JP2005158727A - 色素増感型太陽電池用電極基板及びその製造方法並びに色素増感型太陽電池 - Google Patents

色素増感型太陽電池用電極基板及びその製造方法並びに色素増感型太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 光電変換効率が高い色素増感型太陽電池用電極基板及びその製造方法並びに色素増感型太陽電池を提供する。
【解決手段】 透明基材と、この透明基材の片面に形成された透明電極と、透明電極上に形成された多孔質半導体電極と、多孔質半導体電極を形成する半導体微粒子の表面に担持された色素とを有する色素増感型太陽電池用電極基板を作製するあたり、透明電極を、透明基材に形成された多数の開口部を有する金属製の第1導電層と、第1導電層の開口部に埋設されて該第1導電層を平坦又はほぼ平坦にする平坦化透明層と、第1の導電層と平坦化透明層とを覆う金属酸化物製の第2導電層とを含む構成とすることにより、上記課題を解決した。
【選択図】 図1









Description

本発明は、色素増感型太陽電池用電極基板及びその製造方法並びに色素増感型太陽電池に関する。
太陽光発電システムは、化石燃料や核燃料を用いた発電システムに比べて周囲の環境に及ぼす負荷が小さく、また、省資源化を図り易いことから、今日ではその利用が拡大している。
太陽光発電システムに使用される太陽電池は、光エネルギーを電気エネルギーに直接変換することができる光電変換素子である。このような太陽電池には、シリコン太陽電池、化合物半導体太陽電池(ガリウムヒ素太陽電池、インジウムリン太陽電池、CIS(銅インジウムセレン)型太陽電池等)、色素増感型太陽電池等があり、これらの太陽電池のうち、シリコン太陽電池は民生用の太陽電池として既に広く利用されている。また、近年では、シリコン太陽電池に比べても低コスト化が容易な色素増感型太陽電池に対する注目が高まっている。
図5は、代表的な色素増感型太陽電池(グレッツェル・セル)の断面構造を示す概略図である。図示の色素増感型太陽電池150は、I /I レドックス対を含有した電解質溶液からなる電解質層105を1対の電極基板120、130で挟持した構造を有する湿式太陽電池である。
電極基板120は、透明基板111と、その片面に形成された透明導電膜(フッ素ドープ酸化スズ膜)113と、その上に形成された多孔質半導体層(多孔質酸化チタン薄膜)115とを有している。多孔質半導体層115はゾルゲル法によって形成されたものであり、多数のアナターゼ型酸化チタン微粒子の焼結体である。この多孔質半導体層115の表面には、ルテニウム(Ru)錯体の1種からなる色素117が吸着されている。色素117の吸収波長域は、酸化チタンの吸収波長域よりも長波長側にまで及んでおり、色素117を光励起したときの電子のエネルギー準位は、酸化チタンの伝導帯端の位置よりも高い。図5においては、便宜上、色素117を1つの層として描いている。一方、電極基板130は、透明基板121と、その片面に形成された透明導電膜(フッ素ドープ酸化スズ膜)123と、その上に形成された白金薄膜125とを有している。電極基板120中の透明導電膜113と電極基板130中の透明導電膜123とは、リード線135a、135bによって負荷140に接続されている。
色素増感型太陽電池150に色素117の吸収波長域内の光を照射すると、色素117が励起状態となり、光励起された電子(e)が多孔質半導体層115に注入される。電子(e)を失った色素117は、電解質層105中のI /I レドックス対から電子を奪って(Iと反応してI を生じて)、元の状態に戻る。一方、多孔質半導体層115に注入された電子(e)は透明導電膜113に移動し、更に、リード線135a、負荷140、及びリード線135bを介して電極基板130に達してI と反応し、Iを生じさせる。したがって、上記の光照射によって色素増感型太陽電池150には閉回路が形成される。この閉回路が形成されると、色素増感型太陽電池150は定常的に発電する。このように色素117を利用することにより、多孔質半導体層115の吸収波長域の光よりも更に長波長の光を利用して発電することが可能になるので、光電変換効率を高めることができる。なお、白金薄膜125は、電極基板130の導電性を上げる役割を果たす他に、I/I レドックス対のI がIに還元される際の触媒としての役割も果たす。
色素増感型太陽電池の研究開発は、主に光電変換効率の向上に主眼をおいてなされてきている。ゾルゲル法により多孔質半導体層を形成し、この多孔質半導体層に特定の色素を担持させると共に特定の電解質を用いることによって、比較的高い光電変換効率を有するものが得られている。
また、例えば特許文献1には、半導体電極の下地となっている透明電極を、多数の孔部を有する金属膜と、この金属膜上に直接又は窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ニッケル−クロムメタル等の層を介して形成されて前記の金属膜を覆う透明導電層とによって形成することで導電性を高め、これにより光電変換効率を向上させた色素増感型太陽電池が記載されている。また、特許文献1には、この多数の孔部を有する金属膜は、基板上に接着剤を介して銅箔等の薄い金属箔を貼付し、これをエッチングすることにより形成されることが記載されている。図6は、このような色素増感型太陽電池の断面構造の一例を示した概略図である。図6に示す色素増感型太陽電池160には、透明基板111の表面に、金属箔からなり孔部を有する金属膜114が接着剤116を介して設けられ、この金属膜114を覆うように透明導電膜113等が形成された電極基板122が設けられている。
特開2003−123858号公報(請求項21、第0021〜0045段及び第0047段)
しかしながら、上記のような金属膜114に使用される金属箔は数μmという比較的厚い膜厚を有するので、このような金属膜114を覆うように透明導電膜113を形成した場合には、金属膜114の孔部を反映して凹凸形状の透明導電膜113が形成される。したがって、この上に更に多孔質半導体層115と色素117を設けてなる電極基板122は、凹凸面を有するものとなってしまう。
色素増感型太陽電池において、電解質層の厚さは、内部抵抗を低くする観点から、短絡を生じない限りできるだけ薄いことが好ましい。しかし、上記のような凹凸面を有する電極基板122を用いて色素増感型太陽電池160を形成した場合には、電極基板122、130の間に形成される電解質層105の層厚を均一にすることができず、電解質層105に層厚の厚い部位が形成されてしまっていた。したがって、このような層厚の厚い部位では内部抵抗が高くなり、その結果、この色素増感型太陽電池160の光電変換効率が低くなってしまうという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、内部抵抗が低く光電変換効率が高い色素増感型太陽電池を提供できる色素増感型太陽電池用電極基板、その製造方法及び色素増感型太陽電池を提供することにある。
上述の課題を解決するための本発明の色素増感型太陽電池用電極基板は、透明基材と、該透明基材の片面に形成された透明電極と、多数の半導体微粒子を用いて前記透明電極上に形成された多孔質半導体電極と、該多孔質半導体電極を形成している半導体微粒子の表面に担持された色素とを有する色素増感型太陽電池用電極基板であって、前記透明電極は、多数の細線を組み合わせた形状を呈して多数の開口部を有する金属製の第1導電層と、該第1導電層の開口部に埋設されて該第1導電層を平坦又はほぼ平坦にする平坦化透明層と、前記第1導電層と前記平坦化透明層との上に形成された金属酸化物製の第2導電層とを含むことを特徴とする。
ここで、本明細書でいう「第1導電層を平坦又はほぼ平坦にする」とは、第1導電層の開口部に上記の平坦化透明層を埋設して、当該平坦化透明層の上面と第1導電層(ただし、開口部を除く。)の上面とを同じレベル又はほぼ同じレベルにすることを意味する。
この発明によれば、平坦化透明層により第1導電層が平坦化されているので、その上に設けられる第2導電層や多孔質半導体電極等は平坦な層になり、表面に凹凸のない色素増感型太陽電池用電極基板を得ることができる。その結果、この電極基板を用いた色素増感型太陽電池を作製する場合に、電極基板間に設ける電解質層の層厚を一様に薄くすることができるので、色素増感型太陽電池の内部抵抗が低くなり、光電変換効率が向上する。
本発明の色素増感型太陽電池用電極基板においては、(1)前記透明電極が前記透明基材の片面に形成された接着剤層を更に含み、前記第1導電層が金属箔であり、前記接着剤層によって前記第1導電層が前記透明基材に貼付されていること、(2)前記平坦化透明層が、前記第1導電層の開口部に隙間なく埋設されていることが好ましい。
本発明の色素増感型太陽電池用電極基板においては、前記透明基材が透明樹脂フィルムであり、前記第1導電層の外表面が、電気めっき、無電解めっき又は化成処理によって形成された腐食防止層で覆われており、前記平坦化透明層が、外表面を前記腐食防止層で覆われた前記第1導電層を平坦又はほぼ平坦にしていることが好ましい。この色素増感型太陽電池用電極基板においては、前記腐食防止層の外表面が、クロメート処理されて表面処理層となっていることによって形成された表面処理層を含むことが好ましい。
本発明の色素増感型太陽電池用電極基板においては、前記第1導電層が銅、ニッケル、又はステンレスで形成されていること、とすることができる。
上記課題を達成する本発明の色素増感型太陽電池用電極基板の製造方法は、透明基材と、該透明基材の片面に形成された透明電極と、多数の半導体微粒子を用いて前記透明電極上に形成された多孔質半導体電極と、該多孔質半導体電極を形成している半導体微粒子の表面に担持された色素とを有する色素増感型太陽電池用電極基板の製造方法であって、多数の開口部が形成されて多数の細線を組み合わせた形状を呈する金属製の第1導電層が片面に形成された透明基材を用意する準備工程と、前記第1導電層の開口部に樹脂を埋設することにより、前記第1導電層を平坦又はほぼ平坦にする平坦化透明層を形成する平坦化透明層形成工程と、前記第1導電層と前記平坦化透明層との上に金属酸化物製の第2導電層を形成する第2導電層形成工程と、前記第2導電層上に多数の半導体微粒子を用いて多孔質半導体電極を形成する多孔質半導体電極形成工程と、前記多孔質半導体電極を形成している半導体微粒子の表面に色素を担持させる色素担持工程とを含むことを特徴する。
この発明によれば、前述した技術的効果を奏する本発明の色素増感型太陽電池用電極基板を製造することができる。
本発明の色素増感型太陽電池用電極基板の製造方法においては、(A)前記準備工程が、片面に接着剤によって金属箔が貼付された透明基材を用意する第1サブ工程と、前記金属箔をパターニングして前記第1導電層を得る第2サブ工程とを含むこと、(B)前記平坦化透明層形成工程が、前記透明基材の前記第1導電層が形成された側の面に平坦化透明層形成用材料を塗布する第1サブ工程と、前記第1導電層の上面に前記平坦化透明層形成用材料が残存しないように、該平坦化透明層形成用材料が塗布された面を加圧し摺動する第2サブ工程とを含むこと、(C)前記平坦化透明層形成工程が、前記透明基材の前記第1導電層が形成された側の面に平坦化透明層形成用材料を塗布するのと同時に又はほぼ同時に、前記第1導電層の上面に前記平坦化透明層形成用材料が残存しないように、該平坦化透明層形成用材料が塗布された面を加圧し摺動する工程を含むこと、(D)前記透明基材として透明樹脂フィルムを用い、前記準備工程と前記平坦化透明層形成工程との間に、前記透明樹脂フィルム上に、前記第1導電層の外表面を覆うようにして、色素増感型太陽電池用の電解質に対して耐食性を有する腐食防止層を電気めっき、無電解めっき、又は化成処理により形成する腐食防止層形成工程が含まれること、が好ましい。
また、(B)に記載の発明においては、前記平坦化透明層形成工程が、前記第2サブ工程の後に、前記平坦化透明層形成用材料が塗布された面をプレスする第3サブ工程を含むことが好ましい。(C)に記載の発明においては、前記平坦化透明層形成工程が、前記加圧し摺動する工程の後に、前記平坦化透明層形成用材料が塗布された面をプレスする工程を含むことが好ましい。(D)に記載の発明においては、前記腐食防止層形成工程が、前記腐食防止層にクロメート処理を施す表面処理工程を含むことが好ましい。
そして、本発明の色素増感型太陽電池用電極基板の製造方法においては、(E)前記第1導電層を銅、ニッケル、又はステンレスで形成すること、とすることができる。
上記課題を解決するための本発明の色素増感型太陽電池は、多孔質半導体電極を形成している半導体微粒子の表面に色素が担持された多孔質半導体電極を有する第1の電極基板と、該第1の電極基板に対向して配置された第2の電極基板と、前記第1の電極基板と前記第2の電極基板との間に介在する電解質層とを備えた色素増感型太陽電池であって、前記第1の電極基板が上記の色素増感型太陽電池用電極基板であることを特徴とする。
この発明によれば、第1の電極基板として上述のような表面に凹凸のない本発明の色素増感型太陽電池用電極基板を用いているので、電極基板間に設けられる電解質層の層厚を一様に薄くすることができる。その結果、内部抵抗が低く光電変換効率が高い色素増感型太陽電池を得ることができる。
本発明の色素増感型太陽電池用電極基板によれば、光電変換効率が高く、実用的な色素増感型太陽電池を容易に得ることができる色素増感型太陽電池用電極基板となる。
本発明の色素増感型太陽電池用電極基板の製造方法によれば、上述した本発明の色素増感型太陽電池用電極基板を容易に得ることができる。
本発明の色素増感型太陽電池によれば、多孔質半導体電極を有する第1の電極基板として、上述した本発明の色素増感型太陽電池用電極基板を用いているので、光電変換効率が高くなる。
以下、本発明の色素増感型太陽電池用電極基板及びその製造方法、並びに色素増感型太陽電池の形態について、図面を参照しつつ順次説明する。
<色素増感型太陽電池用電極基板及びその製造方法>
図1は、本発明の色素増感型太陽電池用電極基板の基本的な断面構造の一例を示す概略図である。図示の色素増感型太陽電池用電極基板20(以下、「電極基板20」と称する。)では、透明基材1の片面に、接着剤層5と第1導電層6と平坦化透明層7と第2導電層8とを含む透明電極10が形成され、この透明電極10上に多孔質半導体電極15が形成されている。また、多孔質半導体電極15を形成する半導体微粒子15aの表面には色素17が担持されている。なお、図1においては、便宜上、色素17を1つの層として描いている。以下、電極基板20及びその製造方法について詳述する。
(1)透明基材:
透明基材1は、紫外域から赤外域に亘る波長域中の所望の波長域の光を平均値で概ね85%以上透過させ、かつ、所望の耐光性及び耐候性を有するものであることが好ましく、無機材料又は有機材料を用いて、また必要に応じて各種の添加剤を併用して、種々の方法により形成することができる。上記の「所望の波長域」は、多孔質半導体電極15及び色素17それぞれの吸収波長域を勘案して、適宜選定可能である。
透明基材1としては、石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の透明で可撓性のないリジット材(硬質材)を用いることもできるが、可撓性の高い色素増感型太陽電池を得るという観点からは、透明ガラスシート又は透明樹脂フィルムを用いることが好ましく、特に透明樹脂フィルムを用いることが好ましい。
上記の透明樹脂フィルムとしては、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、ポリエーテルサルフォン(PES)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム、ポリエステルナフタレート(PEN)フィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、環状ポリオレフィンフィルム等を用いることができる。電極基板20の製造コストを抑えるという観点からは、エンジニアリングプラスチックのような比較的高価な樹脂材料で形成されたものよりも、比較的安価な樹脂材料で形成されたものが好ましい。
透明基材1として透明樹脂フィルムを用いる場合、その厚さは、電極基板20を用いて作製される色素増感型太陽電池の用途等に応じて、概ね15〜500μmの範囲内で適宜選定可能である。
なお、多孔質半導体電極15を形成する際には透明基材1も加熱されるので、透明基材1の材料及び厚さを選定するにあたっては、あわせてその耐熱性を考慮することが好ましい。
(2)透明電極:
透明電極10は、電極基板20を用いて作製された色素増感型太陽電池に所望の波長域の光が照射されたときに、多孔質半導体電極15からキャリア(電子)を受け取るもの、又は、多孔質半導体電極15にキャリア(正孔)を伝えるものであり、この透明電極10は、上記の「所望波長域」の光を概ね80%以上透過させるものであることが好ましい。
図示の透明電極10は、透明基材1の片面に形成された接着剤層5と、接着剤層5によって透明基材1に貼付され開口部を有する第1導電層6と、第1導電層6の開口部に埋設された平面化透明層7と、第1導電層6と平面化透明層7とを覆う第2導電層8とを含んでいる。
接着剤層5は、主に金属箔(圧延金属箔や電解金属箔等)をパターニングして第1導電層6を形成する際に使用されるものである。例えば第1導電層の形成に金属蒸着膜を用いる場合には、接着剤層5を省略することができる。
この接着剤層5は、(i)透明電極10の光透過率が所望の値となる光透過性を有していること、(ii)金属箔と透明基材を貼り合せた後に前記の金属箔をエッチングにより所望形状にパターニングして第1導電層6を形成する場合には、耐エッチング性を有していること、(iii)色素増感型太陽電池の製造過程で多孔質半導体電極15を形成する半導体微粒子表面に色素を担持させる際に使用される色素溶液に対して耐溶剤性を有していること、(iv)色素増感型太陽電池に使用される電解質に対する耐性(耐電解質性)を有していること、が好ましい。
このような要件を満たす接着剤層5の材料の具体例としては、アクリル系、エステル系、ウレタン系、フッ素系、ポリイミド系、エポキシ系、ポリウレタンエステル系、アクリルウレタン系等の接着剤が挙げられる。これらの接着剤は、紫外線硬化型であってもよいし、熱硬化型であってもよい。
第1導電層6は、透明電極10の導電性を高めるためのものであり、多数の細線を組み合わせた形状を呈し、多数の開口部を有する金属製の導電層である。ここで、本発明でいう「金属製の導電層」とは、単体金属によって形成された導電層を含む他に、合金によって形成された導電層をも含むものとする。
第1導電層6の平面視上の形状は、透明電極10の光透過率が所望の値となる範囲内で、例えば図2に示すような格子状の他、網目状、平行ストライプ状等、適宜選定可能である。また、第1導電層6の層厚は、電極基板20の光透過率及びシート抵抗が所望の値となる範囲内で適宜選定でき、概ね5〜50μmである。
第1導電層6の材料としては、導電性の高い透明電極10を得るという観点から、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、ステンレス、チタン(Ti)等の金属又は合金を用いることが好ましく、これらの中でも、導電性の高い材料である銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレス、チタン等を用いることが好ましい。また、電極基板20の製造コストを抑えるという観点からは、安価な金属である銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレスを用いることが好ましい。
透明基材1に透明樹脂フィルムを使用した場合には、第1導電層6の材料として、純度が99.3%より高いアルミニウムを用いることが好ましい。純度が99.3%より高いアルミニウムは酸化され難いので、第1導電層6がこのような高純度のアルミニウムで形成されている場合には、透明基材1に透明樹脂フィルムを使用した電極基板を用いて色素像感型太陽電池を作製した際に、第1導電層6が電解質により腐食され難くなる。
一般に、透明基材に耐熱性の低い透明樹脂フィルムを用いた場合には、第2導電層の形成温度をその耐熱温度以下にしなければならないことから、緻密な第2導電層を形成し難い。このような電極基板を用いた色素増感型太陽電池においては、電解質が第2導電層に浸透することにより第1導電層にまで達して第1導電層の金属を腐食させ、その性能が経時的に低下してしまうおそれがある。このとき、第1導電層6が腐食され難い高純度のアルミニウムで形成されていることにより、そのような問題が生じ難くなる。
また、第1導電層が99.3%より高い純度のアルミニウムで形成されている場合には、第1導電層の外表面(上面及び各側面)がクロメート処理されてクロメート処理層になっていることが好ましい。クロメート処理層が外表面に形成された第1導電層は、電極基板20を用いて色素増感型太陽電池を作製したときに、電解質に対する耐食性が更に向上する。また、第1導電層がアルミニウムで形成されていることにより、第1導電層とクロメート処理層との密着性を高めることができる。クロメート処理を行う際の条件は、透明基材(透明樹脂フィルム)1の耐熱性等に応じて、適宜選定される。第1導電層6をクロメート処理した場合には、クロメート処理によって形成されたクロメート処理層(図示しない。)が、第1導電層6と平坦化透明層7との間に介在することになる。
平坦化透明層7は、第1導電層6の開口部に埋設されている。すなわち、平坦化透明層7は第1導電層6の開口部に埋め込まれるように形成されており、第1導電層6を平坦化させて、凹凸面のない電極基板の作製に寄与する役割を有する。
平坦化透明層7の材料としては、可視光に対して透明である樹脂であれば特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、フッ素系樹脂、又は、ポリイミド系樹脂樹脂を挙げることができる。フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエ−テルとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレン又はプロピレンとのコポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマー(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、又は、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等を用いることができる。また、ポリイミド系樹脂としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、又は、ポリエーテルイミド等を挙げることができる。平坦化透明層7を形成する樹脂は、これらの樹脂の中でもアクリル系樹脂、エステル系樹脂、又は、ポリカーボネート系樹脂であることが好ましい。
平坦化透明層7を形成する樹脂のガラス転移温度は、この電極基板20を用いた色素増感型太陽電池を実際に使用する際に必要とされる耐熱性を確保する観点からは、高いことが好ましい。また、後述するように、第1導電層6の開口部に平坦化透明層7を隙間なく形成させる観点からは、樹脂の柔軟性を確保するために、そのガラス転移温度は低いことが好ましい。具体的には、この樹脂のガラス転移温度は、40℃以上150℃以下であることが好ましく、50℃以上130℃以下であることがより好ましい。なお、ここでいうガラス転移温度は、示差走査熱量測定法(DSC測定法)で測定される値である。また、上記平坦化透明層7を形成する樹脂の重量平均分子量は、ガラス転移温度の場合と同様の観点から、500〜60万の範囲内であることが好ましく、1万〜40万であることがより好ましい。
また、平坦化透明層7は、接着剤層5と同様に、(i)透明電極10の光透過率が所望の値となる光透過性を有していること、(ii)色素増感型太陽電池の製造過程で多孔質半導体電極15を形成する半導体微粒子表面に色素を担持させる際に使用される色素溶液に対して耐溶剤性を有していること、(iii)色素増感型太陽電池に使用される電解質に対して耐性(耐電解質性)を有していることが好ましい。
平坦化透明層7の層厚は、第1導電層の層厚と同一又はほぼ同一である。平坦化透明層7がこのような層厚を有することにより、第1導電層を平坦化させることができる。また、平坦化透明層7は、第1導電層の開口部に隙間なく形成されていることが好ましい。
第2導電層8は、色素増感型太陽電池に所定の波長域の光が照射されたときに、多孔質半導体電極15からキャリア(電子)を受け取るもの、又は、多孔質半導体電極15にキャリア(正孔)を供給するものであり、種々の導電性金属酸化物を用いて形成することが可能である。第2導電層8は、第1導電層6と平坦化透明層7とを平面視上覆うように形成されている。
この第2導電層8は、光透過性及び導電性を考慮すると、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ、酸化スズ、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)等によって形成することが好ましく、これらの中でも、導電性及び光透過性の両方に優れた材料であるフッ素ドープ酸化スズ又はITOによって形成することが好ましい。第2導電層8の層厚は概ね0.1nm〜500nmの範囲内で適宜選定可能であり、そのシート抵抗は概ね15Ω/□以下のできるだけ低い値であることが好ましい。
透明電極10は、多数の開口部を有する第1導電層6が片面に形成された透明基材1を用意する準備工程と、その開口部に平坦化透明層7を形成する平坦化透明層形成工程と、第1導電層6と平坦化透明層7との上に第2導電層8を形成する第2導電層形成工程とにより形成される。
準備工程で用意する第1導電層6が設けられた透明基材1は、自ら製造してもよいし、他で製造されたものを購入してもよい。
第1導電層6を自ら形成する場合は、第1導電層の元となる金属薄膜として金属箔を用いる場合と、金属蒸着膜を用いる場合とがある。
第1導電層6の形成に金属箔を用いる場合は、透明基材1の片面に接着剤層5を形成し、その接着剤層5に金属箔を貼付し、その金属箔をパターニングすることにより第1導電層6を形成することができる。金属箔としては、圧延金属箔や電解金属箔等を用いることができ、特に安価な圧延金属箔を用いると製造コストを抑え易い。金属箔の貼付は、上述した接着剤を用いて、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法等の方法により行うことができる。
金属箔のパターニングとしては、例えばフォトリソグラフィーを利用して所望のパターン形状にエッチングする方法が挙げられる。フォトリソグラフィーを利用して第1導電層6を形成するにあたっては、例えば、レジスト塗布、プリベーク、露光(密着露光)処理、現像処理、及びポストベークを順次行ってレジストパターン(エッチングマスク)を形成し、このレジストパターン(エッチングマスク)を用いて酸化鉄や塩化第二鉄溶液等のエッチング液によるエッチングを行った後に、レジストパターン(マスク)の剥離、及びリンス処理をこの順番で行う。
第1導電層6の形成に金属蒸着膜を用いる場合は、所望の金属を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(PVD法)や、プラズマ化学気相成長法(CVD法)等によって成膜し、これを金属箔の場合と同様の方法でパターニングすることにより、第1導電層6を形成できる。また、金属蒸着膜を成膜するにあたって、形成したい第1導電層6の形状に対応したパターンの開口部を有するマスクを利用すると、金属蒸着膜の成膜だけで直接第1導電層6を形成することができる。
また、第1導電層6の材料として銅を用いる場合には、第1導電層6が形成された透明基材1として、電磁波シールドフィルムの材料に使用される導電性フィルム、すなわち、片面に接着剤によって多数の開口部を有する銅箔が接合されている透明樹脂フィルムを転用することができる。このような導電性フィルムの転用は、電極基板20の製造コストを抑えるうえで有利である。この導電性フィルムを転用した場合には、その基材である透明樹脂フィルムをそのまま電極基板20の透明基材1として利用することができる。
平坦化透明層7は、透明基材1の第1導電層6が形成された側の面に平坦化透明層形成用材料を塗布する塗布工程と、その塗布面を加圧し摺動する加圧摺動工程とにより形成される。
平坦化透明層形成用材料としては、上記の平坦化透明層7を形成する樹脂を溶剤又は分散剤に溶解又は分散させて平坦化透明層形成用塗工液としたものを用いることができる。溶剤又は分散剤としては、例えば酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、キシレン、イソプロピルアルコール(IPA)、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、トリフルオロプロピルアルコール等が挙げられる。また、平坦化透明層形成用材料には、必要に応じて、光重合剤、増粘剤、可塑剤又は分散剤等の各種添加剤を含有させることができる。
平坦化透明層形成用材料の粘度は、その塗布方法や材料となる樹脂の種類等により適宜選択されるものであるが、通常、0.01Pa・s〜100Pa・sの範囲内である。この粘度は、第1導電層6の開口部に平坦化透明層7を隙間なく形成する観点からは、0.1Pa・s〜10Pa・sの範囲内であることが好ましい。
塗布工程には、従来公知の方法を用いることができ、例えば、ドクターブレード法(ブレードコート法)、ダイコート法、グラビアコート法、グラビアリバースコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、バーコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、スロットダイコート法、スライドダイコート法、マイクロバーコート法、マイクロバーリバースコート法等の塗布方法を用いることができ、この中でもドクターブレード法(ブレードコート法)を用いることが最も好ましい。
加圧摺動工程は、余分な平坦化透明層形成用材料を除去することにより、平坦化透明層形成用の樹脂が第1導電層の上面に形成されて第1導電層6と第2導電層8との間の導通を妨げるのを防止するために行われる。この工程は、塗布した平坦化透明層形成用材料の硬化又は溶剤が蒸発することによる固化が始まる前に、例えばスキージー(柔軟なゴム製のプレード又はロール)等を用いてその塗布面を加圧しながら摺り、余分な平坦化透明層形成用材料を拭い取ることにより行う。この工程により、平坦化透明層形成用材料が第1導電層6の上面に残存せず、かつ、第1導電層6の開口部が平坦化透明層形成用材料により隙間なく覆われる。
また、平坦化透明層7は、透明基材1の第1導電層6が形成された側の面に平坦化透明層形成用材料を塗布すると同時に又はほぼ同時に、その塗布面を加圧し摺動することにより形成される。具体的には、例えば第1導電層6が形成された透明基材1の表面の一部分に適当な量の平坦化透明層形成用材料を載せ、スキージーを用いてその平坦化透明層形成用材料を透明基材1の面全体に加圧摺動しながら塗布する。このように平坦化透明層7を形成すると、硬化等が始まる前に余分な平坦化透明層形成用材料を拭い取ることができ、第1導電層6の上面に平坦化透明層形成用材料が残存するのを効果的に防ぐことができる。
平坦化透明層形成工程において、加圧摺動工程の後に、必要に応じて平坦化透明層形成用材料の塗布面の全体を加圧するプレス工程を行うことが好ましい。プレス工程には、ロールプレス方式、平板プレス方式等の方法を用いることができる。平坦化透明層7の上面が凹凸形状を有する場合には、この工程によりその上面を平坦化できるので、第1導電層を更に平坦化させることができる。また、この工程により平坦化透明層7を第1導電層6の開口部に更に隙間なく埋設することもできる。更に、平坦化透明層7の上面が微細な凹凸形状を有することにより電極基板20のヘイズの上昇が問題になる場合には、鏡面仕上げされたロールや平板を用いてプレスすることにより、平坦化透明層7の上面の微細な凹凸形状を平坦化させることができる。プレス時の圧力は平坦化透明層形成用材料の粘度に応じて適宜選択可能である。
プレスした後又はプレス工程を行わない場合は加圧摺動した後、上記の塗布された平坦化透明層を形成する樹脂を硬化させ又は固化させることにより平坦化透明層7を形成する。
第2導電層8の形成は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法等により行うことができ、製造コストを抑えるという観点からはイオンプレーティング法、スパッタリング法により行うことが好ましい。
(3)多孔質半導体電極:
多孔質半導体電極15は、多孔質の半導体電極であり、光励起された色素17からキャリア(電子)を受け取ることができるもの、又は、光励起された色素17にキャリア(正孔)を伝える役割を有する。
多孔質半導体電極15の材料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化セシウム、酸化ビスマス、酸化マンガン、酸化イットリウム、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ランタン等の金属酸化物半導体微粒子を用いることができる。これらの金属酸化物半導体微粒子は多孔質の半導体層を形成するのに適しており、色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率の向上、コストの削減を図ることができるため好ましい。電極基板20を用いた色素増感型太陽電池の耐久性や、電極基板20を製造する際の安全性及び経済性等を考慮すると、多孔質半導体電極15の材料としては酸化チタンが好ましく、特に、アナターゼ型の酸化チタンが好ましい。なお、本発明でいう「半導体微粒子」は、微粒子形状の半導体を含む他に、不定形の微小半導体や微粉末状の半導体をも含むものとする。
上記の金属酸化物半導体微粒子の平均粒子径は概ね10〜250nmの範囲内であることが好ましく、特に、量子サイズ効果が発現する大きさであることが好ましい。また、多孔質半導体電極15の膜厚は、概ね5〜30μmの範囲内で適宜選定可能である。
この多孔質半導体電極15は、単一成分の層でもよく、混合物の層でもよい。更には、複数の半導体膜の積層物であってもよい。多孔質半導体電極15の導電型は、通常、N型である。
電極基板20を製造するにあたっては、前述した第2導電層形成工程に引き続き、第2導電層8上に多孔質半導体電極15を形成する多孔質半導体電極形成工程を行う。この工程で形成する多孔質半導体電極15は、電極基板20を用いた色素増感型太陽電池の光電変換効率を高めるという観点からは、多孔質半導体電極15を形成する半導体微粒子の表面に色素17を単分子膜状に、かつ、できるだけ多くの半導体微粒子表面に担持させることが好ましく、そのためには、多孔質半導体電極15の比表面積をできるだけ大きくすることが好ましい。また、同様の観点から、多孔質半導体電極15を量子サイズ効果が発現するメソスコピックな多孔質にすることが特に好ましい。図1では、多孔質半導体電極15を多数の半導体微粒子15aによって形成された多孔質体として描いている。
多孔質半導体電極15は、所望の金属酸化物半導体微粒子の分散液(以下、「多孔質半導体電極用塗工液」という。)を調製し、この多孔質半導体電極用塗工液を第2導電層8上に塗布した後に焼成して、金属酸化物半導体微粒子を焼結させることにより形成される。このような形成方法としては、ゾル−ゲル法を用いることができる。ただし、透明基材1に透明樹脂フィルムのような耐熱性の低い基材を用いる場合には、多孔質半導体電極15を比較的低温で形成する必要がある。したがって、その場合には、多孔質半導体電極用塗工液を第2導電層8上に塗布した後に、焼成せず乾燥させることにより形成することが好ましい。
多孔質半導体電極用塗工液には、必要に応じて、多孔質半導体電極15において光散乱中心(図示せず。)として機能する微粒子を含有させることができる。多孔質半導体電極15にこの微粒子を組み込むことにより、色素17の光励起に寄与する光量を増大させることができ、結果として、色素増感型太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。光散乱中心として機能する微粒子の具体例としては、例えば粒子径が概ね50〜200nmの酸化チタン微粒子を挙げることができる。
多孔質半導体電極用塗工液は、例えば、(i)所定の溶媒中で半導体微粒子を結晶化微粒子として析出させてゾル液とする方法、又は(ii)半導体微粒子をボールミル、サンドミル又はロールミル等で適当な分散媒と混合し、混練機、ホモジナイザー又はプラネタリーミキサー等の公知の分散機を用いて分散媒中に分散させる方法、によって調製される。上記(ii)の方法によって塗工液を調製するにあたって、使用する半導体微粒子が凝集していた場合には、これらをほぐしてから上記の分散媒と混合することが好ましい。上記(i)のゾル液と上記(ii)の分散液とを混合して塗工液を調製することもできる。
多孔質半導体電極用塗工液の分散媒としては、多孔質半導体電極15が形成される部材の耐熱性が比較的低い場合に、例えば、(a)クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系分散媒、(b)テトラヒドロフラン等のエーテル系分散媒、(c)トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系分散媒、(d)アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系分散媒、(e)酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系分散媒、(f)イソプロピルアルコール(IPA)、エタノール、メタノール、ブチルアルコール等のアルコール系分散媒、(g)その他(N−メチル−2−ピロリドン、純水等)、を用いることができる。多孔質半導体電極用塗工液に後述の結着剤を含有させる場合には、この結着剤を溶解させることが可能な分散媒を用いる。
多孔質半導体電極用塗工液には、高分子材料からなる結着剤を溶解させることができる。結着剤を含有した多孔質半導体電極用塗工液を用いると、多孔質半導体電極15と透明電極10との密着性や多孔質半導体電極15自身の機械的強度を向上させることができる。特に、透明基材1に透明樹脂フィルムのような耐熱性の低い基材を用い、多孔質半導体電極15を焼成により形成できない場合に有効である。また、透明基材1にガラス基板のような耐熱性の高い基材を用い、多孔質半導体電極15を焼成により形成する場合でも、更に容易に多孔質の膜を形成できる。このような結着剤としては、例えば、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂や、ポリエチレングリコールのような多価アルコール類を使用することができる。多孔質半導体電極用塗工液中への結着剤の添加量は極力少ない方が好ましい。具体的には、分散液中の全固形分に対する結着剤の割合を0.5質量%以下とすることが好ましく、0.2質量%以下とすることが更に好ましい。
多孔質半導体電極用塗工液には、上述の結着剤の他に、その塗工適性を向上させるために各種の添加剤を含有させることができる。この添加剤としては、例えば、界面活性剤、粘度調整剤、分散助剤、pH調整剤等が挙げられる。例えば、pH調整剤としては、硝酸、塩酸、酢酸、ジメチルホルムアミド、アンモニア等を用いることができる。
多孔質半導体電極用塗工液の塗工方法としては、ダイコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、リバースロールコート、バーコート、ブレードコート、ナイフコート、エアナイフコート、スロットダイコート、スライドダイコート、ディップコート、マイクロバーコート、マイクロバーリバースコート、スクリーン印刷(ロータリー方式)等、種々の方法を適用することができる。このような塗工方法により単数回又は複数回、多孔質半導体電極用塗工液の塗布及び乾燥を繰り返して、所望の膜厚の多孔質半導体電極15を形成する。塗膜の乾燥は、透明基材1の耐熱温度以下で行う必要がある。具体的には、概ね100℃以上、透明基材1に透明樹脂フィルムのような耐熱性の低い基材を用いる場合は、耐熱温度以下の温度範囲内で加熱乾燥することが好ましい。
(4)色素:
色素17は、多孔質半導体電極15を形成する半導体微粒子の表面に担持されており、多孔質半導体電極15を増感させるためのものである。
色素17としては、(A)その吸収波長域が、多孔質半導体電極15の吸収波長域よりも長波長側にまで及んでいるもの、(B)多孔質半導体電極15がN型半導体である場合には、光励起されたときの電子のエネルギー準位が多孔質半導体電極15の伝導帯端の位置よりも高いもの、(C)多孔質半導体電極15がN型半導体である場合には、多孔質半導体電極15へキャリアを注入するのに要する時間が、多孔質半導体電極15からキャリアを再捕獲するのに要する時間に比べて短いもの、が好ましい。
例えば多孔質半導体電極15がアナターゼ型の酸化チタンによって形成されている場合、色素17としては、下式(I)によって表されるルテニウム錯体を用いることが好ましい。
Figure 2005158727
電極基板20を用いて光電変換効率の高い色素増感型太陽電池を得るうえからは、上記の式(I)で示されるルテニウム錯体の中でも、XがNCS(チオシアネート)である(シス−ジ(チオシアネート)−N、N’−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)ルテニウム(II)を用いることが特に好ましい。
勿論、上述したルテニウム錯体以外の金属錯体色素や、有機色素を使用することもできる。有機色素の具体例としては、例えば、アクリジン系、アゾ系、インジゴ系、キノン系、クマリン系、メロシアニン系、フェニルキサンテン系の色素が挙げられる。これらの有機色素の中でも、クマリン系の色素が好ましい。
電極基板20を製造するにあたっては、前述した多孔質半導体電極形成工程に引き続き、多孔質半導体電極15を形成している半導体微粒子15aの表面に色素を担持させる色素担持工程を行う。
多孔質半導体電極15を形成している半導体微粒子15aの表面に色素17を担持させるにあたっては、光電変換率の高い色素像感型太陽電池を得るという観点から、できるだけ多くの半導体微粒子15aに色素17を担持させることが好ましく、特に多孔質半導体電極15を形成している半導体微粒子15aそれぞれの表面に色素17を担持させることが好ましい。
そのためには、多孔質半導体電極15の細孔内表面にまで色素17を吸着させることが可能な方法によって、多孔質半導体電極15に色素17を担持させることが好ましい。例えば、色素の溶液(以下、「色素担持用塗工液」という。)を調製し、この色素担持用塗工液に多孔質半導体電極15まで形成した電極基板を浸漬し、その後に乾燥するという方法、又は、色素担持用塗工液を多孔質半導体電極15に塗布し、浸透させた後に乾燥するという方法等によると、多孔質半導体電極15の細孔内表面にまで色素17を吸着させることができ、半導体微粒子15aそれぞれの表面に色素17を担持させることも可能である。色素担持用塗工液は、用いる色素の種類に応じて水系溶媒及び有機系溶媒のいずれかを適宜選択して、調製する。
光電変換効率の高い色素増感型太陽電池を得るという観点からは、色素17を単分子膜の状態で多孔質半導体電極15に担持させることが好ましく、そのためには、多孔質半導体電極15に担持された余分な色素を、色素担持用塗工液の調製に使用し得る溶媒等によって洗浄、除去することが好ましい。
多孔質半導体電極15に予め表面処理を施しておくことにより、多孔質半導体電極15がN型半導体のときには色素17から多孔質半導体電極15へのキャリアの移動速度を高めることが可能である。多孔質半導体電極15を形成する半導体微粒子表面に色素17を担持させた後にこれら多孔質半導体電極15及び色素17に所定の処理、例えば、多孔質半導体電極15が酸化チタンによって形成され、色素17が上述したルテニウム錯体である場合には、t−ブチルピリジン等の塩基による処理を施すことにより、電極基板20を用いた色素増感型太陽電池の光電変換効率を向上させることが可能である。
(5)任意部材:
電極基板20には、必要に応じて、腐食防止層、ガスバリア層又はパターニング層等を形成することができる。以下、これらの任意部材について説明する。
(a)腐食防止層:
図3は、上述した本発明の電極基板に、更に腐食防止層を設けた電極基板の一例を示す断面図である。
腐食防止層9は、透明基材1に透明樹脂フィルムを使用した電極基板を用いて色素増感型太陽電池を作製したときに、電解質が第1導電層6にまで浸透するのを防止するための層である。
一般に、透明基材に耐熱性の低い透明樹脂フィルムを用いた場合には、透明電極の欄で説明したように、第2導電層の形成温度をその耐熱温度以下にしなければならないことから、緻密な第2導電層を形成し難い。このような電極基板を用いた色素増感型太陽電池においては、電解質が第2導電層に浸透することにより第1導電層にまで達して第1導電層の金属を腐食させ、その性能が経時的に低下してしまうおそれがある。このとき、第1導電層6の外表面に腐食防止層9が設けられていることにより、そのような問題が生じ難くなる。
腐食防止層9は、図3(A)に示すように、少なくとも第1導電層6の外表面(上面及び各側面)を覆っていればよい。また、腐食防止層9は、図3(B)に示すように、第1導電層6の外表面と平坦化透明層7の下面(開口部における第1導電層6の下地層表面。図示の例では接着剤層5の表面)とを連続して覆っていることが好ましい。このような腐食防止層9を形成することにより、電極基板20を用いて色素増感型太陽電池を作製したときに、第1導電層6とその下地層との界面に電解質が浸透することに起因する第1導電層6の腐食や、下地層が腐食もしくは溶解することに起因する第1導電層6の腐食を抑制することが可能になる。なお、腐食防止層9が形成された電極基板20において、平坦化透明層7は、図3に示すように、外表面が腐食防止層で覆われた第1導電層を平坦化させるように設けられている。
腐食防止層9は、色素増感型太陽電池用の電解質に対して耐食性を有している材料によって形成され、その材料は、後述するように腐食防止層の形成方法に応じて適宜選択される。
腐食防止層9の形成は、開口部を有する第1導電層6が形成された透明基材(透明樹脂フィルム)1を用意した後、平坦化透明層7を形成する前に、電気めっき、無電解めっき又は化成処理により行われる。電気めっき、無電解めっき、又は化成処理によれば、透明基材(透明樹脂フィルム)1の耐熱性が低くても、比較的緻密な腐食防止層9を容易に形成することができる。このときのめっき条件、化成処理条件は、透明基材(透明樹脂フィルム)1の耐熱性や形成しようとする腐食防止層9の組成等に応じて、適宜選定される。
例えば電気めっきによれば、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、金(Au)、白金(Pt)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、カドミウム(Cd)、タングステン(W)、スズ(Sn)、コバルト(Co)、及び鉄(Fe)等の金属、又は前記の金属同士の合金を含み、色素増感型太陽電池用の電解質に対して耐食性を有する腐食防止層9を形成することができる。電気めっきの際のめっき浴としては、例えば上述の金属のイオンを含有した通常のめっき浴(シアン浴、硼弗化浴、ピロリン酸浴、及びジンケート浴や、次亜リン酸又は水素化硼素塩を添加しためっき浴等)を用いることができる。
無電解めっき処理によれば、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、金(Au)、白金(Pt)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、カドミウム(Cd)、タングステン(W)、スズ(Sn)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、及びジルコニウム(Zr)等の金属、又は前記の金属同士の合金を含み、色素増感型太陽電池用の電解質に対して耐食性を有する腐食防止層9を形成することができる。無電解めっきの際のめっき浴としては、例えば上述の金属のイオンを含有した通常のめっき浴(アルカリ浴等)を用いることができる。無電解めっきによれば、対象物全体をめっき溶液中に浸漬させることにより、対象物全体に腐食防止層を形成することができる。
化成処理方法による腐食防止層9の形成は、例えばリン酸金属塩を含有した化成処理剤(以下、「リン酸金属塩化成処理剤」という。)を、第1導電層6まで形成した透明基材(透明樹脂フィルム)1に第1導電層6側から塗布することによって、又は、第1導電層6まで形成した透明基材(透明樹脂フィルム)1をリン酸金属塩化成処理剤に浸漬することによって、行うことができる。リン酸金属塩化成処理剤を塗布する場合、塗布方法としては公知の手法を用いることができる。
上記のリン酸金属塩の具体例としては、例えばリン酸クロム(III)塩、リン酸クロム(VI)塩、リン酸ジルコニウム塩、リン酸チタン塩、リン酸リチウム塩、リン酸マンガン塩、リン酸亜鉛塩、リン酸コバルト塩、リン酸スズ塩、リン酸ニッケル塩、リン酸タングステン塩、リン酸モリブデン塩等が挙げられる。これらのリン酸金属塩は、1種単独で、又は2種以上を混合して使用される。化成処理剤は、例えばフェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の水溶性合成樹脂を1種又は2種以上含有していてもよい。化成処理剤に水溶性合成樹脂を含有させた場合には、化成処理後に80〜200℃程度の熱処理を施して、共有結合や配位結合等の架橋反応を促進させることが好ましい。この熱処理によって、より緻密な腐食防止層9を形成することができる。
なお、腐食防止層9を形成するにあたっては、前処理として予め脱脂処理をしておくことが好ましい。脱脂処理の方法としては、例えばアルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法、酸活性化法等の公知の方法を用いることができる。予め脱脂処理を行うことにより、より緻密な腐食防止層9を形成することができる。
必要に応じて、腐食防止層9の表面をクロメート処理することもできる。このクロメート処理は、腐食防止層9の主成分が亜鉛であるときに特に好適である。クロメート処理を施すことにより、電極基板20を用いて色素増感型太陽電池を作製したときに電解質が第1導電層6に浸透するのを更に抑制することが可能になる。クロメート処理を行う際の条件は、透明基材(透明樹脂フィルム)1の耐熱性や腐食防止層9の組成等に応じて、適宜選定される。腐食防止層9をクロメート処理した場合には、クロメート処理によって形成された表面処理層(図示しない。)が、腐食防止層9と第2導電層8との間に介在することになる。
上記の表面処理層は、例えば、クロムを含む金属、銅クロム合金等からなるクロム合金、又は酸化クロム層からなる被膜である。クロメート処理は、亜鉛めっき又は亜鉛合金めっきによって形成した腐食防止層9に施すことが特に好ましい。クロメート処理の対象物が亜鉛めっき又は亜鉛合金めっきである場合には、表面処理層(クロメート処理層)とめっき層(腐食防止層9)との密着性をより高めることができる。
上述のようにして腐食防止層を形成する腐食防止層形成工程を行った後、腐食防止層9を覆う金属酸化物製の第2導電層8を形成する第2導電層形成工程を行うことにより、透明電極10を得ることができる。
(b)ガスバリア層:
ガスバリア層は、透明基材1に透明樹脂フィルムを使用した電極基板20を用いて色素増感型太陽電池を作製したときに、電極基板20を通して酸素や水分が色素増感型太陽電池内に侵入すること、及び、色素増感型太陽電池で使用される電解質が電極基板20を通して外部に揮散すること、を防止するためのものであり、透明基材(透明樹脂フィルム)1と透明電極10との間又は透明基材(透明樹脂フィルム)1の背面(透明電極10が形成されている面とは反対側の面を意味する。)に設けることができる。
このガスバリア層の酸素透過率は概ね1cc/m /day・atm(約10ml/m /day/MPa)以下であることが好ましく、その水蒸気透過率は概ね1g/m /day以下であることが好ましい。このようなガスバリア層は、所望の有機材料の蒸着膜(物理気相成長法又は化学気相成長法によって形成された膜を意味する。以下同じ。)又はフィルムによって、又は、所望の無機材料の蒸着膜によって、形成することができる。
色素増感型太陽電池内への酸素の侵入を防止することにより、色素17や電解質の劣化が抑制されるので、色素増感型太陽電池の性能の経時的低下を抑制することができる。また、水分の侵入を抑制することにより、例えば第2導電層8をITOのように比較的水分によって劣化し易い材料によって形成した場合でもその性能の経時的低下が抑制されるので、色素増感型太陽電池の性能の経時的低下を抑制することができる。
(c)パターニング層:
本明細書でいう「パターニング層」とは、光照射によって表面の濡れ性を変化させることができる層を意味する。このパターニング層の具体例としては、(i)疎水性バインダー中に光触媒(光半導体の微粒子)が分散した構造を有する光触媒含有層、(ii)クロロシランやアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して得られるオルガノポリシロキサンの層、(iii) 撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンが架橋したオルガノポリシロキサンの層、(iv)フルオロアルキルシラン等を用いた撥水性を示す自己組織化膜、等を挙げることができる。
上記(i)の光触媒含有層は、この光触媒含有層に含まれている光触媒の吸収波長を含む波長域の光でその表面を選択的に露光することにより、露光された領域の濡れ性を変化させてここを親水化することができる。このような光触媒含有層は、例えば、疎水性バインダー中に光触媒が分散した塗工液を調製し、この塗工液を所望箇所に塗布して塗膜を形成した後、この塗膜を乾燥することにより形成することができる。
また、上記(ii)〜(iv)の各層は、例えば紫外光によってその表面を選択的に露光することにより、露光された領域の濡れ性を変化させてここを親水化することができる。上記(ii)〜(iv)の各層の表面を選択的に露光するにあたっては、必要に応じて、フォトマスク(紫外線マスク)における被露光物側の表面に光触媒含有層を設けることができる。この光触媒含有層をフォトマスクに設けることにより、より長波長の紫外光によっても所望の親水化処理を施すことが可能になる。
パターニング層は透明電極10上に設けられて、多孔質半導体電極15の下地層として使用される。パターニング層の表面のうちで多孔質半導体電極15を形成しようとする領域が上述のようにして親水化される。この状態のパターニング層上に多孔質半導体電極15の材料となる前述の塗工液を塗工すると、実質的に上記の親水化された領域上にのみ塗膜、ひいては多孔質半導体電極15を形成することができる。
例えば動作電圧又は動作電流の大きい色素増感型太陽電池を得るうえからは、この色素増感型太陽電池の構造を、比較的小型のセルが複数個、電気的に直列又は並列に接続された構造にすることが好ましい。この場合、1つの電極基板20には、1つの透明電極10が形成されてその上に複数の多孔質半導体電極15が形成されるか、又は、複数の透明電極10が形成されて個々の透明電極10上に多孔質半導体電極15が1つずつ形成されることになる。パターニング層は、複数の多孔質半導体電極15を所望箇所に形成するうえで有用である。
<色素増感型太陽電池>
図4は、本発明の色素増感型太陽電池の基本的な断面構造の一例を示す概略図である。図示の色素増感型太陽電池50では、上述した電極基板20が光電極として用いられており、透明基材22の片面に第1導電膜24と第2導電膜26とがこの順番で積層された色素増感型太陽電池用電極基板30(以下、「電極基板30」と称する。)が対極として用いられている。ここで用いられる本発明の電極基板20は、対極となる電極基板30との対向面に凹凸がなく平坦である。なお、電極基板30に代えて、透明基材の片面に上述の透明電極10が形成され、この透明電極10上に上記の第2導電膜26に相当する導電膜が形成されている電極基板を用いてもよい。
電極基板20の構成については既に説明したので、ここでは省略する。また、対極として用いられている電極基板30における透明基材22及び第1導電膜24としては、それぞれ、上述した電極基板20での透明基材1又は第2導電層8と同様のものを用いることができるので、これら透明基材22及び第1導電膜24についても、ここではその説明を省略する。
第2導電膜26は、電極基板20の導電性を向上させるためのものである。第2導電膜26は、電極基板30を用いた色素増感型太陽電池で使用される電解質の種類に応じて、この電解質に対して耐食性を有する導電性材料を適宜選択して形成することが好ましい。第2導電膜26の材料としては白金(Pt)が最も好ましいが、カーボン、導電性高分子等によって第2導電膜26を形成することもできる。電極基板30を用いて光電変換効率の高い色素増感型太陽電池を得るという観点からは、レドックス対を構成する一方のイオン種が光照射時にキャリアと反応して他方のイオン種を生成する際に触媒として機能し得る金属(例えば白金(Pt))によって、第2導電膜26を形成することが好ましい。
この第2導電膜26は、例えば蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の方法により形成することができ、その膜厚は概ね1〜500nmの範囲内で適宜選定可能である。電極基板30の製造コストを抑えるという観点からは、スパッタリング法によって第2導電膜26を形成することが好ましい。
光電極である電極基板20と対極である電極基板30とは、電極基板20中の多孔質半導体電極15と電極基板30中の第2導電膜26とが互いに対向するようにして配置されており、これらの電極基板20、30の間には電解質層35が介在している。電極基板20中の透明電極10はリード線40aによって負荷45に接続されており、この負荷45はリード線40bによって電極基板30中の第1導電膜24に接続されている。なお、図示を省略しているが、色素増感型太陽電池50では、電解質層35を形成している電解質が漏出するのを防止するために、電極基板20、30及び電解質層35の周囲を封止剤により封止している。
電極基板20、30の間隔を精度よく所望の間隔に保って短絡を防止するために、電極基板20と電極基板30との間にガラススペーサ、樹脂スペーサ、オレフィン系多孔質膜等のスペーサを配置してもよい。スぺーサーは、電極基板20、30の一方に予め形成しておくこともできるし、色素増感型太陽電池を組み立てる際に電極基板20、30の少なくとも一方に固着させて使用することもできる。また、前記スペーサが封止剤を兼ねることもできる。
電解質層35は、電極基板20と電極基板30との間に位置し、光励起された色素17によって還元される一方で、電極基板30を介して供給されるキャリア(電子)によって酸化されて、電極基板20、リード線40a、負荷45、リード線40b、及び電極基板30を含む閉回路の形成を可能にする。
この電解質層35の材料としては、キャリアの輸送に寄与するレドックス対を少なくとも含有した、色素増感型太陽電池に用いられる種々の電解質を用いることができ、その形態は液体状、固体状、及びゲル状のいずれでもよい。色素増感型太陽電池50の耐久性及び安定性の向上を図るという観点からは、常温溶融塩電解液又はゲル状の電解質を用いることが好ましい。
上記のレドックス対は、電解質に用いられるものであれば特に限定はされるものではない。このようなレドックス対の原料の組合せとしては、ヨウ素とヨウ化物との組合せ、又は、臭素と臭化物との組合せが好ましく挙げられる。例えば、ヨウ素とヨウ化物との組合せの具体例としては、ヨウ化リチウム(LiI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化カルシウム(CaI)等の金属ヨウ化物とヨウ素(I)との組合せを挙げることができる。また、臭素と臭化物との組合せの具体例としては、臭化リチウム(LiBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化カリウム(KBr)、臭化カルシウム(CaBr)等の金属臭化物と臭素(Br )との組合せを挙げることができる。
電解質層35の材料としてゲル状の電解質を用いる場合、この電解質は物理ゲル及び化学ゲルのいずれであってもよい。物理ゲルは物理的な相互作用で室温付近でゲル化しているものであり、化学ゲルは架橋反応等の化学結合でゲルを形成しているものである。物理ゲルは、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリレート等のゲル化剤を用いて作製することができ、化学ゲルとしては、アクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系のもの等を用いることができる。
また、電解質層35の材料として固体状の電解質を用いる場合、この電解質としてはヨウ化銅(CuI)や、ポリピロール、ポリチオフェン等の正孔輸送性の高い導電性の高分子を用いることが好ましい。
電解質層35の厚さは適宜選定可能であるが、多孔質半導体電極15の膜厚との合計が2μm〜100μmの範囲内、その中でも、2μm〜50μmの範囲内になるように電解質層の厚さを選定することが好ましい。上記の範囲よりも電解質層35の厚さが薄いと、多孔質半導体電極15と第2導電膜26とが接触し易くなるため、短絡の原因となる。また、電解質層35の厚さが上記の範囲よりも厚いと、色素増感型太陽電池50の内部抵抗が大きくなり、光電変換効率が低下する。
本発明の色素増感型太陽電池50では、上記した凹凸面のない電極基板20を用いるので、電解質層35の厚さが局部的に厚くなることはない。したがって、この色素増感型太陽電池50においては、電解質層35を短絡が生じない範囲で一様に薄くすることができ、その光電変換効率を向上させることができる。
上述した電解質層35は、その材料に応じて、種々の方法により形成することができる。例えば、電解質層35の形成に用いる電解質層形成用塗工液を多孔質半導体電極15上に塗布し、乾燥させることにより形成する方法(以下、「塗布法」と記載する場合がある。)、又は、多孔質半導体電極15と第2導電層26とが所定の間隔を有するように電極基板20、30を配置し、電極基板20と電極基板30との間隙に電解質層形成用塗工液を注入することにより電解質層35を形成する方法(以下、「注入法」と記載する場合がある。)等を挙げることができる。以下、これらの「塗布法」及び「注入法」について説明する。
(I)塗布法:
塗布法は、主に固体状の電解質層を形成するために用いられる方法であり、この塗布法で用いる電解質層形成用塗工液としては、少なくともレドックス対とこのレドックス対を保持する高分子とを含有したものを用いる。他に、架橋剤や光重合開始剤等が添加されていることが好ましい。
電解質層形成用塗工液の塗布は、ダイコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、リバースロールコート、バーコート、ブレードコート、ナイフコート、エアナイフコート、スロットダイコート、スライドダイコート、ディップコート、マイクロバーコート、マイクロバーリバースコートや、スクリーン印刷(ロータリー方式)等、種々の方法によって行うことができる。
電解質層形成用塗工液に上述の光重合開始剤が含有されている場合には、この電解質層形成用工液を塗布した後に光重合開始剤を感光させることにより、電解質層35を形成することができる。
(II)注入法:
注入法は、液体状、ゲル状又は固体状の電解質層を形成するために用いられる方法であり、この方法で電解質層35を形成する際には、前述したスペーサを利用して、電極基板20と電極基板30とが所望の間隔に保持されたセルを予め形成しておくことが好ましい。電解質層形成用塗工液の注入は、例えば毛細管現象を利用して行うことができる。ゲル状又は固体状の電解質層35を形成する場合には、電解質層形成用塗工液を注入した後に例えば温度調整、紫外線照射、電子線照射等を行って、二次元又は三次元の架橋反応を生じさせる。
<実施例1>
(準備工程)
まず、透明基材としてA4判サイズ(JIS規格)の厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績株式会社製、品番:E5100)を用い、第1導電層の材料として厚さ9μmの銅箔を用いて、この透明基材と銅箔とを、ウレタン系接着剤(ガラス転移温度(Tg):20℃、重量平均分子量:3万)を用いたドライラミネーション加工により貼り合わせた。
次に、上記の銅箔上にレジストを塗布してレジスト層を形成し、このレジスト層に所定形状のマスクを用いての露光処理、及び現像処理を順次施して所定形状のエッチングマスクを形成してから、前記の銅箔をエッチングし、その後にレジスト除去(エッチングマスクの剥離)を行った。これにより、前記の銅箔が格子状にパターニングされて、第1導電層が得られた。この第1導電層における開口部(格子の目に相当する部分)の大きさは300μm□であり、各部の線幅は10μmである。また、第1導電層の開口率は90%であり、第1導電層まで形成された透明基材の光透過率は83.1%である。第1導電層の各開口部からは、上記の透明基材と銅箔とを貼り合わせるために用いた接着剤層が露出している。
(腐食防止層形成工程)
まず、水に塩化ニッケルを300g/l、塩化スズを15g/l、酸性フッ化アンモニウムを56g/l、ホウ酸を30g/lの割合でそれぞれ溶解させて、Ni−Sn合金めっき浴を調製した。
次に、第1導電層が形成された上記の透明基材を上述のめっき浴に浸漬し、3分間電気めっきを行った。これにより、第1導電層の外表面にはNi−Sn合金からなる腐食防止層が形成された。第1導電層の開口部では、接着剤層が露出したままであった。なお、腐食防止層の組成は、X線回折により同定した。
(平坦化透明層形成工程)
まず、アクリル系樹脂(Tg:100℃、重量平均分子量:24万)をメチルエチルケトンにより40wt%に希釈した平坦化透明層形成用塗工液(粘度:480mPa・s)を準備した。
次に、透明基材の第1導電層及び腐食防止層が形成された面の一部分に10gの平坦化透明層形成用塗工液を載せ、スキージー(美濃商事株式会社製、商品名:ミノファインスキージ、硬度:60)を用いて余分な塗工液を掻き出しながら上記平坦化透明層形成用塗工液を透明基材の面全体に塗布した。その後、この透明基材を加熱して、塗布された平坦化透明層形成用塗工液を乾燥させることにより平坦化透明層を形成した。平坦化透明層まで形成した透明基材を走査型電子顕微鏡により、断面観察を行ったところ第1導電層の開口部には層厚9μmの平坦化透明層が形成され、また第1導電層の上面には樹脂の被覆がないことを確認した。なお、ここでいうガラス転移温度は、示差走査熱量測定法(DSC測定法)で測定された値である。
(第2導電層形成工程)
平坦化透明層まで形成した上記の透明基材をイオンプレーティング装置のチャンバー内に配置し、この透明基材の第1導電層が形成された側の表面に成膜圧力1.5×10−1Pa、アルゴンガス流量18sccm、酸素ガス流量28sccm、成膜電流値60Aの条件の下に昇華材料としての酸化インジウムスズ(ITO)を蒸着させて、ITOからなる膜厚150nmの第2導電層を形成した。この第2導電層は、腐食防止層を覆うと共に、平坦化透明層も覆っている。
第2導電層まで形成することにより、透明基材の片面に、接着剤層、第1導電層、平坦化透明層、腐食防止層及び第2導電層が形成された透明電極を得た。この透明電極の表面抵抗値は、0.08Ω/□であった。
(多孔質半導体電極形成工程)
まず、一次粒子径が15nmの酸化チタン(TiO )微粒子(昭和電工社製のF−5)と結着剤としてのポリエステル樹脂とを、水とポリプロピレングリコールモノメチルエーテルとの混液中にホモジナーザーにて溶解、分散後、自公転式撹拌機を用いて攪拌させて、前記のTiO 微粒子を20.5質量%含有し、前記の結着剤を0.3質量%含有するスラリー(粘度:86mPa・s)を調製した。このスラリーは、多孔質半導体電極用塗工液に相当する。
次いで、上記のスラリーをドクターブレード法により前述の透明電極上に塗布し、その後に150℃で30分間乾燥して、膜厚12μmの多孔質半導体電極を形成した。
(色素担持工程)
増感色素としてのルテニウム錯体(小島化学株式会社製)をその濃度が3×10−4mol/lとなるようにエタノールに溶解させた色素担持用塗工液を用意し、上述の多孔質半導体電極が形成された透明電極をこの色素担持用塗工液中に浸漬して、液温40℃の条件下で1時間放置し、その後、これを色素担持用塗工液から引き上げ、各多孔質半導体電極に付着した色素担持用塗工液を風乾させた。これにより、各多孔質多孔質半導体電極に上記の色素が坦持された。
この後、平面視したときに前述した多孔質半導体電極が1cm×1cmの正方形となるようにトリミングして、図1に示した電極基板20と同様の構成を有する色素増感型太陽電池用電極基板(以下、「電極基板A」という。)を得た。
次に、上記の第2導電層の形成と同じ条件の下に、膜厚100μmのPETフィルム(東洋紡績株式会社製、品番:A4300)の片面に第1導電膜としてのITO膜(膜厚150nm)を形成し、その上に、第2導電膜としての白金薄膜(膜厚50nm)をスパッタリング法によって形成して、図4に示した電極基板30と同様の構成を有する色素増感型太陽電池用電極基板(以下、「電極基板P」という。)を得た。
この電極基板Pと電極基板Aとを厚さ20μmの熱融着フィルム(デュポン株式会社製、商品名:サーリン)を用いて貼り合せ、電極基板Pと電極基板Aとの間隙に電解質層形成用塗工液を充填して、図4に示した色素増感型太陽電池50と同様の構成を有する実施例1の色素増感型太陽電池を得た。
このとき、上記の熱融着フィルムは、電極基板P、電極基板Aそれぞれの内縁部にのみ融着するように、その形状を予め矩形枠状に成形して用いた。また、電解質層形成用塗工液としては、メトキシアセトニトリルを溶媒とし、この溶媒にヨウ化リチウムを0.1mol/l、ヨウ素を0.05mol/l、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイドを0.3mol/l、ターシャリーブチルピリジンを0.5mol/lの割合でそれぞれ溶解させたものを用いた。
こうして得られた実施例1の色素増感型太陽電池の電池特性を評価した。具体的には、実施例1の色素増感型太陽電池の電流電圧特性を、測定装置としてソースメジャーユニット(ケースレー2400型)を用い、光源として擬似太陽光(AM1.5、照射強度100mW/cm )を用いて測定した。その結果、実施例1の色素増感型太陽電池の電池特性は、短絡電流が12.1mA/cm、開放電圧が0.71V、曲線因子が0.65、光電変換効率が5.8%であった。
<実施例2>
実施例1の色素増感型太陽電池の製造において、電極基板Aの作製の際の平坦化透明層形成工程に代えて下記に示した平坦化透明層形成工程により平坦化透明層を形成した以外は実施例1と同様にして、図4に示した色素増感型太陽電池50と同様の構成を有する実施例2の色素増感型太陽電池を得た。
こうして得られた実施例2の色素増感型太陽電池の電池特性を、実施例1と同様にして評価した。その結果、実施例2の色素増感型太陽電池の電池特性は、短絡電流が11.8mA/cm、開放電圧が0.71V、曲線因子が0.67、光電変換効率が5.6%であった。
(平坦化透明層形成工程)
第1導電層と腐食防止層が形成された透明基材に、UV硬化性エポキシ樹脂(Tg:50℃、重量平均分子量:3万)と、光重合開始剤等の各種添加剤とを含有する平坦化透明層形成用材料(粘度:620mPa・s)を準備した。
次に、透明基材の第1導電層及び腐食防止層が形成された面の一部分に10gの平坦化透明層形成材料を載せ、スキージー(美濃商事株式会社製、商品名:ミノファインスキージ、硬度:60)を用いて余分な塗布材料を掻き出しながら上記平坦化透明層形成用材料を透明基材の面全体に塗布した。その後、この透明基材にUV照射することにより、塗布された平坦化透明層形成用材料を硬化させて平坦化透明層を形成した。平坦化透明層まで形成した透明基材を走査型電子顕微鏡により、断面観察を行ったところ第1導電層の開口部には層厚9μmの平坦化透明層が形成され、また第1導電層の上面には樹脂の被覆がないことを確認した。なお、上述のガラス転移温度(Tg)は、実施例1の場合と同様に、示差走査熱量測定法(DSC測定法)で測定された値である。
<実施例3>
第1導電層の材料として厚さ12μmのアルミニウム箔(東洋アルミニウム社製、純度99.7%)を用い、腐食防止層を形成しない以外は実施例1と同様にして、PETフィルムの片面に接着剤層、第1導電層、平坦化透明層及び第2導電層からなる透明電極を形成した。この透明電極の表面抵抗値は、0.006Ω/□であった。
(耐久性の確認)
こうして得られた透明電極が形成されたPETフィルムのヨウ素電解質に対する耐性を確認するために、まず、メトキシアセトニトリルを溶媒とするヨウ素電解質溶液を調製した。このヨウ素電解質溶液は、ヨウ化リチウムを0.1mol/l、ヨウ素を0.05mol/l、ジメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイドを0.3mol/l、ターシャリーブチルピリジンを0.5mol/lの割合でそれぞれ含有している。
次に、透明電極が形成されたPETフィルムを上記のヨウ素電解質溶液に一昼夜浸漬してから、その表面抵抗値を測定した。その結果、ヨウ素電解質溶液に浸漬した後での表面抵抗値は0.006Ω/□であり、浸漬前の表面抵抗値を維持していた。
<比較例1>
実施例1の色素増感型太陽電池の製造において、平坦化透明層を形成しない以外は実施例1と同様にして、比較例1の色素増感型太陽電池を得た。
得られた比較例1の色素増感型太陽電池の電池特性を、実施例1と同様にして評価した。その結果、比較例1の色素増感型太陽電池の電池特性は、短絡電流が7.4mA/cm、開放電圧が0.68V、曲線因子が0.61、光電変換効率が3.1%であり、実施例1又は2の色素増感型太陽電池と比較して劣るものであった。その理由は、比較例1の色素増感型太陽電池は、電極基板の間隔が第1導電層の開口部付近で広くなっていて、その部位において電解質層の層厚が厚いことによるものと推察される。
<比較例2>
実施例1の色素増感型太陽電池の製造において、腐食防止層を形成しない以外は実施例1と同様にして、比較例2の色素増感型太陽電池を得た。
得られた比較例1の色素増感型太陽電池の電池特性を、実施例1と同様にして評価したところ、特性評価時に特性の経時的な低下が認められた。その理由は、電解質が第2導電層に浸透し第1導電層に到達してしまい、第1導電層が腐食したことによるものと推察される。
<比較例3>
実施例1の色素増感型太陽電池の製造において、電極基板Aの作製の際の平坦化透明層形成工程に代えて下記に示した平坦化透明層形成工程により平坦化透明層を形成した以外は実施例1と同様にして、平坦化透明層まで形成された透明基材を作製した。
得られた上記透明基材の表面抵抗値を、測定装置としてダイアインスツルメンツ社製のロレスタEPを用いて、四端針法により測定したところ、測定限界値(10Ω/□)以上であった。したがって、このような透明基材を用いて作製される比較例3の色素増感型太陽電池は、色素増感型太陽電池として機能しないものである。また、この透明基材の断面を、走査型電子顕微鏡により観察したところ、第1導電層上に平坦化透明層形成用材料が硬化したものが積層されていた。
(平坦化透明層形成工程)
第1導電層と腐食防止層が形成された透明基材に、平坦化透明層形成用材料としてアクリル系樹脂をドクターブレード法により塗布した。次に、この透明基材を100℃のオーブンで5分間加熱し、乾燥させることにより、塗布された平坦化透明層形成用材料を固化させて平坦化透明層を形成した。
本発明の色素増感型太陽電池用電極基板の基本的な断面構造の一例を示す概略図である。 本発明の色素増感型太陽電池用電極基板を構成する第1導電層の一例を概略的に示す平面図である。 本発明の色素増感型太陽電池用電極基板の基本的な断面構造の他の一例を示す概略図である。 本発明の色素増感型太陽電池の基本的な断面構造の一例を示す概略図である。 従来の色素増感型太陽電池の断面構造の一例を示す概略図である。 従来の色素増感型太陽電池の断面構造の他の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 透明基材
5 接着剤層
6 第1導電層
7 平坦化透明層
8 第2導電層
9 腐食防止層
10 透明電極
15 多孔質半導体電極
17 色素
20 色素増感型太陽電池用電極基板
22 透明基材
24 第1導電膜
26 第2導電膜
30 色素増感型太陽電池用電極基板
35 電解質層
50 色素増感型太陽電池

Claims (16)

  1. 透明基材と、該透明基材の片面に形成された透明電極と、多数の半導体微粒子を用いて前記透明電極上に形成された多孔質半導体電極と、該多孔質半導体電極を形成している半導体微粒子の表面に担持された色素とを有する色素増感型太陽電池用電極基板であって、
    前記透明電極は、多数の細線を組み合わせた形状を呈して多数の開口部を有する金属製の第1導電層と、該第1導電層の開口部に埋設されて該第1導電層を平坦又はほぼ平坦にする平坦化透明層と、前記第1導電層と前記平坦化透明層との上に形成された金属酸化物製の第2導電層とを含むことを特徴とする色素増感型太陽電池用電極基板。
  2. 前記透明電極が、前記透明基材の片面に形成された接着剤層を更に含み、前記第1導電層が金属箔であり、前記接着剤層によって前記第1導電層が前記透明基材に貼付されていることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型太陽電池用電極基板。
  3. 前記平坦化透明層が、前記第1導電層の開口部に隙間なく埋設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の色素増感型太陽電池用電極基板。
  4. 前記透明基材が透明樹脂フィルムであり、前記第1導電層の外表面が、電気めっき、無電解めっき又は化成処理によって形成された腐食防止層で覆われており、前記平坦化透明層が、外表面を前記腐食防止層で覆われた前記第1導電層を平坦又はほぼ平坦にしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池用電極基板。
  5. 前記腐食防止層の外表面が、クロメート処理されて表面処理層となっていることを特徴とする請求項4に記載の色素増感型太陽電池用電極基板。
  6. 前記第1導電層が銅、ニッケル、又はステンレスで形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池用電極基板。
  7. 透明基材と、該透明基材の片面に形成された透明電極と、多数の半導体微粒子を用いて前記透明電極上に形成された多孔質半導体電極と、該多孔質半導体電極を形成している半導体微粒子の表面に担持された色素とを有する色素増感型太陽電池用電極基板の製造方法であって、
    多数の開口部が形成されて多数の細線を組み合わせた形状を呈する金属製の第1導電層が片面に形成された透明基材を用意する準備工程と、
    前記第1導電層の開口部に樹脂を埋設することにより、前記第1導電層を平坦又はほぼ平坦にする平坦化透明層を形成する平坦化透明層形成工程と、
    前記第1導電層と前記平坦化透明層との上に金属酸化物製の第2導電層を形成する第2導電層形成工程と、
    前記第2導電層上に多数の半導体微粒子を用いて多孔質半導体電極を形成する多孔質半導体電極形成工程と、
    前記多孔質半導体電極を形成している半導体微粒子の表面に色素を担持させる色素担持工程とを含むことを特徴する色素増感型太陽電池用電極基板の製造方法。
  8. 前記準備工程が、片面に接着剤によって金属箔が貼付された透明基材を用意する第1サブ工程と、前記金属箔をパターニングして前記第1導電層を得る第2サブ工程とを含むことを特徴とする請求項7に記載の色素増感型太陽電池用電極基板の製造方法。
  9. 前記平坦化透明層形成工程が、前記透明基材の前記第1導電層が形成された側の面に平坦化透明層形成用材料を塗布する第1サブ工程と、前記第1導電層の上面に前記平坦化透明層形成用材料が残存しないように、該平坦化透明層形成用材料が塗布された面を加圧し摺動する第2サブ工程とを含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の色素増感型太陽電池用電極基板の製造方法。
  10. 前記平坦化透明層形成工程が、前記第2サブ工程の後に、前記平坦化透明層形成用材料が塗布された面をプレスする第3サブ工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の色素増感型太陽電池用電極基板の製造方法。
  11. 前記平坦化透明層形成工程が、前記透明基材の前記第1導電層が形成された側の面に平坦化透明層形成用材料を塗布するのと同時に又はほぼ同時に、前記第1導電層の上面に前記平坦化透明層形成用材料が残存しないように、該平坦化透明層形成用材料が塗布された面を加圧し摺動する工程を含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の色素増感型太陽電池用電極基板の製造方法。
  12. 前記平坦化透明層形成工程が、前記加圧し摺動する工程の後に、前記平坦化透明層形成用材料が塗布された面をプレスする工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の色素増感型太陽電池用電極基板の製造方法。
  13. 前記透明基材として透明樹脂フィルムを用い、前記準備工程と前記平坦化透明層形成工程との間に、前記第1導電層の外表面を覆うようにして、色素増感型太陽電池用の電解質に対して耐食性を有する腐食防止層を電気めっき、無電解めっき、又は化成処理により形成する腐食防止層形成工程が含まれることを特徴とする請求項7〜12のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池用電極基板の製造方法。
  14. 前記腐食防止層形成工程が、前記腐食防止層にクロメート処理を施す表面処理工程を含むことを特徴とする請求項13に記載の色素増感型太陽電池用電極基板の製造方法。
  15. 前記第1導電層を銅、ニッケル、又はステンレスで形成することを特徴とする請求項7〜14のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池用電極基板の製造方法。
  16. 多孔質半導体電極を形成している半導体微粒子の表面に色素が担持された多孔質半導体電極を有する第1の電極基板と、該第1の電極基板に対向して配置された第2の電極基板と、前記第1の電極基板と前記第2の電極基板との間に介在する電解質層とを備えた色素増感型太陽電池であって、
    前記第1の電極基板が前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池用電極基板であることを特徴とする色素増感型太陽電池。
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