JP2005163631A - エンジンのオイル分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルミストを含むブローバイガスからのオイル分離性能を高める。
【解決手段】シリンダヘッドカバー1をバッフルプレート21で上下に区画して、その上部空間をオイル分離空間70とし、このオイル分離空間70は、シリンダヘッドカバー1の天井壁部7からバッフルプレート21に向かう仕切り壁W1、W2によってエンジン前後方向に配列する複数のオイル分離室P1、P2、P3に仕切られる。仕切り壁W1、W2には隣接するオイル分離室を連通する連通路41が、エンジンの気筒列方向に交差し、且つ、ブローバイガス流れの上流側のオイル分離室P1の窪み部19cへの開口41bが下流側のオイル分離室P2への開口41aより高い位置になるように上下方向斜めに形成され、さらに開口41aに対面するバッフルプレート21には動弁室75側に向かって窪んだ第2凹部33aが設けられている。
【選択図】 図5

Description

本発明は、エンジンのオイル分離装置に関するものである。
通常、エンジンには、その内部の燃焼に伴いシリンダブロックとオイルパンとの空間であるクランク室にブローバイガスが発生する。このために、ブローバイガスを吸気系に戻して燃焼させるが、クランク室(およびそれと連通関係にある、シリンダヘッドとヘッドカバーとの空間である動弁室)にはオイルミストが存在し、ブローバイガスと混じるため吸気系に戻すにあたっては混在するオイル成分を分離する必要がある。この分離が不十分である場合、戻されたオイル成分が排気系の触媒に悪影響を及ぼす恐れがある。
このようなことから、従来技術として、クランク室からスロットルバルブ下流の吸気系にブローバイガスを戻す通路にオイル分離室を介在させるべく、シリンダブロックの側壁に所謂、オイルセパレータを配置することが知られている(例えば、下記特許文献1)。
また、ヘッドカバー内にオイル分離室を有するオイルセパレータを配置することも知られている(例えば、下記特許文献2)。
そして、下記特許文献1及び2のいずれのオイルセパレータもオイル分離室からスロットルバルブ下流の吸気系にブローバイガスを戻す通路に吸気負圧が所定値以上になるとスプリングの付勢力に抗して開弁するPCVバルブを備える一方、ブローバイガスが存在する空間、例えば、動弁室にフレッシュエアを導入するベンチレーション通路をスロットルバルブ上流の吸気系に連通させるようにしている。
これにより、所定の運転状態、例えば、アイドリング時や低中負荷運転時にオイル成分を分離されたブローバイガスを吸気系に戻すことができる。しかし、高負荷運転時にはスロットルバルブ下流の吸気負圧がほとんどなくなり、PCVバルブが開弁せず、むしろスロットルバルブ上流の吸気系の圧力が動弁室の圧力より低くなって、動弁室内のオイルミストを含むブローバイガスがベンチレーション通路を介して吸気系に戻されることになり、好ましくない。
このようなことから、シリンダブロック側に第1オイルセパレータを、そしてシリンダヘッドカバー側に第2オイルセパレータを配置し、アイドリング時や低中負荷運転時には、第1オイルセパレータからPCVバルブを介在させてスロットルバルブ下流の吸気系にオイル分離済みのブローバイガスを戻すと共に第2オイルセパレータを介してスロットルバルブ上流の吸気系とを連通させて、第1オイルセパレータがオイル分離機能を果たす際のベンチレーション通路を兼ねるようにし、或いは、高負荷運転時には第2オイルセパレータにオイル分離機能を果たさせるようにすることがある。
ところで、シリンダヘッドカバー側に設けるオイルセパレータは、下記特許文献2にあるように、エンジンの長手方向に延びる内部空間とすべく、シリンダヘッドカバーの天井壁部と、複数面の縦壁部と、これらを下方から閉じる板状のバッフルプレートとで形成し、内部空間の両端側にブローバイガス導入部とブローバイガス導出部とを設ける一方、分離したオイルを戻すドレーン部を複数設けるようにしている。
同文献2によれば、ドレーン部の開口は、オイルにより塞がれ、動弁室からブローバイガスが内部空間にリークすることはない、としているが、溜まるオイルの量が少なければやはり、ブローバイガスが内部空間にリークすることになり、オイル成分をほとんど除去されないままブローバイガスを吸気系に戻すこととなり、解決すべき課題である。
そこで、長手方向(エンジンの気筒列方向)に延びるオイル分離室を複数に仕切り壁で仕切り、その仕切り壁にエンジンの気筒列方向に延びる連通路を設けるとともに、エンジン高負荷運転時において、クランク室からシリンダヘッド、動弁室等に向けて流れるオイルミストを含むブローバイガス流れの最上流側のオイル分離室のみにオイルドレーン部を設け、各オイル分離室でオイルを分離し、一方、このオイルセパレータが上記流れとは逆方向にフレッシュエアが流れるベンチレーション通路として機能する際には、他のオイル分離室に溜まったオイルを上記連通路を介して隣接するオイル分離室に戻すように、連通路の両開口部の高さ位置を異ならせ、例えば、ベンチレーション流の上流側のオイル分離室に臨む開口部をバッフルプレートの底面近くに設定し、ベンチレーション流の下流側のオイル分離室に臨む開口部を仕切り壁の上方位置に設定することにより、溜まったオイルを随時下流に移動させ、最終的にオイルを最下流のオイル分離室に戻してオイルドレーン部より動弁室、ひいてはクランク室に戻すようにすることが考えられる。
しかし、高負荷運転時に、これらオイル分離室がオイル分離機能を果たす際に、仕切り壁の連通路を介して連通し、その開口部の高さ位置に差を設けていても、オイルセパレータ内部を流れるブローバイガスは上流のオイル分離室から隣接する下流のオイル分離室に移動する際に上下に振れる流れが主流となり、その流れが比較的単純であるため全体的には整流化されたものとなり易い。したがって、このような整流化された流れに乗って、オイルが再度持ち出されることがあり、オイル回収効率を向上させることができない、という問題がある。
特開2002−106429号公報 実開平5−17110号公報
以上より本発明は、シリンダヘッドカバー内に複数のオイル分離室を有するオイル分離構造において、オイルミストを含むブローバイガスからのオイル分離性能を高めることを課題とする。
本発明に関わるエンジンのオイル分離装置の第一の構成は、エンジンのシリンダブロック近傍に設けられ、クランクケース内のオイルミストを含むブローバイガスを導入し、オイルを分離すると共にブローバイガスを開閉弁を介して吸気通路のスロットル弁下流に供給する第1オイル分離手段と、シリンダヘッドカバー内に設けられ、シリンダヘッドカバー内のオイルミストを含むブローバイガスを導入し、オイルを分離すると共にブローバイガスを吸気通路のスロットル弁上流に供給可能な第2オイル分離手段と、を備えたエンジンのオイル分離装置であって、第2オイル分離手段は、平板状のバッフルプレートによってエンジンのシリンダ軸線方向上下に区画されたシリンダヘッドカバーの内部上方においてエンジンの気筒列方向に延びるオイル分離空間として形成され、オイル分離空間は少なくとも1つの仕切り壁で仕切られて複数のオイル分離室に分割され、一端側のオイル分離室にブローバイガス導入部とオイルドレーン部とが設けられる一方、他端側のオイル分離室にブローバイガス導出部が設けられ、仕切り壁には、隣接するオイル分離室同志を連通させる連通路が設けられるとともに、ブローバイガスがブローバイガス導入部からブローバイガス導出部に向かって流れる上流側のオイル分離室の一部は下流側のオイル分離室方向に向かって窪んだ窪み部とされ、連通路は、仕切り壁に対して、平面視でエンジンの気筒列方向に交差し、且つ、上流側のオイル分離室の窪み部への開口が下流側のオイル分離室への開口より高い位置になるように上下方向斜めに形成されているものである。
第一の構成によれば、オイルミストを含むブローバイガスがクランクケース側からシリンダヘッド及びシリンダヘッドカバー内の第2オイル分離手段を経て吸気通路のスロットル弁上流に供給されるように流れる場合、第2オイル分離手段におけるオイルミスト成分を含むブローバイガスは、ブローバイガス導入部が設けられた上流側のオイル分離室の窪み部に向かって流れた後、仕切り壁に対して平面視でエンジンの気筒列方向に交差する連通路に流れる。したがって、窪み部から連通路に入る際に流れ方向が変わり、オイル成分が窪み部周辺の壁部に衝突して付着し易く、オイル分離性能を向上させることができる。
また、第一の構成によれば、上流側のオイル分離室の窪み部へ臨む開口が下流側のオイル分離室への開口より高い位置になるように上下方向斜めに形成されているため、ブローバイガス中のオイル成分が連通路の出口側開口から出た際に、再度方向変更されて効率的に壁面に付着し易くなる。したがって、上記第一の構成と相俟って、トータル的にオイル分離性能を向上させることができる。
本発明に関わる第二の構成は、仕切り壁がシリンダヘッドカバーに一体に形成されており、連通路における下流側のオイル分離室への開口が仕切り壁の底面に形成され、仕切り壁の底面と開口に対面するバッフルプレートの少なくとも一方には下流側のオイル分離室と連通する凹部が形成されているものである。
第二の構成によれば、連通路から下流側のオイル分離室に導入されるブローバイガスがバッフルプレートの凹部に衝突し、或いは開口部の凹部周辺壁部に衝突し、一層オイル分離性能を向上させることができる。
また、第二の構成によれば、仕切り壁がシリンダヘッドカバーに一体に形成されることによりシリンダヘッドカバーの面剛性を高めることができ、また、連通路の形成もドリル加工等で容易にできる。
以上、本発明によれば、シリンダヘッドカバー内に複数のオイル分離室を有するオイル分離構造において、オイルミストを含むブローバイガスからのオイル分離性能を高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明に係るエンジンの概略について、エンジン吸気マニホールド側からのエンジンの正面図である図1を用いて説明する。エンジンENGは、複数の気筒(不図示)が車幅方向に配列するように車両エンジンルーム内に配設される、所謂、横置きエンジンとされると共に、複数の気筒が配列して設けられたシリンダブロックCBと、シリンダブロックCBの下部に設けられたオイルパンOPと、シリンダブロックCB上面部にガスケット(不図示)を介して組付けられたシリンダヘッドHと、シリンダヘッドHの上面周縁部H1に組付けられたシリンダヘッドカバー1を備えた構造とされている。
また、エンジンENGの車両前方側には吸気マニホールドIMが配設されている。この吸気マニホールドIMは、シリンダヘッドHの車両前方側の面部に固定される複数の吸気マニホールド分岐管IM1、IM2、IM3、及びIM4と、これらマニホールド分岐管IM1他を束ねるように下方及び車両前方に膨出した形状を成すサージタンク部STと、サージタンク部STからエンジン上後方に向かって延びる上流管UPとを備え、さらに上流管UPのエンジン後方側端部には、その内部にスロットルバルブSVを有するスロットルボディSBが組付けられている。
さらに、スロットルボディSBの上流側には、吸気ダクトであるフレキシブルなチューブで形成されているスロットル上流管FPが連結され、このスロットル上流管FPよりも吸気上流側にはエアクリーナボックス(不図示)が連結されている。
さらにまた、シリンダヘッドカバー1における車両後方側の面からはブローバイガスがその内部を流れるパイプ部材BPが設けられて車両前方側に向かって延びた後、スロットル上流管FPに連結されて、連通口BPHが形成されている。
次に、シリンダヘッドカバーの構造について図2〜図7に基づいて説明する。
ここで、図2は、本発明に係るシリンダヘッドカバーの平面図、並びに正面図、
図3は、同シリンダヘッドカバーの下面図、
図4は、バッフルプレートの斜視図、
図5は、図3におけるZ部の詳細を示す図、
図6は、図5におけるA−A断面を示す図、
図7は、図6におけるB−B断面を示す図である。
図2において、図2(A)はシリンダヘッドカバー1の平面図、図2(B)はシリンダヘッドカバー1の正面図である。図2(A)に示すように、シリンダヘッドカバー1は、車両前後方向幅よりもエンジン前後方向(気筒配列方向)幅の方が長く、且つエンジン前方部側の車両前後方向幅は他の部分より少し長い形状とされている。そしてこの外周形状はシリンダヘッドの上部周縁部H1と略同形状とされている。
即ち、シリンダヘッドカバー1は、シリンダヘッドの上部周縁部H1と略同形状の周縁部11を下部周囲に備え、エンジン排気側の周縁部11からは縦壁部7aが立設され、縦壁部7aの上端は略水平な排気側天井壁部7に繋がり、エンジン前方側の周縁部11からは縦壁部3aが立設され、その上端はエンジン前方側天井壁部3に繋がり、エンジン吸気側の周縁部11からは縦壁部5aが立設され、その上端は略水平な吸気側天井壁部5に繋がっている。なお、本実施の形態におけるエンジンENGは、シリンダヘッドの車両後方側端面に排気マニホールド(不図示)を備える構造であり、したがって、排気側天井壁部7は排気バルブ駆動用カムシャフトSE(図6参照)の上方に配設され、吸気側天井壁部5は吸気バルブ駆動用カムシャフトSI(図6参照)の上方に配設されている。
また、エンジン後方側の周縁部11からは排気側天井壁部7に繋がる縦壁部7bと、吸気側天井壁部5に繋がる縦壁部5bとが立設されている。
排気側天井壁部7と吸気側天井壁部5との間はシリンダヘッド側に窪んでおり、排気側天井壁部7のエンジン吸気側端部からは縦壁部7cが垂下し、吸気側天井壁部5のエンジン排気側端部からは縦壁部5cが垂下し、これら縦壁部7cと縦壁部5cの下端部は中間面部9で連結されている。なお、中間面部9のエンジン後方側端部からも縦壁部9aが周縁部11と連結されており、縦壁部7bと、縦壁部5bと、縦壁部9aとでシリンダヘッドカバー1のエンジン後方側の縦壁部が一体的に形成されている。
排気側天井壁部7の縦壁部7aにおけるエンジン後方側にはL字状のブローバイガス出口管(ブローバイガス導出部)17と接続される出口管接続部7dが設けられている。このブローバイガス出口管17のエンジン後方側端部には、図1で説明したパイプ部材BPの一端が連結される。
一方、排気側天井壁部7のエンジン前方側には、エンジンオイルを注入するためのエンジンオイル供給口15が設けられており、通常はキャップ部材(不図示)で閉口されている。
また、周縁部11には複数の締結部13が設けられている。これら締結部13はボルト挿通孔(符号なし)が形成されており、シリンダヘッドカバー1はシリンダヘッドHに対して複数箇所のボルトで組付けられる。
なお、排気側天井壁部7の高さは吸気側天井壁部5の高さよりも高く形成され(図6参照)、エンジン前方側天井壁部3は、排気側天井壁部7と吸気側天井壁部5のエンジン前方側部を結ぶように緩やかに傾斜した形状とされている。
以上、シリンダヘッドカバー1の外観について説明したが、このシリンダヘッドカバー1は、例えばダイキャストで一体的に形成されたアルミニウム合金製とされるが、マグネシウム合金、或いは合成樹脂で形成されているものでも良く、特に材料を限定するものではない。
次に、図3に基づいて、バッフルプレートを組付けたシリンダヘッドカバー1の裏面構造について説明する。
図3に示すように、シリンダヘッドカバー1のエンジン前方側天井壁部3、吸気側天井壁部5、及び排気側天井壁部7には、エンジン前後方向、及びこれと直交する方向に延びるリブRが複数形成され、シリンダヘッドカバー1の剛性が確保されている。
また、排気側天井壁部7からは、エンジン前後方向に配列した複数の仕切り壁W1(以下、第1仕切り壁W1)、W2(以下、第2仕切り壁W2)が動弁室75(図6参照)側に向かって延設されている。
これら、第1仕切り壁W1と第2仕切り壁W2は、夫々、天井壁部7とに繋がっている縦壁部7aと、縦壁部7cとを連結するように一体に形成され(図6参照)、且つ縦壁部7aとの連結部は、縦壁部7cとの連結部よりもエンジン前方側に設けられている。これは、オイルミストを含むブローバイガス、或いはバッフルプレート上に溜まっているオイルを第1仕切り壁W1、又は第2仕切り壁W2の近傍の特定部分に集めるためであるが、これについては図5〜図7を用いて、別途説明する。なお、第1仕切り壁W1と第2仕切り壁W2とは同じ構造を有している。
さらに、第1仕切り壁W1と第2仕切り壁W2は、天井壁部7から縦壁部7aと縦壁部7cの上下方向略中間部まで延びて、フラットな底面部WBを有している(図5参照)。
底面部WBには、エンジン前後方向に長尺なバッフルプレート21が当接、固定されている。ここで、このバッフルプレート21の構造を、図4に基づいて説明する。
図4によれば、バッフルプレート21は、エンジン後方側端部が斜めにカットされていると共に、前後方向やや前方部において切欠き部25が形成された周縁部23を有し、切欠き部25のプレート内方端からは、オイル分離部(オイル分離空間)70側に突出して形成されたブローバイガス導入部27が設けられている。
このブローバイガス導入部27は、立設面部29を三面を備えるとともに一面が開口されてなり、それら三面のオイル分離室側端部は上面部29aで一体的に連結されている。したがって、オイルミストを含むブローバイガスは、動弁室75側から立設面部29の三面で囲まれた空間部27aから開口された一面、或いは切欠き部25を通ってオイル分離部(オイル分離空間)70側に流れる。
周縁部23のプレート内方には、周縁部23から動弁室75側に向かって窪んだ第1凹部31a、31b、31c、及び31dと、同じく動弁室75側に向かって窪んだ第2凹部33a、33bとが形成されている。
第1凹部31aは、ブローバイガス導入部27よりもエンジン前方側に設けられ、第1凹部31b、31c、及び31dは、ブローバイガス導入部27よりもエンジン後方側において所定間隔をもって形成されている。
第2凹部33aは、第1凹部31cのエンジン前方側端部から連続してさらに動弁室75側に窪んでおり、バッフルプレート21の車両前後方向において車両後方側、即ちエンジン排気側に設けられている。なお、第2凹部33aのエンジン前方側端部と、第1凹部31bのエンジン後方側端部とは所定の幅を有して離間している。
また、第2凹部33bは、第1凹部31dのエンジン前方側端部から連続してさらに動弁室75側に窪んでおり、バッフルプレート21の車両前後方向において車両後方側、即ちエンジン排気側に設けられている。なお、第2凹部33bのエンジン前方側端部と、第1凹部31cのエンジン後方側端部とは所定の幅を有して離間している。
そして、このバッフルプレート21は、周縁部23に複数形成されたネジ穴部35を有しているが、シリンダヘッドカバー1における第1仕切り壁W1及び第2仕切り壁W2の底面部WBにバッフルプレート21を当接させ、ネジ穴部35に動弁室75側からネジ部材(不図示)を挿通し、シリンダヘッドカバー1の縦壁部7aと縦壁部7c、及び第1仕切り壁W1と第2仕切り壁W2とに締結される。詳細には、図6に示すように、シリンダヘッドカバー1の縦壁部7a及び縦壁部7cに形成された段部7eにバッフルプレート21の周縁部23が設置されネジ部材で締結される構造となっている。
なお、バッフルプレート21は鋼板のプレス成形品とされるのがシリンダヘッドカバ−1の剛性確保の点で好ましいが、これに限定されるものではない。
そして図3、図6で分かるように、段部7eと、第1仕切り壁W1及び第2仕切り壁W2の底面部WBとは連続した同一面内にあるものとされている。
また、段部7eは、エンジン前方部、後方部にも設けられている。つまり、段部7eは、バッフルプレート21の周縁部23、及び周縁部23における切欠き部25に対面するようにシリンダヘッドカバー1に形成されているものである。
したがって、図3に示すように、バッフルプレート21をシリンダヘッドカバー1の段部7e、及び第1仕切り壁W1の底面部WB、並びに第2仕切り壁W2の底面部WBに当接させて締結すると、天井壁部7とバッフルプレート21とでその上下が挟まれたオイル分離部70(図8参照)が形成されることになり、さらにオイル分離部70は、エンジン前方側から3つの室に仕切られた構造となる。
これら3つの室はエンジン前方側から、第1オイル分離室P1、第2オイル分離室P2、第3オイル分離室P3とされる。
第1オイル分離室P1は、シリンダヘッドカバー1のエンジン前方側の段部7eから、第1仕切り壁W1までの範囲において、天井壁部7と縦壁部7aと縦壁部7cとバッフルプレート21とで仕切られた空間である。
第1オイル分離室P1と動弁室75とは、切欠き部25により連通し、オイルミストを含むブローバイガスが動弁室75から第1オイル分離室P1に導入される構造となっている。また、切欠き部25は、第1オイル分離室P1に溜まったオイルを動弁室75に落下させる機能も同時に併せ持っている。
第2オイル分離室P2は、第1仕切り壁W1から第2仕切り壁W2までの範囲において、天井壁部7と縦壁部7aと縦壁部7cとバッフルプレート21とで仕切られた空間である。
オイルミストを含むブローバイガスは、第1仕切り壁W1に形成された連通路41(図5他参照、詳細後述)を通って導入され、この第2オイル分離室P2内部において冷却されて、ブローバイガスからオイルが一部分離される。
第3オイル分離室P3は、第2仕切り壁W2からシリンダヘッドカバー1のエンジン後方側の段部7eまでの範囲において、天井壁部7と縦壁部7aと縦壁部7cとバッフルプレート21とで仕切られた空間である。
第2オイル分離室P2で一部のオイルミストが除去されたブローバイガスは、第2仕切り壁W2に形成された連通路41(不図示。第1仕切り壁W1に形成された連通路41と同じ構造であり、図5参照)を通って導入され、この第3オイル分離室P3内部において冷却されて、ブローバイガスからオイルがほぼ完全に分離され、ブローバイガスは、ブローバイガス出口管17から排出される。
次に、第1仕切り壁W1の近傍の構造について、図5〜図7に基づいて説明する。図5において、ハッチングで示している部分は、シリンダヘッドカバー1の縦壁部7a、及び7cに設けられた段部7eと、第1仕切り壁W1の底面部WBであり、バッフルプレート21は仮想線で示している。なお、第2仕切り壁W2は、図3に示すように第1仕切り壁W1と同じ構造であるため説明を省略する。
まず、図6に示すように、段部7eはシリンダヘッドカバー1の縦壁部7a、及び縦壁部7cの略中間高さ位置に形成され、バッフルプレート21が段部7eの面に当接した状態で締結されている。また、先に説明したように、段部7eの面と第1仕切り壁W1の底面部WBとは連続した同一面内にある。
図5に示すように、第1仕切り壁W1は、エンジン前後方向に所定の幅を有して天井壁部7から延設されている。即ち、第1仕切り壁W1の所定の幅とは、天井壁部7から延びて第1オイル分離室P1に臨むエンジン前方側傾斜部W1fと、同じく天井壁部7から延びて第2オイル第2オイル分離室P2に臨むエンジン後方側傾斜部W1rとのエンジン前後方向の幅であり、バッフルプレート21側に近づくにしたがって狭い幅になっている。
そして、バッフルプレート21の第1凹部31b、31cは、段部7eの面と第1仕切り壁W1とに接しない状態で設けられている。
第1凹部31cのエンジン前方側端部から連続してさらに動弁室75側に窪んで形成されている第2凹部33aは、そのエンジン前方側が第1仕切り壁W1の底面部WBと対面する位置に設けられているが、図6、及び図7に示すように、第2凹部33aと底面部WBとの間には隙間Sが設けられている。また、第2凹部33aのエンジン後方側は、第2オイル分離室P2にまで延びているとともに、第2凹部33aの車両後方側も第2オイル分離室P2まで延びている。
さらに、天井壁部7のエンジン吸気側には、図2でも示すように、突出部19が形成されている。この突出部19は、天井面部19aと、天井面部19aから天井壁部7とを結ぶようにエンジン前方に向かって傾斜する傾斜面部19bと、天井面部19aのエンジン後方側端部と天井壁部7とを結ぶ後方壁部19dと、縦壁部7cと、エンジン前方側傾斜部W1fとにより、車両前後方向視で台形箱型状の空間部19cが形成されている(図6、図7参照)。即ち、この空間部19cは、第1オイル分離室P1の一部であり、第2オイル分離室P2側に向かって窪んで形成されている窪み部とされている(図7参照)。
突出部19の天井面部19aに近いエンジン前方側傾斜部W1fから、第2凹部33aに対面する第1仕切り壁W1の底面部WBには連通路41が形成されている。即ち、連通路41は、突出部19の天井面部19aに近いエンジン前方側傾斜部W1fに開口41bを有し、そして第2凹部33aに対面する第1仕切り壁W1の底面部WBに開口41aを有した傾斜連通路とされている。さらに開口41aが開口する底面部WBには座ぐり部43が形成され、開口面積が大きくされている(図6参照)。
以上、第1オイル分離室P1と第2オイル分離室P2とを仕切る第1仕切り壁W1の近傍の構造を説明した。次に、第1オイル分離室P1から第2オイル分離室P2へのオイルミストを含むブローバイガスの流れ、及び第2オイル分離室P2から第1オイル分離室P1へのオイルの流れについて図5、図6、及び図7に基づいて説明する。
なお、ブローバイガスの流れは、エンジン運転状態によって異なるようにされており、エンジンENGの全負荷運転時、即ち、スロットルバルブSVの開度が全開、或いは比較的大きい場合においては、オイルミストを含むブローバイガスは、第1オイル分離室P1から第2オイル分離室P2へ、さらに第2オイル分離室P2から第3オイル分離室P3に向かって流れ、最終的にブローバイガス出口管17からオイルがほぼ分離されたブローバイガスが排出される。一方、エンジンENGの部分負荷運転時、即ち、スロットルバルブSVの開度が比較的小さい場合においては、全負荷運転時とは逆の流れになり、分離されたオイルは第3オイル分離室P3から第2オイル分離室P2へ、さらに第2オイル分離室P2から第1オイル分離室P1に流れ、バッフルプレート21の切欠き部25から動弁室75に落下する。このようなエンジンENGの全負荷運転時、及び部分負荷運転時の流れについては、図8に基づいて別途、説明する。
図5、図6及び図7において、白矢印は全負荷運転時の、オイルミストを含むブローバイガスの流れを示し、黒矢印は部分負荷運転時の、オイルミストを含むブローバイガスから分離されたオイルの流れを示すものである。
先に説明したように、第1オイル分離室P1と動弁室75とは、バッフルプレート21の切欠き部25により連通し、オイルミストを含むブローバイガスが動弁室75から第1オイル分離室P1に導入される構造となっている。したがって、エンジンENGの(が)全負荷運転時においては、動弁室75から導入されたオイルミストを含むブローバイガスは、図5又は図7に示すように第1オイル分離室P1において、まず第1仕切り壁W1のエンジン前方側傾斜部W1fに向かって流れ、その一部はエンジン前方側傾斜部W1fに衝突し、
続いてエンジン前方側傾斜部W1fに沿うように、第2オイル分離室P2側に向かって窪んだ空間部19cに向かって流れる。
そして突出部19の空間部19c近傍にまで達したオイルミストを含むブローバイガスは、その周辺の壁部材である天井面部19a、傾斜面部19b、後方壁部19d、及び縦壁部7cに接触する等して冷却され、その結果、オイルミストの一部はオイル成分としてこれらの壁部材に付着し、バッフルプレート21の平板部21a、或いは第1凹部31bに落下して溜まる。
オイルミストの一部を含むブローバイガスは、その後、流れ方向を大きく変えて連通路41に入る。即ち、図6から分かるように、一旦、突出部19に向かっていた流れは連通路41の開口41bから第1仕切り壁W1の底面部WBに設けられた開口41aの座ぐり部43に向かって下降して行く。また、図5、図7から分かるように、第1オイル分離室P1から第2オイル分離室P2(つまり、エンジン前方側からエンジン後方側)に向かっていたオイルミストの一部を含むブローバイガスは、エンジン排気側に略直角に流れを変える。
この急激な流れ方向の変化により、オイルミストの一部を含むブローバイガスは、突出部19の空間部19cを形成する後方壁部19dや連通路内壁(符号なし)に衝突しやすく、その結果、オイルミストからオイルが分離しやすくなり、オイル分離性能が高まる。
このようにして連通路41を通ったオイルミストの一部を含むブローバイガスは、第1仕切り壁W1の底面部WBと第2凹部33aとの間に形成された隙間Sを通って第2オイル分離室P2に流れて行くが、この連通路41の傾斜による指向性によりバッフルプレート21の第2凹部33aの面部に衝突されることになり、ブローバイガス中のオイル成分(オイルミスト)が第2凹部33aに付着し、オイル分離性能が高まる。
一方、エンジンENGの部分負荷運転時においては、黒矢印で示す如く、第2オイル分離室P2内におけるバッフルプレート21の平板部21a、第1凹部31cに溜まっていたオイルは、吸気負圧(図8で説明する)の影響でブローバイガス出口管17から入ってるフレッシュエアと共にエンジン前方側、即ち、第1仕切り壁W1のエンジン後方側傾斜部W1rに向かって流れ、且つ図5に示しているようにエンジン後方側傾斜部W1rはエンジン前方側に向かうように段状に形成されているために、オイルは動弁室75側に向かって最も深く窪んで形成された第2凹部33aに集まることになる。
そして最終的には、第2凹部33aの窪み全体にオイルが溜まることになるが、吸気負圧の関係からフレッシュエアの流れに乗ってさらにエンジン前方側の第1オイル分離室P1に向かおうとする。その結果、オイルは傾斜した連通路41を逆流して昇り、突出部19の空間部19cに臨む開口41bの下部41cから第1オイル分離室P1に落下し、第1オイル分離室P1における第1凹部31bや平板部21aに溜まっていき、その溜まった量が多くなると、切欠き部25から動弁室75に落下する。なお、図7から分かるように、連通路41から第1オイル分離室P1側の仕切り壁W1の底面部WBは、バッフルプレート21の平板部と当接し、且つその近傍部で締結されているため、隙間は無いものとされている。
したがって、本発明によれば、動弁室75からオイルミストを含むブローバイガスを導入する導入部27の近傍において形成されている切欠き部25は、分離したオイルを動弁室に戻す構造でもあり、エンジン後方側の、例えば第3オイル分離室P3にオイルドレーン部を別途設ける構造を採用しなくて良い。
また、オイルミストを含むブローバイガスの流れを急激に方向転換するようにしているため、その通路周辺の壁部材に同ガスが衝突して冷却され、オイル分離性能が向上した構造となっている。
なお、第2オイル分離室P2から第3オイル分離室P3へのオイルミストを含むブローバイガスの流れ、及び第3オイル分離室P3から第2オイル分離室P2へのオイルの流れも同じであるため、説明は省略した。
また、本実施の形態では、オイル分離室を3つ形成するように仕切り壁を2つ設けたが、オイル分離室を4つ形成するように仕切り壁を3つ設ける等の構造でも良い。
続いて、上記のようなオイル分離性能が効果的に発揮される条件を、エンジン運転状態の観点から図1と、図2のC−C部におけるエンジンENGの前後方向視断面を示す図8とに基づいて説明する。なお、以下の説明において、第2オイル分離手段とは、これまで説明してきた、第1オイル分離室P1と第2オイル分離室P2と第3オイル分離室P3とを含むシリンダヘッドに形成されたオイル分離部70のことであり、以下これを第2オイル分離手段70と称す。また、図8においては、カムシャフトSEを始めとする動弁系部品やピストン等の図は省略した。
まず、図8を用いて、図2のC−C部におけるエンジンENGの前後方向視断面構造を説明しておく。なお、これまで説明してきたシリンダヘッドカバー1やバッフルプレート21の構造については省略する。シリンダヘッドH上に設けられる動弁室75は、シリンダヘッドオイルドレーン通路77と繋がっており、さらにシリンダヘッドオイルドレーン通路77の下端部は、シリンダブロックCB内においてエンジン上下方向に延びるシリンダブロックオイルドレーン通路81の上端と図示しないガスケットを介して連通している。
シリンダブロックオイルドレーン通路81の下端は、シリンダブロックCBの下部に形成されたクランク室83に望み、その下方部にはエンジンオイルが貯留されるオイルパンOPが組付けられている
一方、吸気マニホールドIMが組付けられているエンジン吸気側のシリンダブロックCBには第1オイル分離手段91が設けられている。
第1オイル分離手段91は、クランク室83の上方に設けられ、ピストン(不図示)がその内周部を上下往復動するシリンダライナCLを覆うべくシリンダブロックCBと一体的に形成された凹部87と、カバー部材89と、内部に迷路状の通路を形成するようにシリンダブロックCB乃至カバー部材89に形成した複数の邪魔板部(一部を符号91aで示す)とによって構成されている。
後で説明するオイルミストを含むブローバイガスが例えば、邪魔板部91a等に衝突してオイルミストを液滴として付着させるとともに迷路状の通路を移動する過程でミスト化が促進され、液滴となったオイルをオイルパンOPへ落下させるようにしてある。
第1オイル分離手段91の上部には、周知のPCVバルブが連結されている。このPCVバルブは、特に図での説明は行わないが、スプリングの付勢力により、通常は閉状態とされているが、所謂、吸気負圧が所定値以上になると付勢力に抗して開状態となるものである。
また、図8には示していないが、PCVバルブの上部にはパイプ部材95(図1参照)が連結され、そのパイプ部材95の他端はサージタンクSTの上流管UP側寄り、即ち、吸入空気の上流側の部分に設けられた接続部93へ繋がっている。
したがって、PCVバルブが開状態となると、第1オイル分離手段91にてオイルミストが除去されたブローバイガスは、サージタンクSTへ導かれた後、複数の吸気マニホールド分岐管IM1他を通って各気筒燃焼室に導入されるようになっている。
ところで、このようなブローバイガスの流れは、エンジン運転状態によって異なるようにされている。まず、エンジンENGの部分負荷運転時、即ち、スロットルバルブSVの開度が比較的小さい場合、吸気負圧が高くなってPCVバルブが開くと、第1オイル分離手段91がオイル分離機能を果たす。そして、この時、図1で説明したように、パイプ部材BPの一端はスロットル上流管FPの連通口BPHに連通していると共に、他端はシリンダヘッドカバー1の第2オイル分離手段70と連通しているので、エアクリーナボックス(不図示)を通して吸入されてきたフレッシュエアは、スロットル上流管FPの連通口BPHからパイプ部材BPを通って第2オイル分離手段70へと導かれる。図8において、フレッシュエアは右上ハッチングの矢印でその流れが示されている。
そして、第2オイル分離手段70へと導かれたフレッシュエアは、動弁室75、シリンダヘッドオイルドレーン通路77、さらにはシリンダブロックCB内のシリンダブロックオイルドレーン通路81を経てクランク室83へと流れて行くことになる。
即ち、第2オイル分離手段70の第3オイル分離室P3に溜まっているオイルはブローバイガス出口管17から流入して来るフレッシュエアの流れに乗って第2仕切り壁W2の連通路41を通って第2オイル分離室P2に流れ、さらに第2オイル分離室P2に溜まっているオイルと共に第1仕切り壁W1の連通路41を通って第1オイル分離室P1に流れ、切欠き部25から動弁室75に落ち、シリンダヘッドオイルドレーン通路77、シリンダブロックオイルドレーン通路81を経てオイルパンOPに貯留される。
このように、フレッシュエアは、第2オイル分離手段70のオイルを動弁室75やオイルパンOPに戻しつつクランク室83まで導かれるが、動弁室75内のオイルミストやオイルパンOP内のオイルミストを巻き込み、クランク室83内部に溜まっているブローバイガスと共に、シリンダブロックCBに形成されている第1オイル分離手段91に流れる。このフレッシュエアと、ブローバイガスと、オイルミストとの流れは白矢印で示している。
そして、先に説明したようにPCVバルブに達するまでに邪魔板部91a等においてオイルミストは付着凝縮し、オイルパンOP内へと落ちていくことになるが、残ったフレッシュエアとブローバイガスとの混合流体(左上ハッチングの矢印)はPCVバルブの開弁動作によりパイプ部材95(図1参照)を通ってサージタンクSTの上流管UP側寄り、即ち、吸入空気の上流側の部分に設けられた接続部93へ至り、最終的にエンジン燃焼室に導入される。
一方、エンジンENGの全負荷運転時、即ち、スロットルバルブSVの開度が全開、或いは比較的大きい場合、ブローバイガスの流れは部分負荷運転時とは逆になる。即ち、全負荷運転時においては、スロットルバルブSVの下流では吸気負圧が減少すると共に、クランク室83の内圧が高くなり、その結果、クランク室83、及び第2オイルセパレータ70と比べてスロットルバルブSVの上流側のスロットル上流管FP内の圧力が低圧状態となることにより、クランク室83から第1オイル分離手段70を通りスロットルバルブSVの上流に向けてブローバイガスは流れていく。
そしてこの場合について、図8ではブローバイガスの流れを黒矢印で示している。即ち、エンジン燃焼室から漏れたブローバイガスは、クランク室83からシリンダブロックオイルドレーン通路81及びシリンダヘッドオイルドレーン通路77を通って動弁室75に流れ込んで行く。なお、この際、クランク室83のオイルミストもブローバイガスの流れに乗って動弁室75へ向かって流れていくが、そのオイルミストの一部はシリンダブロックオイルドレーン通路81及びシリンダヘッドオイルドレーン通路77を通過中に、それらの壁面に付着若しくはクランク室83へ流れ落ちているオイルに吸収される。
そして、動弁室75に流れてきたブローバイガスとオイルミストは、動弁部品の駆動により発生したオイルミストが加わり、ブローバイガス導入部27(図3、図4参照)を通って第2オイル分離手段70へと流れる。
このブローバイガス導入部27を通って第2オイル分離手段70へ流れ込んできたオイルミストを含むブローバイガスは、第2オイル分離手段70の第1オイル分離室P1から第1仕切り壁W1の連通路41を通って第2オイル分離室P2へ、さらに第2仕切り壁W2の連通路41を通って第3オイル分離室Pへと流れ、その過程でオイルがほぼ分離されたブローバイガスとなってブローバイガス出口部17に至る。
したがって、ブローバイガス出口部17からパイプ部材BPへ排出されていくのは、オイルミストが殆ど分離除去されたブローバイガス(流れは、左上ハッチングの矢印で示している)であり、このブローバイガスは、パイプ部材BPの他端に連結されているスロットル上流管FPの連通口BPHに流れ、スロットルバルブSVの下流の吸気間にホールドIMからエンジン燃焼室へと導入される。
以上、第2オイル分離手段70におけるオイルミストを含むブローバイガスからのオイルミストの分離性能について、エンジン運転条件との関係を示しつつ説明したが、本発明の主旨からすれば、本発明のエンジンのオイル分離装置は、上記実施の形態に限定されるものではない。
本発明に係るエンジンをエンジン吸気マニホールド側から示す正面図 本発明に係るシリンダヘッドカバーの平面図、並びに正面図 シリンダヘッドカバーの下面図 バッフルプレートの斜視図 図3におけるZ部の詳細を示す図 図5におけるA−A断面を示す図 図6におけるB−B断面を示す図 図2のC−C部におけるエンジンの前後方向視断面を示す図(エンジン内のブローバイガスの流れを示す図)
符号の説明
1・・・シリンダヘッドカバー
17・・・ブローバイガス出口管(ブローバイガス導出部)
19c・・・空間部(窪み部)
21・・・バッフルプレート
25・・・オイルドレーン部
27・・・ブローバイガス導入部
33a、33b・・・第2凹部(凹部)
41・・・連通路
41a・・・開口(下流側のオイル分離室への開口)
41b・・・開口(上流側のオイル分離室の窪みへの開口)
70・・・第2オイル分離手段(オイル分離空間)
91・・・第1オイル分離手段
W1、W2・・・仕切り壁
P1・・・一端側のオイル分離室
P2・・・オイル分離室
P3・・・他端側のオイル分離室
ENG・・・エンジン
CB・・・シリンダブロック
SV・・・スロットル弁

Claims (2)

  1. エンジンのシリンダブロック近傍に設けられ、クランクケース内のオイルミストを含むブローバイガスを導入し、オイルを分離すると共にブローバイガスを開閉弁を介して吸気通路のスロットル弁下流に供給する第1オイル分離手段と、
    シリンダヘッドカバー内に設けられ、シリンダヘッドカバー内のオイルミストを含むブローバイガスを導入し、オイルを分離すると共にブローバイガスを前記吸気通路のスロットル弁上流に供給可能な第2オイル分離手段と、を備えたエンジンのオイル分離装置であって、
    前記第2オイル分離手段は、
    平板状のバッフルプレートによってエンジンのシリンダ軸線方向上下に区画された前記シリンダヘッドカバーの内部上方においてエンジンの気筒列方向に延びるオイル分離空間として形成され、
    該オイル分離空間は少なくとも1つの仕切り壁で仕切られて複数のオイル分離室に分割され、
    一端側のオイル分離室にブローバイガス導入部とオイルドレーン部とが設けられる一方、他端側のオイル分離室にブローバイガス導出部が設けられ、
    前記仕切り壁には、隣接するオイル分離室同志を連通させる連通路が設けられるとともに、
    ブローバイガスが前記ブローバイガス導入部から前記ブローバイガス導出部に向かって流れる上流側のオイル分離室の一部は下流側のオイル分離室方向に向かって窪んだ窪み部とされ、
    前記連通路は、前記仕切り壁に対して、平面視でエンジンの気筒列方向に交差し、且つ、上流側のオイル分離室の窪み部への開口が下流側のオイル分離室への開口より高い位置になるように上下方向斜めに形成されていることを特徴とするエンジンのオイル分離装置。
  2. 請求項1において、前記仕切り壁が前記シリンダヘッドカバーに一体に形成されており、前記連通路における下流側のオイル分離室への開口が前記仕切り壁の底面に形成され、前記仕切り壁の底面と前記開口に対面するバッフルプレートの少なくとも一方には前記下流側のオイル分離室と連通する凹部が形成されていることを特徴とするエンジンのオイル分離装置。
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