JP2005175408A - 酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、絶縁膜の高品質を保ちつつプロセス温度を低温化し原子レベルの膜厚制御性を実現する。
【解決手段】 本発明の酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法は、酸化・窒化絶縁膜主材料ガスと、予め活性化した酸化性(窒化も含む)ガスの交互供給によって反応させ、半導体装置の基板上に酸化・窒化絶縁薄膜を形成する方法に関する。
【選択図】 図5
【解決手段】 本発明の酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法は、酸化・窒化絶縁膜主材料ガスと、予め活性化した酸化性(窒化も含む)ガスの交互供給によって反応させ、半導体装置の基板上に酸化・窒化絶縁薄膜を形成する方法に関する。
【選択図】 図5
Description
本発明は半導体装置のゲート絶縁膜やキャパシタ誘電体膜などに用いる酸化あるいは窒化絶縁薄膜の形成方法に関する。
近年、集積回路の微細化技術に伴ってトランジスタのゲート長が100nmを切る構造が実用化される状況にあることから、トランジスタ構造において縦方向および横方向ともにより微細で急峻な不純物プロファイルの実現がますます要求される状況にある。このためには、従来製造プロセスにおいて最も高温プロセスであるゲート絶縁膜形成プロセスを、新たなプロセス開発によって絶縁膜の高品質を保ちつつプロセス温度を低温化し原子レベルの膜厚制御性を実現することが必要である。
従来技術におけるゲート絶縁膜形成オン後の低減方法としては、高圧酸化、オゾン酸化、プラズマあるいは紫外線励起ラジカル酸化などがある。これに対して、化学気相堆積法(CVD)による方法では、ゲート絶縁膜の形成を目指した例は少なく、酸素を予め励起し主原料(Si化合物ガス)と混合することで、基板表面にSiO2を堆積させることで、化学量論的組成の良い良質な絶縁膜を低温で形成させている(例えば、非特許文献1を参照)。
G.Lukovsky,Extended Abstracts of SSDM2000,p232等に掲載されている。
G.Lukovsky,Extended Abstracts of SSDM2000,p232等に掲載されている。
また最近では原子層堆積法(Atomic Layer Deposition;ALD)が試みられ、種々の絶縁膜に対して報告がされつつあるが、ゲート絶縁膜(SiO2)ではSiCl4とH2Oが原料として用いられており、生成物として塩化水素の精製と水の共存から反応容器壁からの汚染の影響が強く、良質のゲート絶縁膜が得られない。
従来の酸化絶縁膜形成は以上のように行われるので、励起された酸素等の酸化剤が基板母材をも酸化するために、酸化膜堆積中に意図しない酸化膜が形成されることになり、界面準位が発生し素子特性が劣化したり、堆積酸化膜と異なった誘電率の膜が形成されたりする問題があった。これに対して本発明では、酸化膜主材料ガスと予め活性化した酸化性ガスとを時間的に完全に分離し、基板上に交互供給することにより、基板上に形成される酸化絶縁膜を分子層精度でディジタルに堆積・成膜する。
前記酸化性のガスは、酸素あるいは窒素ガスをプラズマセル中で放電させ、励起された酸化性ガスを基板上に導くが、プラズマにより活性化された酸化性ガスの寿命は相当長く、このためメカニカルシャッター等で基板表面への照射を遮っても、回り込み、酸化膜主材料ガスと同時に基板表面に供給されてしまい、予期しない表面反応を生じることが実験的にわかった。また、プラズマセルに供給する酸化性ガスをオン・オフして供給すると、オン時直後、あるいはオフ時直後に放電状態が安定せず、過剰なエネルギーの活性種が供給されてしまい基板母材の酸化反応を誘発することがわかっている。
この発明の酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法は、酸化・窒化絶縁膜主材料ガスと、予め活性化した酸化性(窒化も含む)ガスの交互供給によって反応させ、半導体装置の基板上に酸化・窒化絶縁薄膜を形成する方法において、前記酸化・窒化絶縁膜主材料ガスを一定周期でオン・オフしながら供給し、前記酸化性ガスを前記絶縁膜主材料ガスのオフ時の一部に同期して導入するため、プラズマセルに一定量のアルゴン等希ガスを導入し続けると共に酸化性ガスを所定の周期でオン・オフする方法であり、次に示す第一から第四の工程から成り立つ。
第一の工程では絶縁膜主材料ガスを一定時間基板表面に照射させ、主材料成分を表面吸着・反応により分子層レベルの厚みで堆積させる。第二の工程ではアルゴン等の希ガスをプラズマ放電させた成分を基板に照射し、結合の弱い吸着成分や反応の妨げとなる吸着種を除去する。第三の工程では活性化した酸化性ガスおよび活性化したアルゴン等の希ガスを、一定時間一定流量で基板に照射し表面反応により酸化・窒化絶縁膜を分子層単位の膜厚で形成する。第四の工程としてアルゴン等の希ガスをプラズマ放電させた成分を基板に照射し、反応生成物を除去する。
また、第二、および第四の工程では、アルゴン等の希ガスを基板に照射するのとは異なり、メカニカルシャタを閉じて希ガスの照射を防ぐ場合もありえる。また、アルゴン等の希ガスをプラズマセルに常時流すことによって、プラズマセルの安定な放電を維持でき、酸化性ガスのオン・オフによって以上放電の誘発を抑えることができた。
○本発明に係る酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法は、主材料ガスとしてSiを含む化合物を適用するものである。
○本発明に係る酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法は、主材料ガスとしてAl,Ta,Ti,Hf,Sc,Zr,Sr,La,Baのいずれか、あるいはその組み合わせ含む化合物を適用するものである。
○本発明に係る酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法は、酸化性ガスとしてO2、N2のいずれか、あるいはその混合物を含むガスを適用するものである。
○本発明に係る酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法は、希ガスとしてNe,Ar,Kr,Xeのいずれかのガスを適用するものである。
○本発明に係る酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法において、用いる基板は半導体材料、金属材料、あるいは誘電体材料のいずれかを適用するものである。
○本発明に係る酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法は、主材料ガスとしてAl,Ta,Ti,Hf,Sc,Zr,Sr,La,Baのいずれか、あるいはその組み合わせ含む化合物を適用するものである。
○本発明に係る酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法は、酸化性ガスとしてO2、N2のいずれか、あるいはその混合物を含むガスを適用するものである。
○本発明に係る酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法は、希ガスとしてNe,Ar,Kr,Xeのいずれかのガスを適用するものである。
○本発明に係る酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法において、用いる基板は半導体材料、金属材料、あるいは誘電体材料のいずれかを適用するものである。
本発明の酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法は、酸化・窒化絶縁膜主材料ガスと、予め活性化した酸化性(窒化も含む)ガスの交互供給によって反応させ、半導体装置の基板上に酸化・窒化絶縁薄膜を形成する方法において、前記酸化・窒化絶縁膜主材料ガスを一定周期でオン・オフしながら供給し、前記酸化性ガスを前記絶縁膜主材料ガスのオフ時の一部に同期して導入するため、プラズマセルに一定量のアルゴン等希ガスを導入し続けると共に酸化性ガスを所定の周期でオン・オフする方法であり、低温で良質の酸化・窒化絶縁薄膜を原子・分子精度でディジタルに成膜することを可能にする新規な技術である。この技術を用いれば、原子レベルの膜厚制御性が要求されるトランジスタのゲート構造を低温プロセスで形成できるので、極微細構造作製において問題となる不純物拡散や欠陥の発生を抑えることができ、将来技術として非常に有効な手段である。また、現在、検討が進められている各種高誘電体薄膜、あるいは低誘電体薄膜の形成にも適用できる。
図1に示すように真空中で、酸化・窒化絶縁膜主材料ガスと、予め活性化した酸化性(窒化も含む)ガスの交互供給を行ない酸化・窒化絶縁膜を形成する装置において、前記酸化・窒化絶縁膜主材料ガスを一定周期でオン・オフしながら供給し、前記酸化性ガスを前記絶縁膜主材料ガスのオフ時の一部に同期して導入するため、プラズマセルに一定量のアルゴン等希ガスを導入し続けると共に酸化性ガスを所定の周期でオン・オフする。
図1は本発明の酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法を実現するための用いた構成装置図である。図1において、1は成膜室、2は成膜室に直結したプラズマソースであり、このプラズマソース2はコイル装着セルを磁界中に配置したヘリコンプラズマセルを用いた構成としている。3は成膜室下部に配置した基板加熱ランプ、4は基板ホルダであり、この上に基板が設置される。基板ホルダ4は材料基板加熱ランプ3の光路上に配置して、基板加熱ランプのエネルギーにより基板が加熱される。5aおよび5bは真空排気を行うためのターボ分子ポンプ、8はプログラムシーケンスによりオン・オフが制御されたバルブ、9はガス流量調整装置、10および11はメカニカルシャッタである。
主材料ガスであるSi2H6はガス流量調整装置9(マスフローコントローラ)により所定流量に制御され、所定の時間所定のタイミングでオン・オフし、ガス供給管7を通して成膜室1に供給される。希ガスであるアルゴンは、ガス流量調整装置9(マスフローコントローラ)により所定流量に制御され、プロセス中連続導入でガス供給管6を通してプラズマソース2に供給され、活性化された後に基板表面に供給される。酸化性ガスである酸素は、ガス流量調整装置9(マスフローコントローラ)により所定流量に制御され、所定の時間所定のタイミングでオン・オフし、ガス供給管6を通してプラズマソース2に供給され、活性化された後に基板表面に供給される。
10は成膜室内におけるプラズマソース2の活性種出口付近に設置された第1のシャッタであり、出口を開放する開位置と遮る閉位置とに開閉動作する遮蔽手段となるものである。第一のシャッタを閉とすることによりの寿命の短い活性種は遮蔽することができるが、酸素などの寿命の長い活性種は遮蔽できずシャッタ10を迂回して回りこみ基板ホルダ4上に設置した基板の表面に到達してしまうことが実験的にわかっている。基板直上のシャッタ11(第2のシャッタ)はプロセス開始時に開、プロセス終了時に閉とし、成膜プロセス前、および成膜プロセス後に成膜室1の内壁からの脱ガスの影響を軽減する作用がある。
図2は、従来法(例えば公開特許公報 特開2002−289613)によるガス導入およびシャッタ開閉のタイムチャートである。ジシランガス供給時間T1およびジシランガス排気時間T2と、酸素連続導入の下シャッタ開時間T3を1サイクルとして堆積を行ったところSiO2の成膜が確認された。また同実施例でシャッタを常に閉状態に保った場合もT1の積算時間に相当する膜厚のSiO2の成膜が確認されており、シャッタ10を介しての活性酸素供給による成膜が生じていることが確認された。特開2002−289613の特徴の一つとして、活性化された酸素をシャッタを通して導入することにより、活性化酸素中の基板母材酸化に寄与すると思われる高エネルギー成分を低減することができるので、良質の純粋なSiO2堆積が実現できるというものである。
図3は本発明による酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法での1サイクルあたりのガス供給制御時間を示すタイムチャートである。第一の工程では絶縁膜主材料ガスであるジシランを一定時間基板表面に照射させ、主材料成分を表面吸着・反応させる。第二の工程ではジシランの導入を止め、アルゴン等の希ガスをプラズマ放電させた成分を基板に照射し、結合の弱い吸着成分や反応の妨げとなる吸着種を除去する。この時アルゴンはプロセスを通して照射し続ける。第三の工程では活性化した酸化性ガス(酸素)を、一定時間一定流量で基板に照射し表面反応により酸化・窒化絶縁膜を分子層単位の膜厚で形成する。第四の工程として酸素のプラズマセルへの導入を止め、アルゴン等の希ガスをプラズマ放電させた成分を基板に照射し、反応生成物を除去する。
また、シャッタ10はプロセス開始と共に開とする。
また、シャッタ10はプロセス開始と共に開とする。
図4は図3に示した方法で成膜したSiO2の膜厚の基板設定温度依存性である。RFパワー200W、ジシラン導入圧力1.2×10−3Torrで10sec導入、ジシラン排気1sec、酸素導入圧力8.9×10−4Torrで15sec導入、酸素排気5sec、アルゴン導入圧力1.8×10−4Torrである。すなわちt1=10sec、t2=1sec、t3=15sec、t4=5secである。本発明による酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法では吸着特性に依存するため、低温で大きな酸化膜厚が得られ、高温になるにつれて膜厚減少することがわかった。また1サイクル当たりの成長膜厚は0.3〜0.7Å/サイクルであることから原子・分子レベルでの膜厚制御が実現されていることがわかった。
図5は本発明による酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法での1サイクルあたりのガス供給制御時間を示すタイムチャートであり、図3におけるジシラン導入時間t1、アルゴン照射時間t2、およびt4において第1のシャッタ10を閉じて、アルゴン照射効果を抑制した場合の実施例である。アルゴン照射によって、反応生成物の除去等の効果が認められるものの、図3のように1サイクルを通しての商社では、酸化膜に照射損傷が生じる場合があり、図5の方法が有効となる場合が認められている。
図6は本発明による酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法での1サイクルあたりのガス供給制御時間を示すタイムチャートであり、図5に示したタイムチャートにおいて、酸素導入初期のプラズマソースにおける放電の不安定性を解消するために、酸素導入後放電条件の安定する時間を待って(1〜2秒の待ち時間)シャッタ10を開く場合の実施例である。
上記実施例は、主材料ガスとしてSiを例に挙げたが、本発明に係る酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法は、主材料ガスとしてAl,Ta,Ti,Hf,Sc,Zr,Sr,La,Baのいずれか、あるいはその組み合わせ含む化合物にも適用できる。また、酸化性ガスとしてO2、N2のいずれか、あるいはその混合物を含むガスにも適用できSi3N4およびSiONxの成膜を実現している。またこれらの多層構造を形成できることは自明である。また、実施例では、希ガスとしてArを用いた例を挙げたが、他の希ガスとしてNe,Kr,Xeのいずれかのガスを適用することもできる。さらに、本発明に係る酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法において、用いる基板は半導体材料、金属材料、あるいは誘電体材料のいずれかにも適用できるものである。
原子レベルの膜厚制御性が要求されるトランジスタのゲート構造を低温プロセスで形成できるので、極微細構造作製において問題となる不純物拡散や欠陥の発生を抑えることができ、将来技術として非常に有効な手段である。
1…成膜室
2…プラズマソース
3…基板加熱ランプ
4…基板
5a,5b…ターボモレキュラポンプ
6,7…ガス供給管
8…バルブ
9…ガス供給量制御装置
10…第1のシャッタ
11…第2のシャッタ
2…プラズマソース
3…基板加熱ランプ
4…基板
5a,5b…ターボモレキュラポンプ
6,7…ガス供給管
8…バルブ
9…ガス供給量制御装置
10…第1のシャッタ
11…第2のシャッタ
Claims (5)
- 基板上に酸化・窒化絶縁薄膜を形成する工程において、前記酸化・窒化絶縁膜主材料ガスと、予め活性化した酸化性(窒化も含む)ガスを交互供給によって反応させ成膜する過程で、予め活性化した希ガスを導入することを特徴とする酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法。
- 前記酸化・窒化絶縁薄膜の形成過程において、常時予め活性化した希ガスを基板上に導入しつづけることを特徴とする酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法。
- 前記酸化・窒化絶縁薄膜の形成過程において、常時予め活性化した希ガスを、予め活性化した酸化性(窒化も含む)ガスと同期して基板上に導入することを特徴とする酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法。
- 前記酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法において、主材料ガスとしてAl,Ta,Ti,Hf,Sc,Zr,Sr,La,Baのいずれか、あるいはその組み合わせ含む化合物を用いることを特徴とする酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法。
- 前記酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法において、希ガスとしてNe,Ar,Kr,Xeのいずれかのガスを用いることを特徴とする酸化・窒化絶縁薄膜の形成方法。
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