JP2023097230A - 包装紙及び包装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境に優しく、良好なヒートシール強度を有する包装紙を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る包装紙は、パルプを主成分とする紙基材と、上記紙基材の片面又は両面に積層されるヒートシール層とを備えており、上記ヒートシール層の主成分がポリ乳酸であり、上記ヒートシール層の塗工量が5.0g/m2以上10.0g/m2以下であり、上記ヒートシール層のJIS-K7127(1999)に準拠して測定されるヤング率が0.30N/mm2以上240.0N/mm2以下であり、上記ヒートシール層が水溶性高分子を含有しない。上記紙基材におけるヒートシール層積層面の表面のベック平滑度が5秒以上80秒以下であることが好ましい。透湿度が2500g/m2・24hr以上5000g/m2・24hr以下であることが好ましい。上記ヒートシール層の130℃における剥離強度が1.50N/15mm以上であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、包装紙及び包装材に関する。
一般に、菓子類、医薬品、衛生用品等の包装で広く使用されているピロー包装には、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂を基紙上に押し出し成型したラミネート紙やプラスチックフィルムが使用される。このようなラミネート紙やプラスチックフィルムを使用した場合、強度や耐水性、防湿性には優れるが、分解できないプラスチックフィルムが残るため古紙として利用できない点や、使用後の廃棄物処理がされずにマイクロプラスチックとして海洋汚染の原因になりやすく、環境負荷に繋がるおそれがある。
このため、従来技術においては、包装材として、例えば、石油由来ではなく生物由来(バイオマス由来)であり、生分解性を有するバリア素材が提案されている(特許文献1)。
特開2020-157757号公報
上記従来の包装材においては、ヒートシール層を設け、ヒートシール層同士を熱融着することで包装加工は可能であるものの、ヒートシール強度については十分ではなく、検討の余地があった。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、環境に優しく、良好なヒートシール強度を有する包装紙を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る包装紙は、パルプを主成分とする紙基材と、上記紙基材の片面又は両面に積層されるヒートシール層とを備えており、上記ヒートシール層の主成分がポリ乳酸であり、上記ヒートシール層の塗工量が5.0g/m以上10.0g/m以下であり、上記ヒートシール層のJIS-K7127(1999)に準拠して測定されるヤング率が0.30N/mm以上240.0N/mm以下であり、上記ヒートシール層が水溶性高分子を含有しない。
本発明によれば、環境に優しく、良好なヒートシール強度を有する包装紙を提供することができる。
[本発明の実施形態の説明]
パルプを主成分とする紙基材と、上記紙基材の片面又は両面に積層されるヒートシール層とを備えており、上記ヒートシール層の主成分がポリ乳酸であり、上記ヒートシール層の塗工量が5.0g/m以上10.0g/m以下であり、上記ヒートシール層のJIS-K7127(1999)に準拠して測定されるヤング率が0.30N/mm以上240.0N/mm以下であり、上記ヒートシール層が水溶性高分子を含有しない。
当該包装紙は、上記ヒートシール層の主成分がポリ乳酸であり、上記ヒートシール層の塗工量(固形分換算)が5.0g/m以上10.0g/m以下である。当該包装紙は、上記ヒートシール層の主成分が生分解性を有するポリ乳酸であり、かつ、ヒートシール層の塗工量を上記範囲とすることで、環境に優しく、ヒートシール強度(剥離強度)を向上できる。さらに、上記ヒートシール層の上記ヤング率が0.30N/mm以上240.0N/mm以下であることで、上記ヒートシール層が適度に強固な層になるため、ヒートシール強度を向上できる。また、上記ヒートシール層が水溶性高分子を含有しないことで、当該包装紙はヒートシール強度を良好に維持できる。従って、当該包装紙は、環境に優しく、良好なヒートシール強度を有する。なお、本発明において、「ヒートシール層」とは熱融着工程が行われる塗工層をいう。上記「主成分」とは、構成する物質のうち最も含有率が高いものをいい、好ましくは含有率が80質量%以上であるものをいう。
上記紙基材におけるヒートシール層積層面の表面のベック平滑度が5秒以上80秒以下であることが好ましい。紙基材のヒートシール層積層面の表面のベック平滑度が3秒以上230秒以下であることで、ヒートシール強度及びヒートシール層の熱融着面のブロッキングの抑制性の両立を図ることができる。
上記ベック平滑度は、空気の流通量(エアーリーク)から平滑性を評価するものである。JIS-P8119(1998)に規定されるベック平滑度は、被測定物であるシートを光学的平面仕上げのガラス製試料台とゴム製押え板間に100kPaの圧力で挟み、10mlの空気が比較的広い10cmのガラス製標準面との間を通り、水銀柱約370mmlに減圧保持された器内に流入するのに要する時間で表され、いわゆる被測定物の面における平滑性を示す。ベック平滑度は、比較的広い面におけるマクロ的な平滑性を評価する。当該包装紙においては、ベック平滑度により表面のうねり性を評価できる。従って、ベック平滑度にて当該包装紙のヒートシール層積層面の表面をより適切に評価できる。
当該包装紙の紙基材の透湿度が2500g/m・24hr以上5000g/m・24hr以下であることが好ましい。当該包装紙の上記紙基材の透湿度が上記範囲であることで、包装する内容物の湿気が水滴になりにくく、適度に湿度を保つため、内容物の品質を良好に保持できる。ここで、「紙基材の透湿度」は、JIS-Z0208(1976)に準拠して測定される値である。
上記ヒートシール層の130℃における剥離強度が1.50N/15mm以上であることが好ましい。上記ヒートシール層の130℃における剥離強度が1.50N/15mm以上であることで、製袋適性が高い良好なヒートシール強度を有することができる。
本発明の他の実施形態に係る包装材は、当該包装紙を有する。当該包装材は、当該包装紙を有するので、環境に優しく、良好なヒートシール強度を有する。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の一実施形態に係る包装紙について詳説する。なお、以下で説明する紙基材に配合する各材料の配合量(絶乾内添量)は、特に記載がない場合は、紙基材のパルプの絶乾質量に対する質量割合を指す。また、ヒートシール層形成用組成物に配合する各材料の含有率は、特に記載がない場合は、ヒートシール層全体の質量に対する各材料の絶乾質量割合を指す。
<包装紙>
当該包装紙は、紙基材一方の面にヒートシール層を備える。上記ヒートシール層は、単層又は多層構造のいずれであってもよい。
[紙基材]
紙基材は、原料パルプを含有するスラリーを抄紙して得られる。紙基材は、単層又は多層のいずれであってもよい。
(原料パルプ)
紙基材は、パルプを主成分とする。紙基材を構成する原料パルプとしては、例えば、バージンパルプ、古紙パルプ、これらのパルプを組み合わせたもの等を使用することができる。
バージンパルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ(MP)から、化学的に又は機械的に製造されたパルプ等を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。印刷面の見栄えや食品包装用途に使用される観点から、晒クラフトパルプのみを使用することが好ましい。
古紙パルプとしては、例えば、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ(DIP)、離解・脱墨・漂白古紙パルプ等を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
(その他の添加剤)
紙基材には、必要によりその他の添加剤を内添することができる。添加剤としては、例えば、填料、顔料、サイズ剤、凝結剤、耐油剤、蛍光増白剤、硫酸バンド、歩留り向上剤、濾水性向上剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色染料、着色顔料、耐水化剤等を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
[ヒートシール層]
ヒートシール層は、上記紙基材の片面又は両面に積層される。上記ヒートシール層は、紙基材の片面又は両面にヒートシール層形成用組成物を塗工することで形成される。
上記ヒートシール層の主成分はポリ乳酸である。上記「ポリ乳酸」とは、植物由来のデンプンや糖を原料とし、化学的な工程を経て製造されたバイオマスプラスチックである。上記ヒートシール層の主成分がポリ乳酸であることで、生分解性を有し、常温のみならず、低温下においてもヒートシール強度が良好である。ポリ乳酸は、比較的コストが安く、溶融成形が容易である。上記ポリ乳酸としては、例えば、L-ラクチド、D-ラクチドを単独で用いた場合に得られるL-ポリ乳酸、D-ポリ乳酸、L-ラクチド、D-ラクチドを組み合わせて用いた場合に得られるL-ラクチド、D-ラクチドの配列順序がランダムなランダム共重合体、L-ラクチド、D-ラクチドが任意の比率でブロック状に重合したブロック共重合体等が挙げられる。上記ポリ乳酸としては、市販品のレゼムY-225(中京油脂株式会社製)、LANDY PLF3000(ミヨシ油脂株式会社製)などを使用することができる。
ヒートシール層の全固形分に対するポリ乳酸の含有率の下限としては、80質量%であり、好ましくは90質量%である。上記ポリ乳酸の含有率が50.0質量%未満であると、十分なヒートシール性が得られないおそれがある。一方、上記ポリ乳酸の含有率の上限としては、100質量%であり、好ましくは95質量%である。
上記ヒートシール層は、上記ポリ乳酸以外の樹脂を含んでいてもよい。上記ポリ乳酸以外の樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂が挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、カルボン酸変性ポリエチレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。また、ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、スチレンアクリル酸、スチレンブタジエンラテックス及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも100~130℃前後の低温度領域でのヒートシール性の観点から、エチレン・アクリル酸共重合体がより好ましい。
上記ヒートシール層は、水溶性高分子を含有しない。上記ヒートシール層が水溶性高分子を含有しないことで、当該包装紙はヒートシール強度を良好に維持できる。
上記ヒートシール層の塗工量(固形分換算)の下限としては、5.0g/mであり、6.0g/mが好ましい。一方、この塗工量の上限としては、10.0g/mであり、8.0g/mがより好ましい。上記塗工量が上記下限を満たさないと、十分なヒートシール強度を有さず、袋にした際に十分な封函ができなくなるおそれがある。上記塗工量が上記上限を超えると、熱融着面のブロッキング抑制性が低下し、製袋工程で滑りにくくなって破れやすくなるおそれがある。当該包装紙は、上記ヒートシール層の主成分がポリ乳酸であり、かつ、ヒートシール層の塗工量を上記範囲とすることで、ヒートシール強度及びヒートシール層の熱融着面のブロッキングの抑制性の両立を図ることができる。
(ヤング率)
上記ヒートシール層の上記ヤング率の下限としては、0.30N/mmであり、0.5N/mmがより好ましい。上記ヤング率が0.30N/mmで未満の場合、ヒートシール層が柔らかくなり、ヒートシール強度が低下するおそれがある。また、ヒートシール層間で破断するおそれもある。一方、上記ヤング率の上限としては、240.0N/mmであり、180.0N/mmが好ましい。ヤング率が240.0N/mmを超えると、ヒートシール層が強固になり過ぎ、ヒートシール時における密着性が低下するなることで、ヒートシール強度が低下するおそれがある。上記ヒートシール層の上記ヤング率が上記範囲であることで、上記ヒートシール層が適度に強固な層になるため、ヒートシール強度を向上できる。ヒートシール層のヤング率は、JIS-K7127(1999)プラスチック-引張特性の試験方法-第3部:フィルム及びシートの試験条件に準拠して測定される破断強度、歪み及び断面積から算出することができる。上記ヒートシール層におけるヤング率は、例えばヒートシール層の主成分であるポリ乳酸の重合度や結晶化度により調整することができる。
(ヒートシール強度(剥離強度))
ヒートシール層の130℃における剥離強度は、1.50N/15mm以上が好ましく、1.70N/15mm以上がより好ましい。上記ヒートシール層の130℃における剥離強度が1.50N/15mm未満の場合、袋にした際に十分な封函ができなくなるおそれがある。
(その他の添加剤)
本発明のヒートシール層には、上記以外のその他の添加剤を配合することができる。その他の添加剤としては、例えば、接着剤、無機顔料、有機顔料、サイズ剤、粘度調整剤、着色染料、着色顔料、耐水化剤、潤滑剤等を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
[包装紙の物性]
(ベック平滑度)
上記紙基材におけるヒートシール層積層面の表面のベック平滑度の下限としては、3秒が好ましく、5秒がより好ましい。上記ベック平滑度が、3秒未満の場合、ヒートシール層が紙基材に沈みこみやすくなるため、ヒートシール強度が低下するおそれがある。一方、上記紙基材におけるヒートシール層積層面の表面のベック平滑度の上限としては、80秒が好ましく、70秒がより好ましい。上記ベック平滑度が、80秒を超えると、上記ヒートシール層の熱融着面のブロッキング抑制効果が低下するおそれがある。
上記紙基材におけるベック平滑度は、例えばカレンダー処理により調整することができる。
(透湿度)
当該包装紙の透湿度は、JIS-Z0208[1976]防湿包装材料の透湿度試験方法[カップ法]に準拠して、条件Bに基づいて測定する。当該包装紙の透湿度の下限としては、2500g/m・24hrが好ましく、3000g/m・24hがより好ましい。また、当該包装紙の透湿度の上限としては、5000g/m・24hが好ましく、4500g/m・24hがより好ましい。当該包装紙の透湿度が上記範囲であることにより、包装された内容物の湿気が水滴になりにくく、適度に湿度を保つため内容物の品質を良好に保つことができる。
当該包装紙によれば、環境に優しく、良好なヒートシール強度を有する。また、当該包装紙は、環境負荷が高いラミネート紙やプラスチックフィルムを含まないことから、環境保全を図ることができる。
[包装紙の製造方法]
当該包装紙の製造方法は、特に限定されないが、例えば紙基材の原料となるパルプスラリーを抄紙する工程と、ヒートシール層形成用組成物を生成する工程と、紙基材の少なくとも一方の面にヒートシール層形成用組成物を塗工する工程とを有する。
抄紙工程では、上述した原料パルプ、耐油剤及びその他の添加剤を含む原料スラリーを公知の抄紙機を用いて行う。また、紙基材のヒートシール層積層面の表面のベック平滑度の調整は、マシンカレンダー又はソフトカレンダーを用いることで、容易に調整することができる。
ヒートシール層形成用組成物生成工程では、主成分としてポリ乳酸を含有するヒートシール層形成用組成物を生成する。
ヒートシール層形成用組成物の塗工方法は、公知の塗工方法を採用でき、例えば2ロールサイズプレスコーター、ゲートロールコーター、ブレードメタリングコーター、ロッドメタリングコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター等の公知の塗工機を用いることができる。
塗工したヒートシール層形成組成物の乾燥には、公知の乾燥装置を採用でき、例えば赤外線乾燥装置、熱風乾燥装置、接触型ドライヤー乾燥装置等を用いることができる。
このようにして得られた包装紙は、各種公知の仕上げ装置、例えばスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー、マットカレンダーなどを利用でき、適宜製品仕上げを施すこともできる。
<包装材>
本発明の他の実施形態に係る包装材は、当該包装紙を有する。当該包装材としては、例えば食品などの包装材、容器、カップ等の包装用途に用いられる紙製バリア性包装材料、パック、パウチ、箱、シュリンク包装、缶、ラミネート包装等のプラスチック素材に代替される用途が挙げられる。当該包装材は、当該包装紙を有するので、環境に優しく、良好なヒートシール強度を有する。また、当該包装材は、環境負荷が高いラミネート紙やプラスチックフィルムを含まないことから、環境保全を図ることができる。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1~実施例6及び比較例1~比較例3]
(紙基材の製造)
実施例1、実施例2、実施例4~実施例6及び比較例1~比較例3は、始めに、針葉樹晒クラフトパルプ100質量%を調製して、パルプスラリーを得た。このパルプスラリーには、添加剤として、硫酸バンド、歩留剤、サイズ剤をそれぞれ内添した。得られたパルプスラリーは、オントップ型長網抄紙機にて抄紙した。次にカレンダー処理を行い、ベック平滑度を調整した。実施例3の原紙は、針葉樹晒クラフトパルプ100質量%を針葉樹未晒クラフトパルプ100質量%に変え、同様の条件で抄紙した。また、実施例4は、ヒートシール層を積層する前に、微粒クレー100質量部及びスチレンブタジエンラテックス60質量部を含有する塗工層を、ヒートシール層が積層される片面に形成した。なお、ヒートシール層が積層される面のベック平滑度は、後述する方法で測定した。
(ヒートシール層の積層)
次に、紙基材の片面にヒートシール層を形成し、包装紙を得た。ヒートシール層形成用組成物の組成及び塗工量については表1に示す通りとした。また、ヒートシール層形成用組成物としては、ポリ乳酸のエマルジョンを用いた。全固形分に対するポリ乳酸の含有率は95質量%である。
[比較例4~比較例6]
ヒートシール層形成用組成物の組成及び塗工量については表1に示す通りとした以外は、実施例1と同様に包装紙を作製した。また、ヒートシール層形成用組成物としては、全固形分に対するポリ乳酸の含有率を83質量%とし、ポリビニルアルコールの含有率を17質量%とした。
[評価]
以上のようにして得られた包装紙の各種評価を行った。
(ヤング率)
ヒートシール層のヤング率は、初めにフライパンに薬品を入れ乾燥させヒートシール剤単体の膜(約50μm)を作製し、JIS-K7127(1999)プラスチック-引張特性の試験方法-第3部:フィルム及びシートの試験条件に準拠して測定された破断強度、歪み及び断面積から算出した。
(ベック平滑度)
JIS-P8119(1998)に準拠して紙基材におけるヒートシール層積層面のベック平滑度を測定した。
(包装紙の透湿度)
実施例及び比較例の包装紙の透湿度については、JIS-Z0208(1976)防湿包装材料の透湿度試験方法[カップ法]に準拠して、条件Bに基づいて測定した。
(ヒートシール強度(剥離強度))
熱傾斜試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、シーラー圧2kgf/cm、シーラー時間2秒間、シール温度130℃又は150℃の条件で加工後、ロードセル型引張試験機を用いてヒートシール部分の剥離強度を測定した。
(熱融着面のブロッキング抑制性)
各実施例及び比較例について、2枚の包装紙のヒートシール層を塗工した面同士を密着させ、1kgの荷重をかけた状態で40℃、80%環境下に1週間暴露した後、両手で剥離させた結果を以下の3段階の基準で評価した。評価がA及びBの場合、熱融着面のブロッキング抑制性が良好である。
A:熱融着面のブロッキングが無く、スムーズに剥離する。
B:剥離時に音はするが、剥離性は問題のない範囲である。
C:熱融着面のブロッキングを起こしており、剥がすと破れが生じる。
各実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 2023097230000001
表1に示されるように、ヒートシール層がポリ乳酸を含有し、ヒートシール層の塗工量が5.0g/m以上10.0g/m以下であり、ヒートシール層のヤング率が0.30N/mm以上240.0N/mm以下である実施例1~実施例6は、ヒートシール強度、透湿度、熱融着面のブロッキング抑制性の全てにおいて良好であった。特に、紙基材のヒートシール層積層面のベック平滑度が5秒以上80秒以下である実施例1、実施例2、実施例5及び実施例6は、ヒートシール強度及び熱融着面のブロッキング抑制性が優れていた。
一方、ヒートシール層の塗工量が5.0g/m未満である比較例1、ヒートシール層の塗工量が5.0g/m未満であり、ヤング率が240.0N/mm超である比較例2、及びヒートシール層の塗工量が10.0g/m超であり、ヤング率が0.30N/mm未満である比較例3は、130℃におけるヒートシール強度が非常に低いため、測定不能であった。
また、表1に示されるように、ヒートシール層がポリ乳酸と、水溶性高分子であるポリビニルアルコールを含有し、ヒートシール層のヤング率が240.0N/mm超である比較例4~比較例6は、実施例と比較してヒートシール強度が低い値となった。
以上の結果、当該包装紙によれば、環境に優しく、良好なヒートシール強度を有することが示された。
本発明の包装紙は、環境に優しく、ヒートシール強度に優れ、包装材に好適である。

Claims (5)

  1. パルプを主成分とする紙基材と、
    上記紙基材の片面又は両面に積層されるヒートシール層と
    を備えており、
    上記ヒートシール層の主成分がポリ乳酸であり、
    上記ヒートシール層の塗工量が5.0g/m以上10.0g/m以下であり、
    上記ヒートシール層のJIS-K7127(1999)に準拠して測定されるヤング率が0.30N/mm以上240.0N/mm以下であり、
    上記ヒートシール層が水溶性高分子を含有しない包装紙。
  2. 上記紙基材におけるヒートシール層積層面の表面のベック平滑度が5秒以上80秒以下である請求項1に記載の包装紙。
  3. 透湿度が2500g/m・24hr以上5000g/m・24hr以下である請求項1又は請求項2に記載の包装紙。
  4. 上記ヒートシール層の130℃における剥離強度が1.50N/15mm以上である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の包装紙。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の包装紙を用いた包装材。
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