JP2005194973A - 片頭式斜板式圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 摩耗低減および摩擦低減の機能を損うことなく、コーティング消費量を削減しコスト低減可能な、片頭ピストンのシリンダボア摺接円筒部分への樹脂皮膜のコーティングが施されたピストンを備えた斜板式圧縮機を提供すること。
【解決手段】 片頭式斜板式圧縮機においた、シリンダボア31内を摺接する前ピストン101の円筒部12は、冷媒圧縮を行う先端部分にのみ筒状に、全周に渡り樹脂皮膜1が施され、前記樹脂皮膜1の軸方向長さは、少なくとも概略、最大容量運転での下死点においてシリンダボア31とピストン101が嵌合する長さL1と、最大容量運転でのピストンストロークの1/2であるL2/2とを加えた長さであるように構成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、片頭ピストンがシリンダボア内を往復動することで冷媒圧縮を行う、片頭式斜板式圧縮機に関する。
従来、駆動軸の回転運動を斜板およびシューを介し、片頭ピストンを往復動させる片斜板式圧縮機が知られている。
図8は従来技術による片斜板式圧縮機の一例を示す断面図である。図8を参照すると、片斜板式圧縮機110は、複数のシリンダボア81aを備えたシリンダブロック81と、シリンダブロック81の前端側に設けられたフロントハウジング85と、シリンダブロック81の後端に弁板装置84を介して設けられたシリンダヘッド83とを備えている。フロントハウジング85の一端に突出したボス部96から、クランク室92内を貫通して、シリンダブロック81に至るように、駆動軸86を備えている。
駆動軸86は、シリンダブロックの中心に設けられた中心穴82aと、フロントハウジング85のボス部96から貫通して設けられた穴90内に設けられた夫々のベアリング94a,94bを介して回転可能に支持されている。フロントハウジング85の内壁面側の駆動軸の周囲にロータ87が設けられ、ラジアルベアリング93を介して、内壁面に回転可能に支持されている。一方、駆動軸86の周囲でロータ87に隣接して斜板88が設けられている。回転斜面88とロータ87とは、ヒンジ機構71を介して連結されており、ロータ87の回転に伴って、斜板88も駆動軸周囲の回転運動を行う。
シリンダボア81a内には、ピストン82が収容され、ピストン82の尾部の径方向の切欠きからなる収容孔82aには、斜板88の両面に接するように、一対のシュー95,95が収容されている。
シリンダヘッド83には、吸入室83a及び吐出室83bが区画形成されている。また、一端を露出するように、圧縮容量制御弁91が設けられている。吐出室83bの吐出ポート及び吸入室83aの吸入ポート73に冷凍回路が接続されている。冷凍回路100は、吐出ポート72に凝縮器97と、膨張弁98と、蒸発器99とを備えている。
このような構成の片斜板式圧縮機110において、図示しない外部の駆動源によって、駆動軸86が回転すると、それに伴って、ロータ93とロータ93にヒンジ機構71を介して接続された斜板88が回転する。斜板88では、常にその両端の外周が略軸方向に平行となる往復運動を行う。この往復運動はシュー95を介してピストンのシリンダボア81a内の往復動に変換される。片頭ピストン82が後退すると、冷媒回路100から、吸入ポート73を介して吸入室83a内に流入し、この吸入室83aから冷媒が吸入される。片頭ピストン82が前進すると、シンリンダボア81a内の冷媒が圧縮されて、吐出室83bから吐出ポート72を介して冷媒回路100に流入する。
図9は従来技術による片斜板圧縮機のピストンを示す側面図(特許文献1、参照)である。図9を参照すると、片頭ピストン82は、アルミ合金を基材としており、ボア81aと摺接する嵌合面のうち、先端部に特定された有効シール長Lの全周域T並びに圧縮、吐出時にサイドホースFM1、FM2が集中する下方及び側方の長手方向に延びる局限域T、Tにのみ、フッ素樹脂(PTFE)からなる耐摩耗性皮膜S(細粒表示)が被装され、他の領域はマスキング等により素地のままに残されて、片頭ピストン82の有効径とは膜厚分の格差が与えられている。
さて、ここで圧縮機の圧縮及び吐出行程の際、片頭ピストン82に作用するモーメント荷重について説明する。すなわち、片頭ピストン82による冷媒ガスの圧縮及び吐出行程においては、片頭ピストン82の尾部が斜板88の回転揺動によりシュー95を介して軸線方向の圧縮力Fと、これに直交する方向の分力Fを受けるため、片頭ピストン82はボア81a内で図示反時計回りのモ−メントMを受けることになる。その結果、圧縮行程では、片頭ピストン82の側方の局限域TにサイドホースFM2が作用し、同時に先端部の他側方部分にもサイドホースFM2’が作用する。吐出行程においては、片頭ピストン82の下方の局限域TにサイドホースFM1が作用し、同時に先端部の上方部分にもサイドホースFM1’が作用する。
しかしながら、上述のように圧縮、吐出行程中、片頭ピストン82にサイドホースFM1他が作用する最小局限域T、T及び先端部に特定された有効シール長Lの全周域Tは、すべて耐摩耗性皮膜Sによってカバーされ、十分な耐用性の強化が図られている。なお、ボア81aとの嵌合遊隙は被装された耐摩耗性皮膜Sの表層面を研削することにより適宜調整されるというものである。
上述のように片頭ピストン82のシリンダボア摺接円筒部分およびクランクケースとの摺接部分に樹脂皮膜をコーティングし、摩耗低減および摩擦低減を行っている片斜板式圧縮機が知られている。しかし、摺接円筒部分全面に樹脂皮膜をコーティングすることでコーティング消費量が増えコスト増加の要因となるという課題があった。
一方、図9で示された例のように、部分的に耐摩耗性皮膜を形成する方法があるが、斜板の回転に伴うサイドホースFM1’、FM1”の変化は、周方向に沿う方向で連続的であるため適切な樹脂皮膜と呼ばれるものではなかった。
特開平8−254180号公報
そこで、本発明の技術的課題は、摩耗低減および摩擦低減の機能を損うことなく、コーティング消費量を削減しコスト低減可能な、片頭ピストンのシリンダボア摺接円筒部分への樹脂皮膜のコーティングが施されたピストンを備えた斜板式圧縮機を提供することにある。
本発明によれば、複数のシリンダボアを駆動軸を中心に円環状に配したシリンダブロックと、前記駆動軸と共に揺動回転する斜板と、前記斜板両面に配置され当該斜板と摺接する一対のシューと、前記一対のシューを介し前記シリンダボア内を往復動する片頭ピストンを備えた片頭式斜板圧縮機において、前記シリンダボア内を摺接する前記ピストンの円筒部は、冷媒圧縮を行う先端部分にのみ筒状に、全周に渡るとともに軸方向において部分的に樹脂皮膜が施され、前記樹脂皮膜の軸方向長さは、少なくとも概略、最大容量運転での下死点においてシリンダボアとピストンが嵌合する長さと、最大容量運転でのピストンストロークの1/2とを加えた長さであることを特徴とする片頭式斜板式圧縮機が得られる。
また、本発明によれば、複数のシリンダボアを駆動軸を中心に円環状に配したシリンダブロックと、前記駆動軸と共に揺動回転する斜板と、前記斜板両面に配置され当該斜板と摺接する一対のシューと、前記一対のシューを介しシリンダボア内を往復動する片頭ピストンを備えた片頭式斜板式圧縮機において、前記シリンダボア内を摺接する前記ピストンの筒部は、冷媒圧縮を行う先端部分にのみ樹脂皮膜が施され、樹脂被膜の被覆形状は截頭柱状であり、前記樹脂皮膜の長さは前記ピストンの筒部側面より見て、前記駆動軸に近い内側が長く、前記駆動軸と離れる外側が短いことを特徴とする片頭式斜板式圧縮機が得られる。
本発明によれば、摩耗低減および摩擦低減の機能を損うことなく、コーティング消費量を削減しコスト低減可能な、片頭ピストンのシリンダボア摺接円筒部分への樹脂皮膜のコーティングが施されたピストンを備えた斜板式圧縮機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態による片頭式斜板式圧縮機は、片頭ピストン以外は従来技術とほぼ同様の構成を有するので、片頭ピストンに関連する部分のみ説明する。
図1(a)は本発明の第1の実施の形態による片頭式斜板式圧縮機を示す正面図、図1(b)は平面図である。
図1(a)および図1(b)を参照すると、シリンダブロック30の断面で示されたシリンダボア31内に片頭ピストン101が設けられている。ピストン101は、一端面の圧縮面である頭部11を備えた筒状部としての中空状の円筒部12と、他端面の軸方向に突出した尾部13とを備えている。尾部13は、連結部15と、後端部16とを備え、連結部15及び後端部16の駆動軸側に斜板21の両端面の周辺部と、それに摺接した略半円形状シュー22,22を収容する丸く窪んだくぼみ部18を備えた収容孔17を備えている。一方、後端部16の半径方向外側の面は、シリンダハウジングの内壁と摺接する摺接部14を備えている。
片頭ピストン101の円筒部12は吐出容量制御の制御安定性、耐久信頼性およびノイズ抑制のため中空または肉盗みによる軽量化がなされている。
片頭ピストン101の円筒部12において、軸方向に頭部11から約2/3のL1+L2/2まで、樹脂コーティング1が施されている。
次に、斜板の回転に伴うピストンの位置変化について、図1(a)及び(b)乃至図6(a)及び(b)を参照しながら説明する。
図2(a)及び(b)、図3(a)及び(b)、図4(a)及び(b)、図5(a)及び(b)、図6(a)及び(b)は、図1(a)及び(b)に示した片頭ピストンの動作説明に供せられる正面図及び平面図である。
図1(a)及び図1(b)を参照すると、駆動軸の位置は、図1(a)においては、図面の下方に、シリンダボア31の軸方向と平行に配置されている。図1(b)において、シリンダボアと同じ位置で、且つ紙面の奥方に配置されている。
片頭ピストン101による吸引行程、圧縮行程において、駆動軸によって、回転揺動する斜板の斜面上を摺動するシューを介し、ピストン球面部に、力が伝達される。シューを介してピストン球面部に伝わる力Fpは、概略斜板に垂直に働き、軸線方向に働く力Faと、これに直交する方向の分力Fbに分解でき、これによって、モーメントMが発生する。
図1(a)及び(b)に示される吸引行程においては、矢印61及び矢印62に示すように片頭ピストン101に回転モーメントMが加わる。
したがって、図1(a)に示すように、片頭ピストン101の円筒部12の中央部からシリンダボア31の後端よりの半径方向外側面側に矢印32で示すような力が加わるとともに、片頭ピストン101の円筒部12の頭部11寄りの部分から、シリンダボア31の駆動軸を中心とした半径方向内側面に矢印33で示すような力(サイドホース)が加わる。以下、このサイドホースの大きさを、1本よりも2本の方が強く、3本は更に大きいというように、矢印の本数に応じて、を示す。
一方、図1(b)に示すように、片頭ピストンの中央部からシリンダボア31の頭部11よりの周方向一面側に矢印34で示すような力が加わるとともに、片頭ピストン101の円筒部12の頭部11よりも後端寄りの部分から、シリンダボア31の周方向他面側に矢印35で示すような力が加わる。
図2(a)及び図2(b)を参照すると、片頭ピストン101の下死点すなわちここを基準として斜板の軸回りの回転角度を0°とした状態においては、駆動軸を中心にして半径を含む面においては、矢印64に示すように片頭ピストン101に回転モーメントMが加わる。しかし、平面においては、モーメントは殆ど生じない。
したがって、図2(a)に示すように、片頭ピストン101の円筒部12の中央部からシリンダボア31の駆動軸を中心とした中央寄りの駆動軸を中心とした半径方向外側面側に矢印36で示すような力が加わるとともに、片頭ピストンの円筒部の頭部11よりの部分から、シリンダボア31の半径方向内側面に矢印37で示すような力が加わる。
図2(b)を参照すると、ピストンの下死点においては、平面図では、矢印38に示すように片頭ピストン101の頭部側の一面及びこの一面よりもやや中央よりの他面から矢印37で示すような力が加わる。
図3(a)及び図3(b)を参照すると、クラッチ側、即ち、図の斜板周辺部側から眺めて、駆動軸及び斜板が右回りに回転した回転角が45°においては、半径を含む面においては、矢印64で示すように、回転モーメントMが生じ、周方向においては、片頭ピストン101に矢印65で示すような、回転モーメントMが加わる。
したがって、図3(a)に示すように、片頭ピストン101の円筒部12の中央部からシリンダボア31の後端寄りの半径方向外側面側に矢印40で示すような力が加わるとともに、片頭ピストンの円筒部の頭部11付近の部分から、シリンダボア31の半径方向内側面に矢印41で示すような力が加わる。
一方、図3(b)に示すように、片頭ピストン101の円筒部12の中央部からシリンダボア31の頭部11よりの周方向一面側に矢印42で示すような力が加わるとともに、片頭ピストン101の円筒部12の頭部11よりも後端寄りの部分から、シリンダボア31の周方向他面側に矢印43で示すような力が加わる。
図4(a)及び図4(b)を参照すると、斜板周辺部側から眺めて右回りに回転した回転角が90°においては、半径を含む面においては、回転モーメントMは生じず、周方向においては、片頭ピストン101に矢印66で示すような、回転モーメントMが加わる。
したがって、図4(a)に示すように、片頭ピストン101の頭部11付近からシリンダボア31の半径方向外側面側に矢印44で示すような力が加わるとともに、片頭ピストン101の円筒部12の中央部後端寄りの部分から、シリンダボア31の半径方向内側面の後端側に矢印45で示すような力が加わる。
一方、図4(b)に示すように、片頭ピストンの中央部からシリンダボア31の頭部11付近の円筒部12から周方向一面側に矢印46で示すような力が加わるとともに、片頭ピストンの円筒部の頭部11よりも後端よりの部分から、シリンダボア31の後端側の周方向他面側に矢印47で示すような力が加わる。
図5(a)及び図5(b)を参照すると、斜板周辺部側から眺めて右回りに回転した回転角が135°においては、半径を含む面においては、矢印67に示すような回転モーメントMが生じ、周方向においては、片頭ピストン101に矢印68で示すような、回転モーメントMが加わる。
したがって、図5(a)に示すように、片頭ピストンの頭部11付近からシリンダボア31の半径方向外側面側に矢印48で示すような力が加わるとともに、片頭ピストンの円筒部の中央部後端よりの部分から、シリンダボア31の半径方向内側面の後端側に矢印49で示すような力が加わる。
一方、図5(b)に示すように、片頭ピストン101の円筒部12の中央部からシリンダボア31の頭部11付近から周方向一面側に矢印50で示すような力が加わるとともに、片頭ピストン101の円筒部12の頭部11よりも後端寄りの部分から、シリンダボア31の後端側の周方向他面側に矢印51で示すような力が加わる。
図6(a)及び図6(b)を参照すると、斜板周辺部側から眺めて右回りに回転した回転角が180°においては、駆動軸を中心とした半径を含む面においては、矢印69に示すような回転モーメントMが生じ、周方向においては、片頭ピストン101には回転モーメントMが殆ど加わらない。
したがって、図6(a)に示すように、片頭ピストンの頭部11付近の円筒部12からシリンダボア31の駆動軸を中心とした半径方向外側面側に矢印52で示すような力が加わるとともに、片頭ピストン101の円筒部12の中央部後端よりの部分から、シリンダボア31の駆動軸を中心とした半径方向内側面の後端側に矢印53で示すような力が加わる。
一方、図6(b)に示すように、片頭ピストン101の円筒部12の中央部からシリンダボア31の頭部11付近から周方向一面側に矢印54で示すような力が加わるとともに、片頭ピストン101の円筒部12の頭部11よりも後端よりの部分から、シリンダボア31の後端側の周方向他面側に矢印55で示すような力が加わる。
次に、本発明の第1の実施の形態による片斜板圧縮機の圧縮および吐出工程における、片頭ピストン101に作用する力について、同じく図2(a)乃至図6(b)を参照しながら説明する。
片頭ピストン101による、冷媒圧縮および吐出工程において、駆動軸により回転揺動する斜板の斜面上を摺動するシューを介し、ピストン球面部に、力が伝達される。
シューを介してピストン球面部に伝わる力Fpは、概略斜板に垂直に働き、軸線方向に働く力Faと、これに直交する方向の分力Fbに分解できる。
軸線方向に働く力(圧縮力)Faにより、ピストン101は、シリンダ内を往復動すると共に、シリンダ内の冷媒を圧縮し、これによりシリンダ内圧力が上昇すると共に、高圧冷媒が吐出される。
ピストン101が軸方向を往復する際に発生する加速度により、ピストンには慣性力が働くが、これを考慮すると、シリンダ内圧縮力とピストン加速度の和は、前記ピストン球面に働く軸線方向の力にほぼ等しい。
シリンダ内冷媒圧力は通常、図2(a)、図3(a)、図4(a)、図5(a)の斜板の回転角度の0〜180°と増加するにつれて、徐々に増加するがその増加速度は低く、図5(a)以降急増し、図6(a)直前に最大となる。このためピストン球面部に働く軸方向力およびこれに直交する分力も図6(a)付近で最大となる。
また、ピストン慣性力は、図2(a)及び(b)に示した下死点および図6(a)及び(b)に示した上死点において最大値となる正弦波であり、その値は、駆動軸の回転数の二乗に比例する。
シューを介してピストン球面部に伝わる力の軸直交方向の分力により、ピストンにはモーメントMが働くが、その方向は斜板の傾斜方向により異なる。すなわちピストン正面図においては、下死点より90°回転した図4(a)を境にその前後でモーメントMの向きが異なり、ピストン平面図においては、下死点位置図2(b)および上死点位置図6(b)を境にその前後でモーメントMの向きが異なる。
また、モーメントMの大きさは、軸直角方向分力の大きさに比例し、その大きさは、斜板頃斜角度およびシリンダ内冷媒圧力に比例する。
片頭ピストン101にモーメントが発生した状態においては、シリンダボア30と片頭ピストン101の円筒部12の摺接およびクランク室内壁とピストン尾部13との摺接が発生し、これらの接触力により片頭ピストン101の傾きが抑制され、姿勢を安定させる。
図2(a)及び図2(b)に示すピストン下死点においては、シリンダボア31と片頭ピストン101の円筒部12との嵌合の長さL3は最小となり、図6に示すピストン上死点位置においては、シリンダボア81と片頭ピストン101の円筒部12との嵌合長さL3は最大となる。
すなわち同一モーメントMが発生した状態での比較では、図2(a)及び(b)に示すピストン下死点位置では嵌合長さL3が最小のため、シリンダボア31との接触力が大きくなり、上死点位置では嵌合長さが最大のため、シリンダボア31との接触力が小さくなる。
上述のようにピストン円筒部12とシリンダボア31との間に働く接触力は種々要因が関連するが、接触力が増大し、樹脂皮膜の摩耗、はがれに注意を要する状態が2つある。
その一つは、図2(b)および図3(b)の状態であり、この状態においては、ピストン嵌合長さL3が短く、ピストン平面図においてモーメントの向きが切り替る点に近く、かつピストン慣性力が最大となる状態であり、シリンダボア31と片頭ピストン101の円筒部12との接触力は大きくなる。
もう一つは図6(a)の状態であり、この状態においては、シリンダ内冷媒圧力が最大となることから、ピストン正面図においてモーメントMが最大となり、シリンダボア31とピストン円筒部12との接触力は大きくなる。ただし、ピストン嵌合長さは最大のためシリンダボア31内における片頭ピストン101の傾きは小さい。
本発明の第1の実施の形態においては、片頭ピストン101の円筒部12において、冷媒圧縮を行う頭部11に続く先端部分にのみ、円筒状に、全周に渡り樹脂皮膜1が施されている。斜板寄りの後端部分においては、マススキング等によりアルミ素地がそのまま残されている。
また、円筒形状の樹脂皮膜1の軸方向長さは、上記の作用で説明したように、摺接する部分において、大きな力が加わる概略、最大容量運転での下死点においてシリンダボアとピストンが嵌合する長さL1と、最大容量運転でのピストンストロークの1/2を加えた長さ(L1+L2/2)であることが好ましく、その際に、上記図2(b)、および図3(b)において発生するシリンダとピストン円筒部との接触力に対して、摩耗、摩擦低減の効果を持ち、ピストン円筒部後端においてはアルミ素地がそのまま露出されるため、ピストン軽量化が実現できる。
図7(a)は本発明の第2の実施の形態による片斜板式圧縮機の片頭ピストン正面図、図7(b)は図7(a)の片頭ピストンの平面図である。
図7(a)及び(b)に示される片頭ピストン101は、円筒部12において、冷媒圧縮を行う先端部分にのみ樹脂皮膜2が施され、樹脂皮膜の被覆形状は、截頭円柱状である。すなわち、樹脂皮膜2の軸方向の長さはピストン円筒部12側面より見て、駆動軸に近い内側(即ち、図7(a)では下側)が長く、駆動軸と離れる外側(図7(a)では上側)が短く形成されている。
また、樹脂皮膜2が施された截頭円柱の斜板窓側後端部分においてはマスキング等によりアルミ素地がそのまま残されている。また、ロールコーティングで皮膜形成されているため、エッチング法での部分コーティングが可能となる。
この樹脂皮膜により、上記図2(b)および図3(b)において発生するものと同様にシリンダボア31と片頭ピストン102の円筒部12との接触力および上記図6(a)において発生するものと同様にシリンダボア31と片頭ピストン102の円筒部12との接触力に対して、摩耗、摩擦低減の効果を持ち、片頭ピストン102の円筒部12後端においてはアルミ素地がそのまま露出されるため、コーティング消費置が削減でき、コスト低減が果せる。
本発明に係る片頭式斜板式圧縮機は、ピストンの先端部側が樹脂皮膜が形成されているので、耐磨耗性にすぐれ、車両等の空調システムの冷媒回路用の圧縮機に適用できる。
(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る片頭ピストンを示す正面図、(b)は(a)の片頭ピストンを示す平面図である。 (a)は図1(a)の片頭ピストンが下死点位置を基準位置0°としたときの状態を示す正面図、(b)は(a)の片頭ピストンを示す平面図である。 (a)は図1(a)の片頭ピストンが中間位置の回転角度45°にあるときの正面図,(b)は(a)の片頭ピストンを示す平面図である。 (a)は図1(a)の片頭ピストンが中間位置の回転角度90°にあるときの正面図,(b)は(a)の片頭ピストンを示す平面図である。 (a)は図1(a)の片頭ピストンが中間位置の回転角度135°にあるときの正面図,(b)は(a)の片頭ピストンを示す平面図である。 (a)は図1(a)の片頭ピストンが上死点位置の回転角度180°にあるときの正面図、(b)は(a)の片頭ピストンを示す平面図である。 (a)は本発明の第2の実施の形態に係る片頭ピストンを示す正面図、(b)は(a)の片頭ピストンを示す平面図である。 従来技術による片斜板式圧縮機を示す断面図である。 従来技術による片頭ピストンを示す正面図である。
符号の説明
1,2 樹脂皮膜(コーティング)
11 頭部
12 円筒部
13 尾部
14 摺接部
15 連結部
16 後端部
17 収容孔
18 くぼみ部
21 斜板
22 シュー
30 シリンダブロック
31 シリンダボア
61,62 矢印
71 ヒンジ機構
72 吐出ポート
73 吸入ポート
81a シリンダボア
81 シリンダブロック
82 ピストン
82a 中心穴
83 シリンダヘッド
83a 吸入室
83b 吐出室
84 弁板装置
85 フロントハウジング
86 駆動軸
87 ロータ
88 斜板
90 穴
92 クランク室
93 ラジアルベアリング
94a,94b ベアリング
96 ボス部
95 シュー
97 凝縮器
98 膨張弁
99 蒸発器
100 冷凍回路
101,102 片頭ピストン
110 片斜板式圧縮機

Claims (2)

  1. 複数のシリンダボアを駆動軸を中心に円環状に配したシリンダブロックと、前記駆動軸と共に揺動回転する斜板と、前記斜板両面に配置され当該斜板と摺接する一対のシューと、前記一対のシューを介し前記シリンダボア内を往復動する片頭ピストンを備えた片頭式斜板圧縮機において、前記シリンダボア内を摺接する前記ピストンの円筒部は、冷媒圧縮を行う先端部分にのみ筒状に、全周に渡るとともに軸方向において部分的に樹脂皮膜が施され、前記樹脂皮膜の軸方向長さは、少なくとも概略、最大容量運転での下死点においてシリンダボアとピストンが嵌合する長さと、最大容量運転でのピストンストロークの1/2とを加えた長さであることを特徴とする片頭式斜板式圧縮機。
  2. 複数のシリンダボアを駆動軸を中心に円環状に配したシリンダブロックと、前記駆動軸と共に揺動回転する斜板と、前記斜板両面に配置され当該斜板と摺接する一対のシューと、前記一対のシューを介しシリンダボア内を往復動する片頭ピストンを備えた片頭式斜板式圧縮機において、前記シリンダボア内を摺接する前記ピストンの筒部は、冷媒圧縮を行う先端部分にのみ樹脂皮膜が施され、樹脂被膜の被覆形状は截頭柱状であり、前記樹脂皮膜の長さは前記ピストンの筒部側面より見て、前記駆動軸に近い内側が長く、前記駆動軸と離れる外側が短いことを特徴とする片頭式斜板式圧縮機。

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