のいずれかに記載の偏光板が画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
(97)液晶セルの両側に配置された2枚の偏光板のうち、表示側の偏光板として上記(92)〜(94)のいずれかに記載の偏光板を有し、且つ該偏光板の保護フィルムである反射防止フィルムが偏光膜に対し液晶セルとは反対側に配置されている液晶表示装置である上記(96)に記載の画像表示装置。
(98)画像表示装置が、TN、STN、IPS、VA又はOCBモードの、透過型、反射型又は半透過型の液晶表示装置であることを特徴とする上記(95)〜(97)のいずれかに記載の画像表示装置。
本発明によれば、耐擦傷性が高く、埃など塵埃に対する防塵性や防汚性に優れた反射防止フィルムを安価で大量に提供することができる。
さらにこれら反射防止フィルムを用いることにより、上記特徴を保持した偏光板用保護フィルム、偏光板、画像表示装置を提供することができる。
以下に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の反射防止フィルムは、透明支持体上に、含フッ素化合物を含有する最外層及び帯電防止層を有することを特徴とするものである。以下、本発明の反射フィルムを構成する各層について詳細に説明する。
〔帯電防止層〕
本発明における帯電防止層について説明する。
本発明の反射防止フィルムは、帯電防止層を構築することで、反射防止フィルム表面に塵埃(埃など)が付着するのを防止する、すなわち優れた防塵性を発現させることができる。防塵性は、反射防止フィルム表面の表面抵抗値を下げることで発現され、帯電防止層の導電性が高いほど高い効果が得られる。本発明の反射防止フィルムにおいては、含フッ素化合物を含有する最外層を有する側の表面の表面抵抗値が、1×1013Ω/□以下であることが好ましく、1×1012Ω/□以下であることがより好ましく、好ましく1×1011Ω/□以下であることが更に好ましく、1×109Ω/□以下であることが更により好ましく、1×108Ω/□以下であることが特に好ましい。
本発明の反射防止フィルムにおいて、帯電防止層は、気相法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等)、塗布法のどちらで作製してもよいが、低コストで帯電防止層を作製できる点で塗布法が好ましい。
帯電防止層は、透明支持体上に少なくとも1層以上が作製される。帯電防止層は、透明支持体と含フッ素化合物を有する最外層との間、又は透明支持体に対し該最外層とは反対側のどちらにも作製することができ、好ましくは透明支持体と最外層の間、特に透明支持体と最外層の間で該最外層により近い方に作製されることが好ましい。
気相法による帯電防止層の作製は、例えば、フィルム上に導電性物質を真空蒸着やスパッタリングすることで実施できる。導電性物質としては、具体的にはアルミニウム、銅、金、銀、ニッケル、クロム、鉄、モリブデン、チタン、タングステン、タンタル等の金属単体もしくは合金、又は、アンチモンをドープした酸化錫(ATO)、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛等の金属酸化物などを用いることができる。気相法で帯電防止層を作製する場合、帯電防止層の膜厚は、通常5〜200nm程度とすればよく、好ましくは10〜150nm、より好ましくは20〜120nm、特に好ましくは30〜100nmである。気相法を用いた帯電防止層の作製には従来公知の手法を用いることができる。
帯電防止層を塗布で作製する場合、導電材(電子伝導型の導電性粒子、イオン伝導型の有機化合物など)を結着剤(バインダーなど)に含有させて、帯電防止層を作製することが好ましい。特に、電子伝導型の導電材は、環境の変化を受け難く導電性能が安定し、特に低湿環境下でも良好な導電性能を発現する点で好ましい。
以下、塗布法で帯電防止層を作製する好ましい方法について記載する。
[導電材]
帯電防止層に用いられる好ましい導電材としては、π共役系導電性有機化合物、導電性微粒子などの電子伝導型の導電材が好ましい。
π共役系導電性有機化合物としては、脂肪族共役系のポリアセチレン、芳香族共役系のポリ(パラフェニレン)、複素環式共役系のポリピロール、ポリチオフェン、含ヘテロ原子共役系のポリアニリン、混合型共役系のポリ(フェニレンビニレン)等が挙げられる。
導電性微粒子としては、カーボン系、金属系、金属酸化物系、導電被覆系微粒子等が挙げられる。
カーボン系微粒子としては、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボン粉末、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等のカーボン繊維、膨張化黒鉛粉砕品のカーボンフレーク等が挙げられる。
金属系微粒子としては、アルミニウム、銅、金、銀、ニッケル、クロム、鉄、モリブデン、チタン、タングステン、タンタル等の金属、及び、それらの金属を含有する合金の粉末や、金属フレーク、鉄、銅、ステンレス、銀メッキ銅、黄銅等の金属繊維等が挙げられる。
金属酸化物系微粒子としては、酸化錫、アンチモンをドープした酸化錫(ATO)、酸化インジウム、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、酸化亜鉛、アルミニウムをドープした酸化亜鉛、などが挙げられる。
導電被覆系微粒子としては、例えば、酸化チタン(球状、針状)、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、マイカ、シリカ等の各種微粒子表面を、酸化錫、ATO、ITO等の導電材で被覆した導電性微粒子;金及び/又はニッケルなどの金属や金属酸化物で表面処理されたポリスチレン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂等の樹脂ビーズなどが好ましい。これらは非導電材の外表面に金属又は金属酸化物の導電性部分を形成してなる粒子であり、粒子内部に対して表面の方が導電性が高いという特徴を有している。表面処理に用いるものとしては金属及び金属酸化物であり、金属であることが好ましい。またその中でも導電性が高く、安定な金属である金、銀又はニッケルが好ましく、金であることが最も好ましい。
帯電防止層の導電材としては、π共役系導電性有機化合物(特に、ポリチオフェン系導電性ポリマー)、導電性微粒子として金属系微粒子(特に、金、銀、銀/パラジウム合金、銅、ニッケル、アルミニウム)や金属酸化物系微粒子(特に、酸化錫、ATO、ITO、酸化亜鉛、アルミニウムをドープした酸化亜鉛)が好ましい。特に、金属や金属酸化物などの電子伝導型の導電材が好ましく、なかでも金属酸化物系微粒子が特に好ましい。
導電材の一次粒子の質量平均粒径は1〜200nmであることが好ましく、より好ましくは1〜150nm、さらに好ましくは1〜100nm、特に好ましくは1〜80nmである。導電材の平均粒径は、光散乱法や電子顕微鏡写真により測定できる。
導電材の比表面積は、10〜400m2/gであることが好ましく、20〜200m2/gであることがさらに好ましく、30〜150m2/gであることが最も好ましい。
導電材の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、鱗片状、針状又は不定形状であることが好ましく、不定形状、針状、鱗片状であることが特に好ましい。
[帯電防止層の形成法]
帯電防止層を塗布法で作製する場合、導電材は、分散物の状態で帯電防止層の形成に使用することが好ましい。導電材の分散においては、分散剤の存在下で、分散媒体中に分散することが好ましい。
分散剤を用いて分散することにより、導電材は極めて微細に分散することができ、透明な帯電防止層の作製を可能にする。特に、帯電防止層を光学干渉層として用いて層に反射防止機能ももたせる場合には、導電材を微細に分散することで層の透明性が上がり、反射防止性能も向上させることができる点で好ましい。
(分散剤)
本発明の導電材の分散には、アニオン性基を有する分散剤を用いることが好ましい。アニオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基(スルホ基)、リン酸基(ホスホノ基)、スルホンアミド基等の酸性プロトンを有する基、又はその塩が有効であり、特にカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基又はその塩が好ましく、カルボキシル基、リン酸基が特に好ましい。
1分子当たりの分散剤に含有されるアニオン性基の数は1個以上であればよい。導電材の分散性をさらに改良する目的で、分散剤にはアニオン性基が1分子当たり複数個含有されていてもよい。1分子当たり平均で2個以上であることが好ましく、より好ましくは5個以上、特に好ましくは10個以上である。また、分散剤に含有されるアニオン性基は、1分子中に複数種類が含有されていてもよい。
アニオン性の極性基を有する分散剤としては、「ホスファノール」{PE−510、PE−610、LB−400、EC−6103、RE−410など;以上東邦化学工業(株)製}、“Disperbyk”(−110、−111、−116、−140、−161、−162、−163、−164、−170、−171など;以上ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
分散剤は、さらに架橋性又は重合性の官能基を含有することが好ましい。架橋性又は重合性の官能基としては、ラジカル種による架橋反応・重合反応が可能なエチレン性不飽和基{例えば(メタ)アクリロイル基、アリル基、スチリル基、ビニルオキシ基等}、カチオン重合性基(エポキシ基、オキサタニル基、ビニルオキシ基等)、重縮合反応性基(加水分解性シリル基等、N−メチロール基)等が挙げられ、好ましくはエチレン性不飽和基を有する官能基である。
本発明における帯電防止層での導電材の分散に用いる分散剤は、アニオン性基、及び、架橋性又は重合性の官能基を有し、かつ該架橋性又は重合性の官能基を側鎖に有する分散剤であることが特に好ましい。
上記の、本発明において特に好ましい分散剤の質量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが1000以上であることが好ましい。該分散剤のより好ましい質量平均分子量(Mw)は2000〜1000000であり、さらに好ましくは5000〜200000、特に好ましくは10000〜100000である。
分散剤の導電材に対する使用量は、1〜50質量%の範囲であることが好ましく、5〜30質量%の範囲であることがより好ましく、5〜20質量%であることが最も好ましい。また、分散剤は2種類以上を併用してもよい。
導電材は分散剤の存在下で、分散媒体中に分散することが好ましい。
(分散媒体)
分散媒体は、沸点が60〜170℃の液体を用いることが好ましい。分散媒体の例には、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン)、エーテルアルコール(例えば、1−メトキシ−2−プロパノール)が含まれる。トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びブタノールが好ましい。
特に好ましい分散媒体は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンである。
(導電材の分散)
導電材は、分散機を用いて分散することが好ましい。分散機の例には、サンドグラインダーミル(例えば、ピン付きビーズミル)、ダイノミル、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライター及びコロイドミルなどが含まれる。サンドグラインダーミル、ダイノミルなどのメディア分散機が特に好ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例には、ボールミル、三本ロールミル、ニーダー及びエクストルーダーが含まれる。
導電材は、分散媒体中でなるべく微細化されていることが好ましく、質量平均粒径は1〜200nmである。好ましくは5〜150nmであり、さらに好ましくは10〜100nm、特に好ましくは10〜80nmである。導電材を200nm以下に微細化することで透明性を損なわない帯電防止層を作製できる。
本発明の帯電防止層は、上記導電材以外に有機化合物のバインダーを含有することが好ましく、該バインダーにより層のマトリックスを形成し、導電材を分散させることが好ましい。このため帯電防止層は、分散媒体中に導電材を分散した分散液に、好ましくは、バインダー又はバインダー前駆体を添加して作製することが好ましい。バインダー又はバインダー前駆体としては、非硬化系の熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂のような硬化系樹脂等を用いることができる。
(有機化合物のバインダー又はバインダー前駆体)
バインダー又はバインダー前駆体の軟化温度又はガラス転移点は、50℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることが特に好ましい。
本発明における帯電防止層は、分散液にバインダー前駆体(架橋性又は重合性の官能基を有する化合物)に、光重合開始剤等を加えて帯電防止層形成用の塗料とし、透明支持体上に該帯電防止層形成用の塗料を塗布して、バインダー前駆体の架橋又は重合反応により硬化させて作製することが特に好ましい。バインダー前駆体としての架橋性又は重合性の官能基を有する化合物としては、電離放射線硬化性化合物が好ましく、例えば、後述する電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーなどが好ましい。
上記帯電防止層の作製法において、帯電防止層のバインダーは、架橋性又は重合性の官能基を有する化合物の硬化物として形成される。さらに、帯電防止層のバインダーを層の塗布と同時又は塗布後に、分散剤と架橋反応又は重合反応させて硬化させて形成することが好ましい。
このようにして作製した帯電防止層のバインダーは、例えば、上記の分散剤と電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーとが、架橋又は重合反応し、バインダーに分散剤のアニオン性基が取りこまれた形となり、アニオン性基が導電材の分散状態を維持する機能を有し、架橋又は重合構造がバインダーに皮膜形成能を付与して、導電材を含有する帯電防止層の物理強度、耐薬品性、耐候性を改良できるので好ましい。
(電離放射線硬化性の多官能モノマー又は多官能オリゴマー)
電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
光重合性官能基を有する光重合性多官能モノマーの具体例としては、ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;2,2−ビス{4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパン、2−2−ビス{4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル}プロパン等のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類;等を挙げることができる。
さらにはエポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類も、光重合性多官能モノマーとして、好ましく用いられる。
中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。さらに好ましくは、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールトリアクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールペンタアクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサトリアクリレート等が挙げられる。
多官能モノマーは、二種類以上を併用してもよい。
(光重合開始剤)
光重合性多官能モノマーの重合反応には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤が好ましく、特に好ましいのは光ラジカル重合開始剤である。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド及びチオキサントン類等が挙げられる。
市販の光ラジカル重合開始剤としては、日本化薬(株)製の「カヤキュアー」(DETX−S、BP−100、BDMK、CTX、BMS、2−EAQ、ABQ、CPTX、EPD、ITX、QTX、BTC、MCAなど)、日本チバガイギー(株)製の「イルガキュア」(651、184、500、907、369、1173、2959、4265、4263など)、サートマー社製の“Esacure”(KIP100F、KB1、EB3、BP、X33、KTO46、KT37、KIP150、TZT)等が挙げられる。
特に、光開裂型の光ラジカル重合開始剤が好ましい。光開裂型の光ラジカル重合開始剤については、高薄一弘著「最新UV硬化技術」{(株)技術情報協会、159頁、1991年}に記載されている。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、日本チバガイギー(株)製の「イルガキュア」(651、184、907)等が挙げられる。
光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトン及びチオキサントンを挙げることができる。
市販の光増感剤としては、日本化薬(株)製の「カヤキュアー」(DMBI、EPA)などが挙げられる。
光重合反応は、帯電防止層の塗布及び乾燥後、紫外線照射により行うことが好ましい。紫外線照射には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
帯電防止層の架橋又は重合しているバインダーは、ポリマーの主鎖が架橋又は重合している構造を有することが好ましい。ポリマーの主鎖の例には、ポリオレフィン(飽和炭化水素)、ポリエーテル、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミン、ポリアミド及びメラミン樹脂が含まれる。ポリオレフィン主鎖、ポリエーテル主鎖及びポリウレア主鎖が好ましく、ポリオレフィン主鎖及びポリエーテル主鎖がさらに好ましく、ポリオレフィン主鎖が最も好ましい。
ポリオレフィン主鎖は、飽和炭化水素からなる。ポリオレフィン主鎖は、例えば、不飽和重合性基の付加重合反応により得られる。ポリエーテル主鎖は、エーテル結合(−O−)によって繰り返し単位が結合している。ポリエーテル主鎖は、例えば、エポキシ基の開環重合反応により得られる。ポリウレア主鎖は、ウレア結合(−NH−CO−NH−)によって、繰り返し単位が結合している。ポリウレア主鎖は、例えば、イソシアネート基とアミノ基との縮重合反応により得られる。ポリウレタン主鎖は、ウレタン結合(−NH−CO−O−)によって、繰り返し単位が結合している。ポリウレタン主鎖は、例えば、イソシアネート基と、水酸基(N−メチロール基を含む)との縮重合反応により得られる。ポリエステル主鎖は、エステル結合(−CO−O−)によって、繰り返し単位が結合している。ポリエステル主鎖は、例えば、カルボキシル基(酸ハライド基を含む)と水酸基(N−メチロール基を含む)との縮重合反応により得られる。ポリアミン主鎖は、イミノ結合(−NH−)によって、繰り返し単位が結合している。ポリアミン主鎖は、例えば、エチレンイミン基の開環重合反応により得られる。ポリアミド主鎖は、アミド結合(−NH−CO−)によって、繰り返し単位が結合している。ポリアミド主鎖は、例えば、イソシアネート基とカルボキシル基(酸ハライド基を含む)との反応により得られる。メラミン樹脂主鎖は、例えば、トリアジン基(例、メラミン)とアルデヒド(例、ホルムアルデヒド)との縮重合反応により得られる。なお、メラミン樹脂は、主鎖そのものが架橋又は重合構造を有する。
アニオン性基は、連結基を介してバインダーの側鎖として、主鎖に結合していることが好ましい。
アニオン性基とバインダーの主鎖とを結合する連結基は、−CO−、−O−、アルキレン基、アリーレン基、及びこれらの組み合わせから選ばれる二価の基であることが好ましい。架橋又は重合構造は、二つ以上の主鎖を化学的に結合(好ましくは共有結合)する。架橋又は重合構造は、三つ以上の主鎖を共有結合することが好ましい。架橋又は重合構造は、−CO−、−O−、−S−、窒素原子、リン原子、脂肪族残基、芳香族残基及びこれらの組み合わせから選ばれる二価以上の基からなることが好ましい。
バインダーは、アニオン性基を有する繰り返し単位と、架橋又は重合構造を有する繰り返し単位とを有するコポリマーであることが好ましい。コポリマー中のアニオン性基を有する繰り返し単位の割合は、2〜96モル%であることが好ましく、4〜94モル%であることがさらに好ましく、6〜92モル%であることが最も好ましい。繰り返し単位は、二つ以上のアニオン性基を有していてもよい。コポリマー中の架橋又は重合構造を有する繰り返し単位の割合は、4〜98モル%であることが好ましく、6〜96モル%であることがさらに好ましく、8〜94モル%であることが最も好ましい。
バインダーの繰り返し単位は、アニオン性基と架橋又は重合構造の双方を有していてもよい。バインダーには、その他の繰り返し単位(アニオン性基も架橋又は重合構造もない繰り返し単位)が含まれていてもよい。
架橋又は重合しているバインダーは、帯電防止層形成用の塗料を透明支持体上に塗布して、塗布と同時又は塗布後に、架橋又は重合反応によって作製することが好ましい。
帯電防止層の中において、導電材はなるべく微細に分散されていることが好ましく、質量平均粒径は1〜200nmの範囲であるのがよい。帯電防止層中の導電材の質量平均粒径は、5〜150nmであることが好ましく、10〜100nmであることがさらに好ましく、10〜80nmであることが最も好ましい。
導電材を200nm以下に微細化することで透明性を損なわない帯電防止層を作製できる。
帯電防止層における導電材の含有量は、帯電防止層の質量に対し30〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは40〜80質量%、特に好ましくは50〜75質量%である。導電材は帯電防止層内で二種類以上を併用してもよい。
(塗布溶媒)
帯電防止層の好ましい塗布溶媒としては、前記の導電材の分散媒体として例示した溶媒類の中から適宜選択して用いることができ、例えばケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、水などを挙げることができる。
特に好ましい塗布溶媒としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、又は、エステル類であり、最も好ましい溶媒としては、ケトン類である。ケトン類の中でも、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが特に好ましい。
塗布溶媒は、その他の溶媒を含んでいてもよい。例えば、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)が含まれる。
塗布溶媒は、ケトン系溶媒の含有量が塗料に含まれる全溶媒の10質量%以上であることが好ましい。好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。
(帯電防止層の形成)
帯電防止層の形成は、特に帯電防止層を電離放射線硬化性化合物の架橋又は重合反応により形成する場合には、酸素濃度が4体積%以下の雰囲気で実施することが好ましい。
帯電防止層を酸素濃度が4体積%以下の雰囲気で作製することにより、帯電防止層の物理強度(耐擦傷性など)、耐薬品性、耐候性、更には、帯電防止層と帯電防止層と隣接する層との接着性を改良することができる。
好ましくは酸素濃度が3体積%以下の雰囲気で電離放射線硬化性化合物の架橋又は重合反応により作製することであり、更に好ましくは酸素濃度が2体積%以下、特に好ましくは酸素濃度が1体積%以下、最も好ましくは0.5体積%以下である。
酸素濃度を4体積%以下にする手法としては、大気(窒素濃度約79体積%、酸素濃度約21体積%)を別の気体で置換することが好ましく、特に好ましくは窒素で置換(窒素パージ)することである。
帯電防止層の膜厚は用途により適切に設計することができる。優れた透明性を有する帯電防止層を作製する場合、膜厚は1μm以下であることが好ましく、より好ましくは500nm以下、更に好ましくは200nm以下、特に好ましくは150nm以下である。
また、帯電防止層がハードコート処理されハードコート層を兼ねる場合、1〜10μmが好ましく、より好ましくは2〜7μm、特に好ましくは3〜5μmである。
帯電防止層のヘイズは、低いほど好ましい。5%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。
帯電防止層の物理強度は、硬度がJIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また耐擦傷性は、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。このために帯電防止層がハードコート処理されていることも好ましい。
帯電防止層には、前記の成分(導電材、重合開始剤、光増感剤、バインダーなど)以外に、樹脂、界面活性剤、カップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、などを添加することもできる。
〔最外層〕
本発明における最外層は、含フッ素化合物を含有する。特に、含フッ素化合物を主体とする最外層を構築することが好ましい。含フッ素化合物を主体とする最外層は、低屈折率層、又は防汚層として機能する。ここで、「含フッ素化合物を主体とする」とは、最外層の中に含まれる最外層の構成成分のうち、含フッ素化合物の質量比が最も大きいことを意味し、含フッ素化合物の含有率が最外層の全質量に対し50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上含まれることがより好ましい。
本発明における含フッ素化合物を有する最外層は、気相法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等)、塗布法のどちらで作製してもよいが、低コストで作製できる点で塗布法が好ましい。
塗布法で作製する場合、最外層の「含フッ素化合物」は、「架橋性又は重合性の官能基を有するフッ素原子含有化合物」の、架橋又は重合反応により形成することが好ましく、該架橋性又は重合性の官能基は電離放射線硬化性の官能基であることが好ましい。以下、最外層に含まれる含フッ素化合物について記載する。
[含フッ素化合物]
最外層に含まれる含フッ素化合物の屈折率は、1.35〜1.50であることが好ましい。より好ましくは1.36〜1.47、さらに好ましくは1.38〜1.45である。
「含フッ素化合物」には、含フッ素ポリマー、含フッ素シラン化合物、含フッ素界面活性剤、含フッ素エーテルなどが含まれる。
含フッ素ポリマーとしては、フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの架橋又は重合反応により合成されたものが挙げられる。フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーの例には、フルオロオレフィン(例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ペルフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、フッ素化ビニルエーテル及びフッ素置換アルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのエステルが含まれる。
含フッ素ポリマーとして、フッ素原子を含む繰り返し構造単位とフッ素原子を含まない繰り返し構造単位からなる共重合体も用いることができる。
上記共重合体は、フッ素原子を含むエチレン性不飽和モノマーとフッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることができる。
フッ素原子を含まないエチレン性不飽和モノマーとしては、オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等)、メタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン及びその誘導体(例えば、スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル(例えば、メチルビニルエーテル等)、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド(例えば、N−t−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド及びアクリロニトリルが挙げられる。
含フッ素シラン化合物としては、ペルフルオロアルキル基を含むシラン化合物などが挙げられる。
含フッ素界面活性剤は、疎水性部分を構成する炭化水素の水素原子の一部又は全部が、フッ素原子により置換されているもので、その親水性部分はアニオン性、カチオン性、ノニオン性及び両性のいずれであってもよい。
含フッ素エーテルは、一般に潤滑剤として使用されている化合物である。含フッ素エーテルとしては、ペルフルオロポリエーテル等が挙げられる。
{含フッ素化合物形成用材料}
最外層の含フッ素化合物としては、含フッ素ポリマーが好ましい。該含フッ素ポリマーは、架橋又は重合構造が導入された含フッ素ポリマーであることが好ましい。架橋又は重合構造が導入された含フッ素ポリマーは、「架橋性又は重合性の官能基を有するフッ素原子含有化合物」を、架橋又は重合させることにより得られる。
「架橋性又は重合性の官能基を有するフッ素原子含有化合物」は、架橋性又は重合性の官能基を有さないフッ素原子含有化合物に、架橋性又は重合性の官能基を側鎖として導入することにより得ることができる。架橋性又は重合性の官能基としては、光(好ましくは紫外線照射)、電子ビーム(EB)照射又は加熱などにより反応して、含フッ素ポリマーが架橋又は重合構造を有するようになる官能基であることが好ましい。架橋性又は重合性の官能基としては、(メタ)アクリロイル、イソシアナート、エポキシ、アジリジン、オキサゾリン、アルデヒド、カルボニル、ヒドラジン、カルボキシル、メチロール及び活性メチレン等の基が挙げられる。架橋性又は重合性の官能基を有するフッ素原子含有化合物として、市販品を用いてもよい。以下、「架橋性又は重合性の官能基を有するフッ素原子含有化合物」を単に「フッ素原子含有化合物」と略称することもある。
最外層の含フッ素化合物は、含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰返し単位及び、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位からなる共重合体を主成分として含有してなることが好ましい。主成分として含有してなるとは、該共重合体由来の成分が、最外層の全質量に対し50質量%以上であることを意味し、70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。以下に、最外層に用いられるのに好ましい上記共重合体について説明する。
含フッ素ビニルモノマーとしてはフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等)、(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類{例えば「ビスコート6FM」(商品名)大阪有機化学工業(株)製や、“M−2020”(商品名)ダイキン工業(株)製等}、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはペルフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。
(最外層に好適に用いられる共重合体)
最外層に好適に用いられる共重合体は、そのフッ素含率が20〜60質量%となるように含フッ素ビニルモノマーを導入することが好ましく、より好ましくは25〜55質量%であり、特に好ましくは30〜50質量%である。
上記共重合体は(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位を有する。(メタ)アクリロイル基の導入法は特に限定されるものではないが、例えば、(1)水酸基、アミノ基等の求核基を有するポリマーを合成した後に、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸とメタンスルホン酸の混合酸無水物等を作用させる方法、(2)上記求核基を有するポリマーに、硫酸等の触媒存在下、(メタ)アクリル酸を作用させる方法、(3)上記求核基を有するポリマーにメタクリロイルオキシプロピルイソシアネート等のイソシアネート基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物を作用させる方法、(4)エポキシ基を有するポリマーを合成した後に(メタ)アクリル酸を作用させる方法、(5)カルボキシル基を有するポリマーにグリシジルメタクリレート等のエポキシ基と(メタ)アクリロイル基を併せ持つ化合物を作用させる方法、(6)3−クロロプロピオン酸エステル部位を有するビニルモノマーを重合させた後で脱塩化水素を行う方法などが挙げられる。これらの中で本発明では、特に水酸基を含有するポリマーに対して(1)又は(2)の手法によって(メタ)アクリロイル基を導入することが好ましい。
側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位は、上記共重合体中の全繰り返し単位の5〜90質量%、さらには30〜70質量%、特には40〜60質量%を占めることが特に好ましい。
前記共重合体には、前記含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰返し単位及び、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位以外に、透明支持体など下層への密着性、ポリマーのTg(皮膜硬度に寄与する)、溶媒への溶解性、透明性、滑り性、防塵・防汚性等種々の観点から適宜他のビニルモノマーを共重合させることもできる。これらのビニルモノマーは、目的に応じて複数を組み合わせてもよく、共重合体中の0〜65モル%の範囲、さらには0〜40モル%の範囲、特には0〜30モル%の範囲であることが好ましい。
併用可能なビニルモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等)、スチレン誘導体(スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−メトキシスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、不飽和カルボン酸類(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等)、アクリルアミド類(N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類(N,N−ジメチルメタクリルアミド)、アクリロニトリル誘導体等を挙げることができる。
本発明に用いられる、含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰返し単位及び、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位からなる共重合体の好ましい形態として、下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
一般式(1):
Figure 2005196122
一般式(1)中、L11は炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは2〜4の連結基を表し、直鎖、分岐、環構造を有していてもよく、O、N、Sから選ばれるヘテロ原子を有していてもよい。
好ましい例としては、*−(CH22−O−**、*−(CH22−NH−**、*−(CH24−O−**、*−(CH26−O−**、*−(CH22−O−(CH22−O−**、−CONH−(CH23−O−**、*−CH2CH(OH)CH2−O−**、*−CH2CH2OCONH(CH23−O−**{*はポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す}等が挙げられる。mは0又は1を表わす。
一般式(1)中、R11は水素原子又はメチル基を表す。硬化反応性の観点から、より好ましくは水素原子である。
一般式(1)中、Aは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を表わし、ヘキサフルオロプロピレンと共重合可能な単量体の構成成分であれば特に制限はなく、透明支持体など下層への密着性、ポリマーのTg(皮膜硬度に寄与する)、溶媒への溶解性、透明性、滑り性、防塵・防汚性等種々の観点から適宜選択することができ、目的に応じて、単一又は複数のビニルモノマーによって構成されていてもよい。
好ましい例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、アリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリレート類、スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン等のスチレン誘導体、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸及びその誘導体等を挙げることができるが、より好ましくはビニルエーテル誘導体、ビニルエステル誘導体であり、特に好ましくはビニルエーテル誘導体である。
x、y、zはそれぞれの構成成分のモル%を表わし、30≦x≦60、5≦y≦70、0≦z≦65を満たす値を表す。好ましくは、35≦x≦55、30≦y≦60、0≦z≦20であり、特に好ましくは40≦x≦55、40≦y≦55、0≦z≦10である。但し、x+y+z=100である。
さらに上記共重合体の特に好ましい形態として一般式(1−1)で表されるものが挙げられる。
一般式(1−1):
Figure 2005196122
一般式(1−1)中、R11、x、yはそれぞれ前記一般式(1)と同義であり、好ましい範囲も同じである。
nは2≦n≦10の整数を表わし、2≦n≦6であることが好ましく、2≦n≦4であることが特に好ましい。
Bは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を表わし、単一組成であっても複数組成によって構成されていてもよい。例としては、前記一般式(1)におけるAの例として説明したものが当てはまる。
z1及びz2はそれぞれの繰返し単位のモル%を表わし、0≦z1≦65、0≦z2≦65を満たす値を表わす。それぞれ0≦z1≦30、0≦z2≦10であることが好ましく、0≦z1≦10、0≦z2≦5であることが特に好ましい。但し、x+y+z1+z2=100である。
一般式(1−1)で表される共重合体としては、40≦x≦60、30≦y≦60、z2=0を満たすものが特に好ましい。
一般式(1)又は一般式(1−1)で表わされる共重合体は、例えば、ヘキサフルオロプロピレン成分とヒドロキシアルキルビニルエーテル成分とを含んでなる共重合体に、前記のいずれかの手法により(メタ)アクリロイル基を導入することにより合成できる。
以下に、本発明に用いられる含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰返し単位及び、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位からなる共重合体の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005196122
Figure 2005196122
Figure 2005196122
Figure 2005196122
Figure 2005196122
Figure 2005196122
上記共重合体の合成は、種々の重合方法、例えば溶液重合、懸濁重合、沈殿重合、塊状重合、乳化重合によって水酸基含有重合体等の前駆体を合成した後、前記高分子反応によって(メタ)アクリロイル基を導入することにより行うことができる。重合反応は回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で行うことができる。
重合の開始方法はラジカル開始剤を用いる方法、光又は放射線を照射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二「高分子合成方法」改定版(日刊工業新聞社刊、1971)や大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊、124〜154頁に記載されている。
上記重合方法のうち、特にラジカル開始剤を用いた溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いられる溶媒は、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールのような種々の有機溶媒を、単独又は2種以上の混合物でもよいし、水との混合溶媒としてもよい。
重合温度は生成するポリマーの分子量、開始剤の種類などと関連して設定する必要があり0℃以下から100℃以上まで可能であるが、50〜100℃の範囲で重合を行うことが好ましい。
反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は、1〜100kg/cm2、特に、1〜30kg/cm2程度が望ましい。反応時間は、5〜30時間程度である。
得られたポリマーの再沈殿溶媒としては、イソプロパノール、ヘキサン、メタノール等が好ましい。
本発明の最外層を作製するのに用いる組成物は、塗料の形態をとることが好ましく、前記した含フッ素化合物形成用材料(前記の架橋性又は重合性の官能基を有するフッ素原子含有化合物、含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰返し単位と側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位からなる共重合体等)を必須の構成成分とし、必要に応じて各種添加剤及びラジカル重合開始剤を適当な溶媒に溶解して作製される。この際固形分の濃度は、用途に応じて適宜選択されるが0.01〜60質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜50質量%、特に好ましくは1%〜20質量%程度である。
最外層には、目的に応じて充填剤(例えば、無機微粒子や有機微粒子等)、滑り剤(ジメチルシリコーンなどのポリシロキサン化合物等)、オルガノシラン化合物及びその誘導体、バインダー、界面活性剤等の添加剤を用いることができる。特に、充填剤(例えば、無機微粒子や有機微粒子等)、滑り剤(ジメチルシリコーンなどのポリシロキサン化合物等)を添加することは好ましい。
以下に、最外層に用いる好ましい充填剤、滑り剤等について記載する。
[最外層の好ましい充填剤]
充填剤(例えば、無機微粒子や有機微粒子等)は、最外層の物理強度(耐擦傷性など)を改良する点で、添加することが好ましい。最外層に添加する充填剤としては無機微粒子が好ましく、中でも屈折率が低い二酸化珪素(シリカ)、含フッ素粒子(フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム)などが好ましい。特に好ましいのは二酸化珪素(シリカ)である。
充填剤の一次粒子の質量平均粒径は、1〜150nmであることが好ましく、1〜100nmであることがさらに好ましく、1〜80nmであることが最も好ましい。最外層において充填剤は、より微細に分散されていることが好ましい。充填剤の形状は米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状、短繊維状、リング状、又は不定形状であることが好ましい。特に好ましいのは、球形状、不定形状である。充填剤は、結晶質、非晶質のいずれでもよい。
充填剤は、分散液中又は塗料中での分散安定化を図るために、あるいは最外層の構成成分との親和性、結合性を高めるために、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理、界面活性剤やカップリング剤等による化学的表面処理がなされていてもよい。カップリング剤による表面処理が特に好ましい。カップリング剤としては、アルコキシ化合物(例えば、チタネートカップリング剤、シランカップリング剤)が好ましく用いられる。特に、シランカップリング剤処理が有効である。
充填剤の表面処理は、最外層の塗料の調製前にあらかじめ表面処理を実施しておくことが好ましいが、カップリング剤による表面処理の場合、塗料の調製時に塗料中にカップリング剤を添加して実施することも好ましい。
充填剤は、媒体(溶媒など)中に予め分散されていることが好ましい。
充填剤の添加量は、最外層の全質量に対し5〜70質量%であることが好ましく、さらには10〜50質量%、特には20〜40質量%であることが好ましい。充填剤の添加量が該下限値以上であれば、物理強度(耐擦傷性など)の優れた改良効果が発現され、該上限値以下であれば、最外層が白濁するなどの不具合が生じないので、充填剤はこの範囲内で使用することが好ましい。
充填剤の平均粒径は、最外層の膜厚に対し20〜100%が好ましく、より好ましくは30〜80%、特に好ましくは30%〜50%である。
最外層に添加する充填剤が二酸化珪素微粒子の場合、中空の二酸化珪素微粒子を用いることが特に好ましい。中空の二酸化珪素微粒子は、屈折率が1.17〜1.45であることが好ましく、より好ましくは1.17〜1.40、さらに好ましくは1.17〜1.37である。ここで、中空の二酸化珪素微粒子の屈折率は粒子全体としての屈折率を表し、中空の二酸化珪素微粒子を形成している外殻の二酸化珪素のみの屈折率を表わすものではない。中空の二酸化珪素微粒子を用いることで最外層の屈折率を下げることができる。
この時、粒子内の空洞の半径をa、粒子外殻の半径をbとすると、空隙率xは下記数式(2)で表される。
数式(2):x=(a/b)3×100
空隙率xは10〜60%が好ましく、20〜60%がさらに好ましく、30〜60%であることが最も好ましい。
充填剤は、2種類以上を併用して用いることも好ましい。また、平均粒子径が異なる粒子も併用して用いることができる。
[最外層の好ましい滑り剤]
滑り剤は、最外層の物理強度(耐擦傷性など)、防汚性を改良する点で添加することが好ましい。
滑り剤としては、含フッ素エーテル化合物(ペルフルオロポリエーテル、及び、その誘導体など)、ポリシロキサン化合物(ジメチルポリシロキサン、及び、その誘導体など)などが挙げられる。ポリシロキサン化合物が好ましい。
ポリシロキサン化合物の好ましい例としては、ジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として複数個含む化合物の末端、及び/又は、側鎖に置換基を有するものが挙げられる。
ジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として含む化合物中にはジメチルシリルオキシ単位以外の構造単位(置換基)を含んでもよい。置換基は同一であっても異なっていてもよく、複数個あることが好ましい。
好ましい置換基の例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、フルオロアルキル基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などを含む基が挙げられる。
滑り剤の分子量に特に制限はないが、10万以下であることが好ましく、5万以下であることが特に好ましく、3000〜30000であることが最も好ましい。
シロキサン化合物のSi原子含有量には、特に制限はないが5質量%以上であることが好ましく、10〜60質量%であることが特に好ましく、15〜50質量%であることが最も好ましい。
特に好ましい滑り剤は、下記一般式(2)で表わされる架橋性又は重合性の官能基を有するポリシロキサン化合物及びその誘導体(誘導体とは、例えば、一般式(2)で表わされるポリシロキサン化合物の架橋体又は重合体、一般式(2)で表わされるポリシロキサン化合物とポリシロキサン化合物以外の架橋又は重合可能な官能基を有する化合物との反応生成物など)である。
一般式(2):
Figure 2005196122
一般式(2)中、R21〜R24はそれぞれ独立に炭素原子を1〜20含む基を表し、それぞれ互いに同じであっても異なっていてもよく、R21、R23、R24のうち少なくとも一つの基が架橋性又は重合性の官能基を表す。pは1≦p≦4を満たす整数を表す。qは10≦q≦500を満たす整数を表し、rは0≦r≦500を満たす整数を表し、{ }で囲われているポリシロキサン部分は、r≠0の時、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
より好ましくは、本発明の最外層は、一般式(2)で表わされる架橋性又は重合性の官能基を有するポリシロキサン化合物及び/又はその誘導体と前記の含フッ素化合物形成用材料とを含んでなる硬化物を含有することが好ましい。
ポリシロキサン化合物及び/又はその誘導体の含有量は、含フッ素化合物形成用材料に対し、0.1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは1〜10質量%である。
ポリシロキサン化合物及び/又はその誘導体において、好ましい架橋性又は重合性の官能基は、最外層に含有される含フッ素化合物を形成する他の構成成分(前記の架橋性もしくは重合性の官能基を有するフッ素原子含有化合物や、含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰返し単位及び、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位からなる共重合体等)、必要性に応じて用いられる後述のバインダーなどと架橋又は重合反応して結合を形成することができる官能基であればよく、例えば、活性水素原子を有する基(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、メルカプト基、β−ケトエステル基、ヒドロシリル基、シラノール基等)、カチオン重合可能な基(エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニル基、ビニルオキシ基等)、ラジカル種による架橋又は重合が可能な不飽和二重結合を有する基{(メタ)アクリロイル基、アリル基等}、加水分解性シリル基(例えばアルコキシシリル基、アシルオキシシリル基等)、酸無水物、イソシアネート基、求核剤によって置換され得る基(活性ハロゲン原子、スルホン酸エステル等)等が挙げられる。
これらの架橋性又は重合性官能基は最外層の構成成分に合わせて適宜選択される。好ましくは、電離放射線硬化性の官能基である。
また、一般式(2)の架橋性又は重合性の官能基は、含フッ素化合物形成用材料が有する架橋性又は重合性の官能基と、架橋又は重合反応することが好ましく、特に好ましい官能基はカチオン開環重合反応性基(特にエポキシ基、オキセタニル基など)、ラジカル重合反応性基{特に(メタ)アクリロイル基}である。
一般式(2)のR22が表す基は、炭素数1〜20の置換又は無置換の有機基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、ヘキシル基等)、フッ素化アルキル基(トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等)又は炭素数6〜20のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基等)であり、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基、フッ素化アルキル基又はフェニル基であり、特に好ましくはメチル基である。こららはさらにこれらの基で置換されていてもよい。
一般式(2)のR21、R23、R24が架橋性又は重合性の官能基でない場合、上記有機基をとることができる。
pは1≦p≦4を満たす整数を表す。qは10≦q≦500を満たす整数を表し、好ましくは50≦q≦400であり、特に好ましくは100≦q≦300である。rは0≦r≦500を満たす整数を表わし、好ましくは0≦r≦qであり、特に好ましくは0≦r≦0.5qである。
一般式(2)で表わされる化合物のポリシロキサン構造は、その繰り返し単位[−OSi(R222−]が単一の置換基(R22)のみで構成された単独重合体であっても、異なる置換基を有する繰り返し単位の組み合わせによって構成されたランダム共重合体又はブロック共重合体であってもよい。
一般式(2)で表わされる化合物の質量平均分子量は、103〜106であることが好ましく、より好ましくは5×103〜5×105であり、特に好ましくは104〜105である。
一般式(2)で表されるポリシロキサン化合物は市販されているもの、例えば、“KF−100T”、“X−22−169AS”、“KF−102”、“X−22−3701IE”、“X−22−164B”、 “X−22−164C”、 “X−22−5002”、“X−22−173B”、“X−22−174D”、“X−22−167B”、“X−22−161AS”、“X−22−174DX”、“X−22−2426”、“X−22−170DX”、“X−22−176D”、“X−22−1821”{以上、信越化学工業(株)製};“AK−5”、“AK−30”、“AK−32”{以上、東亜合成化学(株)製};「サイラプレーンFM−0275」、「サイラプレーンFM−0721」、「サイラプレーンFM−0725」、「サイラプレーンFM−7725」、「サイラプレーンDMS−U22」、「サイラプレーンRMS−033」、「サイラプレーンRMS−083」、「サイラプレーンUMS−182」{以上、チッソ(株)製}等を用いることもできる。また、市販のポリシロキサン化合物が含有する水酸基、アミノ基、メルカプト基等に、架橋性又は重合性官能基を導入することで作製することもできる。
以下に、一般式(2)で表わされる好ましいポリシロキサン化合物の例を示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005196122
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Figure 2005196122
Figure 2005196122
Figure 2005196122
一般式(2)で表わされるポリシロキサン化合物及び/又はその誘導体の添加量は、最外層の全固形分に対し、0.05〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20質量%、更に好ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは1〜10質量%である。
[最外層及びその形成法]
最外層は、上記含フッ素化合物形成用材料、必要に応じて上記ポリシロキサン化合物及び/又はその誘導体を含有して形成され、さらには、上記充填剤、溶媒に溶解又は分散した塗料を塗布することにより作製することが好ましい。
(溶媒)
好ましい溶媒としては、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、水などを挙げることができる。
特に好ましい溶媒としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、エステル類であり、最も好ましい溶媒としては、ケトン類である。ケトン類の中でも、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが特に好ましい。溶媒には、ケトン系溶媒の含有量が塗料に含まれる全溶媒の10質量%以上であることが好ましい。より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。
2種類以上の溶媒を併用することもできる。
架橋性又は重合性の官能基を有する含フッ素化合物形成用材料であれば、最外層の塗布と同時又は塗布後に、含フッ素化合物形成用材料を架橋又は重合反応させ、最外層を作製することが好ましい。
含フッ素化合物形成用材料が、ラジカルで架橋又は重合する官能基を有していれば、ラジカル重合開始剤、特に光ラジカル重合開始剤を用いて架橋又は重合反応させることが好ましい。また、カチオンで架橋又は重合する官能基を有していれば、カチオン重合開始剤、特に光カチオン重合開始剤を用いて架橋又は重合反応させることが好ましい。
(ラジカル重合開始剤)
ラジカル重合開始剤としては熱の作用によりラジカルを発生するもの、又は光の作用によりラジカルを発生するものが好ましい。特に好ましいのは光ラジカル重合開始剤である。
熱の作用によりラジカル重合を開始する化合物としては、有機又は無機過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。
具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル、2−アゾ−ビス−プロピオニトリル、2−アゾ−ビスーシクロヘキサンジニトリル等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等を挙げることができる。
光の作用によりラジカル重合を開始する化合物を使用する場合は、例えば紫外線など用いる化合物に応じた光の照射によって硬化させ、最外層を作製することができる。
光ラジカル重合開始剤の例としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類がある。アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾイン−i−プロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
特に、光開裂型の光ラジカル重合開始剤が好ましい。光開裂型の光ラジカル重合開始剤については、高薄一弘著「最新UV硬化技術」((株)技術情報協会、159頁、1991年)に記載されている。
市販の光ラジカル重合開始剤も好ましく用いることができ、帯電防止層で記載した開始剤等が挙げられる。
光重合開始剤は、架橋性又は重合性の官能基を有するフッ素原子含有化合物100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。
さらには、これらの光重合開始剤と併用して光増感剤も好ましく用いることができ、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトン及びチオキサントンを挙げることができる。
市販の光増感剤も好ましく用いることができ、帯電防止層で記載した増感剤等が挙げられる。
バインダーは、最外層の物理強度(耐擦傷性など)、最外層と隣接する層との密着性を改良する点で、添加することが好ましい。
含フッ素化合物形成用材料が、架橋性又は重合性の官能基を有する化合物であれば、バインダーは含フッ素化合物形成用材料と架橋又は重合する官能基を有するバインダーであることが好ましい。
特に含フッ素化合物形成用材料が、光架橋性又は光重合性の官能基を有する化合物であれば、バインダーとして光架橋性又は光重合性の官能基を有する多官能モノマーであることが好ましい。光重合性官能基を有する光重合性多官能モノマーの具体例としては、帯電防止層で記載したものが挙げられる。多官能モノマーは、二種類以上を併用してもよい。
最外層に含有される含フッ素化合物は、含フッ素化合物形成用材料(前記の架橋性又は重合性の官能基を有するフッ素原子含有化合物および/もしくは含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰返し単位と側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位からなる共重合体等)と、一般式(2)で表されるポリシロキサン化合物及び/もしくはその誘導体、ならびに/又は、含フッ素化合物形成用材料が有する該架橋性又は重合性の官能基と架橋又は重合するバインダーとから形成される硬化物であることが好ましい。
最外層は、含フッ素化合物形成用材料、その他最外層の構成成分を溶解又は分散させた塗料を、塗布と同時又は塗布後に、光照射、電子線ビーム照射、加熱処理などを実施して、架橋又は重合反応させ、作製することが好ましい。
紫外線照射の場合、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
最外層の作製は、特に最外層を電離放射線硬化性化合物の架橋又は重合反応により形成する場合には、酸素濃度が4体積%以下の雰囲気で実施することが好ましい。
最外層を酸素濃度が4体積%以下の雰囲気で作製することにより、最外層の物理強度(耐擦傷性など)、耐薬品性、耐候性、更には、最外層と最外層と隣接する層との接着性を改良することができる。
好ましくは酸素濃度が3体積%以下の雰囲気で、電離放射線硬化性の化合物の架橋反応、又は重合反応により作製することであり、更に好ましくは酸素濃度が2体積%以下、特に好ましくは酸素濃度が1体積%以下、最も好ましくは0.5体積%以下である。
酸素濃度を4体積%以下にする手法としては、大気(窒素濃度約79体積%、酸素濃度約21体積%)を別の気体で置換することが好ましく、特に好ましくは窒素で置換(窒素パージ)することである。
最外層を低屈折率層として用いる場合、膜厚は30〜200nmが好ましく、より好ましくは50〜150nm、特に好ましくは60〜120nmである。最外層を防汚層として用いる場合、膜厚は3〜50nmが好ましく、より好ましくは5〜35nm、特に好ましくは7〜25nmである。
最外層は、反射防止フィルムの物理強度を改良するために、表面の動摩擦係数が0.25以下であることが好ましい。ここで記載した動摩擦係数は、直径5mmのステンレス剛球に0.98Nの荷重をかけ、速度60cm/分で表面を移動させたときの、表面と直径5mmのステンレス剛球の間の動摩擦係数をいう。好ましくは0.17以下であり、特に好ましくは0.15以下である。
また、反射防止フィルムの防汚性能を改良するために、表面の水に対する接触角が90゜以上であることが好ましい。更に好ましくは95゜以上であり、特に好ましくは100゜以上である。
また、最外層の表面の水に対する接触角は後述する鹸化処理の前後で変わらないことが望ましく、鹸化処理の前後で変化量が10°以内であることが好ましく、特に好ましくは5°以内である。
最外層のヘイズは、低いほど好ましい。3%以下であることが好ましく、さらに好ましくは2%以下、特に好ましくは1%以下である。
最外層の物理強度は、硬度がJIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また耐擦傷性は、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
最外層には、前記の含フッ素化合物形成材料(架橋性又は重合性の官能基を有するフッ素原子含有化合物、含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰返し単位と側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰返し単位からなる共重合体等)、必要に応じて添加される重合開始剤、光増感剤、充填剤、滑り剤、バインダーなど以外に、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、などを添加することもできる。
〔低屈折率層〕
低屈折率層は前記の最外層を兼ねてもよいし、最外層の下層に位置していてもよい。
低屈折率層が前記の最外層を兼ねる場合、最外層について既に述べたことを適用することができる。低屈折率層が最外層の下層に位置する場合、低屈折率層は、ケイ素化合物を含むことが好ましい。
また、低屈折率層の屈折率は1.20〜1.55であることが好ましい。より好ましくは1.30〜1.50、更に好ましくは1.35〜1.48、特に好ましくは1.37〜1.45である。
低屈折率層が最外層の下層に位置する場合、低屈折率層は塗布法又は気相法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法等)により作製することができる。安価に製造できる点で、塗布法が好ましい。
[架橋性又は重合性ケイ素化合物]
低屈折率層を塗布で作製する場合、下記一般式(5)で表されるケイ素化合物、及び、その誘導体(加水分解物、及び該加水分解物が縮合して生成した架橋性ケイ素化合物など)からなる群から選ばれた化合物で作製することが好ましく、特に架橋性又は重合性ケイ素化合物で作製することが好ましい。
一般式(5):(R51c(R52dSi(Z514-c-d
一般式(5)中:R51は、炭素数1〜12の有機基{例えばアルキル、アリール、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール、アルケニル、又はエポキシ基、(メタ)アクリルオキシ基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基等}を表す。R52は、炭素数1〜3の炭化水素基である。Z51は、ハロゲン原子又はアルコキシ基(例えば、OCH3、OC25、OC37等)を表す。c及びdは、同一でも異なっていてもよく、0〜2の整数である。
特に限定されないが、一般式(5)の具体例として、メチルシリケート、エチルシリケート等のテトラアルコキシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリアセトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシランなどのトリアルコキシ又はトリアシルオキシシラン類、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシランなどのジアルコキシ又はジアシルオキシシラン類などが挙げられる。
特に硬度を必要とする場合には、電離放射線硬化性ケイ素化合物、特に電離放射線によって架橋又は重合反応する複数の官能基を有する分子量5,000以下のケイ素化合物が好ましい。例えば、片末端ビニル官能性ポリシラン、両末端ビニル官能性ポリシラン、片末端ビニル官能ポリシロキサン、両末端ビニル官能性ポリシロキサン、もしくはこれらの化合物を反応させたビニル官能性ポリシラン、又はビニル官能性ポリシロキサン等が挙げられる。エポキシ基、(メタ)アクリロイル基を含むケイ素化合物が好ましい。これらのケイ素化合物は単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができる。
これらのケイ素化合物は各種硬化剤、触媒を用いて硬化することが好ましく、例えば、ルイス酸、ルイス塩基を含む各種酸・塩基、及びこれらから作製される中性又は塩基性塩、例えば有機カルボン酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、臭素酸、亜セレン酸、チオ硫酸、オルトケイ酸、チオシアン酸、亜硝酸、アルミン酸、炭酸の金属塩、特にアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、更にアルミニウム、ジルコニウム、チタニウムのアルコキシド又はこれらの錯化合物などがあげられる。特に、好ましいのはアルミキレート化合物で、例えば、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセテートなどである。
また、低屈折率層には、無機微粒子、例えばLiF、MgF2、SiO2等の微粒子を添加することが好ましく、なかでもSiO2が特に好ましい。
低屈折率層の膜厚は、30〜200nmであることが好ましく、50〜150nmであることがさらに好ましく、60〜120nmであることが最も好ましい。
低屈折率層のヘイズは低いほど好ましい。3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが特に好ましい。
低屈折率層の物理強度は、硬度がJIS K5400に従う鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また耐擦傷性は、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
〔透明支持体〕
透明支持体としては、プラスチックフィルムであることが好ましい。プラスチックフィルムとしてはセルロースエステル(例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4'−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例えば、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート及びポリエーテルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートが好ましく、特に、液晶表示装置に用いる場合、トリアセチルセルロースであることが好ましい。
透明支持体がトリアセチルセルロースフィルムの場合、トリアセチルセルロースを溶媒に溶解することで調製したトリアセチルセルロースドープを、単層流延、複数層共流延の何れかの流延方法により作製したトリアセチルセルロースフィルムが好ましい。
特に、環境保全の観点から、トリアセチルセルロースを低温溶解法又は高温溶解法によってジクロロメタンを実質的に含まない溶媒に溶解することで調製したトリアセチルセルロースドープを用いて作製したトリアセチルセルロースフィルムが好ましい。
本発明に好ましく用いられるトリアセチルセルロースフィルムについては、発明協会公開技報(公技番号2001−1745)に例示されている。
上記の透明支持体の膜厚は、特に限定されるものではないが、膜厚は1〜300μmがよく、好ましくは30〜150μm、特に好ましくは40〜120μm、最も好ましくは40〜100μmである。
透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。
透明支持体のヘイズは低い方が好ましい。2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。
透明支持体の屈折率は、1.40〜1.70であることが好ましい。
透明支持体には、赤外線吸収剤又は紫外線吸収剤を添加してもよい。赤外線吸収剤の添加量は、透明支持体の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがさらに好ましい。
また、透明支持体には、滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよい。無機化合物の例には、SiO2、TiO2、BaSO4、CaCO3、タルク及びカオリンが含まれる。
透明支持体に、表面処理を実施してもよい。表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理及びオゾン酸化処理が含まれる。グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理及び火焔処理が好ましく、グロー放電処理とコロナ放電処理が特に好ましい。
〔ハードコート層〕
本発明の反射防止フィルムには、物理強度を付与するためにハードコート層を設けることができる。特に、透明支持体と前記最外層の間に設けることが好ましい。
ハードコート層は、電離放射線硬化性化合物の架橋又は重合反応により形成されることが好ましい。例えば、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗料を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋又は重合反応させることにより形成することができる。
電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
光重合性官能基を有する光重合性多官能モノマーの具体例としては、帯電防止層で例示したものが挙げられ、光重合開始剤、光増感剤を用いて重合することが好ましい。光重合反応は、ハードコート層の塗布及び乾燥後、紫外線照射により行うことが好ましい。
ハードコート層は、透明支持体の表面に、ハードコート層形成用の塗料を塗布することで構築することが好ましい。
(塗布溶媒)
塗布溶媒としては、帯電防止層で例示したケトン類、エステル類、芳香族炭化水素類であることが好ましい。特に、ケトン系溶媒を用いることで、例えば、透明支持体(特に、トリアセチルセルロース支持体)の表面とハードコート層との接着性がさらに改良する。
特に好ましい塗布溶媒は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンである。
塗布溶媒には、帯電防止層で例示したケトン系溶媒以外の溶媒を含んでいてもよい。塗布溶媒におけるケトン系溶媒の含有量は、塗布組成物に含まれる全溶媒の10質量%以上であることが好ましい。好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。
ハードコート層が電離放射線硬化性の化合物の架橋又は重合反応により作製される場合、架橋又は重合反応は酸素濃度が4体積%以下の雰囲気で実施することが好ましい。酸素濃度が4体積%以下の雰囲気で作製することにより、物理強度(耐擦傷性など)や耐薬品性に優れたハードコート層を作製することができる。
好ましくは酸素濃度が3体積%以下の雰囲気で電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により作製することであり、更に好ましくは酸素濃度が2体積%以下、特に好ましくは酸素濃度が1体積%以下、最も好ましくは0.5体積%以下である。
酸素濃度を4体積%以下にする手法としては、大気(窒素濃度約79体積%、酸素濃度約21体積%)を別の気体で置換することが好ましく、特に好ましくは窒素で置換(窒素パージ)することである。
ハードコート層の膜厚は用途により適切に設計することができる。ハードコート層の膜厚は、1〜10μmであることが好ましく、より好ましくは2〜7μm、特に好ましくは3〜5μmである。
ハードコート層の物理強度は、硬度がJIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また耐擦傷性は、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ハードコート層には樹脂、分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、などを添加することもできる。またハードコート層の硬度を高くしたり、硬化収縮を抑えたり、屈折率を制御するなどの目的で、後述する一次粒子の平均粒径が1〜200nmの無機微粒子を添加することができる。
さらには、防眩機能、液晶表示装置の視野角拡大機能を付与する目的で後述する平均粒径0.2〜10μmの粒子を含有することもできる。
〔反射防止フィルムの表面の凹凸〕
本発明に用いる反射防止フィルムは、最外層を有する側の表面に凹凸を形成し、防眩性を付与することもできる。
防眩性は表面の平均表面粗さ(Ra)と相関している。表面の凹凸は、100cm2の面積の中からランダムに1mm2を取り出し、取り出した表面の1mm2の面積当たりに対し、平均表面粗さ(Ra)が0.01〜1μmであることが好ましく、0.01〜0.4μmであることがより好ましく、0.03〜0.3μmであることがさらに好ましく、0.05〜0.25μmであることがさらになお好ましく、0.07〜0.2μmであることが特に好ましい。平均表面粗さ(Ra)に関しては、奈良次郎著、テクノコンパクトシリーズ(6)「表面粗さの測定・評価法」{(株)総合技術センター}に記載されている。
また、上記表面の1mm2の面積当たりに対し、切断面の面積が100μm2以上の凹が存在しないことが好ましい。断面積100μm2以上の凹が存在しなければ、反射防止フィルムを画素のサイズが小さい画像表示装置の表面に配置したとき、画素中に存在する3原色(赤,緑,青)のいずれかの色が強調されて目に見える故障(ギラツキ故障)を引き起こして著しく画質を悪化させるなどの不具合が生じないので好ましい。特に、断面積80μm2以上の凹が存在しないことが好ましい。
本発明に用いる反射防止フィルムの表面のこのような凹凸の形状は、原子間力顕微鏡(AFM)により評価することができる。
表面の凹凸の形成法としては公知の手法が用いられる。本発明では、フィルムの表面に高い圧力で凹凸の形状を有する版を押し当てる(例えば、エンボス加工)ことにより形成する手法、また、後述する反射防止フィルム上のいずれかの層に粒子を含有させて防眩層とし、反射防止フィルムの表面に凹凸を形成する手法などが好ましい。特に、後述する平均粒径が0.2〜10μmの粒子をいずれかの層に含有させ、該層表面に凹凸を形成し、該層上に最外層を形成することで最外層の表面に凹凸を形成する手法が好ましい。
エンボス加工により表面に凹凸を形成する方法では、公知の手法が適用できるが、特開2000−329905号公報に記載されている手法により凹凸を形成することが特に好ましい。
〔平均粒径が0.2〜10μmの粒子を含有する層〕
[平均粒径0.2〜10μmの粒子]
本発明の反射防止フィルムにおいて、透明支持体と最外層の間に、平均粒径が0.2〜10μmの粒子を含有する層(例えば、防眩層、光拡散層)を構築することが好ましい。ここでいう平均粒径は、二次粒子(粒子が凝集していない場合は一次粒子)の質量平均径である。
平均粒径が0.2〜10μmの粒子は、本発明の反射防止フィルムに防眩機能、液晶表示装置の視野角拡大機能を付与する目的で用いられる。
粒子としては、無機粒子と有機粒子が挙げられる。
無機粒子の具体例としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化錫、ITO、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン及び硫酸カルシウムなどの粒子が挙げられる。二酸化珪素、酸化アルミニウムが好ましい。
有機粒子としては樹脂粒子が好ましい。樹脂粒子の具体例としては、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂から作製される粒子などが挙げられる。好ましくは、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂から作製される粒子であり、特に好ましくはポリメチルメタクリレート樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリスチレン樹脂から作製される粒子である。
反射防止フィルムの最外層を有する側の表面に凹凸を形成し防眩機能を付与するための層(防眩層)、液晶表示装置の視野角拡大機能を付与するために粒子とマトリックスとに屈折率差を設け、光を拡散させるための層(光拡散層)に用いる粒子としては、樹脂粒子、二酸化珪素である方が好ましい。
粒子の平均粒径は、好ましくは0.5〜7.0μm、更に好ましくは1.0〜5.0μm、特に好ましくは1.5〜4.0μmである。
粒子の屈折率は1.35〜1.80であることが好ましく、より好ましくは1.40〜1.75、さらに好ましくは1.45〜1.75である。
粒子の粒径分布は狭いほど好ましい。粒子の粒径分布を示すS値は下記数式(1)で表され、2.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.0以下、特に好ましくは0.7以下である。
数式(1):S=[D0.9−D0.1]/D0.5
0.1:体積換算粒径の積算値の10%値、
0.5:体積換算粒径の積算値の50%値、
0.9:体積換算粒径の積算値の90%値。
また、粒子の屈折率は特に限定されないが、防眩層の場合、層のマトリックスの屈折率(平均粒径が0.2〜10μmの粒子を除いた層の屈折率)とほぼ同じである(屈折率差で0.005以内)か、0.02以上異なっていることが好ましい。
粒子の屈折率と、層のマトリックスの屈折率をほぼ同じにすることで、反射防止フィルムを画像表示面に装着したときのコントラストが改良される。一方、粒子の屈折率と層のマトリックスの屈折率との間に屈折率の差を付けることで、反射防止フィルムを液晶表示面に装着したときの視認性(ギラツキ故障、液晶表示装置の視野角特性など)が改良される。
粒子の屈折率と層のマトリックスの屈折率との間に屈折率の差を付ける場合、その差は0.03〜0.5であることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.4、特に好ましくは0.05〜0.3である。
また、光拡散層の場合、粒子の屈折率は層のマトリックスの屈折率と0.02以上異なっていることが好ましい。
粒子の屈折率と層のマトリックスの屈折率との間に屈折率の差を付ける場合、その差は0.03〜0.5であることが好ましく、より好ましくは0.03〜0.4、特に好ましくは0.05〜0.3である。
平均粒径が0.2〜10μmの粒子を含有する層は、透明支持体と最外層の間に構築されていればよく、該層が前記のハードコート層、帯電防止層、最外層、低屈折率層、後述する高屈折率層、中屈折率層であってもよい。好ましくはハードコート層、帯電防止層、高屈折率層、最も好ましくはハードコート層である。また、平均粒径が0.2〜10μmの粒子を含有する層は最外層と隣接する層であることが好ましい。
平均粒径が0.2〜10μmの粒子は、平均粒径の異なる粒子を複数組み合わせて使用してもよい。また、異なる材質の粒子を複数組み合わせて使用することも好ましい。
平均粒径が0.2〜10μmの粒子を含有する層は、有機化合物のバインダーを含有することが好ましい。また、上記帯電防止層、ハードコート層と同様に、バインダーが架橋性又は重合性の官能基を有する化合物の硬化物であることが好ましく、電離放射線硬化性化合物の架橋又は重合反応により形成されることが好ましい。
平均粒径が0.2〜10μmの粒子を含有する層のヘイズは、3〜80%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜60%、特に好ましくは7〜50%、最も好ましくは10〜40%である。
平均粒径が0.2〜10μmの粒子を含有する層の物理強度は、硬度がJIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また耐擦傷性は、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
〔平均粒径が1〜200nmの無機微粒子を含有する層〕
本発明の反射防止フィルムにおいて、透明支持体と最外層の間に一次粒子の平均粒径が1〜200nmの無機微粒子を含有する層を構築することが好ましい。ここでいう平均粒径は質量平均径である。一次粒子の平均粒径を1〜200nmにすることで透明性を損なわない層を作製できる。
一次粒子の平均粒径が1〜200nmの無機微粒子は、層の硬度を高くしたり、硬化収縮を抑えたり、屈折率を制御するなどの目的で用いられる。
[平均粒径1〜200nmの無機微粒子]
無機微粒子としては、帯電防止層、最外層で例示した無機微粒子(導電性微粒子、充填剤など)に加え、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛などの微粒子が挙げられる。好ましくは、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化錫、ATO、ITO、酸化亜鉛である。
平均粒径が1〜200nmの無機微粒子は、平均粒径の異なる粒子を複数組み合わせて使用してもよい。また、異なる材質の粒子を複数組み合わせて使用することも好ましい。
無機微粒子の一次粒子の平均粒径は、好ましくは5〜200nmであり、より好ましくは10〜150nm、さらに好ましくは20〜100nm、特に好ましくは20〜50nmである。また、無機微粒子の比表面積は、10〜400m2/gであることが好ましく、20〜200m2/gであることがさらに好ましく、30〜150m2/gであることが最も好ましい。
層の中において、無機微粒子はなるべく微細に分散されていることが好ましく、分散剤を用いて分散されていることが好ましい。層の中における無機微粒子の粒子サイズは、好ましくは平均粒径で5〜300nm、より好ましくは10〜200nmであり、さらに好ましくは20〜150nm、特に好ましくは20〜80nmである。特に、光学干渉層に用いる場合は、200nm以下であることが好ましい。
分散剤及び分散方法については、前述の帯電防止層で説明した事項を適用できる。
層における無機微粒子の含有量は、層の全質量に対し10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜80質量%、特に好ましくは15〜75質量%である。
高い屈折率を有する層(例えば、高屈折率層、中屈折率層など)を作製する場合、帯電防止層で記載した手法を用いて高い屈折率を有する無機微粒子(例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化錫、ATO、ITO、酸化亜鉛など)を微細に分散して層に含有させて作製することが好ましい。
平均粒径が1〜200nmの無機微粒子を含有する層として好ましいのは、前記ハードコート層、防眩層、光拡散層、後述する光学干渉層(高屈折率層、中屈折率層など)である。また、平均粒径が1〜200nmの無機微粒子を含有する層は最外層と隣接する層であることが好ましい。
平均粒径が1〜200nmの無機微粒子を含有する層は、有機化合物のバインダーを含有することが好ましい。また、上記帯電防止層、ハードコート層と同様に、バインダーが架橋性又は重合性の官能基を有する化合物の硬化物であることが好ましく、電離放射線硬化性化合物の架橋又は重合反応により形成されることが好ましい。
平均粒径が1〜200nmの無機微粒子を含有する層の屈折率は、1.55〜2.40であることが好ましく、より好ましくは1.65〜2.20、特に好ましくは1.65〜2.00である。
平均粒径が1〜200nmの無機微粒子を含有する層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは2%以下、最も好ましくは1%以下である。
平均粒径が1〜200nmの無機微粒子を含有する層の物理強度は、硬度がJIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また耐擦傷性は、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
〔反射防止フィルムのその他の層〕
より優れた反射防止性能を有する反射防止フィルムを作製するためは、ハードコート層と低屈折率層の間に、低屈折率層より高い屈折率を有する光学干渉層(高屈折率層、及び/又は中屈折率層)を設けることが好ましい。
高屈折率層、中屈折率層は、前述の帯電防止層の説明であげた、高い屈折率を有する無機微粒子(例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化錫、ATO、ITO、酸化亜鉛など)を皮膜中に微細に分散させて作製することが好ましい。分散剤及び分散方法については、前述の帯電防止層で説明した事項を適用できる。
また、高屈折率層、中屈折率層には、芳香環及び/又はフッ素以外のハロゲン化元素(例えば、Br、I、Cl等)を含む電離放射線硬化性化合物、S、N、P等の原子を含む電離放射線硬化性化合物などの、架橋又は重合反応で得られるバインダーも好ましく用いることができる。高屈折率層、中屈折率層の屈折率は、適宜制御することができ、高い屈折率を有する微粒子を含有する場合、皮膜中の微粒子の含有率を制御することで屈折率の調整が可能である。高屈折率層、中屈折率層の膜厚も適宜調整できる。ここで、高屈折率、中屈折率とは、層相互の相対的な屈折率の高低を意味し、高屈折率層の方が中屈折率層より屈折率が高い。
高屈折率層、中屈折率層の好ましい屈折率と膜厚に関しては、後述する反射防止フィルムの構成において説明する。高屈折率層の屈折率は1.65〜2.40が好ましく、より好ましくは1.70〜2.20、さらに好ましくは1.75〜2.10、特に好ましくは1.80〜2.10である。中屈折率層の屈折率は1.55〜1.80が好ましく、より好ましくは1.60〜1.80、さらに好ましくは1.60〜1.75、特に好ましくは1.60〜1.70である。
高屈折率層、中屈折率層は、有機化合物のバインダーを含有することが好ましい。また、上記帯電防止層、ハードコート層と同様に、バインダーが架橋性又は重合性の官能基を有する化合物の硬化物であることが好ましく、電離放射線硬化性化合物の架橋又は重合反応により形成されることが好ましい。
高屈折率層、中屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは2%以下、最も好ましくは1%以下である。
高屈折率層、中屈折率層の物理強度は、硬度がJIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また耐擦傷性は、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
反射防止フィルムには、以上に述べた以外の層を設けてもよい。例えば、接着層、シールド層などを設けてもよい。シールド層は電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
〔オルガノシラン化合物〕
本発明において、反射防止フィルムの各層に特に好ましく用いることができるオルガノシラン化合物について記載する。
皮膜の物理強度(耐擦傷性など)、皮膜と皮膜に隣接する層の密着性を改良する点でオルガノシラン化合物及び/又はその誘導体を添加して、透明支持体上のいずれかの層を形成することが好ましい。
オルガノシラン化合物及び/又はその誘導体としては、下記一般式(3)で表される化合物及び/又はその誘導体を用いることができる。好ましいのは、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アルコキシシリル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基を含有するオルガノシラン化合物であり、特に好ましいのはエポキシ基、重合性のアシルオキシ基((メタ)アクリロイルなど)、重合性のアシルアミノ基(アクリルアミノ、メタクリルアミノなど)を含有するオルガノシラン化合物である。
一般式(3):(R31s−Si(Z314-s
一般式(3)中、R31は置換もしくは無置換のアルキル基又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、s−ブチル、ヘキシル、デシル、ヘキサデシル等が挙げられる。アルキル基として好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは1〜6である。アリール基としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
31は水酸基又は加水分解可能な基を表す。例えばアルコキシ基(炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等)、及びR32COO(R32は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。例えばCH3COO、C25COO等が挙げられる)で表される基が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。
sは1〜3の整数を表す。好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
31又はZ31が複数存在するとき、複数のR31又はZ31はそれぞれ異なっていてもよい。
31に含まれる置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、t−ブチル等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、芳香族ヘテロ環基(フリル、ピラゾリル、ピリジル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(フェノキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ等)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル等)、アルコキシシリル基(トリメトキシシリル、トリエトキシシリル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ等)等が挙げられ、これら置換基は更にこれらの置換基で置換されていてもよい。
これらのうちで更に好ましくは水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アルコキシシリル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基である。特に、架橋性又は重合性の官能基が好ましく、エポキシ基、重合性のアシルオキシ基{(メタ)アクリロイル}、重合性のアシルアミノ基(アクリルアミノ、メタクリルアミノ)が好ましい。またこれら置換基は更に上記の置換基で置換されていてもよい。
31が複数ある場合は、少なくとも一つが置換アルキル基もしくは置換アリール基であることが好ましい。一般式(3)で表されるオルガノシラン化合物及びその誘導体の中でも、下記一般式(3−1)で表されるビニル重合性の置換基を有するオルガノシラン化合物及び/又はその誘導体が好ましい。
一般式(3−1):
Figure 2005196122
一般式(3−1)において、R32は水素原子、メチル基、メトキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、又は塩素原子を表す。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。水素原子、メチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、及び塩素原子が好ましく、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、フッ素原子、及び塩素原子が更に好ましく、水素原子及びメチル基が特に好ましい。
31は単結合、*−COO−**、*−CONH−**、*−O−**、又は*−NH−CO−NH−**を表し、単結合、*−COO−**、*−CONH−**が好ましく、単結合、*−COO−**が更に好ましく、*−COO−**が特に好ましい。ここで、*は=C(R32)−に結合する位置を、**はL31に結合する位置を表す。
31は2価の連結鎖を表す。具体的には、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、内部に連結基(例えば、エーテル、エステル、アミドなど)を有する置換もしくは無置換のアルキレン基、内部に連結基を有する置換もしくは無置換のアリーレン基が挙げられ、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、内部に連結基を有するアルキレン基が好ましく、無置換のアルキレン基、無置換のアリーレン基、内部にエーテル又はエステル連結基を有するアルキレン基が更に好ましく、無置換のアルキレン基、内部にエーテル又はエステル連結基を有するアルキレン基が特に好ましい。置換基は、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アリール基等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていてもよい。
tは0又は1を表す。tとして好ましくは0である。
31は一般式(3)と同義であり、置換もしくは無置換のアルキル基、無置換のアリール基が好ましく、無置換のアルキル基、無置換のアリール基が更に好ましい。
31は一般式(3)と同義であり、ハロゲン原子、水酸基、無置換のアルコキシ基が好ましく、塩素原子、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基が特に好ましい。Z31が複数存在するとき、複数のZ31はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(3)、一般式(3−1)の化合物、及びその誘導体は、2種類以上を併用してもよい。
以下に、一般式(3)、一般式(3−1)で表されるオルガノシラン化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005196122
Figure 2005196122
Figure 2005196122
Figure 2005196122
Figure 2005196122
Figure 2005196122
Figure 2005196122
これらオルガノシラン化合物のうち、(M−1)、(M−2)、及び(M−5)が特に好ましい。
本発明において、一般式(3)、一般式(3−1)で表されるオルガノシラン化合物の誘導体とは、一般式(3)、一般式(3−1)で表されるオルガノシラン化合物の加水分解物、部分縮合物などを意味する。以下、本発明で用いるオルガノシラン化合物の好ましい誘導体(加水分解物及び/又は部分縮合物)について説明する。
オルガノシラン化合物の加水分解反応及び/又は縮合反応は、一般に触媒の存在下で行われる。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類;トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム等の金属アルコキシド類;Zr、Ti又はAlなどの金属を中心金属とする金属キレート化合物等が挙げられる。無機酸では塩酸、硫酸、有機酸では、水中での酸解離定数{pKa値(25℃)}が4.5以下のものが好ましく、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が3.0以下の有機酸がより好ましく、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が更に好ましく、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が更に好ましく、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、マロン酸が更に好ましく、シュウ酸が特に好ましい。
オルガノシランの加水分解・縮合反応は、無溶媒でも、溶媒中でも行うことができるが、成分を均一に混合するために有機溶媒を用いることが好ましく、例えばアルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などが好適である。
[溶媒]
溶媒はオルガノシランと触媒を溶解させるものが好ましい。また、有機溶媒を塗料又は塗料の一部として用いることが好ましく、その他の素材と混合した場合に、溶解性又は分散性を損なわないものが好ましい。
このうち、アルコール類としては、例えば1価アルコール又は2価アルコールを挙げることができ、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の飽和脂肪族アルコールが好ましい。
これらのアルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどを挙げることができる。
また、芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げることができる。
これらの有機溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することもできる。該反応における固形分の濃度は特に限定されるものではないが通常1〜90質量%の範囲であり、好ましくは20〜70質量%の範囲である。
オルガノシラン化合物の加水分解反応は、オルガノシラン化合物の加水分解性基1モルに対して0.3〜2モル、好ましくは0.5〜1モルの水を添加し、上記溶媒の存在下又は非存在下に、そして触媒の存在下に、25〜100℃で、撹拌することにより行われる。
[金属キレート化合物]
本発明では、一般式R01OH(式中、R01は炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表されるアルコールと、一般式R02COCH2COR03(式中、R02は炭素数1〜10のアルキル基、R03は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示す)で表される化合物とを配位子とした、Zr、Ti及びAlから選ばれる金属を中心金属とする少なくとも1種の金属キレート化合物の存在下で、25〜100℃で撹拌することにより加水分解を行うことが好ましい。
金属キレート化合物は、上記に示されたものであれば特に制限なく好適に用いることができ、2種以上の金属キレート化合物を併用してもよい。本発明に用いられる金属キレート化合物は、一般式Zr(OR01p1(R02COCHCOR03p2、Ti(OR01q1(R02COCHCOR03q2、及びAl(OR01r1(R02COCHCOR03r2で表される化合物群から選ばれるものが好ましく、前記オルガノシラン化合物の加水分解物及び/又は部分縮合物の縮合反応を促進する作用をなす。
金属キレート化合物中のR01及びR02は、同一又は異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基などである。また、R03は、前記と同様の炭素数1〜10のアルキル基のほか、炭素数1〜10のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などである。また、金属キレート化合物中のp1、p2、q1、q2、r1及びr2は、それぞれ、p1+p2=4、q1+q2=4、r1+r2=3となる様に決定される整数を表す。
これらの金属キレート化合物の具体例としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチタニウムキレート化合物;ジ−i−プロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−i−プロポキシアセチルアセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、i−プロポキシビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。
これらの金属キレート化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これらの金属キレート化合物は、1種単独で又は2種以上混合して使用することができる。また、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる。
金属キレート化合物は、前記オルガノシラン化合物に対し、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.1〜50質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%の割合で用いられる。0.01質量%未満では、オルガノシラン化合物の縮合反応が遅く、塗膜の耐久性が低下するおそれがあり、一方50質量%を超えると、オルガノシラン化合物の加水分解物及び/又は部分縮合物と金属キレート化合物を含有してなる組成物の保存安定性が低下するおそれがあり好ましくない。
上記オルガノシラン化合物及び/又はその誘導体(加水分解物、部分縮合物)、さらに必要に応じて添加される金属キレート化合物などを含む組成物に、β−ジケトン化合物及び/又はβ−ケトエステル化合物を添加することが好ましい。
本発明では、一般式R02COCH2COR03で表されるβ−ジケトン化合物及び/又はβ−ケトエステル化合物が好ましく用いられ、組成物の安定性向上剤として作用するものである。すなわち、前記金属キレート化合物(ジルコニウム、チタニウム及び/又はアルミニウム化合物)中の金属原子に配位することにより、これらの金属キレート化合物によるオルガノシラン化合物の誘導体(加水分解物、部分縮合物等)などの縮合反応を促進する作用を抑制し、得られる組成物の保存安定性を向上させる作用をなすものと考えられる。
β−ジケトン化合物及び/又はβ−ケトエステル化合物を構成するR02及びR03は、前記金属キレート化合物を構成するR02及びR03と同様である。
このβ−ジケトン化合物及び/又はβ−ケトエステル化合物の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−s−ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これらのうち、アセト酢酸エチル及びアセチルアセトンが好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジケトン化合物及び/又はβ−ケトエステル化合物は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することもできる。本発明においてβ−ジケトン化合物及び/又はβ−ケトエステル化合物は、金属キレート化合物1モルに対し好ましくは2モル以上、より好ましくは3〜20モル用いられる。2モル以上であれば、得られる組成物の保存安定性が優れており好ましい。
上記オルガノシラン化合物及び/又はその誘導体の添加量は、添加する層により適宜調整される。添加量は層の全固形分に対し、0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは3〜25質量%、特に好ましくは5〜20質量%である。
オルガノシラン化合物及び/又はその誘導体は、これらを含有してなる層の他の成分と架橋又は重合反応することが、皮膜の物理強度(耐擦傷性など)を極めて向上させることが可能となるので好ましい。このため、オルガノシラン化合物が架橋又は重合する官能基を有したり、無機微粒子やバインダーなどにオルガノシラン化合物と架橋又は重合する官能基を有する化合物を用いたりすることが好ましい。
例えば、電離放射線硬化性の架橋性又は重合性の官能基を有するオルガノシラン化合物及び/又はその誘導体は、さらに、皮膜中の電離放射線硬化性の架橋性又は重合性の官能基を有する他の化合物と架橋又は重合反応して硬化物を生成する。
オルガノシラン化合物を添加するのに好ましい層は、帯電防止層、ハードコート層、防眩層、光拡散層、高屈折率層、低屈折率層、最外層であり、より好ましくはハードコート層、防眩層、光拡散層、低屈折率層、最外層であり、特に好ましくは最外層及び/又は該最外層の隣接層である。
〔反射防止フィルムの形成法等〕
本発明において反射防止フィルムを構成する各層は、塗布法により作製したものが好ましい。塗布で形成する場合、各層はディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2,681,294号明細書記載)により作製することができる。2層以上を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2,761,791号、同2,941,898号、同3,508,947号、同3,526,528号の各明細書、及び原崎勇次著、「コーティング工学」、253頁、朝倉書店(1973年)に記載がある。ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法が好ましい。特に、マイクログラビアコート法が好ましい。
マイクログラビアコート法とは、直径が約10〜100mm、好ましくは約20〜50mmで全周にグラビアパターンが刻印されたグラビアロールを支持体の下方に、かつ支持体の搬送方向に対してグラビアロールを逆回転させると共に、該グラビアロールの表面からドクターブレードによって余剰の塗布液を掻き落として、定量の塗布液を支持体に転写させて塗工することを特徴とする塗布法である。
マイクログラビアコート法では、グラビアロールに刻印されたグラビアパターンの線数は50〜800本/インチが好ましく、より好ましくは100〜300本/インチである。グラビアパターンの深度は1〜600μmが好ましく、より好ましくは5〜200μmである。グラビアロールの回転数は3〜800rpmであることが好ましく、より好ましくは5〜200rpmである。支持体の搬送速度は0.5〜100m/分であることが好ましく、より好ましくは1〜50m/分である。
反射防止フィルムの各層を塗布法で作製する上で、層を作製するのに用いる塗料には、面状改良剤を添加することが好ましい。以下に、面状改良剤について説明する。
〔面状改良剤〕
本発明の透明支持体上のいずれかの層を作製するのに用いる塗料には、面状故障(塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥など)を改良するために、フッ素系及び/又はシリコーン系の面状改良剤を添加することが好ましい。
面状改良剤は、塗料の表面張力を1mN/m以上変化させることが好ましい。ここで、塗料の表面張力が1mN/m以上変化するとは、面状改良剤を添加後の塗料の表面張力が、塗布/乾燥時での濃縮過程を含めて、面状改良剤を添加してない塗料の表面張力と比較して、1mN/m以上変化することを意味する。
好ましくは、塗料の表面張力を1mN/m以上下げる効果がある面状改良剤であり、更に好ましく2mN/m以上下げる面状改良剤、特に好ましくは3mN/m以上下げる面状改良剤である。
[フッ素系面状改良剤]
フッ素系の面状改良剤の好ましい例としては、フルオロ脂肪族基を含有する化合物(「フッ素系面状改良剤」と略記する)が挙げられる。特に、下記一般式(4)のモノマーに相当する繰り返し単位、及び、下記一般式(6)のモノマーに相当する繰り返し単位を含むことを特徴とするアクリル樹脂、メタアクリル樹脂、及びこれらに共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体が好ましい。
このような単量体としては、Polymer Handbook 2nd ed.,J.Brandrup,Wiley lnterscience(1975)Chapter 2,Page 1〜483記載のものを用いることが好ましい。例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等をあげることができる。
一般式(4):
Figure 2005196122
一般式(4)においてR41は水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を表し、水素原子、メチル基がより好ましい。Y41は酸素原子、イオウ原子又は−N(R42)−を表し、酸素原子又は−N(R42)−がより好ましく、特に酸素原子が好ましい。R42は水素原子又は、炭素数1〜8のアルキル基を表し、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、特に好ましくは水素原子又はメチル基である。aは1〜6の整数を表し、1〜3がより好ましく、1であることが特に好ましい。bは1〜18の整数を表し、4〜12がより好ましく、6〜8が特に好ましい。
フッ素系面状改良剤中に一般式(4)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーが2種類以上構成成分として含まれていてもよい。
フッ素系の面状改良剤には、上記のとおり、上記一般式(4)のモノマーに相当する繰り返し単位と共に、下記一般式(6)のモノマーに相当する繰り返し単位を含むことが好ましい。
一般式(6):
Figure 2005196122
一般式(6)において、R61は水素原子、ハロゲン原子又はメチル基を表し、水素原子、メチル基がより好ましい。Y61は酸素原子、イオウ原子又は−N(R63)−を表し、酸素原子又は−N(R63)−がより好ましく、特に酸素原子が好ましい。R63は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、特に好ましくは水素原子又はメチル基である。
62は水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、ポリ(アルキレンオキシ)基を含むアルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族基(例えば、フェニル基又はナフチル基)を表す。炭素数1〜12の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、又は総炭素数6〜18の芳香族がより好ましく、炭素数1〜8の直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基が更に好ましい。以下でポリ(アルキレンオキシ)基について説明する。
ポリ(アルキレンオキシ)基は、−(OR64)−を繰り返し単位とした基であり、R64は2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基、例えば−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−が挙げられる。該オキシアルキレン単位(前記−OR64−)はポリ(オキシプロピレン)におけるように同一であってもよく、また互いに異なる2種以上のオキシアルキレンが不規則に分布されたものであってもよく、直鎖もしくは分岐状のオキシプロピレンもしくはオキシエチレン単位であっても、又は直鎖もしくは分岐状のオキシプロピレン単位のブロックもしくはオキシエチレン単位のブロックのように存在するものであってもよい。ポリ(オキシアルキレン)鎖は1つ又はそれ以上の連鎖結合(例えば−CONH−Ph−NHCO−、−S−など:Phはフェニレン基を表す)で連結されたものも含むことができる。連鎖の結合が3つ又はそれ以上の原子価を有する場合には、これは分岐鎖のオキシアルキレン単位を得るための手段を供する。またこの共重合体を本発明に用いる場合には、ポリ(オキシアルキレン)基の分子量は250〜3000が適当である。
ポリ(オキシアルキレン)アクリレート及びメタクリレートは、市販のヒドロキシポリ(オキシアルキレン)材料、例えば商品名「プルロニック」{旭電化工業(株)製}、「アデカポリエーテル」(旭電化工業(株)製)、“Carbowax”(グリコ・プロダクス社製)、"Triton"(ローム・アンド・ハース社製)及びP.E.G.{第一工業製薬(株)製}として販売されているものを、公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリド又は無水アクリル酸等と反応させることによって製造できる。別に、公知の方法で製造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート等を用いることもできる。
本発明で用いられるフッ素系面状改良剤において、フッ素系面状改良剤の形成に用いられる全モノマー量に対する一般式(4)で示されるフルオロ脂肪族基含有モノマーの量が50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは70〜100モル%であり、特に好ましくは80〜100モル%の範囲である。
本発明で用いられるフッ素系面状改良剤の好ましい質量平均分子量は、3000〜100,000が好ましく、6,000〜80,000がより好ましく、8,000〜60,000が更に好ましい。
ここで、質量平均分子量は、“TSKgel GMHxL”、“TSKgel G4000HxL”、“TSKgel G2000HxL”{以上、何れも東ソー(株)製の商品名}のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THF、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量であり、含有量は、分子量が300以上の成分のピーク面積を100%とした場合の、前記分子量範囲のピークの面積%である。
更に、本発明で用いられるフッ素系面状改良剤の好ましい添加量は、添加する層の塗料に対して0.001〜5質量%の範囲であり、好ましくは0.005〜3質量%の範囲であり、更に好ましくは0.01〜1質量%の範囲である。
以下、本発明によるフッ素系面状改良剤の具体的な構造の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお式中の数字は各モノマー成分のモル比率を示す。Mwは質量平均分子量を表す。
Figure 2005196122
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Figure 2005196122
Figure 2005196122
Figure 2005196122
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[溶媒]
本発明の面状改良剤は、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、芳香族炭化水素系溶媒(トルエン、キシレン等)を含有する塗料に用いることが好ましくい。特に、ケトン系溶媒が好ましい。ケトン系溶媒の中でも、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが好ましい。
また、特にケトン系溶媒を全溶媒の10質量%以上含有する塗料であることが好ましい。好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。
塗料の溶媒は、ケトン系溶媒以外の溶媒を含んでいてもよい。例えば、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン)、エーテルアルコール(例えば、1−メトキシ−2−プロパノール)などがあげられる。
面状改良剤は、層と層の界面の密着性を悪化させることがある。従って、層の表面に存在する面状改良剤を、該層の隣接層を形成する塗料中に溶出させて、層と層の界面近傍に面状改良剤が残らないようにすることが好ましい。そのため、隣接層の塗料中に面状改良剤を溶解する溶媒を含有させることが好ましい。そのような溶媒としては、上記ケトン系溶媒が好ましい。
透明支持体上に形成する層の塗料において、面状改良剤を添加するのが特に好ましいのは、ハードコート層、防眩層、光散乱層、帯電防止層、高屈折率層を形成するための塗料であり、特に好ましいのはハードコート層、防眩層、光散乱層を形成するための塗料である。
〔反射防止フィルム〕
本発明において反射防止フィルムは、前述の通り、最外層の表面に塵埃(埃など)が付着するのを防止するために、最外層を有する側の表面の表面抵抗値が1×1013Ω/□以下であることが好ましい。
また、本発明の反射防止フィルムは、物理強度(耐擦傷性など)を改良するために、最外層を有する側の表面の動摩擦係数は0.25以下であることが好ましい。ここで記載した動摩擦係数は、直径5mmのステンレス剛球に0.98Nの荷重をかけ、速度60cm/分で最外層を有する側の表面を移動させたときの、最外層を有する側の表面と直径5mmのステンレス剛球の間の動摩擦係数をいう。好ましくは0.17以下であり、特に好ましくは0.15以下である。
さらに反射防止フィルムは、防汚性能を改良するために、最外層を有する側の表面の水に対する接触角が90゜以上であることが好ましい。更に好ましくは95゜以上であり、特に好ましくは100゜以上である。
反射防止フィルムが防眩機能を持たない場合、ヘイズは低いほど好ましい。
反射防止フィルムが防眩機能を有する場合、ヘイズは、0.5〜50%であることが好ましく、1〜40%であることがさらに好ましく、1〜30%であることが最も好ましい。
本発明の反射防止フィルムの反射率は低いほど好ましく、好ましくは3.0%以下、より好ましくは2.5%以下、更に好ましくは2.0%以下、特に好ましくは1.5%以下である。
[反射防止フィルムの構成]
次ぎに本発明の反射防止フィルムの構成例を、図面を引用しながら説明する。
図1は、優れた反射防止性能を有する反射防止フィルムの層構成を模式的に示す断面図である。
図1(a)に示す態様は、透明支持体1、帯電防止層2、ハードコート層3、低屈折率層(最外層)4の順序の層構成を有する。透明支持体1と低屈折率層4は次ぎの関係を満足する屈折率を有することが好ましい。すなわち、透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率。
図1(a)のような層構成では、特開昭59−50401号公報に記載されているように、低屈折率層が下記数式(3)を満足することが好ましい。
数式(3):(m1λ/4)×0.7<n11<(m1λ/4)×1.3
数式(3)中、m1は正の整数(一般に1)であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の層厚(nm)である。λは可視光線の波長であり、380〜680(nm)の範囲の値である。なお、上記数式(3)を満たすとは、上記各波長の範囲において数式(3)を満たすm(正の奇数、一般に1である)が存在することを意味している。以下、数式(4)〜(14)についても同様である。
図1(b)に示す態様は、透明支持体1、ハードコート層3、帯電防止層(高屈折率層)2、低屈折率層(最外層)4の順序の層構成を有する。透明支持体1と帯電防止層2と低屈折率層4は次ぎの関係を満足する屈折率を有することが好ましい。すなわち、帯電防止層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率。
図1(b)のような層構成では、特開昭59−50401号公報に記載されているように、帯電防止層が下記数式(4)、低屈折率層が下記数式(5)をそれぞれ満足することがさらに優れた反射防止性能を有する反射防止フィルムにすることができる点で好ましい。
数式(4):(m2λ/4)×0.7<n22<(m2λ/4)×1.3
数式(5):(m3λ/4)×0.7<n33<(m3λ/4)×1.3
数式(4)中、m2は正の整数(一般に1、2又は3)であり、n2は帯電防止層の屈折率であり、そして、d2は帯電防止層の層厚(nm)である。λは可視光線の波長であり、380〜680(nm)の範囲の値である。
また数式(5)中、m3は正の奇数(一般に1)であり、n3は低屈折率層の屈折率であり、そして、d3は低屈折率層の層厚(nm)である。λは可視光線の波長であり、380〜680(nm)の範囲の値である。
図1(c)に示す態様は、透明支持体1、ハードコート層3、帯電防止層(中屈折率層)2、高屈折率層5、低屈折率層(最外層)4の順序の層構成を有する。透明支持体1、帯電防止層2、高屈折率層5及び低屈折率層4は、次ぎの関係を満足する屈折率を有することが好ましい。すなわち、高屈折率層の屈折率>帯電防止層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率。
図1(c)のような層構成では、特開昭59−50401号公報に記載されているように、帯電防止層が下記数式(6)、高屈折率層が下記数式(7)、低屈折率層が下記数式(8)をそれぞれ満足することがより優れた反射防止性能を有する反射防止フィルムにすることができる点で好ましい。
数式(6) (m4λ/4)×0.7<n44<(m4λ/4)×1.3
数式(7) (m5λ/4)×0.7<n55<(m5λ/4)×1.3
数式(8) (m6λ/4)×0.7<n66<(m6λ/4)×1.3
数式(6)中、m4は正の整数(一般に1、2又は3)であり、n4は帯電防止層の屈折率であり、そして、d4は帯電防止層の層厚(nm)である。λは可視光線の波長であり、380〜680(nm)の範囲の値である。
数式(7)中、m5は正の整数(一般に1、2又は3)であり、n5は高屈折率層の屈折率であり、そして、d5は高屈折率層の層厚(nm)である。λは可視光線の波長であり、380〜680(nm)の範囲の値である。
数式(8)中、m6は正の奇数(一般に1)であり、n6は低屈折率層の屈折率であり、そして、d6は低屈折率層の層厚(nm)である。λは可視光線の波長であり、380〜680(nm)の範囲の値である。
図1(c)のような層構成では、帯電防止層が下記数式(9)、高屈折率層が下記数式(10)、低屈折率層が下記数式(11)をそれぞれ満足することが、特に好ましい。ここで、λは500nm、m4は1、m5は2、m6は1である。
数式(9):(m4λ/4)×0.80<n44<(m4λ/4)×1.00
数式(10):(m5λ/4)×0.75<n55<(m5λ/4)×0.95
数式(11):(m6λ/4)×0.95<n66<(m6λ/4)×1.05
なお、ここで記載した高屈折率、中屈折率、低屈折率とは層相互の相対的な屈折率の高低をいう。また、図1(b)〜(c)では、帯電防止層を光干渉層として用いており、極めて優れた反射防止性能を有する反射防止フィルムである。
ハードコート層、帯電防止層、高屈折率層に、平均粒径が0.2〜10μmの粒子を含有させて、防眩機能を有する反射防止フィルムを作製することも好ましい。
図2(a)に示す態様は、透明支持体1、帯電防止層2、防眩層6、そして低屈折率層(最外層)4の順序の層構成を有する。防眩層に含まれる粒子7は、平均粒径が0.2〜10μmの粒子である。
図2(a)に示す態様では透明支持体1、低屈折率層4は、次ぎの関係を満足する屈折率を有する。すなわち、透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率。
図2(a)のような層構成では、低屈折率層4が下記数式(12)を満足することが優れた反射防止フィルムとすることができる点で好ましい。
数式(12):(m7λ/4)×0.7<n77<(m7λ/4)×1.3
数式(12)中、m7は正の奇数(一般に1)であり、n7は低屈折率層の屈折率であり、そして、d7は低屈折率層の層厚(nm)である。また、λは可視光線の波長であり、380〜680(nm)の範囲の値である。
図2(b)に示す態様は、透明支持体1、防眩層6、帯電防止層2、そして低屈折率層(最外層)4の順序の層構成を有する。防眩層6に含まれる粒子7は、平均粒径が0.2〜10μmの粒子である。
図2(b)に示す態様では透明支持体1、帯電防止層2、低屈折率層4は、次ぎの関係を満足する屈折率を有する。すなわち、帯電防止層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率。
図2(b)のような層構成では、特開昭59−50401号公報に記載されているように、帯電防止層が下記数式(13)、低屈折率層が下記数式(14)をそれぞれ満足することがさらに優れた反射防止性能を有する反射防止フィルムとすることができる点で好ましい。
数式(13):(m8λ/4)×0.7<n88<(m8λ/4)×1.3
数式(14) (m9λ/4)×0.7<n99<(m9λ/4)×1.3
数式(13)中、m8は正の整数(一般に1、2又は3)であり、n8は帯電防止層の屈折率であり、そして、d8は帯電防止層の層厚(nm)である。λは可視光線の波長であり、380〜680(nm)の範囲の値である。
数式(14)中、m9は正の奇数(一般に1)であり、n9は低屈折率層の屈折率であり、そして、d9は低屈折率層の層厚(nm)である。λは可視光線の波長であり、380〜680(nm)の範囲の値である。
なお、図2(a)〜(b)に示した態様は、防眩性に優れた反射防止フィルムである。
〔偏光板用保護フィルム〕
本発明の反射防止フィルムは、偏光板の偏光膜の保護フィルムの上に貼付して、偏光板用の反射防止フィルムとして使用することもできるが、また本発明の反射防止フィルムを、偏光膜に直接貼付することによって偏光膜の反射防止性保護フィルム(偏光板用保護フィルム)として用いることもできる。この場合、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光膜と貼り合わせる側の表面の、水に対する接触角が40°以下であることが好ましい。さらに好ましくは30°以下であり、特に好ましくは25°以下である。接触角を40°以下にすることは、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を改良するのに有効である。この接触角は下記の鹸化処理の処理条件により調整することができる。
本発明の反射防止フィルムを偏光板用保護フィルムとして用いるとき、反射防止フィルムの透明支持体としては、トリアセチルセルロースフィルムを用いることが特に好ましい。
本発明における偏光板用保護フィルムを作製する手法としては、下記2つの手法が挙げられる。
(1)鹸化処理した透明支持体の一方の面に上記の各層(例えば、帯電防止層、ハードコート層、低屈折率層、高屈折率層、最外層など)を塗設する手法。
(2)透明支持体の一方の面に上記の各層(例えば、帯電防止層、ハードコート層、低屈折率層、最外層など)を塗設した後、偏光膜と貼り合わせる側を鹸化処理する手法。
上記(1)の手法において、透明支持体の一方の面のみが鹸化処理されている場合、各層は鹸化処理されていない側に塗設する。透明支持体の両方の面が鹸化処理されている場合、各層を塗設する側の鹸化処理した透明支持体の表面をコロナ放電処理、グロー放電処理、火焔処理などの手法により表面処理し、その後、各層を塗設することが好ましい。
上記(2)において、反射防止フィルム全体を鹸化液に浸漬することが好ましい。この場合、反射防止フィルムは各層を有する側の表面を保護フィルムで保護して鹸化液に浸せきし、偏光膜と貼り合わせる側の透明支持体の表面を鹸化処理することもできる。さらにまた、反射防止フィルムの偏光膜と貼り合わせる側の透明支持体の表面に鹸化処理液を塗布して、偏光膜と貼り合わせる側を鹸化処理することもできる。
鹸化処理は、透明支持体の上に反射防止性能を付与した後に実施することで、よりコストを削減でき、特に(2)の手法が、偏光板用保護フィルムを安価に製造できる点で好ましい。
偏光板用保護フィルムは、光学性能(反射防止性能、防眩性能など)、物理性能(耐擦傷性など)、耐薬品性、防汚性能(耐汚染性など)、耐候性(耐湿熱性、耐光性)、防塵性能において、本発明の反射防止フィルムで記載した性能を満足することが好ましい。
従って、最外層を有する側の表面の表面抵抗値が1×1013Ω/□以下であることが好ましい。表面抵抗値は低いほど好ましく、より好ましくは1×1012Ω/□以下、更に好ましくは1×1011Ω/□以下、特に好ましくは1×109Ω/□以下、最も好ましくは1×108Ω/□以下である。
最外層を有する側の表面の動摩擦係数は0.25以下であることが好ましい。好ましくは0.17以下であり、特に好ましくは0.15以下である。
また、最外層を有する側の表面の水に対する接触角は90゜以上であることが好ましい。更に好ましくは95゜以上であり、特に好ましくは100゜以上である。
[鹸化処理]
本発明における反射防止フィルムの鹸化処理は、公知の手法、例えば、アルカリ液の中に透明支持体、又は、反射防止フィルムを適切な時間浸漬して実施するのが好ましい。
アルカリ液は、水酸化カリウム水溶液、及び/又は、水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましい。好ましい濃度は0.5〜3規定であり、特に好ましくは1〜2規定である。好ましいアルカリ液の液温は30〜70℃、特に好ましくは40〜60℃である。
アルカリ液に浸漬した後は、フィルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。
鹸化処理することにより、透明支持体の表面が親水化される。偏光板用保護フィルムは、透明支持体の親水化された表面を偏光膜と接着させて使用する。親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を改良するのに有効である。
鹸化処理は、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が40゜以下になるように実施することが好ましい。更に好ましくは30゜以下、特に好ましくは25゜以下である。
〔偏光板〕
本発明の偏光板は、偏向膜の2枚の保護フィルム(偏光板用保護フィルム)のうちの少なくとも一方の保護フィルムとして、本発明の反射防止フィルムが使用される。偏光板用保護フィルムは、上記のように、最外層を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光膜と貼り合わせる側の表面の水に対する接触角が40°以下であることが好ましい。
本発明の反射防止フィルムを偏光板用保護フィルムとして用いることにより、反射防止機能を有する偏光板が作製でき、大幅なコスト削減、表示装置の薄手化が可能となる。
また本発明の反射防止フィルムを、偏向膜の2枚の保護フィルムのうちの一方の保護フィルムとして用い、後述する光学異方性のある光学補償フィルムをもう一方の保護フィルムとして用いた偏光板は、さらに、液晶表示装置の明室でのコントラストを改良し、上下左右の視野角を非常に広げることができるので好ましい。
[光学補償フィルム]
光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。
光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されているディスコティック構造単位を有する化合物からなる負の複屈折を有する光学異方性層を有し、該ディスコティック化合物とフィルム面とのなす角度が、光学異方性層の深さ方向で変化していることを特徴とする光学補償フィルムが好ましい。すなわち、ディスコティック構造単位を有する化合物の配向状態としては、例えば、ハイブリッド配向、ベント配向、ツイスト配向、ホモジニアス配向、ホメオトロピック配向等であることが好ましく、ハイブリッド配向であることが特に好ましい。該角度は、光学異方性層中で光学補償フィルムの支持体面側からの距離の増加とともに増加していることが好ましい。
光学補償フィルムを偏光膜の保護フィルムとして用いる場合、偏光膜と貼り合わせる側の表面が鹸化処理されていることが好ましく、前記の鹸化処理に従って実施することが好ましい。
また、光学異方性層が更にセルロースエステルを含んでいる態様、光学異方性層と光学補償フィルムの透明支持体との間に配向層が形成されている態様、該光学異方性層を有する光学補償フィルムの透明支持体が、光学的に負の一軸性を有し、且つ該透明支持体面の法線方向に光軸を有する態様、更に下記数式(15)の条件を満足する態様も好ましい。
数式(15):20≦{(nx+ny)/2−nz}×dp≦400
式中、nxは面内の遅相軸方向の屈折率(面内の最大屈折率)であり、nyは面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率、nzは面に垂直方向の屈折率である。また、dpは光学異方性層の厚さ(nm)である。
〔画像表示装置〕
反射防止フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用することができる。反射防止フィルムは、反射防止フィルムの透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着する。
図3及び図4は、本発明の反射防止フィルムの画像表示装置に適用する様々な態様を模式的に示す概略断面図である。
図3(a)は、反射防止フィルムを画像表示装置、特に、PDP、ELD、CRTに適用する好ましい態様である。この反射防止フィルムは、透明支持体1を、粘着剤層8を介して画像表示装置の画像表示面に接着することができる。
図3(b)と図4(c)及び(d)は、反射防止フィルムをLCDに適用する好ましい態様である。
図3(b)では、反射防止フィルムの透明支持体1が粘着剤層8を介して偏光膜11の保護フィルム9に接着している。もう一方の偏光膜の保護フィルム10側を、粘着剤層8を介して液晶表示装置の液晶表示面に接着することができる。
図4(c)では、反射防止フィルムの透明支持体1が、粘着剤層8を介して偏光膜11に接着されて偏光板用保護フィルムとして機能しており、偏光膜11のもう一方の保護フィルム10側を、粘着剤層8を介して液晶表示装置の液晶表示面に接着することができる。
図4(d)では、本発明の反射防止フィルムの透明支持体1が、直接偏光膜11に接着されて偏光板用保護フィルムとして機能しており、偏光膜11のもう一方の保護フィルム10側を、粘着剤層8を介して液晶表示装置の液晶表示面に接着することができる。粘着剤層8には、粒子、染料などの添加剤を添加してもよい。
本発明に用いる反射防止フィルム及び偏光板は、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、又は半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
特にTNモードやIPSモードの液晶表示装置に対しては、特開2001−100043号公報等に記載されているように、上記の光学補償フィルムと反射防止フィルムを保護フィルムとして有する偏光板を用いることで、視野角特性と反射防止特性を大幅に改良できる。
また、さらに市販の輝度向上フィルム{偏光選択層を有する偏光分離フィルム、例えば住友3M(株)製の“D−BEF”など}と併せて用いることにより、透過型又は半透過型の液晶表示装置において、さらに視認性の高い表示装置を得ることができる。
また、λ/4板と組み合わせることで、反射型液晶用の偏光板や、有機ELディスプレイ用表面保護板として表面及び内部からの反射光を低減するのに用いることができる。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[ペルフルオロオレフィン共重合体の合成]
ステンレス製撹拌機付オートクレーブに、酢酸エチル40質量部、ヒドロキシエチルビニルエーテル14.7質量部、及び過酸化ジラウロイル0.55質量部を仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)25質量部をオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は5.4kg/cm2であった。該温度を保持し8時間反応を続け、圧力が3.2kg/cm2に達した時点で加熱をやめ放冷した。室温まで内温が下がった時点で未反応のモノマーを追い出し、オートクレーブを開放して反応液を取り出した。
得られた反応液を大過剰のヘキサンに投入し、デカンテーションにより溶媒を除去することにより沈殿したポリマーを取り出した。さらにこのポリマーを少量の酢酸エチルに溶解してヘキサンから2回再沈殿を行うことによって残存モノマーを完全に除去した。乾燥後ポリマー生成物28質量部を得た。
次に得られたポリマー生成物の20質量部を、N,N−ジメチルアセトアミド100質量部に溶解し、氷冷下で、アクリル酸クロリド11.4質量部を滴下した後、室温で10時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加えて水洗し、有機層を抽出後、濃縮し、得られたポリマーをヘキサンで再沈殿させることにより下記のフルオロオレフィン共重合体19質量部を得た。得られたペルフルオロオレフィン共重合体の屈折率は1.421であった。
上記ペルフルオロオレフィン共重合体をメチルエチルケトンに溶解し、固形分濃度30質量%の溶液を得た。
Figure 2005196122
[オルガノシラン化合物A溶液の調製]
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器、メチルエチルケトン120質量部、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン“KBM−5103”{信越化学工業(株)製}100質量部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート3質量部を加えて混合したのち、イオン交換水30質量部を加え、60℃で4時間反応させた。室温まで冷却し、オルガノシラン化合物Aの溶液を得た。質量平均分子量は1600であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料の3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランは殆ど残存していなかった。
[帯電防止層用塗料(AS1)]
市販の透明帯電防止層用塗料「ペルトロンC−4456S−7」{固形分濃度45質量%、日本ペルノックス(株)製}を帯電防止層用塗料(AS1)として用いた。「C−4456S−7」は、分散剤を用いて分散された導電性微粒子ATOを含有する透明帯電防止層用塗料である。この塗料による塗膜の屈折率は1.55であった。
[帯電防止層用塗料(AS2)]
市販の導電性微粒子ATO「アンチモンドープ酸化錫T−1」{比表面積80m2/g、三菱マテリアル(株)製}20.0質量部に、アニオン性基とメタアクリロイル基を有する下記の分散剤(B−1)6.0質量部、メチルイソブチルケトン74質量部を添加して撹拌した。
Figure 2005196122
メディア分散機(直径0.1mmのジルコニアビーズ使用)を用いて、上記液中のATO粒子を分散した。光散乱法で分散液中のATO粒子の質量平均粒径を評価した結果、55nmであった。このようにして、ATO分散液を作製した。
上記ATO分散液100質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物“DPHA”{日本化薬(株)製}6質量部、重合開始剤「イルガキュア907」{日本チバガイギー(株)製}0.8質量部を添加して撹拌した。このようにして帯電防止層用塗料(AS2)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.63であった。
[帯電防止層用塗料(AS3)]
市販の導電性微粒子ATO「アンチモンドープ酸化錫T−1」{比表面積80m2/g、三菱マテリアル(株)製}20.0質量部に、アニオン性基とメタアクリロイル基を有する上記分散剤(B−1)3.0質量部、シクロヘキサノン77質量部を添加して撹拌した。
メディア分散機(直径0.1mmのジルコニアビーズ使用)を用いて上記液中のATO粒子を分散した。光散乱法で分散液中のATO粒子の質量平均粒径を評価した結果、65nmであった。このようにして、ATO分散液を作製した。
上記ATO分散液100質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物“DPHA”{日本化薬(株)製}3質量部、重合開始剤「イルガキュア907」{日本チバガイギー(株)製}0.5質量部を添加して撹拌した。このようにして帯電防止層用塗料(AS3)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.68であった。
[帯電防止層用塗料(AS4)]
市販の導電性微粒子ATO「アンチモンドープ酸化錫T−1」{比表面積80m2/g、三菱マテリアル(株)製}20.0質量部に、シクロヘキサノン80質量部を添加して撹拌した。分散剤は使用しなかった。
メディア分散機(直径0.1mmのジルコニアビーズ使用)を用いて帯電防止層用塗料Cで記載したのと全く同様に、上記液中のATO粒子を分散した。光散乱法で分散液中のATO粒子の質量平均粒径を評価した結果、250nmであり、ATO微粒子を微細に分散できなかった。このようにして、ATO分散液を作製した。
上記ATO分散液100質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物“DPHA”{日本化薬(株)製}6質量部、重合開始剤「イルガキュア907」{日本チバガイギー(株)製}0.5質量部を添加して撹拌した。このようにして帯電防止層用塗料(AS4)を調製した。
[ハードコート層用塗料(HC1−1)の調製]
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物“PETA”{日本化薬(株)製}50.0質量部に、重合開始剤「イルガキュア184」{日本チバガイギー(株)製}2.0質量部、下記のフッ素系面状改良剤(FP−1)0.75質量部、オルガノシラン化合物“KBM−5103”{信越化学工業(株)製}10.0質量部、トルエン38.5質量部を添加して撹拌した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.51であった。
Figure 2005196122
さらにこの溶液にポリトロン分散機にて10000rpmで分散した平均粒径3.5μmの架橋ポリスチレン粒子“SX−350”{屈折率1.60、綜研化学(株)製}の30質量%トルエン分散液1.7質量部、及びポリトロン分散機にて10000rpmで分散した平均粒径3.5μmの架橋アクリル−スチレン粒子{屈折率1.55、綜研化学(株)製}の30質量%トルエン分散液13.3質量部を添加して撹拌した。次いで孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して防眩性ハードコート層用塗料(HC1−1)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.51であった。得られた防眩性ハードコート層用塗料(HC1−1)の表面張力は32mN/mであった。
[ハードコート層用塗料(HC1−2)の調製]
防眩性ハードコート層用塗料(HC1−1)において、フッ素系面状改良剤(FP−1)を添加していない以外は同様にして、防眩性ハードコート層用塗料(HC1−2)を作製した。塗料の表面張力は35mN/mであり、塗料(HC1−1)と比較して3mN/m高かった。この塗料による塗膜の屈折率は1.51であった。
[ハードコート層用塗料(HC2)の調製]
酸化ジルコニウム微粒子を含有する透明高屈折率ハードコート材料「デソライトZ7404」{JSR(株)製}285.0質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物“DPHA”{日本化薬(株)製}85.0質量部、オルガノシラン化合物“KBM−5103”{信越化学工業(株)製}28.0質量部、メチルイソブチルケトン60.0質量部、メチルエチルケトン17.0質量部を添加して撹拌した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。
さらにこの溶液にポリトロン分散機にて10000rpmで分散した平均粒径3.0μmの分級を強化した架橋PMMA粒子“MXS−300”{屈折率1.49、綜研化学(株)製}の30質量%メチルイソブチルケトン分散液35.0質量部、ポリトロン分散機にて10000rpmで分散した平均粒径1.5μmのシリカ粒子「シーホスタKE−P150」{屈折率1.46、(株)日本触媒製}の30質量%メチルエチルケトン分散液90.0質量部を添加して撹拌した。孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用塗料(HC2)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.61であった。得られたハードコート層用塗料(HC2)の表面張力は25mN/mであった。
[ハードコート層用塗料(HC3)の調製]
ハードコート層用塗料(HC2)において、前記のフッ素系面状改良剤(FP−1)を3.50質量部添加してハードコート層用塗料(HC3)を作製した。塗料の表面張力は24mN/mであり、フッ素系面状改良剤(FP−1)を添加していないハードコート層用塗料(HC2)と比較し1mN/m低かった。この塗料による塗膜の屈折率は1.61であった。
[ハードコート層用塗料(HC4)の調製]
酸化ジルコニウム微粒子を含有する透明高屈折率ハードコート材料「デソライトZ7404」{JSR(株)製}285.0質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物“DPHA”{日本化薬(株)製}85.0質量部、オルガノシラン化合物“KBM−5103”{信越化学工業(株)製}28.0質量部、メチルイソブチルケトン60.0質量部、メチルエチルケトン17.0質量部を添加して撹拌した。孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用塗料(HC4)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.61であった。
[ハードコート層用塗料(HC5)の調製]
ハードコート層用塗料(HC1)に対して更に、「ブライト20GNR4.6−EH」{ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物球状粉体にニッケル及び金をめっきしたもの、日本化学工業(株)製}を0.12質量%分散し、ハードコート層用塗料(HC5)を調製した。
[ハードコート層用塗料(HC6)の調製]
ハードコート層用塗料(HC4)に対して更に、「ブライト20GNR4.6−EH」{ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物球状粉体にニッケル及び金をめっきしたもの、日本化学工業(株)製}を0.10質量%分散し、ハードコート層用塗料(HC6)を調製した。
[低屈折率層用塗料(Ln1)の調製]
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー“JN−7228”{固形分濃度6質量%、JSR(株)製}13.0質量部に、シリカ微粒子のMEK分散液“MEK−ST−L”{平均粒径45nm、固形分濃度30質量%、日産化学工業(株)製}1.3質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液0.6質量部、及びメチルエチルケトン5.0質量部、シクロヘキサノン0.6質量部を添加して攪拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗料(Ln1)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.42であった。
[低屈折率層用塗料(Ln2)の調製]
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー“JN−7228”{固形分濃度6質量%、JSR(株)製}15.0質量部に、シリカ微粒子のMEK分散液“MEK−ST”{平均粒径15nm、固形分濃度30質量%、日産化学工業(株)製}0.6質量部、シリカ微粒子のMEK分散液“MEK−ST−L”{平均粒径45nm、固形分濃度30質量%、日産化学工業(株)製}0.8質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液0.4質量部、及びメチルエチルケトン3.0質量部、シクロヘキサノン0.6質量部を添加して攪拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗料(Ln2)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.42であった。
[低屈折率層用塗料(Ln3)の調製]
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー“JN−7228”{固形分濃度6質量%、JSR(株)製}13.0質量部に、中空のシリカ微粒子のMEK分散液(屈折率1.31、平均粒径60nm、固形分濃度20質量%)1.95質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液0.6質量部、及びメチルエチルケトン4.35質量部、シクロヘキサノン0.6質量部を添加して攪拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗料(Ln3)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.40であった。
[低屈折率層用塗料(Ln4)の調製]
i−プロピルアルコール/メチルエチルケトン=1/1(質量比)の混合溶媒に、テトラメトキシシラン1モル、0.1Nの塩酸2モルを添加した。室温で2時間撹拌して加水分解反応を行い、テトラメトキシシランの加水分解物の溶液を調製した。
i−プロピルアルコール/メチルエチルケトン=1/1(質量比)に、上記のテトラメトキシシランの加水分解物9.0質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート1.0質量部、重合開始剤「イルガキュア907」{日本チバガイギー(株)製}0.5質量部、固形分濃度が4.5質量%になるように添加して撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗料(Ln4)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.45であった。
[低屈折率層用塗料(Ln5)の調製]
上記ペルフルオロオレフィン共重合体の溶液(固形分濃度30質量%)15.0質量部に、アクリロイル基を有するポリシロキサン化合物“X−22−164C”{信越化学工業(株)製}0.15質量部、光重合開始剤「イルガキュア907」{日本チバガイギー(株)製}0.23質量部、及びメチルエチルケトン81.8質量部、シクロヘキサノン2.8質量部を添加して撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗料(Ln5)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.43であった。
[低屈折率層用塗料(Ln6)の調製]
上記ペルフルオロオレフィン共重合体の溶液(固形分濃度30質量%)10.5質量部に、シリカ微粒子のMEK分散液“MEK−ST−L”{平均粒径45nm、固形分濃度30質量%、日産化学工業(株)製}4.5質量部、アクリロイル基を有するポリシロキサン化合物“X−22−164C”{信越化学工業(株)製}0.15質量部、光重合開始剤「イルガキュア907」{日本チバガイギー(株)製}0.23質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液2.0質量部、及び、メチルエチルケトン81.2質量部、シクロヘキサノン2.8質量部を添加して撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗料(Ln6)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.44であった。
[低屈折率層用塗料(Ln7)の調製]
上記ペルフルオロオレフィン共重合体の溶液(固形分濃度30質量%)10.5質量部に、中空のシリカ微粒子のMEK分散液(屈折率1.31、平均粒径60nm、固形分濃度20質量%)6.75質量部、アクリロイル基を有するポリシロキサン化合物“X−22−164C”{信越化学工業(株)製}0.15質量部、光重合開始剤「イルガキュア907」{日本チバガイギー(株)製}0.23質量部、上記オルガノシラン化合物A溶液2.0質量部、及びメチルエチルケトン81.2質量部、シクロヘキサノン2.8質量部を添加して撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗料(Ln7)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.41であった。
[低屈折率層用塗料(Ln8)の調製]
上記ペルフルオロオレフィン共重合体の溶液(固形分濃度30質量%)13.5質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物“DPHA”{日本化薬(株)製}0.45質量部、アクリロイル基を有するポリシロキサン化合物“X−22−164C”{信越化学工業(株)製}0.15質量部、光重合開始剤「イルガキュア907」{日本チバガイギー(株)製}0.23質量部、及びメチルエチルケトン81.2質量部、シクロヘキサノン2.8質量部を添加して、撹拌した。孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗料(Ln8)を調製した。この塗料による塗膜の屈折率は1.44であった。
[低屈折率層用塗料(Ln9)の調製]
「オプスターJTA113」{熱架橋性含フッ素含シリコーンポリマー組成液(固形分6質量%):JSR(株)製、屈折率1.44}820質量部(固形分として56.0質量部)に対して、中空のシリカ微粒子のシクロヘキサノン分散液を195質量部[シリカ+表面処理剤固形分として49.2質量部、平均粒子径45nm、粒子屈折率1.30、特開2002−79616号公報の調製例4に準じサイズを変更して作製、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン{信越化学工業(株)製}及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテートを用い表面処理]、上記オルガノシラン化合物A溶液18質量部(固形分として5.3質量部)を添加した。塗布液全体の固形分濃度が6質量%になり、シクロヘキサンとメチルエチルケトンの比率が10対90になるようにシクロヘキサン、メチルエチルケトンで希釈して低屈折率層用塗料(Ln9)を調製した。
〔反射防止フィルムの作製〕
実施例1−1
膜厚80μm、幅1340mmのトリアセチルセルロースフィルム“TAC−TD80U”{富士写真フイルム(株)製}上に、前記帯電防止層用塗料(AS1)を、マイクログラビア塗工方式で、搬送速度15m/分の条件で塗布し、100℃で150秒乾燥した後、窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら、240W/cmの空冷メタルハライドランプ{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照度400mW/cm2、照射量500mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、膜厚1.2μmの帯電防止層を作製した。このようにして帯電防止層を有する長さ1000mのフィルムを作製した。
上記帯電防止層の上に、ハードコート層用塗料(HC1−1)をマイクログラビア塗工方式で、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら、160W/cmの空冷メタルハライドランプ{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照度400mW/cm2、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、膜厚6μmの防眩性を有するハードコート層を作製した。このようにしてハードコート層を有する長さ1000mのフィルムを作製した。
上記ハードコート層の上に、低屈折率層用塗料(Ln1)をマイクログラビア塗工方式で、搬送速度15m/分の条件で塗布し、120℃で150秒乾燥の後、更に140℃で8分乾燥させてから窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照度400mW/cm2、照射量900mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、膜厚95nmの低屈折率層(最外層)を作製した。このようにして長さ1000mの反射防止フィルムを作製した。原子間力顕微鏡(AFM)を用いて低屈折率層(最外層)を有する側の平均表面粗さ(Ra)を評価したところ0.19であった。
[反射防止フィルムの評価]
得られた反射防止フィルムについて、以下の項目の評価を行った。結果を表13に示す。
(1)表面抵抗の評価
反射防止フィルムの低屈折率層(最外層)を有する側の表面の表面抵抗を、超絶縁抵抗/微小電流計“TR8601”{(株)アドバンテスト製}を用いて、25℃、湿度60%RHの条件下で測定した。
(2)塵埃除去性の評価
反射防止フィルムをモニターに張り付け、モニター表面に塵埃(布団、衣服の繊維屑)を振りかけた。クリーニングクロスで塵埃を拭き取り、塵埃の除去性を調べ、下記3段階で評価した。
○;塵埃が完全に取り除けたもの。
△;塵埃が若干残ったもの。
×;塵埃がかなり残ったもの。
(3)反射防止フィルムの面状故障の評価
作製した1000mの反射防止フィルムから、ランダムに縦50cm×横50cmのフィルムを1000枚取り出し、モニターに貼ったときに目視で認識できる面状故障が存在するかどうかを検証し、下記4段階で評価した。
◎;認識できる面状故障のあるフィルムが5枚以下のもの。
○;認識できる面状故障のあるフィルムが5〜10枚のもの。
△;認識できる面状故障のあるフィルムが11〜20枚のもの。
×;認識できる面状故障のあるフィルムが21枚以上のもの。
(4)平均反射率の評価
分光光度計“V−550”{日本分光(株)製}を用いて、380〜780nmの波長領域において、積分球を用いて、入射角5°における分光反射率を測定した。分光反射率の評価において、450〜650nmの平均反射率を用いた。
(5)動摩擦係数の評価
反射防止フィルムの低屈折率層(最外層)を有する側の表面の滑り性の指標として動摩擦係数を評価した。動摩擦係数は試料を温度25℃、湿度60%RHの条件で2時間調湿した後、動摩擦測定機“HEIDON−14”で、直径5mmのステンレス剛球を用い、荷重0.98N、速度60cm/分で測定した。
(6)耐擦傷性の評価
反射防止フィルムの低屈折率層(最外層)を有する側の表面において、ラビングテスターを用いてスチールウールによる擦りテストを実施した。
こすり材としてスチールウール{日本スチールウール(株)製、グレードNo.0000}を用い、移動距離(片道)13cm、こすり速度13cm/秒、荷重4.9N/cm2、先端部接触面積:1cm×1cm、こすり回数10往復の条件で実施した。最外層の表面についた傷について目視観察して、下記4段階で評価した。
◎;注意深く見ても、全く傷が見えない。
○;注意深く見ると、僅かに弱い傷が見える。
△;弱い傷が見える。
×;一目見ただけで目立つ傷が見える。
(7)接触角の評価
反射防止フィルムを温度25℃、湿度60%RHの条件で2時間調湿した。反射防止フィルムの低屈折率層(最外層)を有する側の表面における水の接触角を評価した。
(8)防汚性の評価
反射防止フィルムの低屈折率層(最外層)を有する側の表面に油性マジック(ZEBRAマッキー、赤)を付着させて30分経時させ、それをクリーニングクロスで拭き取った時の状態を観察して、以下の3段階で評価した。
○;マジックが完全に拭き取れたもの。
△;マジックの一部が拭き取れずに残ったもの。
×;マジックのほとんどが拭き取れずに残ったもの。
実施例1−2
実施例1−1において、低屈折率層用塗料(Ln1)の代わりに、低屈折率層用塗料(Ln3)を用いた以外は、実施例1−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
実施例1−3
実施例1−1において、低屈折率層用塗料(Ln1)の代わりに、低屈折率層用塗料(Ln5)を用いた以外は、実施例1−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
実施例1−4
実施例1−1において、低屈折率層用塗料(Ln1)の代わりに、低屈折率層用塗料(Ln6)を用いた以外は、実施例1−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
実施例1−5
実施例1−1において、低屈折率層用塗料(Ln1)の代わりに、低屈折率層用塗料(Ln7)を用いた以外は、実施例1−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
実施例1−6
実施例1−1において、低屈折率層用塗料(Ln1)の代わりに、低屈折率層用塗料(Ln8)を用いた以外は、実施例1−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
実施例1−7
実施例1−1において、帯電防止層用塗料(AS1)の代わりに、帯電防止層用塗料(AS2)を用いた以外は、実施例1−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
実施例1−8
実施例1−2において、帯電防止層用塗料(AS1)の代わりに、帯電防止層用塗料(AS2)を用いた以外は、実施例1−2と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
実施例1−9
実施例1−3において、帯電防止層用塗料(AS1)の代わりに、帯電防止層用塗料(AS2)を用いた以外は、実施例1−3と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
実施例1−10
実施例1−4において、帯電防止層用塗料(AS1)の代わりに、帯電防止層用塗料(AS2)を用いた以外は、実施例1−4と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
実施例1−11
実施例1−5において、帯電防止層用塗料(AS1)の代わりに、帯電防止層用塗料(AS2)を用いた以外は、実施例1−5と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
実施例1−12
実施例1−6において、帯電防止層用塗料(AS1)の代わりに、帯電防止層用塗料(AS2)を用いた以外は、実施例1−6と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
比較例1−1
実施例1−1において、帯電防止層を設けない以外は、実施例1−1と同様にして塗布、硬化して、反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
比較例1−2
比較例1−1において、ハードコート層用塗料(HC1−1)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC1−2)を用いた以外は、比較例1−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
比較例1−3
比較例1−1において、低屈折率層用塗料(Ln1)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln3)を用いた以外は、比較例1−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
比較例1−4
比較例1−1において、低屈折率層用塗料(Ln1)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln4)を用いた以外は、比較例1−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
比較例1−5
比較例1−1において、低屈折率層用塗料(Ln1)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln5)を用いた以外は、比較例1−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
比較例1−6
比較例1−5において、窒素パージを実施せずに、大気雰囲気(酸素濃度約21体積%)の中で低屈折率層を硬化させた以外は、比較例1−5と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
比較例1−7
比較例1−1において、低屈折率層用塗料(Ln1)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln6)を用いた以外は、比較例1−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
比較例1−8
比較例1−1において、低屈折率層用塗料(Ln1)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln7)を用いた以外は、比較例1−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
比較例1−9
比較例1−1において、低屈折率層用塗料(Ln1)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln8)を用いた以外は、比較例1−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表13に示す。
Figure 2005196122
実施例1−13
実施例1−1の帯電防止層の上に、ハードコート層用塗料(HC2)をマイクログラビア塗工方式で、搬送速度30m/分の条件で塗布した。
60℃で150秒乾燥の後、窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら、160W/cmの空冷メタルハライドランプ{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照度400mW/cm2、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、膜厚3.7μmのハードコート層を作製した。
上記ハードコート層の上に、低屈折率層用塗料(Ln2)を実施例1−1と全く同様にして塗布、硬化して、低屈折率層(最外層)を作製した。このようにして長さ1000mの反射防止フィルムを作製した。
作製した反射防止フィルムを実施例1−1と全く同様にして評価した。結果を表14に示す。
実施例1−14
実施例1−13において、低屈折率層用塗料(Ln2)の代わりに、低屈折率層用塗料(Ln3)を用いた以外は、実施例1−13と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表14に示す。
実施例1−15
実施例1−13において、低屈折率層用塗料(Ln2)の代わりに、低屈折率層用塗料(Ln5)を用いた以外は、実施例1−13と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表14に示す。
実施例1−16
実施例1−13において、低屈折率層用塗料(Ln2)の代わりに、低屈折率層用塗料(Ln6)を用いた以外は、実施例1−13と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表14に示す。
実施例1−17
実施例1−13において、(Ln2)の代わりに、低屈折率層用塗料(Ln7)を用いた以外は、実施例1−13と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表14に示す。
実施例1−18
実施例1−13において、低屈折率層用塗料(Ln2)の代わりに、低屈折率層用塗料(Ln8)を用いた以外は、実施例1−13と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表14に示す。
実施例1−19
実施例1−7で作製した帯電防止層の上に、実施例1−13と全く同様にしてハードコート層と低屈折率層を構築して反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表14に示す。
実施例1−20
実施例1−7で作製した帯電防止層の上に、実施例1−14と全く同様にしてハードコート層と低屈折率層を構築して反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表14に示す。
実施例1−21
実施例1−7で作製した帯電防止層の上に、実施例1−15と全く同様にしてハードコート層と低屈折率層を構築して反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表14に示す。
実施例1−22
実施例1−7で作製した帯電防止層の上に、実施例1−16と全く同様にしてハードコート層と低屈折率層を構築して反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表14に示す。
実施例1−23
実施例1−7で作製した帯電防止層の上に、実施例1−17と全く同様にしてハードコート層と低屈折率層を構築して反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表14に示す。
実施例1−24
実施例1−7で作製した帯電防止層の上に、実施例1−18と全く同様にしてハードコート層と低屈折率層を構築して反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表14に示す。
Figure 2005196122
実施例1−25
実施例1−13において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例1−13と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表15に示す。
実施例1−26
実施例1−14において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例1−14と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表15に示す。
実施例1−27
実施例1−15において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例1−15と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表15に示す。
実施例1−28
実施例1−16において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例1−16と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表15に示す。
実施例1−29
実施例1−17において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例1−17と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表15に示す。
実施例1−30
実施例1−18において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例1−18と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表15に示す。
実施例1−31
実施例1−19において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例1−19と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表15に示す。
実施例1−32
実施例1−20において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例1−20と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表15に示す。
実施例1−33
実施例1−21において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例1−21と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表15に示す。
実施例1−34
実施例1−22において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例1−22と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表15に示す。
実施例1−35
実施例1−23において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例1−23と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表15に示す。
実施例1−36
実施例1−24において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例1−24と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表15に示す。
Figure 2005196122
実施例1−37
実施例1−1において、帯電防止層用塗料(AS1)の代わりに、帯電防止用塗料(AS2)を用い塗設し硬化させた。その上に、実施例1−1に準じてハードコート層用塗料(HC1)を塗説し硬化させた。該ハードコート層の上に、低屈折率層用塗料(Ln9)をマイクログラビア塗工方式で、搬送速度15m/分の条件で塗布し、120℃で150秒乾燥の後、更に110℃で10分乾燥させてから窒素パージ(酸素濃度0.05%以下)しながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照度400mW/cm2、照射量900mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、膜厚95nmの低屈折率層(最外層)を作製した。このようにして長さ1000mの反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。評価結果を第16表に示す。
低屈折率層に中空シリカを用いることで、反射率が大きく低下することが分かる(対実施例1−7)。
実施例1−38
実施例1−37において、ハードコート層用塗料(HC1)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC5)を用い、低屈折率層用塗料(Ln9)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln1)を用いた以外は、実施例1−37と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表16に示す。
ハードコート層に、非導電材の外表面に金属又は金属酸化物の導電性部分を形成してなる粒子を含有することで表面抵抗が低下できることが分かる(対実施例1−7)。
実施例1−39
実施例1−37において、ハードコート層用塗料(HC1)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC5)を用いた以外は、実施例1−37と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表16に示す。
低屈折率層に中空シリカを用い、ハードコート層に、非導電材の外表面に金属又は金属酸化物の導電性部分を形成してなる粒子を含有することで、反射率が低く表面抵抗が低い反射防止フィルムができることが分かる(対実施例1−7、37、38)。
実施例1−40
実施例1−37において、ハードコート層用塗料(HC1)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC5)を用い、低屈折率層用塗料(Ln9)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln7)を用いた以外は、実施例1−37と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表16に示す。
低屈折率層に中空シリカを用い、ハードコート層に、非導電材の外表面に金属又は金属酸化物の導電性部分を形成してなる粒子を含有することで、反射率が低く表面抵抗が低い反射防止フィルムができることが分かる(対実施例1−7、37、38)。
実施例1−41
実施例1−37において、ハードコート層用塗料(HC1)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC4)を用いた以外は、実施例1−37と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表16に示す。
低屈折率層に酸化ジルコニウム微粒子を用いることで、反射率が大きく低下することが分かる(対実施例1−37)。
実施例1−42
実施例1−37において、ハードコート層用塗料(HC1)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC6)を用い、低屈折率層用塗料(Ln9)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln2)を用いた以外は、実施例1−37と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表16に示す。
ハードコート層に、非導電材の外表面に金属又は金属酸化物の導電性部分を形成してなる粒子を含有することで表面抵抗が低下できることが分かる(対実施例1−41)。
実施例1−43
実施例1−37において、ハードコート層用塗料(HC1)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC6)を用いた以外は、実施例1−37と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表16に示す。
低屈折率層に中空シリカを用い、ハードコート層に、非導電材の外表面に金属又は金属酸化物の導電性部分を形成してなる粒子を含有することで、反射率が低く表面抵抗が低い反射防止フィルムができることが分かる(対実施例1−41、42)。
実施例1−44
実施例1−37において、ハードコート層用塗料(HC1)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC6)を用い、低屈折率層用塗料(Ln9)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln7)を用いた以外は、実施例1−37と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と同様に評価した。結果を表16に示す。
ハードコート層に、非導電材の外表面に金属又は金属酸化物の導電性部分を形成してなる粒子を含有することで、表面抵抗が低い反射防止フィルムができることが分かる(対実施例1−41)。
Figure 2005196122
実施例2−1
膜厚80μm、幅1340mmのトリアセチルセルロースフィルム“TAC−TD80U”{富士写真フイルム(株)製}上に、上記ハードコート層用塗料(HC2)をマイクログラビア塗工方式で、搬送速度30m/分の条件で塗布した。60℃で150秒乾燥の後、窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら、160W/cmの空冷メタルハライドランプ{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照度400mW/cm2、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、膜厚3.7μmのハードコート層を作製した。このようにしてハードコート層を有する長さ1000mのフィルムを作製した。
上記ハードコート層の上に、前記帯電防止層用塗料(AS3)をマイクログラビア方式で、搬送速度15m/分の条件で塗布した。100℃で150秒乾燥した後、窒素パージ(酸素濃度0.3%以下)しながら、240W/cmの空冷メタルハライドランプ{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照度400mW/cm2、照射量500mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、膜厚100nmの帯電防止層を作製した。このようにして帯電防止層を有する長さ1000mのフィルムを作製した。
上記帯電防止層の上に、低屈折率層用塗料(Ln2)をマイクログラビア塗工方式で、搬送速度15m/分の条件で塗布した。120℃で150秒乾燥の後、更に140℃で8分乾燥させてから窒素パージ(酸素濃度0.5%以下)しながら240W/cmの空冷メタルハライドランプ{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照度400mW/cm2、照射量900mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、膜厚95nmの低屈折率層(最外層)を作製した。このようにして長さ1000mの反射防止フィルムを作製した。
得られた反射防止フィルムについて、実施例1−1と全く同様にして評価した。結果を表17に示す。
比較例2−1
実施例2−1において、ハードコート層用塗料(HC2)により形成されたハードコート層の上に、帯電防止層用塗料(AS3)を塗設することなく、直接低屈折率層用塗料(Ln2)を実施例2−1と同様にして塗布、硬化する以外は、実施例2−1と同様にして反射防止フィルムを作製した。
得られた反射防止フィルムについて、実施例1−1と全く同様にして評価した。結果を表17に示す。
実施例2−2
実施例2−1において、低屈折率層用塗料(Ln2)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln3)を用いた以外は、実施例2−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
比較例2−2
実施例2−1において、低屈折率層用塗料(Ln2)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln4)を用いた以外は、実施例2−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−3
実施例2−1において、低屈折率層用塗料(Ln2)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln5)を用いた以外は、実施例2−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−4
実施例2−1において、低屈折率層用塗料(Ln2)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln6)を用いた以外は、実施例2−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−5
実施例2−1において、低屈折率層用塗料(Ln2)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln7)を用いた以外は、実施例2−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−6
実施例2−1において、低屈折率層用塗料(Ln2)の代わりに低屈折率層用塗料(Ln8)を用いた以外は、実施例2−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−7
実施例2−1において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例2−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−8
実施例2−2において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例2−2と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−9
実施例2−3において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例2−3と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−10
実施例2−4において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例2−4と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−11
実施例2−5において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例2−5と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−12
実施例2−6において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC3)を用いた以外は、実施例2−6と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−13
実施例2−1において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC4)を用いた以外は、実施例2−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−14
実施例2−2において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC4)を用いた以外は、実施例2−2と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−15
実施例2−3において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC4)を用いた以外は、実施例2−3と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−16
実施例2−4において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC4)を用いた以外は、実施例2−4と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−17
実施例2−5において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC4)を用いた以外は、実施例2−5と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−18
実施例2−6において、ハードコート層用塗料(HC2)の代わりに、ハードコート層用塗料(HC4)を用いた以外は、実施例2−6と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−19
実施例2−1の低屈折率層の作製において、窒素パージを実施せずに、大気雰囲気(酸素濃度約21%)の中で低屈折率層を硬化させた以外は、実施例2−1と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
実施例2−1に比べて、耐擦傷性がやや劣っていた。
実施例2−20
実施例2−13において、帯電防止層用塗料(AS3)の代わりに、帯電防止層用塗料(AS4)を用いた以外は、実施例2−13と全く同様にして反射防止フィルムを作製して、実施例1−1と全く同様に評価した。結果を表17に示す。
帯電防止層用塗料(AS4)から作製した帯電防止層に含有される導電材は、分散性が悪いため、光学干渉層としての機能が低いことに起因して、実施例2−13よりも反射防止性能が若干劣っていた。
Figure 2005196122
実施例3
〔反射防止フィルムの作製とその評価〕
低屈折率層用塗料(Ln1)〜(Ln3)に用いた、屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー“JN−7228”{固形分濃度6質量%、JSR(株)製}を、屈折率1.44の熱架橋性含フッ素ポリマー“JTA−113”{固形分濃度6質量%、JSR(株)製}に変更して、低屈折率層用塗料を作製した以外は、実施例1−1〜1−36及び2−1〜2−18のそれぞれと全く同様にして反射防止フィルムを作製して、前記実施例1−1と全く同様に評価した結果、実施例1−1〜1−36及び2−1〜2−18のそれぞれとほぼ同様の結果が得られ、特に耐擦傷に優れる反射防止フィルムが得られた。
実施例4
〔画像表示装置の評価〕
実施例1−1〜1−36、実施例2−1〜2−18、及び実施例3で作製した反射防止フィルムを、画像表示装置(TN、STN、IPS、VA、又はOCBのモードの、透過型、反射型又は半透過型の液晶表示装置、及び、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置(CRT))のディスプレイ面に装着した。本発明の反射防止フィルムを用いた画像表示装置は、反射防止性、防塵性、耐擦傷性、防汚性に優れていた。
さらにまた、防眩性を有する反射防止フィルム(実施例1−1〜1−12)において、表面の1mm2の面積当たりに対し、切断面の面積が100μm2以上の凹は存在せず、画素サイズが100ppi(100ピクセル/インチ:1インチ角に100画素がある)における画像表示装置におけるギラツキ故障の発生が無かった。
実施例5
〔偏光板用保護フィルムの作製〕
1.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を50℃に保温した鹸化液を調整した。さらに、0.01Nの希硫酸水溶液を調製した。
実施例1−1〜1−42、実施例2−1〜2−18、及び実施例3で作製した反射防止フィルムにおいて、低屈折率層(最外層)を有する側とは反対側の透明支持体の表面を、上記鹸化液を用いて55℃で2分鹸化処理し、次いで鹸化処理した透明支持体表面の水酸化ナトリウム水溶液を、水で十分に洗浄した後、上記の希硫酸水溶液で30℃、20秒洗浄し、さらに希硫酸水溶液を水で十分に洗浄して、100℃で十分に乾燥させた。
反射防止フィルムの低屈折率層(最外層)を有する側とは反対側の、鹸化処理した透明支持体の表面の水に対する接触角を評価したところ、40°以下であった。このようにして、偏光板用保護フィルムを作製した。
〔偏光板の作製〕
特開2002−86554号公報に記載の偏向膜の一方の面に、PVA“PVA−117H”{(株)クラレ製}3質量%水溶液を接着剤として用いて、上記のように鹸化処理した本発明の反射防止フィルム(偏光板用保護フィルム)の鹸化処理したトリアセチルセルロース面を貼り合わせた。さらに、偏光膜のもう片方の面には上記と同様にして鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルム「フジタック」{富士写真フィルム(株)製、レターデーション値3.0nm}を同じ接着剤を用いて貼り合わせた。このようにして、本発明の偏光板を作製した。
〔画像表示装置の評価〕
このようにして作製した本発明の偏光板を装着した、TN、STN、IPS、VA、OCBのモードの透過型、反射型、又は半透過型の液晶表示装置は、反射防止性、防塵性、耐擦傷性、防汚性に優れていた。
なお、種々公知化されている偏向膜を用い、上記と同様に作製した偏光板においても同様の結果が得られた。
実施例6
〔偏光板の作製〕
ディスコティック構造単位の円盤面が、透明支持体面(フィルム面)に対して傾いており、且つ該ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度が、透明支持体からの距離に伴って変化している、光学異方性層を有する光学補償フィルム「ワイドビューフィルムSA−12B」{富士写真フイルム(株)製}において、光学異方性層を有する側とは反対側の表面を実施例5と同様の条件で鹸化処理した。
次ぎに実施例5と同様にして、偏光膜の一方の面に、実施例5で作製した反射防止フィルム(偏光板用保護フィルム)の鹸化処理したトリアセチルセルロース面を貼り合わせた。さらに、偏光膜のもう一方の面に、鹸化処理した上記光学補償フィルムのトリアセチルセルロース面を同様にして貼り合わせた。
〔画像表示装置の評価〕
このようにして作製した本発明の偏光板を装着したTN、STN、IPS、VA、OCBのモードの透過型、反射型、又は、半透過型の液晶表示装置は、光学補償フィルムを用いていない偏光板を装着した液晶表示装置よりも明室でのコントラストに優れ、上下左右の視野角が広く、さらに、反射防止性、防塵性、耐擦傷性、防汚性に優れていた。
特に、ハードコート層用塗料として(HC1−1)、(HC1−2)、(HC2)、(HC3)を用いて作製した反射防止フィルムにおいて、架橋ポリスチレン粒子、架橋アクリル−ポリスチレン粒子、架橋PMMA粒子、シリカ粒子による透過光の光散乱効果により、特に下方向の視野角が顕著に広がり、左右方向の黄色味が改善されていた。
なお、種々公知化されている偏向膜を用い、上記と同様に作製した偏光板においても同様の結果が得られた。
実施例7
〔画像表示装置の評価〕
実施例1−1〜1−42、実施例2−1〜2−18、及び実施例3で作製した反射防止フィルムを、有機EL表示装置に装着したところ、反射防止性、防塵性、耐擦傷性、防汚性に優れていた。
また、偏光膜の一方の面に実施例5で作製した偏光板用保護フィルム、もう一方の面にλ/4板を有する偏光板を実施例5と同様にして作製した。この偏光板を有機EL表示装置に装着したところ、偏光板を貼ったガラス表面からの光の反射もカットされ、極めて視認性の高い表示装置が得られた。
実施例8
〔反射防止フィルムの作製とその評価〕
実施例1−1〜1−42、実施例2−1〜2−20、及び実施例3において、低屈折率層(最外層)の隣接層(ハードコート層、又は、帯電防止層)の作製を、窒素パージを実施せずに、大気雰囲気(酸素濃度約21%)中で行った以外は、全く同様にして反射防止フィルムを作製した。得られた反射防止フィルムを実施例1−1と全く同様にして評価したところ、全く同様の結果が得られた。
実施例9
〔偏光板用保護フィルムの作製〕
実施例1−1〜1−42、実施例2−1〜2−20、実施例3、及び実施例8で作製した反射防止フィルムにおいて、鹸化処理の時間を短くして、偏向膜と貼り合わせる側の表面の水に対する接触角を41〜45°に調整した偏光板用保護フィルムを作製した。
〔偏光板の作製とその評価〕
次いでこれらの偏光板用保護フィルムを用いて、実施例5と同様にして、偏光板を作製したところ、偏向膜と偏光板用保護フィルムの間の密着性が、実施例5と比較して若干劣っていたものの、実用性は問題なかった。また、実施例5〜7と全く同様に評価を実施したところ、全く同様の結果が得られた。
図1は、反射防止性能に優れた本発明の反射防止フィルムの層構成を模式的に示す概略断面図である。図1(a)は、透明支持体、帯電防止層、ハードコート層、低屈折率層(最外層)の順序の層構成を有する本発明の一態様である。図1(b)は、透明支持体、ハードコート層、帯電防止層(高屈折率層)、低屈折率層(最外層)の順序の層構成を有する本発明の別の態様である。図1(c)は、透明支持体、ハードコート層、帯電防止層(中屈折率層)、高屈折率層、低屈折率層(最外層)の順序の層構成を有する本発明のまた別の態様である。
図2は、防眩性能を有する本発明の反射防止フィルムの層構成を模式的に示す概略断面図である。図2(a)は、透明支持体、帯電防止層、防眩層、そして低屈折率層(最外層)の順序の層構成を有する本発明の一態様である。図2(b)は、透明支持体、防眩層、帯電防止層、そして低屈折率層(最外層)の順序の層構成を有する本発明の別の態様である。
図3(a)は、本発明の反射防止フィルムを、画像表示装置に適用する態様を模式的に示す概略断面図である。図3(b)は、本発明の反射防止フィルムを偏光板の一方の保護フィルム上に粘着剤を介して貼付することにより、本発明の反射防止フィルムを、偏光板が設置された液晶表示装置に適用する態様を模式的に示す概略断面図である。
図4(c)は、本発明の反射防止フィルムを、偏光膜の一方の保護フィルムとして、偏光膜上に粘着剤を介して貼付して得た偏光板を、液晶表示装置に適用する態様を模式的に示す概略断面図である。図4(d)は、本発明の反射防止フィルムを、偏光膜の一方の保護フィルムとして、偏光膜上に直接貼付して得た偏光板を、液晶表示装置に適用する態様を模式的に示す概略断面図である。
符号の説明
1:透明支持体
2:帯電防止層
3:ハードコート層
4:低屈折率層(最外層)
5:高屈折率層
6:防眩層
7:平均粒径が0.2〜10μmの粒子
8:粘着剤層
9:偏光膜の保護フィルム
10:偏光膜の保護フィルム
11:偏光膜

Claims (29)

  1. 透明支持体上に、含フッ素化合物を含有する最外層及び帯電防止層を有することを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 最外層を有する側の表面抵抗が1×1013Ω/□以下である請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 帯電防止層が電子伝導型の導電材を含有する請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
  4. 導電材が金属酸化物である請求項3に記載の反射防止フィルム。
  5. 導電材が分散剤を用いて分散されている請求項3又は4に記載の反射防止フィルム。
  6. 帯電防止層を透明支持体と最外層との間に有する請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  7. 最外層に含有される含フッ素化合物が、架橋性又は重合性の官能基を有するフッ素原子含有化合物の架橋又は重合反応により形成されたものである請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  8. 最外層に含有される含フッ素化合物が、含フッ素ビニルモノマーから導かれる繰り返し単位と側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する繰り返し単位からなる共重合体を主成分として含有して形成されたものである請求項1〜7のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  9. 共重合体が下記一般式(1)で表わされる請求項8に記載の反射防止フィルム。
    一般式(1):
    Figure 2005196122
    一般式(1)中、L11は炭素数1〜10の連結基を表し、mは0又は1を表す。R11は水素原子又はメチル基を表す。Aは任意のビニルモノマーの重合単位を表し、単一成分であっても複数の成分で構成されていてもよい。x、y、zはそれぞれの構成成分のモル%を表し、30≦x≦60、5≦y≦70、0≦z≦65を満たす値を表す。
  10. 最外層が下記一般式(2)で表わされるポリシロキサン化合物及び/又はその誘導体を含有してなる請求項1〜9のいずれかに記載の反射防止フィルム。
    一般式(2):
    Figure 2005196122
    一般式(2)中、R21〜R24はそれぞれ独立に炭素原子を1〜20含む基を表し、それぞれ互いに同じであっても異なっていてもよく、R21、R23、R24のうち少なくとも一つの基が架橋性又は重合性の官能基を表す。pは1≦p≦4を満たす整数を表す。qは10≦q≦500を満たす整数を表し、rは0≦r≦500を満たす整数を表し、r≠0の時、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
  11. 最外層が微粒子を含有する請求項1〜10のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  12. 最外層が含有する微粒子の少なくとも1種類が中空の微粒子である請求項11に記載の反射防止フィルム。
  13. 反射防止フィルムが、平均粒径0.2〜10μmの粒子を含有する層を有する請求項1〜12のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  14. 最外層を有する側の最表面に凹凸が形成されており、防眩性を有する請求項1〜13のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  15. 透明支持体と最外層との間に、平均粒径1〜200nmの無機微粒子を含有する層を有する請求項1〜14のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  16. 透明支持体上のいずれかの層に、下記一般式(3)で表されるオルガノシラン化合物及び/又はその誘導体を含有してなる請求項1〜15のいずれかに記載の反射防止フィルム。
    一般式(3):(R31s−Si(Z314-s
    一般式(3)中、R31は置換もしくは無置換のアルキル基又は、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Z31は水酸基又は加水分解可能な基を表す。sは1〜3の整数を表す。
  17. 透明支持体上のいずれかの層が、酸素濃度4体積%以下の雰囲気で形成されたものである請求項1〜16のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  18. 透明支持体と最外層の間に、非導電材の外表面に金属又は金属酸化物の導電性部分を形成してなる粒子を含有する層を有する請求項1〜17のいずれかに記載の反射防止フィルム。
  19. 透明支持体上に、含フッ素化合物を含有する最外層及び帯電防止層を有する反射防止フィルムの製造方法であって、透明支持体上の少なくとも一層を、主成分がケトン類、芳香族炭化水素類又はエステル類である溶媒を含む塗料を塗布して形成することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
  20. 透明支持体上に、含フッ素化合物を含有する最外層及び帯電防止層を有する反射防止フィルムの製造方法であって、透明支持体上の少なくとも一層を、面状改良剤を含む塗料を塗布して形成することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
  21. 面状改良剤がフルオロ脂肪族基を含有する化合物である請求項20に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  22. 請求項19〜21のいずれかに記載の方法で作製された反射防止フィルム。
  23. 請求項1〜18のいずれかの反射防止フィルム又は請求項22に記載の反射防止フィルムを鹸化処理することで得られる偏光板用保護フィルム。
  24. 請求項1〜18のいずれかの反射防止フィルム又は請求項22に記載の反射防止フィルムを鹸化処理することを特徴とする偏光板用保護フィルムの製造方法。
  25. 請求項23に記載の偏光板用保護フィルムを、偏光膜の2枚の保護フィルムの少なくとも一方の側に有することを特徴とする偏光板。
  26. 請求項23に記載の偏光板用保護フィルムを、偏光膜の2枚の保護フィルムの一方の側に有し、他方の保護フィルムの側に光学異方性層を有する光学補償フィルムを有することを特徴とする偏光板。
  27. 請求項1〜18のいずれかの反射防止フィルム又は請求項22に記載の反射防止フィルムが画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
  28. 請求項25又は26に記載の偏光板が画像表示面に配置されていることを特徴とする画像表示装置。
  29. 画像表示装置が、TN、STN、IPS、VA又はOCBモードの、透過型、反射型又は半透過型の液晶表示装置であることを特徴とする請求項28に記載の画像表示装置。

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