JP4562661B2 - 斜板式圧縮機 - Google Patents
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具体的には、変換手段は、クランク室内に配置された斜板を備え、斜板は、回転軸によって貫通され且つ回転軸と一体に回転可能である。斜板の外周部は、ピストンの端部に形成された凹所内に位置付けられている。この凹所は、ピストンの軸線方向に離間した1組の座と、これらの座を連結するブリッジによって区画され、1組の座に1組の半球状のシューが配置されている。シューは、斜板の外周部に摺接し、斜板の回転運動がシューを介してピストンの往復運動に変換される。
また、潤滑油を摺動部に常に保持することができれば、潤滑油を跳ね上げるまでもなく、潤滑性が向上する。
また、特許文献1の圧縮機では、斜板の外周部が平坦であるため、斜板の回転により潤滑油が逃げてしまい、斜板とシューとの間の摺動部に常に油を保持することはできない。
しかしながら、特許文献1の圧縮機では、ピストンのブリッジの存在により、斜板の大径化は不可能である。また、斜板の外周部はシューによって挟まれているので、外周部を更に肉厚にするのも不可能である。
また、本発明の目的は、吐出容量が高精度にて制御され、この結果、消費動力が削減されるとともに耐久性が向上した可変容量型の斜板式圧縮機を提供することある。
好適な態様として、前記斜板は、当該斜板の外周から前記シリンダブロックに向けて一体に突出する円環部を更に有する(請求項3)。
好適な態様として、斜板式圧縮機は、前記斜板と前記シューとの間に介挿された耐摩耗板を更に備える(請求項5)。
このため、この圧縮機では、斜板の大径化を阻害する部材がなく、斜板の大径化によって、クランク室の底部に溜まった潤滑油が跳ね上げられ、潤滑性が向上する。また、内周壁、外周壁、外向き鍔及び内向きの鍔によって、シューの回りには潤滑油が常に保持され、これによっても潤滑性が向上する。この結果として、消費動力が削減されるとともに耐久性が向上する。
また、この圧縮機では、斜板の円環部によって、大径化した斜板であっても剛性が確保される。このため、圧縮反力を受けたときでも、斜板のカム面の平坦性が確保され、カム面に対してシューが片当たりすることはない。この結果として、カム面とシューとの間での油膜切れが防止され、潤滑性がより向上する。
請求項5の斜板式圧縮機では、シューが耐摩耗板に摺動するため、耐久性を容易に高められる。すなわち、シューが摺動する面の面粗度が小さいほど、油膜切れが防止され圧縮機の耐久性は向上するけれども、斜板とは別体の耐摩耗板にシューを摺動させた場合、耐摩耗板の表面を研磨仕上げしてその面粗度を小さくするのは容易である。この結果として、この圧縮機では耐久性が容易に高められる。
圧縮機は、ハウジングの一部を構成するケーシング(フロントハウジング)10を備える。ケーシング10は大径筒部12を含み、大径筒部12の端壁14に小径筒部16が一体に連なっている。端壁14と反対側の大径筒部12の端部には、シリンダブロック18が配置され、シリンダブロック18の円柱部が大径筒部12の端部の内側に嵌合している。シリンダブロック18の一端面と大径筒部12の端壁14との間には、クランク室20が区画されている。
吸入室22は、吸入リード弁(図示せず)を介してシリンダブロック18の各シリンダボア26に連通する一方、低圧側連通路を通じてクランク室20と常時連通している。低圧側連通路の一部は、シリンダブロック18の中央に形成された軸受孔内に規定されている。
ピストン28のテール部には、往復運動のための動力が伝達される。そのために、圧縮機は、エンジン等の動力源から動力を受け取る電磁クラッチ30を有する。
回転軸42の中央部にはロータ44が固定され、ロータ44は環状の円盤部を有する。円盤部はスラストベアリング46を介して端壁14と対向し、円盤部の内縁には一体にボス部が形成されている。ロータ44のボス部は回転軸42に嵌合し、ボス部と端壁14のシャフト孔の内周面との間にはローラベアリング48が配置されている。従って、回転軸42の中央部は、ローラベアリング48及びスラストベアリング46によって回転自在に支持されている。
ロータ44とシリンダブロック18との間を延びる回転軸42の部分は円環状の斜板52の中央を貫通している。斜板52は、ヒンジ54を介してロータ44に対して傾動可能に連結され、ロータ44と一体に回転可能である。ヒンジ54は、斜板52及びロータ44から相互に2つずつ突出するアームを有し、ロータ44のアーム間にはヒンジピン56が架け渡されている。ヒンジピン56は、斜板52の各アームに形成された長孔58を貫通している。
また、図4に示したように、リム70の先端には、半円筒状の第1のカウンタウエイト74が一体に形成され、第1のカウンタウエイト74は、ヒンジ54即ち曲面領域72と直径方向に離間している。一方、図5に示したように、ロータ44側の斜板52の面にも、ヒンジ54と直径方向に離間して、楔状の第2のカウンタウエイト76が一体に形成されている。
シュー88は、カム面86に摺接する円形の摺接面を有し、シュー88の背面には、スリット82の開口幅よりも小径の円柱状のロッド90が同軸且つ一体に形成されている。シュー88の背面には、ロッド90の回りに円環面が区画され、この円環面は、外向き鍔部78b及び内向き鍔部80bの内面に摺接する。
電磁クラッチ30がオン作動されると、外部からの動力が電磁クラッチ30を介して回転軸42に伝達され、回転軸42が回転する。回転軸42の回転運動は、変換手段、つまり、ロータ44、ヒンジ54、斜板52、シュー88、ロッド90、ヘッド92及び球面軸受28aを介してピストン28の往復運動に変換される。
このプロセスによって圧縮機から吐出される冷媒の吐出量(吐出容量)は、電磁制御弁によって高圧側連通路を開閉することによって調整可能される。すなわち、クランク室20内の圧力(背圧)が昇降するのに伴い、各ピストン28のストロークは増減する。具体的には、背圧が低いほどストロークは長くなり、逆に、背圧が高いほどストロークは短くなる。
図2を参照すると、ストロークの変化を許容するように、斜板52の傾斜角θは増減し、斜板52は、傾動ピン66の回りに傾動する。この際、スリーブ64は回転軸42に沿って移動し、且つ、ヒンジ54のヒンジピン56が、長孔58内にてスライドする。これによって、斜板52が傾動しても、ピストン28の上死点は変化せず、下死点のみが変化する。すなわち、斜板52の回転に伴い、ヒンジ54の周方向位置に合致したピストンが上死点に位置付けられ、第1のカウンタウエイトに合致したピストンが下死点に位置付けられる。
上述した斜板式圧縮機では、シュー88が、斜板52の面上に設けられたカム溝84内に保持される。また、シュー88は、ロッド90と、球面軸受28aに嵌合されたヘッド92とを介して、ピストン28に連結されている。
同時に、この圧縮機では、斜板52のリム70によって、大径化した斜板52であっても剛性が確保される。このため、圧縮反力を受けたときでも、斜板52のカム面86の平坦性が確保され、カム面86に対してシュー88が片当たりすることはない。この結果として、カム面とシュー88との間での油膜切れが防止され、潤滑性がより向上する。
なお、図2に示したように、第1のカウンタウエイト74の先端は、斜板52の傾動に伴い、大径筒部12の内周面に沿って移動し、常に潤滑油を跳ね上げることができる。
例えば、圧縮機が圧縮する作動流体は特に限定されないけれども、この圧縮機は、潤滑性が向上しているので、CO2の圧縮に好適である。作動流体としてCO2を圧縮する場合、フロン等を圧縮する場合に比べてクランク室20やシリンダボア26内の温度が高くなり、摺動部での摺動条件が厳しい。しかしながら、この圧縮機では、摺動部での潤滑性が向上しているので、斜板52とシュー88との間や、ピストン28とシリンダボア26との間、更には軸受等の摺動部での焼付きが防止され、耐久性の低下が防止される。
一実施形態の圧縮機では、シリンダボア26と回転軸42とが平行であったけれども、シリンダボアは、回転軸42に対して略平行であれば若干傾斜していてもよい。
一実施形態の圧縮機では、ピストンの上死点が変化しなかったけれども、上死点が変化するようにしてもよい。なお、一実施形態の圧縮機は、上死点が変化しないことから、圧縮性の流体を圧縮するのに好適である。
ここで、シュー88が摺動する面の面粗度が小さいほど、油膜切れが防止され圧縮機の耐久性は向上する。斜板52とは別体の耐摩耗板94にシュー88を摺動させた場合、斜板52にリム70を一体に形成していたとしても、耐摩耗板94の表面を研磨仕上げしてその面粗度を小さくするのは容易であり、圧縮機の耐久性を容易に高めることができる。
最後に、一実施形態の圧縮機は、可変容量型であったけれども固定容量型であってもよいのは勿論である。
28 ピストン
28a 球面軸受
42 回転軸
52 斜板
60 斜板ボス
70 リム
78 インナリング
78a ボス部
78b 外向き鍔部
80 アウタリング
80b 内向き鍔部
82 スリット
84 カム溝
86 カム面
88 シュー
90 ロッド
92 ヘッド
Claims (6)
- クランク室内を延びる回転軸と、
前記回転軸に略平行の複数のシリンダボアを有するシリンダブロックと、
前記各シリンダボアに挿入されたピストンと、
前記クランク室側の前記ピストンの端部に形成され、前記クランク室に向けて開口した球面軸受と、
前記回転軸によって貫通され且つ前記回転軸と一体に回転可能な斜板と、
前記シリンダブロック側の前記斜板の面上に同心に設けられ、前記面内に円環状のカム面を区画する内周壁及び外周壁と、
前記内周壁と外周壁との間に配置され、前記カム面に摺接するシューと、
前記シューに連なり、前記シューから前記カム面とは反対側に突出するロッドと、
前記ロッドの先端に設けられ、前記球面軸受に嵌合された球状のヘッドと、
前記内壁面及び外壁面から互いに向けて突出し、前記ロッドの通過を許容するスリットを形成しながら前記シューを前記カム面上に保持する外向き鍔及び内向き鍔と
を備えることを特徴とする斜板式圧縮機。 - 前記斜板の背面に設けられ、前記回転軸に対して傾動可能に前記斜板を支持するヒンジを更に備え、
前記各ピストンは、前記斜板の回転に伴ない前記ヒンジの周方向位置に合致したとき、一定の上死点に位置付けられることを特徴とする請求項1に記載の斜板式圧縮機。 - 前記斜板は、当該斜板の外周から前記シリンダブロックに向けて一体に突出する円環部を更に有することを特徴とする請求項2に記載の斜板式圧縮機。
- 前記斜板は、前記ヒンジとは直径方向に離間する外周の領域にカウンタウエイトを更に有し、
前記カウンタウエイトは、前記円環部から前記シリンダブロックに向けて延出した半円筒部を含む
ことを特徴とする請求項3に記載の斜板式圧縮機。 - 前記斜板と前記シューとの間に介挿された耐摩耗板を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の斜板式圧縮機。
- 作動流体としてのCO2を圧縮することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の斜板式圧縮機。
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