JP2005179076A - 炭化ケイ素とケイ化アルミニウムの複合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表面にSiO2が存在しないSiCとAlSi合金の複合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 SiC粉末に樹脂等のカーボン生成用有機物を添加し均一に混合したSiC粉末を成型してSiC粉末成型体を作製する工程と、前記SiC粉末成型体を減圧下、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性雰囲気下、800℃以上2000℃以下で熱処理し表面からSiO2を除去したSiC成型体を作製する工程と、AlSi合金を700℃以上1800℃以下の温度で、10torr以下の減圧下若しくはアルゴンガス等の不活性雰囲気下で前記浸透用SiC成型体に溶融浸透させる工程とから成るSiC/AlSi複合体の製造方法である。
【解決手段】 SiC粉末に樹脂等のカーボン生成用有機物を添加し均一に混合したSiC粉末を成型してSiC粉末成型体を作製する工程と、前記SiC粉末成型体を減圧下、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性雰囲気下、800℃以上2000℃以下で熱処理し表面からSiO2を除去したSiC成型体を作製する工程と、AlSi合金を700℃以上1800℃以下の温度で、10torr以下の減圧下若しくはアルゴンガス等の不活性雰囲気下で前記浸透用SiC成型体に溶融浸透させる工程とから成るSiC/AlSi複合体の製造方法である。
Description
本発明は、炭化ケイ素(SiC)成型体にケイ化アルミニウム(AlSi)合金を溶融浸透させて行うSiCとAlSi合金の複合体(SiC/AlSi複合体)の製造方法に関する。
炭化ケイ素とシリコンの複合体(SiC/Si複合体)は高剛性、低熱膨張性、高熱伝導性を有することから、半導体製造装置、液晶製造装置、発熱体として使用されている。しかしながら、この複合体は靭性が低い、熱膨張係数が小さすぎる等の理由によりその使用範囲が限られていた。それを克服するために、SiC成型体にAlSi合金を浸透させSiC/AlSi複合体を製造する方法が提案され、一部実用化が始まっている。SiC成型体にAlSi合金を浸透して製造されたSiC/AlSi複合体は、AlSi合金がSi金属と比較して熱膨張係数が大きく且つ靭性があるので、その靭性値も熱膨張係数も工業部材として使用できる程に大きく改善され、他のセラミックス、金属とのアセンブリも可能になった。その結果、SiC/AlSi複合体は、放熱用ヒートシンク、自動車用ブレーキ部品、ロボットハンド等、機械部品としての用途が大きく広がることが期待されている。
SiC/AlSi複合体を製造する第1の従来方法は、いわゆるランクサイド法で、SiC成型体をMgとN2雰囲気下でAlSi合金を浸透させる方法である。即ち、成型体のSiC粉末にMg3N2を形成させてAlSi合金との濡れ性を改善した浸透用炭化ケイ素成型体に、毛細管現象によりAlSi合金を溶融浸透させる方法である。
この第1の従来方法は、AlSi合金を浸透時にSiC成型体全体がMgとN2の雰囲気に包まれるので、AlSi合金の浸透がSiC成型体全体から生じるので中心部に未浸透部が残ったり、浸透後の成型体にAlSi合金が付着する。この浸透後の成型体に付着したAlSi合金は外すことが困難であるため、所望の形状にするには後加工が必要となる。従って、この従来のSiC/AlSi複合体の製造方法は、製品コストが高くなるという問題がある。
また、N2の雰囲気下で浸透を行うため、AlSi合金の融点は1100℃以下、即ちAlとSiの比率が60:40以上でAlリッチな合金を使用せざるを得ないので、Si含有率が高いAlSi合金はSiC成型体に浸透できないという問題もある。
この第1の従来方法は、AlSi合金を浸透時にSiC成型体全体がMgとN2の雰囲気に包まれるので、AlSi合金の浸透がSiC成型体全体から生じるので中心部に未浸透部が残ったり、浸透後の成型体にAlSi合金が付着する。この浸透後の成型体に付着したAlSi合金は外すことが困難であるため、所望の形状にするには後加工が必要となる。従って、この従来のSiC/AlSi複合体の製造方法は、製品コストが高くなるという問題がある。
また、N2の雰囲気下で浸透を行うため、AlSi合金の融点は1100℃以下、即ちAlとSiの比率が60:40以上でAlリッチな合金を使用せざるを得ないので、Si含有率が高いAlSi合金はSiC成型体に浸透できないという問題もある。
SiCとAlSiを製造する第2の従来方法は、特表2003−505329号公報(特許文献1)に開示されているものである。この第2の従来方法は、SiC成型体にSiを浸透させSiC/Si複合体を製造する方法の改良方法である。SiC/Si複合体の製造技術は、カーボンまたはカーボンを含んだSiCに溶融したSi金属を接触させ、C+Si→SiCの化学反応を駆動力としてSi金属を浸透させてSiC/Si複合体を製造する方法である。または、Si金属の代わりにAlSi合金を使用し、同じくカーボンを添加したSiC成型体に減圧下でAlSi合金を溶融浸透させてSiC/AlSi複合体を製造する方法である。この第2の従来の製造方法において、SiC成型体にAlSi合金を十分に浸透させるためには、SiC成型体に添加するカーボン量は1%以上とする必要がある。ところが、添加するカーボン量が多いと、AlSi合金のAlとカーボンが、3C+4Al→Al4C3の化学反応を起こし、また、Al4C3が空気中の湿分と反応し、Al4C3+12H2O→4Al(OH)3 +3 CH4により、SiC/AlSi複合体が一部分解する恐れがある。また、添加するカーボン量が多いと、Si+C→SiCの化学反応時の発熱により、SiC/AlSi複合体が割れたり、亀裂が入ったりする恐れがある。
本発明が解決しようとする課題は、SiC成型体にAlSi合金を浸透させて行うSiCとAlSi合金の複合体の製造方法において、表面にSiO2が存在しないSiCとAlSi合金の複合体の製造方法を提供することである。
上述の課題を解決するSiCとAlSi合金の複合体の製造方法は、SiC成型体からSiO2を除去した浸透用SiC成型体を作製し、この浸透用SiC成型体にAlSi合金を溶融浸透させるようにしたことを特徴とするものである。
前記浸透用SiC成型体の第1の作製方法は、原料のSiC粉末の表面からSiO2を除去する工程と、表面からSiO2が除去されたSiC粉末を成型してSiC粉末成型体を作製する工程と、前記SiC粉末成型体に5%以下望ましくは1%以下のカーボンを浸透助剤として添加し、900℃から2000℃以下の温度で、真空中若しくは不活性雰囲気中で熱処理し浸透用SiC成型体を作製する工程とから成るものである。
前記浸透用SiC成型体の第2の作製方法は、原料のSiC粉末にカーボン若しくは樹脂等のカーボン生成用有機物を添加し均一に混合したSiC粉末を成型してSiC粉末成型体を作製する工程と、前記SiC粉末成型体を減圧下、N2やAr等の不活性雰囲気下、又はメタンガス、エタンガス、CO等の還元雰囲気下で、800℃以上2000℃以下で熱処理し表面からSiO2を除去した浸透用SiC成型体を作製する工程とから成るものである。
本発明により、Al4C3等の発生がほとんどない安定したSiCとAlSi合金の複合体の製造が可能になった。機械部品、ヒートシンク等工業製品への用途拡大が期待できる。
本発明に係るSiCとAlSi合金の複合体の製造方法は、原料のSiC粉末の表面からSiO2を除去する工程と、
表面からSiO2が除去されたSiC粉末を成型してSiC成型体を作製する工程と、
前記SiC粉末成型体に5%以下望ましくは1%以下のカーボンを浸透助剤として添加し、900℃から2000℃以下の温度で、真空中若しくは不活性雰囲気中で熱処理し浸透用SiC成型体を作製する工程と、
ケイ化アルミニウム合金を700℃以上1800℃以下の温度で、10torr以下の減圧下若しくはアルゴンガス等の不活性雰囲気下で前記浸透用SiC成型体に溶融浸透させる工程とからなるものである。
表面からSiO2が除去されたSiC粉末を成型してSiC成型体を作製する工程と、
前記SiC粉末成型体に5%以下望ましくは1%以下のカーボンを浸透助剤として添加し、900℃から2000℃以下の温度で、真空中若しくは不活性雰囲気中で熱処理し浸透用SiC成型体を作製する工程と、
ケイ化アルミニウム合金を700℃以上1800℃以下の温度で、10torr以下の減圧下若しくはアルゴンガス等の不活性雰囲気下で前記浸透用SiC成型体に溶融浸透させる工程とからなるものである。
そして、前記浸透用SiC成型体の作製方法は、原料のSiC粉末の表面からSiO2を除去する工程と、表面からSiO2が除去されたSiC粉末を成型してSiC粉末成型体を作製する工程と、前記SiC粉末成型体に5%以下望ましくは1%以下のカーボンを浸透助剤として添加し、900℃から2000℃以下の温度で、真空中若しくは不活性雰囲気中で熱処理し浸透用SiC成型体を作製する工程とから成るものである。
(SiC粉末成型体の原料)
使用するSiC粉末は平均粒径が1μm〜500μmで、望ましくは3μm〜300μmが適当である。1μm以下では成型後にSiC粒子間の空隙も1μm以下と小さくなり過ぎて、AlSi合金が浸透しにくい。また、500μm以上では成型後にSiC粒子間の空隙も大きくなり過ぎて、AlSi合金が浸透しにくい。AlSi合金のSiC成型体への浸透は、毛細管現象によって行われるからである。
使用するSiC粉末は平均粒径が1μm〜500μmで、望ましくは3μm〜300μmが適当である。1μm以下では成型後にSiC粒子間の空隙も1μm以下と小さくなり過ぎて、AlSi合金が浸透しにくい。また、500μm以上では成型後にSiC粒子間の空隙も大きくなり過ぎて、AlSi合金が浸透しにくい。AlSi合金のSiC成型体への浸透は、毛細管現象によって行われるからである。
(成型方法)
SiC粉末の成型は、バインダーを添加後、プレス成型、インジェクション成型、鋳込み成型等の周知の方法で行われる。必要ならば、平均粒径が異なる2種類以上のSiC粉末を使用し、いわゆる最密充填により成型体の充填密度を上げることができる。
SiC粉末の成型は、バインダーを添加後、プレス成型、インジェクション成型、鋳込み成型等の周知の方法で行われる。必要ならば、平均粒径が異なる2種類以上のSiC粉末を使用し、いわゆる最密充填により成型体の充填密度を上げることができる。
(バインダー)
添加するバインダーとしては、フェノール樹脂やフラン樹脂等の樹脂類、メチルセルロースや砂糖等の有機バインダーが使用される。これらの無機バインダー、有機バインダーは、水又は有機溶剤で溶かして添加することが望ましい。溶かした状態で添加すると、バインダーはSiC粉末と均一に混ぜることができる。有機バインダーは、以下の実施例に示す通り、カーボン源としても使用できる。
添加するバインダーとしては、フェノール樹脂やフラン樹脂等の樹脂類、メチルセルロースや砂糖等の有機バインダーが使用される。これらの無機バインダー、有機バインダーは、水又は有機溶剤で溶かして添加することが望ましい。溶かした状態で添加すると、バインダーはSiC粉末と均一に混ぜることができる。有機バインダーは、以下の実施例に示す通り、カーボン源としても使用できる。
(カーボン源)
カーボン源としてカーボン粒を使用する場合、平均粒径が50μm以下のものを使用する。50μm以上では成型体全体にカーボン粒が均一に混ぜることが困難になり、SiC表面のSiO2を除去する効果が小さくなるので、多量のカーボンが必要になって好ましくない。50μm以下のカーボンとしてはカーボンブラック、ランプブラック、ナノカーボンが挙げられる。これらのカーボンは水で又は有機溶剤で分散した市販のものでもよい。カーボン源として使用される有機バインダーにはフェノール樹脂、フラン樹脂等が挙げられる。有機バインダーは、炭化工程で炭化する割合を見込んで添加する。フェノール樹脂、フラン樹脂は添加量の約半分が炭化してカーボンとなるので、必要なカーボン量の約2倍程度を添加する。他の有機物を添加する場合は、炭化する割合を事前に測定して添加量を決定した方がよい。これらの樹脂は50μm以下の粉でもよいし、水又は有機溶剤に溶かしたものでもよい。或いは、コロイドとして溶剤に分散したものでもよい。カーボンの添加量としては5%以下、望ましくは1%以下とする。
カーボン源としてカーボン粒を使用する場合、平均粒径が50μm以下のものを使用する。50μm以上では成型体全体にカーボン粒が均一に混ぜることが困難になり、SiC表面のSiO2を除去する効果が小さくなるので、多量のカーボンが必要になって好ましくない。50μm以下のカーボンとしてはカーボンブラック、ランプブラック、ナノカーボンが挙げられる。これらのカーボンは水で又は有機溶剤で分散した市販のものでもよい。カーボン源として使用される有機バインダーにはフェノール樹脂、フラン樹脂等が挙げられる。有機バインダーは、炭化工程で炭化する割合を見込んで添加する。フェノール樹脂、フラン樹脂は添加量の約半分が炭化してカーボンとなるので、必要なカーボン量の約2倍程度を添加する。他の有機物を添加する場合は、炭化する割合を事前に測定して添加量を決定した方がよい。これらの樹脂は50μm以下の粉でもよいし、水又は有機溶剤に溶かしたものでもよい。或いは、コロイドとして溶剤に分散したものでもよい。カーボンの添加量としては5%以下、望ましくは1%以下とする。
(SiO2を除去する加熱処理)
SiC成型体にAlSiを浸透する場合、カーボンはSi+C→SiCの化学反応でAlSi合金の浸透駆動力を生み出すが、この化学反応と共にSiCとAlSiの濡れ性を向上させることも必要である。一般的にSiC表面にはSiO2のシリカ酸化物が存在し、これがSiCとAlSiの濡れ性を阻害している。そこで、SiO2+2C→SiO+2COの反応でSiO2を気化除去し、SiC表面とAlSi合金の濡れ性を向上させ毛細管現象を促進させることができる。このSiO2の気化除去の処理温度は800℃以上2000℃以下である。800℃以下ではSiO2とCとの反応が進まないので好ましくない。2000℃以上ではSi、Alが気化するので好ましくない。上記のSiO2の気化除去の処理を施すことにより、SiC成型体へのAlSi合金の浸透が促進できると共に少ないカーボン量で浸透させることができる。
SiC成型体にAlSiを浸透する場合、カーボンはSi+C→SiCの化学反応でAlSi合金の浸透駆動力を生み出すが、この化学反応と共にSiCとAlSiの濡れ性を向上させることも必要である。一般的にSiC表面にはSiO2のシリカ酸化物が存在し、これがSiCとAlSiの濡れ性を阻害している。そこで、SiO2+2C→SiO+2COの反応でSiO2を気化除去し、SiC表面とAlSi合金の濡れ性を向上させ毛細管現象を促進させることができる。このSiO2の気化除去の処理温度は800℃以上2000℃以下である。800℃以下ではSiO2とCとの反応が進まないので好ましくない。2000℃以上ではSi、Alが気化するので好ましくない。上記のSiO2の気化除去の処理を施すことにより、SiC成型体へのAlSi合金の浸透が促進できると共に少ないカーボン量で浸透させることができる。
従来の方法ではSiC成型体とAlSi合金を同時に焼成炉に入れ加熱処理するので、昇温過程で溶融AlSi合金がSiC成型体の全部または一部を取り囲み、カーボンとSiO2の反応によるSiO2の除去が十分発揮できない。従って、浸透駆動力はSi+C→SiCに頼らざるを得なくなり、それ故、カーボン添加量を多くする必要がある。特にAlSi合金はSi金属より融点が低く、より低温でAlSi合金がSiC成型体を取り囲むのでSiO2除去がより困難になる。本発明においては、浸透前にSiO2除去工程を入れることにより、後のAlSi浸透がより容易になった。従って、添加するカーボン量が少なくてすみ、過剰のカーボンによるAl4C3の生成も少なくなり、高品質なSiCとAlSiの複合体が製造できるようになった。
焼成炉の性能にもよるが、800℃以下の有機物の炭化と800℃以上のSiO2の除去を同じ炉内で行っても良いが、有機物の炭化の際に発生する揮発分は炉内を汚染するので別な焼成炉でやるのが一般的である。このように処理された成型体は冷却後空気中の湿分と再び反応してSiO2が生成しないように乾燥雰囲気下または減圧下で保存したほうが望ましい。上述したように、本発明においては、成型体に添加するカーボンが少なくて済み、その量は5%以下望ましくは1%以下でも十分である。
また、上述したように、5%以下のカーボンを生成する有機物を成型時に混合し、還元雰囲気下で熱処理することによって、SiO2を除去した成型体を得ることができる。そこで、成型前のSiC粉末とカーボンを発生する有機物を混合して熱処理してSiO2分を除去したSiC粉末を使用して同様な操作で成型したSiC成型体に、AlSi合金を浸透しても良い。この場合、SiC粉末が酸化されないように従って湿分を吸収しないように、乾燥雰囲気または窒素雰囲気等でSiC粉末を保存し、原料混合はアルコール等有機溶媒で実施するのが好ましい。有機バインダーは有機溶媒に可溶なフェノール樹脂、フラン樹脂等を使用するのが好ましい。
(AlSi合金を浸透させる加熱処理工程)
次に上記の方法で作製した成型体をAlSi合金と同じトレーに入れ700℃〜1600℃の温度、減圧下またはAr等不活性雰囲気下で浸透処理を行う。本発明においては、既に十分にSiO2が除去されているので高真空にする必要がなく10torr以下の真空度または不活性雰囲気下で十分である。
次に上記の方法で作製した成型体をAlSi合金と同じトレーに入れ700℃〜1600℃の温度、減圧下またはAr等不活性雰囲気下で浸透処理を行う。本発明においては、既に十分にSiO2が除去されているので高真空にする必要がなく10torr以下の真空度または不活性雰囲気下で十分である。
浸透温度はAlSi合金の融点によるが、融点より50℃〜200℃以上高い温度が望ましい。使用するAlSiの合金組成にもよるが、浸透温度は700℃〜1500℃である。700℃以下では溶解した合金の粘性が高いので浸透しにくい。1500℃以上ではSi、Alの揮発が激しくなり好ましくない。
(SiC粉末成型体の原料)
ドイツのワッカーケミカル社製SiC粉末180番(平均粒径52μm)60重量部と同じく800番(平均粒径14μm)40重量部に水溶性フェノール樹脂(昭和高分子社製BR5-61B:加熱後のカーボンとしての残炭率48%)を1.5重量部(カーボン分として0.72重量部)および水30重量部をSiC粉末成型体の原料とした。
ドイツのワッカーケミカル社製SiC粉末180番(平均粒径52μm)60重量部と同じく800番(平均粒径14μm)40重量部に水溶性フェノール樹脂(昭和高分子社製BR5-61B:加熱後のカーボンとしての残炭率48%)を1.5重量部(カーボン分として0.72重量部)および水30重量部をSiC粉末成型体の原料とした。
(SiC粉末成型体の作製)
上記の原料をポットミルに入れ、1時間混合してスラリー化し、縦100mm×横50mm×深さ10mmのキャビティを持つゴム型に流し込んで、振動機にかけ1時間の沈降振動成型を行った後に、ゴム型のまま冷凍庫に4時間保持し、成型体をゴム型から外した。
次に、前記成型体を110℃の乾燥機に一昼夜保持し、成型体の水分を除去すると共に成型体を硬化させた。
上記の原料をポットミルに入れ、1時間混合してスラリー化し、縦100mm×横50mm×深さ10mmのキャビティを持つゴム型に流し込んで、振動機にかけ1時間の沈降振動成型を行った後に、ゴム型のまま冷凍庫に4時間保持し、成型体をゴム型から外した。
次に、前記成型体を110℃の乾燥機に一昼夜保持し、成型体の水分を除去すると共に成型体を硬化させた。
(フェノール樹脂の炭化工程)
次に、硬化した成型体を窒素雰囲気の電気炉によって700℃で加熱処理し、成型体のフェノール樹脂を炭化させた。
次に、硬化した成型体を窒素雰囲気の電気炉によって700℃で加熱処理し、成型体のフェノール樹脂を炭化させた。
(SiO2の除去工程)
次に、フェノール樹脂が炭化されたSiC成型体を電気炉に入れ、真空にした後にArを導入して常圧とし、昇温速度200℃/時間で加熱すると共にロータリポンプで減圧しながら1200℃まで加熱して2時間保持した。その後、前記成型体を常温まで冷却して炉外へ取り出し、シリカゲルの乾燥剤の入ったデシケータ内で保存した。このような加熱処理を経て、SiO2が除去された浸透用SiC成型体を作製した。
次に、フェノール樹脂が炭化されたSiC成型体を電気炉に入れ、真空にした後にArを導入して常圧とし、昇温速度200℃/時間で加熱すると共にロータリポンプで減圧しながら1200℃まで加熱して2時間保持した。その後、前記成型体を常温まで冷却して炉外へ取り出し、シリカゲルの乾燥剤の入ったデシケータ内で保存した。このような加熱処理を経て、SiO2が除去された浸透用SiC成型体を作製した。
前記浸透用SiC成型体は、体重量と体積から計算して、SiCが68v%の成型体であった。また、前記浸透用成型体の一部をSiCが酸化されずカーボンのみが酸化する1000℃の空気中で4時間焼成した後に重量測定を行った。その結果、前記浸透用成型体のカーボン量は0.70%であった。
(AlSi合金の浸透工程)
次に、前記浸透用成型体109g (サイズ:縦100mm×横50mm×高さ10mm)とAlSi合金(Al60重量:Si40重量の合金)200gを、BN粉を塗布したカーボンサヤ(内のり:縦150mm×横100mm×深さ40mm)に入れ、電気炉に装填した。
次に、電気炉を一旦真空にした後にArガスを導入して常圧とし、Arガスを2リットル/分で導入すると共に、リーク弁から炉内ガスを放出して常圧とした後、電気炉を昇温速度200℃/時間で加熱すると共にロータリポンプで減圧しながら1280℃まで昇温した後、2時間保持加熱して浸透処理を行った。
最後に、Arガスの導入を止めリーク弁を閉めて室温まで冷却し、浸透素材を取り出した。
次に、前記浸透用成型体109g (サイズ:縦100mm×横50mm×高さ10mm)とAlSi合金(Al60重量:Si40重量の合金)200gを、BN粉を塗布したカーボンサヤ(内のり:縦150mm×横100mm×深さ40mm)に入れ、電気炉に装填した。
次に、電気炉を一旦真空にした後にArガスを導入して常圧とし、Arガスを2リットル/分で導入すると共に、リーク弁から炉内ガスを放出して常圧とした後、電気炉を昇温速度200℃/時間で加熱すると共にロータリポンプで減圧しながら1280℃まで昇温した後、2時間保持加熱して浸透処理を行った。
最後に、Arガスの導入を止めリーク弁を閉めて室温まで冷却し、浸透素材を取り出した。
この浸透素材から縦10mm×横10mm×高さ5mm の試験片を切り出し、アルキメデス法で密度測定を行うと共にX線回折測定で組成の分析を行った。その結果、前記浸透素材は気孔率0.1%でほぼ完全なSiC/AlSi の複合体であった。また、この浸透素材をX線回折で分析したところAl4C3のピークは見られず、この浸透素材は安定した複合体であることが分かった。
(SiC粉末成型体の原料)
ワッカーケミカル社製SiC粉末180番(平均粒径52μm)60重量部と同じく800番(平均粒径14μm)40重量部にフェノール樹脂4重量部(カーボン分をして1.9%)および水30重量部をSiC粉末成型体の原料とした。
ワッカーケミカル社製SiC粉末180番(平均粒径52μm)60重量部と同じく800番(平均粒径14μm)40重量部にフェノール樹脂4重量部(カーボン分をして1.9%)および水30重量部をSiC粉末成型体の原料とした。
(SiC粉末成型体の作製工程)
実施例1と同じ工程によって、SiC粉末成型体の作製を行った。
実施例1と同じ工程によって、SiC粉末成型体の作製を行った。
(フェノール樹脂の炭化工程)
次に、実施例1と同じく、硬化したSiC粉末成型体を窒素雰囲気の電気炉によって700℃で加熱処理し、SiC粉末成型体のフェノール樹脂を炭化させた。
次に、実施例1と同じく、硬化したSiC粉末成型体を窒素雰囲気の電気炉によって700℃で加熱処理し、SiC粉末成型体のフェノール樹脂を炭化させた。
(SiO2の除去工程)
次に、フェノール樹脂が炭化されたSiC成型体を電気炉に入れ真空にした後にArを導入し常圧とした後、昇温速度200℃/時間で加熱すると共にロータリポンプで1torrを維持しながら1150℃まで加熱して1.5時間保持した後に常温まで冷却して炉外へ取り出し、シリカゲルの乾燥剤の入ったデシケータ内で保存し浸透用SiC成型体とした。
次に、フェノール樹脂が炭化されたSiC成型体を電気炉に入れ真空にした後にArを導入し常圧とした後、昇温速度200℃/時間で加熱すると共にロータリポンプで1torrを維持しながら1150℃まで加熱して1.5時間保持した後に常温まで冷却して炉外へ取り出し、シリカゲルの乾燥剤の入ったデシケータ内で保存し浸透用SiC成型体とした。
(AlSi合金の浸透工程)
最後に、実施例1と同じ工程によって、SiC粉末成型体にAlSi合金を浸透させる加熱処理を行い、浸透素材を作製した。
最後に、実施例1と同じ工程によって、SiC粉末成型体にAlSi合金を浸透させる加熱処理を行い、浸透素材を作製した。
実施例1と同じ方法で測定した結果、前記浸透素材は気孔率0.1%でほぼ完全なSiCと AlSi の複合体であった。また、この浸透素材をX線回折で分析したところAl4C3のピークは見られず、この浸透素材は安定した複合体であることが分かった。
(SiC粉末成型体の原料)
東海カーボンのカーボンブラック(シースト3)0.5重量部、ワッカーケミカル社製SiC原料180番60重量部、800番40重量部をフェノール樹脂0.3重量部(カーボン分として0.144重量部)および水30重量部をSiC粉末成型体の原料とした。なお、前記カーボンブラックはカーボン源となるものである。
東海カーボンのカーボンブラック(シースト3)0.5重量部、ワッカーケミカル社製SiC原料180番60重量部、800番40重量部をフェノール樹脂0.3重量部(カーボン分として0.144重量部)および水30重量部をSiC粉末成型体の原料とした。なお、前記カーボンブラックはカーボン源となるものである。
(SiC粉末成型体の作製工程)
実施例1と同じ工程によって、SiC粉末成型体の作製を行った。
実施例1と同じ工程によって、SiC粉末成型体の作製を行った。
(フェノール樹脂の炭化工程)
次に、実施例1と同じく、硬化した成型体を窒素雰囲気の電気炉によって700℃で加熱処理し、SiC粉末成型体のフェノール樹脂を炭化させた。
次に、実施例1と同じく、硬化した成型体を窒素雰囲気の電気炉によって700℃で加熱処理し、SiC粉末成型体のフェノール樹脂を炭化させた。
(SiO2の除去工程)
次に、フェノール樹脂が炭化されたSiC成型体を電気炉に入れ真空にした後にArを導入し常圧とした後、昇温速度200℃/時間で加熱すると共にロータリポンプで減圧しながら1300℃まで加熱して2時間保持した後に常温まで冷却して炉外へ取り出し、シリカゲルの乾燥剤の入ったデシケータ内で保存し浸透用SiC成型体とした。
前記浸透用SiC成型体は、カーボン量0.6%を含有する成型体であった。
次に、フェノール樹脂が炭化されたSiC成型体を電気炉に入れ真空にした後にArを導入し常圧とした後、昇温速度200℃/時間で加熱すると共にロータリポンプで減圧しながら1300℃まで加熱して2時間保持した後に常温まで冷却して炉外へ取り出し、シリカゲルの乾燥剤の入ったデシケータ内で保存し浸透用SiC成型体とした。
前記浸透用SiC成型体は、カーボン量0.6%を含有する成型体であった。
(AlSi合金の浸透工程)
最後に、実施例1と同じ工程によって、SiC粉末成型体にAlSi合金を浸透させる加熱処理を行い、浸透素材を作製した。
最後に、実施例1と同じ工程によって、SiC粉末成型体にAlSi合金を浸透させる加熱処理を行い、浸透素材を作製した。
実施例1と同じ方法で測定した結果、前記浸透素材は気孔率0.1%でほぼ完全なSiCと AlSi の複合体であった。また、この浸透素材をX線回折で分析したところAl4C3のピークは見られず、この浸透素材は安定した複合体であることが分かった。
(SiC粉末成型体の原料)
ワッカーケミカル社製SiC原料180番70重量部、800番30重量部にフェノール樹脂1.0重量部(カーボン分をして0.48重量部)および水30重量部をSiC粉末成型体の原料とした。
ワッカーケミカル社製SiC原料180番70重量部、800番30重量部にフェノール樹脂1.0重量部(カーボン分をして0.48重量部)および水30重量部をSiC粉末成型体の原料とした。
(SiC粉末成型体の作製工程)
実施例1と同じ工程によって、SiC粉末成型体の作製を行った。
実施例1と同じ工程によって、SiC粉末成型体の作製を行った。
(フェノール樹脂の炭化工程)
次に、実施例1と同じく、硬化したSiC粉末成型体を窒素雰囲気の電気炉によって700℃で加熱処理し、SiC粉末成型体のフェノール樹脂を炭化させた。
次に、実施例1と同じく、硬化したSiC粉末成型体を窒素雰囲気の電気炉によって700℃で加熱処理し、SiC粉末成型体のフェノール樹脂を炭化させた。
(SiO2の除去工程)
次に、フェノール樹脂が炭化された成型体を電気炉に入れ真空にした後にアルゴンガス80%、メタンガス20%の混合ガスを導入し常圧とした後、昇温速度200℃/時間で加熱すると共にロータリポンプで減圧しながら1200℃まで加熱して2時間保持した後に常温まで冷却して炉外へ取り出し、シリカゲルの乾燥剤の入ったデシケータ内で保存し浸透用成型体とした。
次に、フェノール樹脂が炭化された成型体を電気炉に入れ真空にした後にアルゴンガス80%、メタンガス20%の混合ガスを導入し常圧とした後、昇温速度200℃/時間で加熱すると共にロータリポンプで減圧しながら1200℃まで加熱して2時間保持した後に常温まで冷却して炉外へ取り出し、シリカゲルの乾燥剤の入ったデシケータ内で保存し浸透用成型体とした。
前記浸透用成型体の一部をSiCが酸化されずカーボンのみが酸化する1000℃空気中で4時間焼成した後に重量測定を行った。その結果、前記浸透用成型体のカーボン量は0.6%のカーボンを含有していることが分かった。
(AlSi合金の浸透工程)
最後に、実施例1と同じ工程によって、SiC粉末成型体にAlSi合金を浸透させる加熱処理を行い、浸透素材を作製した。
最後に、実施例1と同じ工程によって、SiC粉末成型体にAlSi合金を浸透させる加熱処理を行い、浸透素材を作製した。
実施例1と同じ方法で測定した結果、前記浸透素材は気孔率0.1%でほぼ完全なSiCと AlSi の複合体であった。また、この浸透素材をX線回折で分析したところAl4C3のピークは見られず、この浸透素材は安定した複合体であることが分かった。
(SiC粉末成型体の原料)
ワッカーケミカル社製SiC粉末180番(平均粒径52μm)60重量部と同じく800番(平均粒径14μm)40重量部に水溶性フェノール樹脂(昭和高分子社製BR5-61B:加熱後のカーボンとしての残炭率48%)を1.5重量部(カーボン分として0.72重量部)および水30重量部をSiC粉末成型体の原料とした。
ワッカーケミカル社製SiC粉末180番(平均粒径52μm)60重量部と同じく800番(平均粒径14μm)40重量部に水溶性フェノール樹脂(昭和高分子社製BR5-61B:加熱後のカーボンとしての残炭率48%)を1.5重量部(カーボン分として0.72重量部)および水30重量部をSiC粉末成型体の原料とした。
(SiC粉末成型体の作製工程)
実施例1と同じ工程によって、SiC粉末成型体の作製を行った。
実施例1と同じ工程によって、SiC粉末成型体の作製を行った。
(フェノール樹脂の炭化工程)
次に、実施例1と同じく、硬化したSiC粉末成型体を窒素雰囲気の電気炉によって700℃で加熱処理し、SiC粉末成型体のフェノール樹脂を炭化させた。
次に、実施例1と同じく、硬化したSiC粉末成型体を窒素雰囲気の電気炉によって700℃で加熱処理し、SiC粉末成型体のフェノール樹脂を炭化させた。
(SiO2の除去工程)
次に、実施例1と同じ工程によって、SiO2が除去された浸透用SiC成型体を作製した。
次に、実施例1と同じ工程によって、SiO2が除去された浸透用SiC成型体を作製した。
前記浸透用SiC成型体は、体重量と体積から計算して、SiCが68v%の成型体であった。また、前記浸透用成型体の一部をSiCが酸化されずカーボンのみが酸化する1000℃の空気中で4時間焼成した後に重量測定を行った。その結果、前記浸透用成型体のカーボン量は0.70%であった。
(AlSi合金の浸透工程)
次に、前記浸透用成型体109g (サイズ:縦100mm×横50mm×高さ10mm)とAlSi合金(Al60重量:Si40重量の合金)200gを、BN粉を塗布したカーボンサヤ(内のり:縦150mm×横100mm×深さ40mm)に入れ、電気炉に装填した。次に、電気炉を真空にした後、電気炉を昇温速度200℃/時間で加熱し1280℃まで昇温した後、3時間保持加熱して浸透処理を行った。最後に、室温まで冷却し、浸透素材を取り出した。
次に、前記浸透用成型体109g (サイズ:縦100mm×横50mm×高さ10mm)とAlSi合金(Al60重量:Si40重量の合金)200gを、BN粉を塗布したカーボンサヤ(内のり:縦150mm×横100mm×深さ40mm)に入れ、電気炉に装填した。次に、電気炉を真空にした後、電気炉を昇温速度200℃/時間で加熱し1280℃まで昇温した後、3時間保持加熱して浸透処理を行った。最後に、室温まで冷却し、浸透素材を取り出した。
この浸透素材から縦10mm×横10mm×高さ5mm の試験片を切り出し、アルキメデス法で密度測定を行うと共にX線回折測定で組成の分析を行った。その結果、前記浸透素材は気孔率0.1%でほぼ完全なSiC/AlSi の複合体であった。また、この浸透素材をX線回折で分析したところAl4C3のピークは見られず、この浸透素材は安定した複合体であることが分かった。
比較例1
(SiC粉末成型体の原料)
ワッカーケミカル社製SiC粉末180番(平均粒径52μm)60重量部と同じく800番(平均粒径14μm)40重量部に水溶性フェノール樹脂(昭和高分子社製BR5-61B:加熱後のカーボンとしての残炭率48%)を1.5重量部(カーボン分として0.72重量部)および水30重量部をSiC粉末成型体の原料とした。
(SiC粉末成型体の原料)
ワッカーケミカル社製SiC粉末180番(平均粒径52μm)60重量部と同じく800番(平均粒径14μm)40重量部に水溶性フェノール樹脂(昭和高分子社製BR5-61B:加熱後のカーボンとしての残炭率48%)を1.5重量部(カーボン分として0.72重量部)および水30重量部をSiC粉末成型体の原料とした。
(SiC粉末成型体の作製工程)
実施例1と同じ工程によって、硬化したSiC粉末成型体の作製を行った。
実施例1と同じ工程によって、硬化したSiC粉末成型体の作製を行った。
(窒素雰囲気下での加熱処理工程)
次に、実施例1〜5とは異なり、硬化したSiC成型体を窒素雰囲気の電気炉によって700℃で加熱処理した。この加熱処理により、カーボン量0.68%のSiC成型体が得られた。
次に、実施例1〜5とは異なり、硬化したSiC成型体を窒素雰囲気の電気炉によって700℃で加熱処理した。この加熱処理により、カーボン量0.68%のSiC成型体が得られた。
(AlSi合金の浸透工程)
次に、前記SiC成型体を、実施例1と同じ加熱処理工程によって、SiC粉末成型体へのAlSi合金の浸透を試みた。
即ち、前記成型体109g (サイズ:縦100mm×横50mm×高さ10mm)とAlSi合金(Al60重量:Si40重量の合金)200gを、BN粉を塗布したカーボンサヤ(内のり:縦150mm×横100mm×深さ40mm)に入れ、電気炉に装填した。次に、電気炉を一旦真空にした後にArガスを入れ常圧とした。次に、Arガスを2リットル/分で導入すると共にリーク弁から炉内ガスを放出して常圧を保ちながら電気炉を200℃/時間の昇温速度で1280℃まで昇温した後、2時間保持加熱して浸透処理を行った。最後に、Arガス導入を止めリーク弁を閉めて室温まで冷却し、被処理物を取り出した。
次に、前記SiC成型体を、実施例1と同じ加熱処理工程によって、SiC粉末成型体へのAlSi合金の浸透を試みた。
即ち、前記成型体109g (サイズ:縦100mm×横50mm×高さ10mm)とAlSi合金(Al60重量:Si40重量の合金)200gを、BN粉を塗布したカーボンサヤ(内のり:縦150mm×横100mm×深さ40mm)に入れ、電気炉に装填した。次に、電気炉を一旦真空にした後にArガスを入れ常圧とした。次に、Arガスを2リットル/分で導入すると共にリーク弁から炉内ガスを放出して常圧を保ちながら電気炉を200℃/時間の昇温速度で1280℃まで昇温した後、2時間保持加熱して浸透処理を行った。最後に、Arガス導入を止めリーク弁を閉めて室温まで冷却し、被処理物を取り出した。
前記被処理物はAlSi 合金で囲まれていたが、成型体自体はポーラスのままであった。
比較例2
(SiC粉末成型体の原料)
カーボンブラック5重量部、フェノール樹脂7重量部、全体のカーボン量8.4重量部、SiC粉末180番60重量部、800番40重量部および水30重量部をSiC粉末成型体の原料とした。
(SiC粉末成型体の原料)
カーボンブラック5重量部、フェノール樹脂7重量部、全体のカーボン量8.4重量部、SiC粉末180番60重量部、800番40重量部および水30重量部をSiC粉末成型体の原料とした。
(SiC粉末成型体の作製工程)
実施例1と同じ工程によって、硬化したSiC粉末成型体の作製を行った。
実施例1と同じ工程によって、硬化したSiC粉末成型体の作製を行った。
(窒素雰囲気下での加熱処理工程)
次に、実施例1〜5とは異なり、硬化したSiC成型体を窒素雰囲気の電気炉によって700℃で加熱処理した。この加熱処理により、カーボン量8.1%のSiC成型体が得られた。
次に、実施例1〜5とは異なり、硬化したSiC成型体を窒素雰囲気の電気炉によって700℃で加熱処理した。この加熱処理により、カーボン量8.1%のSiC成型体が得られた。
(AlSi合金の浸透工程)
次に、前記SiC成型体に実施例1と同じ加熱処理を施して、SiC粉末成型体へのAlSi合金の浸透を試みた。
次に、前記SiC成型体に実施例1と同じ加熱処理を施して、SiC粉末成型体へのAlSi合金の浸透を試みた。
前記加熱処理を施されは冷被処理物は、AlSi合金が成型体の約80%に浸透していたが、中心部に未浸透が見られた。また、X線回折で分析したところ、Al4C3が一部生成していることが分かった。
本発明により製造されたSiCとAlSi合金の複合体は、Al4C3等の発生がほとんどない安定したものであるから、機械部品、ヒートシンク等工業製品への用途拡大が期待できる。
Claims (6)
- 炭化ケイ素粉末成型体から二酸化ケイ素を除去した浸透用炭化ケイ素粉末成型体を作製し、この浸透用炭化ケイ素粉末成型体にケイ化アルミニウム合金を溶融浸透させるようにしたことを特徴とする炭化ケイ素とケイ化アルミニウムとの複合体の製造方法。
- 原料の炭化ケイ素粉末の表面から二酸化ケイ素を除去する工程と、
表面から二酸化ケイ素が除去された炭化ケイ素粉末を成型して炭化ケイ素粉末成型体を作製する工程と、
前記炭化ケイ素粉末成型体に5%以下望ましくは1%以下のカーボンを浸透助剤として添加し、800℃から2000℃以下の温度で、真空中若しくは不活性雰囲気中で熱処理し浸透用炭化ケイ素成型体を作製する工程と、
ケイ化アルミニウム合金を700℃以上1800℃以下の温度で、10torr以下の減圧下若しくはアルゴンガス等の不活性雰囲気下で前記浸透用炭化ケイ素成型体に溶融浸透させる工程とからなる炭化ケイ素とケイ化アルミニウムとの複合体の製造方法。 - 前記炭化ケイ素粉末の表面から二酸化ケイ素を除去する工程は、炭化ケイ素粉末にカーボン若しくはカーボンを生成する樹脂等の有機物を添加して混合し、減圧下、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性雰囲気下、又は酸素、メタンガス、エタンガス、一酸化炭素ガス等の還元雰囲気下で、800℃以上2000℃以下で熱処理する工程であることを特徴とする請求項2の炭化ケイ素とケイ化アルミニウムとの複合体の製造方法。
- 原料の炭化ケイ素粉末にカーボン若しくは樹脂等のカーボン生成用有機物を添加し均一に混合した炭化ケイ素粉末を成型して炭化ケイ素粉末成型体を作製する工程と、
前記炭化ケイ素粉末成型体を減圧下、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性雰囲気下、又は酸素、メタンガス、エタンガス、一酸化炭素ガス等の還元雰囲気下で、800℃以上2000℃以下で熱処理し表面から二酸化ケイ素を除去した浸透用炭化ケイ素成型体を作製する工程と、
ケイ化アルミニウム合金を700℃以上1800℃以下の温度で、10torr以下の減圧下若しくはアルゴンガス等の不活性雰囲気下で前記浸透用炭化ケイ素成型体に溶融浸透させる工程とからなる炭化ケイ素とケイ化アルミニウムとの複合体の製造方法。 - 二酸化ケイ素を除去するために炭化ケイ素粉末に添加するカーボンは、平均粒径が50μm以下のカーボン粉末、若しくは前記カーボン粉末を液体に溶解したものあることを特徴とする請求項2又は3の炭化ケイ素とケイ化アルミニウムとの複合体の製造方法。
- 二酸化ケイ素を除去するために炭化ケイ素粉末に添加するカーボン生成用有機物は、液体に溶解した有機物若しくはコロイド有機物であることを特徴とする請求項2又は3の炭化ケイ素とケイ化アルミニウムとの複合体の製造方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010235417A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Taiheiyo Cement Corp | 多孔体、金属−セラミックス複合材料、及びそれらの製造方法 |
CN110272280A (zh) * | 2019-01-21 | 2019-09-24 | 西安明科微电子材料有限公司 | 一种AlSiC/AlSi两相材料及其制备方法 |
Citations (3)
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---|---|---|---|---|
JPH0597520A (ja) * | 1991-10-04 | 1993-04-20 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 炭化珪素質材料の製造方法 |
JP2002128515A (ja) * | 2000-10-18 | 2002-05-09 | Aisin Chem Co Ltd | 高純度無機物質の製造方法 |
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-
2003
- 2003-12-16 JP JP2003417986A patent/JP2005179076A/ja active Pending
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