JP2005170804A - 抗アレルギー剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 有用な抗アレルギー作用を有し、かつ副作用がなく長期間に渡り服用できる抗アレルギー剤および食品を提供することである。さらに抗アレルギー剤の製造方法を提供するものである。
【解決手段】 本発明の抗アレルギー剤および食品はネオヘスペリジン、ナリンギン、ネオヘスペリジンおよびナリンギンを有効成分とするものである。また本発明の抗アレルギー剤および食品はネオヘスペリジンおよびナリンギンのうち少なくとも1つを組成とする柑橘類果実を有効成分として含有するものである。ネオヘスペリジンおよびナリンギンのうち少なくとも1つを含む柑橘類果実を60%以上のエタノール水溶液でネオヘスペリジンおよびナリンギンのうち少なくとも1つを抽出して優れた抗アレルギー作用を有する抗アレルギー剤を製造する方法である。
【選択図】 なし
Description
(Rutaceae)のウンシュウミカン(Citrus unshiu)あるいはCitrus reticulataの成熟した果皮]、枳実・枳殻[ミカン科(Rutaceae)のダイダイCitrus aurantium var.
daidai、Citrus aurantium又はナツミカンCitrus natsudaidaiの未熟果をそのまま或いはそれを半分に横切したもの]、橙皮[ミカン科(Rutaceae)のCitrus aurantium又はダイダイCitrus aurantium var. daidaiの成熟した果皮]が収載されている。
naringin)、アルカロイドとしてシネフリン(synephrine)などが含まれている。
すなわち、本発明は、ネオヘスペリジンおよびナリンギンのうち少なくとも1つを組成とする柑橘類果実を有効成分として含有することを特徴とする抗アレルギー剤である。
本発明に従えば、ナリンギンは、抗アレルギー作用を有し、3相性皮膚反応試験に惹起されるアレルギー性の炎症像を抑制する。したがって、アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息などのアレルギー性疾患の改善、治療に有効である。
本発明に従えば、抗アレルギー作用のあるネオヘスペリジンおよびナリンギンのうち少なくとも1つ、もしくはネオヘスペリジンおよびナリンギンのうち少なくとも1つを組成とする柑橘類果実を有効成分として含有する抗アレルギー剤が食品に含まれることによって抗アレルギー剤の摂取を容易にすることができる。
[ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)誘発3相性皮膚反応に及ぼすネオヘスペリジン、ナリンギンおよびダイダイ果実の影響]
被検体の調製;2003年、8月1日、和歌山県有田郡金屋町で栽培されているダイダイ果実を採取、細切後乾燥した。乾燥後、さらに粉砕し、10倍量の50%エタノールで2時間、2回、約85℃で抽出した。抽出後、ろ紙ろ過し、ろ液を減圧下に濃縮し、凍結乾燥を施して得たダイダイ果実エキス(収率;41.0%)を被検体に供した。ネオヘスペリジンおよびナリンギンは市販品(SIGMA社製)を被検体に供した。
1)ジニトロフェニル化卵白アルブミン(DNP−OVA)の調製
卵白アルブミン(ovalbumin、type V)およびK2CO3を各2gずつ100mlの水に溶解し、この溶液に2gのジニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(
dinitrobenzenesulfonic acid sodium salt)を加え、遮光下で37℃にて、24時間スターラーで攪拌し、得られた反応液を水で2日間透析後、その内液を凍結乾燥し、調製した。
ICR系雌性マウスにゲル状の水酸化アルミニウム(aluminumhydroxide gel)1mgとDNP−OVA 10μgを含む生理食塩液0.2mLを腹腔内投与し、能動的に感作する。その1週間後、0.1% DNFBエタノール溶液を両耳の表裏に10μlずつ塗布し、誘発24時間後に充分に腫脹しているマウス(浮腫率10%以上)を選別する。その後、選別したマウスに再度感作し、1週間後に反応を惹起する。耳介の厚さは反応惹起前および惹起後1、24時間および8日後にdial thickness gaugeを用いて測定し、耳介浮腫率として算定する。反応を惹起した時点から1時間後の耳介浮腫率をIPR(
Immediate Phase Response)浮腫率、24時間後の耳介浮腫率をLPR(Late Phase
Response)浮腫率、8日後の耳介浮腫率をvLPR(very Late Phase Response)浮腫率とする。なお、被検体は反応惹起1時間前および惹起2日後から8日後まで連日経口投与する。被検体および陽性対照薬は、0.2%カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC・Na)溶液に溶解あるいは懸濁し、ネオヘスペリジン、ナリンギンあるいはダイダイ果実エキスは水に懸濁し、マウス体重10gあたり0.2mLの用量で経口投与した。結果を表1および2に示す。
抑制率(%)=(検体無添加である対照の浮腫率−被検体の浮腫率)
/(検体無添加である対照の浮腫率)×100
表1は、3相性皮膚反応に及ぼすダイダイ果実エキスの影響を示す。
[ダイダイ果実中のネオヘスペリジンあるいはナリンギンの含量]
(1)ネオヘスペリジン、ナリンギンの検量線の作成
ネオヘスペリジンあるいはナリンギンの標準品(EXTRASYNTHESE社製)をメタノールにて500μg/mLに調製後、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、25.0、50.0、100.0、250.0、500.0μg/mLに調製後、ウルトラフリーMC(0.22μm)(MILLIPORE社製)を用いてろ過したものを検量線作成用の溶液とする。これについて、下記の条件により、高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析を行い、得られた標準品のピーク面積から各成分の検量線を作成する。
装置 バイナリポンプ:G1312A(Agilent社製)
脱気装置:G1379A DEDASSER(Agilent社製)
検出器:UV−Vis検出器G1314A VWD(Agilent社製)
カラム恒温槽:G1316A COLCOM(Agilent社製)
オートサンプラ:G1313A ALS(Agilent社製)
カラム YMC−Pack Pro C18(250×4.6mm i.d.)(YMC社製)
ガードカラム C−KGC−324ASC−3(YMC社製)
移動相 アセトニトリル(acetonitrile)/10mM H3PO4(20:80(v/v))
流速 1.0mL/min
温度 37℃
検出波長 280nm
注入量 10μL
データ処理ソフト Xcalibur(Thermo Finnigan社製)
2003年、8月5日、和歌山県有田郡金屋町で栽培されているダイダイ果実を採取、細切後乾燥した。乾燥後、さらに粉砕したもの500mgに100mLメタノールを加え、30分間、3回還流下抽出した(約80℃の水浴下)。抽出液をろ紙ろ過後、ろ液をエバポレーターで濃縮し、メタノールで一定量にメスアップした後、ウルトラフリーMC(0.22μm)(MILLIPORE)を用いてろ過した後、HPLC分析を行った。これについて、(1)で求めた検量線から果実中の各成分の含量を算出した。
[ダイダイ果実エキスおよび乾燥果実中のネオヘスペリジンおよびナリンギン含量の測定]
1.被検エキスの調製
ダイダイ抽出エキスの作成:実験材料には和歌山県産のダイダイ(産地;和歌山県有田郡金屋町歓喜寺地区、平成15年8月に採取したもの)を研究室にてスライス後自然乾燥した物を用いた。
1)1.で調製した被検エキス中のネオヘスペリジンおよびナリンギン量を測定した。すなわち、被検エキス200〜500mgを100mlメタノールで30分、3回還流下抽出した(水浴80℃)。抽出液を濾紙濾過後、濾液をエバポレーターで濃縮し、メタノールで20mlにメスアップした後、ウルトラフリーMC(0.22μm)
(MILLIPORE)を用いて濾過した後、HPLC分析を行った。
装置 バイナリポンプ゜:G1312A(Agilent社製)
脱気装置:G1379A DEDASSER(Agilent社製)
検出器:UV−Vis検出器G1314A VWD(Agilent社製)
カラム恒温槽:G1316A COLCOM(Agilent社製)
オートサンプラ:G1313A ALS(Agilent社製)
カラム YMC−Pack Pro C18(150×4.6mm i.d.)(Lot.041593842(w))(YMC製)
ガードカラム C−KGC−324ASC−3(YMC社製)
移動相 アセトニトリル(acetonitrile)/10mM H3PO4(20:80(v/v))
流速 0.5mL/min
温度 37℃
検出波長 280nm
注入量 10μL
データ処理ソフト Xcalibur(Thermo Finnigan社製)
ネオヘスペリジンの保持時間(R.T.) 28min
ナリンギンの保持時間(R.T.) 20min
表3は、ダイダイ果実からのエキス収率とネオヘスペリジン含量を示す。
表4は、ダイダイ果実からのエキス収率とナリンギン含量を示す。
Claims (7)
- ネオヘスペリジンを有効成分とすることを特徴とする抗アレルギー剤。
- ナリンギンを有効成分とすることを特徴とする抗アレルギー剤。
- ネオヘスペリジンおよびナリンギンを有効成分として含むことを特徴とする抗アレルギー剤。
- ネオヘスペリジンおよびナリンギンのうち少なくとも1つを組成とする柑橘類果実を有効成分として含有することを特徴とする抗アレルギー剤。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の抗アレルギー剤を含むことを特徴とする食品。
- ネオヘスペリジンおよびナリンギンのうち少なくとも1つを含有する柑橘類果実をエタノール水溶液で抽出する工程を含むことを特徴とする抗アレルギー剤の製造方法。
- 前記エタノール水溶液中のエタノールの濃度が60%以上であることを特徴とする請求項6記載の抗アレルギー剤の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003409420A JP2005170804A (ja) | 2003-12-08 | 2003-12-08 | 抗アレルギー剤 |
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JP2003409420A JP2005170804A (ja) | 2003-12-08 | 2003-12-08 | 抗アレルギー剤 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008137985A (ja) * | 2006-11-10 | 2008-06-19 | Univ Kinki | 副腎皮質ホルモン剤の副作用を増強させることなく、抗アレルギー効果を増強する薬剤、及び副腎皮質ホルモン剤の副作用を増強させることなく、抗アレルギー効果を増強させる方法。 |
JP2009544604A (ja) * | 2006-07-20 | 2009-12-17 | オーラルデント・リミテッド | 口腔用組成物、及びそれらの製造及び使用 |
JP2012232938A (ja) * | 2011-05-02 | 2012-11-29 | Nakano Bc Kk | 抗アレルギー剤 |
EP2783690A4 (en) * | 2011-11-25 | 2015-06-24 | Natural Medicine Inst Zhejiang Yangshengtang Co Ltd | NEW USE OF NEOHESPERIDINE |
-
2003
- 2003-12-08 JP JP2003409420A patent/JP2005170804A/ja active Pending
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US10335356B2 (en) | 2011-11-25 | 2019-07-02 | Natural Medicine Institute Of Zhejiang Yangshengtang Co., Ltd. | Use of neohesperidin |
US11260011B2 (en) | 2011-11-25 | 2022-03-01 | Natural Medicine Institute Of Zhejiang Yangshengtang Co., Ltd. | Use of neohesperidin |
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