JP5617467B2 - 酸化物半導体電極およびその製造方法、透明導電基材およびその製造方法、色素増感型太陽電池、色素増感型太陽電池モジュール - Google Patents
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Description
このような色素増感型太陽電池には、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層を有する酸化物半導体電極が用いられている。
ここで、格子状とは、例えば図11に例示するように、任意の形状を有する四角形が連続したような形状を意味するものとする。
まず第1に、導電層を格子状に形成した場合、格子の一方向のみに電子の流れが集中してしまい、局所的に導電層が加熱されてしまうという現象が生じる。そして、このように局所的な加熱が生じると、導電層に隣接して形成された電極層、多孔質層あるいは基材に熱損傷が生じてしまい、耐久性が低下するという問題が生じる。
第2に、導電層を用いる場合、金属酸化物半導体微粒子を含有する多孔質層は、導電層上に形成されることになるところ、導電層は一定の厚みを有するため、上記多孔質層は導電層が形成されることによって基材表面に形成された凹凸上に形成されることになる。しかしながら、上記多孔質層は金属酸化物半導体微粒子を含有するものであり、脆性が大きいため、このような凹凸上に形成されると、クラック等が生じやすいという問題点がある。このような問題点は、特に導電層が形成されるパターンとして格子状が採用される場合に生じやすいことが分かっている。
また、本発明によれば、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記導電層上に多孔質層を形成する際に、当該多孔質層にクラック等が生じてしまうことを抑制できる。
さらに本発明によれば、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記導電層上に他の層を塗布法で形成する際に、導電層を構成する多角形の隅々まで塗工液が塗布され、上記多角形内の角部にインク抜けが生じることを防止することができる。
このようなことから、本発明によれば、光電変換効率を向上させるために導電層が用いられる場合であっても、導電層の局所加熱により耐久性が低下することがなく、かつクラック等の少ない均質な多孔質層を有することにより、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池を作製することが可能な酸化物半導体電極を得ることができる。
なお、多孔質層を焼成によって作製する場合は、多孔質層にバインダー樹脂を含有させることが困難であることから、バインダー樹脂を含有する多孔質層は、多くの場合、金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有する組成物を上記導電層上に塗布する方法が用いられるのが一般的であるところ、本発明においては上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることから、このような塗布法が用いられる場合であっても、導電層上に形成される多孔質層にクラックが生じてしまうことを著しく低減することができる。
また、上記導電層形成工程において形成される導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状に形成されることにより、上記多孔質層形成工程において形成される多孔質層にクラック等が生じることを抑制できる。
また、上記導電層形成工程において形成される導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記多孔質層形成工程において多孔質層を形成する際に多孔質層形成用塗工液が導電層内の隅々にまで塗布され、導電層内の角部にインク抜けが生じることを防止できる。このことは、上記第1電極層形成工程が、上記導電層上に第1電極層を形成する場合も同様である。
さらに、本発明においては上記多孔質層形成工程に用いられる多孔質層形成用塗工液が金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有するものであることにより、当該工程において形成される多孔質層を、バインダー樹脂を含有するものとすることができる。その結果、形成される多孔質層を脆性が小さいものにできる。
以上より、本発明によれば、クラック等が少なく、脆性が小さい多孔質層を有し、かつ導電層を備えることにより光電変換効率が良好な色素増感型太陽電池を作製することが可能な酸化物半導体電極を製造することができる。
このような本発明の透明導電基材においては、上記導電層がハニカムパターン状であることが好ましい。
また、本発明によれば、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記導電層上に触媒層を塗布法で形成する際に、導電層を構成する多角形内の隅々まで塗工液が塗布され、上記多角形内の角部にインク抜けが生じることを防止することができる。
また、このような本発明の透明導電基材の製造方法においては、上記導電層形成工程が、ハニカムパターン状の導電層を形成するものであることが好ましい。
また、上記導電層形成工程において形成される導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状に形成されることにより、上記触媒層形成工程において触媒層を形成する際に、触媒層形成用塗工液が導電層内の隅々にまで塗布され、導電層内の角部にインク抜けが生じることを防止できる。
また、このような本発明の色素増感型太陽電池においては、上記導電層が、ハニカムパターン状であることが好ましい。
以下、これらの発明について順に説明する。
まず、本発明の酸化物半導体電極について説明する。上述したように本発明の酸化物半導体電極は、第1基材と、上記第1基材上に順不同で互いに接するように積層された導電層および金属酸化物からなる第1電極層と、上記第1電極層および上記導電層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層とを有するものであって、上記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とするものである。
図1に例示するように、本発明の酸化物半導体電極10は、第1基材1と、上記第1基材1上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層2と、上記第1基材1上に、上記第1電極層2と接するように形成された導電層3と、上記第1電極層2および上記導電層3上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層4とを有するものである(図1(a))。
このような例において、本発明の酸化物半導体電極10は、上記導電層3がハニカムパターン状に形成されていることを特徴とするものである(図1(b))。
なお、説明の便宜のため、図1(b)においては多孔質層4および第1電極層2の図示は省略した。
また、本発明によれば、上記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記導電層上に多孔質層を形成する際に、当該多孔質層にクラック等が生じてしまうことを抑制できる。
さらに本発明によれば、上記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記導電層上に他の層を塗布法で形成する際に、導電層を構成する多角形内の隅々まで塗工液が塗布され、上記多角形内の角部にインク抜けが生じることを防止することができる。
このようなことから、本発明によれば、光電変換効率を向上させるために導電層が用いられる場合であっても、導電層の局所加熱により耐久性が低下することがなく、かつクラック等の少ない均質な多孔質層を有することにより、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池を作製することが可能な酸化物半導体電極を得ることができる。
以下、本発明の酸化物半導体電極に用いられる各構成について順に説明する。
まず、本発明の酸化物半導体電極に用いられる導電層について説明する。本発明に用いられる導電層は、後述する第1電極層の導電性を補助するために、上記第1電極層に接するように第1基材上に、第1電極層と順不同で形成されるものであり、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状に形成されていることを特徴とするものである。
ここで、上記「少なくとも一つの内角が鈍角である多角形」とは、多角形を構成する内角のうち、少なくとも一つの角度が鈍角である形状を意味するものである。
次に、本発明に用いられる第1基材について説明する。本発明に用いられる第1基材としては、第1電極層、導電層および多孔質層を支持することが可能な程度の自己支持性を有するものであれば特に限定されるものではない。したがって、本発明に用いられる第1基材は可撓性を有するフレキシブル材であってもよく、または、石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性を有さないリジッド材であってもよい。なかでも本発明に用いられる第1基材はフレキシブル材であることが好ましく、上記フレキシブル材のなかでも樹脂製基材であることが好ましい。樹脂製基材は加工性に優れ、製造コストの低減ができるからである。
次に、本発明に用いられる第1電極層について説明する。本発明に用いられる第1電極層は、金属酸化物からなるものであり、第1基材上に順不同で上述した導電層と接するように形成されるものである。
以下、このような第1電極層について説明する。
なお、上記厚みは、第1電極層が複数の層が積層された構成される場合には、すべての層の厚みを合計した総厚みを指すものとする。
次に、本発明に用いられる多孔質層について説明する。本発明に用いられる多孔質層は、金属酸化物半導体微粒子を含有するものであり、上記導電層および第1電極層上に形成されるものである。
以下、このような多孔質層について詳細に説明する。
本発明に用いられる金属酸化物半導体微粒子としては、半導体特性を備える金属酸化物からなるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の酸化物半導体電極の用途等に応じて適宜選択して用いることができる。本発明に用いられる金属酸化物半導体微粒子を構成する金属酸化物としては、例えば、TiO2、ZnO、SnO2、ITO、ZrO2、MgO、Al2O3、CeO2、Bi2O3、Mn3O4、Y2O3、WO3、Ta2O5、Nb2O5、La2O3等を挙げることができる。これらの金属酸化物半導体微粒子は、多孔性の多孔質層を形成するのに適しており、エネルギー変換効率の向上、コストの削減を図ることができるため本発明に好適に用いられる。
なかでも本発明においては、上記半導体酸化物微粒子としてTiO2からなるものを用いることが最も好ましい。TiO2は特に半導体特性に優れるからである。
なお、上記平均粒径は一次粒径を意味するものとする。
なお、平均粒径の異なる金属酸化物半導体微粒子を併用することにより、多孔質層における光散乱効果を高めることができるため、例えば、本発明の酸化物半導体電極を用いて色素増感型太陽電池を作製した場合に、色素増感剤による光吸収を効率的に行うことが可能となるという利点がある。
本発明に用いられる多孔質層には、上記金属酸化物半導体微粒子の他に任意の成分が含まれていてもよい。本発明に用いられる任意の成分としては、本発明の酸化物半導体電極に所望の機能を付与できるものであれば特に限定されるものではない。
本発明における多孔質層は、上記任意成分としてバインダー樹脂が含まれることが好ましい。上記多孔質層にバインダー樹脂が含有されることにより、本発明に用いられる多孔質層を脆性が小さいものにできるからである。
ここで、従来の酸化物半導体電極の製造方法においては、多孔質層は高温で焼成されることによって形成されることが通常であったが、多孔質層を焼成によって形成する場合は、多孔質層にバインダー樹脂を含有させることが困難である。そこで、上述したようにバインダー樹脂を含有する多孔質層を形成するには、金属酸化物半導体微粒子とバインダー樹脂を含有する組成物を上記導電層上に塗布した後、これを低温乾燥するという、いわゆる低温乾燥法が用いられること必要となる。このようにして多孔質層にバインダー樹脂が含まれることにより、本発明における多孔質層を形成する際に塗布適性を向上させることができるという利点がある。
なお上述したように、上記「低温乾燥」とは、少なくとも多孔質層中の溶剤成分が揮発する温度以上であり、多孔質層を焼成するには至らない温度で乾燥する方法を意味するものである。また、本発明に用いられる第1基材として、樹脂製基材が用いられる場合は、乾燥温度は当該樹脂製基材を構成する樹脂材料の熱分解温度よりも低いことを要する。
本発明に用いられる多孔質層には、任意成分として色素増感剤が含まれていてもよい。すなわち、本発明における多孔質層に含まれる金属酸化物半導体微粒子の表面に色素増感剤が付着しているものであってもよい。上記多孔質層に色素増感剤が含まれることにより、本発明の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池を作製するために用いる場合に、色素増感型太陽電池の製造工程を簡易化できるからである。
本発明に用いられる多孔質層の厚みは、本発明の酸化物半導体電極の用途に応じて、適宜決定できるものであり特に限定されるものではい。多孔質層のの空孔率としては、10%〜60%の範囲内であることが好ましく、なかでも20%〜50%の範囲内であることが好ましい。、多孔質層の空孔率が上記範囲よりも小さいと、例えば、本発明の酸化物半導体電極を用いて色素増感型太陽電池を作製した場合に、多孔質層において太陽光を有効に吸収できなくなる可能性があるからである。また上記範囲よりも大きいと、酸化物半導体層に所望量の色素増感剤を含有させることができなくなる可能性があるからである。
本発明の酸化物半導体電極は、少なくとも上記第1基材、導電層、第1電極層および多孔質層を有するものであればよいものであるが、必要に応じて他の任意の構成を有してもよいものである。本発明に用いられる任意の構成としては、本発明の酸化物半導体電極の用途や製造方法等に応じて、所望の機能を有するものを適宜選択して用いることができる。
本発明の酸化物半導体電極の製造方法としては、上述した構成を有する酸化物半導体電極を製造できる方法であれば特に限定されるものではなく、酸化物半導体電極を製造する方法として一般的に公知の方法を適宜参考にして用いることができる。なかでも、本発明の酸化物半導体電極は、後述する「B.酸化物半導体電極の製造方法」の項において説明する方法によって、最も好適に製造することができる。
本発明の酸化物半導体電極は、色素増感型光充電キャパシタに用いられる色素増感型光充電キャパシタ用基材、エレクトロクロミックディスプレイに用いられるエレクトロクロミックディスプレイ用基材、光触媒反応を用いて大気中の汚染物質を分解できる汚染物質分解基板、および色素増感型太陽電池に用いられる色素増感型太陽電池用基材等として用いることができるが、なかでも色素増感型太陽電池に用いられる色素増感型太陽電池用基材として好適に用いられる。
次に、本発明の酸化物半導体電極の製造方法について説明する。上述したように、本発明の酸化物半導体電極の製造方法は、第1基材を用い、上記第1基材上に順不同で互いに接するように金属酸化物からなる第1電極層、および少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する第1電極層形成工程、および導電層形成工程と、上記第1電極層および上記導電層上に金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有する多孔質層形成用塗工液を塗布し、多孔質層を形成する多孔質層形成工程とを有することを特徴とするものである。
また、上記導電層形成工程において形成される導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記多孔質層形成工程において形成される多孔質層にクラック等が生じることを抑制できる。また、上記導電層形成工程において形成される導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記多孔質層形成工程において多孔質層を形成する際に、多孔質層形成用塗工液が導電層を構成する多角形内の隅々にまで塗布され、上記多角形内の角部にインク抜けが生じることを防止できる。
さらに、本発明においては上記多孔質層形成工程に用いられる多孔質層形成用塗工液が金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有するものであることにより、当該工程において形成される多孔質層を、バインダー樹脂を含有するものとすることができる。その結果、形成される多孔質層を脆性が小さいものにできる。
以上より、本発明によればクラック等が少なく、脆性が小さい多孔質層を有し、かつ導電層を備えることにより光電変換効率が良好な色素増感型太陽電池を作製することが可能な酸化物半導体電極を製造することができる。
以下、本発明に用いられる各工程について順に説明する。
まず、本発明における導電層形成工程について説明する。本工程は、第1基材上に、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する工程である。ここで、本工程よりも後述する第1電極層形成工程が先に実施されている場合は、本工程は導電層を第1電極層上に形成することになる。
また、上記導電性材料膜を所定のパターン状にパターニングする方法としては、例えば、ドライエッチングやウェットエッチング等を挙げることができる。
次に、本発明に用いられる多孔質層形成工程について説明する。本工程は、上記第1電極層および上記導電層上に金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有する多孔質層形成用塗工液を塗布し、多孔質層を形成する工程である。本工程においては、上記多孔質層形成用塗工液として金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有するものが用いられることにより、本工程において形成される多孔質層を、バインダー樹脂を含有するものとし、脆性が小さいものにできる。また、従来、塗布法を用いて多孔質層を形成する場合は、形成される多孔質層にクラック等が生じやすいという問題点があったが、本工程においては上述した導電層形成工程において形成された、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層上に多孔質層が形成されることにより、塗布法が用いられる場合であっても、形成される多孔質層にクラック等が生じることを著しく低減することができる。
一方、粘度が上記範囲よりも低いと、溶媒が乾燥する前に塗工範囲外に塗工液が染み出すため、所定の範囲にのみ層を形成することが困難になったり、所定の膜厚が得られず塗工回数を増やさなければならない場合があるからである。
次に、本発明に用いられる第1電極層形成工程について説明する。本工程は、上記第1基材上に金属酸化物からなる第1電極層を形成する工程である。ここで、本工程よりも上述した導電層形成工程が先に実施されている場合は、本工程は第1電極層を導電層上に形成することになる。
上述したように、本発明の酸化物半導体電極の製造方法は、少なくとも導電層形成工程、第1電極層形成工程、および多孔質層形成工程を有すればよいものであるが、必要に応じて他の任意の工程を有するものであってもよい。本発明に用いられる任意の工程としては、本発明によって製造される酸化物半導体電極の用途や上記各工程の具体的実施態様に応じて適宜選択して用いることができる。
次に、本発明の第1態様の色素増感型太陽電池について説明する。上述したように本態様の色素増感型太陽電池は、第1基材と、上記第1基材上に順不同で互いに接するように積層された金属酸化物からなる第1電極層および導電層と、上記第1電極層および上記導電層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層とを有する酸化物半導体電極、および第2基材と、上記第2基材上に形成され、金属酸化物からなる第2電極層とを有する対向電極基材が、上記多孔質層と上記第2電極層とが対向するように配置されており、上記酸化物半導体電極と上記対向電極基材との間に酸化還元対を含む電解質層が形成された構成を有するものであって、上記酸化物半導体電極における導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とするものである。換言すると、本態様の色素増感型太陽電池は、上記酸化物半導体電極として、上記本発明に係る酸化物半導体電極が形成されていることを特徴とするものである。
このような例において、本態様の色素増感型太陽電池20は、上記酸化物半導体電極10における導電層3が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とするものである。
このようなことから、本態様によれば、光電変換効率を向上させるために導電層が用いられる場合であっても、導電層の局所加熱により耐久性が低下することがなく、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池を得ることができる。
以下、本発明の色素増感型太陽電池に用いられる各構成について順に説明する。
まず、本態様に用いられる酸化物半導体電極について説明する。本態様に用いられる酸化物半導体電極は、第1基材と、上記第1基材上に順不同で互いに接するように積層された金属酸化物からなる第1電極層および導電層と、上記第1電極層および上記導電層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、を有するものである。
このような酸化物半導体電極については、上記「A.酸化物半導体電極」の項において説明したものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
次に、本態様に用いられる電解質層について説明する。本態様に用いられる電解質層は、酸化還元対を含むものである。
さらに、上記臭素および臭化物の組合せとしては、例えば、LiBr、NaBr、KBr、CaBr2等の金属臭化物と、Br2との組合せを挙げることができる。
また、電解質層を液体状とした場合には、例えば、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、炭酸プロピレンなどを溶媒とし、酸化還元対を含んだものや、同じくイミダゾリウム塩をカチオンとするイオン性液体を溶媒とすることができる。
次に、本態様に用いられる対向電極基材について説明する。本態様における対向電極基材は、第2電極層および第2基材からなるものである。
本態様に用いられる第2電極層としては、所望の導電性を有する金属酸化物からなるものであれば特に限定されるものではない。本態様において第2電極層に用いられる金属酸化物としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではない。このような金属酸化物としては、上記「A.酸化物半導体電極」の項において第1電極層に用いられる金属酸化物として説明したものと同様のものを用いることができる。
本態様における第2基材は、上記「A.酸化物半導体電極」の、第1基材の項において説明したものと同様のものを用いることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様に用いられる対向電極基材には必要に応じて、上記第2電極層および第2基材以外のその他の構成を有するものであってもよい。本態様に用いられるその他の構成としては、触媒層を挙げることができる。本態様においては、上記第2電極層上に触媒層が形成されていることにより、本態様の色素増感型太陽電池をより発電効率に優れたものにできる。このような触媒層の例としては、上記第2電極層上にPtを蒸着した態様を挙げることができるが、この限りではない。
本態様の色素増感型太陽電池は、上記酸化物半導体電極の多孔質層等、および、上記対向電極基材の第2電極層等がパターニングされていることにより、一対の酸化物半導体電極および対向電極基材に複数のセルが連結された構成を有するものであってもよい。このような構成を有することにより、本態様の色素増感型太陽電池を起電力の高いものにできるからである。
次に、本態様の色素増感型太陽電池の製造方法について説明する。本態様の色素増感型太陽電池は、例えば、上記本発明の酸化物半導体電極が有する多孔質層と、上記対向電極基材が有する第2電極基材との間に電解質層を形成することにより製造することができる。
次に、本発明の第1態様の色素増感型太陽電池モジュールについて説明する。上述したように、本態様の色素増感型太陽電池モジュールは、色素増感型太陽電池が複数個連結されてなるものであって、上記色素増感型太陽電池が、第1基材と、上記第1基材上に順不同で互いに接するように積層された金属酸化物からなる第1電極層、および少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層と、上記第1電極層および上記導電層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層とを有する酸化物半導体電極、および第2基材と、上記第2基材上に形成され、金属酸化物からなる第2電極層とを有する対向電極基材が、上記多孔質層と上記第2電極層とが対向するように配置されており、上記酸化物半導体電極と上記対向電極基材との間に酸化還元対を含む電解質層が形成された構成を有するものであることを特徴とするものである。すなわち、本態様の色素増感型太陽電池モジュールは、上記本発明の第1態様の色素増感型太陽電池が複数個連結されてなることを特徴とするものである。
ここで、図6(a)に示す例は、3つのセルが直列に連結された構成を有するものであるが、本態様の色素増感型太陽電池モジュールはこのような構成を有するものに限定されるものではなく、たとえば図6(b)に例示するように、複数(図6(b)では3つ)のセルが並列に連結されたものであってもよい。
また、複数の色素増感型太陽電池が連結された態様としては、図6に例示したように、一対の基板の間に複数の色素増感型太陽電池が形成された態様であってもよく、それぞれ別個独立に形成された色素増感型太陽電池が外部配線等によって連結された態様であってもよい。
次に、本発明の透明導電基材について説明する。上述したように本発明の透明導電基材は、透明基材と、上記透明基材上に形成された導電層と、上記導電層上に形成された触媒層とを有するものであって、上記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とするものである。
なお、説明の便宜のため、図7(b)においては触媒層63の図示は省略した。
また、本発明によれば、上記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、例えば、上記導電層上に触媒層を塗布法で形成する際に、導電層を構成する多角形内の隅々まで塗工液が塗布され、上記多角形内の角部にインク抜けが生じることを防止することができる。
以下、本発明の透明導電基材に用いられる各構成について順に説明する。
まず、本発明に用いられる導電層について説明する。本発明に用いられる導電層は、透明基材上に形成されるものであり、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状に形成されていることを特徴とするものである。
このような導電層については、透明基材上に形成されていること以外は、上記「A.酸化物半導体電極」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、本発明に用いられる透明基材について説明する。本発明に用いられる透明基材は、本発明の透明導電基材を用いて作製された色素増感型太陽電池等において、透明基材を通して太陽光を受光することができるように、太陽光を透過させることができるものであれば特に限定されるものではない。中でも本発明に用いられる透明基材は、全光線透過率80%以上であるものがより好ましい。なお、上記全光線透過率は、JIS K7361−1:1997に準拠した測定方法により測定した値である。
次に、本発明に用いられる触媒層について説明する。本発明に用いられる触媒層は、上述した導電層上に形成されるものであり、本発明の透明導電基材を用いて作製される色素増感型電池を、より発電効率に優れたものにすることができるという機能を有するものである。
本発明の透明導電基材には、必要に応じて上記透明基材、導電層、および触媒層以外の他の構成が用いられてもよい。本発明に用いられる他の構成は、特に限定されるものではなく、本発明の透明導電基材の用途等に応じて、適宜、所望の機能を有する構成を選択して用いることができる。本発明に用いられる他の構成としては、例えば、上記透明基材と上記導電層との間、または上記導電層と上記触媒層との間に形成される透明電極層、および上記触媒層上に形成される固体電解質層を例示することができる。
なお、上記厚みは、透明電極層が複数の層から構成される場合には、すべての層の厚みを合計した総厚みを指すものとする。
次に、本発明の透明導電基材の製造方法について説明する。本発明の透明導電基材の製造方法は、透明基材を用い、上記透明基材上に、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する導電層形成工程と、上記導電層上に、塗布法によって触媒層を形成する触媒層形成工程と、を有することを特徴とするものである。
以下、本発明に用いられる各工程について順に説明する。
まず、本発明に用いられる導電層形成工程について説明する。本工程は、透明基材を用い、上記透明基材上に少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する工程である。
次に、本発明に用いられる触媒層形成工程について説明する。本工程は、上記導電層形成工程によって形成された導電層上に、塗布法によって触媒層を形成する工程である。すなわち、本工程においては導電層上に、触媒層形成用塗工液を塗布し、乾燥することによって触媒層が形成される。ここで、本工程においては、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状に形成されていることにより、当該導電層上に塗布法で触媒層を形成する場合であっても、導電層を構成する多角形内の隅々にまで塗布液を塗布することができ、インク抜けが生じることを防止することができる。
本発明の透明導電基材の製造方法には、上記導電層形成工程および触媒層形成工程以外の他の工程が用いられてもよい。本発明に用いられる他の工程としては、本発明によって製造される透明導電基材の用途等に応じて適宜決定することができ、特に限定されるものではない。中でも本発明に好適に用いられる他の工程としては、例えば、上記導電層形成工程後に実施され、導電層上に塗布法によって透明電極層を形成する透明電極層形成工程や、上記触媒層形成工程後に実施され、触媒層上に塗布法によって固体電解質層を形成する固体電解質層形成工程等を挙げることができる。これらの他の工程が用いられる場合も、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状に形成されていることにより、導電層を構成する多角形内の角部において、各工程において形成される層にインク抜けが生じることを防止することができる。
次に、本発明の第2態様の色素増感型太陽電池について説明する。本態様の色素増感型太陽電池は、金属層、および上記金属層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層を有する酸化物半導体電極基材と、透明基材、上記透明基材上に形成された導電層、上記導電層上に形成された触媒層を有する透明導電基材とが、上記多孔質層、および上記触媒層が対向するように配置され、上記酸化物半導体電極基材および上記透明導電基材の間に酸化還元対を含む電解質層が形成されているものであって、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とするものである。
以下、本発明に用いられる各構成について順に説明する。
本態様に用いられる透明導電基材は、透明基材、上記透明基材上に形成された導電層、上記導電層上に形成された触媒層を有するものであり、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とするものである。このような透明導電基材については、上記「E.透明導電基材」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、本発明に用いられる酸化物半導体電極基材について説明する。本発明に用いられる酸化物半導体電極基材は、金属層、および上記金属層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層を有するものである。
ここで、上記多孔質層については、上記「C.色素増感型太陽電池(第1態様)」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本態様に用いられる電解質層は、上記透明導電基材および酸化物半導体電極基材の間に形成され、酸化還元対を含有するものである。このような電解質層については、上記「C.色素増感型太陽電池(第1態様)」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、本態様の色素増感型太陽電池の製造方法について説明する。本態様の色素増感型太陽電池は、例えば、上記本発明の酸化物半導体電極基材が有する多孔質層と、上記透明導電基材が有する触媒層との間に電解質層を形成することにより製造することができる。ここで、電解質層を形成する方法については、例えば、上記「C.色素増感型太陽電池(第1態様)」の項において説明した方法と同様の方法を用いることができる。
次に、本発明の第2態様の色素増感型太陽電池モジュールについて説明する。本態様の色素増感型太陽電池モジュールは、色素増感型太陽電池が複数個連結されてなる色素増感型太陽電池モジュールであって、上記色素増感型太陽電池が、金属層、および上記金属上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層を有する酸化物半導体電極基材と、透明基材、上記透明基材上に形成され、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層、および上記導電層上に形成された触媒層を有する透明導電基材とが、上記多孔質層および上記触媒層が対向するように配置され、上記酸化物半導体電極基材および上記透明導電基材の間に酸化還元対を含む電解質層が形成された構成を有するものであることを特徴とするものである。すなわち、本発明の色素増感型太陽電池モジュールは、上記本発明の第2態様の色素増感型太陽電池が複数個連結されてなることを特徴とするものである。
また、複数の色素増感型太陽電池が連結された態様としては、一対の透明導電基材および酸化物半導体電極基材の間に複数の色素増感型太陽電池が形成された態様であってもよく、それぞれ別個独立に形成された色素増感型太陽電池が外部配線等によって連結された態様であってもよい。
50mm角、厚み125μmのPETフィルムを第1基材として用い、当該第1基材上にSUS304箔5μmを、熱ラミ材を用いて張り合わせ、その後、塩化第二鉄溶液にて開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にエッチングすることにより導電層を形成した。ここで、開口幅とは、六角形中の平行関係に位置する二辺間の距離のうち、最も距離の長い部分の距離を意味するものとする。
次に、第1電極層として上記導電層上にスパッタ法でITOを150nmの膜厚で成膜し、当該ITO上にTi-Nanoxide D20-L(solarronix製)を40mm角に塗布し、120℃で10min乾燥させて多孔質層を形成した。その後、多孔質層を色素増感剤としてルテニウム錯体(Dyesol製N719)を濃度が3×10−4mol/lとなるようにアセトニトリルとtert−ブチルアルコールの体積比1:1溶液に溶解させた色素担持用塗工液に、室温にて20h浸漬した。次いで、色素担持用塗工液から引き上げ、多孔質層に付着した色素担持用塗工液をアセトニトリルにより洗浄後、風乾した。これにより、多孔質層を形成している酸化チタン微粒子表面に上記の色素増感剤が坦持された基板サイズ50mm角の酸化物半導体電極を得た。
このようにして作製した素子を分光感度測定装置CEP2000(分光計器社製)を用いて性能評価行った結果、光電変換効率η=0.9%であった。
このようにして作製した素子を分光感度測定装置CEP2000(分光計器社製)を用いて性能評価行った結果、光電変換効率η=1.2%であった。
50mm角、厚み125μmのPETフィルムを第1基材として用い、当該第1基材上にTiをスパッタリング形成し、そのフッ酸溶液にて開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にエッチングすることにより導電層を形成した。次に、第1電極層として上記導電層上にスパッタ法でITOを150nmの膜厚で成膜し、当該ITO上にTi-Nanoxide D20-L(solarronix製)を40mm角に塗布し、120℃で10min乾燥させて多孔質層を形成した。その後、この多孔質層を色素増感剤としてルテニウム錯体(Dyesol製N719)を濃度が3×10−4mol/lとなるようにアセトニトリルとtert−ブチルアルコールの体積比1:1溶液に溶解させた色素担持用塗工液に、室温にて20h浸漬した。次いで、色素担持用塗工液から引き上げ、多孔質層に付着した色素担持用塗工液をアセトニトリルにより洗浄後、風乾した。これにより、多孔質層を形成している酸化チタン微粒子表面に上記の増感色素が坦持された基板サイズ50mm角の酸化物半導体電極を得た。
このようにして作製した素子を分光感度測定装置CEP2000(分光計器社製)を用いて性能評価行った結果、光電変換効率η=1.2%であった。
導電層を開口幅450μm、線幅50μmの正四角形を連続的に配列した格子状にエッチングを行ったこと以外は、実施例1と同様の方法により素子を作製した。ここで、開口幅とは四角形の長辺の長さに相当する距離を意味するものとする。作製した素子を分光感度測定装置CEP2000(分光計器社製)を用いて性能評価行った結果、光電変換効率η=0.01%であった。
導電層を開口幅450μm、線幅50μmの正四角形を連続的に配列した格子状にエッチングを行ったこと以外は、実施例2と同様の方法により素子を作製した。作製した素子を分光感度測定装置CEP2000(分光計器社製)を用いて性能評価行った結果、光電変換効率η=0.03%であった。
導電層を開口幅450μm、線幅50μmの正四角形を連続的に配列した格子状にエッチングを行ったこと以外は、実施例3と同様の方法により素子を作製した。作製した素子を分光感度測定装置CEP2000(分光計器社製)を用いて性能評価行った結果、光電変換効率η=0.6%であった。
導電層を、正五角形が連続したパターン状(開口幅450μm、線幅50μm)に形成したこと以外は、実施例1と同様の方法により、色素増感型太陽電池を作製した。
作製した色素増感型太陽電池について多孔質層のクラックの有無を光学顕微鏡観察により評価したところ、クラックは見られず、性能が良好な色素増感型太陽電池を得ることができた。
導電層を、正九角形が連続したパターン状(開口幅450μm、線幅50μm)に形成したこと以外は、実施例1と同様の方法により、色素増感型太陽電池を作製した。
作製した色素増感型太陽電池について多孔質層のクラックの有無を光学顕微鏡観察により評価したところ、クラックは見られず、性能が良好な色素増感型太陽電池を得ることができた。
導電層を、正三角形が連続したパターン状(開口幅450μm、線幅50μm)に形成したこと以外は、実施例1と同様の方法により、色素増感型太陽電池を作製した。
作製した色素増感型太陽電池について多孔質層のクラックの有無を光学顕微鏡観察により評価したところ、クラックが確認され、これにより電流値が大幅に減少し、性能が大幅低下した。
PENからなる透明基材(帝人デュポン製Q−65FA)上に開口幅300μm、線幅50μmの正五角形が連続したパターン状の導電層を形成し、次いで、ミヤバーにて上記導電層上に触媒層形成用塗工液として2質量%PEDOTPSS水分散液(粘度50mPa・S)を塗工、乾燥し、触媒層を形成することにより、透明導電基材を作製した。作製した透明導電基材について触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックおよびインキ抜けともに確認されなかった。
正六角形が連続したパターン状(開口幅450μm、線幅50μm)の導電層を形成したこと以外は、実施例6と同様の方法により透明導電基材を作製した。作製した透明導電基材について触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックおよびインキ抜けともに確認されなかった。
正九角形が連続したパターン状(開口幅450μm、線幅50μm)の導電層を形成したこと以外は、実施例6と同様の方法により透明導電基材を作製した。作製した透明導電基材について触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックおよびインキ抜けともに確認されなかった。
正三角形が連続したパターン状(開口幅450μm、線幅50μm)の導電層を形成したこと以外は、実施例6と同様の方法により透明導電基材を作製した。作製した透明導電基材について触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックは発生していなかったが、導電層を構成する正三角形内の角部においてインキ抜けが確認された。
正四角形が連続したパターン状(開口幅450μm、線幅50μm)の導電層を形成したこと以外は、実施例6と同様の方法により透明導電基材を作製した。作製した透明導電基材について触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックは発生していなかったが、導電層を構成する正四角形内の角部においてインキ抜けが確認された。
実施例6と同様の方法により、透明基材上に正五角形が連続したパターン状の導電層を形成し、次いで、上記導電層上に透明電極層形成用塗工液として20%ITO粒子分散液(100mPa・S)を塗布することによって透明電極層を形成し、さらに上記透明電極層上に、触媒層形成用塗工液としてPEDOTPSS水分散液を塗布することにより触媒層を形成し、透明導電基材を作製した。
作製した透明導電基材について、透明電極層および触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックおよびインキ抜けともに確認されなかった。
正六角形が連続したパターン状の導電層を形成したこと以外は、実施例9と同様の方法により透明導電基材を作製した。
作製した透明導電基材について、透明電極層および触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックおよびインキ抜けともに確認されなかった。
正九角形が連続したパターン状の導電層を形成したこと以外は、実施例9と同様の方法により透明導電基材を作製した。
作製した透明導電基材について、透明電極層および触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックおよびインキ抜けともに確認されなかった。
正三角形が連続したパターン状の導電層を形成したこと以外は、実施例9と同様の方法により透明導電基材を作製した。
作製した透明導電基材について、透明電極層および触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、両層においてクラックは発生していなかったが、導電層を構成する正三角形内の角部において、透明電極層にインキ抜けが確認された。
正四角形が連続したパターン状の導電層を形成したこと以外は、実施例9と同様の方法により透明導電基材を作製した。
作製した透明導電基材について、透明電極層および触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、両層においてクラックは発生していなかったが、導電層を構成する正四角形内の角部において、透明電極層にインキ抜けが確認された。
50mm角、厚み125μmのPETフィルムを基材として用い、スクリーン印刷用銀ペースト(帝人デュポン製)を用いて開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にスクリーン印刷することにより10μmの導電層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法により色素増感型太陽電池を作製した。作製した素子変換効率は1%であった。
50mm角、厚み125μmのPETフィルムを基材として用い、第1電極層としてスパッタ法でITO膜を150nmの膜厚で成膜し、当該ITO膜上にスクリーン印刷用銀ペースト(帝人デュポン製)を用いて開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にスクリーン印刷することによりITO上に10μmの導電層を形成した。それ以外は、実施例2と同様の方法により色素増感型太陽電池を作製した。作製した素子変換効率は0.9%であった。
2 … 第1電極層
3 … 導電層
4 … 多孔質層
10 … 酸化物半導体電極
20,20’ … 色素増感型太陽電池(第1態様)
30,30’ … 対向電極基材
31 … 第2基材
32 … 第2電極層
40 … 電解質層
50 … 色素増感型太陽電池モジュール
51 … 配線
52 … シール材
60 … 透明導電基材
61 … 透明基材
62 … 導電層
63 … 触媒層
70 … 酸化物半導体電極基材
71 … 金属層
72 … 多孔質層
80 … 色素増感型太陽電池(第2態様)
81 … 電解質層
Claims (13)
- 第1基材と、前記第1基材上に積層され、金属酸化物からなる第1電極層と、前記第1電極層上に積層された導電層と、前記導電層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、を有する酸化物半導体電極であって、
前記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とする、酸化物半導体電極。 - 前記導電層が、ハニカムパターン状であることを特徴とする、請求項1に記載の酸化物半導体電極。
- 前記多孔質層が、バインダー樹脂を含むものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の酸化物半導体電極。
- 第1基材上に、金属酸化物からなる第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、
前記第1電極層上に、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する導電層形成工程と、
前記導電層上に、金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有する多孔質層形成用塗工液を塗布し、多孔質層を形成する多孔質層形成工程と、を有することを特徴とする酸化物半導体電極の製造方法。 - 第1基材上に、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する導電層形成工程と、
前記導電層上に、金属酸化物からなる第1電極層を塗布法によって形成する第1電極層形成工程と、
前記第1電極層上に、金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有する多孔質層形成用塗工液を塗布し、多孔質層を形成する多孔質層形成工程と、を有することを特徴とする酸化物半導体電極の製造方法。 - 前記導電層形成工程が、ハニカムパターン状の導電層を形成するものであることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の酸化物半導体電極の製造方法。
- 第1基材と、前記第1基材上に積層され、金属酸化物からなる第1電極層と、前記第1電極層上に積層された導電層と、前記導電層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層とを有する酸化物半導体電極、
および第2基材と、前記第2基材上に形成され、金属酸化物からなる第2電極層とを有する対向電極基材が、
前記多孔質層と前記第2電極層とが対向するように配置されており、
前記酸化物半導体電極と前記対向電極基材との間に酸化還元対を含む電解質層が形成された構成を有する色素増感型太陽電池であって、
前記酸化物半導体電極における導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とする色素増感型太陽電池。 - 前記導電層が、ハニカムパターン状であることを特徴とする、請求項7に記載の色素増感型太陽電池。
- 透明基材を用い、前記透明基材上に少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する導電層形成工程と、
前記導電層上に、塗布法によって触媒層を形成する触媒層形成工程と、を有することを特徴とする透明導電基材の製造方法。 - 前記触媒層上に塗布法によって固体電解質層を形成する固体電解質層形成工程を有することを特徴とする、請求項9に記載の透明導電基材の製造方法。
- 前記導電層形成工程後に実施され、前記導電層上に塗布法によって前記透明電極層を形成する透明電極層形成工程を有し、かつ前記触媒層形成工程が、塗布法によって前記透明電極層上に触媒層を形成するものであることを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の透明導電基材の製造方法。
- 前記導電層形成工程が、ハニカムパターン状の導電層を形成するものであることを特徴とする、請求項9から請求項11までのいずれかの請求項に記載の透明導電基材の製造方法。
- 色素増感型太陽電池が複数個連結されてなる色素増感型太陽電池モジュールであって、
前記色素増感型太陽電池が、請求項7または8に記載の色素増感型太陽電池であることを特徴とする、色素増感型太陽電池モジュール。
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