JP2005161143A5 - - Google Patents

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排気ガス浄化用触媒材料、及びその製造方法
本発明は排気ガス浄化用触媒材料及びその製造方法に関するものである。
一般に触媒材料は、貴金属触媒成分がサポート材に対して含浸法等によって外側から担持されている。例えば、自動車の排気ガスを浄化するための三元触媒は、サポート材としてのアルミナ及びセリアを担体にコーティングした後、Pt、Pd、Rh等を当該コート層に含浸させて焼成することによって形成されている。セリアは、三元触媒においては酸素吸蔵材として働き、当該触媒が有効に働く空燃比領域を拡大するが、触媒の耐熱性の向上には有効でないという問題がある。
すなわち、近年は、エンジン始動時や外気温が低いときでも、排気ガス中のHC等を効果的に浄化すべく、触媒コンバータをエンジンに近いところに配置し、その早期温度上昇を図ることがなされ、また、エンジンの高出力化の影響もあり、触媒が高温にさらされる機会が多くなっている。しかし、セリア自体は耐熱性が低く、貴金属触媒成分がシンタリングして触媒が早期に劣化するという問題がある。この問題を解決する簡便な手段は、貴金属触媒成分を増量することであるが、触媒のコスト増になる。
これに対して、触媒の耐熱性向上のために、上記アルミナとセリアとジルコニアとを複合させた酸素吸蔵能を有する複合酸化物を貴金属触媒成分のサポート材として用いることが知られている(特許文献1参照)。その複合酸化物は、Ce、Zr及びAlの各イオンを含む酸性溶液を調製し、この酸性溶液とアンモニア水とを回転円板上に同時に注いでこの両液を1秒以内に均一に混合することにより複合酸化物前駆体を生成し、この前駆体を乾燥・焼成することによって得られている。
また、Ce、Zr及び貴金属触媒成分を含む触媒材料(酸化物)も知られている(特許文献2参照)。この触媒材料は、硝酸セリウム溶液と硝酸ジルコニウム溶液と貴金属溶液(例えば硝酸パラジウム溶液)との混合溶液にアンモニア水を加え、共沈によって得られた沈殿物を濾過し、洗浄乾燥した後、焼成することによって得られている。
特開平10−182155号公報(段落0049〜0052) 特開2000−300989号公報(段落0012,0016)
しかし、特許文献1の如く、酸性原料溶液とアンモニア水との混合を短時間で完了させると、それら金属成分の分散度が高まって、得られる複合酸化物の酸素吸蔵性能が良くはなるものの、その性能向上にも限界がある。従って、触媒性能の向上を図るには比較的多量の貴金属触媒成分を当該複合酸化物に担持させる必要がある。
また、特許文献2の如く、Ce、Zr及び貴金属触媒成分を含む触媒材料(酸化物)を共沈法によって得る場合、上述の酸性混合溶液へのアンモニア水の滴下によって、先に沈殿するものと後から沈殿するものとに分かれ、均質な沈殿物が得られない。このため、得られる触媒材料の性能を向上させることが難しい。
そこで、本発明の課題は、貴金属触媒成分の量を多くすることなく、さらにはその量を従来よりも低減させながら、耐熱性及び触媒性能が優れた触媒材料を得ることにある。
本発明は、このような課題に対して、CeとZrとを含む複酸化物を酸素吸蔵材として用い、貴金属成分を当該複酸化物表面に担持するとともに、その内部にもドープ(当該複酸化物の結晶格子、原子間、又は酸素欠損部に配置)させ、このドープ貴金属成分によって複酸化物の耐熱性を向上させるとともに、酸素吸蔵能を高めて触媒活性の向上を図り、少ない貴金属量で所期の触媒性能が得られるようにした。以下、具体的に説明する。
すなわち、本発明は、Ce及びZrを含み酸素の吸蔵及び放出を行なう複酸化物と、1種又は2種以上の貴金属触媒成分とを有する排気ガス浄化用触媒材料であって、
上記貴金属触媒成分として、上記複酸化物の結晶格子、原子間又は酸素欠損部に配置されたRhと、上記複酸化物の表面に担持されたRh、Pt及びPdから選ばれる少なくとも1種とを備えていることを特徴とする。
この触媒材料においては、複酸化物の結晶格子、原子間又は酸素欠損部に配置された第1触媒金属成分としてのRhは、当該複酸化物の酸素吸蔵速度を速やかに高め、しかもその最高値を高くするとともに、酸素吸蔵量も増大させる。その理由は、酸素吸蔵材に接触する酸素は酸素イオンの形で複酸化物内部の酸素欠損部に取り込まれるところ、複酸化物表面側から内部への酸素イオンの移動を、該複酸化物内部に存するRhが助けているためと考えられる。
つまり、複酸化物内部のRhが複酸化物表面側から酸素イオンを取り込む働きをし、そのために、その酸素イオンは当該Rhが存在する位置近傍の酸素濃度が低い部位(酸素欠損部)に移動し易くなっている、そして、Rhが複酸化物内部に分散して存在することにより、酸素イオンはRhを介して複酸化物内部に言わばホッピングしていく、と考えられる。このため、複酸化物内部の酸素欠損部の利用効率が高まり、酸素吸蔵速度が速やかに高くなり、且つその最高値が高くなるとともに、酸素吸蔵量も多くなっていると考えられる。
そうして、上述の如くRhの働きによって複酸化物の酸素吸蔵・放出性能が向上することにより、この複酸化物表面に担持されている第2貴金属成分としてのRh、Pt及びPdから選ばれる少なくとも1種の活性が高くなる。すなわち、触媒のライトオフ性能が良くなるとともに、高温での浄化性能も高くなり、排気ガス温度が低いときから高いときまで広い温度範囲にわたって、排気ガスの酸化・還元反応が効率良く進むことになる。このため、第1貴金属成分Rhと第2貴金属成分であるRh、Pt及びPdから選ばれる少なくとも1種との合計量を当該触媒材料の0.5質量%以下としても、さらには0.25質量%程度としても、高い排気ガス浄化率を実現することができる。
また、本発明によれば、エンジンの空燃比が変動するケース、或いは該空燃比を変化させて酸素吸蔵材に酸素吸蔵・放出を行なわせることによって排気ガス浄化触媒を有効に働かせるケースにおいて、その空燃比変化に対する酸素吸蔵材の酸素吸蔵・放出の応答性が高まるとともに、吸蔵・放出量も多くなるから、排気ガス浄化効率を高める上で有利になる。
また、上述の如く第1貴金属成分Rhは、Ce及びZrの複酸化物の結晶格子、原子間又は酸素欠損部に配置されて、当該複酸化物に強く結合した状態になっており、高温にさらされてもシンタリングし難い。また、この複酸化物内部に組み込まれた第1貴金属成分Rhの働きにより当該複酸化物自体のシンタリングも抑制されることになり、触媒の耐熱性向上に有効に働く。
また、第2貴金属成分を第1貴金属成分と同じRhとした場合、Rhを複酸化物表面に担持させただけの場合に比べて、貴金属の総量は同じであっても、触媒のHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)及びNOx(窒素酸化物)の各浄化におけるライトオフ性能及び高温浄化性能が高まる。
第2貴金属成分をPtとした場合、Ptを複酸化物表面に担持させただけの場合に比べて、貴金属の総量は同じであっても、触媒のHC及びCOの各浄化におけるライトオフ性能及びHC、CO及びNOxの高温浄化率が高まる。
第2貴金属成分をPdとした場合、Rhを第1貴金属成分として複酸化物内部に配置しただけの場合に比べて、貴金属の総量は同じであっても、触媒のHC及びCOの各浄化におけるライトオフ性能及び高温浄化性能が高まる。
第2貴金属成分としては、上記Rh、Pt及びPdのうちから選択した2種を組み合わせて用いてもよく、この3種全て上記複酸化物表面に担持させるようにしてもよい。
上記第1貴金属成分Rhの量は、該Rhと第2貴金属成分との合計量の10質量%以上80質量%以下であること、さらには25質量%以上75質量%以下であることが好ましい。すなわち、第1貴金属成分Rhの比率が少なくなると、この第1貴金属成分Rhによる複酸化物の酸素吸蔵・放出性能の向上効果が薄れ、その結果、排気ガス浄化性能の飛躍的な向上を望むことができなくなる。一方、第1貴金属成分Rhの比率が高くなると、複酸化物表面に担持される第2貴金属成分の量が相対的に少なくなり、触媒の接触作用が低下して排気ガスの浄化に不利になる。
また、本発明は、CeとZrとNdとを含み酸素の吸蔵及び放出を行なう複酸化物と、1種又は2種以上の貴金属触媒成分とを有する排気ガス浄化用触媒材料の製造方法であって、
上記Ce、Zr、Nd及び上記貴金属触媒成分のうちの第1貴金属成分の各イオンを含む酸性溶液を調製するステップと、
上記酸性溶液とアンモニア水との混合を混合開始から2分以内に完了させて上記Ce、Zr、Nd及び第1貴金属成分を水酸化物として共沈させるステップと、
得られた沈殿物を焼成して上記Ce、Zr、Nd及び第1貴金属成分を含む複酸化物を得るステップと、
得られた上記複酸化物に上記貴金属触媒成分のうちの第2貴金属成分を担持するステップと、
上記第2貴金属成分を担持した複酸化物を焼成するステップとを備えていることを特徴とする。
この製造方法によれば、先に説明した触媒材料を得ることができる。そうして、上記酸性溶液とアンモニア水との混合を素早く行なうようにしたから、得られる沈殿物は各成分が比較的均質に混じり合ったものになり、触媒材料の性能向上に有利になる。特に、複酸化物における第1貴金属成分の分散度が高くなるから、この第1貴金属成分の量を節約しながら複酸化物の酸素吸蔵・放出性能を高めることができ。
すなわち、温度500℃の酸素過剰雰囲気において酸素を吸蔵させたときの吸蔵開始後0.4秒を経過した時点から1.0秒を経過するまでの酸素吸蔵速度(1秒間での試料1gあたりの酸素原子の吸蔵モル数)が120μmoL-O/sec・g以上である複酸化物を得ることができ、さらには上記酸素吸蔵速度の最高値が140μmoL-O/sec・g以上である複酸化物を得ることができる。これにより、当該複酸化物表面に後担持される第2貴金属成分の活性を向上させることができる。
しかも、上述の如く複酸化物内部での第1貴金属成分の分散度が高くなるから、当該触媒材料が高温に晒されたときの第1貴金属成分のシンタリング、さらには複酸化物のシンタリングを抑制する上で有利になり、上記複酸化物はNdを含むから、触媒材料の低温活性の向上及び耐熱性の向上にさらに有利になる。
上記酸性溶液とアンモニア水とを素早く混合するには、例えば酸性溶液を激しく撹拌しながら、これにアンモニア水を加えるようにすればよい。その場合、アンモニア水を酸性溶液に対して一気に加えて混合を例えば数秒以内で完了することが好ましい。或いは、上記酸性溶液とアンモニア水とを回転するカップ状の混合機に同時に供給して素早く混合するようにすればよい。この混合は1秒以内に完了することがより好ましい。
以上のように本発明に係る排気ガス浄化用触媒材料によれば、Ce及びZrを含む複酸化物の結晶格子、原子間又は酸素欠損部に配置された第1貴金属成分Rhと、この複酸化物の表面に担持された第2貴金属成分としてのRh、Pt及びPdから選ばれる少なくとも1種とを備えているから、第1貴金属成分Rhの働きによって複酸化物の酸素吸蔵・放出性能が向上して、この複酸化物表面に担持されている第2貴金属成分の活性が高くなり、貴金属の総量を少なくしても、触媒のライトオフ性能及び高温浄化性能を高めることができるとともに、貴金属成分及び複酸化物のシンタリングを生じ難くなり、触媒の耐熱性向上に有利になる。
また、上記第2貴金属成分の量を、上記第1貴金属成分Rhと第2貴金属成分との合計量の10質量%以上80質量%以下にすると、第1貴金属成分Rhによって複酸化物の酸素吸蔵・放出性能を高め、それによって活性が高まる複酸化物表面の第2貴金属成分を有効に利用して排気ガスを浄化することができる。
また、本発明に係る排気ガス浄化用触媒材料の製造方法によれば、Ce、Zr、Nd及び第1貴金属成分の各イオンを含む酸性溶液とアンモニア水とを素早く混合してこれら金属を水酸化物として共沈させ、得られた沈殿物を焼成して複酸化物を得た後、この複酸化物に第2貴金属成分を担持して焼成するようにしたから、上記複酸化物は各成分が比較的均質に混じり合ったものになり、少ない貴金属量で酸素の吸蔵・放出性能を高め、触媒活性を向上させる上で有利になるとともに、触媒の耐熱性が高くなる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<触媒材料の構造及び働き>
図1(a)に本発明に係る触媒材料の構造を模式的に示す。この触媒材料は、CeとZrとを含む複酸化物内部の結晶格子、原子間又は酸素欠損部に第1貴金属成分Rhが配置されているとともに、該複酸化物の粒子表面に第2貴金属成分が担持されたものである。図1(b)は従来の触媒材料例を示すものであり、CeとZrとを含む複酸化物の表面に貴金属成分(上記第2貴金属成分に相当)が担持されている。なお、図1ではZrや必要に応じて添加されるNdの図示は省略している。
まず、図1(b)の従来の触媒材料では、酸素(O2)は、複酸化物内部の表面近傍に存する酸素欠損部(O空孔)には酸素イオンとなって吸蔵されるが、複酸化物内部の比較的深い部位に存する酸素欠損部には到達することができず、この酸素欠損部は酸素吸蔵にはあまり利用されていないと考えられる。
これに対して、図1(a)の本発明に係る触媒材料では、酸素(O2)が酸素イオンとなって複酸化物内部に存する第1貴金属成分を介して複酸化物内部の酸素欠損部に瞬時に移動すると考えられる。また、複酸化物内部には第1貴金属成分Rhが分散して存在するから、酸素イオンは複酸化物表面から複数の第1貴金属成分Rhを介してホッピング移動し、複酸化物内部の深いところの酸素欠損部に入ると考えられる。このため、本発明に係る触媒材料の場合は、酸素過剰雰囲気になったときの酸素吸蔵速度が速やかに高くなるとともに、この酸素吸蔵速度の最高値も高くなり、また、酸素吸蔵材内部の比較的深いところの酸素欠損部も酸素吸蔵に利用されるから、酸素吸蔵量が多くなると考えられる。
そうして、第1貴金属成分Rhの働きによって複酸化物の酸素吸蔵・放出性能が高まることにより、複酸化物表面に担持された第2貴金属成分の活性が高まり、当該触媒材料のライトオフ性能及び高温浄化性能が高くなる。
また、第1貴金属成分Rhは複酸化物内部の結晶格子、原子間又は酸素欠損部にあって、該複酸化物に強く結合した状態になっているから、高温に晒されたときのシンタリングを生じ難く、また、この第1貴金属成分Rhの働きによって複酸化物自体のシンタリングも抑制されることになる。
<触媒材料の製造方法>
図2に本発明に係る触媒材料の製造方法をステップ順に示す。符号1は酸性原料溶液の調製ステップであり、Ce、Zr及び第1貴金属成分Rhを含む酸性溶液を調製する。例えば各金属の硝酸塩の溶液を混合して調製することができる。必要に応じて、Ndなど他の金属の塩を含ませることができる。
符号2はアンモニア共沈法による複酸化物前駆体を調製するステップであり、上記酸性原料溶液を撹拌しながらこれに過剰のアンモニア水を素早く添加混合することにより、或いは上記酸性原料溶液とアンモニア水とを回転するカップ状の混合機に同時に供給して素早く混合することにより、出発原料の全金属を金属水酸化物として共沈させ、非結晶性前駆体を得る。
符号3の沈殿分離ステップでは、上記共沈を生じた液を一昼夜放置し、上澄み液を除去して得られたケーキを遠心分離器にかけ、水洗する。
符号4の乾燥・焼成ステップでは、上記水洗したケーキを150℃前後の温度に加熱して乾燥させ、次いで、乾燥したケーキを加熱焼成することにより複酸化物を得る。この焼成は、例えば、当該ケーキを大気雰囲気において例えば400℃の温度に5時間保持した後、500℃の温度に2時間保持することにより行なうことができる。
符号5は得られた複酸化物に第2貴金属成分(Rh、Pt及びPdから選ばれる少なくとも1種)を担持する後担持ステップである。この後担持は、第2貴金属成分を溶解した溶液(例えば硝酸塩溶液)を上記複酸化物に加え、加熱して溶媒を飛ばす蒸発乾固法、或いは上記溶液を複酸化物に含浸させて加熱する含浸法等を採用することができる。
符号6は第2貴金属成分を担持した複酸化物を加熱焼成して、求める触媒材料を得るステップであり、例えば大気雰囲気において500℃の温度に2時間保持することによって行なうことができる。
<第1貴金属成分Rhが複酸化物の構造に及ぼす影響>
−Rhドープ複酸化物の調製−
オキシ硝酸ジルコニウム、硝酸第一セリウム、硝酸ネオジム(III)含水、及び硝酸ロジウム溶液各々の所定量と水とを混合して合計300mLとし、この混合溶液を室温で約1時間撹拌した。この混合溶液を80℃まで加熱昇温させた後、これと28%アンモニア水50mLとを混合した。この混合は、上記混合溶液及びアンモニア水をそれぞれチューブから高速ディスパーザのカップ内に落とし、回転力及びせん断力によって混合攪拌することにより、1秒以内に完了させた。アンモニア水の混合により白濁した溶液を一昼夜放置し、生成したケーキを遠心分離器にかけ、十分に水洗した。この水洗したケーキを約150℃の温度で乾燥させた後、400℃の温度に5時間保持し、次いで500℃の温度に2時間保持するという条件で焼成して複酸化物を得た。
以上により得られた複酸化物は、第1貴金属成分としてのRhを添加して生成され、このRhが複酸化物の結晶格子、原子間又は酸素欠損部に配置された構造となるので、以下では適宜Rhドープ複酸化物という。このRhドープ複酸化物のRhを除く組成は、Zr0.79Ce0.19Nd0.022である。また、Rhドープ複酸化物におけるRhドープ量は0.486質量%である。
−貴金属なし複酸化物の調製−
オキシ硝酸ジルコニウム、硝酸第一セリウム及び硝酸ネオジム(III)含水の各所定量と水とを混合して合計300mLとし、この混合溶液を室温で約1時間撹拌した。この混合溶液を80℃まで加熱昇温させた後、これと28%アンモニア水50mLとをRhドープ複酸化物の場合と同様の方法により混合して、その混合を1秒以内に完了させた。得られた白濁溶液を一昼夜放置し、生成したケーキを遠心分離器にかけ、十分に水洗した。この水洗したケーキを約150℃の温度で乾燥させた後、400℃の温度に5時間保持するという条件で焼成した。得られた貴金属なし複酸化物の組成は、Zr0.79Ce0.19Nd0.022である。
−XRD−
上記Rhドープ複酸化物及び貴金属なし複酸化物について、大気雰囲気において1000℃で24時間保持するエージングを施した後、XRD(X線回折分析)によってCeZrNd酸化物のピークを調べた。その結果を図3に示す。同図によれば、Rhドープ複酸化物では、CeZrNd酸化物のピークが「貴金属なし」に比べて低角側にシフトしている。この低角側へのシフトは、Rhの影響と認められ、この結果から、RhがCeZrNd酸化物の結晶格子又は原子間に存在している、すなわち、RhがCeZrNd酸化物にドープされていると考えられる。
<Rhドープ複酸化物の酸素吸蔵特性>
上記Rhドープ複酸化物とRh後担持複酸化物とを調製し、それらの酸素吸蔵特性を調べた。Rh後担持複酸化物の調製法は次の通りである。
−Rh後担持複酸化物の調製−
まず、先に「−貴金属なし複酸化物の調製−」の項で説明した方法により貴金属なし複酸化物を調製した。この貴金属なし複酸化物に所定量に水及び硝酸ロジウム溶液の所定量を加え、加熱して溶媒を飛ばした。そうして、乾燥後、500℃で2時間の焼成を行なうことによってRh後担持複酸化物を得た。このRh後担持複酸化物におけるRh担持量は0.486質量%である。
−酸素吸蔵特性の評価−
上記Rhドープ複酸化物及びRh後担持複酸化物各々について、アルミナと混合した顆粒状の試料を調製し、エージング(大気雰囲気で1000℃の温度に24時間加熱)後、酸素過剰雰囲気での酸素吸蔵速度を測定した。測定に供した各試料の量は0.05gであり、そのうちの0.016gがアルミナである。
図4にその測定装置を示す。同図において、符号11は試料(複酸化物)12を保持するガラス管であり、試料12はヒータ13によって所定温度に加熱保持される。ガラス管11の試料12よりも上流側には、O2、CO及びHeの各ガスをパルス状に供給可能なパルスガス発生装置14が接続され、ガラス管11の試料12よりも下流側には、キャピラリーカラム16を介して質量分析計17が接続され、また、排気部18が設けられている。ガラス管11の試料保持部には温度制御用の熱電対19が取付けられている。
測定にあたっては、ガラス管11内の試料温度を500℃に保ち、排気部18から定常的に排気を行ないながら、図5に示すようにO2パルス(25msのパルス)を15秒毎に発生させ、これを数サイクル行なった後、今度はO2パルス発生から4秒遅れでCOパルス(50msのパルス)を発生させていくようにした。その間、質量分析計17によって各サイクルにおけるマスナンバー32の信号強度(O2量)の経時変化を計測するようにした。
そうして、図6に示すように、COパルス前の信号強度の経時変化(O2パルスのみを発生させていた間において試料の酸素吸蔵が飽和し安定した信号強度変化を示すようになったときのデータ)と、COパルス後の信号強度の経時変化(O2パルス後にCOパルスを発生させるようにしたときの、安定した信号強度変化を示すようになったときのデータ)とを求めた。この場合、COパルス前とCOパルス後の両信号強度に差を生じているのは、その試料が酸素を吸蔵したことによるものである。
すなわち、COパルス前の信号強度は、酸素吸蔵が飽和した試料を通過してくる酸素の量をみているから、O2パルスによる酸素量がそのまま反映されている。一方、COパルス後の信号強度は、COパルスによって試料からO2が放出されてCO2となり、その放出分だけ新たに酸素が吸蔵されるから、O2パルスによる酸素量から当該吸蔵分を差し引いた残量が反映されている。よって、COパルス前の信号強度からCOパルス後の信号強度を差し引くと、酸素吸蔵量が得られるものである。なお、試料では、実際には酸素を吸蔵しながら、先に吸蔵した酸素の放出も行なわれているから、ここでいう酸素吸蔵量は見かけの酸素吸蔵量である。
図7は上記質量分析計によって求めたRhドープ複酸化物(+アルミナ)及びRh後担持複酸化物(+アルミナ)の酸素吸蔵速度(1秒間での試料1gあたりの酸素原子の吸蔵モル数)の経時変化を示している。同図によれば、Rhドープ複酸化物料では、Rh後担持複酸化物に比べて、酸素吸蔵速度が速やかに高くなり、また、その最高値も高くなっているとともに、酸素吸蔵量も多くなっている。
−アンモニア水混合速度が酸素吸蔵特性に与える影響−
上記Rhドープ複酸化物に関し、前駆体調製ステップ2での上述の酸性原料溶液とアンモニア水との混合速度を変えたRhドープ複酸化物A〜Cを調製し、それらの酸素吸蔵特性を調べた。
すなわち、Rhドープ複酸化物Aは、上記原料溶液に対するアンモニア水50mLの混合速度を50mL/秒(混合開始から混合完了までの時間1秒)、Rhドープ複酸化物Bは0.42mL/秒(混合開始から混合完了までの時間2分)、Rhドープ複酸化物Cは0.04mL/秒(混合開始から混合完了までの時間20分)とした。なお、Rhドープ複酸化物Aは高速ディスパーザによる混合方式を採用し、他の2つは上記原料混合溶液を攪拌しながら、これにアンモニア水を滴下していく方式を採用した。
そうして、上記Rhドープ複酸化物A〜Cについて、アルミナを添加せずにこれら複酸化物単独でのエージング(大気雰囲気で1000℃の温度に24時間加熱)後の酸素吸蔵特性を上述の計測装置によって調べた。結果は図8に示されている。
Rhドープ複酸化物A,Bでは、吸蔵開始後0.4秒を経過した時点から1.0秒を経過するまでの酸素吸蔵速度が120μmoL-O/sec・g以上であり、酸素吸蔵速度の最高値が140μmoL-O/sec・g以上であるのに対して、Rhドープ複酸化物Cでは酸素吸蔵速度は最高でも100μmoL-O/sec・gに達しておらず、酸素吸蔵速度の立上りも上記A,Bに比べて緩やかになっている。
従って、原料溶液とアンモニア水との混合速度が遅くなると、得られる複酸化物におけるRhの分散性が悪くなり、このRhによる酸素吸蔵特性の向上が望めなくなることがわかる。
<複酸化物の比表面積>
上記Rhドープ複酸化物A及びRh後担持複酸化物について、そのフレッシュ時及び上記エージング後の比表面積をBET法によって測定した。その結果は表1の通りである。
Figure 2005161143
Rhドープ複酸化物はフレッシュ時及びエージング後のいずれにおいても比表面積がRh後担持複酸化物よりも大きい。特にRhドープ複酸化物はエージング後の比表面積がRh後担持複酸化物の2倍あり、耐熱性が高いことがわかる。
<触媒材料の排気ガス浄化特性>
−Rh担持触媒材料の調製−
このRh担持触媒材料は、第1貴金属成分及び第2貴金属成分を共にRhとするものであり、当該触媒材料におけるRhの総担持量を0.25質量%とし、Rhドープ比率が0%、25%、50%、75%及び100%と相異なる5種類のRh担持触媒材料を調製した。但し、ドープ比率は以下の式によって求められる値である。
ドープ比率=((第1貴金属成分量)/(第1貴金属成分量+第2貴金属成分量))
×100
すなわち、Rhドープ比率0%は、先に「−Rh後担持複酸化物の調製−」の項で説明した方法によって調製した触媒材料である。すなわち、第1貴金属成分としてのRh量をゼロとした貴金属なし複酸化物を調製し、この複酸化物に総担持量0.25質量%のRh全量を蒸発乾固法により後担持した(ドープなし)。
Rhドープ比率25%は、Rh総担持量0.25質量%中の25%(0.0625質量%)分を第1貴金属成分としてドープしたRhドープ複酸化物を調製し、これに、残り75%分を後担持した触媒材料である。
Rhドープ比率50%は、Rh総担持量0.25質量%中の50%(0.125質量%)分を第1貴金属成分としてドープしたRhドープ複酸化物を調製し、これに、残り50%分を後担持した触媒材料である。
Rhドープ比率75%は、Rh総担持量0.25質量%中の75%(0.1875質量%)分を第1貴金属成分としてドープしたRhドープ複酸化物を調製し、これに残り25%分を後担持した触媒材料である。
Rhドープ比率100%はRh総担持量0.25質量%分全てを第1貴金属成分としてドープしたRhドープ複酸化物のみの触媒材料である(後担持なし)。
上記Rhドープ複酸化物は先に「−Rhドープ複酸化物の調製−」の項で説明した方法により調製し、Rhの後担持は、先に「−Rh後担持複酸化物の調製−」の項で説明した蒸発乾固法によって行なった。
なお、上記各触媒材料のドープ比率、或いは後に述べる他の触媒材料のドープ比率は、第1貴金属成分をドープした複酸化物を得る工程で使用した第1貴金属成分量と、この複酸化物に第2貴金属成分を担持する工程で使用した第2貴金属成分量とに基づいて、簡単に算出することができるが、製造後の触媒材料であっても、次の方法によってそのドープ比率を算出することができる。
すなわち、第1貴金属成分及び第2貴金属成分が共にRhである場合のドープ比率は、例えば、湿式化学分析手法として周知のICP分析により、第1貴金属成分と第2貴金属成分との合計量を求め、一方、表面分析の手法として周知のXPS分析により複酸化物表面に担持されている第2貴金属成分の量を求めれば、上記ドープ比率の式に基づいて算出することができる。第1貴金属成分と第2貴金属成分とが異なる場合も同様である。
−Pt担持触媒材料の調製−
Pt担持触媒材料は、第1貴金属成分をRhとし、第2貴金属成分をPtとし、且つRhとPtとを合わせた貴金属の総担持量を0.25質量%とするものであり、上記Rh担持触媒材料の場合と同様にして、Rhドープ比率が0%、25%、50%及び75%と相異なる4種類のPt担持触媒材料を調製した。
Rhドープ比率0%は、0.25質量%のPtを後担持したもの(ドープなし)、Rhドープ比率25%は、0.0625質量%のRhをドープし、0.1875質量%のPtを後担持したもの、Rhドープ比率50%は、0.125質量%のRhをドープし、0.125質量%のPtを後担持したもの、Rhドープ比率75%は、0.1875質量%のRhをドープし、0.0625質量%のPtを後担持したものである。
−Pd担持触媒材料の調製−
Pd担持触媒材料は、第1貴金属成分をRhとし、第2貴金属成分をPdとし、且つRhとPdとを合わせた貴金属の総担持量を0.25質量%とするものであり、上記Rh担持触媒材料の場合と同様にして、Rhドープ比率が0%、25%、50%及び75%と相異なる4種類のPd担持触媒材料を調製した。
Rhドープ比率0%は、0.25質量%のPdを後担持したもの(ドープなし)、Rhドープ比率25%は、0.0625質量%のRhをドープし、0.1875質量%のPdを後担持したもの、Rhドープ比率50%は、0.125質量%のRhをドープし、0.125質量%のPdを後担持したもの、Rhドープ比率75%は、0.1875質量%のRhをドープし、0.0625質量%のPdを後担持したものである。
−触媒性能テスト−
上記Rh担持触媒材料、Pt担持触媒材料及びPd担持触媒材料各々について、アルミナ、硝酸ジルコニル及び水の所定量と混合してスラリーを調製し、これにコージェライト製ハニカム担体を浸漬して引き上げ、余分なスラリーを吹き飛ばして、500℃で2時間の焼成を行なうことにより、供試触媒を得た。これら供試触媒に対して大気雰囲気において1000℃で24時間保持するエージングを行なった。
上記担体は、直径25.4mm、長さ50mm、1平方インチ(約6.54cm2)当たりのセル数400、相隣るセルを隔てる壁厚6ミル(約0.15mm)である。また、上記触媒における担体1L当たりの貴金属担持量は0.14gである。
そうして、モデルガス流通反応装置及び排気ガス分析装置を用いて、上記各供試触媒(上記エージング後のものをモデルガス流通反応装置に取り付け、空燃比リッチのモデルガス(温度600℃)を10分間流した後のもの)のHC、CO及びNOxの浄化に関するライトオフ温度T50、並びに高温浄化率C400及びC500を測定した。T50は、触媒に流入するモデルガス温度を常温から漸次上昇させていき、浄化率が50%に達したときの触媒入口のガス温度である。C400は触媒入口ガス温度が400℃のときの浄化率、C500は触媒入口ガス温度が500℃のときの浄化率である。モデルガスは、A/F=14.7±0.9とした。すなわち、A/F=14.7のメインストリームガスを定常的に流しつつ、所定量の変動用ガスを1Hzでパルス状に添加することにより、A/Fを±0.9の振幅で強制的に振動させた。空間速度SVは60000h-1、昇温速度は30℃/分である。
−結果−
(ライトオフ性能)
HC、CO及びNOxの浄化に関するT50の結果をそれぞれ図9、図10、図11に示す。同図の「Rh担持」、「Pd担持」、「Pt担持」は、上述の「Rh担持触媒材料」、「Pd担持触媒材料」、「Pt担持触媒材料」を意味する。この点は図12〜図17も同じである。
まず「Rh担持」をみると、Rhドープ比率25%、50%及び75%のときに、Rhドープ比率0%(Rh後担持のみ)及びRhドープ比率100%(Rhの後担持なし)よりも、HC、CO及びNOxのT50が低くなっている。
特に、HC、COに関して、Rhドープ比率25%、50%及び75%では、Rhドープ比率0%(Rh後担持のみ)よりも、複酸化物表面に担持されているRhが少ないにも拘わらず、ライトオフ性能が高くなっていることが特徴的である。これは、ドープされたRhによって当該触媒材料(複酸化物)の酸素吸蔵・放出性能が高まり、そのため、後担持されたRhの活性が高まったためと考えられる。
次に「Pt担持」については、Rhドープ比率0%のときのHC及びCOのT50はいずれも500℃以上であり、NOxのT50は測定できなかった。Rhドープ比率25%のときのHCのT50は467℃、COのT50は500℃以上であり、NOxのT50は測定できなかった。また、Rhドープ比率が50%、75%と高いときは、HC、CO及びNOxのT50が500℃以下に、或いは450℃以下に下がり、Rhドープ比率100%(Ptの後担持なし)と同程度になっている。
従って、この「Pt担持」に関しては、Rhドープ比率を高くすると、ライトオフ性能を向上させることができるといえる。
次に「Pd担持」をみると、Rhドープ比率25%、50%及び75%のときに、Rhドープ比率100%(Pdの後担持なし)よりもHC及びCOのT50が低くなっている。また、Rhドープ比率25%及び50%とRhドープ比率0%(Pd後担持のみ)とを比べると、前者は後者と同等か少し低くなっている。前者では複酸化物表面に担持されているRhが後者よりも少ないことを考慮すると、ドープされたRhがライトオフ性能の向上に有効に働いているということができる。特に、Rhドープ比率50%では、CO及びNOxのライトオフ性能が良くなっている。
(高温浄化性能)
HC、CO及びNOxの浄化に関するC400の結果をそれぞれ図12、図13、図14にそれぞれ示す。同じくC500の結果を図15〜図17に示す。
まず「Rh担持」をみると、Rhドープ比率25%、50%及び75%のときに、Rhドープ比率0%(Rh後担持のみ)及びRhドープ比率100%(Rhの後担持なし)よりも、HC、CO及びNOxのC400及びC500の結果が良くなっている。これは、ドープされたRhによって当該触媒材料(複酸化物)の酸素吸蔵・放出性能が高まり、そのため、後担持されたRhの活性が高まったためと考えられる。
次に「Pt担持」をみると、Rhドープ比率25%、50%及び75%のときに、Rhドープ比率0%(Ptの後担持のみ)よりも、HC、CO及びNOxのC400が良くなっており、特にRhドープ比率50%及び75%において、顕著な効果が見られる。従って、Rhドープの効果が現れているということができる。
次に「Pd担持」をみると、Rhドープ比率25%、50%及び75%では、Rhドープ比率100%(Pdの後担持なし)よりも、HC及びCOの高温浄化率が良くなっているが、Rhドープ比率0%(Pdの後担持のみ)と比べると略同程度の浄化率になっている。
(まとめ)
以上の結果から、Rhドープ比率は10%〜80%にすると、ライトオフ性能の向上と高温浄化率の向上とを図ることができることが見込まれ、さらには25%〜75%にすると良いということができる。特に、第1貴金属成分及び第2貴金属成分を共にRhとしたときに顕著な効果が得られるということができる。
また、第1貴金属成分をRhとし第2貴金属成分をPtとするときは、Rhドープ比率を40%〜80%にすること、さらには50%〜75%にすることが好ましい。
また、第1貴金属成分をRhとし第2貴金属成分をPdとするときは、Rhドープ比率を25%〜75%にすること、特に50%前後にすることが好ましい。
なお、酸性原料溶液とアンモニア水との混合は0.5秒以内に、さらには0.4秒以内に完了させることができ、これにより、良好な触媒材料を得ることができる。
本発明及び従来例各々の触媒材料の構造及び酸素吸蔵メカニズムを模式的に示す図((a)が本発明例,(b)が従来例)である。 本発明に係る触媒材料の製造工程を示すブロック図である。 Rhドープ複酸化物及び貴金属なし複酸化物各々のCeZrNd酸化物のピークを調べたXRD結果を示すグラフ図である。 酸素吸蔵速度の測定装置を示す概略図である。 上記測定装置におけるO2パルス及びCOパルスの発生態様を示すタイムチャート図である。 上記測定装置の質量分析計で計測されるマスナンバー32の信号強度の経時変化を示すグラフ図である。 Rhドープ複酸化物に係る試料及びRh後担持複酸化物に係る試料の酸素吸蔵速度の経時変化を示すグラフ図である。 Rhドープ複酸化物A〜Cの酸素吸蔵速度の経時変化を示すグラフ図である。 第2貴金属成分が異なる3種の触媒材料のRhドープ比率とHCの浄化に関するライトオフ温度T50との関係を示すグラフ図である。 第2貴金属成分が異なる3種の触媒材料のRhドープ比率とCOの浄化に関するライトオフ温度T50との関係を示すグラフ図である。 第2貴金属成分が異なる3種の触媒材料のRhドープ比率とNOxの浄化に関するライトオフ温度T50との関係を示すグラフ図である。 第2貴金属成分が異なる3種の触媒材料のRhドープ比率とHCの高温浄化率C400との関係を示すグラフ図である。 第2貴金属成分が異なる3種の触媒材料のRhドープ比率とCOの高温浄化率C400との関係を示すグラフ図である。 第2貴金属成分が異なる3種の触媒材料のRhドープ比率とNOxの高温浄化率C400との関係を示すグラフ図である。 第2貴金属成分が異なる2種の触媒材料のRhドープ比率とHCの高温浄化率C500との関係を示すグラフ図である。 第2貴金属成分が異なる2種の触媒材料のRhドープ比率とCOの高温浄化率C500との関係を示すグラフ図である。 第2貴金属成分が異なる2種の触媒材料のRhドープ比率とNOxの高温浄化率C500との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1 原料調製ステップ
2 複酸化物前駆体調製ステップ
3 沈殿分離ステップ
4 乾燥・焼成ステップ
5 後担持ステップ
6 焼成ステップ

Claims (3)

  1. Ce及びZrを含み酸素の吸蔵及び放出を行なう複酸化物と、1種又は2種以上の貴金属触媒成分とを有する排気ガス浄化用触媒材料であって、
    上記貴金属触媒成分として、上記複酸化物の結晶格子、原子間又は酸素欠損部に配置されたRhと、上記複酸化物の表面に担持されたRh、Pt及びPdから選ばれる少なくとも1種とを備えていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒材料。
  2. 請求項1において、
    上記複酸化物の結晶格子、原子間又は酸素欠損部に配置されたRhの量は、該Rh上記複酸化物の表面に担持されたRh、Pt及びPdから選ばれる少なくとも1種の貴金属触媒成分との合計量の10質量%以上80質量%以下であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒材料。
  3. CeとZrとNdとを含み酸素の吸蔵及び放出を行なう複酸化物と、1種又は2種以上の貴金属触媒成分とを有する排気ガス浄化用触媒材料の製造方法であって、
    上記Ce、Zr、Nd及び上記貴金属触媒成分のうちの第1貴金属成分の各イオンを含む酸性溶液を調製するステップと、
    上記酸性溶液とアンモニア水との混合を混合開始から2分以内に完了させて上記Ce、Zr、Nd及び第1貴金属成分を水酸化物として共沈させるステップと、
    得られた沈殿物を焼成して上記Ce、Zr、Nd及び第1貴金属成分を含む複酸化物を得るステップと、
    得られた上記複酸化物に上記貴金属触媒成分のうちの第2貴金属成分を担持するステップと、
    上記第2貴金属成分を担持した複酸化物を焼成するステップとを備えていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒材料の製造方法。
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