JP2012064454A - メッシュ電極基板、および色素増感型太陽電池 - Google Patents

メッシュ電極基板、および色素増感型太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】例えば、色素増感型太陽電池を作製するために用いた場合に、経時劣化の問題が少ない色素増感型太陽電池を作製することができる、メッシュ電極基板を提供することを主目的とする。
【解決手段】樹脂製基板と、上記樹脂製基板上に形成され、ガスバリア性を有するガスバリア層と、上記樹脂製基板の上記ガスバリア層が形成された面とは反対面上に順不同で形成された透明電極層、およびメッシュ状に形成された導電層とを有することを特徴とする、メッシュ電極基板を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、メッシュ電極基板、およびメッシュ電極基板を備える色素増感型太陽電池に関するものである。
近年、二酸化炭素の増加が原因とされる地球温暖化等の環境問題が深刻となり、世界的にその対策が進められている。中でも環境に対する負荷が小さく、省エネおよびCO削減に寄与できるクリーンなエネルギー源として、太陽光エネルギーを利用した太陽電池に関する積極的な研究開発が進められている。このような太陽電池としては、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、および化合物半導体太陽電池などが既に実用化されているが、これらの太陽電池は製造コストが高い等の問題がある。そこで、環境負荷が小さく、かつ製造コストを削減できる太陽電池として、色素増感型太陽電池や有機薄膜型太陽電池等の有機系太陽電池が注目され、研究開発が進められている。
色素増感型太陽電池セルの一般的な構成の一例を図5に示す。図5に例示するように、一般的な色素増感型太陽電池セル100は、第1基材111上に、第1電極層112および色素増感剤を担持した金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層113がこの順で積層された酸化物半導体電極110と、第2基材121上に第2電極層122が形成された対向電極基材120との間に、酸化還元対を有する電解質層101がシール材102の内側に形成された構成を有するものである。そして、金属酸化物半導体微粒子の表面に吸着した色素増感剤の電子が、第1基材111側から太陽光を受光することによって励起され、励起された電子が第1電極層へ伝導し、外部回路を通じて第2電極層へ伝導される。その後、酸化還元対を介して色素増感剤の基底準位に電子が戻ることよって発電するものである。このような色素増感型太陽電池としては、上記多孔質層を多孔質二酸化チタンから構成し、色素増感剤の含有量を増加させたグレッチェルセルが代表的であり、発電効率の高い色素増感型太陽電池として広く研究の対象となっている。
上述したような酸化物半導体電極が用いられた色素増感型太陽電池においては、第1基材側からの入射光を妨げることがないように上記第1電極層として透明な材料が用いられることが一般的である。そして、このような材料としては、ITO(インジウムスズ酸化物)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)等の金属酸化物が主に用いられるのが通常である。しかしながら、このような金属酸化物は電気抵抗が十分に低いものではないことから、第1電極層の電気抵抗に起因して色素増感型太陽電池の光電変換効率が低下してしまうという問題点が指摘されていた。このような問題に対し、特許文献1、2には、電極層に接するように補助電極としてメッシュ状の導電層を形成することにより、光電変換効率を改善する方法が開示されている。このようなメッシュ状(網の目状)の導電層が形成された電極基板(以下、「メッシュ電極基板」と称する場合がある。)を用いる方法は、色素増感型太陽電池の光電変換効率を改善する方法として、有用な方法である。
また、補助電極を形成して電気抵抗を低くさせたメッシュ電極基板は、色素増感型太陽電池の電極基板以外にも、太陽電池、画像表示装置、照明装置等の電極基板、あるいはパーソナルコンピュータや携帯電話等の電磁波吸収シートとして用いられている。
ところで、従来、上記色素増感型太陽電池としては、上記第1基材および上記第2基材にガラス基板を用いたものが主流であったが、近年では上記第1基板および第2基板に樹脂製基板を用い、全体としてフレキシブル性を有する色素増感型太陽電池が注目されている。しかしながら、フレキシブル性を有する色素増感型太陽電池は、軽量であり、また製造しやすいという利点があるが、一方で、従来のガラス基板が用いられていた場合には問題となることが少なかった、経時劣化の問題が指摘されている。この問題は、主としてガラス基板に代わって用いられるようになった樹脂製基板が、水蒸気等のガス透過性を有することに起因するものである。すなわち、色素増感型太陽電池はその内部に水分が侵入すると劣化してしまうという性質を有するものであるところ、ガラス基板は水蒸気等に対するガスバリア性が非常に優れていることから、ガラス基板が用いられた色素増感型太陽電池においては、水蒸気等に起因する経時劣化の問題は生じにくかった。しかしながら、樹脂製基板は水蒸気等のガス透過性を示すことから、樹脂製基板を通して水蒸気等のガスが色素増感型太陽電池の内部に侵入してしまうことにより、経時劣化の問題が発生しやすくなっていることが指摘されている。
このような、経時劣化の問題点を改善するために、色素増感型太陽電池に用いられる樹脂製基板については、ガスバリア層を積層して使用することが知られている(例えば、特許文献3)。このように、色素増感型太陽電池に用いられる樹脂製基板にガスバリア層を積層して用いることは、上述した経時劣化の問題点を改善するために有用な方法の一つであるといえる。そして、素子内部への水蒸気等の侵入をより効果的に防止し、ガスバリア層を形成したことによる経時劣化防止効果を最大限に発現させるため、樹脂製基板にガスバリア層を積層する場合には、樹脂製基板の表面のうち、色素増感型太陽電池を作製した場合に、色素増感型太陽電池の素子の内側に向く表面上にガスバリア層を形成することが一般的である。しかしながら、色素増感型太陽電池においては、素子の内部において樹脂製基板の表面が電解質層に晒されることになるため、素子の内側に向く表面上にガスバリア層が形成された場合は、ガスバリア層が電解質層によって劣化されてしまい、結果としてガスバリア層を形成したことによる効果が十分に発揮できないという問題点があった。
また、メッシュ電極基板の透明電極層や導電層の上にガスバリア層を形成する場合には、ガスバリア層を形成するための下地の平坦性が不十分なためにガスバリア層が十分な性能を発揮できないおそれがある。その一方で、ガスバリア層の上に透明電極層や導電層を形成する場合には、透明電極層や導電層を形成する過程でガスバリア層に欠陥が生じてガスバリア性が低下するおそれがあるという問題点も指摘されていた。
特開2003−203681号公報 特開2004−296669号公報 特開2005−108467号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ガスバリア層を備えるメッシュ電極基板であって、ガスバリア性が良好なメッシュ電極基板を提供すること、また、色素増感型太陽電池を作製するために用いた場合に、経時劣化の問題が少ない色素増感型太陽電池を作製することができる、メッシュ電極基板を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、樹脂製基板と、上記樹脂製基板上に形成され、ガスバリア性を有するガスバリア層と、上記樹脂製基板の上記ガスバリア層が形成された面とは反対面上に、順不同で形成された透明電極層、およびメッシュ状に形成された導電層とを有することを特徴とする、メッシュ電極基板を提供する。
本発明によれば、上記ガスバリア層が、上記樹脂製基板の上記透明電極および上記導電層が形成された面とは反対面上に形成されていることにより、ガスバリア性が良好であり、例えば、本発明のメッシュ電極基板を用いて色素増感型太陽電池を作製した場合に、上記ガスバリア層は、色素増感型太陽電池の素子の内部ではなく、外側に配置されることになる。このため、本発明のメッシュ電極基板を用いて作製される色素増感型太陽電池においては、電解質層の影響により上記ガスバリア層が劣化することがなく、ガスバリア性が優れるという利点がある。
よって、本発明によれば、例えば、色素増感型太陽電池を作製するために用いた場合に、経時劣化の問題が少ない色素増感型太陽電池を作製することができる。
本発明においては、上記ガスバリア層が、上記樹脂製基板上に有機化合物を含有する有機層と、無機化合物を含有する無機層と、が順不同で積層された構成を有するものであってもよい。上記ガスバリア層がこのような構成を有する場合、上記無機層はガスバリア性を示し、かつ上記有機層は本発明のメッシュ電極基板が湾曲された状態で用いられた場合に、上記無機層にクラック等が生じることを防止できる。したがって、上記ガスバリア層がこのような構成を有することにより、ガスバリア性を備えつつ、破損されにくいメッシュ電極基板を得ることができる。また、上記有機層および無機層がこの順で上記樹脂製基板上に積層された場合には、上記有機層が無機層と樹脂製基板とを接着することができるため、ガスバリア層と樹脂製基板との接着性に優れたメッシュ電極基板を得ることができる。さらに、この場合は無機層が有機層上に形成されることになり、有機層によって樹脂製基板の表面が平坦化されるので、より均質な無機層を形成できる結果、ガスバリア性に優れるガスバリア層を形成することができるという利点もある。
また本発明においては、上記ガスバリア層が、有機化合物および無機化合物を含有する有機−無機ハイブリッド膜からなるものであってもよい。上記ガスバリア層がこのような構成を有する場合、本発明におけるガスバリア層において、上記無機化合物がガスバリアを発現し、かつ上記有機化合物が本発明のメッシュ電極基板が湾曲された状態で用いられた場合に、上記ガスバリア層にクラック等が生じることを防止できることから、ガスバリア性を備えつつ、破損されにくいメッシュ電極基板を得ることができる。また、ガスバリア層に有機化合物が含有されることにより、ガスバリア層と樹脂製基板との接着性を向上させることができるため、ガスバリア層と樹脂製基板との接着性に優れたメッシュ電極基板を得ることができる。
本発明は、上記本発明に係るメッシュ電極基板と、メッシュ電極基板の上記導電層が形成された側に配置され、対極としての機能を有する色素増感型太陽電池用電極基板と、上記メッシュ電極基板上、または上記色素増感型太陽電池用電極基板上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有する多孔質層と、上記メッシュ電極基板と、上記色素増感型太陽電池用電極基板との間に形成され、酸化還元対を含有する電解質層とを有することを特徴とする、色素増感型太陽電池を提供する。
本発明によれば、上記本発明に係るメッシュ電極基板が用いられていることにより、経時劣化の問題が少ない色素増感型太陽電池を得ることができる。
本発明のメッシュ電極基板は、ガスバリア性を良好であるという効果を奏する。また、色素増感型太陽電池を作製するために用いた場合に、経時劣化の問題が少ない色素増感型太陽電池を作製することができるという効果を奏する。また、本発明の色素増感型太陽電池は、経時劣化の問題が少ないという効果を奏する。
本発明のメッシュ電極基板の一例を示す概略断面図である。 本発明のメッシュ電極基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の色素増感型太陽電池の一例を示す概略断面図である。 本発明の色素増感型太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 一般的な色素増感型太陽電池を示す概略断面図である。
本発明は、メッシュ電極基板と、色素増感型太陽電池とに関するものである。以下、これらの発明について順に説明する。
A.メッシュ電極基板
まず、本発明のメッシュ電極基板について説明する。上述したように本発明のメッシュ電極基板は、樹脂製基板と、上記樹脂製基板上に形成され、ガスバリア性を有するガスバリア層と、上記樹脂製基板の上記ガスバリア層が形成された面とは反対面上に順不同で形成された透明電極層、およびメッシュ状に形成された導電層とを有することを特徴とするものである。
このような本発明のメッシュ電極基板について、図を参照しながら説明する。図1(a)、(b)は、本発明のメッシュ電極基板の一例を示す概略断面図である。図1(a)、(b)に例示するように、本発明のメッシュ電極基板10は、樹脂製基板11と、上記樹脂製基板11上に形成され、ガスバリア性を有するガスバリア層12と、上記樹脂製基板11の上記ガスバリア層12が形成された面とは反対面上に形成された透明電極層13、およびメッシュ状に形成された導電層14とを有することを特徴とするものである。また、本発明における透明電極層13および導電層14は、図1(a)に例示するように、透明電極層13および導電層14の順で上記樹脂製基板11上に積層されていてもよく、または図1(b)に例示するように、導電層14および透明電極層13の順で上記樹脂製基板11上に積層されていてもよい。
本発明のメッシュ電極基板の用途は特に限定されるものではないが、特に色素増感型太陽電池を作製するために好適に用いられるものである。本発明のメッシュ電極基板を用いて作製される色素増感型太陽電池の構成は、特に限定されるものではないが、通常は、本発明のメッシュ電極基板と、上記メッシュ電極基板の上記導電層が形成された側に配置され、対極としての機能を有する色素増感型太陽電池用電極基板と、上記メッシュ電極基板上、または上記色素増感型太陽電池用電極基板上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有する多孔質層と、上記メッシュ電極基板と、上記色素増感型太陽電池用電極基板との間に形成され、酸化還元対を含有する電解質層と、を有するものとなる。
なお、このような色素増感型太陽電池の詳細にについては、後述する「B.色素増感型太陽電池」の項において詳述するため、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、上記ガスバリア層が、上記樹脂製基板の上記透明電極および上記導電層が形成された面とは反対面上に形成されていることにより、ガスバリア性が良好であり、例えば、本発明のメッシュ電極基板を用いて色素増感型太陽電池を作製した場合に、上記ガスバリア層は、色素増感型太陽電池の素子の内部ではなく、外側に配置されることになる。このため、本発明のメッシュ電極基板を用いて作製される色素増感型太陽電池においては、電解質層の影響により上記ガスバリア層が劣化することがなく、ガスバリア性が優れるという利点がある。
本発明のメッシュ電極基板は、少なくとも樹脂製基板、ガスバリア層、透明電極層、および導電層を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本発明に用いられる各構成について順に説明する。
1.ガスバリア層
まず、本発明に用いられるガスバリア層について説明する。本発明に用いられるガスバリア層は、後述する樹脂製基板上に形成されるものであり、ガスバリア性を示すものである。本発明に用いられるガスバリア層としては、一定のガスバリア性を示すものであれば特に限定されるものではなく、任意の構成からなるガスバリア層を用いることができる。本発明に用いられるガスバリア層が備えるガスバリア性の程度については、本発明のメッシュ電極基板の用途等に応じて適宜決定されるものであり、特に限定されるものではないが、本発明のメッシュ電極基板を色素増感型太陽電池を作製するために用いる場合、上記ガスバリア層のガスバリア性は、当該ガスバリア層を備えるガスバリア層フィルムとして、ガスバリア性を評価した場合に、水蒸気透過率が10g/m/day〜10g/m/dayの範囲内であることが好ましく、10−2g/m/day〜10−5g/m/dayの範囲内であることが好ましい。ここで、上記ガスバリア層フィルムは、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法等によって作製することができる。
なお、水蒸気透過率の測定装置としては、水蒸気透過率が10g/m/day〜10−4g/m/dayの範囲内であるときは、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製 AQUATRAN(登録商標))を用いて測定することができる。一方、水蒸気透過率が10−4g/m/day以下のときは、カルシウム腐食法を用いて測定することができる。
本発明に用いられるガスバリア層の構成は、所望のガスバリア性を実現できる構成であれば特に限定されるものではない。したがって、本発明に用いられるガスバリア層は複数層が積層された構成を有するもの(以下、「第1態様のガスバリア層」)であってもよく、または単一層からなる構成を有するもの(以下、「第2態様のガスバリア層」)であってもよい。本発明においてはこれらのいずれの構成を有するガスバリア層であっても、好適に用いることができる。
(1)第1態様のガスバリア層
上記第1態様のガスバリア層として、本発明に好適に用いられるものとしては、後述する樹脂製基板上に有機化合物を含有する有機層と、無機化合物を含有する無機層と、が順不同で積層された構成を有するものを挙げることができる。このようなガスバリア層は、上記無機層がガスバリア性を示し、かつ上記有機層が本発明のメッシュ電極基板が湾曲された状態で用いられた場合に、上記無機層にクラック等が生じることを防止できることから、ガスバリア性を備えつつ、破損されにくいガスバリア層を得ることができるという利点を有する。
また、上記有機層および無機層がこの順で上記樹脂製基板上に積層された場合には、無機層と樹脂製基板とを接着することができるため、ガスバリア層と樹脂製基板との接着性に優れたメッシュ電極基板を得ることができるという利点がある。さらに、この場合は無機層が有機層上に形成されることになり、有機層によって樹脂製基板の表面が平坦化されるので、より均質な無機層を形成できる結果、ガスバリア性に優れるガスバリア層を形成することができるという利点もある。
本発明に用いられるガスバリア層が、有機層および無機層が積層された構成を有する場合、上記有機層に含有される有機化合物としては、無機層と積層することができる有機層を形成することができるものであれば特に限定されるものではない。このような有機化合物としては、天然樹脂や合成樹脂を用いることができるが、紫外線硬化性樹脂、可視光線硬化性樹脂、近赤外線硬化性樹脂、赤外線等硬化性樹脂などの光硬化性樹脂が用いられることが好ましい。下層との密着性が高くなるからである。また、有機層の形成速度の向上を図ることができるからである。このような有機化合物の具体例としては、例えば、溶剤性または水溶性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、変性スチレン樹脂、カルド樹脂、変性シリコン樹脂及びアルキルチタネート等を挙げることができる。また、本発明に用いられる有機化合物は、1種類のみであってもよく、または2種類以上であってもよい。本発明においてはこれらのいずれの有機化合物であっても好適に用いることができるが、なかでもアクリル樹脂、カルド樹脂が用いられることが好ましい。これらの樹脂は、無機化合物との密着性に優れており、光透過性が高いからである。
ここで、紫外線硬化性樹脂等の光硬化性樹脂に関しては、高感度化、露光時間の短縮化のために光重合開始剤を用いることが一般的であるところ、当該光重合開始剤を必要する光硬化性樹脂については、当該光重合開始剤等の影響により、ヨウ素を含有する酸化還元対に対する耐性を有さない場合がある。したがって、従来のようにガスバリア層が色素増感型太陽電池の内側に配置される場合には、ガスバリア層に紫外線硬化性樹脂を用いることは困難であった。しかしながら、本発明のメッシュ電極基板を用いて作製される色素増感型太陽電池においては、ガスバリア層が色素増感型太陽電池の外側に配置されるため、上記有機化合物として紫外線硬化性樹脂等の光硬化性樹脂であっても何ら制約なく用いることができる。
上記有機層の厚みは特に限定されるものではないが、通常、0.005μm〜5μmの範囲内であることが好ましく、0.01μm〜1μmの範囲内であることがより好ましい。5μmを超える膜厚では、滑り性が悪くなったり、有機層の内部応力により樹脂製基板又は無機層から剥離し易くなったりする場合があるからである。また、0.005μmに満たない膜厚では、均一な膜厚とならない可能性があり、有機層の役割を十分に果たせない場合が生じるからである。
上記有機層を形成する方法としては、上述した有機化合物を含有する有機層形成用塗工液を調製し、これを、例えば、ダイコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、スロットダイコート、スライドダイコート、ディップコート、マイクロバーコート、マイクロバーリバースコート、オフセットコート、スクリーン印刷(ロータリー方式)等の一般的に公知の方法で塗布する方法を挙げることができる。
一方、上記無機層としては、所望のガスバリア性を示すガスバリア層を形成することができる無機化合物を含有するものであれば特に限定されるものではない。このような無機化合物としては、例えば、珪素、アルミニウム、珪素、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン、またはこれらの混合物等を挙げることができる。これらの無機化合物は、酸化物、炭化物、窒化物またはそれらの混合物として使用される。また、本発明に用いられる無機化合物は1種類のみであってもよく、また2種類以上であってもよい。本発明においては、上記のいずれの無機化合物であっても好適に用いることができるが、なかでも珪素またはアルミニウムの酸化物、炭化物、窒化物またはそれらの混合物が用いられることが好ましい。珪素またはアルミニウムは、安価でかつ成膜が容易であり、良好なガスバリア性を有する層を形成することが出来るからである。
上記無機層の厚みとしては、上述した無機化合物の種類等に応じて、所望のガスバリア性を発現できるガスバリア層を形成できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、通常、0.1nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、0.5nm〜40nmの範囲内であることがより好ましく、1nm〜30nmの範囲内であることがさらに好ましく、3nm〜20nmの範囲内であることが特に好ましい。無機層の厚みが上記範囲よりも薄いと、十分なガスバリア性を有するガスバリア層が得られ難い場合があり、また、逆に無機層の厚みが厚すぎても無機層に亀裂や剥離が発生し易くなる場合があるからである。
上記無機層を形成する方法としては、例えば、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、CVD等の蒸着法や、コーティング法を挙げることができる。
(2)第2態様のガスバリア層
上記第2態様のガスバリア層として本発明に好適に用いられるものとしては、例えば、有機化合物および無機化合物を含有する有機−無機ハイブリッド膜からなるものを挙げることができる。ガスバリア層がこのような構成を有する場合、上記無機化合物がガスバリアを発現し、かつ上記有機化合物が本発明のメッシュ電極基板が湾曲された状態で用いられた場合に、上記ガスバリア層にクラック等が生じることを防止できることから、ガスバリア性を備えつつ、破損されにくいメッシュ電極基板を得ることができる。また、ガスバリア層に有機化合物が含有されることにより、ガスバリア層と樹脂製基板との接着性を向上させることができるため、ガスバリア層と樹脂製基板との接着性に優れたメッシュ電極基板を得ることができる。
上記有機−無機ハイブリッド膜からなるガスバリア層としては、所望のガスバリア性を示すものであれば特に限定されるものではないが、例えば、水酸基を有する水溶性高分子と、1種以上の金属アルコキシド及び加水分解物又は、塩化錫、の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤をコーティングすることによって形成されるものを挙げることができる。ここで、上記水酸基を有する水溶性高分子としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
なお、上記有機‐無機ハイブリッド膜が上記のようなコーティング剤をコーティングしてなるものであることは、フィールドエミッション透過電子顕微鏡分析、エネルギー分散型X線分光で無機粒子の種類と粒子径、TOF−SIMS分析で高分子側鎖の残鎖、X線光電子分光分析により評価することができる。
2.樹脂製基板
次に、本発明に用いられる樹脂製基板について説明する。本発明に用いられる樹脂製基板は、樹脂材料からなるものであれば特に限定されるものではない。また、本発明に用いられる樹脂製基板は、本発明のメッシュ電極基板の用途等に応じて適宜選択されるものである。したがって、本発明の電極基板の用途によっては、樹脂製基板は透明性を有するものであってもよく、あるいは不透明なものであってもよい。
本発明の電極基板が、色素増感型太陽電池を作製するために用いられるものである場合、樹脂製基板は、透明性を有する透明樹脂製基板であることが好ましい。透明樹脂基板が用いられることにより、本発明のメッシュ電極基板を用いて作製される色素増感型太陽電池において、当該メッシュ電極基板側から太陽光を受光することが可能になるからである。上記透明樹脂製基板の透明性としては、太陽光を透過することができるものであれば特に限定されるものではないが、全光線透過率80%以上であることがより好ましい。なお、上記全光線透過率は、JIS K7361-1:1997に準拠した測定方法により測定した値である。
上記樹脂製基板としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリカーボネート等、あるいはこれらの高分子の共重合体からなる基材を用いることができる。
また、本発明に用いられる樹脂製基板の厚みは、本発明のメッシュ電極基板に必要な自己支持性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではなく、樹脂製基板を構成する材料等に応じて適宜決定されるものであるが、通常、10μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、特に50μm〜1800μmの範囲内であることが好ましく、さらに100μm〜1500μmの範囲内であることが好ましい。
3.導電層
次に、本発明に用いられる導電層について説明する。本発明に用いられる導電層は、上記樹脂製基板上に形成されるものであり、メッシュ状に形成されたものである。本発明に用いられる導電層を構成する材料としては、電極としての機能を有する導電層を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、本発明のメッシュ電極基板の用途等に応じて適宜選択して用いることができる。中でも本発明においては、通常、導電性に優れるという観点から、金属材料からなる導電層が用いられることが好ましい。上記金属材料としては、例えば、チタン、アルミ、鉄、ニッケル、鉄−ニッケル合金、銅、銅−ニッケル合金、ニオブ、タングステン、タンタル、クロム、ステンレス系合金等を挙げることができる。
ここで、本発明のメッシュ電極基板が、色素増感型太陽電池を作製するために用いられるものである場合、本発明に用いられる導電層としては、色素増感型太陽電池の電解質層に含まれる酸化還元対に対する耐性を有するものであることが好ましい。特に、色素増感型太陽電池においては電解質層に、腐食性の高いヨウ素を含有する酸化還元対が用いられることが一般的であるため、本発明のメッシュ電極基板が色素増感型太陽電池を作製するために用いられるものである場合は、上記導電層を構成する材料として、当該ヨウ素を含有する酸化還元対に対して耐性を有するものが用いられることが好ましい。このような材料としては、例えば、チタン、アルミ、銅、または銅−ニッケル合金、ステンレス系合金を挙げることができる。
なお、上記導電層が、ヨウ素を含有する酸化還元対に対して耐性を有するかについては、ヨウ素を含む電解質溶液に500h浸漬させ、重量変化を測定することにより評価することができる。この場合、導電層が腐食した場合には、導電層が溶解(イオン化)し、重量が減少することになる。
本発明に用いられる導電層の厚みは、導電層を構成する材料に応じて、導電層の所望の電気抵抗値を所望の範囲内で適宜決定されるものであり、特に限定されるものではないが、通常、100nm〜1mmの範囲内であることが好ましく、300nm〜50μmの範囲内であることがより好ましく、500nm〜30μmの範囲内であることがさらに好ましい。厚みが上記範囲よりも薄いと、導電層の電気抵抗が大きくなりすぎてしまい、実質的に導電層が電極として機能しなくなる可能性があるからである。また、厚みが上記範囲よりも厚いと、導電層を構成する材料の種類によっては、製造効率が低下したり、製造コストが高くなる場合があるからである。
導電層がメッシュ状に形成されることによってメッシュ電極基板上に形成される開口部の形状は、特に限定されるものではなく、本発明のメッシュ電極基板の用途等に応じて適宜決定されるものであり特に限定されるものではないが、例えば、三角形、四角形、六角形などの多角形、円形、楕円形およびそれらの連続形状等を挙げることができる。
また、メッシュ電極基板上には複数の開口部が形成されているが、複数の開口部が形成されている態様としては、開口部の比率を所定の範囲内にできれば特に限定されるものではない。開口部の比率は、本発明の電極基板の用途等に応じて適宜決定されるものであり、特に限定されないが、通常、50%〜95%の範囲内であることが好ましい。上記開口部の比率が上記範囲に満たない場合、例えば、本発明のメッシュ電極基板を用いて作製された色素増感型太陽電池において、メッシュ電極基板側から太陽光を十分に受光することができないため、発電効率が低下する可能性があるからである。また、上記開口部の比率が上記範囲を超える場合は、導電層が電極としての機能を果たせなくなる可能性があるからである。
また、メッシュ電極基板上に形成された個々の開口部の大きさは、本発明のメッシュ電極基板の用途等に応じて適宜決定されるものであるが、開口幅が1μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜1000μmの範囲内であることがより好ましく、100μm〜500μmの範囲内であることがさらに好ましい。ここで、上記開口幅とは、メッシュ電極基板上に形成された個々の開口部において、最も幅が広い場所の距離をいう。
さらに、導電層の線幅は、線幅は、0.02μm〜10mmの範囲内であることが好ましく、1μm〜2mmの範囲内であることがより好ましく、特に10μm〜1mmの範囲内であることがさらに好ましい。
本発明に用いられる導電層は、上述した樹脂製基板上に後述する透明電極層と順不同で形成されたものである。したがって、樹脂製基板上に導電層および透明電極層がこの順で積層されていてもよく、または樹脂製基板上に透明電極層および導電層がこの順で積層されていてもよい。
本発明に用いられる導電層を形成する方法としては、構成材料の種類に応じて所定のメッシュ状に形成された導電層を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、開口部が形成されていない導電層を形成した後、当該導電層に開口部を形成してメッシュ状にする方法(第1の方法)や、メッシュ状の導電層を直接形成する方法を挙げることができる(第2の方法)。
上記第1の方法において、開口部が形成されていない導電層を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法(抵抗加熱、誘電加熱、EB加熱方式)、化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)等を挙げることができる。また、より厚みの大きい導電層を形成することが必要な場合には、予め別工程で形成しておいた導電層を、接着層等を介して貼り付ける方法なども用いることができる。また、上記第1の方法において、導電層に開口部を形成してメッシュ状にする方法としては、例えば、ドライエッチングやウェットエッチング等を挙げることができる。
一方、上記第2の方法としては、導電性材料をペースト化して印刷する方法を用いることができる。この場合に用いられる印刷法としては、メッシュ状の導電層を形成しやすいという観点から、例えば、スクリーン印刷またはグラビア印刷が好ましく用いられる。
4.透明電極
次に、本発明に用いられる透明電極層について説明する。本発明に用いられる透明電極層としては、透明性を有し、所定の導電性を有する材料からなるものであれば特に限定されるものではない。このような透明電極層としては、例えば、導電性高分子材料や金属酸化物等からなるものを挙げることができる。上記金属酸化物としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、本発明のメッシュ電極基板が色素増感型太陽電池を作製するために用いられるものである場合は、太陽光に対して透過性を有するものであることが好ましい。これにより、本発明のメッシュ電極基板を用いて作製された色素増感型太陽電池において、メッシュ電極基板側から太陽光を受光することができるようになるからである。このような太陽光に対する透過性を有する金属酸化物としては、例えば、SnO、ZnO、酸化インジウムにスズを添加した化合物(ITO)、フッ素ドープしたSnO(以下、FTOと称する。)、酸化インジウムに酸化亜鉛を添加した化合物(IZO)を挙げることができる。一方、上記導電性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PA)、ポリピロール、またはこれらの誘導体などを挙げることができる。また、これらを2種以上混合して用いることもできる。
また、本発明に用いられる透明電極層は、単一の層からなる構成であってもよく、また、複数の層が積層された構成であってもよい。複数の層が積層された構成としては、例えば、仕事関数が互いに異なる材料からなる層が積層された態様や、互いに異なる金属酸化物からなる層が積層された態様を挙げることができる。
さらに、本発明に用いられる透明電極層の厚みは、通常、5nm〜2000nmの範囲内であることが好ましく、特に10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。厚みが上記範囲よりも厚いと、均質な透明電極層を形成することが困難となる場合があるからである。また、全光線透過率が低下して、本発明のメッシュ電極基板を用いて色素増感型太陽電池を作製した場合に良好な光電変換効率を得ることが難しくなる場合があるからである。一方、厚みが上記範囲よりも薄いと、透明電極層の導電性が不足する可能性があるからである。なお、上記厚みは、透明電極層が複数の層から構成される場合には、すべての層の厚みを合計した総厚みを指すものとする。
本発明に用いられる透明電極層を形成する方法としては、例えば、上述した材料を含有する透明電極層形成用塗工液を塗布、乾燥する方法を挙げることができる。
本発明に用いられる透明電極層は、上述した樹脂製基板上に導電層と順不同で形成されたものである。したがって、樹脂製基板上に導電層および透明電極層がこの順で積層されていてもよく、または樹脂製基板上に透明電極層および導電層がこの順で積層されていてもよい。
5.メッシュ電極基板
本発明のメッシュ電極基板は、少なくとも上記ガスバリア層、樹脂製基板、導電層、および透明樹脂層を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。本発明に用いられる他の構成としては、本発明のメッシュ電極基板の用途に応じて、所定の機能を有するものを適宜選択して用いることができ、特に限定されるものではない。このような構成としては、例えば、本発明のメッシュ電極基板が色素増感型太陽電池を作製するために用いられるものである場合に、上記樹脂製基板の上記導電層および透明電極層が形成された側の最表面に形成された触媒層を挙げることができる。このような触媒層が形成されていることにより、本発明のメッシュ電極基板を用いて作製した色素増感型太陽電池の光電変換効率を向上できるという利点がある。
図2(a)、(b)は、本発明のメッシュ電極基板に触媒層が用いられる場合の一例を示す概略断面図である。図2(a)、(b)に例示するように、本発明のメッシュ電極基板には、上記樹脂製基板11の上記導電層14および透明電極層13が形成された側の最表面に形成された触媒層15が形成されていてもよい。
上記触媒層としては、例えば、白金(Pt)を蒸着したものや、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリスチレンスルフォン酸(PSS)、ポリアニリン(PA)、パラトルエンスルホン酸(PTS)およびこれらの混合物からなるものを挙げることができる。また、触媒層の厚みは、特に限定されないが、1nm〜10μmの範囲内であることが好ましく、なかでも10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、特に10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。このような触媒層は、例えば、真空蒸着法や、上記材料を含有する触媒層形成用塗工液を塗布、乾燥する塗布法等によって形成することができる。
なお、上記触媒層は、上記樹脂製基板の上記導電層および透明電極層が形成された側の最表面に形成されるものであるため、樹脂製基板上に導電層および透明電極層がこの順で積層されている場合、触媒層は透明電極層上に形成されることになる。一方、樹脂製基板上に透明電極層および導電層がこの順で積層されている場合、触媒層は導電層上に形成されることになる。
本発明のメッシュ電極基板の用途は特に限定されず、例えば、色素増感型太陽電池の電極基板、太陽電池、画像表示装置、照明装置等の電極基板、あるいはパーソナルコンピュータや携帯電話等の電磁波吸収シート等として用いることができるものである。光電変換素子に有機化合物を含む有機系太陽電池や発光素子に有機化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス画像表示装置や有機エレクトロルミネッセンス照明装置では、光電変換素子や発光素子に含有する有機化合物の水分による劣化を防ぐため、本発明のメッシュ電極基板を好適に用いることができる。特に、本発明のメッシュ電極基板は、色素増感型太陽電池の電極基板としてに好適に用いることができる。
B.色素増感型太陽電池
次に、本発明の色素増感型太陽電池について説明する。上述したように本発明の色素増感型太陽電池は、上記本発明に係るメッシュ電極基板と、メッシュ電極基板の上記導電層が形成された側に配置され、対極としての機能を有する色素増感型太陽電池用電極基板と、上記メッシュ電極基板上、または上記色素増感型太陽電池用電極基板上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有する多孔質層と、上記メッシュ電極基板と、上記色素増感型太陽電池用電極基板との間に形成され、酸化還元対を含有する電解質層とを有することを特徴とするものである。このような本発明の色素増感型太陽電池は、上記多孔質層が形成される位置が、上記メッシュ電極基板上か、または上記色素増感型太陽電池用電極基板上かによって、2態様に分けることができる。
本発明の色素増感型太陽電池の各態様について図を参照しながら説明する。図3(a)、(b)は、上記メッシュ電極基板上に多孔質層が形成された態様(第1態様)の色素増感型太陽電池の一例を示す概略断面図である。図3(a)、(b)に例示するように、本態様の色素増感型太陽電池30は、メッシュ電極基板10と、上記メッシュ電極基板10上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有する多孔質層31と、上記メッシュ電極基板10の導電層13が形成された側に配置された色素増感型太陽電池用電極基板20と、上記メッシュ電極基板10および上記色素増感型太陽電池用電極基板20の間に形成され、酸化還元対を含有する電解質層32とを有するものである。
一方、図4(a)、(b)は、上記色素増感型太陽電池用電極基板上に上記多孔質層が形成された態様(第2態様)の色素増感型太陽電池の一例を示す概略断面図である。図4(a)、(b)に例示するように、本態様の色素増感型太陽電池30は、メッシュ電極基板10と、上記メッシュ電極基板10の導電層13が形成された側に配置された色素増感型太陽電池用電極基板20と、上記色素増感型太陽電池用電極基板上20上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有する多孔質層31と、上記メッシュ電極基板10および上記色素増感型太陽電池用電極基板20の間に形成され、酸化還元対を含有する電解質層32とを有するものである。
本発明によれば、上記本発明に係るメッシュ電極基板が用いられていることにより、経時劣化の問題が少ない色素増感型太陽電池を得ることができる。
本発明の色素増感型太陽電池は、少なくともメッシュ電極基板、色素増感型太陽電池用電極基板、多孔質層、および電解質層を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本発明に用いられる各構成について順に説明する。
1.メッシュ電極基板
本発明に用いられるメッシュ電極基板は、上記本発明に係るものである。したがって、本発明に用いられるメッシュ電極基板については、上記「A.メッシュ電極基板」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.色素増感型太陽電池用電極基板
本発明に用いられる色素増感型太陽電池用電極基板は、上記メッシュ電極基板の導電層が形成された側に配置されるものであり、本発明の色素増感型太陽電池において、上記メッシュ電極基板に対向する対極として機能するものである。このような色素増感型太陽電池用電極基板としては、対極として機能するものであれば特に限定されるものではなく、金属材料からなる金属層のみから構成されるものであってもよく、あるいは任意の基板上に電極層が形成された構成を有するものであってもよい。
上記金属層としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、クロム、タングステン、モリブデン、白金、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、亜鉛、各種ステンレスおよびそれらの合金等が挙げられ、チタン、クロム、タングステン、各種ステンレスおよびそれらの合金からなるものを挙げることができる。また、金属層の厚みは特に限定されないが、通常、通常、5μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜500μmの範囲内であることがより好ましく、20μm〜200μmの範囲内であることがさらに好ましい。
3.多孔質層
本発明に用いられる多孔質層は、色素増感剤が表面に坦持された金属酸化物半導体微粒子を含むものである。また、上述したように、上記多孔質層は上記メッシュ電極基板上、または色素増感型太陽電池用電極基板上のいずれか一方に形成されるものである。
(i)金属酸化物半導体微粒子
上記金属酸化物半導体微粒子としては、半導体特性を備える金属酸化物からなるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、TiO、ZnO、SnO、ITO、ZrO、MgO、Al、CeO、Bi、Mn、Y、WO、Ta、Nb、La等を挙げることができる。なかでも上記金属酸化物半導体微粒子としては、TiOが用いられることが好ましい。TiOは、特に半導体特性に優れるからである。また、上記金属酸化物半導体微粒子の平均粒径としては、通常、1nm〜10μmの範囲内が好ましく、特に10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。
(ii)色素増感剤
上記色素増感剤としては、光を吸収して起電力を生じさせることが可能なものであれば、特に限定されるものではない。このような色素増感剤としては、有機色素または金属錯体色素を挙げることができる。上記有機色素としては、アクリジン系、アゾ系、インジゴ系、キノン系、クマリン系、メロシアニン系、フェニルキサンテン、インドリン、カルバゾール系の色素が挙げられる。本発明においてはこれらの有機色素の中でも、クマリン系色素が用いられることが好ましい。また、上記金属錯体色素としてはルテニウム系色素が用いられることが好ましく、特にルテニウム錯体であるルテニウムビピリジン色素およびルテニウムターピリジン色素が用いられることが好ましい。このようなルテニウム錯体は吸収する光の波長範囲が広いため、光電変換できる光の波長領域を大幅に広げることができるからである。
(iii)任意の成分
上記多孔質層には、上記金属酸化物半導体微粒子の他に任意の成分が含まれていてもよい。このような任意の成分としては、例えば、樹脂を挙げることができる。上記多孔質層に樹脂が含有されることにより、多孔質層の脆性を改善することができる。このような樹脂としては、例えば、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、カプロラクタン等を挙げることができる。
(iv)その他
上記多孔質層の厚みは、通常、1μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、特に3μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
4.電解質層
本発明に用いられる電解質層は、酸化還元対を含むものである。上記酸化還元対としては、一般的に色素増感型太陽電池の電解質層に用いられているものであれば、特に限定されるものではない。中でも本発明に用いられる酸化還元対は、ヨウ素およびヨウ化物の組合せ、臭素および臭化物の組合せであることが好ましい。ここで、上記ヨウ素およびヨウ化物の組合せとしては、例えば、LiI、NaI、KI、CaI等の金属ヨウ化物と、Iとの組合せを挙げることができる。また、上記臭素および臭化物の組合せとしては、例えば、LiBr、NaBr、KBr、CaBr等の金属臭化物と、Brとの組合せを挙げることができる。
上記電解質層には、上記酸化還元対以外のその他の化合物として、架橋剤、光重合開始剤、増粘剤、常温融解塩等の添加剤を含有していてもよい。また、電解質層は、ゲル状、固体状または液体状のいずれの形態からなる電解質層であってもよいが、固体状の電解質層であることがより好ましい。上記固体状の電解質層は液漏れ等の問題が生じにくく、扱いが容易であるからである。
5.色素増感型他太陽電池
本発明の色素増感型太陽電池は、モジュール化されているものであってもよい。本発明の色素増感型太陽電池がモジュール化されている態様としては、一対のメッシュ電極基板、および色素増感型太陽電池用電極基板の間に複数の色素増感型太陽電池セルが形成されている態様であってもよく、または本発明の色素増感型太陽電池が複数個連結された態様であってもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
樹脂製基板として、100mm角のPEN(Q65FA 帝人デュポン社製)を用い、当該樹脂製基板上にスパッタ法によって厚み500nmのTi膜を形成した後、当該Ti膜を開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にエッチングすることにより厚み500nmのメッシュ状の導電層を形成した。ここで、開口幅とは、六角形中の平行関係に位置する二辺間の距離のうち、最も距離の長い部分の距離を意味するものとする。
次に、上記樹脂製基板の導電層が形成されていない面上に、有機化合物としてウレタンアクリレートを50質量部、ビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシアクリレート(重量平均分子量2000)20質量部、トリシクロデカンジアクリレート30質量部、重合開始剤として2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン 2質量部を混合溶解することによって得られた紫外線硬化性樹脂を含有する有機層を厚み1μmで形成し、紫外線照射により硬化させた。さらに、有機層上に、スパッタ法を用いてSiO膜を厚み100nmで形成した。次に、上記導電層上に、透明電極層としてITO膜(厚み150nm)をスパッタ法で形成した。さらに、上記ITO膜上にPEDOTPSS(POLY(3,4−ETHYLENEDIOXYTHIOPHENE) POLY(STYRENESULFONATE))2%水分散液を塗工量0.3g/m(固形分)になるように塗布し、120℃で10分乾燥させることにより、触媒層を形成した。
このような方法によりメッシュ電極基板1を作製した。
[実施例2]
樹脂製基板として、100mm角のPEN(Q65FA 帝人デュポン社製)を用い、当該樹脂製基板上にスパッタ法で厚み500nmのTi膜を形成した後、当該Ti膜を開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にエッチングすることにより厚み500nmのメッシュ状の導電層を形成した。ここで、開口幅とは、六角形中の平行関係に位置する二辺間の距離のうち、最も距離の長い部分の距離を意味するものとする。次に、上記樹脂製基板の導電層が形成されていない裏面に、有機層として、フルオレン系カルド樹脂(新日鐵化学(株)製、V−259REH)を厚み1μmで形成し、さらに、その上に無機層として、スパッタ法を用いてSiO膜を厚み100nmで形成した。次に、上記導電層上に透明電極層として、ITO膜(厚み150nm)をスパッタ法で形成した。さらに、上記ITO膜上に、PEDOTPSS(POLY(3,4−ETHYLENEDIOXYTHIOPHENE)POLY(STYRENESULFONATE))2%水分散液を塗工量0.3g/m(固形分)になるように塗布し、120℃で10分乾燥させることにより、触媒層を形成した。
このような方法によりメッシュ電極基板2を作製した。
[実施例3]
樹脂製基板として、100mm角のPEN(Q65FA 帝人デュポン社製)を用い、当該樹脂製基板上に、無機層として厚み10μmのSUS304をドライラミ材を用いて貼り合わせた。その後、上記SUS304を、開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にエッチングすることにより、厚み10μmのメッシュ状の導電層を形成した。ここで、開口幅とは、六角形中の平行関係に位置する二辺間の距離のうち、最も距離の長い部分の距離を意味するものとする。
次に、上記樹脂製基板の導電層が面上に、有機層として、フルオレン系カルド樹脂(新日鐵化学(株)製、V−259REH)を厚み1μmで積層し、さらに、その上に無機層としてスパッタ法を用いてSiO膜を厚み100nmで形成した。次に、上記導電層上にITO膜(厚み150nm)をスパッタ法で形成した。さらに、上記ITO膜上にPEDOTPSS(POLY(3,4−ETHYLENEDIOXYTHIOPHENE)POLY(STYRENESULFONATE))2%水分散液を塗工量0.3g/m(固形分)になるように塗布し、120℃で10分乾燥させることにより、触媒層を形成した。
このような方法によりメッシュ電極基板3を作製した。
[比較例]
100mm格のPEN(Q65FA 帝人デュポン製)上に、ウレタンアクリレートを50質量部、ビスフェノールAグリシジルエーテル型エポキシアクリレート(重量平均分子量2000)20質量部、トリシクロデカンジアクリレート30質量部、重合開始剤として2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン 2質量部を混合溶解することによって得られたものを厚み1μmで積層し、紫外線照射により硬化させた。その上に、スパッタ法を用いてSiO膜を厚み100nmで形成した。次に、その上に、厚み500nmのTi膜をスパッタ法で形成した後、当該Ti膜を、開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にエッチングすることにより厚み500nmのメッシュ状の導電層を形成した。次に、上記導電層上にITO膜(厚み150nm)をスパッタ法で用いて形成した。さらに、上記ITO膜上にPEDOTPSS(POLY(3,4−ETHYLENEDIOXYTHIOPHENE)POLY(STYRENESULFONATE))2%水分散液を塗工量0.3g/m(固形分)になるように塗布し、120℃で10分乾燥させることにより、触媒層を形成した。
このようにしてメッシュ電極基板4を作製した。
[評価]
作製したメッシュ電極基板の水蒸気透過率を測定した結果、メッシュ電極1,2は10−4g/m/dayレベルであり、メッシュ電極3,4は10−2g/m/dayレベルであった。なお測定は、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製 AQUATRAN(登録商標))によって行った。
第1電極基材として厚み50μmのTi箔(株式会社ニラコ)上に、エタノール中で酸化チタン粒子P25(日本エアロジル株式会社)に0.5%エチルセルロースSTD-100(日新化成工業株式会社)を混合させたペーストを塗布、乾燥させ、500℃で30分焼成し、膜厚が5μmの多孔質層形成用層を得た。その後、アセトニトリル/t−ブタノール=1/1溶液中にN719色素(Dyesol)を0.3mM溶解させた色素増感剤溶液を調製し、この色素増感剤溶液中に上記Ti箔基板を20時間浸漬させたのち、乾燥させることにより、酸化物半導体電極基板を得た。
次に、6mol/l hexyl metyl imidazolum iodide(富山薬品)、0.6mol/l I2(メルク株式会社)、0.45mol/l n-metyl benzoimidazol(Aldrich)をhexyl metyl imidazolum tetracyano borat(メルク株式会社)に溶解した電解液を調整した。次に、STD-100(日新化成)をエタノールに10wt%溶解させた樹脂溶液を調整し、上記電解液:樹脂溶液=1:6(重量比)で混合した樹脂電解質溶液を作製した。これをミヤバーで多孔質層上に塗布し、120℃で10分間加熱した。
上記実施例および比較例で作製した各メッシュ電極基板1〜4の触媒層面と上記酸化物半導体電極基板の固体電解質層面とを貼り合わせ、真空ラミネータにて熱ラミネートすることで色素増感型太陽電池を得た。
上記のようにして作製した色素増感型太陽電池の初期性能を評価したところ、メッシュ電極基板1〜3を用いた色素増感型太陽電池の初期性能は、変換効率がそれぞれ2.5%、2.5%、および3%であった。一方、メッシュ電極基板4を用いた色素増感型太陽電池の初期性能は、変換効率が2.3%であった。なお、色素増感型太陽電池の性能評価としては、分光感度促成装置CEP−2000(分光計器)を用いてIV特性を測定して変換効率を求めることにより行った。
一方、メッシュ電極基板1および4を用いて作製した色素増感型太陽電池を対象として、85℃100時間の耐久性評価を行った結果、メッシュ電極基板1を用いた色素増感型太陽電池では95%の性能維持率であった。メッシュ電極基板4を用いた色素増感型太陽電池は平坦化樹脂の劣化によりメッシュが剥離し、性能維持率は10%であった。また、劣化後の基板を洗浄したところ、平坦化樹脂が黄色に変色していることを確認した。
10 … メッシュ電極基板
11 … 樹脂製基板
12 … ガスバリア層
13 … 透明電極層
14 … 導電層
15 … 触媒層
20 … 色素増感型太陽電池用電極基板
30 … 色素増感型太陽電池
31 … 多孔質層
32 … 電解質層

Claims (4)

  1. 樹脂製基板と、
    前記樹脂製基板上に形成され、ガスバリア性を有するガスバリア層と、
    前記樹脂製基板の前記ガスバリア層が形成された面とは、反対面上に順不同で形成された透明電極層、およびメッシュ状に形成された導電層と、
    を有することを特徴とする、メッシュ電極基板。
  2. 前記ガスバリア層が、前記樹脂製基板上に有機化合物を含有する有機層と、無機化合物を含有する無機層と、が順不同で積層された構成を有するものであることを特徴とする、請求項1に記載のメッシュ電極基板。
  3. 前記ガスバリア層が、有機化合物および無機化合物を含有する有機−無機ハイブリッド膜からなるものであることを特徴とする、請求項1に記載のメッシュ電極基板。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のメッシュ電極基板と、
    前記メッシュ電極基板の前記導電層が形成された側に配置され、対極としての機能を有する色素増感型太陽電池用電極基板と、
    前記メッシュ電極基板上、または前記色素増感型太陽電池用電極基板上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含有する多孔質層と、
    前記メッシュ電極基板と、前記色素増感型太陽電池用電極基板との間に形成され、酸化還元対を含有する電解質層と、
    を有することを特徴とする、色素増感型太陽電池。
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