JP2007264291A - 反射防止フィルム、偏光板、および画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体1上に反射防止層を有する反射防止フィルムであって、前記支持体上に積層された層の少なくとも一層が、特定の構造を有する少なくとも1種の光重合開始剤A、前記光重合開始剤A以外の少なくとも1種の光重合開始剤B、及び電離放射線硬化性化合物を含有する組成物を電離放射線照射によって硬化させてなる層であることを特徴とする反射防止フィルム。
【選択図】図1
Description
しかし、この組成物を反射防止フィルムの低屈折率層用塗布組成物として用いた場合、該光重合開始剤が表面に集中するために、下層との密着が十分でないことが予期される。
すなわち本発明は、下記の構成により前記目的を達成したものである。
R2、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−;非置換であるか又は−OH、炭素数1〜4のアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、−CN、−C(O)R11若しくは−O(CO)R11で置換されている炭素数1〜12のアルキル;又は1以上の不連続な酸素原子により中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;或いは、OR12、SR13、NR14R15、−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15、−O−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15、−C(O)R11又はハロゲンであるか;非置換であるか又は炭素数1〜4のアルキル及び/若しくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されているフェニルであり、置換基OR12、SR13及びNR14R15は、基R12、R13、R14及び/若しくはR15を介して、フェニル環の更なる置換基と一緒に、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と一緒になって5又は6員環を形成することができる)の基、ナフチル基、アントラシル基、フェナントリル基、または複素環基であり、
但し、式(Ia)及び(Ib)において、R及び/又はR1が一般式(II)の基を表す場合、置換基A−X−又はA1−X1−の少なくとも1個が、基R及びR1のうちの少なくとも1個に存在するか;或いはR及びR1は、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又は複素環基であり、基ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び複素環は、少なくとも1つの置換基A−X−又はA1−X1−を有しており、さらに炭素数1〜8のアルキル、フェニル、OR12、SR13、NR14R15、−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15および−O−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15から選ばれる少なくとも一種で置換されることができるが、ここで置換基OR12、SR13及びNR14R15は、基R12、R13、R14及び/若しくはR15を介して、ナフチル環、アントラシル環、フェナントリル環若しくは複素環の更なる置換基と一緒になって、又はナフチル環、アントラシル環、フェナントリル環若しくは複素環の炭素原子のうちの1個と一緒になって5又は6員環を形成することができ;
式(Ic)において、
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−;非置換であるか又は−OH、炭素数1〜4のアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、−CN、−C(O)R11または−O(CO)R11で置換されている炭素数1〜12のアルキル;又は1以上の不連続な酸素原子により中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;
或いは、OR12、SR13、NR14R15、−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15、−O−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15、−C(O)R11又はハロゲンであるか;非置換であるか又は炭素数1〜4のアルキル及び/若しくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されているフェニルであり、ここで置換基OR12、SR13及びNR14R15は、基R12、R13、R14及び/若しくはR15を介して、フェニル環の更なる置換基と一緒に、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と一緒になって5又は6員環を形成することができるが、
但し、式(Ic)において、基R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9のうちの少なくとも1個がA−X−又はA1−X1−であり;
式(Id)において、
R2、R3、R4及びR5は、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−;非置換であるか又は−OH、炭素数1〜4のアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、CN、−C(O)R11または−O(CO)R11で置換されている炭素数1〜12のアルキル;又は1以上の不連続な酸素原子により中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;或いは、OR12、SR13、NR14R15、−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15、−O−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15、−C(O)R11又はハロゲンであるか;非置換であるか又は炭素数1〜4のアルキル及び/若しくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されているフェニルであり、ここで置換基OR12、SR13及びNR14R15は、基R12、R13、R14及び/若しくはR15を介して、フェニル環の更なる置換基と一緒に、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と一緒になって5又は6員環を形成することができ;
R10は、炭素数1〜8のアルキルであるか、非置換であるか又はA−X−、炭素数1〜4のアルキル及び/若しくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されているフェニルであるが;
但し、式(Id)において、基R2、R3、R4及びR5のうちの少なくとも1個がA−X−又はA1−X1−であるか、又は置換基R10が基A−X−を含んでおり;
R11は、炭素数1〜8のアルキルであるか、非置換であるか又は炭素数1〜4のアルキル及び/若しくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されているフェニルであり;
R14及びR15は、互いに独立して、水素;非置換であるか又は−OH、炭素数1〜4のアルコキシ及び/若しくはフェニルで置換されている炭素数1〜12のアルキル;1以上の不連続な酸素原子により中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;フェニル、−(CO)R11又はSO2R16であるか;或いはR14及びR15は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により−O−又は−NR17−により中断されている5、6又は7員環を形成し;
R16は、炭素数1〜12のアルキル、非置換のフェニル又は炭素数1〜4のアルキルで置換されているフェニルであり;
R17は、水素、非置換であるか又は−OH若しくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されている炭素数1〜8のアルキル;或いは非置換であるか又は−OH、炭素数1〜4のアルキル若しくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されているフェニルであり;
A及びA1は、互いに独立して、式(III)
或いはA及びA1は、互いに独立して、界面活性基A0であり;
nは1〜1000の数であり、但し、シロキサン出発材料がオリゴマーシロキサンの混合物である場合、nは、また、1未満であるが0を超えることができ;
mは0〜100の数であり;
pは0〜10000の数であり;
A0は、炭素数6〜30のアルキル、炭素数6〜30のアルケニル、炭素数6〜30のアルキニル、炭素数6〜30のアラルキル、炭素数6〜30のアルキル−(CO)−、炭素数6〜30のアルケニル−(CO)−、炭素数6〜30のアルキニル−(CO)−、炭素数6〜30のアラルキル−(CO)−、炭素数6〜30のアルキル−Si(R18)(R19)−、炭素数6〜30のアルケニル−Si(R18)(R19)−又は炭素数6〜30のアルキニル−Si(R18)(R19)−であり、ここでこれらは、それぞれ非置換であるか又は−OH、炭素数1〜4のアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、−CN、SR13、NR14R15及び/若しくは−O(CO)R11で置換され、場合により−O−、−S−又は−NR17−の1以上によって中断され;
G1は、炭素数1〜18のアルキル又は下記式
G2は、炭素数1〜18のアルキル又は下記式
或いはG1及びG2は共に単結合であり;
R18、R19、R20、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、互いに独立して、炭素数1〜18のアルキル、フェニル、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル、炭素数2〜6のアミノアルキル又は炭素数5〜8のシクロアルキルであり;
R21は、非置換の炭素数1〜18のアルキル、又はヒドロキシ、炭素数1〜12のアルコキシ、ハロゲン、炭素数3〜8のシクロアルキル及び/若しくはN(R14)(R15)で置換されている炭素数1〜18のアルキルであるか;或いはR21は、非置換のフェニル、又は炭素数1〜12のアルキル、炭素数1〜12のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ及び/若しくはN(R14)(R15)で置換されているフェニルであるか;或いはR21は、炭素数5〜8のシクロアルキルであり;
X及びX1は、A又はA1が式(III)の基である場合、互いに独立して、単結合、−U−(炭素数1〜10のアルキレン)、−U−(炭素数3〜12のシクロアルキレン)、−U−炭素数6〜12のビシクロアルキレン)、1以上の不連続な(炭素数3〜12のシクロアルキレン)、−U−(炭素数3〜12のシクロアルキレン)、炭素数6〜12のビシクロアルキレン若しくは−U−(炭素数6〜12のビシクロアルキレン)により中断されている−U−(炭素数1〜10のアルキレン)、1以上の不連続O及び炭素数3〜12のシクロアルキレン、−U−(炭素数3〜12のシクロアルキレン)、炭素数6〜12のビシクロアルキレン及び/若しくは−U−(炭素数6〜12のビシクロアルキレン)により中断されている−U−(炭素数1〜10のアルキレン)、
X及びX1は、A又はA1がA0を表す場合、互いに独立して、単結合、−O−、−S−又は−NR17−であり;
−U−は、−COO−、−(CH2)a−COO−、−Si−又は(CH2)a−Si−であり;
a、b及びcは、互いに独立して、0〜10の数であるが、但し、当該メチレン基が酸素原子2個の間、又は酸素原子1個と窒素原子1個の間に位置する場合、これらは少なくとも1である〕。
但し、式(Ia)及び(Ib)において、R及び/又はR1が一般式(II)の基を表す場合、置換基A−X−又はA1−X1−の少なくとも1個が、基R及びR1のうちの少なくとも1個に存在するか;或いはR及びR1が、ナフチル基であり、該ナフチル基は、少なくとも1つの置換基A−X−又はA1−X1−を有しており、さらに炭素数1〜8のアルキル及び/若しくはOR12で置換されることができ;
式(Ic)において、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9が、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−、非置換の炭素数1〜12のアルキル、または1以上の不連続な酸素原子により中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;或は、OR12、ハロゲン若しくは非置換のフェニルであるが、但し、式(Ic)において、基R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9のうちの少なくとも1個がA−X−又はA1−X1−であり;
式(Id)において、R2、R3、R4及びR5が、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−、非置換の炭素数1〜12のアルキル、又は1以上の不連続な酸素原子により中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;或は、OR12、ハロゲン若しくは非置換のフェニルであり;R10が、炭素数1〜8のアルキル、又は非置換であるか若しくはA−X−で置換されているフェニルであるが;但し、式(Id)において、基R2、R3、R4及びR5のうちの少なくとも1個がA−X−又はA1−X1−であるか、又は置換基R10が基A−X−を含んでおり;
R12が、水素若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキルであるか;又は、1以上の不連続酸素原子で中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;或は、フェニル、炭素数3〜6のアルケニル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシルであり;
R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27が、互いに独立して、炭素数1〜18のアルキル又はフェニルであり;
X及びX1が、A又はA1が式(III)の基である場合、互いに独立して、炭素数1〜10のアルキレン、−(CH2)a−O−、−(CH2)a−O−(CH2)b−、−O−(CH2)a−O−(CH2)b、−(CH2)a−O−(CH2)b−O−、−(CH2)a−NR17−(CH2)b−又は−(CH2)a−NR17−であり;
X及びX1が、A又はA1がA0を表す場合、互いに独立して、単結合、−O−、−S−又は−NR17−であることを特徴とする上記(1)の反射防止フィルム。
(4)前記電離放射線硬化性化合物が、二個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(5)前記電離放射線硬化性化合物が、含フッ素ポリマーであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(6)前記含フッ素ポリマーが、下記一般式1で表されるであることを特徴とする上記(5)に記載の反射防止フィルム。
(7)前記組成物が、無機粒子を含有していることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(8)前記無機粒子が、シリカ微粒子であることを特徴とする上記(7)に記載の反射防止フィルム。
(9)前記無機粒子が、中空構造を有し、屈折率が1.15〜1.40の範囲であることを特徴とする上記(7)又は(8)に記載の反射防止フィルム。
(10)前記組成物が、更にオルガノシラン化合物、該オルガノシラン化合物の加水分解物および/またはその部分縮合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(12)一対の保護フィルムの間に偏光膜を有する偏光板であって、該保護フィルムの少なくとも一つが上記(1)〜(11)のいずれかに記載の反射防止フィルムであることを特徴とする偏光板。
(13)上記(1)〜(11)に記載の反射防止フィルム、又は上記(12)に記載の偏光板がディスプレイの最表面に用いられていることを特徴とする画像表示装置。
また、本明細書において、炭素数を表す場合に、「C(数値1)−C(数値2)」という記載は「炭素数が、(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表わす。
本発明の反射防止フィルムについては、支持体上に、下記のような反射防止層を用い、公知の層構成を使用することができる。たとえば、代表的な例としては以下のようなものがある。
a.支持体/(防眩性)ハードコート層
b.支持体/(防眩性)ハードコート層/低屈折率層(図1)
c.支持体/(防眩性)ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層(図2)
d.支持体/(防眩性)ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層(図3)
また、c(図2)のように支持体(1)上にハードコート層(2)を塗布した上に、高屈折率層(4)、低屈折率層(5)を積層しても反射防止フィルムとして好適に用いることができる。さらに、d(図3)のように支持体(1)、ハードコート層(2)、中屈折率層(3)、高屈折率層(4)、そして低屈折率層(5)の順序の層構成を設置することにより、反射率を1%以下とすることができる。
本発明における反射防止層を有する反射防止フィルムを構成する各層の屈折率は以下の関係を満たすことが好ましい。
ハードコート層の屈折率>透明支持体の屈折率>低屈折率層の屈折率
まず、本発明の構成成分について説明する。
本発明の反射防止フィルムは、該フィルムの支持体上に積層される層の少なくとも一層を、式(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)で表される光重合開始剤A及び前記式(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)以外の少なくとも1種の光重合開始剤Bを含有する組成物を硬化させることで得る。
まず、式(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)で表される光重合開始剤Aについて説明する。
R2、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−;非置換であるか又は−OH、C1−C4アルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、−CN、−C(O)R11若しくは−O(CO)R11で置換されているC1−C12アルキル;又は1以上の不連続な酸素原子により中断されているC2−C12アルキルであるか;或いは、OR12、SR13、NR14R15、−(C1−C6アルキル)−NR14R15、−O−(C1−C6アルキル)−NR14R15、−C(O)R11又はハロゲンであるか;非置換であるか又はC1−C4アルキル及び/若しくはC1−C4アルコキシで置換されているフェニルであり、置換基OR12、SR13及びNR14R15は、基R12、R13、R14及び/若しくはR15を介して、フェニル環の更なる置換基と一緒に、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と一緒になって5又は6員環を形成することができる)の基、ナフチル基、アントラシル基、フェナントリル基、または複素環基であり、
但し、式(Ia)及び(Ib)において、R及び/又はR1が一般式(II)の基を表す場合、置換基A−X−又はA1−X1−の少なくとも1個が、基R及びR1のうちの少なくとも1個に存在するか;或いはR及びR1は、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又は複素環基であり基ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び複素環は、少なくとも1つの置換基A−X−又はA1−X1−を有しており、さらにC1〜C8のアルキル、フェニル、OR12、SR13、NR14R15、−(C1〜C6のアルキル)−NR14R15および−O−(C1〜C6のアルキル)−NR14R15から選ばれる少なくとも一種で置換されることができるが、ここで置換基OR12、SR13及びNR14R15は、基R12、R13、R14及び/若しくはR15を介して、ナフチル環、アントラシル環、フェナントリル環若しくは複素環の更なる置換基と一緒になって、又はナフチル環、アントラシル環、フェナントリル環若しくは複素環の炭素原子のうちの1個と一緒になって5又は6員環を形成することができ;
式(Ic)において、
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−;非置換であるか又は−OH、C1−C4アルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、−CN、−C(O)R11または−O(CO)R11で置換されているC1−C12アルキル;又は1以上の不連続な酸素原子により中断されているC2−C12アルキルであるか;
或いは、OR12、SR13、NR14R15、−(C1−C6アルキル)−NR14R15、−O−(C1−C6アルキル)−NR14R15、−C(O)R11又はハロゲンであるか;非置換であるか又はC1−C4アルキル及び/若しくはC1−C4アルコキシで置換されているフェニルであり、ここで置換基OR12、SR13及びNR14R15は、基R12、R13、R14及び/若しくはR15を介して、フェニル環の更なる置換基と一緒に、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と一緒になって5又は6員環を形成することができるが、
但し、式(Ic)において、基R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9のうちの少なくとも1個がA−X−又はA1−X1−であり;
式(Id)において、
R2、R3、R4及びR5は、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−;非置換であるか又は−OH、C1−C4アルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、CN、−C(O)R11または−O(CO)R11で置換されているC1−C12アルキル;又は1以上の不連続な酸素原子により中断されているC2−C12アルキルであるか;或いは、OR12、SR13、NR14R15、−(C1−C6アルキル)−NR14R15、−O−(C1−C6アルキル)−NR14R15、−C(O)R11又はハロゲンであるか;非置換であるか又はC1−C4アルキル及び/若しくはC1−C4アルコキシで置換されているフェニルであり、ここで置換基OR12、SR13及びNR14R15は、基R12、R13、R14及び/若しくはR15を介して、フェニル環の更なる置換基と一緒に、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と一緒になって5又は6員環を形成することができ;R10は、C1−C8アルキルであるか、非置換であるか又はA−X−、C1−C4アルキル及び/若しくはC1−C4アルコキシで置換されているフェニルであるが;
但し、式(Id)において、基R2、R3、R4及びR5のうちの少なくとも1個がA−X−又はA1−X1−であるか、又は置換基R10が基A−X−を含んでおり;
R11は、C1−C8アルキルであるか、非置換であるか又はC1−C4アルキル及び/若しくはC1−C4アルコキシで置換されているフェニルであり;
R12及びR13は、互いに独立して水素;非置換であるか又は−OH、C1−C4アルコキシ、フェニル、フェノキシ及び/若しくは−O(CO)R11で置換されているC1−C12アルキルであるか;1以上の不連続な酸素原子により中断されているC2−C12アルキルであるか;或いは、フェニル、C3−C6アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はナフチルであり、これらの基は、非置換であるか又はC1−C4アルコキシ、フェニル及び/若しくはC1−C4アルキルで置換され;
R14及びR15は、互いに独立して、水素;非置換であるか又は−OH、C1−C4アルコキシ及び/若しくはフェニルで置換されているC1−C12アルキル;1以上の不連続な酸素原子により中断されているC2−C12アルキルであるか;フェニル、−(CO)R11又はSO2R16であるか;或いはR14及びR15は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により−O−又は−NR17−により中断されている5、6又は7員環を形成し;
R16は、C1−C12アルキル、非置換のフェニル又はC1−C4アルキルで置換されているフェニルであり;
R17は、水素、非置換であるか又は−OH若しくはC1−C4アルコキシで置換されているC1−C8アルキル;或いは非置換であるか又は−OH、C1−C4アルキル若しくはC1−C4アルコキシで置換されているフェニルであり;
A及びA1は、互いに独立して、式(III)
或いはA及びA1は、互いに独立して、界面活性基A0であり;
nは1〜1000の数であり、但し、シロキサン出発材料がオリゴマーシロキサンの混合物である場合、nは、また、1未満であるが0を超えることができ;
mは0〜100の数であり;
pは0〜10000の数であり;
A0は、C6−C30アルキル、C6−C30アルケニル、C6−C30アルキニル、C6−C30アラルキル、C6−C30アルキル−(CO)−、C6−C30アルケニル−(CO)−、C6−C30アルキニル−(CO)−、C6−C30アラルキル−(CO)−、C6−C30アルキル−Si(R18)(R19)−、C6−C30アルケニル−Si(R18)(R19)−又はC6−C30アルキニル−Si(R18)(R19)−であり、ここでこれらは、それぞれ非置換であるか又は−OH、C1−C4アルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、−CN、SR13、NR14R15及び/若しくは−O(CO)R11で置換され、場合により−O−、−S−又は−NR17−の1以上によって中断され;
G1は、C1−C18アルキル又は下記式
G2は、C1−C18アルキル又は下記式
或いはG1及びG2は共に単結合であり;
R18、R19、R20、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、互いに独立して、C1−C18アルキル、フェニル、C2−C6ヒドロキシアルキル、C2−C6アミノアルキル又はC5−C8シクロアルキルであり;
R21は、非置換のC1−C18アルキル、又はヒドロキシ、C1−C12アルコキシ、ハロゲン、C3−C8シクロアルキル及び/若しくはN(R14)(R15)で置換されているC1−C18アルキルであるか;或いはR21は、非置換のフェニル、又はC1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ及び/若しくはN(R14)(R15)で置換されているフェニルであるか;或いはR21は、C5−C8シクロアルキルであり;
X及びX1は、A又はA1が式(III)の基である場合、互いに独立して、単結合、−U−(C1−C10アルキレン)、−U−(C3−C12シクロアルキレン)、−U−(C6−C12ビシクロアルキレン)、1以上の不連続な(C3−C12シクロアルキレン)、−U−(C3−C12シクロアルキレン)、C6−C12ビシクロアルキレン若しくは−U−(C6−C12ビシクロアルキレン)により中断されている−U−(C1−C10アルキレン)、1以上の不連続O及びC3−C12シクロアルキレン、−U−(C3−C12シクロアルキレン)、C6−C12ビシクロアルキレン及び/若しくは−U−(C6−C12ビシクロアルキレン)により中断されている−U−(C1−C10アルキレン)、
X及びX1は、A又はA1がA0を表す場合、互いに独立して、単結合、−O−、−S−又は−NR17−であり;
−U−は、−COO−、−(CH2)a−COO−、−Si−又は(CH2)a−Si−であり;
a、b及びcは、互いに独立して、0〜10の数であるが、但し、当該メチレン基が酸素原子2個の間、又は酸素原子1個と窒素原子1個の間に位置する場合、これらは少なくとも1である〕。
C1−C18アルキルは、直鎖状又は分岐鎖状であり、例えば、C1−C12−、C1−C8−、C1−C6−又はC1−C4アルキルである。例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシルが含まれる。C1−C12アルキル、C1−C8アルキル及びC1−C4アルキルは、炭素原子の対応する数まで、上記で示された意味と同一の意味を有する。C6−C30アルキルも、同様に直鎖状及び分岐鎖状であり、例えば、C6−C24−、C6−C12−、C10−C30−、C10−C24−、C12−C30アルキルである。例には、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘニコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル及びトリアコンチルが含まれる。
C6−C30アルケニルも、同様に直鎖状又は分岐鎖状、そしてモノ不飽和又はポリ不飽和であり、例えば、C6−C24−、C6−C12−、C10−C30−、C10−C24−又はC12−C30アルケニルである。例には、ヘキセニル、ヘプテニル、2,4,4−トリメチルペンテニル、2−エチルヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、イコセニル、ヘニコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、ヘプタコセニル、オクタコセニル及びトリアコンテニルが含まれる。
シロキサン出発材料がオリゴマーシロキサンの混合物である場合、「n」は、また、1未満であるが0を超えることが可能である。この場合、例えば、0.1〜1000、0.5〜1000、0.8〜1000等の数である。
式(Id)の化合物において、R2、R3、R4及びR5は、特に基A−X−又はA1−X1−である。
X及びX1は、好ましくはC3−C6アルキレン、−(CH2)a−O−、−O−(CH2)a−O−(CH2)b又は−(CH2)a−O−(CH2)b−O−、特に−(CH2)a−O−、−O−(CH2)a−O−(CH2)b又は−(CH2)a−O−(CH2)b−O−であり、ここでaは、特に2又は3、そしてbは特に2又は3である。
式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び(Id)の化合物は、当業者に既知の従来の方法に従って調製される。
但し、式(Ia)及び(Ib)において、R及び/又はR1が一般式(II)の基を表す場合、置換基A−X−又はA1−X1−の少なくとも1個が、基R及びR1のうちの少なくとも1個に存在するか;或いはR及びR1が、ナフチル基であり、該ナフチル基は、少なくとも1つの置換基A−X−又はA1−X1−を有しており、さらに炭素数1〜8のアルキル及び/若しくはOR12で置換されることができ;
式(Ic)において、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9が、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−、非置換のC1−C12アルキル、または1以上の不連続な酸素原子により中断されているC2−C12アルキルであるか;或は、OR12、ハロゲン若しくは非置換のフェニルであるが、但し、式(Ic)において、基R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9のうちの少なくとも1個がA−X−又はA1−X1−であり;
式(Id)において、R2、R3、R4及びR5が、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−、非置換の炭素数1〜12のアルキル、又は1以上の不連続な酸素原子により中断されているC2−C12アルキルであるか;或は、OR12、ハロゲン若しくは非置換のフェニルであり;R10が、C1〜C8アルキル、又は非置換であるか若しくはA−X−で置換されているフェニルであるが;但し、式(Id)において、基R2、R3、R4及びR5のうちの少なくとも1個がA−X−又はA1−X1−であるか、又は置換基R10が基A−X−を含んでおり;
R12が、水素若しくは非置換のC1−C12アルキルであるか;又は、1以上の不連続な酸素原子で中断されているC2−C12アルキルであるか;或は、フェニル、C3−C6アルケニル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシルであり;
R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27が、互いに独立して、C1−C18アルキル又はフェニルであり;
X及びX1が、A又はA1が式(III)の基である場合、互いに独立して、C1−C10アルキレン、−(CH2)a−O−、−(CH2)a−O−(CH2)b−、−O−(CH2)a−O−(CH2)b、−(CH2)a−O−(CH2)b−O−、−(CH2)a−NR17−(CH2)b−又は−(CH2)a−NR17−であり;
そしてX及びX1が、A又はA1がA0を表す場合、互いに独立して、単結合、−O−、−S−又は−NR17−である。
ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
具体的には特開2000−80068記載の実施例記載化合物1〜21が特に好ましい。
オニウム塩類の例には、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩が挙げられる。
クマリン類の例には3−ケトクマリンが挙げられる。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,819、907、1870(CGI-403/Irg184=7/3混合開始剤、500,369,1173,2959,4265,4263など)、OXE01)等、日本化薬(株)製のKAYACURE(DETX-S,BP-100,BDMK,CTX,BMS,2-EAQ,ABQ,CPTX,EPD,ITX,QTX,BTC,MCAなど)、サートマー社製のEsacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KT046,KT37,KIP150,TZT)等及びそれらの組み合わせが好ましい例として挙げられる。
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーケトンおよびチオキサントン、などを挙げることができる。
更にアジド化合物、チオ尿素化合物、メルカプト化合物などの助剤を1種以上組み合わせて用いてもよい。
市販の光増感剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DMBI,EPA)などが挙げられる。
具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(プロピオニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
本発明の反射防止フィルムは電離放射線硬化性化合物、好ましくはエチレン性不飽和基を有する化合物を含有する組成物を硬化して得られる。電離放射線硬化性化合物の含有量は、無機粒子を除く皮膜形成成分のうち10質量%以上100質量%以下が好ましく、より好ましくは、20質量%以上100質量%以下、更に好ましくは30質量%以上95%以下である。また、本明細書において、「電離放射線硬化性化合物」とは、電離放射線照射によって硬化する化合物であればよい。
電離放射線硬化性化合物としては、飽和炭化水素鎖またはポリエーテル鎖を主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素鎖を主鎖として有するポリマーであることがより好ましい。更に、これらポリマーは架橋構造を有していることが好ましい。
飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、かつ架橋構造を有するバインダーポリマーとしては、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの(共)重合体が好ましい。
さらに、高屈折率な皮膜にする場合には、このモノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種の原子を含むことが好ましい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋性官能基を有するバインダーポリマーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
低屈折率層の厚さは、50〜200nmであることが好ましく、70〜100nmであることがさらに好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な低屈折率層の強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、反射防止フィルムの防汚性能を改良するために、表面の水に対する接触角が90゜以上であることが好ましい。更に好ましくは95゜以上であり、特に好ましくは100゜以上である。
含フッ素ビニルモノマーとしてはフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(商品名、大阪有機化学工業(株)製)やR−2020(商品名、ダイキン工業(株)製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。これらの含フッ素ビニルモノマーの組成比を上げれば屈折率を下げることができるが、皮膜強度は低下する。本発明では共重合体のフッ素含率が20〜60質量%となるように含フッ素ビニルモノマーを導入することが好ましく、より好ましくは25〜55質量%の場合であり、特に好ましくは30〜50質量%の場合である。
好ましい例としては、*−(CH2)2−O−**,*−(CH2)2−NH−**,*−(CH2)4−O−**,*−(CH2)6−O−**,−(CH2)2−O−(CH2)2−O−**,*−CONH−(CH2)3−O−**,*−CH2CH(OH)CH2−O−**,*−CH2CH2OCONH(CH2)3−O−**(*はポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。)等が挙げられる。mは0または1を表わす。
nは2≦n≦10の整数を表し、2≦n≦6であることが好ましく、2≦n≦4であることが特に好ましい。
Bは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を単位を表わし、単一組成であっても複数の組成によって構成されていても良い。例としては、前記一般式1におけるAの例として説明したものが当てはまる。
z1およびz2はそれぞれの繰返し単位のmol%を表わし、0≦z1≦65、0≦z2≦65を満たす値を表す。それぞれ0≦z1≦30、0≦z2≦10であることが好ましく、0≦z1≦10、0≦z2≦5であることが特に好ましい。
本発明には硬度などの物理特性、反射率、散乱性などの光学特性などの向上のため、各種無機粒子を用いることができる。
無機粒子としては、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも一つ金属の酸化物、具体例としては、ZrO2、TiO2、Al2O3、In2O3、ZnO、SnO2、Sb2O3、ITO等が挙げられる。その他BaSO4、CaCO3、タルクおよびカオリンなどが含まれる。
無機粒子の分散媒体は、沸点が60〜170℃の液体を用いることが好ましい。分散媒体の例には、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)が含まれる。トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびブタノールが特に好ましい。
特に好ましい分散媒体は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンである。
本発明を構成する層を高屈折率化する目的に対しては、屈折率の高い無機粒子をモノマーと開始剤、有機置換されたケイ素化合物中に分散した組成物の硬化物が好ましく用いられる。
この場合の無機粒子としては、屈折率の観点から、特にZrO2、TiO2好ましく用いられる。ハードコート層の高屈折率化に対してはZrO2が、高屈折率層、中屈折率層用の粒子としてはTiO2の微粒子が最も好ましい。
本発明におけるTiO2を主成分とする粒子は、屈折率が1.90〜2.80であることが好ましく、2.10〜2.80であることがさらに好ましく、2.20〜2.80であることが最も好ましい。
TiO2を主成分とする粒子の一次粒子の質量平均径は1〜200nmであることが好ましく、より好ましくは1〜150nm、さらに好ましくは1〜100nm、特に好ましくは1〜80nmである。
特に、好ましい元素はCo(コバルト)である。また、2種類以上を併用することも好ましい。
本発明のTiO2を主成分とする無機粒子は、表面処理により特開2001−166104号公報記載のごとく、コア/シェル構造を有していても良い。
低屈折率層に含有させる無機粒子は、低屈折率であることが望ましく、フッ化マグネシウムやシリカの微粒子が挙げられる。特に、屈折率、分散安定性、コストの点でシリカ微粒子が好ましい。
シリカ微粒子の平均粒径は、低屈折率層の厚みの30%以上150%以下が好ましく、より好ましくは35%以上80%以下、更に好ましくは40%以上60%以下である。即ち、低屈折率層の厚みが100nmであれば、シリカ微粒子の粒径は30nm以上150nm以下が好ましく、より好ましくは35nm以上80nm以下、更に好ましくは、40nm以上60nm以下である。
小サイズ粒径のシリカ微粒子は、大サイズ粒径のシリカ微粒子同士の隙間に存在することができるため、大サイズ粒径のシリカ微粒子の保持剤として寄与することができる。
小サイズ粒径のシリカ微粒子の平均粒径は、低屈折率層が100nmの場合、1nm以上20nm以下が好ましく、5nm以上15nm以下が更に好ましく、10nm以上15nm以下が特に好ましい。このようなシリカ微粒子を用いると、原料コストおよび保持剤効果の点で好ましい。
屈折率をより低下させる目的のためには、中空のシリカ微粒子を用いることが好ましい。
(数式VIII)
x=(4πa3/3)/(4πb3/3)×100
好ましくは10〜60%、更に好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。中空のシリカ粒子をより低屈折率に、より空隙率を大きくしようとすると、外殻の厚みが薄くなり、粒子の強度としては弱くなるため、耐擦傷性の観点から1.15未満の低屈折率の粒子は好ましくない。
中空シリカの平均粒径は、低屈折率層の厚みの30%以上150%以下が好ましく、より好ましくは35%以上80%以下、更に好ましくは40%以上60%以下である。即ち、低屈折率層の厚みが100nmであれば、中空シリカの粒径は30nm以上150nm以下が好ましく、より好ましくは35nm以上100nm以下、更に好ましくは、40nm以上65nm以下である。
シリカ微粒子の粒径が小さすぎると、空腔部の割合が減り屈折率の低下が見込めず、大きすぎると低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりといった外観、積分反射率が悪化する。シリカ微粒子は、結晶質でも、アモルファスのいずれでも良く、また単分散粒子が好ましい。形状は、球径が最も好ましいが、不定形であっても問題無い。
また、中空シリカは粒子平均粒子サイズの異なるものを2種以上併用して用いることができる。ここで、中空シリカの平均粒径は電子顕微鏡写真から求めることができる。
本発明において中空シリカの比表面積は、20〜300m2/gが好ましく、更に好ましくは30〜120m2/g、最も好ましくは40〜90m2/gである。表面積は窒素を用いBET法で求めることが出来る。
本発明の組成物には、オルガノシラン化合物または、該オルガノシラン化合物の加水分解物および/またはその部分縮合物等(以下、得られた反応溶液を「ゾル成分」とも称する)を含有させることが好ましい。
これら化合物は、前記組成物を塗布後、乾燥、加熱工程で縮合して硬化物を形成することによりバインダーとして機能する。また、多官能アクリレートポリマーを有する場合、活性光線の照射により3次元構造を有するバインダーが形成され、硬化物の硬度の上昇、下層との密着性が良くなる。
一般式[A]
(R10)m−Si(X)4−m
前記一般式[A]において、R10は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、デシル、ヘキサデシル等が挙げられる。アルキル基として好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜6のものである。アリール基としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
Xは、水酸基または加水分解可能な基を表し、例えばアルコキシ基(炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等)、およびR2COO(R2は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。例えばCH3COO、C2H5COO等が挙げられる)で表される基が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。
mは1〜3の整数を表し、好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。
R10に含まれる置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、t−ブチル等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、芳香族ヘテロ環基(フリル、ピラゾリル、ピリジル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ヘキシルオキシ等)、アリールオキシ(フェノキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ等)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ等)等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。
前記一般式[A]で表されるオルガノシラン化合物の中でも、下記一般式[B]で表されるビニル重合性の置換基を有するオルガノシラン化合物が好ましい。
Yは単結合もしくは*−COO−**,*−CONH−**または*−O−**を表し、単結合、*−COO−**および*−CONH−**が好ましく、単結合および*−COO−**が更に好ましく、*−COO−**が特に好ましい。*は=C(R1)−に結合する位置を、**はLに結合する位置を表す。
R10は一般式[A]と同義であり、置換もしくは無置換のアルキル基、無置換のアリール基が好ましく、無置換のアルキル基、無置換のアリール基が更に好ましい。
Xは一般式[A]と同義であり、ハロゲン原子、水酸基、無置換のアルコキシ基が好ましく、塩素原子、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
M―12 トリメチルメトキシシラン
M―13 トリエチルメトキシシラン
2種を併用する時は、重合性基を持つ化合物として、M−1またはM―2を選択し重合性基を持たない化合物としてはM−11またはM―12を選択して併用することが好ましい。また上記の重合性基を持つ化合物と重合性基を持たない化合物を組み合わせて加水分解した後縮合させたオリゴマーを使用することも好ましい。
金属キレート化合物中のR3およびR4は、同一または異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基などである。また、R5は、前記と同様の炭素数1〜10のアルキル基のほか、炭素数1〜10のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などである。また、金属キレート化合物中のp1、p2、q1、q2、r1、およびr2は、それぞれp1+p2=4、q1+q2=4、r1+r2=3となる様に決定される整数を表す。
これらの金属キレート化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これらの金属キレート化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる。
前記オルガノシラン化合物は塗布組成物に直接添加してもよいが、前記オルガノシラン化合物をあらかじめ触媒の存在下に処理して前記オルガノシラン化合物の加水分解物および/または部分縮合物を調製し、得られた反応溶液(ゾル液)を用いて前記塗布組成物を調整するのが好ましく、本発明においてはまず前記オルガノシラン化合物の加水分解物および/または部分縮合物および金属キレート化合物を含有する組成物を調製し、これにβ−ジケトン化合物および/またはβ−ケトエステル化合物を添加した液を塗布組成物に含有せしめて塗設することが好ましい。
本発明の組成物には、ポリシロキサン化合物を含有させることが好ましい。これらの添加剤を添加する場合には低屈折率層全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。
次に、本発明のフィルムに使用することのできるその他の化合物について記載する。
本発明の組成物、特に防眩層やハードコート層に用いられる組成物は、防眩性(表面散乱性)や内部散乱性を付与するため、各種の透光性粒子を用いることが出来る。
有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート粒子(屈折率1.49)、架橋ポリ(アクリル−スチレン)共重合体粒子(屈折率1.54)、メラミン樹脂粒子(屈折率1.57)、ポリカーボネート粒子(屈折率1.57)、ポリスチレン粒子(屈折率1.60)、架橋ポリスチレン粒子(屈折率1.61)、ポリ塩化ビニル粒子(屈折率1.60)、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒド粒子(屈折率1.68)等が用いられる。
無機粒子としては、シリカ粒子(屈折率1.44)、アルミナ粒子(屈折率1.63)、ジルコニア粒子、チタニア粒子、また中空や細孔を有する無機粒子が挙げられる。
さらに、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーを主成分としたバインダー(硬化後の屈折率が1.50〜1.53)とアクリル含率50〜100質量パーセントである架橋ポリ(メタ)アクリレート重合体からなる透光性粒子を組合せて用いることが好ましく、特にバインダーと架橋ポリ(スチレン−アクリル)共重合体からなる透光性粒子(屈折率が1.48〜1.54)との組合せが好ましい。
また、本発明においては、バインダーと透光性粒子との屈折率の差(透光性粒子の屈折率−バインダーの屈折率)は、絶対値として好ましくは0.001〜0.030であり、より好ましくは0.001〜0.020、更に好ましくは0.001〜0.015である。この差が0.030を超えると、フィルム文字ボケ、暗室コントラストの低下、表面の白濁等の問題が生じる。
本発明に係る透光性粒子の製造法は、懸濁重合法、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、分散重合法、シード重合法等を挙げることができ、いずれの方法で製造されてもよい。これらの製造法は、例えば「高分子合成の実験法」(大津隆行、木下雅悦共著、化学同人社)130頁および146頁から147頁の記載、「合成高分子」1巻、p.246〜290、同3巻、p.1〜108等に記載の方法、および特許第2543503号明細書、同第3508304号明細書、同第2746275号明細書、同第3521560号明細書、同第3580320号明細書、特開平10−1561号公報、特開平7−2908号公報、特開平5−297506号公報、特開2002−145919号公報等に記載の方法を参考にすることができる。
分級には風力分級法、遠心分級法、沈降分級法、濾過分級法、静電分級法等の方法を用いることが好ましい。
本発明の組成物には導電性を付与するために、各種の導電性粒子を用いることができる。
導電性粒子は、金属の酸化物または窒化物から形成することが好ましい。金属の酸化物または窒化物の例には、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛および窒化チタンが含まれる。酸化錫および酸化インジウムが特に好ましい。導電性無機粒子は、これらの金属の酸化物または窒化物を主成分とし、さらに他の元素を含むことができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。他の元素の例には、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P、S、B、Nb、In、Vおよびハロゲン原子が含まれる。酸化錫および酸化インジウムの導電性を高めるために、Sb、P、B、Nb、In、Vおよびハロゲン原子を添加することが好ましい。Sbを含有する酸化錫(ATO)およびSnを含有する酸化インジウム(ITO)が特に好ましい。ATO中のSbの割合は、3〜20質量%であることが好ましい。ITO中のSnの割合は、5〜20質量%であることが好ましい。
本発明で使用する無機粒子は、分散液中あるいは塗布液中で、分散安定化を図るために、あるいはバインダー成分との親和性、結合性を高めるために、プラズマ放電処理やコロナ放電処理のような物理的表面処理、界面活性剤やカップリング剤等による化学的表面処理がなされていても良い。
コバルトを含有する無機化合物、アルミニウムを含有する無機化合物、ジルコニウムを含有する無機化合物が特に好ましく、コバルトを含有する無機化合物、Al(OH)3、Zr(OH)4が最も好ましい。
表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤およびチタネートカップリング剤が含まれる。シランカップリング剤が最も好ましい。特にシランカップリング剤(オルガノシラン化合物)、その部分加水分解物、およびその縮合物の少なくとも一種で表面処理されていることが好ましい。
表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、その他アニオン性基を有する有機化合物などが好ましく、特に好ましいのは、カルボキシル基、スルホン酸基、または、リン酸基を有する有機化合物である。ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などが好ましく用いることができる。
表面処理に用いる有機化合物は、さらに、架橋または重合性官能基を有することが好ましい。架橋、または、重合性官能基としては、ラジカル種による付加反応・重合反応が可能なエチレン性不飽和基(例えば(メタ)アクリル基、アリル基、スチリル基、ビニルオキシ基等)、カチオン重合性基(エポキシ基、オキサタニル基、ビニルオキシ基等)、重縮合反応性基(加水分解性シリル基等、N−メチロール基)等が挙げられ、好ましくはエチレン性不飽和基を有する基である。
上記カップリング剤は、低屈折率層の無機フィラーの表面処理剤として該層塗布液調製以前にあらかじめ表面処理を施すために用いられるが、該層塗布液調製時にさらに添加剤として添加して該層に含有させることが好ましい。
シリカ微粒子は、表面処理前に、媒体中に予め分散されていることが、表面処理の負荷軽減のために好ましい。
本発明に好ましく用いることのできる表面処理剤および表面処理用の触媒の具体的化合物は、例えば、WO2004/017105号に記載のオルガノシラン化合物および触媒を挙げることができる。
本発明に使用する粒子の分散には各種の分散剤を使用することができる。
分散剤は、さらに架橋または重合性官能基を含有することが好ましい。架橋または重合性官能基としては、ラジカル種による付加反応・重合反応が可能なエチレン性不飽和基(例えば(メタ)アクリロイル基、アリル基、スチリル基、ビニルオキシ基等)、カチオン重合性基(エポキシ基、オキサタニル基、ビニルオキシ基等)、重縮合反応性基(加水分解性シリル基等、N−メチロール基)等が挙げられ、好ましくはエチレン性不飽和基を有する官能基である。
本発明の組成物、特にフィルムの最上層に用いられる組成物には防汚性、耐水性、耐薬品性、滑り性等の特性を付与する目的で、公知のポリシロキサン系あるいはフッ素系の防汚剤、滑り剤等を適宜添加することが好ましい。
これらの添加剤を添加する場合には低屈折率層全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加されることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加される場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。
本発明の組成物には、特に塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状均一性を確保するために、フッ素系、シリコーン系の何れかの界面活性剤、あるいはその両者を塗布組成物中に含有することが好ましい。特にフッ素系の界面活性剤は、より少ない添加量において、塗布ムラ、乾燥ムラ、点欠陥等の面状故障を改良する効果が現れるため、好ましく用いることができる。面状均一性を高めつつ、高速塗布適性を持たせることにより生産性を高めることができる。
一般式イ
一般式ロ
R14は置換基を有しても良い炭素数4以上20以下の直鎖、分岐または環状のアルキル基を表す。R14のアルキル基の置換基としては、水酸基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシル基、アルキルエーテル基、アリールエーテル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等があげられるがこの限りではない。炭素数4以上20以下の直鎖、分岐または環状のアルキル基としては、直鎖および分岐してもよいブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基等、また、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の単環シクロアルキル基およびビシクロヘプチル基、ビシクロデシル基、トリシクロウンデシル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロデシル基、等の多環シクロアルキル基が好適に用いられる。
更に、本発明で用いられるフッ素系ポリマーの好ましい添加量は、塗布液に対して0.001〜5質量%の範囲であり、好ましくは0.005〜3質量%の範囲であり、更に好ましくは0.01〜1質量%の範囲である。
ここでいう増粘剤とは、それを添加することにより液の粘度が増大するものを意味し、添加することにより塗布組成物の粘度が上昇する大きさとして好ましくは0.05〜50cPであり、さらに好ましくは0.10〜20cPであり、最も好ましくは0.10〜10cPである。
本発明の各層を形成するための塗布組成物に用いられる溶剤としては、各成分を溶解または分散可能であること、塗布工程、乾燥工程において均一な面状となり易いこと、液保存性が確保できること、適度な飽和蒸気圧を有すること、等の観点で選ばれる各種の溶剤が使用できる。
溶媒は2種類以上のものを混合して用いることができる。特に、乾燥負荷の観点から、常圧室温における沸点が100℃以下の溶剤を主成分とし、乾燥速度の調整のために沸点が100℃以上の溶剤を少量含有することが好ましい。
本発明の組成物には、前記の成分以外に、樹脂、カップリング剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤などを添加することもできる。
本発明のフィルムの支持体としては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスなど、特に限定は無い。透明樹脂フィルムとしては、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム(屈折率1.48)、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム等が使用できる。
その中でも、透明性が高く、光学的に複屈折が少なく、製造が容易であり、偏光板の保護フィルムとして一般に用いられているセルロースアシレートフィルムが好ましく、セルローストリアセテートフィルムが特に好ましい。又、透明支持体の厚さは通常25μm〜1000μm程度とする。
酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。
セルロースアシレートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。
また、本発明に使用するセルロースアシレートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の値が1.0に近いこと、換言すれば分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好ましく、1.3〜1.65であることがさらに好ましく、1.4〜1.6であることが最も好ましい。
全体の置換度に対して6位の水酸基が32%以上アシル基で置換されていることが好ましく、更には33%以上、特に34%以上であることが好ましい。さらにセルロースアシレートの6位アシル基の置換度が0.88以上であることが好ましい。6位水酸基は、アセチル基以外に炭素数3以上のアシル基であるプロピオニル基、ブチロイル基、バレロイル基、ベンゾイル基、アクリロイル基などで置換されていてもよい。各位置の置換度の測定は、NMRによって求めることができる。
本発明ではセルロースアシレートとして、特開平11−5851号公報の段落「0043」〜「0044」[実施例][合成例1]、段落「0048」〜「0049」[合成例2]、段落「0051」〜「0052」[合成例3]に記載の方法で得られたセルロースアセテートを用いることができる。
本発明では、ポリエチレンテレフタレートフィルムも、透明性、機械的強度、平面性、耐薬品性および耐湿性共に優れており、その上安価であり好ましく用いられる。
透明プラスチックフィルムとその上に設けられるハードコート層との密着強度をより向上させるため、透明プラスチックフィルムは易接着処理が施されたされたものであることが更に好ましい。
市販されている光学用易接着層付きPETフィルムとしては東洋紡績社製コスモシャインA4100、A4300等が挙げられる。
本発明のフィルムは、上記の各種化合物を混合、塗設することによって得られるものであるが、次に、本発明のフィルムを構成する層について記載する。
防眩層は、本発明で規定される表面散乱による防眩性と、好ましくはフィルムの耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに寄与する目的で形成される。
本発明で用いることができる防眩層は好ましくはハードコート性を付与することのできるバインダー、防眩性を付与するための透光性粒子、および溶媒を必須成分として含有し、透光性粒子自体の突起あるいは複数の粒子の集合体で形成される突起によって表面の凹凸を形成されるものであることが好ましい。
マット粒子の分散によって形成される防眩層は、バインダーとバインダー中に分散された透光性粒子とからなる。防眩性を有する防眩層は、防眩性とハードコート性を兼ね備えていることが好ましい。
マット粒子の形状は、球形あるいは不定形のいずれも使用できる。
また、透光性粒子の密度は、好ましくは10〜1000mg/m2、より好ましくは100〜700mg/m2である。
ここで、前記透光性樹脂の屈折率は、アッベ屈折計で直接測定するか、分光反射スペクトルや分光エリプソメトリーを測定するなどして定量評価できる。前記透光性粒子の屈折率は、屈折率の異なる2種類の溶媒の混合比を変化させて屈折率を変化させた溶媒中に透光性粒子を等量分散して濁度を測定し、濁度が極小になった時の溶媒の屈折率をアッベ屈折計で測定することで測定される。
本発明のフィルムには、フィルムの物理的強度を付与するために、防眩層に加えてハードコート層を設けることができる。
好ましくは、その上に低屈折率層が設けられ、更に好ましくはハードコート層と低屈折率層の間に中屈折率層、高屈折率層が設けられ、反射防止フィルムを構成する。
ハードコート層は、二層以上の積層から構成されてもよい。
また、ハードコート層の強度は、鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
さらに、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。
光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
本発明のフィルムには、高屈折率層、中屈折率層を設け、反射防止性を高めることができる。
以下の本明細書では、この高屈折率層と中屈折率層を高屈折率層と総称して呼ぶことがある。なお、本発明において、高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層の「高」、「中」、「低」とは層相互の相対的な屈折率の大小関係を表す。また、透明支持体との関係で言えば屈性率は、透明支持体>低屈折率層、高屈折率層>透明支持体の関係を満たすことが好ましい。
また、本明細書では高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層を総称して反射防止層と総称して呼ぶことがある。
無機粒子の分散において、分散剤の存在下で分散媒体中に分散する。
このようにして作製した高屈折率層および中屈折率層のバインダーは、例えば、上記の好ましい分散剤と電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーとが、架橋または重合反応し、バインダーに分散剤のアニオン性基が取りこまれた形となる。さらに高屈折率層および中屈折率層のバインダーは、アニオン性基が無機粒子の分散状態を維持する機能を有し、架橋または重合構造がバインダーに皮膜形成能を付与して、無機粒子を含有する高屈折率層および中屈折率層の物理強度、耐薬品性、耐候性を改良する。
高屈折率層の上に低屈折率層を有する場合、高屈折率層の屈折率は透明支持体の屈折率より高いことが好ましい。
高屈折率層に、芳香環を含む電離放射線硬化性化合物、フッ素以外のハロゲン化元素(例えば、Br,I,Cl等)を含む電離放射線硬化性化合物、S,N,P等の原子を含む電離放射線硬化性化合物などの架橋または重合反応で得られるバインダーも好ましく用いることができる。
高屈折率層は、前記透明支持体上に直接、または、他の層を介して構築することが好ましい。
本発明のフィルムの反射率を低減するため、低屈折率層を用いる必要がある。
低屈折率層の厚さは、50〜200nmであることが好ましく、70〜100nmであることがさらに好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な低屈折率層の強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、光学フィルムの防汚性能を改良するために、表面の水に対する接触角が90度以上であることが好ましい。更に好ましくは95度以上であり、特に好ましくは100度以上である。
本発明においては、帯電防止層を設けることがフイルム表面での静電気防止の点で好ましい。帯電防止層を形成する方法は、例えば、導電性微粒子と反応性硬化樹脂を含む導電性塗工液を塗工する方法、或いは透明膜を形成する金属や金属酸化物等を蒸着やスパッタリングして導電性薄膜を形成する方法等の従来公知の方法を挙げることができる。導電性層 は、支持体に直接または支持体との接着を強固にするプライマー層を介して形成することができる。また、帯電防止層を反射防止膜の一部として使用することもできる。この場合、最表層から近い層で使用する場合には、膜の厚さが薄くても十分に帯電防止性を得ることができる
本発明の帯電防止層は、強度が優れており、具体的な帯電防止層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがより好ましく、3H以上であることがさらに好ましく、4H以上であることが最も好ましい。
本発明の最表面には防汚層を設けることができる。防汚層は反射防止層の表面エネルギーを下げ、親水性あるいは親油性の汚れを付きにくくするものである。
防汚層には含フッ素ポリマーや防汚剤を用いて形成することができる。
防汚層の厚さは2〜100nmであることが好ましく、5〜30nmであることがさらに好ましい。
透明支持体とハードコート層、または透明支持体と防眩層に実質的な屈折率差(屈折率差が0.03以上)がある場合、透明支持体/ハードコート層、または透明支持体/防眩界面で反射光が生じる。この反射光は反射防止層表面での反射光と干渉し、ハードコート層(または防眩層)の微妙な膜厚ムラに起因した干渉ムラを生じることがある。この様な干渉ムラを防止するために、例えば透明支持体とハードコート層(または防眩層)の間に中間の屈折率nPを有し、膜厚dPが下記式を満たす様な干渉ムラ防止層を設けることもできる。
但し、λは可視光の波長で450〜650nmの範囲の何れかの値、Nは自然数。
本発明のフィルムには易接着層を塗設することもできる。易接着層とは、例えば、偏光板用保護フィルムとその隣接層、あるいはハードコート層と支持体とを接着し易くする機能を付与する層のことをいう。
易接着処理としては、ポリエステル、アクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリエチレンイミン、シランカップリング剤等からなる易接着剤により透明プラスチックフィルム上に易接着層を設ける処理が挙げられる。
本技術にて好ましく用いられる易接着層の例としては、−COOM(Mは水素原子またはカチオンを表す)基を有する高分子化合物を含有する層を含むものであり、さらに好ましい態様はフィルム基材側に−COOM基を有する高分子化合物を含有する層を設け、それに隣接させて偏光膜側に親水性高分子化合物を主たる成分として含む層を設けたものである。ここでいう−COOM基を有する高分子化合物としては例えば−COOM基を有するスチレン−マレイン酸共重合体や−COOM基を有する酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸−無水マレイン酸共重合体などであり、特に−COOM基を有する酢酸ビニル−マレイン酸共重合体を用いると好ましい。このような高分子化合物を単独でまたは2種以上併用して用い、好ましい質量平均分子量としては500〜500,000程度のものであるとよい。−COOM基を有する高分子化合物の特に好ましい例は特開平6−094915号、特開平7−333436号各公報記載のものが好ましく用いられる。
易接着層の厚みとしては0.05〜1.0μmの範囲が好ましい。0.05μmより薄いと十分な接着性が得られ難く、また、1.0μmより厚いと接着性の効果は飽和する。
本技術のフィルムには、カール防止加工を施すこともできる。カール防止加工とは、これを施した面を内側にして丸まろうとする機能を付与するものであるが、この加工を施すことによって、透明樹脂フィルムの片面に何らかの表面加工をして、両面に異なる程度・種類の表面加工を施した際に、その面を内側にしてカールしようとするのを防止する働きをするものである。
カール防止層は基材の防眩層または反射防止層を有する側と反対側に設ける態様或いは、例えば透明樹脂フィルムの片面に易接着層を塗設する場合もあり、また逆面にカール防止加工を塗設するような態様が挙げられる。
本発明のフィルムには水吸収剤を使用することができる。水吸収剤は、アルカリ土類金属を中心に、水吸収機能を有する化合物から選択することができる。例えば、BaO、SrO、CaO、およびMgOなどが挙げられる。さらに、Ti、Mg、Ba、Caの様な金属元素から選択することもできる。これらの吸収剤粒子の粒子サイズは、好ましくは100nm以下であり、50nm以下で使用されるのがさらに好ましい。
これらの水吸収剤を含む層は前述のバリア層と同様に真空下蒸着法等を使って作成してもよいし、ナノ粒子を各種方法で作成して用いてもよい。層の厚みは1〜100nmが好ましく、1〜10nmがより好ましい。水吸収剤を含む層は、支持体と積層体(バリア層と有機層の積層体)の間、積層体の最上層、積層体の間、或いは、積層体中の有機層或いはバリア層中に添加されていてもよい。バリア層に添加する場合には共蒸着法を用いることが好ましい。
本発明のフィルムでは、支持体と積層体との間に、公知のプライマー層または無機薄膜層を設置することでガスバリアー性を高めたりすることができる。
プライマー層としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等を用いることが可能であるが、本発明においてはこのプライマー層として有機無機ハイブリッド層を、無機薄膜層として無機蒸着層またはゾルーゲル法による緻密な無機コーティング薄膜が好ましい。無機蒸着層としては、シリカ、ジルコニア、アルミナ等の蒸着層が好ましい。無機蒸着層は真空蒸着法、スパッタリング法等により形成することができる。
本発明のフィルムは以下の方法で形成することができるが、この方法に制限されない。
(1)連続して走行する、支持体を含むウェッブ上に、光重合開始剤A、光重合開始剤B、および電離放射線硬化性化合物を含む塗布液を塗布及び乾燥し、塗布層を形成する工程、
(2)前記ウェッブ上の塗布層に、酸素濃度15体積%以下の雰囲気下で電離放射線を0.5秒以上照射することにより、塗布層を硬化する工程(以後、(2)の塗布層を硬化する工程を「硬化工程」と称することもある)。
以下、上記の製造方法について説明する。
5−(1)塗布液の調製
まず、各層を形成するための成分を含有した塗布液が調製される。その際、溶剤の揮発量を最小限に抑制することにより、塗布液中の含水率の上昇を抑制できる。塗布液中の含水率は5%以下が好ましく、2%以下がより好ましい。溶剤の揮発量の抑制は、各素材をタンクに投入後の攪拌時の密閉性を向上すること、移液作業時の塗布液の空気接触面積を最小化すること等で達成される。また、塗布中、或いはその前後に塗布液中の含水率を低減する手段を設けてもよい。
本発明の塗布方式は液物性により塗布可能な上限の速度が大きく影響を受けるため、塗布する瞬間の液物性、特に粘度および表面張力を制御する必要がある。
粘度については2.0[mPa・sec]以下であることが好ましく、更に好ましくは1.5[mPa・sec]以下、最も好ましくは1.0[mPa・sec]以下である。塗布液によってはせん断速度により粘度が変化するものもあるため、上記の値は塗布される瞬間のせん断速度における粘度を示している。塗布液にチキソトロピー剤を添加して、高せん断のかかる塗布時は粘度が低く、塗布液にせん断が殆どかからない乾燥時は粘度が高くなると乾燥時のムラが発生しにくくなり、好ましい。
また、液物性ではないが、支持体に塗り付けられる塗布液の量も塗布可能な上限の速度に影響を与える。支持体に塗り付けられる塗布液の量は2.0〜5.0[cc/m2]であることが好ましい。支持体に塗り付けられる塗布液の量を増やすと塗布可能な上限の速度が上がるため好ましいが、支持体に塗り付けられる塗布液の量を増やしすぎると乾燥にかかる負荷が大きくなるため、液処方・工程条件によって最適な支持体に塗り付けられる塗布液の量を決めることが好ましい。
表面張力については、15〜36[mN/m]の範囲にあることが好ましい。レベリング剤を添加するなどして表面張力を低下させることは乾燥時のムラが抑止されるため好ましい。一方、表面張力が下がりすぎると塗布可能な上限の速度が低下してしまうため、17[mN/m]から32[mN/m]の範囲がより好まく、19[mN/m]から26[mN/m]の範囲が更に好ましい。
塗布に用いる塗布液は、塗布前に濾過することが好ましい。濾過のフィルターは、塗布液中の成分が除去されない範囲でできるだけ孔径の小さいものを使うことが好ましい。濾過には絶対濾過精度が0.1〜10μmのフィルターが用いられ、さらには絶対濾過精度が0.1〜5μmであるフィルターを用いることが好ましく用いられる。フィルターの厚さは、0.1〜10mmが好ましく、更には0.2〜2mmが好ましい。その場合、ろ過圧力は1.5MPa以下、より好ましくは1.0MPa以下、更には0.2MPa以下で濾過することが好ましい。
ろ過フィルター部材は、塗布液に影響を及ぼさなければ特に限定されない。具体的には、前記した無機化合物の湿式分散物のろ過部材と同様のものが挙げられる。
また、濾過した塗布液を、塗布直前に超音波分散して、脱泡、分散物の分散保持を補助することも好ましい。
本発明で使用する支持体は、塗布前に表面処理を施すことが好ましい。具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7−333433号公報に記載のように、下塗り層を設けることも好ましく利用される。
また、洗浄槽中にフィルムを導入し、超音波振動子により付着物を剥離させる方法、特公昭49−13020号公報に記載されているフィルムに洗浄液を供給したあと、高速空気の吹き付け、吸い込みを行なう方法、特開2001−38306号に記載のように、ウェブを液体でぬらしたロールで連続的に擦った後、擦った面に液体を噴射して洗浄する方法等の湿式除塵法を用いることができる。このような除塵方法の内、超音波除塵による方法もしくは湿式除塵による方法が、除塵効果の点で特に好ましい。
また、このような除塵工程を行う前に、フィルム支持体上の静電気を除電しておくことは、除塵効率を上げ、ゴミの付着を抑える点で特に好ましい。このような除電方法としては、コロナ放電式のイオナイザ、UV、軟X線等の光照射式のイオナイザ等を用いることができる。除塵、塗布前後のフィルム支持体の帯電圧は、1000V以下が望ましく、好ましくは300V以下、特に好ましくは、100V以下である。
本発明のフィルムを偏光板の保護フィルムとして使用する場合のようにセルロースアシレートフィルムを偏光膜と接着させる場合には、偏光膜との接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアシレートに対するケン化処理を実施することが特に好ましい。
接着性などの観点から、セルロースアシレートフィルムの表面エネルギーは、55mN/m以上であることが好ましく、60mN/m以上75mN/m以下であることが更に好ましく、上記表面処理により調整することができる。
本発明のフィルムの各層は以下の塗布方法により形成することができるが、この方法に制限されない。
ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(ダイコート法)(米国特許2681294号明細書参照)、マイクログラビアコート法等の公知の方法が用いられ、その中でもマイクログラビアコート法、ダイコート法が好ましい。
図6は本発明のフィルムを製造するために用いられるスロットダイを用いたコーターの断面図である。コーター10はバックアップロール11に支持されて連続走行するウェブWに対して、スロットダイ13から塗布液14をビード14aにして塗布することにより、ウェブW上に塗膜14bを形成する。
して、本発明のスロットダイ13では、下流側リップランド長さILOが短くされており、これによって、湿潤膜厚が20μm以下の塗布を精度良くおこなうことができる。
ウェブWの進行方向側とは反対側に、ビード14aに対して十分な減圧調整を行えるよう、接触しない位置に減圧チャンバー40を設置する。減圧チャンバー40は、その作動効率を保持するためのバックプレート40aとサイドプレート40bを備えており、バックプレート40aとウェブWの間、サイドプレート40bとウェブWの間にはそれぞれ隙間GB、GSが存在する。
減圧チャンバー40とウェッブWとの関係について図9及び図10を参照して説明する。図9及び図10は、近接している減圧チャンバー40とウェッブWを示す断面図である。
サイドプレート40bとバックプレート40aは図9のようにチャンバー40本体と一体のものであってもよいし、例えば、図10のように適宜隙間GBを変えられるようにバックプレート40aをチャンバー40にネジ40cなどで留められている構造でもよい。いかなる構造でも、バックプレート40aとウェッブWの間、サイドプレート40bとウェッブWの間に実際にあいている部分を、それぞれ隙間GB、GSと定義する。減圧チャンバー40のバックプレート40aとウェッブWとの隙間GBとは、減圧チャンバー40を図8のようにウェッブW及びスロットダイ13の下方に設置した場合、バックプレート40aの最上端からウェッブWまでの隙間を示す。
本発明のフィルムは、支持体上に直接または他の層を介して塗布された後、溶剤を乾燥するために加熱されたゾーンにウェブで搬送されることが好ましい。
溶剤を乾燥する方法としては、各種の知見を利用することができる。具体的な知見としては特開2001−286817号、同2001−314798号、同2003−126768号、同2003−315505号、同2004−34002号などが挙げられる。
乾燥ゾーンの温度は25℃〜140℃が好ましく、乾燥ゾーンの前半は比較的低温であり、後半は比較的高温であることが好ましい。但し、各層の塗布組成物に含有される溶剤以外の成分の揮発が始まる温度以下であることが好ましい。例えば、紫外線硬化樹脂と併用される市販の光ラジカル発生剤のなかには120℃の温風中で数分以内にその数10%前後が揮発してしまうものもあり、また、単官能、2官能のアクリレートモノマー等は100℃の温風中で揮発が進行するものもある。そのような場合には、前記のように各層の塗布組成物に含有される溶剤以外の成分の揮発が始まる温度以下であることが好ましい。
また、各層の塗布組成物を支持体上に塗布した後、乾燥ゾーン内で支持体の塗布面とは反対の面に接触する搬送ロールと支持体との温度差が0℃〜20℃以内とすると、搬送ロール上での伝熱ムラによる乾燥ムラが防止でき、好ましい。
電離放射線の照射は、酸素濃度は15体積%以下の雰囲気下で行なうことが好ましい。より好ましくは10体積%以下であり、更に好ましくは5.0体積%以下である。酸素濃度が5体積%以下の雰囲気で電離放射線硬化性化合物の架橋反応、または、重合反応により形成することが好ましく、更に好ましくは酸素濃度が4体積%以下、特に好ましくは酸素濃度が2体積%以下、最も好ましくは1体積%以下である。しかし、必要以上に酸素濃度を低減するためには、不活性ガスの多量の使用量が必要であり、製造コストの観点から好ましくない。
酸素濃度を低下させる手段としては、大気(窒素濃度約79体積%、酸素濃度約21体積%)を別の不活性気体で置換することが好ましく、特に好ましくは窒素で置換(窒素パージ)することである。
本発明では、ウェッブ上の塗布層に、酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で電離放射線を0.5秒以上の間照射することによって塗布層の硬化を行なうことが好ましい。照射時間は照射開始から0.7秒以上60秒以下が好ましく、0.7秒以上10秒以下がより好ましい。0.5秒未満では、硬化反応が完了することができず、十分な硬化を行うことができない。
尚、本明細書中、「ウェッブ」とは、支持体自体であっても、支持体上に層を形成したものであってもよい。
特に最外層であり、且つ、膜厚が薄い低屈折率層がこの方法で硬化されることが好ましい。
前室を設けて、事前にウェッブの塗布層表面の酸素を排除することで、反応室の低酸素濃度を維持することが可能となり、より硬化を効率よく進めることができる。
しかし、ウェッブを連続製造するには、ウェッブを接合して繋げていく必要があり、接合には接合テープなどで貼る方法が広く用いられている。このため、反応室または前室の入り口とウェッブ上の塗布層表面とのギャップをあまり狭くすると、接合テープなどの接合部材が引っかかる問題が生じる。このためギャップを狭くするためには、反応室または前室の入り口面の少なくとも一部を可動とし、接合部が入るときは接合厚み分だけギャップを広げるのが好ましい。この実現のためには、(1)反応室または前室の入り口面を進行方向前後に可動にしておき、接合部が通過する際に前後に動いてギャップを広げる方法(図12参照)や、(B)反応室または前室の入り口面をウェッブ面に対し、垂直方向に可動にし、接合部が通過する際に上下に動いてギャップを広げる方法(図13参照)などが挙げられる。
図11は、本発明の反応室及び前室を具備した製造装置の模式図である。
図12は、本発明の反応室及び前室を具備した製造装置のウェッブ入り口面の装置動作の一例を示した側面図であり、上記(A)の態様を示す。図12の構成を有する装置は、ウェッブ搬送時に、ウェッブを接合して繋げる接合部材が前室入り口に進入する前に、センサで接合部材を検知し、制御部(図示せず)を通して該センサと連動して作動する前室のウェッブ入り口面の少なくとも一部に取り付けれらたエアシリンダによって、入り口面をウェッブの進行方向前後に動かせるようにしたものであり、これにより接合部材の厚み分を逃げることができるものである。
この場合、少なくとも2回の電離放射線照射が、連続した酸素濃度5体積%以下、より好ましくは連続した酸素濃度3体積%以下の反応室で行われることが好ましい。複数回の電離放射線照射を同一の低酸素濃度の反応室で行なうことにより、硬化に必要な反応時間を有効に確保することができる。特に高生産性のため製造速度を上げた場合には、硬化反応に必要な電離放射線のエネルギーを確保するために複数回の電離放射線照射が必要となり、硬化反応に必要な反応時間の確保とあわせ、上記の態様が有効である。
「連続した反応室」とは、酸素濃度5体積%以下の反応室内で少なくとも2回の電離放射線照射を行なう態様や、酸素濃度5体積%以下の反応室を少なくとも2室以上設け、反応室の間を酸素濃度5体積%以下の低酸素ゾーンとする態様等がある。後者の場合には各々の反応室は、酸素濃度5体積%以下であれば、酸素濃度が異なっていてもよい。
紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプまたはシンクロトロン放射光等も用いることができる。このうち、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプを好ましく利用できる。
この時の塗布層表面温度は好ましくは70℃以上120℃以下であり、80℃以上115℃以下であることが最も好ましい。
本発明のフィルムを連続的に製造するために、ロール状の支持体フィルムを連続的に送り出す工程、塗布液を塗布・乾燥する工程、塗膜を硬化する工程、硬化した層を有する支持体フィルムを巻き取る工程が行われる。
ロール状のフィルム支持体からフィルム支持体がクリーン室に連続的に送り出され、クリーン室内で、フィルム支持体に帯電している静電気を静電除電装置により除電し、引き続きフィルム支持体上に付着している異物を、除塵装置により除去する。引き続きクリーン室内に設置されている塗布部で塗布液がフィルム支持体上に塗布され、塗布されたフィルム支持体は乾燥室に送られて乾燥される。
乾燥した塗布層を有するフィルム支持体は乾燥室から硬化室へ送り出され、塗布層に含有されるモノマーが重合して硬化する。さらに、硬化した層を有するフィルム支持体は硬化部へ送られ硬化を完結させ、硬化が完結した層を有するフィルム支持体は巻き取られてロール状となる。
本発明のフィルムを2枚の偏光膜の表面保護フィルムの内の一方として用いて偏光板を作成する際には、偏光膜と貼り合わせる側の表面を親水化することで、接着面における接着性を改良することが好ましい。
アルカリ液の中にフィルムを適切な条件で浸漬して、フィルム全表面のアルカリと反応性を有する全ての面を鹸化処理する手法であり、特別な設備を必要としないため、コストの観点で好ましい。アルカリ液は、水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましい。好ましい濃度は0.5〜3mol/Lであり、特に好ましくは1〜2mol/Lである。好ましいアルカリ液の液温は30〜75℃、特に好ましくは40〜60℃である。
前記の鹸化条件の組合せは比較的穏和な条件同士の組合せであることが好ましいが、フィルムの素材や構成、目標とする接触角によって設定することができる。
アルカリ液に浸漬した後は、フィルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする接着層との接着性を改良するのに有効である。
鹸化処理は、塗布層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が低いほど、偏光膜との接着性の観点では好ましいが、一方、浸漬法では同時に塗布層を有する表面から内部までアルカリによるダメージを受ける為、必要最小限の反応条件とすることが重要となる。アルカリによる各層の受けるダメージの指標として、反対側の表面の透明支持体の水に対する接触角を用いた場合、特に透明支持体がトリアセチルセルロースであれば、好ましくは10度〜50度、より好ましくは30度〜50度、さらに好ましくは40度〜50度となる。50度以上では、偏光膜との接着性に問題が生じる為、好ましくない。一方、10度未満では、フィルムが受けるダメージが大きすぎる為、物理強度を損ない、好ましくない。
上述の浸漬法における各膜へのダメージを回避する手段として、適切な条件でアルカリ液を塗布層を有する表面と反対側の表面のみに塗布、加熱、水洗、乾燥するアルカリ液塗布法が好ましく用いられる。なお、この場合の塗布とは、鹸化を行う面に対してのみアルカリ液などを接触させることを意味し、塗布以外にも噴霧、液を含んだベルト等に接触させる、などによって行われることも含む。これらの方法を採ることにより、別途、アルカリ液を塗布する設備、工程が必要となるため、コストの観点では(1)の浸漬法に劣る。一方で、鹸化処理を施す面にのみアルカリ液が接触するため、反対側の面にはアルカリ液に弱い素材を用いた層を有することができる。例えば、蒸着膜やゾル−ゲル膜では、アルカリ液によって、腐食、溶解、剥離など様々な影響が起こるため、浸漬法では設けることが望ましくないが、この塗布法では液と接触しないため問題なく使用することが可能である。
前記(2)と同様に、塗布層がアルカリ液に対する耐性が不足している場合に、最終層まで形成した後に該最終層を形成した面にラミネートフィルムを貼り合せてからアルカリ液に浸漬することで最終層を形成した面とは反対側のトリアセチルセルロース面だけを親水化し、然る後にラミネートフィルムを剥離することができる。この方法でも、塗布層へのダメージなしに偏光板保護フィルムとして必要なだけの親水化処理をトリアセチルセルロースフィルムの最終層を形成した面とは反対の面だけに施すことができる。前記(2)の方法と比較して、ラミネートフィルムが廃棄物として発生する半面、特別なアルカリ液を塗布する装置が不要である利点がある。
下層層まではアルカリ液に対する耐性があるが、上層のアルカリ液に対する耐性不足である場合には、下層まで形成後にアルカリ液に浸漬して両面を親水化処理し、然る後に上層を形成することもできる。製造工程が煩雑になるが、たとえば防眩層とフッ素含有ゾルーゲル膜の低屈折率層とからなるフィルムにおいて、親水基を有する場合には防眩層と低屈折率層との層間密着性が向上する利点がある。
トリアセチルセルロースフィルムを予めアルカリ液に浸漬するなどして鹸化し、何れか一方の面に直接または他の層を介して塗布層を形成してもよい。アルカリ液に浸漬して鹸化する場合には、鹸化により親水化されたトリアセチルセルロース面との層間密着性が悪化することがある。そのような場合には、鹸化後、塗布層を形成する面だけにコロナ放電、グロー放電等の処理をすることで親水化面を除去してから塗布層を形成することで対処できる。また、塗布層が親水性基を有する場合には層間密着が良好なこともある。
本発明のフィルムは、偏光膜およびその片側ないし両側に配置された保護フィルムとして使用することができる。
一方の保護フィルムとして、本発明のフィルムを用いる、他方の保護フィルムは、通常のセルロースアセテートフィルムを用いてもよいが、上述の溶液製膜法で製造され、且つ10〜100%の延伸倍率でロールフィルム形態における巾方向に延伸したセルロースアセテートフィルムを用いることが好ましい。
更には、本発明の偏光板において、片面が反射防止フィルムであるのに対して他方の保護フィルムが液晶性化合物からなる光学異方性層を有する光学補償フィルムであることが好ましい。
反射防止フィルムの透明支持体やセルロースアセテートフィルムの遅相軸と偏光膜の透過軸とは、実質的に平行になるように配置する。
保護フィルムの透湿性は、透明支持体やポリマーフィルム(および重合性液晶化合物)の厚み、自由体積、親疎水性、等により決定される。
本発明のフィルムを偏光板の保護フィルムとして用いる場合、透湿性は100〜1000g/m2・24hrsであることが好ましく、300〜700g/m2・24hrsであることが更に好ましい。
透明支持体の厚みは、製膜の場合、リップ流量とラインスピード、あるいは、延伸、圧縮により調整することができる。使用する主素材により透湿性が異なるので、厚み調整により好ましい範囲にすることが可能である。
透明支持体の自由体積は、製膜の場合、乾燥温度と時間により調整することができる。
この場合もまた、使用する主素材により透湿性が異なるので、自由体積調整により好ましい範囲にすることが可能である。
透明支持体の親疎水性は、添加剤により調整することが出来る。上記自由体積中に親水的添加剤を添加することで透湿性は高くなり、逆に疎水性添加剤を添加することで透湿性を低くすることができる。
上記透湿性を独立に制御することにより、光学補償能を有する偏光板を安価に高い生産性で製造することが可能となる。
即ち、連続的に供給されるポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸した偏光膜で、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内であり、フィルム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するようにフィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に45°傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。
偏光子の2枚の保護フィルムのうち、反射防止フィルム以外のフィルムが、光学異方層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであることも好ましい。光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。
光学補償フィルムとしては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されている光学補償フィルムが好ましい。
本発明のフィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に用いられる。本発明に従う光学フィルターは、プラズマディスプレイパネル(PDP)または陰極管表示装置(CRT)など公知のディスプレー上に用いることが出来る。
本発明のフィルム、偏光板は、液晶表示装置等の画像表示装置に有利に用いることができ、ディスプレイの最表層に用いることが好ましい。
液晶表示装置は、液晶セルおよびその両側に配置された二枚の偏光板を有し、液晶セルは、二枚の電極基板の間に液晶を担持している。さらに、光学異方性層が、液晶セルと一方の偏光板との間に一枚配置されるか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間に二枚配置されることもある。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60〜120゜にねじれ配向している。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of Tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルであり、米国特許第4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードと呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
IPSモードの液晶セルは、ネマチック液晶に横電界をかけてスイッチングする方式であり、詳しくはProc.IDRC(Asia Display ’95),p.577−580および同p.707−710に記載されている。
ECBモードの液晶セルは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向している。ECBモードは、最も単純な構造を有する液晶表示モードの一つであって、例えば特開平5−203946号公報に詳細が記載されている。
<PDP>
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、一般に、ガス、ガラス基板、電極、電極リード材料、厚膜印刷材料、蛍光体により構成される。ガラス基板は、前面ガラス基板と後面ガラス基板の二枚である。二枚のガラス基板には電極と絶縁層を形成する。後面ガラス基板には、さらに蛍光体層を形成する。二枚のガラス基板を組み立てて、その間にガスを封入する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、既に市販されている。プラズマディスプレイパネルについては、特開平5−205643号、同9−306366号の各公報に記載がある。
プラズマディスプレイパネルのような画像表示装置では、光学フィルターをディスプレイ表面に直接貼り付けることができる。また、ディスプレイの前に前面板が設けられている場合は、前面板の表側(外側)または裏側(ディスプレイ側)に光学フィルターを貼り付けることもできる。
本発明のフィルムは、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載されるタッチパネルなどに応用することができる。
本発明のフィルムは、有機EL素子等の基板(基材フィルム)や保護フィルムとして用いることができる。
本発明のフィルムを有機EL素子等に用いる場合には、特開平11−335661号、特開平11−335368号、特開2001−192651号、特開2001−192652号、特開2001−192653号、特開2001−335776号、特開2001−247859号、特開2001−181616号、特開2001−181617号、特開2002−181816号、特開2002−181617号、特開2002−056976号等の各公報記載の内容を応用することができる。また、特開2001−148291号、特開2001−221916号、特開2001−231443号の各公報記載の内容と併せて用いることが好ましい。
以下に本発明に関する各種測定法と、好ましい特性値を示す。
7−(1)反射率
鏡面反射率および色味の測定は、分光光度計“V−550”[日本分光(株)製]にアダプター“ARV−474”を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における出射角−5゜の鏡面反射率を測定し、450〜650nmの平均反射率を算出し、反射防止性を評価することができる。
本発明の防眩性反射防止フィルムは、鏡面反射率2.0%以下、透過率90%以上とするのが、外光の反射を抑制でき、視認性が向上するため、好ましい。鏡面反射率は1.5%以下が特に好ましく、3−d記載のような層構成を用いることにより反射率を1.0%以下とすることが最も好ましい。
本発明の反射防止能付き偏光板は、CIE標準光源D65の、波長380nmから780nmの領域における入射角5゜の入射光に対して、正反射光の色味、すなわちCIE1976L*a*b*色空間のL*、a*、b*値を求めることで色味を評価することができる。
L*、a*、b*値は、それぞれ3≦L*≦20、−7≦a*≦7、且つ、−10≦b*≦10の範囲内であることが好ましい。この範囲とすることで、従来の偏光板で問題となっていた赤紫色から青紫色の反射光の色味が低減され、さらに3≦L*≦10、0≦a*≦5、且つ、−7≦b*≦0の範囲内とすることで大幅に低減され、液晶表示装置に適用した場合、室内の蛍光灯のような、輝度の高い外光が僅かに映り込んだ場合の色味がニュートラルで、気にならない。詳しくはa*≦7であれば赤味が強くなりすぎることがなく、a*≧−7であればシアン味が強くなりすぎることがなく好ましい。またb*≧−7であれば青味が強くなりすぎることがなく、b*≦0であれば黄味が強くなりすぎることがなく好ましい。
数式(22):ΔEw=[(ΔLw)2+(Δaw)2+(Δbw)2]1/2
ここで、ΔLw,Δaw,Δbwは、耐候性試験前後のL*値,a*値,b*値それぞれの変化量である。
透過画像鮮明度は、JIS−K7105に従い、スガ試験機(株)製の写像性測定器(ICM−2D型)にて、スリット幅が0.5mmの光学櫛を用いて測定できる。
中心線平均粗さ(Ra)の測定は、JIS−B0601に準じて行なうことができる。
本発明の反射防止フィルムは、その表面凹凸形状として、中心線平均粗さRaが0.08〜0.30μm、10点平均粗さRzがRaの10倍以下、平均山谷距離Smが1〜100μm、凹凸最深部からの凸部高さの標準偏差が0.5μm以下、中心線を基準とした平均山谷距離Smの標準偏差が20μm以下、傾斜角0〜5度の面が10%以上となるように設計するのが、十分な防眩性と目視での均一なマット感が達成されるので、好ましい。Raが0.08未満では充分な防眩性が得られず、0.30を超えるとギラツキ、外光が反射した際の表面の白化等の問題が発生する。
本発明のフィルムのヘイズはJIS−K7105に規定されたヘーズ値のことであり、JIS−K7361−1で規定された測定法に基づき、日本電色工業(株)製の濁度計「NDH−1001DP」を用いて測定したヘイズ=(拡散光/全透過光)×100(%)として自動計測される。
(1)JIS−K7136に準じてフィルムの全ヘイズ値(H)を測定する。
(2)フィルムの低屈折率層側の表面および裏面にシリコーンオイルを数滴添加し、厚さ1mmのガラス板(ミクロスライドガラス品番S 9111、MATSUNAMI製)を2枚用いて裏表より挟んで、完全に2枚のガラス板とフィルムを光学的に密着させ、表面ヘイズを除去した状態でヘイズを測定し、別途測定したガラス板2枚の間にシリコーンオイルのみを挟みこんで測定したヘイズを引いた値をフィルムの内部ヘイズ(Hi)として算出する。
(3)上記(1)で測定した全ヘイズ(H)から上記(2)で算出した内部ヘイズ(Hi)を引いた値をフィルムの表面ヘイズ(Hs)として算出する。
<スチールウール耐傷性評価>
ラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテストをおこなうことで、耐擦傷性の指標とすることが出来る。
評価環境条件:25℃、60%RH
こすり材:スチールウール(日本スチールウール(株)製、ゲレードNo.0000) 試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)に巻いて、バンド固定。
移動距離(片道):13cm、
こすり速度:13cm/秒、
荷重:500g/cm2、および200g/cm2
先端部接触面積:1cm×1cm、こすり回数:10往復。
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、こすり部分の傷を反射光で目視観察したり、擦った部分以外との反射光量との差によって評価する。
ラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテストをおこなうことで、耐擦傷性の指標とすることが出来る。
評価環境条件:25℃、60%RH
こすり材:プラスチック消しゴム((株)トンボ鉛筆性 MONO)
試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)に固定
移動距離(片道):4cm、
こすり速度:2cm/秒、
荷重:500g/cm2
先端部接触面積:1cm×1cm、
こすり回数:100往復。
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、こすり部分の傷を反射光で目視観察したり、擦った部分以外との反射光量との差によって評価する。
JIS―K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量から擦傷性を評価することができる。
この摩耗量が少ないほど好ましい。
<鉛筆硬度>
本発明のフィルムの強度は、JIS―K5400に従う鉛筆硬度試験で評価することが出来る。
鉛筆硬度はH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
本発明における表面弾性率は微小表面硬度計((株)フィッシャー・インスツルメンツ製:フィッシャースコープH100VP−HCU)を用いて求めた値である。具体的には、ダイヤモンド製の四角錐圧子(先端対面角度;136°)を使用し、押し込み深さが1μmを超えない範囲で、適当な試験荷重下での押し込み深さを測定し、除荷重時の荷重と変位の変化から求められる弾性率である。
また、前述の微小表面硬度計を用いて表面硬度をユニバーサル硬度として求めることもできる。ユニバーサル硬度は四角錐圧子の試験荷重下での押し込み深さを測定し、試験荷重をその試験荷重で生じた圧痕の幾何学的形状から計算される圧痕の表面積で割った値である。上記の表面弾性率とユニバーサル硬度の間には、正の相関を有することが知られている。
架橋性ポリマーの他に必要な触媒や架橋剤、重合開始剤等を含んだ固形分濃度約25%の塗布液を硬化後の膜厚が約20〜30μmになるように適切なバーコーターを選択してTOSHINRIKO.CO.LTD製、(26mm×76mm×1.2mm)みがきスライドガラス板上に塗布する。架橋性ポリマーが熱硬化性の場合には膜が十分硬化される熱硬化条件をあらかじめ求めておき(一例として125℃10分)、架橋性ポリマーが電離放射線硬化性の場合にも同様に膜が十分硬化される硬化条件をあらかじめ求めておく(一例として酸素濃度12ppm、UV照射量750mJ/cm2)。それぞれの膜に対して荷重を0から4mNまで連続的に増加させ、基材のガラス板硬度の影響がでない1/10膜厚を最大として円錐ダイヤモンド圧子を押し込んだ際の各荷重Fに対する窪み面積A(mm2)から求めたF/AのN=6測定平均値からユニバーサル硬度を算出する。
また、特開2004−354828記載のナノインデンテーションによって表面硬度をもとめることができ、この場合の硬度としては2GPa〜4GPa、ナノインデンテーション弾性率は10GPa〜30GPaであることが好ましい。
<マジック拭き取り性>
フィルムをガラス面上に粘着剤で固定し、25℃60RH%の条件下で黒マジック「マッキー極細(商品名:ZEBRA製)」のペン先(細)にて直径5mmの円形を3周書き込み、5秒後に10枚重ねに折り束ねたベンコット(商品名、旭化成(株))でベンコットの束がへこむ程度の荷重で20往復拭き取る。マジック後が拭き取りで消えなくなるまで前記の書き込みと拭き取りを前記条件で繰り返し、拭き取りできた回数により防汚性を評価することが出来る。
消えなくなるまでの回数は5回以上であることが好ましく、10回以上であることが更に好ましい。
接触角計[“CA−X”型接触角計、協和界面科学(株)製]を用い、乾燥状態(20℃/65%RH)で、液体として純水を使用して直径1.0mmの液滴を針先に作り、これをフィルムの表面に接触させてフィルム上に液滴を作った。フィルムと液体とが接する点における、液体表面に対する接線とフィルム表面がなす角で、液体を含む側の角度を接触角とする。
本発明のフィルムの接触角は純水に対して94度以上であることが好ましく。97度以上であることがさらに好ましく、101度以上であることが最も好ましい。
表面エネルギーは、「ぬれの基礎と応用」,リアライズ社,1989.12.10発行に記載のように接触角法、湿潤熱法、および吸着法により求めることができる。本発明のフィルムの場合、接触角法を用いることが好ましい。
具体的には、表面エネルギーが既知である2種の溶液をセルロースアシレートフィルム
に滴下し、液滴の表面とフィルム表面との交点において、液滴に引いた接線とフィルム表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算によりフィルムの表面エネルギーを算出できる。
a.1+cosθH2O=
2√γsd(√γH2O d/γH2O v)+2√γsh(√γH2O h/γH2O v)
b.1+cosθCH2I2=
2√γsd(√γCH2I2 d/γCH2I2 v)+2√γsh(√γCH2I2 h/γCH2I2 v)
γH2O d=21.8、γH2O h=51.0、γH2O v=72.8、
γCH2I2 d=49.5、γCH2I2 h=1.3、γCH2I2 v=50.8
で、接触角の測定はフィルムを25℃60%の条件下で1時間以上調湿した後に、協和界面科学(株)製、自動接触角計CA−V150型を用いて2μlの液滴をフィルム上に滴下してから30秒後に接触角を求めた。
カールの測定は、JIS―K7619−1988の「写真フィルムのカールの測定法」中の方法Aのカール測定用型板を用いて行われる。
測定条件は25℃、相対湿度60%、調湿時間10時間である。
本発明におけるフィルムは、カールを以下の数式で表したときの値が、マイナス15〜プラス15の範囲に入っていることが好ましく、マイナス12〜プラス12の範囲がより好ましく、さらに好ましくはマイナス10〜プラス10である。このときのカールの試料内測定方向は、ウェッブ形態での塗布の場合、基材の搬送方向について測ったものである。
(数式) カール=1/R Rは曲率半径(m)
これは、フィルムの製造、加工、市場での取り扱いで、ひび割れ、膜はがれを起こさないための重要な特性である。カール値が前記範囲にあり、カールが小さいことが好ましい。
ここで、カールがプラスとはフィルムの塗設側が湾曲の内側になるカールを言い、マイナスとは塗設側が湾曲の外側になるカールをいう。
フィルムの層間、あるいは支持体と塗布層との密着性は以下の方法により評価することが出来る。
塗布層を有する側の表面にカッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを1mm間隔で入れて合計100個の正方形の升目を刻み、日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ(NO.31B)を圧着し、24時間放置後引き剥がす試験を同じ場所で繰り返し3回行い、剥がれの有無を目視で観察する。
耐ひび割れ性は、フィルムの塗布、加工、裁断、粘着剤の塗布、種々の物体への貼りつけ等のハンドリングで割れ欠陥を出さないための重要な特性である。
フィルム試料を35mm×140mmに切断し、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間放置した後、筒状に丸めたときにひび割れが発生し始める曲率直径を測定し、表面のひび割れを評価することができる。
本発明のフィルムをモニターに張り付け、モニター表面に塵埃(布団、衣服の繊維屑)を振りかけ、クリーニングクロスで塵埃を拭き取り、塵埃除去性を評価することができる。
6回の拭取りで完全に取除けることが好ましく、3回以内の拭き取りで塵埃が完全に取り除けることが更に好ましい。
以下に、本発明のフィルムを表示装置上に用いたときの特性の評価方法と好ましい状況について記載する。
TN型液晶セルを使用した液晶表示装置(TH−15TA2、松下電器産業(株)製)に設けられている視認側の偏光板を剥がし、代わりに本発明のフィルムあるいは偏光板を、塗布面が視認側に、且つ偏光板の透過軸が製品に貼られていた偏光板と一致するように粘着剤を介して貼り付ける。500luxの明室にて、液晶表示装置を黒表示にして、種々の視角から目視により以下の各種特性を評価することができる。
作成した液晶表示装置を用いて、黒表示(L1)時のムラや色味変化を複数の観察者により目視評価する。
10人が評価し、ムラ、左右色味変化、温湿度による色味変化、白ボケを認識できるものが3人以下であることが好ましく、1人も認識できないことがより好ましい。
また、外光の映り込みは蛍光灯を用いて行い、目視にて映り込みの変化を相対的に評価することができる。
液晶表示装置正面からの方位方向45゜、極角方向70゜における黒表示の光漏れ率を測定する。光漏れ率が0.4%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましい。
コントラストおよび視野角は、測定機(“EZ−Contrast 160D”ELDIM社製)を用いて、コントラスト比および左右方向(セルのラビング方向と直交方向)の視野角(コントラスト比が10以上となる角度範囲の広さ)を調べることができる。
以下に、実施例に基づき本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記の実施例、合成例中、特に断らない限り%および部は質量基準である。
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、メチルエチルケトン120部、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM―5103、信越化学工業(株)製)100部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート3部を加え混合したのち、イオン交換水30部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、ゾル液aを得た。質量平均分子量は1600であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。固形分の濃度が29%になるようにメチルエチルケトンで調節してゾル液aとした。
中空シリカ微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、触媒化成工業(株)製CS60−IPA、平均粒子径60nm、シェル厚み10nm、シリカ濃度20%、シリカ粒子の屈折率1.31)500部に、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン30.5部、およびジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.51部加え混合した後に、イオン交換水9部を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8部を添加し、分散液を得た。その後、シリカの含率がほぼ一定になるようにシクロヘキサノンを添加しながら、圧力30Torrで減圧蒸留による溶媒置換を行い、最後に濃度調整により固形分濃度18.2%の分散液を得た。得られた分散液のIPA残存量をガスクロマトグラフィーで分析したところ0.5%以下であった。
含フッ素共重合体P−1(重量平均分子量約50000)をメチルイソブチルケトンに7質量%の濃度になるように溶解し、光重合開始剤I−1を含フッ素共重合体P−1対して2%、光重合開始剤イルガキュア907(商品名)を含フッ素共重合体P−1に対して3%を加えて低屈折率層用塗布液を調製した。
表1に示す各成分を混合し、硬化性組成物(LL−101)と同様にして硬化組成物(LL102〜LL113)を調整した。表1中の( )内は各成分の固形分の質量部を表す。
「MEK−ST-L」:日産化学工業(株)製コロイダルシリカ平均粒子サイズ10〜15nm、
「中空シリカ」:実施例1で合成した中空シリカ分散液、
「X−22−164C」:信越化学工業(株)製
“PET−30” 50.0g
「イルガキュア184」 2.0g
“SX−350”(30%) 1.5g
架橋アクリル−スチレン粒子(30%) 13.9g
“KBM−5103” 10.0g
トルエン 38.5g
“PET−30”:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物{日本化薬(株)製}
「イルガキュア184」:重合開始剤{チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製}
“SX−350”:平均粒径3.5μm架橋ポリスチレン粒子{屈折率1.60、綜研化学(株)製、30%トルエン分散液。ポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散後使用}。
架橋アクリル−スチレン粒子:平均粒径3.5μm{屈折率1.55、綜研化学(株)製、30%トルエン分散液。ポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散後使用}。
“KBM−5103”:アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン{信越化学工業(株)製}。
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム“TAC−TD80U”{富士写真フイルム(株)製}をロール形態で巻き出して、直接、上記の防眩層用塗布液(HCL−101)を、線数180本/in、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下酸素濃度0.1体積%で160W/cmの「空冷メタルハライドランプ」{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照度400mW/cm2、照射量100mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmの層を形成し、巻き取った。このようにして作製して得られた防眩層(HC−101)の表面粗さは、Ra=0.18μm、Rz=1.40μm、表面ヘイズは12%、内部ヘイズは29%であった。尚、これらは本文記載の方法により測定した。
[反射防止フィルム102〜113の作製]
反射防止フィルム(101)の作製において、硬化性組成物(LL−101)を用いる代わりに、(LL−102)〜(LL−113)を用いること以外は反射防止フィルム101と同様にしてにより反射防止フィルム102〜113を作製した。
得られた反射防止フィルムは、以下の鹸化標準条件で処理・乾燥した。
アルカリ浴:1.5mol/dm3水酸化ナトリウム水溶液、55℃−120秒。
第1水洗浴:水道水、60秒。
中和浴:0.05mol/dm3硫酸、30℃−20秒。
第2水洗浴:水道水、60秒。
乾燥:120℃、60秒。
このようにして得られた、鹸化済みの反射防止フィルムを用いて以下の評価を行った。
本文記載の方法により450〜650nmの平均反射率を用いた。偏光板に加工されている試料は、偏光板形態のものをそのまま用い、フィルムそのものや偏光板を使用しない形態の表示装置の場合には、反射防止フィルムの裏面を粗面化処理した後、黒色のインクで光吸収処理(380〜780nmにおける透過率が10%未満)を行い、黒色の台上にて測定した。
本文記載の方法により試験し、こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、こすり部分の傷を、以下の基準で評価した。ただし、荷重は500g/cm2、こすり回数は20回とした。
○ :非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
○△:非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
△ :弱い傷が見える。
△×:中程度の傷が見える。
× :一目見ただけで分かる傷がある。
本文記載の方法により試験し、こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、こすり部分の傷を、以下の基準で評価した。ただし、荷重は500g/cm2、こすり回数は200回とした。
○ :非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
○△:非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
△ :弱い傷が見える。
△×:中程度の傷が見える。
× :一目見ただけで分かる傷がある。
××:一面膜が傷ついている。
各フィルム試料を温度25℃、湿度60%RHの条件で2時間調湿した。各試料の反射防止膜を有する側の表面を、カッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを入れて合計100個の正方形の升目を刻み、その升目が刻まれた箇所について、日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ"NO.31B"を用いて密着試験を繰り返し3回行った。剥がれの有無を目視で観察し、下記の4段階評価を行った。
○ :100升において剥がれが全く認められなかったもの。
△ :100升において剥がれが認められたものが2升以内のもの。
△×:100升において剥がれが認められたものが10〜3升のもの。
× :100升において剥がれが認められたものが10升をこえたもの。
(低屈折率層用塗布液(LL−201)の調製)
メチルエチルケトン500部に対して、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物“DPHA”{日本化薬(株)製}40.5部、末端メタクリレート基含有シリコーン“RMS−033”(Gelest社製)3.0部、光ラジカル発生剤「イルガキュア1870」{チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製}3.0部、“F3035”{日本油脂(株)製}3.0部を加えて溶解した。その後に、平均粒子サイズ10〜15nmのコロイダルシリカMEK−ST-L(日産化学工業(株)製)を固形分として45.5部、ゾル液aを固形分として5.0部添加した。塗布液全体の固形分濃度が6%になり、シクロヘキサンとメチルエチルケトンの比率が15対85になるようにシクロヘキサン、メチルエチルケトンで希釈して低屈折率層用塗布液(LL−201)を調製した。
表3に示す各成分を混合し、硬化性組成物(LL−201)と同様にして硬化組成物(LL202〜LL211)を調整した。表3中の( )内は各成分の固形分の質量部を表す。
実施例1で得られた防眩層の上に、上記低屈折率層用塗布液(LL−201〜LL−211)を実施例1と同様にして塗布を行い、反射防止フィルム201〜211を作製した。
[反射防止フィルムの評価]
このようにして得られた、反射防止フィルムを実施例1と同様に鹸化処理を行い、評価した。
(防眩層用塗布液(HCL−301)の調製)
PET−30 [日本化薬(株)製]285.0gをメチルイソブチルケトン175.0gで希釈した。更に、光重合開始剤イルガキュア184をPET−30に対し5%添加し、混合攪拌した後、エアーディスパーにて120分間攪拌して溶質を完全に溶解した。
最後に、この溶液にポリトロン分散機にて10000rpmで20分間分散した平均粒径3.5μmの架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子(共重合組成比=50/50、屈折率1.536)の30%メチルイソブチルケトン分散液を240.0g加えた後に、フッ素レベリング剤FP−1を0.5g、メチルエチルケトン125g添加し、エアーディスパーにて10分間攪拌した。
前記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩層用塗布液(HCL−301)を調製した。
平均粒径3.5μmの架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子に替えて、二次粒子径1.0μmの凝集性シリカ(日本シリカ製)に変更した以外はHCL−301と同様にして、防眩層用塗布液(HCL−302)を調製した。
平均粒径3.5μmの架橋ポリ(アクリル−スチレン)粒子に替えて、平均粒径10〜15nmのコロイダルシリカ(日産化学工業(株)製)に変更した以外はHCL−301と同様にして、防眩層用塗布液(HCL−303)を調製した。
防眩層用塗布液(HCL−301〜HCL−303)の光重合開始剤を表5に示す様に変えた以外は同様にして、防眩層用塗布液(HCL−304〜HCL−316)を調製した。表5中の( )内は各成分の固形分の質量部を表す。
特開2003−211052号の図1に記載されたスロットダイコーターを用いて、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、防眩層用塗布液(HCL−301)を17.3g/m2となるように塗布し、30℃で15秒間、90℃で20秒間乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照射量90mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmの防眩層を有する反射防止フィルム301を作製した。
反射防止フィルム(301)の作製において、硬化性組成物(HCL−301)を用いる代わりに、(HCL−302)〜(HCL−316)を用いること以外は反射防止フィルム301と同様にしてにより反射防止フィルム302〜316を作製した。
[反射防止フィルムの評価]
このようにして得られた、反射防止フィルムを実施例1と同様に鹸化処理を行い、評価した。
(ハードコート層用塗布液(HCL−401)の調製)
下記組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌してハードコート層塗布液とした。
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、日本化薬(株)製)750.0質量部に、質量平均分子量15000のポリ(グリシジルメタクリレート)270.0質量部、メチルエチルケトン730.0質量部、シクロヘキサノン500.0質量部および光重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)50.0質量部、を添加して攪拌した。
孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層用の塗布液(HCL−401)を調製した。
二酸化チタン微粒子としては、コバルトを含有し、かつ水酸化アルミニウムと水酸化ジルコニウムを用いて表面処理を施した二酸化チタン微粒子(MPT−129C、石原産業(株)製、TiO2:Co3O4:Al2O3:ZrO2=90.5:3.0:4.0:0.5重量比)を使用した。
この粒子257.1質量部に、下記分散剤41.1質量部、およびシクロヘキサノン701.8質量部を添加してダイノミルにより分散し、重量平均径70nmの二酸化チタン分散液を調製した。
上記の二酸化チタン分散液99.1質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)68.0質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)3.6質量部、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1.2質量部、メチルエチルケトン279.6質量部およびシクロヘキサノン1049.0質量部を添加して攪拌した。十分に攪拌ののち、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して中屈折率層用塗布液を調製した。
上記の二酸化チタン分散液469.8質量部に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)40.0質量部、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)3.3質量部、光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1.1質量部、メチルエチルケトン526.2質量部、およびシクロヘキサノン459.6質量部を添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して高屈折率層用の塗布液を調製した。
膜厚80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TD80UF、富士写真フイルム(株)製)上に、ハードコート層用塗布液(HCL−401)をグラビアコーターを用いて塗布した。100℃で乾燥した後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ8μmのハードコート層を形成した。ハードコート層の上に、中屈折率層用塗布液、高屈折率層用塗布液、低屈折率層用塗布液を3つの塗布ステーションを有するグラビアコーターを用いて5〜100m/分の速度で連続して塗布した。
硬化後の中屈折率層は屈折率1.630、膜厚67nmであった。
硬化後の高屈折率層は屈折率1.905、膜厚107nmであった。
(ハードコート層用塗布液(HCL−501)の調製)
デソライトZ7404(ジルコニア微粒子含有ハードコート組成液:JSR(株)製)100質量部、DPHA(UV硬化性樹脂:日本化薬(株)製)31質量部、KBM−5103(シランカップリング剤:信越化学工業(株)製)10質量部、KE−P150(1.5μmシリカ粒子:日本触媒(株)製)8.9質量部、MXS−300(3μm架橋PMMA粒子:綜研化学(株)製)3.4質量部、MEK 29質量部、MIBK 13質量部、をミキシングタンクに投入し攪拌してハードコート層塗布液とした。
支持体としてトリアセチルセルロースフィルム(TD80U、富士写真フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、上記のハードコート層用塗布液(HCL−501)を線数135本/インチ、深度60μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、搬送速度10m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、ハードコート層を形成し、巻き取った。硬化後のハードコート層の厚さが4.0μmとなるようにグラビアロール回転数を調整してハードコート501を作製した。このようにして得られたハードコート501の表面粗さはRa=0.02μm、RMS=0.03μm、Rz=0.25μmであった。(Ra(中心線平均あらさ)、RMS(自乗平均面あらさ)、Rz(n点平均あらさ)は、走査型プローブ顕微鏡システム SPI3800 セイコーインスツルメンツ(株)製にて測定)
<反射防止フィルム付き偏光板の作製>
延伸したポリビニルアルコールフィルムに、ヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。実施例1の鹸化処理済みの反射防止フィルムに、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、該反射防止フィルムの支持体(トリアセチルセルロース)側が偏光膜側となるように偏光膜の片側に貼り付けた。光学補償層を有する視野角拡大フィルム「ワイドビューフィルムSA12B」{富士写真フイルム(株)製}を鹸化処理し、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜のもう一方の側に貼り付けた。このようにして偏光板を作製した。この偏光板状態で実施例1に準じた評価を行った結果、本発明の低屈折率層を用いることにより同様の効果が得られた。
作製した本発明の偏光板を装着したTN、IPS、VA、OCBのモードの透過型液晶表示装置の視認性、耐擦傷性、防汚性が優れていることが確認できた。
実施例1の反射防止フィルム試料を、有機EL表示装置の表面のガラス板に粘着剤を介して貼り合わせたところ、ガラス表面での反射が抑えられ、視認性の高い表示装置が得られた。
B 巻き取りロール
100,200,300,400 製膜ユニット
101,201,301,401 塗布液塗布工程
102,202,302,402 塗膜乾燥工程
103,203,303,403 塗膜硬化工程
(1)支持体
(2)ハードコート層
(3)中屈折率層
(4)高屈折率層
(5)低屈折率層
W ウェッブ
10 コーター
11 バックアップロール
13 スロットダイ
14 塗布液
14a ビード形状
14b 塗膜
15 ポケット
16 スロット
16a スロット開口部
17 先端リップ
18 ランド(平坦部)
18a 上流側リップランド
18b 下流側リップランド
IUP 上流側リップランド18aのランド長さ
ILO 下流側リップランド18bのランド長さ
LO オーバーバイト長さ
GL 先端リップ17とウェッブWの隙間
30 スロットダイ
31a 上流側リップランド
31b 下流側リップランド
32 ポケット
33 スロット
40 減圧チャンバー
40a バックプレート
40b サイドプレート
40c ネジ
GB バックプレート40aとウェッブWの間の隙間
GS サイドプレート40bとウェッブWの間の隙間
Claims (13)
- 支持体上に反射防止層を有する反射防止フィルムであって、前記支持体上に積層された層の少なくとも一層が、下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)で表される少なくとも1種の光重合開始剤A、前記式(Ia)、(Ib)、(Ic)又は(Id)以外の少なくとも1種の光重合開始剤B、及び電離放射線硬化性化合物を含有する組成物を電離放射線照射によって硬化させてなる層であることを特徴とする反射防止フィルム。
R2、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−;非置換であるか又は−OH、炭素数1〜4のアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、−CN、−C(O)R11若しくは−O(CO)R11で置換されている炭素数1〜12のアルキル;又は1以上の不連続な酸素原子により中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;或いは、OR12、SR13、NR14R15、−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15、−O−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15、−C(O)R11又はハロゲンであるか;非置換であるか又は炭素数1〜4のアルキル及び/若しくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されているフェニルであり、置換基OR12、SR13及びNR14R15は、基R12、R13、R14及び/若しくはR15を介して、フェニル環の更なる置換基と一緒に、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と一緒になって5又は6員環を形成することができる)の基、ナフチル基、アントラシル基、フェナントリル基、または複素環基であり、
但し、式(Ia)及び(Ib)において、R及び/又はR1が一般式(II)の基を表す場合、置換基A−X−又はA1−X1−の少なくとも1個が、基R及びR1のうちの少なくとも1個に存在するか;或いはR及びR1は、ナフチル、アントラシル、フェナントリル又は複素環基であり、基ナフチル、アントラシル、フェナントリル及び複素環は、少なくとも1つの置換基A−X−又はA1−X1−を有しており、さらに炭素数1〜8のアルキル、フェニル、OR12、SR13、NR14R15、−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15および−O−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15から選ばれる少なくとも一種で置換されることができるが、ここで置換基OR12、SR13及びNR14R15は、基R12、R13、R14及び/若しくはR15を介して、ナフチル環、アントラシル環、フェナントリル環若しくは複素環の更なる置換基と一緒になって、又はナフチル環、アントラシル環、フェナントリル環若しくは複素環の炭素原子のうちの1個と一緒になって5又は6員環を形成することができ;
式(Ic)において、
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9は、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−;非置換であるか又は−OH、炭素数1〜4のアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、−CN、−C(O)R11または−O(CO)R11で置換されている炭素数1〜12のアルキル;又は1以上の不連続な酸素原子により中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;
或いは、OR12、SR13、NR14R15、−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15、−O−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15、−C(O)R11又はハロゲンであるか;非置換であるか又は炭素数1〜4のアルキル及び/若しくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されているフェニルであり、ここで置換基OR12、SR13及びNR14R15は、基R12、R13、R14及び/若しくはR15を介して、フェニル環の更なる置換基と一緒に、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と一緒になって5又は6員環を形成することができるが、
但し、式(Ic)において、基R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9のうちの少なくとも1個がA−X−又はA1−X1−であり;
式(Id)において、
R2、R3、R4及びR5は、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−;非置換であるか又は−OH、炭素数1〜4のアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、CN、−C(O)R11または−O(CO)R11で置換されている炭素数1〜12のアルキル;又は1以上の不連続な酸素原子により中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;或いは、OR12、SR13、NR14R15、−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15、−O−(炭素数1〜6のアルキル)−NR14R15、−C(O)R11又はハロゲンであるか;非置換であるか又は炭素数1〜4のアルキル及び/若しくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されているフェニルであり、ここで置換基OR12、SR13及びNR14R15は、基R12、R13、R14及び/若しくはR15を介して、フェニル環の更なる置換基と一緒に、又はフェニル環の炭素原子のうちの1個と一緒になって5又は6員環を形成することができ;、
R10は、炭素数1〜8のアルキルであるか、非置換であるか又はA−X−、炭素数1〜4のアルキル及び/若しくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されているフェニルであるが;
但し、式(Id)において、基R2、R3、R4及びR5のうちの少なくとも1個がA−X−又はA1−X1−であるか、又は置換基R10が基A−X−を含んでおり;
R11は、炭素数1〜8のアルキルであるか、非置換であるか又は炭素数1〜4のアルキル及び/若しくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されているフェニルであり;
R12及びR13は、互いに独立して水素;非置換であるか又は−OH、炭素数1〜4のアルコキシ、フェニル、フェノキシ及び/若しくは−O(CO)R11で置換されている炭素数1〜12のアルキルであるか;1以上の不連続な酸素原子により中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;或いは、フェニル、炭素数3〜6のアルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はナフチルであり、これらの基は、非置換であるか又は炭素数1〜4のアルコキシ、フェニル及び/若しくは炭素数1〜4のアルキルで置換され;
R14及びR15は、互いに独立して、水素;非置換であるか又は−OH、炭素数1〜4のアルコキシ及び/若しくはフェニルで置換されている炭素数1〜12のアルキル;1以上の不連続な酸素原子により中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;フェニル、−(CO)R11又はSO2R16であるか;或いはR14及びR15は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により−O−又は−NR17−により中断されている5、6又は7員環を形成し;
R16は、炭素数1〜12のアルキル、非置換のフェニル又は炭素数1〜4のアルキルで置換されているフェニルであり;
R17は、水素、非置換であるか又は−OH若しくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されている炭素数1〜8のアルキル;或いは非置換であるか又は−OH、炭素数1〜4のアルキル若しくは炭素数1〜4のアルコキシで置換されているフェニルであり;
A及びA1は、互いに独立して、式(III)
或いはA及びA1は、互いに独立して、界面活性基A0であり;
nは1〜1000の数であり、但し、シロキサン出発材料がオリゴマーシロキサンの混合物である場合、nは、また、1未満であるが0を超えることができ;
mは0〜100の数であり;
pは0〜10000の数であり;
A0は、炭素数6〜30のアルキル、炭素数6〜30のアルケニル、炭素数6〜30のアルキニル、炭素数6〜30のアラルキル、炭素数6〜30のアルキル−(CO)−、炭素数6〜30のアルケニル−(CO)−、炭素数6〜30のアルキニル−(CO)−、炭素数6〜30のアラルキル−(CO)−、炭素数6〜30のアルキル−Si(R18)(R19)−、炭素数6〜30のアルケニル−Si(R18)(R19)−又は炭素数6〜30のアルキニル−Si(R18)(R19)−であり、ここでこれらは、それぞれ非置換であるか又は−OH、炭素数1〜4のアルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン、−CN、SR13、NR14R15及び/若しくは−O(CO)R11で置換され、場合により−O−、−S−又は−NR17−の1以上によって中断され;
G1は、炭素数1〜18のアルキル又は下記式
G2は、炭素数1〜18のアルキル又は下記式
或いはG1及びG2は共に単結合であり;
R18、R19、R20、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、互いに独立して、炭素数1〜18のアルキル、フェニル、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル、炭素数2〜6のアミノアルキル又は炭素数5〜8のシクロアルキルであり;
R21は、非置換の炭素数1〜18のアルキル、又はヒドロキシ、炭素数1〜12のアルコキシ、ハロゲン、炭素数3〜8のシクロアルキル及び/若しくはN(R14)(R15)で置換されている炭素数1〜18のアルキルであるか;或いはR21は、非置換のフェニル、又は炭素数1〜12のアルキル、炭素数1〜12のアルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ及び/若しくはN(R14)(R15)で置換されているフェニルであるか;或いはR21は、炭素数5〜8のシクロアルキルであり;
X及びX1は、A又はA1が式(III)の基である場合、互いに独立して、単結合、−U−(炭素数1〜10のアルキレン)、−U−(炭素数3〜12のシクロアルキレン)、−U−炭素数6〜12のビシクロアルキレン)、1以上の不連続な(炭素数3〜12のシクロアルキレン)、−U−(炭素数3〜12のシクロアルキレン)、炭素数6〜12のビシクロアルキレン若しくは−U−(炭素数6〜12のビシクロアルキレン)により中断されている−U−(炭素数1〜10のアルキレン)、1以上の不連続O及び炭素数3〜12のシクロアルキレン、−U−(炭素数3〜12のシクロアルキレン)、炭素数6〜12のビシクロアルキレン及び/若しくは−U−(炭素数6〜12のビシクロアルキレン)により中断されている−U−(炭素数1〜10のアルキレン)、
X及びX1は、A又はA1がA0を表す場合、互いに独立して、単結合、−O−、−S−又は−NR17−であり;
−U−は、−COO−、−(CH2)a−COO−、−Si−又は(CH2)a−Si−であり;
a、b及びcは、互いに独立して、0〜10の数であるが、但し、当該メチレン基が酸素原子2個の間、又は酸素原子1個と窒素原子1個の間に位置する場合、これらは少なくとも1である〕 - 前記式(Ia)および(Ib)において、R及びR1が、互いに独立して、式(II):(式(II)において、R2、R3、R4、R5及びR6が、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−、非置換の炭素数1〜12のアルキル、または1以上の不連続な酸素原子により中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;或は、OR12、ハロゲン若しくは非置換のフェニルである)の基またはナフチル基であり、
但し、式(Ia)及び(Ib)において、R及び/又はR1が一般式(II)の基を表す場合、置換基A−X−又はA1−X1−の少なくとも1個が、基R及びR1のうちの少なくとも1個に存在するか;或いはR及びR1が、ナフチル基であり、該ナフチル基は、少なくとも1つの置換基A−X−又はA1−X1−を有しており、さらに炭素数1〜8のアルキル及び/若しくはOR12で置換されることができ;
式(Ic)において、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9が、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−、非置換の炭素数1〜12のアルキル、または1以上の不連続な酸素原子により中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;或は、OR12、ハロゲン若しくは非置換のフェニルであるが、但し、式(Ic)において、基R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9のうちの少なくとも1個がA−X−又はA1−X1−であり;
式(Id)において、R2、R3、R4及びR5が、互いに独立して、水素;A−X−、A1−X1−、非置換の炭素数1〜12のアルキル、又は1以上の不連続な酸素原子により中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;或は、OR12、ハロゲン若しくは非置換のフェニルであり;R10が、炭素数1〜8のアルキル、又は非置換であるか若しくはA−X−で置換されているフェニルであるが;但し、式(Id)において、基R2、R3、R4及びR5のうちの少なくとも1個がA−X−又はA1−X1−であるか、又は置換基R10が基A−X−を含んでおり;
R12が、水素若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキルであるか;又は、1以上の不連続酸素原子で中断されている炭素数2〜12のアルキルであるか;或は、フェニル、炭素数3〜6のアルケニル、シクロペンチル若しくはシクロヘキシルであり;
R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26及びR27が、互いに独立して、炭素数1〜18のアルキル又はフェニルであり;
X及びX1が、A又はA1が式(III)の基である場合、互いに独立して、炭素数1〜10のアルキレン、−(CH2)a−O−、−(CH2)a−O−(CH2)b−、−O−(CH2)a−O−(CH2)b、−(CH2)a−O−(CH2)b−O−、−(CH2)a−NR17−(CH2)b−又は−(CH2)a−NR17−であり;
X及びX1が、A又はA1がA0を表す場合、互いに独立して、単結合、−O−、−S−又は−NR17−であることを特徴とする請求項1の反射防止フィルム。 - 前記式(Ia)、(Ib)、(Ic)及び(Id)の化合物において、A及びA1が前記式(III)の基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
- 前記電離放射線硬化性化合物が、二個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 前記電離放射線硬化性化合物が、含フッ素ポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 前記組成物が、無機粒子を含有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 前記無機粒子が、シリカ微粒子であることを特徴とする請求項7に記載の反射防止フィルム。
- 前記無機粒子が、中空構造を有し、屈折率が1.15〜1.40の範囲であることを特徴とする請求項7又は8に記載の反射防止フィルム。
- 前記組成物が、更にオルガノシラン化合物、該オルガノシラン化合物の加水分解物および/またはその部分縮合物を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 前記組成物がポリシロキサン化合物を含有していることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 一対の保護フィルムの間に偏光膜を有する偏光板であって、該保護フィルムの少なくとも一つが請求項1〜11のいずれかに記載の反射防止フィルムであることを特徴とする偏光板。
- 請求項1〜11に記載の反射防止フィルム、又は請求項12に記載の偏光板がディスプレイの最表面に用いられていることを特徴とする画像表示装置。
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