JP2012064454A - メッシュ電極基板、および色素増感型太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂製基板と、上記樹脂製基板上に形成され、ガスバリア性を有するガスバリア層と、上記樹脂製基板の上記ガスバリア層が形成された面とは反対面上に順不同で形成された透明電極層、およびメッシュ状に形成された導電層とを有することを特徴とする、メッシュ電極基板を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
よって、本発明によれば、例えば、色素増感型太陽電池を作製するために用いた場合に、経時劣化の問題が少ない色素増感型太陽電池を作製することができる。
まず、本発明のメッシュ電極基板について説明する。上述したように本発明のメッシュ電極基板は、樹脂製基板と、上記樹脂製基板上に形成され、ガスバリア性を有するガスバリア層と、上記樹脂製基板の上記ガスバリア層が形成された面とは反対面上に順不同で形成された透明電極層、およびメッシュ状に形成された導電層とを有することを特徴とするものである。
なお、このような色素増感型太陽電池の詳細にについては、後述する「B.色素増感型太陽電池」の項において詳述するため、ここでの説明は省略する。
以下、本発明に用いられる各構成について順に説明する。
まず、本発明に用いられるガスバリア層について説明する。本発明に用いられるガスバリア層は、後述する樹脂製基板上に形成されるものであり、ガスバリア性を示すものである。本発明に用いられるガスバリア層としては、一定のガスバリア性を示すものであれば特に限定されるものではなく、任意の構成からなるガスバリア層を用いることができる。本発明に用いられるガスバリア層が備えるガスバリア性の程度については、本発明のメッシュ電極基板の用途等に応じて適宜決定されるものであり、特に限定されるものではないが、本発明のメッシュ電極基板を色素増感型太陽電池を作製するために用いる場合、上記ガスバリア層のガスバリア性は、当該ガスバリア層を備えるガスバリア層フィルムとして、ガスバリア性を評価した場合に、水蒸気透過率が100g/m2/day〜107g/m2/dayの範囲内であることが好ましく、10−2g/m2/day〜10−5g/m2/dayの範囲内であることが好ましい。ここで、上記ガスバリア層フィルムは、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法等によって作製することができる。
なお、水蒸気透過率の測定装置としては、水蒸気透過率が100g/m2/day〜10−4g/m2/dayの範囲内であるときは、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製 AQUATRAN(登録商標))を用いて測定することができる。一方、水蒸気透過率が10−4g/m2/day以下のときは、カルシウム腐食法を用いて測定することができる。
上記第1態様のガスバリア層として、本発明に好適に用いられるものとしては、後述する樹脂製基板上に有機化合物を含有する有機層と、無機化合物を含有する無機層と、が順不同で積層された構成を有するものを挙げることができる。このようなガスバリア層は、上記無機層がガスバリア性を示し、かつ上記有機層が本発明のメッシュ電極基板が湾曲された状態で用いられた場合に、上記無機層にクラック等が生じることを防止できることから、ガスバリア性を備えつつ、破損されにくいガスバリア層を得ることができるという利点を有する。
また、上記有機層および無機層がこの順で上記樹脂製基板上に積層された場合には、無機層と樹脂製基板とを接着することができるため、ガスバリア層と樹脂製基板との接着性に優れたメッシュ電極基板を得ることができるという利点がある。さらに、この場合は無機層が有機層上に形成されることになり、有機層によって樹脂製基板の表面が平坦化されるので、より均質な無機層を形成できる結果、ガスバリア性に優れるガスバリア層を形成することができるという利点もある。
上記第2態様のガスバリア層として本発明に好適に用いられるものとしては、例えば、有機化合物および無機化合物を含有する有機−無機ハイブリッド膜からなるものを挙げることができる。ガスバリア層がこのような構成を有する場合、上記無機化合物がガスバリアを発現し、かつ上記有機化合物が本発明のメッシュ電極基板が湾曲された状態で用いられた場合に、上記ガスバリア層にクラック等が生じることを防止できることから、ガスバリア性を備えつつ、破損されにくいメッシュ電極基板を得ることができる。また、ガスバリア層に有機化合物が含有されることにより、ガスバリア層と樹脂製基板との接着性を向上させることができるため、ガスバリア層と樹脂製基板との接着性に優れたメッシュ電極基板を得ることができる。
なお、上記有機‐無機ハイブリッド膜が上記のようなコーティング剤をコーティングしてなるものであることは、フィールドエミッション透過電子顕微鏡分析、エネルギー分散型X線分光で無機粒子の種類と粒子径、TOF−SIMS分析で高分子側鎖の残鎖、X線光電子分光分析により評価することができる。
次に、本発明に用いられる樹脂製基板について説明する。本発明に用いられる樹脂製基板は、樹脂材料からなるものであれば特に限定されるものではない。また、本発明に用いられる樹脂製基板は、本発明のメッシュ電極基板の用途等に応じて適宜選択されるものである。したがって、本発明の電極基板の用途によっては、樹脂製基板は透明性を有するものであってもよく、あるいは不透明なものであってもよい。
次に、本発明に用いられる導電層について説明する。本発明に用いられる導電層は、上記樹脂製基板上に形成されるものであり、メッシュ状に形成されたものである。本発明に用いられる導電層を構成する材料としては、電極としての機能を有する導電層を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、本発明のメッシュ電極基板の用途等に応じて適宜選択して用いることができる。中でも本発明においては、通常、導電性に優れるという観点から、金属材料からなる導電層が用いられることが好ましい。上記金属材料としては、例えば、チタン、アルミ、鉄、ニッケル、鉄−ニッケル合金、銅、銅−ニッケル合金、ニオブ、タングステン、タンタル、クロム、ステンレス系合金等を挙げることができる。
なお、上記導電層が、ヨウ素を含有する酸化還元対に対して耐性を有するかについては、ヨウ素を含む電解質溶液に500h浸漬させ、重量変化を測定することにより評価することができる。この場合、導電層が腐食した場合には、導電層が溶解(イオン化)し、重量が減少することになる。
上記第1の方法において、開口部が形成されていない導電層を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法(抵抗加熱、誘電加熱、EB加熱方式)、化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)等を挙げることができる。また、より厚みの大きい導電層を形成することが必要な場合には、予め別工程で形成しておいた導電層を、接着層等を介して貼り付ける方法なども用いることができる。また、上記第1の方法において、導電層に開口部を形成してメッシュ状にする方法としては、例えば、ドライエッチングやウェットエッチング等を挙げることができる。
一方、上記第2の方法としては、導電性材料をペースト化して印刷する方法を用いることができる。この場合に用いられる印刷法としては、メッシュ状の導電層を形成しやすいという観点から、例えば、スクリーン印刷またはグラビア印刷が好ましく用いられる。
次に、本発明に用いられる透明電極層について説明する。本発明に用いられる透明電極層としては、透明性を有し、所定の導電性を有する材料からなるものであれば特に限定されるものではない。このような透明電極層としては、例えば、導電性高分子材料や金属酸化物等からなるものを挙げることができる。上記金属酸化物としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、本発明のメッシュ電極基板が色素増感型太陽電池を作製するために用いられるものである場合は、太陽光に対して透過性を有するものであることが好ましい。これにより、本発明のメッシュ電極基板を用いて作製された色素増感型太陽電池において、メッシュ電極基板側から太陽光を受光することができるようになるからである。このような太陽光に対する透過性を有する金属酸化物としては、例えば、SnO2、ZnO、酸化インジウムにスズを添加した化合物(ITO)、フッ素ドープしたSnO2(以下、FTOと称する。)、酸化インジウムに酸化亜鉛を添加した化合物(IZO)を挙げることができる。一方、上記導電性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PA)、ポリピロール、またはこれらの誘導体などを挙げることができる。また、これらを2種以上混合して用いることもできる。
本発明のメッシュ電極基板は、少なくとも上記ガスバリア層、樹脂製基板、導電層、および透明樹脂層を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。本発明に用いられる他の構成としては、本発明のメッシュ電極基板の用途に応じて、所定の機能を有するものを適宜選択して用いることができ、特に限定されるものではない。このような構成としては、例えば、本発明のメッシュ電極基板が色素増感型太陽電池を作製するために用いられるものである場合に、上記樹脂製基板の上記導電層および透明電極層が形成された側の最表面に形成された触媒層を挙げることができる。このような触媒層が形成されていることにより、本発明のメッシュ電極基板を用いて作製した色素増感型太陽電池の光電変換効率を向上できるという利点がある。
次に、本発明の色素増感型太陽電池について説明する。上述したように本発明の色素増感型太陽電池は、上記本発明に係るメッシュ電極基板と、メッシュ電極基板の上記導電層が形成された側に配置され、対極としての機能を有する色素増感型太陽電池用電極基板と、上記メッシュ電極基板上、または上記色素増感型太陽電池用電極基板上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有する多孔質層と、上記メッシュ電極基板と、上記色素増感型太陽電池用電極基板との間に形成され、酸化還元対を含有する電解質層とを有することを特徴とするものである。このような本発明の色素増感型太陽電池は、上記多孔質層が形成される位置が、上記メッシュ電極基板上か、または上記色素増感型太陽電池用電極基板上かによって、2態様に分けることができる。
一方、図4(a)、(b)は、上記色素増感型太陽電池用電極基板上に上記多孔質層が形成された態様(第2態様)の色素増感型太陽電池の一例を示す概略断面図である。図4(a)、(b)に例示するように、本態様の色素増感型太陽電池30は、メッシュ電極基板10と、上記メッシュ電極基板10の導電層13が形成された側に配置された色素増感型太陽電池用電極基板20と、上記色素増感型太陽電池用電極基板上20上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有する多孔質層31と、上記メッシュ電極基板10および上記色素増感型太陽電池用電極基板20の間に形成され、酸化還元対を含有する電解質層32とを有するものである。
以下、本発明に用いられる各構成について順に説明する。
本発明に用いられるメッシュ電極基板は、上記本発明に係るものである。したがって、本発明に用いられるメッシュ電極基板については、上記「A.メッシュ電極基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられる色素増感型太陽電池用電極基板は、上記メッシュ電極基板の導電層が形成された側に配置されるものであり、本発明の色素増感型太陽電池において、上記メッシュ電極基板に対向する対極として機能するものである。このような色素増感型太陽電池用電極基板としては、対極として機能するものであれば特に限定されるものではなく、金属材料からなる金属層のみから構成されるものであってもよく、あるいは任意の基板上に電極層が形成された構成を有するものであってもよい。
本発明に用いられる多孔質層は、色素増感剤が表面に坦持された金属酸化物半導体微粒子を含むものである。また、上述したように、上記多孔質層は上記メッシュ電極基板上、または色素増感型太陽電池用電極基板上のいずれか一方に形成されるものである。
上記金属酸化物半導体微粒子としては、半導体特性を備える金属酸化物からなるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、TiO2、ZnO、SnO2、ITO、ZrO2、MgO、Al2O3、CeO2、Bi2O3、Mn3O4、Y2O3、WO3、Ta2O5、Nb2O5、La2O3等を挙げることができる。なかでも上記金属酸化物半導体微粒子としては、TiO2が用いられることが好ましい。TiO2は、特に半導体特性に優れるからである。また、上記金属酸化物半導体微粒子の平均粒径としては、通常、1nm〜10μmの範囲内が好ましく、特に10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。
上記色素増感剤としては、光を吸収して起電力を生じさせることが可能なものであれば、特に限定されるものではない。このような色素増感剤としては、有機色素または金属錯体色素を挙げることができる。上記有機色素としては、アクリジン系、アゾ系、インジゴ系、キノン系、クマリン系、メロシアニン系、フェニルキサンテン、インドリン、カルバゾール系の色素が挙げられる。本発明においてはこれらの有機色素の中でも、クマリン系色素が用いられることが好ましい。また、上記金属錯体色素としてはルテニウム系色素が用いられることが好ましく、特にルテニウム錯体であるルテニウムビピリジン色素およびルテニウムターピリジン色素が用いられることが好ましい。このようなルテニウム錯体は吸収する光の波長範囲が広いため、光電変換できる光の波長領域を大幅に広げることができるからである。
上記多孔質層には、上記金属酸化物半導体微粒子の他に任意の成分が含まれていてもよい。このような任意の成分としては、例えば、樹脂を挙げることができる。上記多孔質層に樹脂が含有されることにより、多孔質層の脆性を改善することができる。このような樹脂としては、例えば、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カプロラクタン等を挙げることができる。
上記多孔質層の厚みは、通常、1μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、特に3μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
本発明に用いられる電解質層は、酸化還元対を含むものである。上記酸化還元対としては、一般的に色素増感型太陽電池の電解質層に用いられているものであれば、特に限定されるものではない。中でも本発明に用いられる酸化還元対は、ヨウ素およびヨウ化物の組合せ、臭素および臭化物の組合せであることが好ましい。ここで、上記ヨウ素およびヨウ化物の組合せとしては、例えば、LiI、NaI、KI、CaI2等の金属ヨウ化物と、I2との組合せを挙げることができる。また、上記臭素および臭化物の組合せとしては、例えば、LiBr、NaBr、KBr、CaBr2等の金属臭化物と、Br2との組合せを挙げることができる。
本発明の色素増感型太陽電池は、モジュール化されているものであってもよい。本発明の色素増感型太陽電池がモジュール化されている態様としては、一対のメッシュ電極基板、および色素増感型太陽電池用電極基板の間に複数の色素増感型太陽電池セルが形成されている態様であってもよく、または本発明の色素増感型太陽電池が複数個連結された態様であってもよい。
樹脂製基板として、100mm角のPEN(Q65FA 帝人デュポン社製)を用い、当該樹脂製基板上にスパッタ法によって厚み500nmのTi膜を形成した後、当該Ti膜を開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にエッチングすることにより厚み500nmのメッシュ状の導電層を形成した。ここで、開口幅とは、六角形中の平行関係に位置する二辺間の距離のうち、最も距離の長い部分の距離を意味するものとする。
次に、上記樹脂製基板の導電層が形成されていない面上に、有機化合物としてウレタンアクリレートを50質量部、ビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシアクリレート(重量平均分子量2000)20質量部、トリシクロデカンジアクリレート30質量部、重合開始剤として2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン 2質量部を混合溶解することによって得られた紫外線硬化性樹脂を含有する有機層を厚み1μmで形成し、紫外線照射により硬化させた。さらに、有機層上に、スパッタ法を用いてSiO2膜を厚み100nmで形成した。次に、上記導電層上に、透明電極層としてITO膜(厚み150nm)をスパッタ法で形成した。さらに、上記ITO膜上にPEDOTPSS(POLY(3,4−ETHYLENEDIOXYTHIOPHENE) POLY(STYRENESULFONATE))2%水分散液を塗工量0.3g/m2(固形分)になるように塗布し、120℃で10分乾燥させることにより、触媒層を形成した。
このような方法によりメッシュ電極基板1を作製した。
樹脂製基板として、100mm角のPEN(Q65FA 帝人デュポン社製)を用い、当該樹脂製基板上にスパッタ法で厚み500nmのTi膜を形成した後、当該Ti膜を開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にエッチングすることにより厚み500nmのメッシュ状の導電層を形成した。ここで、開口幅とは、六角形中の平行関係に位置する二辺間の距離のうち、最も距離の長い部分の距離を意味するものとする。次に、上記樹脂製基板の導電層が形成されていない裏面に、有機層として、フルオレン系カルド樹脂(新日鐵化学(株)製、V−259REH)を厚み1μmで形成し、さらに、その上に無機層として、スパッタ法を用いてSiO2膜を厚み100nmで形成した。次に、上記導電層上に透明電極層として、ITO膜(厚み150nm)をスパッタ法で形成した。さらに、上記ITO膜上に、PEDOTPSS(POLY(3,4−ETHYLENEDIOXYTHIOPHENE)POLY(STYRENESULFONATE))2%水分散液を塗工量0.3g/m2(固形分)になるように塗布し、120℃で10分乾燥させることにより、触媒層を形成した。
このような方法によりメッシュ電極基板2を作製した。
樹脂製基板として、100mm角のPEN(Q65FA 帝人デュポン社製)を用い、当該樹脂製基板上に、無機層として厚み10μmのSUS304をドライラミ材を用いて貼り合わせた。その後、上記SUS304を、開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にエッチングすることにより、厚み10μmのメッシュ状の導電層を形成した。ここで、開口幅とは、六角形中の平行関係に位置する二辺間の距離のうち、最も距離の長い部分の距離を意味するものとする。
次に、上記樹脂製基板の導電層が面上に、有機層として、フルオレン系カルド樹脂(新日鐵化学(株)製、V−259REH)を厚み1μmで積層し、さらに、その上に無機層としてスパッタ法を用いてSiO2膜を厚み100nmで形成した。次に、上記導電層上にITO膜(厚み150nm)をスパッタ法で形成した。さらに、上記ITO膜上にPEDOTPSS(POLY(3,4−ETHYLENEDIOXYTHIOPHENE)POLY(STYRENESULFONATE))2%水分散液を塗工量0.3g/m2(固形分)になるように塗布し、120℃で10分乾燥させることにより、触媒層を形成した。
このような方法によりメッシュ電極基板3を作製した。
100mm格のPEN(Q65FA 帝人デュポン製)上に、ウレタンアクリレートを50質量部、ビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシアクリレート(重量平均分子量2000)20質量部、トリシクロデカンジアクリレート30質量部、重合開始剤として2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン 2質量部を混合溶解することによって得られたものを厚み1μmで積層し、紫外線照射により硬化させた。その上に、スパッタ法を用いてSiO2膜を厚み100nmで形成した。次に、その上に、厚み500nmのTi膜をスパッタ法で形成した後、当該Ti膜を、開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にエッチングすることにより厚み500nmのメッシュ状の導電層を形成した。次に、上記導電層上にITO膜(厚み150nm)をスパッタ法で用いて形成した。さらに、上記ITO膜上にPEDOTPSS(POLY(3,4−ETHYLENEDIOXYTHIOPHENE)POLY(STYRENESULFONATE))2%水分散液を塗工量0.3g/m2(固形分)になるように塗布し、120℃で10分乾燥させることにより、触媒層を形成した。
このようにしてメッシュ電極基板4を作製した。
作製したメッシュ電極基板の水蒸気透過率を測定した結果、メッシュ電極1,2は10−4g/m2/dayレベルであり、メッシュ電極3,4は10−2g/m2/dayレベルであった。なお測定は、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製 AQUATRAN(登録商標))によって行った。
一方、メッシュ電極基板1および4を用いて作製した色素増感型太陽電池を対象として、85℃100時間の耐久性評価を行った結果、メッシュ電極基板1を用いた色素増感型太陽電池では95%の性能維持率であった。メッシュ電極基板4を用いた色素増感型太陽電池は平坦化樹脂の劣化によりメッシュが剥離し、性能維持率は10%であった。また、劣化後の基板を洗浄したところ、平坦化樹脂が黄色に変色していることを確認した。
11 … 樹脂製基板
12 … ガスバリア層
13 … 透明電極層
14 … 導電層
15 … 触媒層
20 … 色素増感型太陽電池用電極基板
30 … 色素増感型太陽電池
31 … 多孔質層
32 … 電解質層
Claims (4)
- 樹脂製基板と、
前記樹脂製基板上に形成され、ガスバリア性を有するガスバリア層と、
前記樹脂製基板の前記ガスバリア層が形成された面とは、反対面上に順不同で形成された透明電極層、およびメッシュ状に形成された導電層と、
を有することを特徴とする、メッシュ電極基板。 - 前記ガスバリア層が、前記樹脂製基板上に有機化合物を含有する有機層と、無機化合物を含有する無機層と、が順不同で積層された構成を有するものであることを特徴とする、請求項1に記載のメッシュ電極基板。
- 前記ガスバリア層が、有機化合物および無機化合物を含有する有機−無機ハイブリッド膜からなるものであることを特徴とする、請求項1に記載のメッシュ電極基板。
- 請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のメッシュ電極基板と、
前記メッシュ電極基板の前記導電層が形成された側に配置され、対極としての機能を有する色素増感型太陽電池用電極基板と、
前記メッシュ電極基板上、または前記色素増感型太陽電池用電極基板上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有する多孔質層と、
前記メッシュ電極基板と、前記色素増感型太陽電池用電極基板との間に形成され、酸化還元対を含有する電解質層と、
を有することを特徴とする、色素増感型太陽電池。
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