JP2005162213A - 包装用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 包装機によりPPC用紙等の積層体を防湿包装する包装用紙によって包装する際のタイト性向上させた包装用紙を提供する。
【解決手段】 再生紙を20〜100%含有する原紙2の表面に、合成樹脂ラテックスを主成分としてワックス及び無機微細粒子4を含有させ、共重合体エマルジョンを含有させた防湿層3を形成し、透湿度を規制すると共に、防湿層3を形成した面の積層体に対する静摩擦係数を0.45以下とする。
【選択図】 図1



Description

本発明は、所定の規格サイズに裁断されたPPC用紙などの被包装用紙を単位枚数の積層体にして包装する用に供する包装用紙に関するものである。
例えば、所定の組成により抄造されたPPC用紙は、A列4判、B列4判等の規格サイズに裁断された後、500枚あるいは1000枚の単位で積層され、防湿処理が施された包装用紙によって包装される。包装されたPPC用紙の単位枚数積層体は、一般的には5つをダンボール梱包して出荷される。前記包装用紙は、未晒クラフト紙、晒クラフト紙にパラフィンワックス加工あるいはポリエチレンラミネート加工した防湿紙が用いられている。
また、このような高分子フィルムをラミネートした包装用紙は、古紙再生時に高分子化合物が障害となって再生紙として活用できない問題があり、パラフィンワックス等により防湿層を形成した包装用紙が好ましいものとなる。しかし、防湿層を形成するワックスにより、それに接するPPC用紙の摩擦係数が低下し、複写機等において重送が発生する問題がある。また、摩擦係数が低下することに起因して包装時に滑りが生じ、PPC用紙の単位枚数積層体を体裁よく包装できない問題もある。この問題を解決する包装用紙として、バージンパルプと再生パルプとの混抄紙を微細に収縮させた伸張紙を包装用紙とした構成や、水酸化アルミニウム細粉を混合した合成樹脂ラテックス層を防湿層として形成した包装用紙が知られている(特許文献1参照)。
特開2000−255626号公報(第2〜3頁)
PPC用紙などの規格サイズに裁断された用紙を所定枚数積層した被包装用紙を包装用紙によって包装する作業は包装機によって実施される。包装機は被包装用紙を包装用紙で包み込むようにして包装用紙を折り曲げ、重ね合わせ部位を接着する。この包装工程時に、包装用紙に滑りが生じると、被包装用紙と包装用紙との間にできる空間が大きくなるタイト性の悪い包装状態となる。タイト性の低下は被包装用紙に損傷が生じやすくなるばかりでなく、見栄えも悪く、複数束をダンボール梱包する際の障害ともなる。従って、包装用紙の滑りによってタイト性が低下しないように被包装用紙に対する所要の摩擦係数が得られるようにする必要がある。
この所要の摩擦係数を得るために、従来技術のように積み重ね圧力や透湿度を設定するのは現実的ではなく、また、伸張紙に形成したり、水酸化アルミニウム等の微細粉末をラテックスに混合した防湿層の形成は徒に包装用紙のコストを増加させてしまう問題がある。また、包装用紙は被包装用紙が取り出された後は廃棄され、古紙再生するするしか用途がないので、低コストで古紙再生が容易であることが要求される。
本発明が目的とするところは、規格サイズに裁断されて所定枚数積層された被包装用紙を包装したときのタイト性を改善する包装用紙を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、所定の規格サイズに裁断された被包装用紙を単位枚数の積層体にして包装する用に供する包装用紙であって、再生紙20%から100%含有する原紙の前記被包装用紙に接する内面側に合成樹脂ラテックスを主成分とする防湿層が形成され、JIS−Z−0208に基づく透湿度が40g/m224h以下であり、被包装用紙との間の静摩擦係数が0.45以上であることを特徴とする。
上記構成になる包装用紙は、その原紙として古紙を20%〜100%のもの、特に古紙の割合を100%として抄紙した再生紙が好ましいものとなる。古紙からなる再生パルプは一旦製品化された紙を脱墨、精選、漂白等の工程を経て再利用可能に再生パルプ化されたものであり、再生パルプを構成する繊維は化学的及び物理的な処理により柔軟化が進んでいるため、所要のタイト性を得ることができる包装紙の原紙として好適なものとなる。この原紙上に防湿層を形成し、静摩擦係数を上記のように形成した包装用紙を用いて包装機による包装工程を実施すると、再生紙が有する柔軟性と被包装用紙との間の滑りが抑制され、その結果、タイト性よく被包装用紙を包装用紙により包装することができ、所定の透湿度により保管時の包装形態安定性を維持することが可能になる。
上記構成における防湿層は、ワックスと、平均粒径8μmから25μmの吸油性を有する無機微細粒子を含有させるのが好適であり、ワックス層は防湿効果を安価に高めることができ、吸油性を有する無機微細粒子は、包装機に多用されるシリコン等の潤滑用薬品が防湿層外表面に付着しても無機微細粒子がシリコンを吸着し、滑りの問題を解決すると共に、無機微細粒子の平均粒径を8μmから25μmにすることで、包装機への物理的傷を負わせることがなく、被包装紙に損傷を与えることもない。
また、防湿層は、ガラス転移温度が−20℃から25℃の共重合体エマルジョンを含有し、JIS−P−8115に示される耐折強さ試験方法における耐折回数が、縦方向で180〜620回、横方向で140〜750回であることが好適である。包装用紙は、被包装用紙を包装する際に被包装用紙の外形に沿った折部において、防湿層に亀裂等が生じる恐れがあるので、用紙の柔軟性とあいまって、防湿層自身の柔軟性が要求される。柔軟性を得るには、ガラス転移温度が−20℃から25℃の共重合体エマルジョンを用いることが好ましく、合わせてJIS−P−8115に示される耐折強さ試験方法における耐折回数が、少なくとも縦方向で180〜620回、横方向で140〜750回必要である。耐折回数が縦方向、横方向とも所定回数内が好ましい理由として、耐折回数が所定未満では、包装機における物理的力により折り部の防湿層に折れが容易に生じる。耐折回数が所定回数以上では、過剰品質になり、コストアップにつながる。
上記共重合エマルジョンとワックスとの配合割合は、重量比で共重合エマルジョン100重量部に対して、ワックスを10〜50重量部とするのが好適である。ワックスの割合が10重量部より少ないと、防湿性の調整が難しくなり、50重量部より多くなると、塗工層が非常に脆くなって折り曲げ部分の防湿性が劣化すると共に耐滑り性が極端に悪くなる。耐滑り性の観点からは、ワックスを10〜20重量部とする方が好ましい。
本発明によれば、包装機による包装工程時に包装用紙に対する被包装用紙の防湿性向上と滑りが抑制されるので、被包装用紙はタイト性よく単位枚数包装体として包装され、包装状態が体裁よくなるばかりでなく、一定の包装状態に仕上げられるため単位枚数包装体の積み重ね状態が安定し、複数の単位枚数包装体をダンボール梱包する際にも一定の梱包状態が得られる効果を奏する。
本実施形態は、A列4判やB列4判等の規格サイズに裁断されたPPC用紙などの被包装用紙を単位枚数の積層体にしたものを包装用紙によって包装した単位枚数包装体にするための包装用紙について示すものである。前記単位枚数包装体は複数個を積み重ねた状態にしてダンボール梱包され、ダンボール梱包状態又は単位枚数包装体として販売される。
前記PPC用紙は、Plain Paper Copyの略称であり、普通紙タイプの用紙にコピーすることを可能としたゼログラフィ方式の複写機に対応する用紙であることは周知のところである。現在では複写機だけでなく、ページプリンタやファクシミリの用紙としても用いられており、汎用的な自家印刷用の用紙としての意味合いもある。PPC用紙は普通紙タイプの用紙とはいえ、静電複写による印字方式に対応させるために、表面の電気抵抗やハード内での走行性、複写後のカール性などの品質特性が要求されている。
PPC用紙の生産、品質管理のポイントは、抄紙上では水分、摩擦係数、カール、電気抵抗などであり、仕上げ工程ではシートカット紙の切り口、角折れ、寸法精度、枚数などについて厳重な管理が要求されている。このように製造されたPPC用紙は、前述したように規格サイズに裁断され、所定の単位枚数に積層された積層体は包装用紙によって包装された単位枚数包装体に製造され、これを複数個ダンボール梱包して出荷される。
前記積層体を包装用紙によって包装する工程は包装機によってなされる。図2は、PPC用紙の積層体を包装用紙によって包装して単位枚数包装体とする包装機の工程を略図示するものである。
図2において、規格サイズに裁断され、単位枚数の積層体13として包装機内に搬入されてきたPPC用紙は、包装機内の所定位置において包装用紙ロール14から供給されて所定サイズに裁断される包装用紙1が被せられ、包装用紙1は包装機の曲げ動作により長辺側で積層体13上に折り曲げられ、中央の重ね合わせ部位でホットメルトにより接着される。積層体13の短辺側にはみ出した包装用紙1の余剰辺は包装機の畳み動作により所謂キャラメル包みに折り畳まれ、重ね合わせ部位でホットメルトによって接着されることにより、積層体13を包装用紙1で包装した包装体12として包装機から搬出される。
上記包装機の曲げ動作及び畳み動作がなされるとき、包装用紙1の動きにより積層体13が包装用紙1上で滑りやすい状態にあると、包装機の折り畳み動作に伴って包装用紙1上で積層体13が移動し、包装体12として仕上げられたとき、包装用紙1と積層体13との間にできる隙間が大きくなるタイト性の悪い状態となる。従って、包装用紙1は積層体13との間の静摩擦係数を大きく形成することを要する。また、包装紙1の折り畳みやすさも重要で、包装機による折り畳み動作に対する抵抗が大きいと、積層体13に移動が生じやすくなる。従って、原紙上に防湿層を形成した包装紙1の柔軟性が要求される。
前記静摩擦係数は、日本工業規格(JIS)の規定によれば、紙の最初の動きを阻止しようとする摩擦力と、紙に垂直に加わる力との比とされ、積層体3を構成するPPC用紙の摩擦係数を一定とすると、包装用紙1のPPC用紙と接する面の摩擦係数を大きくする必要がある。包装用紙1のPPC用紙と接する面は、防湿処理が施された面となるので、防湿処理層の積層体3に対する摩擦係数が所要の値となるように防湿層を形成するのが好適な手段となる。
防湿紙は前述したように原紙に高分子フィルムをラミネートしたものは再生紙としてリサイクルすることができないので、原紙とするクラフト紙にパラフィンワックスを含むエマルジョンを塗工して防湿層を形成する方法、あるいは合成ゴム系ラテックスとワックス系エマルジョンとを混合した塗工液を塗工して防湿層を形成する方法を採用し、この防湿層に触れる被包装用紙に影響を与えない組成及び積層体3を包装する際に最適な静摩擦係数を求める。
まず、本願発明者らは包装機を用いて積層体3を包装用紙1によって包装した際に、タイト性よく包装される包装用紙1の静摩擦係数の値を求めるための検証を実施した。その評価方法は、様々な静摩擦係数を有する複数の包装用紙1により同一の積層体13を包装機により包装して複数の包装体12を形成する。この複数の包装体12それぞれについて、包装用紙1の重ね合わせ部分にマークを付けた後、包装用紙1を剥がし、再び人の手によってタイト性よく包装し、マーク部分の位置ずれ量を測定し、その値をタイト性の指標とする。
上記検証の結果、積層体3との間の静摩擦係数が0.45以上の包装用紙1を用いた場合には、位置ずれ量は1〜2.5mmであり、満足できるタイト性が得られた。しかし、包装用紙1の静摩擦係数が0.45以下である場合には、位置ずれ量は2.5mm以上となり包装体12として好ましくないタイト性となった。従って、タイト性のよい状態に包装体2を形成するためには、包装用紙1の積層体3に対する静摩擦係数は、0.45以上するのが好適であるとの結論を得た。
PPC用紙等の防湿包装に用いられる包装用紙は、包装体としての外面に印刷が施され、防湿層は包装用紙1の内面側、即ち積層体3に接する面に形成することになるので、防湿層の組成が静摩擦係数を決定する重要な要素となる。また、防湿層を2枚の基紙の間に形成することも可能であり、その場合には積層体13に接する面の静摩擦係数が重要な要素となる。
積層体13に接する面に防湿層を形成する場合には、防湿層を構成するワックスが被包装用紙に転移して被包装用紙の摩擦係数を低下させ、複写機等において冊間重送を発生させることになるので、ワックスの転移を抑制する対策を講じる必要がある。
ワックス転移を抑制した防湿層の形成方法として、スチレン・アクリル共重合体とロジン、ワックス、無機微細粒子を構成物としたものが好適であり、スチレン・アクリル共重合体及びワックスはエマルジョンの状態にして使用するのが有効である。また、ロジンはスチレン・アクリル樹脂の乳化重合時に配合するのが有効で、ロジンとスチレン・アクリル樹脂とが均一に混合し、防湿層による良好な防湿性とワックス転移防止能とを有するものとなる。
この防湿層における静摩擦係数を0.45以上になるように調整するために、防湿層を構成する無機微細粒子の平均粒径を選択することにより、被包装用紙に対する適度な静摩擦係数を得ることができる。上記条件を満たす包装用紙の構成について、図1及び表1を参照して以下に説明する。
Figure 2005162213
注1:合成樹脂ラテックス
a:スチレン-ブタジエンラテックス
b:アクリル-スチレンラテックス
c:メタクリレート-ブタジエンラテックス
d:アクリルニトリル-ブタジエンラテックス
注2:ワックス
e:パラフィン系ワックス
f:ポリエチレン系ワックス
g:マイクロクリスタリン系ワックス
注3:無機微細粒子
h:軽質炭酸カルシウム
i:クレー
j:シリカ
注4:耐折強さ
JIS−P−8115に準拠して測定
注5:透湿度
JIS−Z−0208に準拠して測定
注6:静摩擦係数
JIS−P−8147に準拠して測定

図1において、包装用紙1を構成する原紙2としては、古紙を20〜100%を含むもの、特に、古紙を100%として抄紙した再生紙が好ましいものとなる。古紙からなる再生パルプは、いったん製品化された紙を脱墨、精選、漂白等の工程を経て再利用可能に再生パルプ化されたものであり、再生パルプを構成する繊維は化学的及び物理的な処理により柔軟化が進んでいるため、包装機による包装紙1の折り曲げ動作が容易になる結果、タイト性よく被包装用紙を包装用紙により包装することができ、所定の透湿度により保管時の包装形態安定性を維持することが可能になる。尚、古紙の割合が20%以下では、充分な柔軟性が得られないため、表1に比較例として示すように、静摩擦係数が満足できても所望のタイト性が得られない。上記再生パルプを用いた原紙2として、晒クラフト紙、未晒クラフト紙、晒片艶紙、未晒片艶紙を用いることができ、これら原紙2の坪量は被包装紙の1包の重さに対応させて適度な強度をもつように調整できるが、坪量=70〜90g/m2のものが扱いやすくなる。
この原紙2上の被包装紙5と接する面に形成される防湿層3は、合成樹脂ラテックスを主成分としてワックス及び無機微細粒子4を添加したものが望ましいものとなる。
防湿層3を形成する主成分たる合成樹脂ラテックスは、スチレン-ブタジエン樹脂、アクリル-スチレン樹脂、メタクリレート-ブタジエン樹脂、アクリルニトリル-ブタジエン樹脂などがあげられるが、耐水性が良好で、塗工適性に優れ、折り曲げ時に割れ等の亀裂が生じ難い、スチレン-ブタジエン樹脂が好適である。
上記合成樹脂ラテックスに添加する防湿剤として、市販のワックスを使用することができる。例えば、パラフィン系ワックス、ポリエチレン系ワックス、マイクロクリスタリン系ワックス等の公知のワックスを使用することができるが、中でも防湿性に優れたパラフィン系ワックスが適しており、更に、2種以上のワックスを混合して使用することも可能である。
また、防湿層3にガラス転移温度が−20〜25℃の共重合体エマルジョンを含有させるのが望ましい。ガラス転移温度が−20℃未満であると、塗工面の耐ブロッキング性に劣り、一方、ガラス転移温度が25℃を超えると塗工層の柔軟性が低下し、防湿層が脆くなって防湿性の低下をきたす。より好ましいガラス転移温度(Tg)は、−15〜20℃である。この条件を満たす共重合体エマルジョンとしては、スチレン−ブタジエン(SB)系、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート(AE)系、スチレン−ブチルアクリレート(ST/AE)系、メタクリレート−ブタジエン(MB)系、アクリロニトリル−ブタジエン(NB)系、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン系などの共重合体エマルジョンが挙げられる。中でもスチレン−ブタジエン系共重合体エマルジョンが好ましいものとなる。上記共重合体は、そのほかの共重合可能な単量体との共重合体を含んでいてもよい。
これら共重合体エマルジョンは、1種単独あるいは2種以上をブレンドして使用することができる。ブレンドする場合の好ましい組み合わせとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体/アクリル共重合体、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体/アクリル共重合体などの組み合わせが挙げられる。
また、共重合体エマルジョンの平均粒径は、好ましくは80〜300nm、より好ましくは90〜250nmである。80nm未満であると無機微細粒子の分散が悪く防湿性の低下を招く。一方、300nmを超えると増粘性が悪く、防湿層形成性が劣る結果となる。
また、無機微細粒子4としては、平均粒径が8μm〜25μmである必要がある。平均粒径が8μm未満では十分な凹凸が生じず、25μmを越えると無機微細粒子4が防湿層3を貫通する場合が生じ、防湿性の低下をまねくとともに、塗工中にストリークが発生したり粒子が沈降したりして塗工性が劣る問題が生じる。また、無機微細粒子4の粒径は防湿層3の塗工量にも関係する。所望の防湿性を求めるには、紙表面の凹凸を覆う目的から10g/m2以上の塗工量が必要であり、この塗工層に応じた塗工層の厚さより粒径の大きな無機微細粒子4では、防湿性を低下させる要因になる。無機微細粒子4の種類は特に限定されるものではないが、包装機等の物理的圧力によって防湿層表面から脱落したり、容易に変形が生じるものは使用することができない。
無機微細粒子4の具体的な種類として、例えば、酸化チタン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、シリカ、シリカゲル等の無機系顔料を使用することができる。特に好ましくは、2次凝集体構造を有する無機微粒子が、防湿層3を形成するワックス、共重合エマルジョンとの相性から好適である。
また、無機微細粒子4の形状については、必要な静摩擦が得られるように微細な凹凸が生じるような形状であることが好ましい。また、無機微細粒子4の添加量は、要求される防湿性能とワックス、共重合エマルジョンとのバランスで決定する。防湿性は無機微細粒子4の含有量に反比例するので、無機微細粒子4が増えると防湿性は悪化する。無機微細粒子4の含有量が増えるとワックスの含有量は抑えられることになるので、所望の防湿性を維持するためには、無機微細粒子4の配合は防湿剤100重量部に対し、5〜30重量部であることが好ましい。5重量部未満では十分な凹凸が生じず、30重量部を越えると、防湿性が悪化する傾向にある。
図1に示すように、原紙2の表面に防湿剤3を塗工して包装用紙1に形成した場合に、防湿剤3の組成変化によって得られる静摩擦係数及び透湿度と、包装機を用いて包装を実施したときのタイト性とについて検証した第1及び第2の各実施例を以下に示す。尚、タイト性は前述したように、各包装用紙1を用いて被包装紙を包装機により包装した後、重ね合わせ部分にマークを付け、包装を剥がして再び人手によりタイト性よく包装してメーク部分の位置ずれを測定する。これを20検体について実施し、その平均値をタイト性の指標とした。また、透湿度については、JIS−Z−0208(カップ法)B法に基づき、塗工面を外側にして測定した。透湿度が40g/m2・24hr以下であれば実用上十分であると判断される。
第1実施例
下記実施例1,2,3及び比較例1,2として示す各包装用紙について測定した静摩擦係数及び透気度と、各包装用紙を用いて得られたタイト性とを表2に示す。
(実施例1)原紙として晒片艶紙70g/m2に下記組成の防湿剤を塗布量20g/m2となるように塗工した包装紙により、PPC用紙(64g/m2,A4サイズ)を1包500枚に包装した。
防湿剤組成:スチレン・アクリル樹脂:100重量部
炭酸カルシウム(粒子径=10μm):20重量部
ワックス:3重量部
(実施例2)原紙として晒片艶紙70g/m2に下記組成の防湿剤を塗布量20g/m2となるように塗工した包装紙により、PPC用紙(64g/m2,A4サイズ)を1包500枚に包装した。
防湿剤組成:スチレン・ブタジエン樹脂:100重量部
炭酸カルシウム(粒子径=10μm):15重量部
合成シリカ:5重量部
ワックス:3部
(実施例3)原紙として晒クラフト紙70g/m2に下記組成の防湿剤を塗布量20g/m2となるように塗工した包装紙により、PPC用紙(64g/m2,A4サイズ)を1包500枚に包装した。
防湿剤組成:スチレン・アクリル樹脂:100重量部
水酸化アルミニウム(粒子径=15μm):10重量部
炭酸カルシウム:5重量部
ワックス:3重量部
(比較例1)原紙として晒片艶紙70g/m2に下記組成の防湿剤を塗布量20g/m2となるように塗工した包装紙により、PPC用紙(64g/m2,A4サイズ)を1包500枚に包装した。
防湿剤組成:スチレン・アクリル樹脂:100重量部
炭酸カルシウム(粒子径=10μm):20重量部
ワックス:8重量部
(比較例2)原紙として晒クラフト紙70g/m2に下記組成の防湿剤を塗布量20g/m2となるように塗工した包装紙により、PPC用紙(64g/m2,A4サイズ)を1包250枚に包装した。
防湿剤組成:スチレン・アクリル樹脂:100重量部
水酸化アルミニウム(粒子径=30μm):50重量部
ワックス:3重量部
Figure 2005162213
第2実施例
本第2実施例は、被包装用紙が非塗工紙の場合と塗工紙の場合との対応について、第1実施例と同様に下記実施例1,2,3及び比較例1,2として示す各包装用紙について測定した静摩擦係数及び透気度と、各包装用紙を用いて得られたタイト性とを表3に示す。
(実施例1)原紙として晒片艶紙70g/m2に下記組成の防湿剤を塗布量20g/m2となるように塗工した包装紙により、非塗工紙であるPPC用紙(64g/m2,A4サイズ)を1包500枚に包装した。
防湿剤組成:スチレン・アクリル樹脂:100重量部
炭酸カルシウム(粒子径=10μm):20重量部
ワックス:3重量部
(実施例2)原紙として晒片艶紙70g/m2に下記組成の防湿剤を塗布量20g/m2となるように塗工した包装紙により、非塗工紙であるPPC用紙(64g/m2,A4サイズ)を1包500枚に包装した。
防湿剤組成:スチレン・ブタジエン樹脂:100重量部
炭酸カルシウム(粒子径=10μm):20重量部
ワックス:3重量部
(実施例3)原紙として晒クラフト紙70g/m2に下記組成の防湿剤を塗布量20g/m2となるように塗工した包装紙により、塗工紙であるA2コート紙(104.7g/m2,四六判)を1包250枚に包装した。
防湿剤組成:スチレン・アクリル樹脂:100重量部
水酸化アルミニウム(粒子径=15μm):20重量部
炭酸カルシウム:3重量部
ワックス:3重量部
(比較例1)原紙として晒片艶紙70g/m2に下記組成の防湿剤を塗布量20g/m2となるように塗工した包装紙により、非塗工紙であるPPC用紙(64g/m2,A4サイズ)を1包500枚に包装した。
防湿剤組成:スチレン・アクリル樹脂:100重量部
炭酸カルシウム(粒子径=10μm):20重量部
ワックス:8重量部
(比較例2)原紙として晒クラフト紙70g/m2に下記組成の防湿剤を塗布量20g/m2となるように塗工した包装紙により、塗工紙であるA2コート紙(104.7g/m2,四六判)を1包250枚に包装した。
防湿剤組成:スチレン・アクリル樹脂:100重量部
水酸化アルミニウム(粒子径=30μm):50重量部
ワックス:3重量部
Figure 2005162213
また、防湿層を2枚の基紙の間に形成する場合には、基紙として表面に出る側は印刷適正を考慮すれば適宜のものが使用できるが、被包装用紙に接する内面側の基紙としては、表面の静摩擦係数が0.45以上となるように調整した未晒しあるいは晒しクラフトを用いるのが好ましく、これら2枚の基紙の間にワックス系防湿剤、合成ゴム系防湿剤、合成樹脂系防湿剤等から適宜選択したものを塗布して構成する。長期保存した場合に防湿層からの浸透により内面側の基紙の摩擦係数が低下することを防止するために、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の水溶性合成樹脂や、セルロース誘導体、澱粉等の多糖類などによってバリア層を形成することが好ましい。このバリア層は古紙回収後の離解再生パルプ化の工程で溶解除去することができる。
以上の説明の通り本発明によれば、防湿紙を包装用紙として被包装用紙の積層体を包装したとき、タイト性よく包装がなされるので、被包装用紙を変質させることなく包装体に形成でき、複数の包装体をダンボール梱包する際にタイト性が悪いことによる障害の発生も防止できる。
実施形態に係る包装紙の部分断面図。 包装機による包装用紙を用いた積層体の包装手順を示す工程図。
符号の説明
1 包装用紙
2 原紙
3 防湿層
4 無機微細粒子
5 被包装紙
12 包装体
13 積層体

Claims (4)

  1. 所定の規格サイズに裁断された被包装用紙を単位枚数の積層体にして包装する用に供する包装用紙であって、再生パルプを20%以上含有する原紙の前記被包装用紙に接する内面側に合成樹脂ラテックスを主成分とする防湿層を有し、JIS−Z−0208に基づく透湿度が40g/m224h以下であり、被包装用紙との間の静摩擦係数が0.45以上であることを特徴とする包装用紙。
  2. 防湿層は、ワックスと、平均粒径8μmから25μmの吸油性を有する無機微細粒子とを含有することを特徴とする請求項1に記載の包装用紙。
  3. 防湿層は、ガラス転移温度が−20℃から25℃の共重合体エマルジョンを含有し、JIS−P−8115に示される耐折強さ試験方法における耐折回数が、縦方向で180〜620回、横方向で140〜750回であることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装用紙。
  4. 共重合エマルジョンとワックスとの配合割合は、重量比で共重合エマルジョン100重量部に対して、ワックスが10〜50重量部であることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の包装用紙。
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