JP4092007B2 - 軌条車両のディスクブレーキ設備用の回転軸ブレーキディスク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、特許請求の範囲の請求項1の前文部分に記載の回転軸ブレーキディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
軌条車両の車軸やディスク用のブレーキディスクは、それの性能向上のために、一部品的に(モノブロックディスク)から、または単一部材からなる。慣例的な鋼製のディスクならびに、たとえばマグネシウム・アルミニウム製の軽金属摩擦リングは、加熱に際して摩擦リングが好ましくは半径方向に膨張しかつ同時に制動トルクを伝達するように、鋼製のボスと結合される。ボス自身は、通常、車軸または回転軸へ押圧されるか、または(加熱によって)焼きばめされる。
【0003】
いま問題の種類のブレーキディスクの重量を減らすために、最近、セラミック強化アルミニウム製の摩擦リングが開発され、それによって重量が約40%減った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、このような回転軸ブレーキディスクの場合、制動トルクの品質を損なうことなしに、さらに重量を減らすことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、この発明は、摩擦リングがその内周でボスから突出するボスフランジとねじとによって結合されるものにおいて、ボスフランジと摩擦リングとの間に断熱層があることを特徴とする回転軸ブレーキディスクである。
【0006】
アルミニウム製のボスの使用によって、さらに10%の重量減少が達成でき、このことはより高速度で走行するブレーキディスクの場合に重要な要素である。軽金属の、小さいヤング率の、そして非常に高い熱膨張係数(熱伝導度)の、比較的小さい強度の問題が本発明により解決される一方、回転軸ブレーキディスクの内周と、支持用ボスフランジとの間に断熱層が設置され、該断熱層は、約120−140℃の臨界温度範囲を越えない程度に、軽金属摩擦リングと軽金属ボスとの間の熱伝達を阻止する。この方法で、ボスと車軸または回転軸の間の制動トルク伝達が損なわれない。断熱層は、摩擦リングウエブとボスフランジの間のねじ結合に役立つねじの範囲内で、これによって通過される、絶縁座金または絶縁板の形の絶縁要素からなる。絶縁層は、ねじに対してそれぞれ貫通穴を有する、周囲の絶縁リングから構成することもできる。
【0007】
有利に、ボスフランジに対して反対側にある緊締リングを軽金属、つまりアルミニウム製の慣例的な構造に反して製造することもでき、その際、この範囲内にも緊締リングと摩擦ウエブとの間に断熱層が設置される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に摩擦リング1として形成されるそれ自体公知のブレーキディスクを示し、該ディスクは半径方向内側にある摩擦リングウエブ3によって以下に述べる方法でボス5と結合する。摩擦リングはアルミニウム、とくにセラミック強化アルミニウムからなり、それによって、鋼製の摩擦リングまたはブレーキディスクに対して重量を約40%減らすことができる。
【0009】
さらに重量を減らすために、本発明により、ボス5もアルミニウムから製造することを提案する。軽金属の、小さいヤング率の、そして非常に高い熱膨張係数(鋼材に対して係数2)の、比較的小さい強度の問題に対処するために、ボスに対する材料として非常に高強度(熱間硬化)のアルミニウムを使用して、(図示されない)車軸上に必要な収縮圧力を得る。いま問題の種類の平面はめあい(Plansitz)を有するブレーキディスクでは、摩擦リングとボスとの間に大きな接触面があるから、結合部分(ボスのフランジ)内に生じる緊締作用は小さい。アルミニウムの小さいヤング率は、回転軸とボスの間の締まりばめの高い締めしろによって補償される。普通の締めしろは、鋼製のボスの場合0.3mmからアルミニウム製のボスに対して0.5mmまでとなる。
【0010】
アルミニウムの良好な熱伝導のために、制動に際し発生する摩擦リングの温度は、構造様式に起因して多かれ少なかれ迅速にボス5内に案内される。ボスは加熱されて、鋼製の比較ボスより係数2だけ多く膨張する。これによって、アルミニウムボスと(図示されない)鋼材の回転軸との間の(冷却回転軸で想定される)圧力ばめが、約120−140℃の場合すでに失われる。
【0011】
前述の問題を除去するために、本発明により、ボスフランジ7と摩擦リングウエブ3との間に断熱層を、以下に説明するように挿入する。
【0012】
図1の断面図と図3の部分平面図により、図示例での摩擦リングは円弧上に配置される多数のねじ9によってボス5とともにねじ締めされ、その際、ねじ9は摩擦リング1の半径方向内側にある摩擦リングウエブ3の穴と、アルミニウム製のボス5のボスフランジ7の穴とを貫通する。ボスフランジ7への相手片として与えられ緊締リング11は、図1の実施の形態ではアルミニウムからなり、かつ、図について摩擦リングウエブ3の左側に当接しかつこの側面に対して緊締される。アルミニウム製の摩擦リング1と、同じくアルミニウム製のボス5との間の熱伝達を回避すべく、それぞれ、摩擦リングの摩擦リングウエブ3とボスフランジ7との間のねじ9の範囲内に絶縁座金13を断熱層として挿入する。これによって、摩擦リングウエブとボスフランジの間の熱伝達は大幅に遮断される。すなわち、ボス5は、回転軸に対して圧力ばめまたは締まりばめが弛緩する臨界温度に達しない。摩擦リングウエブとねじごとにこのような絶縁座金が与えられ、好ましくそれはボスフランジ7の溝14内に嵌装され、かつ半径方向外側に肩部分15によって支えられる。熱的に運動する、したがってボスから持ち上がる摩擦リングウエブ3によって絶縁座金13が強制的に連れ去られることは、これによって遮断される。
【0013】
図4と5に断熱層の別の実施の形態を示す。図4により与えられる絶縁板17は肩部分15の外周で同一面的に境界を接し、かつ内側でボス5の上にある。図5は連続して配設されかつ図3及び4による実施の形態に比較可能な方法で半径方向外側に肩部分によって支えられる絶縁リング19としての断熱層の形状を示す。
【0014】
熱伝達の問題は摩擦リング、緊締リング、およびボスの間にも存在するので、アルミニウム製の緊締リング11と摩擦リング1の摩擦リングウエブ3との間に、原理的に絶縁座金13に比較し得る構造の絶縁座金21が与えられる。同様に、図4と5に関連付けて示す実施例の断熱層が使用できる。緊締リング11の範囲内にも外側で肩部分23によって境界を接する溝25を備え、該溝内に断熱または絶縁要素を挿入する。好ましく、絶縁層は表面へ接着または射出され、それの厚さは各所与条件に適応可能である。ボスに対する摩擦リングウエブの円筒はめあいに関して言えば(図1及び2)、摩擦リングの加熱に際し直ちに隙間が発生する、すなわち、摩擦リングは半径方向に向かって膨張するから、これを絶縁する必要はない。この隙間によって良好な絶縁が与えられる。
【0015】
アルミニウム製のブレーキディスクと軌条車両の車軸との間に制動トルクを伝達するための、軽金属、たとえばアルミニウム製のボスの本発明による使用は、図1に示す実施の形態に限定されない。図2に示す別の実施の形態の場合、鋼製の緊締リングの熱伝導特性は、たとえばアルミニウムよりはるかに小さいから、緊締リング11の範囲内で緊締リングと摩擦リングウエブとの間の断熱層は放棄された。右側に示す結合の範囲内に、絶縁座金、絶縁板などの形の断熱層と摩擦リングウエブ3との間に薄鈑リング27を挿入する。たとえば鋼製の、このような薄鈑リングは、摩擦リングウエブよりすぐれた滑りやすさを有する。これによって、摩擦リングウエブの半径方向の移動(摩擦リングの加熱時)に際して断熱層は消耗せず、またはその他の方法で破壊されない。摩擦リングの加熱に際し、緊締リングと薄鈑リングは図示されるそれの位置内にあり続け、かつ摩擦リングウエブは緊締リングと薄鈑リングに対して半径方向の運動を行う(摩擦リングウエブ内で貫通穴29によって可能にされる)。図2に示す配置の緊締リング11に代えてアルミニウム製の緊締リングを使用するとき、この場合も断熱層と、付加的に薄鈑リング、したがって、右側の対に対して鏡像的な配置が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩擦リングウエブの両側に対してボスフランジまたは緊締リングに設置される断熱層を使用した際の摩擦リング・ボス結合の部分断面図である。
【図2】本発明の別の実施の形態の図1に対応する断面図であり、断熱層と摩擦リングウエブの間の摩擦リングウエブ・ボスフランジ対の範囲内に、摩擦リングの滑り特性改善に対して役立つ薄鈑リングが挿入されている。
【図3】図2の線III−IIIの部分平面図であり、絶縁座金は示すが、摩擦リングは示さない。
【図4】絶縁板の形の断熱層の別の実施の形態を示す、図3に対応する平面図である。
【図5】絶縁リングとして本発明の別の実施の形態を示す、図3及び4に対応する平面図である。
【符号の説明】
1 摩擦リング
3 摩擦リングウエブ
5 ボス
7 ボスフランジ
9 ねじ
11 緊締リング
13 絶縁座金
14 溝
15 肩部分
17 絶縁板
19 絶縁リング
21 絶縁座金
23 肩部分
25 溝
27 薄鈑リング
29 貫通穴
Claims (7)
- 軌条車両のディスクブレーキ設備用の回転軸ブレーキディスクであって、
軽金属製の摩擦リングが設けられており、摩擦リングがその内周でボスから突出するボスフランジとねじによって結合されており、ボスフランジ(7)と摩擦リング(1)との間に断熱層が設けられている形式のものにおいて、
摩擦リングウエブ(3)と断熱層との間に、摩擦リングウエブ(3)よりも良好な滑り特性の薄鈑リング(27)が挿入されており、該薄鈑リング(27)をねじが貫通していることを特徴とする回転軸ブレーキディスク。 - 摩擦リングの内周を摩擦リングウエブから形成し、該摩擦リングウエブをボスフランジと共にそれを貫通するねじによって且つ緊締リングと共に相手側へ緊締するものにおいて、断熱層が絶縁リング(19)から、または摩擦リングウエブ(3)とボスフランジ(7)との間に配置される個々の絶縁要素(絶縁座金13、絶縁板17)からなることを特徴とする請求項1記載の回転軸ブレーキディスク。
- 摩擦リングウエブ(3)へ向けられる絶縁リング(19)または絶縁要素(絶縁座金13、絶縁板17)を、ボスフランジ(7)の周囲溝(14)内に挿入し、且つねじ結合のねじ(9)がそれを貫通することを特徴とする請求項2記載の回転軸ブレーキディスク。
- 摩擦リングウエブへ向けられる緊締リング(11)の内側に断熱層を配設し、緊締リングもアルミニウムなどの軽金属からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転軸ブレーキディスク。
- 摩擦リングウエブ(3)へ向けられる緊締リング(11)の内側に周囲の溝(25)を埋設し、該溝内に絶縁座金、絶縁板、または絶縁リングの形の断熱層を挿入することを特徴とする請求項4記載の回転軸ブレーキディスク。
- 断熱層を表面に接着または射出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転軸ブレーキディスク。
- 緊締リング・摩擦リングウエブの対が断熱層なしに存在し、緊締リング(11)が鋼材からなることを特徴とする請求項2記載の回転軸ブレーキディスク。
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JPS6015740Y2 (ja) | デイスクブレ−キ装置におけるブレ−キデイスクの取付装置 |
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