JP2005164594A - タイミングディスクの固定方法及びタイミングディスクハブ - Google Patents

Abstract

【解決課題】 本発明の目的は、変化する温度下でさえ厳しい精度要求条件を満たし、エンコーダーシステムからの改善された熱放出を可能にする、タイミングディスクの固定方法、及び該固定方法に用いられるタイミングディスクハブを開発することである。
【解決手段】 モータシャフトに挿嵌し、タイミングディスクを固定するタイミングディスクハブを有するエンコーダーシステムにおいて、該タイミングディスクハブにより該タイミングディスクを固定する、タイミングディスクの固定方法であって、該タイミングディスクハブが、プラスチック絶縁材料により片面の少なくとも一部が被覆されている金属伝熱材料から構成されており、且つ該タイミングディスクハブのフランジ平面に、該タイミングディスクのくぼみ、凹部又は切抜きと係合する、突起部が設けられていることを特徴とするタイミングディスクの固定方法。並びに、前記タイミングディスクの固定方法に用いられる前記タイミングディスクハブ。
【選択図】 図２

Description

本発明は、タイミングディスク、タイミングディスクハブ、及び随意により、接着、ねじ式又はクランプ接続といったさらなる固定手段を有する、エンコーダーシステムのためのタイミングディスクの固定方法、並びに該固定方法に用いられるタイミングディスクハブに関する。

エンコーダーシステムは、変化する温度下でさえ厳しい精度要求条件を満たさなければならない。温度変動は、１００００ｒｐｍの範囲の高速度から生じ、それは、継手および駆動装置接続部における摩擦力といった機械的作用と関連して生起する。

本発明の目的は、上述の要求条件を満たし、エンコーダーシステムからの改善された熱放出を可能にする、タイミングディスクの固定方法、及び該固定方法に用いられるタイミングディスクハブを開発することである。

本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、片面の少なくとも一部に、プラスチック絶縁材料が被覆されている金属伝熱材料から構成される、タイミングディスクハブを用いることにより、エンコーダ端からの熱流が、モータシャフトを通じて放出されるが、プラスチックコーティングの絶縁作用のために、タイミングディスクは影響を受けないことを見出し本発明を完成させるに至った。

すなわち、本発明（１）は、モータシャフトに挿嵌し、タイミングディスクを固定するタイミングディスクハブを有するエンコーダーシステムにおいて、該タイミングディスクハブにより該タイミングディスクを固定する、タイミングディスクの固定方法であって、該タイミングディスクハブが、プラスチック絶縁材料がにより片面の少なくとも一部が被覆されている金属伝熱材料から構成されており、且つ該タイミングディスクハブのフランジ平面に、該タイミングディスクのくぼみ、凹部又は切抜きと係合する、突起部が設けられているタイミングディスクの固定方法を提供するものである。

また、本発明（２）は、モータシャフトに挿嵌し、タイミングディスクを固定するための、エンコーダーシステム用のタイミングディスクハブであって、プラスチック絶縁材料により片面の少なくとも一部が被覆されている金属伝熱材料から構成され、且つ該タイミングディスクハブのフランジ平面に、該タイミングディスクのくぼみ、凹部又は切抜きと係合する、突起部が設けられているタイミングディスクハブを提供するものである。

また、本発明（３）は、前記本発明（２）記載のタイミングディスクハブを有するエンコーダーシステムを提供するものである。

本発明によれば、プラスチックにより片面の少なくとも一部が被覆されているプレート金属から構成されるタイミングディスクハブが、高度な熱放出を可能にし、機械的クランプ状態の結果として、変化する温度の影響下でさえ、変化するトルク値のクリアランスのない伝達が保証されることがわかっている。

以下に、本発明をいくつかの実施形態に関してさらに詳細に説明する。

図１に従った完全な図は、取付状態での、モータ８のモータシャフト２に取り付けられているタイミングディスクハブ１、及び該タイミングディスクハブ１に取り付けられているタイミングディスク３を示している。該タイミングディスクハブ１は、材質が金属伝熱材料であり、該タイミングディスク３は、感光層で覆われているプラスチックフィルム材である。該モータシャフト２の回転運動の間、該タイミングディスク３は、ＰＣＢ導体プレート１０に固定されたＣ字形モータセンサ構成部品９の隙間に、保持され、回転する。なお、該タイミングディスクは、金属製シートで覆われているプラスチックフィルム材であってもよく、この場合は、該モータセンサ構成部品９の形状は、図１のものとは異なり、タイミングディスクの同一面側に、センサ及びエミッタの両方が配置される形状となる。そして、該エミッタからの信号は、該タイミングディスクで反射され、該センサで受信される。

拡大部分断面図（図２）において、本発明のタイミングディスクの固定方法の設計原理を見ることができる。図２は、本発明のタイミングディスクの固定方法の実施の形態例を示す図であり、タイミングディスクが固定されている領域の拡大部分断面図である。該タイミングディスクハブ１ａは、クリアランスのない形で該モータシャフト２に挿嵌し、切抜き３１ａ及び３１ｂで、該タイミングディスク３に結合する。該タイミングディスク３の固定は、締まり嵌め形式のものであり、該タイミングディスクハブ１ａのフランジ平面１１に設けられている、ラグ５ａ及び５ｂの形態の突起部によって達成される。該タイミングディスクハブ１ａは、該タイミングディスク３と対面する面１２が、プラスチック絶縁材料４ａにより被覆されているので、該プラスチック絶縁材料４ａが、該タイミングディスクハブ１ａと該タイミングディスク３との間に配設される。なお、図２では、該タイミングディスクハブ１ａは、該タイミングディスク３と対面する面１２の全面が、プラスチック絶縁材料４ａにより被覆されているが、本発明においては、片面の少なくとも一部、すなわち該タイミングディスク３と対面する面１２の一部が、プラスチック絶縁材料により被覆されていれば、絶縁作用を奏する。そして、該タイミングディスク３と対面する面１２の全面が、プラスチック絶縁材料４ａにより被覆されていることが、絶縁作用が高まる点で好ましい。また、プラスチック絶縁材料４ｂが、該モーターシャフト２と該タイミングディスク３との間に配設されることが、絶縁作用が更に高まる点で好ましい。該絶縁材料４は、特に制限されないが、フィルム、フォイル又は塗料から構成されることが好ましい。また、該絶縁材料４は、接着性又は粘着性であることが好ましい。また、該タイミングディスク３の固定を達成する手段である突起部は、図２ではラグであるが、それに限定されず、他にフック、ノブ又は曲げた金属片等の形態が挙げられる。

図３及び図４は、本発明のタイミングディスクの固定方法の他の実施の形態例を示す図であり、図３は、タイミングディスク３が、タイミングディスクハブ１ｂに固定される前の状態を示している。該タイミングディスクハブ１ｂのラグ５ｃ、５ｄ及び５ｅは、それらが該タイミングディスク３の各自の切抜き３１ｃ、３１ｄ及び３１ｅに導入され得るようにして位置合わせされる。該タイミングディスクハブ１ｂの突起部が係合される箇所（導入される箇所）は、図３では該タイミングディスク３の切抜きであるが、該タイミングディスク３のくぼみ又は凹部であってもよい。

図４は、該タイミングディスク３と該タイミングディスクハブ１ｂが結合されている状態を示す。図４に示すように、該タイミングディスク３と該タイミングディスクハブ１ｂとが結合された後、該ラグ５ｃ、５ｄ及び５ｅは締結が生じるようにして変形される。

図５及び図６は、本発明のタイミングディスクの固定方法の更に他の実施の形態例を示す図であり、図５は、結合後かつラグ５ｆが曲げられた後の状態を示している。なお、該形態例では、タイミングディスク３とモータシャフト（図示していない。）の間に、タイミングディスクハブ１ｃのうちの、モータシャフトとの挿嵌に係る部分１３が位置している。従って、該形態例では、該モータシャフトとの挿嵌に係る部分１３の片面１４（モータシャフトと接触する面の反対側の面）も、該タイミングディスク３と対面する面に含まれる。このようにして、該タイミングディスク３及び該タイミングディスクハブ１ｃは、クリアランスのない永久的な形で固定される。図５の断面図において、該タイミングディスクハブ１ｃのうちの片面、すなわち該タイミングディスク３と対面する面の全面が、プラスチック絶縁材料４ｃで被覆されていることがわかる。エンコーダ端からの熱流はモータシャフトを通じて放出されるが、片面でのプラスチック絶縁材料による被覆により、プラスチック絶縁材料の絶縁作用のために、タイミングディスクは影響を受けないままでいることが保証される。

図６は、タイミングディスクがタイミングディスクハブに固定されている状態を示す背面図であり、該タイミングディスクハブ１ｃに、曲げられた該ラグ５ｆによって該タイミングディスク３は永久的に固定されている。

元来、本発明の新しいタイミングディスクの固定方法は、光を反射するタイミングディスクを固定するために用いられる。該光を反射するタイミングディスクは、一方の面又は層間に金属製シートを有する、感光性フィルム材で構成されている。該感光性フィルム材の表面は、モータセンサ９からのセンサ信号を反射するためだけでなく、モータ８からの放射熱を反射するためにも用いられる。これは、金属製のタイミングディスクを用いることにより、更に優れた熱放出が実現できることを導く。

本発明のタイミングディスクハブは、モータシャフトに挿嵌し、タイミングディスクを固定するための、エンコーダーシステム用のタイミングディスクハブであって、プラスチック絶縁材料により片面の少なくとも一部が被覆されている金属伝熱材料から構成され、且つ該タイミングディスクハブのフランジ平面に、該タイミングディスクのくぼみ、凹部又は切抜きと係合する、突起部が設けられている。

該本発明のタイミングディスクハブは、前記本発明のタイミングディスクの固定方法の説明で記載した、該本発明のタイミングディスクの固定方法に係るタイミングディスクハブと同様であり、該本発明のタイミングディスクハブの実施の形態例としては、図１〜６に示すタイミングディスクハブ１が挙げられる。

本発明のエンコーダーシステムは、該本発明のタイミングディスクハブを有する。

本発明に係るエンコーダーシステムにおけるタイミングディスクの固定状態を示す図である。 タイミングディスクが固定されている領域の拡大部分断面図である。 タイミングディスクが固定される前の状態を示す正面斜視図である。 タイミングディスクとタイミングディスクハブが結合している状態を示す正面斜視図である。 結合後且つラグが曲げられた後の状態を示す断面図である。 タイミングディスクがタイミングディスクハブに固定されている状態を示す背面斜視図である。

符号の説明

１ タイミングディスクハブ
２ モータシャフト
３ タイミングディスク
４ プラスチック絶縁材料
５ ラグ
８ モータ
９ Ｃ字形モータセンサ構成部品
１１ タイミングディスクハブ１のフランジ平面
１２ タイミングディスク３と対面する面
３１ 切抜き

Claims (8)

1. モータシャフトに挿嵌し、タイミングディスクを固定するタイミングディスクハブを有するエンコーダーシステムにおいて、該タイミングディスクハブにより該タイミングディスクを固定する、タイミングディスクの固定方法であって、該タイミングディスクハブが、プラスチック絶縁材料により片面の少なくとも一部が被覆されている金属伝熱材料から構成されており、且つ該タイミングディスクハブのフランジ平面に、該タイミングディスクのくぼみ、凹部又は切抜きと係合する、突起部が設けられていることを特徴とするタイミングディスクの固定方法。
2. 前記プラスチック絶縁材料が、前記タイミングディスクと対面する前記タイミングディスクハブの面の全面に、配設されることを特徴とする前記請求項１に記載のタイミングディスクの固定方法。
3. 前記プラスチック絶縁材料が、フィルム、フォイル又は塗料から構成されることを特徴とする前記請求項１又は２いずれか１項記載のタイミングディスクの固定方法。
4. 前記プラスチック絶縁材料が、接着性又は粘着性であることを特徴とする前記請求項１〜３いずれか１項記載のタイミングディスクの固定方法。
5. 前記突起部が、フック、ノブ、ラグ又は曲げた金属片の形態で設けられることを特徴とする前記請求項１〜４いずれか１項記載のタイミングディスクの固定方法。
6. モータシャフトに挿嵌し、タイミングディスクを固定するための、エンコーダーシステム用のタイミングディスクハブであって、プラスチック絶縁材料により片面の少なくとも一部が被覆されている金属伝熱材料から構成され、且つ該タイミングディスクハブのフランジ平面に、該タイミングディスクのくぼみ、凹部又は切抜きと係合する、突起部が設けられていることを特徴とするタイミングディスクハブ。
7. 前記プラスチック絶縁材料が、前記タイミングディスクと対面する前記タイミングディスクハブの面の全面に、配設されることを特徴とする前記請求項６に記載のタイミングディスクハブ。
8. 前記請求項６又は７いずれか１項記載のタイミングディスクハブを有することを特徴とするエンコーダーシステム。

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