JP2005201336A - 軸封装置及び圧縮機 - Google Patents

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太田  雅樹
Seiji Katayama
誠二 片山
Tatsuya Koide
達也 小出
Masakazu Murase
正和 村瀬
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Abstract

【課題】密封空間側が高圧であってもリップ部と回転軸の外周面との摺動部分へと潤滑油を引き込むことができる効果を、長期に渡って奏することが可能な軸封装置及び該軸封装置を備えた圧縮機を提供すること。
【解決手段】軸封装置39はエラストマリップリング44と耐圧補強リング45とを備える。エラストマリップリング44は、リップ部44cが駆動軸17の外周面17aに対して密接されている。耐圧補強リング45は、前記リップ部44cを背面44c−2側から支持する。耐圧補強リング45において背面44c−2を当接支持するリップ支持面45c−1には、接触面圧調節用凹部51が形成されている。リップ部44cは、機内側の高圧の作用によってリップ支持面45c−1に対して押し付けられると、駆動軸17の外周面17aに対する環状凸部44c−1の接触面圧が、接触面圧調節用凹部51に対応していない部分においてその他の部分と相違される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、冷凍回路の冷媒圧縮機等の流体機械に用いられ、該流体機械の駆動軸の周囲を密封するリップ型の軸封装置、及び該軸封装置を備えた圧縮機に関する。
この種の軸封装置としては、例えば図6に示すように、エラストマリップリング91と耐圧補強リング92とを備えたものが存在する。エラストマリップリング91は、機内側でかつ駆動軸93側へ向かって延在されたリップ部91aを有している。エラストマリップリング91は、リップ部91aが駆動軸93の外周面93aに対して円環状領域で密接されることで密封作用を奏する。耐圧補強リング92は、エラストマリップリング91のリップ部91aを背面側から支持する。
前記耐圧補強リング92によってリップ部91aを背面側から支持することで、機内側の高圧の作用によってもリップ部91aが径方向へ大きく変形することを抑制できる。従って、駆動軸93の外周面93aに対するリップ部91aの接触姿勢が大きく変化すること、つまりリップ部91aの密封性能が大きく低下することを抑制できる。
ここで、前記冷凍回路の冷媒として、二酸化炭素が用いられることがある。二酸化炭素冷媒を用いた場合には、エラストマリップリング91に作用する機内側の圧力が、例えばフロン冷媒を用いた場合と比較して遙かに高くなることは、周知な事項である。従って、エラストマリップリング91のリップ部91aにおいて駆動軸93の外周面93aと摺動する部分が、二酸化炭素冷媒の高圧の作用によって、駆動軸93の外周面93aに対して強く押し付けられて大きく潰されることとなる。
よって、前記駆動軸93の外周面93aに対する、リップ部91aの円環状領域での接触幅(シール幅)が広くなり、機内側の潤滑油(冷凍機油)がリップ部91aと駆動軸93の外周面93aとの摺動部分へと引き込まれ難くなっていた。その結果、リップ部91aと駆動軸93の外周面93aとの摺動部分が潤滑不良となり、該リップ部91aの摩耗劣化が早まる問題があった。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1の技術を前記軸封装置に適用することが考えられる。すなわち、図7に示すように、エラストマリップリング91のリップ部91aにおいて、駆動軸93の外周面93aに接触する先端に、ウネリ状凹凸面91a−1を周方向に所定間隔で反復形成するのである。
このようにすれば、前記駆動軸93の外周面93aに対するウネリ状凹凸面91a−1の相対回転によって、リップ部91aと駆動軸93の外周面93aとの摺動部分に介在される流体(冷媒及び潤滑油)の層に、流体力学的な動圧が発生する。従って、該動圧の作用によって、リップ部91aの先端の一部が駆動軸93の外周面93aに対する接触面圧を低下させる。よって、この面圧が低下した部分には潤滑油が容易に入り込むので、リップ部91aと駆動軸93の外周面93aとの摺動部分の潤滑状態を良好とすることができる。
特開2000−136881号公報(第4頁、第6図)
ところが、前記ウネリ状凹凸面91a−1は、エラストマリップリング91のリップ部91aに予め形成されている。従って、例えば、駆動軸93の外周面93aとの摺動によってウネリ状凹凸面91a−1が摩耗消滅すると、前述した効果(機内側が高圧であってもリップ部91aと駆動軸93の外周面93aとの摺動部分へと潤滑油を引き込むことができる)を奏し得なくなる問題があった。
本発明の目的は、密封空間側が高圧であってもリップ部と回転軸の外周面との摺動部分へと潤滑油を引き込むことができる効果を、長期に渡って奏することが可能な軸封装置及び該軸封装置を備えた圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1の発明の軸封装置は、エラストマリップリングのリップ部において密封空間側の圧力が作用される受圧面、リップ部において耐圧補強リングによる当接支持を受ける背面、及び耐圧補強リングにおいてリップ部の背面を当接支持するリップ支持面の少なくとも一つに、回転軸の外周面に対するリップ部の接触面圧を周方向の一部で異ならせるための接触面圧調節用凹部が形成されている。
前記エラストマリップリングのリップ部は、密封空間側の高圧の作用によって耐圧補強リングに対して押し付けられると、接触面圧調節用凹部に対応する部分においてその他の部分と変形の様子が相違されることとなる。つまり、エラストマリップリングのリップ部は、密封空間側の高圧の作用によって耐圧補強リングに押し付けられると、回転軸の外周面に対する接触面圧が、接触面圧調節用凹部に対応する部分においてその他の部分と相違されることとなる。従って、接触面圧が相対的に低い部分には潤滑油が容易に入り込むので、リップ部と回転軸の外周面との摺動部分の潤滑状態を良好とすることができる。
請求項2の発明は請求項1において、前記接触面圧調節用凹部は複数が周方向に沿って間隔をおいて形成されている。従って、回転軸の外周面に対するリップ部の接触面圧が、周方向において間隔をおいた複数箇所で低下される。よって、リップ部と回転軸の外周面との摺動部分に対して、潤滑油を偏り少なく供給することができる。これは、リップ部と回転軸の外周面との摺動部分の潤滑状態をさらに良好とすることにつながる。
請求項3の発明の圧縮機は、請求項1又は2に記載の軸封装置を、回転軸たる駆動軸の周囲の密封に用いている。
上記請求項1〜3の発明によれば、例えば特許文献1のように、エラストマリップリングのリップ部において回転軸との摺動部分にウネリ状凹凸面を予め形成しておかなくとも、該特許文献1と同様な効果を長期に渡って奏することが可能となる。言い換えれば、ウネリ状凹凸面の摩耗消滅を危惧することなく、特許文献1と同様な効果を長期に渡って奏することが可能となる。
つまり、請求項1〜3の発明においては、回転軸の外周面との摺動部分ではない所に形成された接触面圧調節用凹部によって、回転軸の外周面に対するリップ部の接触面圧を周方向の一部で異ならせるようにしている。従って、接触面圧調節用凹部が摩耗消失する危惧なく、特許文献1と同様な効果を奏し得るのである。
以下、本発明を、車両空調装置の冷凍回路を構成する可変容量型圧縮機に用いられる軸封装置に具体化した一実施形態について、図1〜図3に従って説明する。なお、冷凍回路の冷媒としては二酸化炭素が用いられている。
図1は、可変容量型圧縮機(以下単に圧縮機とする)10の縦断面図を示す。該図に示すように、圧縮機10のハウジング11内にはクランク室16が区画されており、該クランク室16内には回転軸としての駆動軸17が回転可能に配置されている。駆動軸17には、車両の走行駆動源である図示しないエンジンが作動連結されている。駆動軸17は、エンジンから動力の供給を受けて回転される。
前記クランク室16内において駆動軸17には、ラグプレート18が一体回転可能に固定されている。クランク室16内において駆動軸17には、斜板19がスライド移動可能でかつ傾動可能に支持されている。ラグプレート18と斜板19との間には、ヒンジ機構20が介在されている。斜板19は、ヒンジ機構20を介したラグプレート18との間でのヒンジ連結、及び駆動軸17の支持により、ラグプレート18及び駆動軸17と同期回転可能であるとともに、駆動軸17の軸線Lに沿う方向へのスライド移動を伴いながら駆動軸17に対して傾動可能となっている。
前記ハウジング11内において駆動軸17の軸線L周りには、複数のシリンダボア22が形成されている。各シリンダボア22内には片頭型のピストン23が挿入されている。シリンダボア22内にはピストン23によって圧縮室24が区画されている。各ピストン23は、一対のシュー25を介して斜板19の外周部に係留されている。
従って、前記駆動軸17の回転によって斜板19が回転すると、該斜板19は駆動軸17の軸線Lに沿う方向の前後へと見掛け揺動される。斜板19の揺動によって、ピストン23が前後方向に往復直線運動されて、図示しない外部冷媒回路から圧縮室24への冷媒ガスの吸入、圧縮室24に吸入された冷媒ガスの圧縮、圧縮済み冷媒ガスの外部冷媒回路への吐出が行われる。
前記圧縮機10のハウジング11内には、抽気通路32及び給気通路33並びに制御弁34が設けられている。抽気通路32は、クランク室16と吸入室26とを接続する。給気通路33は、吐出室27とクランク室16とを接続する。給気通路33の途中には、電磁弁よりなる周知の制御弁34が配設されている。制御弁34の開度を調節することで、給気通路33を介したクランク室16への高圧な吐出ガスの導入量と、抽気通路32を介したクランク室16からのガス導出量とのバランスが制御され、クランク室16の内圧が決定される。
前記クランク室16の内圧の変更に応じて、クランク室16の内圧と圧縮室24の内圧とのピストン23を介した差が変更され、斜板19の傾斜角度が変更される結果、ピストン23のストローク即ち圧縮機10の吐出容量が調節される。例えば、クランク室16の内圧が低下されると斜板19の傾斜角度が増大し、ピストン23のストロークが増大して圧縮機10の吐出容量が増大される。逆に、クランク室16の内圧が上昇されると斜板19の傾斜角度が減少し、ピストン23のストロークが減少して圧縮機10の吐出容量が減少される。
次に、前記ハウジング11の密封構造について説明する。
図2に示すように、前記ハウジング11には挿通孔40が内外に貫通形成され、該挿通孔40内には駆動軸17が挿通されている。挿通孔40内において駆動軸17の径方向外側には、リップ型よりなる軸封装置39が配設されている。軸封装置39によって、密封空間側たる機内側(クランク室16側)と機外側(大気側)との間で、駆動軸17の外周面17aの周囲が密封されている。
前記挿通孔40内には、該挿通孔40を機内側に小径とする段差部40aが形成されている。挿通孔40内において段差部40aよりも機外側の位置には、サークリップ42が取り付けられている。軸封装置39は、金属製の筒状をなすケース41を備えている。ケース41は、挿通孔40内において段差部40aとサークリップ42との対向面間で位置規制されている。
前記ケース41の外周面には環状凹部41aが形成されている。ケース41において外周面の環状凹部41a内には、ゴム製のOリング43が嵌入されている。機内側と機外側と間において挿通孔40の径方向内側でかつケース41の径方向外側は、Oリング43によって密封されている。
前記ケース41内には、エラストマリップリング44と、耐圧補強リング45と、樹脂リップリング46と、保持リング47とが収容されている。機内側と機外側との間においてケース41の径方向内側でかつ駆動軸17の径方向外側は、エラストマリップリング44及び樹脂リップリング46によって密封されている。耐圧補強リング45は、エラストマリップリング44を背面側から支持することで、機内側の高圧の作用によっても、エラストマリップリング44が径方向内側へ変形しないようにするためのものである。保持リング47は、樹脂リップリング46を背面側から支持するためのものである。
前記エラストマリップリング44は、ゴム等のエラストマ材料よりなっている。エラストマリップリング44は、円環平板状をなす外周基部44aと、該外周基部44aから機内側へ向かって筒状に延在された本体部44bと、該本体部44bの先端において駆動軸17側でかつ機内側に向かって延在されたリップ部44cとからなっている。リップ部44cの内周には、環状凸部44c−1が形成されている。リップ部44cは機内側の高圧の作用や自身の弾発力によって、環状凸部44c−1が駆動軸17の外周面17aに対して円環状領域で密接されて密封作用を奏する。
前記ケース41の内周面には、外周面に形成された環状凹部41aの裏返しとして環状凸部41bが形成されている。ケース41内においてエラストマリップリング44の外周基部44aは、環状凸部41bの機外側の端面に対して円環状領域で密接されている。
前記保持リング47は金属材料よりなっている。保持リング47は円環平板状をなしている。ケース41において機外側の開口端は、径方向内側に屈曲されてカシメ部41cをなしている。ケース41内において保持リング47は、外周部がカシメ部41cによって機外側で係止されている。
前記樹脂リップリング46は、フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂材料よりなっている。樹脂リップリング46は、円環平板状をなす外周基部46aと、該外周基部46aから駆動軸17側でかつ機内側へ向かって延在されたリップ部46bとからなっている。ケース41内において樹脂リップリング46の外周基部46aは、保持リング47よりも機内側に位置するとともに、該保持リング47に対して外周部が円環状領域で当接されている。リップ部46bの内周は、機内側の高圧の作用によって、駆動軸17の外周面17aに対して円環状領域で密接されて密封作用を奏する。
前記耐圧補強リング45は金属材料よりなっている。耐圧補強リング45は、円環平板状をなす外周基部45aと、該外周基部45aから機内側へ向かって筒状に延在された本体支持部45bと、該本体支持部45bの先端において駆動軸17側でかつ機内側に向かって延在されたリップ支持部45cとからなっている。ケース41内において耐圧補強リング45の外周基部45aは、エラストマリップリング44の外周基部44aよりも機外側でかつ樹脂リップリング46の外周基部46aよりも機内側に位置する。また、耐圧補強リング45の外周基部45aは、エラストマリップリング44の外周基部44aに対して外周部の機内側面が、樹脂リップリング46の外周基部46aに対して外周部の機外側面が、それぞれ円環状領域で密接されている。
つまり、前記ケース41内において、エラストマリップリング44の外周基部44a、耐圧補強リング45の外周基部45a、樹脂リップリング46の外周基部46a、及び保持リング47は、機内側から機外側に向かって同順に積層配置されているとともに、環状凸部41bとカシメ部41cとの間で狭持されている。この狭持によって、ケース41の環状凸部41bとエラストマリップリング44の外周基部44aとの間、該外周基部44aと耐圧補強リング45の外周基部45aとの間、該外周基部45aと樹脂リップリング46の外周基部46aとの間、該外周基部46aと保持リング47との間がそれぞれ密封されている。
前記耐圧補強リング45の本体支持部45bは、エラストマリップリング44の本体部44bの背面44b−1を当接支持する本体支持面45b−1を有している。本体支持面45b−1は円筒外面よりなっている。耐圧補強リング45のリップ支持部45cは、エラストマリップリング44のリップ部44cの背面44c−2を当接支持するリップ支持面45c−1を有している。リップ支持面45c−1は、リップ部44cのテーパ状をなす背面44c−2に沿うようにして、機内側に小径となるテーパ状をなしている。
前記耐圧補強リング45においてリップ支持部45cのリップ支持面45c−1には、接触面圧調節用凹部51が形成されている。接触面圧調節用凹部51は、複数が駆動軸17の周方向に沿って一定間隔をおいて形成されている。各接触面圧調節用凹部51は、機内側から機外側へ向かって延在する長溝状をなしている。各接触面圧調節用凹部51において機内側の端部51aは、リップ支持部45cの先端で開放されている。
さて、図3に示すように、前記圧縮機10の運転開始によって機内側の圧力が高くなると、該高圧が軸封装置39のエラストマリップリング44に作用されることとなる。エラストマリップリング44のリップ部44cは、耐圧補強リング45のリップ支持部45cのリップ支持面45c−1によって背面44c−2が当接支持されている。従って、機内側の高圧の作用によっても、エラストマリップリング44のリップ部44cが径方向内側へ大きく変形することを抑制できる。よって、駆動軸17の外周面17aに対するリップ部44cの接触姿勢が大きく変化すること、つまりリップ部44cの密封性能が大きく低下することを抑制できる。
ここで、前記耐圧補強リング45においてリップ支持部45cのリップ支持面45c−1には、複数の接触面圧調節用凹部51が周方向に沿って一定間隔をおいて形成されている。従って、リップ支持面45c−1は、凹凸が周方向に所定間隔で反復する形状をなしている。よって、エラストマリップリング44のリップ部44cは、機内側の高圧の作用によってリップ支持面45c−1に対して押し付けられると、該リップ支持面45c−1の凹凸形状に応じて、駆動軸17の外周面17aに対する環状凸部44c−1の接触面圧に、周方向において高低が生じることとなる。
すなわち、前記駆動軸17の外周面17aに対する環状凸部44c−1の接触面圧は、接触面圧調節用凹部51に対して周方向にずれた部分、言い換えればリップ支持面45c−1による好適支持で駆動軸17側への変形が抑制された部分において相対的に低くなる。逆に、リップ部44cは、機内側の高圧の作用によってリップ支持面45c−1に対して押し付けられると、接触面圧調節用凹部51に対応する部分(接触面圧調節用凹部51に対して周方向にズレていない部分)が、該接触面圧調節用凹部51内つまり駆動軸17側へと大きく変形する。従って、この大きく変形した部分では、駆動軸17の外周面17aに対する環状凸部44c−1の接触面圧が相対的に高くなる。
また、前記エラストマリップリング44のリップ部44cは、機内側の高圧の作用によってリップ支持面45c−1に対して押し付けられると、該リップ支持面45c−1の凹凸形状に沿って変形される。従って、リップ部44cの環状凸部44c−1は、軸線Lに沿う方向の前後への凹凸が、周方向に所定間隔で反復するウネリ形状をなすこととなる。その結果、駆動軸17の外周面17aに対する環状凸部44c−1の相対回転によって、該環状凸部44c−1と駆動軸17の外周面17aとの摺動部分に介在される流体(冷媒及び潤滑油)の層には、前述した環状凸部44c−1のウネリ形状に応じて流体力学的な動圧が発生する。
従って、前記動圧の作用によって、リップ部44cの環状凸部44c−1において接触面圧調節用凹部51に対して周方向にずれた部分が、駆動軸17の外周面17aに対する接触面圧をさらに相対的に低くする。よって、この接触面圧が相対的に低くなった部分には潤滑油が容易に入り込むので、リップ部44cの環状凸部44c−1と駆動軸17の外周面17aとの摺動部分の潤滑状態を良好とすることができる。
上記構成の本実施形態においては次のような効果を奏する。
(1)前述したように本実施形態においては、例えば特許文献1のように、エラストマリップリング44のリップ部44cにおいて駆動軸17の外周面17aとの摺動部分にウネリ状凹凸面を予め形成しておかなくとも、特許文献1と同様な効果を長期に渡って奏することが可能となる。言い換えれば、ウネリ状凹凸面の摩耗消滅を危惧することなく、機内側が高圧であってもリップ部44cと駆動軸17の外周面17aとの摺動部分へと潤滑油を引き込むことができる。
つまり、本実施形態においては、前記駆動軸17の外周面17aとの摺動部分ではない耐圧補強リング45(リップ支持面45c−1)に接触面圧調節用凹部51が形成されている。そして、該接触面圧調節用凹部51によって、駆動軸17の外周面17aに対するエラストマリップリング44のリップ部44cの接触面圧を周方向の一部で異ならせるようにしている。従って、接触面圧調節用凹部51が摩耗消失する危惧なく、特許文献1と同様な効果を奏し得るのである。
(2)接触面圧調節用凹部51は、複数が周方向に沿って間隔をおいて形成されている。従って、駆動軸17の外周面17aに対するエラストマリップリング44のリップ部44cの接触面圧が、周方向において間隔をおいた複数箇所で低下される。よって、リップ部44cと駆動軸17の外周面17aとの摺動部分に対して、潤滑油を偏り少なく供給することができる。これは、リップ部44cと駆動軸17の外周面17aとの摺動部分の潤滑状態をさらに良好とすることにつながる。
(3)接触面圧調節用凹部51において機内側の端部51aは、リップ支持部45cの先端で開放されている。従って、エラストマリップリング44のリップ部44cにおいて接触面圧調節用凹部51に対応する部分は、機内側の溝端部51aに邪魔されることなく径方向内側に変形し易くなる。よって、機内側の高圧の作用によって、リップ部44cの環状凸部44c−1を効果的にウネらせることができる。
(4)冷凍回路の冷媒としては二酸化炭素が用いられている。二酸化炭素冷媒を用いた場合には、例えばフロン冷媒を用いた場合と比較して、圧縮機10の機内側の圧力が非常に高くなり、軸封装置39のエラストマリップリング44に作用する負荷も非常に大きくなる。このような態様において本発明を具体化し、エラストマリップリング44のリップ部44cの耐久性向上を図り得ることは、特に有効であると言える。
なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で例えば以下の態様でも実施できる。
○上記実施形態において接触面圧調節用凹部51は、耐圧補強リング45においてリップ支持部45cのリップ支持面45c−1に設けられていた。
これを変更し、例えば、図4に示すように、前記接触面圧調節用凹部51を、エラストマリップリング44のリップ部44cにおいて、耐圧補強リング45(リップ支持部45c)による当接支持を受ける背面44c−2に形成すること。このようにすれば、エラストマリップリング44のリップ部44cにおいて、接触面圧調節用凹部51が形成された部分については駆動軸17側へと変形し易くなっている。従って、リップ部44cの環状凸部44c−1において、接触面圧調節用凹部51に対応する部分(接触面圧調節用凹部51に対して周方向にズレていない部分)については、駆動軸17の外周面17aに対する接触面圧が相対的に高くなる。よって、本態様においても上記実施形態と同様な作用効果を奏する。
また、図5に示すように、前記接触面圧調節用凹部51を、エラストマリップリング44のリップ部44cにおいて、背面44c−2と反対側の面44c−3つまり機内側の圧力が作用される受圧面44c−3に形成すること。このようにすれば、リップ部44cにおいて、接触面圧調節用凹部51が形成された部分については、駆動軸17側へと変形し易くなっている。従って、リップ部44cの環状凸部44c−1において、接触面圧調節用凹部51に対応する部分(接触面圧調節用凹部51に対して周方向にズレていない部分)については、駆動軸17の外周面17aに対する接触面圧が相対的に高くなる。よって、本態様においても上記実施形態と同様な作用効果を奏する。
○接触面圧調節用凹部51は、リップ部44cの受圧面44c−3、リップ部44cの背面44c−2、及び耐圧補強リング45のリップ支持面45c−1のいずれか一つにのみ形成することに限定されるものではなく、このうちの二つ又は全てに形成するようにしてもよい。
○上記実施形態において接触面圧調節用凹部51は、複数が備えられていた。これを変更し、接触面圧調節用凹部51を一つのみ備えるようにすること。
○接触面圧調節用凹部51は、複数が駆動軸17の周方向に沿って一定間隔をおいて形成されていた。これを変更し、複数の接触面圧調節用凹部51を駆動軸17の周方向に沿って異なる間隔をおいて形成すること。
○本発明の軸封装置は、可変容量型圧縮機10に適用することに限定されるものではなく、例えば固定容量型圧縮機に適用してもよい。
○本発明の軸封装置は、二酸化炭素冷媒を用いた冷凍回路の圧縮機10に適用することに限定されるものではなく、フロン(例えば、R134a)冷媒を用いた冷凍回路の冷媒圧縮機に適用してもよい。
○本発明の軸封装置は、冷凍回路の冷媒の圧縮機に適用することに限定されるものではなく、その他の流体回路(例えばエア回路や油圧回路)に用いられる流体機械(例えばエアコンプレッサや油圧ポンプ)に適用してもよい。
○本発明の軸封装置は流体機械に適用することに限定されるものではなく、例えば膨張機等のその他の回転機械に適用してもよい。
上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について記載する。
(1)前記接触面圧調節用凹部において密封空間側の端部は開放されている請求項1又は2に記載の軸封装置。
(2)冷凍回路の冷媒の圧縮機として用いられ、該冷凍回路の冷媒としては二酸化炭素が採用されている請求項3に記載の圧縮機。
一実施形態の軸封装置を備えた可変容量型圧縮機の縦断面図。 図1において軸封装置付近を拡大して示す図。 エラストマリップリングに機内側の高圧が作用した状態を示す説明図。 別例の軸封装置を示す縦断面図であり要部を示す部分図。 別の別例の軸封装置を示す縦断面図であり要部を示す部分図。 従来の軸封装置を示す縦断面図。 特許文献1の技術を採用した従来の軸封装置を示す縦断面図。
符号の説明
10…圧縮機としての可変容量型圧縮機、17…回転軸としての駆動軸(a…外周面)、39…軸封装置、44…エラストマリップリング(c…リップ部(−2…背面,−3…受圧面))、45…耐圧補強リング(c−1…リップ支持面)、51…接触面圧調節用凹部。

Claims (3)

  1. 密封空間側でかつ回転軸側へ向かって延在されたリップ部が前記回転軸の外周面に対して密接されるエラストマリップリングと、該エラストマリップリングの前記リップ部を背面側から支持する耐圧補強リングとを備えた軸封装置であって、
    前記リップ部において前記密封空間側の圧力が作用される受圧面、前記リップ部において前記耐圧補強リングによる当接支持を受ける背面、及び前記耐圧補強リングにおいて前記リップ部の前記背面を当接支持するリップ支持面の少なくとも一つには、前記回転軸の前記外周面に対する前記リップ部の接触面圧を周方向の一部で異ならせるための接触面圧調節用凹部が形成されていることを特徴とする軸封装置。
  2. 前記接触面圧調節用凹部は複数が周方向に沿って間隔をおいて形成されている請求項1に記載の軸封装置。
  3. 請求項1又は2に記載の軸封装置を、前記回転軸たる駆動軸の周囲の密封に用いたことを特徴とする圧縮機。
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