JP5617467B2 - 酸化物半導体電極およびその製造方法、透明導電基材およびその製造方法、色素増感型太陽電池、色素増感型太陽電池モジュール - Google Patents

酸化物半導体電極およびその製造方法、透明導電基材およびその製造方法、色素増感型太陽電池、色素増感型太陽電池モジュール Download PDF

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Description

本発明は、色素増感型太陽電池等に好適に用いられる酸化物半導体電極およびその製造方法、酸化物半導体電極が用いられた色素増感型太陽電池および色素増感型太陽電池モジュールに関するものである。
近年、二酸化炭素の増加が原因とされる地球温暖化等の環境問題が深刻となり、世界的にその対策が進められている。中でも環境に対する負荷が小さく、省エネおよびCO削減に寄与できるクリーンなエネルギー源として、太陽光エネルギーを利用した太陽電池に関する積極的な研究開発が進められている。このような太陽電池としては、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、および化合物半導体太陽電池などが既に実用化されているが、これらの太陽電池は製造コストが高い等の問題がある。そこで、環境負荷が小さく、かつ製造コストを削減できる太陽電池として、色素増感型太陽電池が注目され研究開発が進められている。
このような色素増感型太陽電池には、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層を有する酸化物半導体電極が用いられている。
色素増感型太陽電池セルの一般的な構成の一例を図10に示す。図10に例示するように、一般的な色素増感型太陽電池セル100は、第1基材111上に、第1電極層112および色素増感剤を担持した金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層113がこの順で積層された酸化物半導体電極110と、第2基材121上に第2電極層122が形成された対向電極基材120との間に、酸化還元対を有する電解質層101がシール材102の内側に形成された構成を有するものである。そして、金属酸化物半導体微粒子の表面に吸着した色素増感剤の電子が、第1基材111側から太陽光を受光することによって励起され、励起された電子が第1電極層へ伝導し、外部回路を通じて第2電極層へ伝導される。その後、酸化還元対を介して色素増感剤の基底準位に電子が戻ることよって発電するものである。このような色素増感型太陽電池としては、上記多孔質層を多孔質二酸化チタンから構成し、色素増感剤の含有量を増加させたグレッチェルセルが代表的であり、発電効率の高い色素増感型太陽電池として広く研究の対象となっている。
ところで、上述したような酸化物半導体電極が用いられた色素増感型太陽電池においては、上記第1電極層として第1基材側からの入射光を妨げることがないように透明な材料が用いられることが一般的である。そして、このような材料としては、ITO(インジウムスズ酸化物)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)等の金属酸化物が主に用いられるのが通常である。しかしながら、このような金属酸化物は電気抵抗が十分に低いものではないことから、第1電極層の電気抵抗に起因して色素増感型太陽電池の光電変換効率が低下してしまうという問題点が指摘されていた。このような問題に対し、特許文献1、2には、電極層に接するように補助電極として機能する導電層を形成することにより、光電変換効率を改善する方法が開示されている。
特開2003−203681号公報 特開2004−296669号公報
光電変換効率を向上させるために、上述した導電層を使用する技術としては、第1電極層と電解質層との間に導電層を形成する方法や、第1電極層と第1基材との間に導電層を形成する方法等が知られている。そして、導電層としては電気伝導率に優れた金属材料が用いられることが一般的であることから、導電層が形成された部位においては入射光が遮られることになる。このため、導電層で入射光が遮られることによって光電変換効率が低下してしまうことを防止するため、当該導電層は開口部を有するパターン状に形成されるのが一般的である。そして、導電層が形成されるパターンとしては、格子状が採用されることが通常であった。
ここで、格子状とは、例えば図11に例示するように、任意の形状を有する四角形が連続したような形状を意味するものとする。
しかしながら、本発明者らの検討により、上記導電層を格子状に形成した場合には、次のような問題点が生じることが明らかとなった。
まず第1に、導電層を格子状に形成した場合、格子の一方向のみに電子の流れが集中してしまい、局所的に導電層が加熱されてしまうという現象が生じる。そして、このように局所的な加熱が生じると、導電層に隣接して形成された電極層、多孔質層あるいは基材に熱損傷が生じてしまい、耐久性が低下するという問題が生じる。
第2に、導電層を用いる場合、金属酸化物半導体微粒子を含有する多孔質層は、導電層上に形成されることになるところ、導電層は一定の厚みを有するため、上記多孔質層は導電層が形成されることによって基材表面に形成された凹凸上に形成されることになる。しかしながら、上記多孔質層は金属酸化物半導体微粒子を含有するものであり、脆性が大きいため、このような凹凸上に形成されると、クラック等が生じやすいという問題点がある。このような問題点は、特に導電層が形成されるパターンとして格子状が採用される場合に生じやすいことが分かっている。
本発明は、上述したような導電層を用いるに当たって新たに発見した課題を解決するためになされたものであり、光電変換効率を向上させるために導電層が用いられる場合であっても、導電層の局所加熱により耐久性が低下することがなく、かつクラック等の少ない均質な多孔質層を有することにより、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池を作製することが可能な酸化物半導体電極を提供することを主目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、導電層を少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状に形成することによって、導電層に局所加熱が生じることを防止でき、かつ多孔質層にクラック等が生じることを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決するために本発明は、第1基材と、上記第1基材上に順不同で互いに接するように積層された導電層および金属酸化物からなる第1電極層と、上記第1電極層および上記導電層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、を有する酸化物半導体電極であって、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とする酸化物半導体電極を提供する。また、本発明において、上記導電層は、特にハニカムパターン状であることが好ましい。
本発明によれば、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、導電層を流れる電流が局所的に集中することを防止することができる。このため、本発明の酸化物半導体電極を用いて作製された色素増感型太陽電池において、導電層に局所加熱が生じることを防止することができ、耐久性に優れた色素増感型太陽電池を得ることができる。
また、本発明によれば、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記導電層上に多孔質層を形成する際に、当該多孔質層にクラック等が生じてしまうことを抑制できる。
さらに本発明によれば、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記導電層上に他の層を塗布法で形成する際に、導電層を構成する多角形の隅々まで塗工液が塗布され、上記多角形内の角部にインク抜けが生じることを防止することができる。
このようなことから、本発明によれば、光電変換効率を向上させるために導電層が用いられる場合であっても、導電層の局所加熱により耐久性が低下することがなく、かつクラック等の少ない均質な多孔質層を有することにより、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池を作製することが可能な酸化物半導体電極を得ることができる。
なお、上記「インク抜け」とは、塗布液が塗布されない部位が生じてしまう現象をいう。
本発明においては、上記多孔質層が、バインダー樹脂を含むものであってもよい。上記多孔質層にバインダー樹脂が含まれることにより、上記多孔質層の脆性を小さくすることができる。
なお、多孔質層を焼成によって作製する場合は、多孔質層にバインダー樹脂を含有させることが困難であることから、バインダー樹脂を含有する多孔質層は、多くの場合、金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有する組成物を上記導電層上に塗布する方法が用いられるのが一般的であるところ、本発明においては上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることから、このような塗布法が用いられる場合であっても、導電層上に形成される多孔質層にクラックが生じてしまうことを著しく低減することができる。
また本発明は、第1基材を用い、上記第1基材上に順不同で互いに接するように金属酸化物からなる第1電極層および少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する第1電極層形成工程および導電層形成工程と、上記第1電極層および上記導電層上に金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有する多孔質層形成用塗工液を塗布し、多孔質層を形成する多孔質層形成工程とを有することを特徴とする酸化物半導体電極の製造方法を提供する。また、本発明の酸化物半導体電極の製造方法においては、上記第1電極層形成工程が、上記導電層形成工程後に実施され、上記導電層上に塗布法によって上記第1電極層を形成するものであってもよい。さらに、本発明においては、上記導電層形成工程が、ハニカムパターン状の導電層を形成するものであることが好ましい。
本発明によれば、上記導電層形成工程において形成される導電層のパターンが少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、本発明によって製造される酸化物半導体電極を用いて作製される色素増感型太陽電池において、上記導電層が局所加熱されることを防止できるため、色素増感型太陽電池の耐久性を向上することができる。
また、上記導電層形成工程において形成される導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状に形成されることにより、上記多孔質層形成工程において形成される多孔質層にクラック等が生じることを抑制できる。
また、上記導電層形成工程において形成される導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記多孔質層形成工程において多孔質層を形成する際に多孔質層形成用塗工液が導電層内の隅々にまで塗布され、導電層内の角部にインク抜けが生じることを防止できる。このことは、上記第1電極層形成工程が、上記導電層上に第1電極層を形成する場合も同様である。
さらに、本発明においては上記多孔質層形成工程に用いられる多孔質層形成用塗工液が金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有するものであることにより、当該工程において形成される多孔質層を、バインダー樹脂を含有するものとすることができる。その結果、形成される多孔質層を脆性が小さいものにできる。
以上より、本発明によれば、クラック等が少なく、脆性が小さい多孔質層を有し、かつ導電層を備えることにより光電変換効率が良好な色素増感型太陽電池を作製することが可能な酸化物半導体電極を製造することができる。
また本発明は、第1基材と、上記第1基材上に順不同で互いに接するように積層された金属酸化物からなる第1電極層および導電層と、上記第1電極層および上記導電層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層とを有する酸化物半導体電極、および第2基材と、上記第2基材上に形成され、金属酸化物からなる第2電極層とを有する対向電極基材が、上記多孔質層と上記第2電極層とが対向するように配置されており、上記酸化物半導体電極と上記対向電極基材との間に酸化還元対を含む電解質層が形成された構成を有する色素増感型太陽電池であって、上記酸化物半導体電極における導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とする色素増感型太陽電池を提供する。また、本発明においては上記導電層がハニカムパターン状であることが好ましい。
本発明によれば、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、導電層を流れる電流が局所的に集中することを防止することができる。このため、本発明の色素増感型太陽電池において、導電層の局所加熱が生じることを防止することができる。したがって、本発明によれば光電変換効率を向上させるために導電層が用いられる場合であっても、導電層の局所加熱により耐久性が低下することがなく、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池を得ることができる。
また本発明は、透明基材と、上記透明基材上に形成された導電層と、上記導電層上に形成された触媒層とを有する透明導電基材であって、上記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とする透明導電基材を提供する。
このような本発明の透明導電基材においては、上記導電層がハニカムパターン状であることが好ましい。
本発明によれば、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、導電層を流れる電流が局所的に集中することを防止することができる。このため、本発明の透明導電基材を用いて作製された色素増感型太陽電池において、導電層に局所加熱が生じることを防止することができ、耐久性に優れた色素増感型太陽電池を得ることができる。
また、本発明によれば、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記導電層上に触媒層を塗布法で形成する際に、導電層を構成する多角形内の隅々まで塗工液が塗布され、上記多角形内の角部にインク抜けが生じることを防止することができる。
また本発明は、透明基材を用い、上記透明基材上に少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する導電層形成工程と、上記導電層上に、塗布法によって触媒層を形成する触媒層形成工程と、を有することを特徴とする透明導電基材の製造方法を提供する。
また、このような本発明の透明導電基材の製造方法においては、上記導電層形成工程が、ハニカムパターン状の導電層を形成するものであることが好ましい。
本発明によれば、上記導電層形成工程において形成される導電層のパターンが少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、本発明によって製造される透明導電基材を用いて作製される色素増感型太陽電池において、上記導電層が局所加熱されることを防止できるため、色素増感型太陽電池の耐久性を向上することができる。
また、上記導電層形成工程において形成される導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状に形成されることにより、上記触媒層形成工程において触媒層を形成する際に、触媒層形成用塗工液が導電層内の隅々にまで塗布され、導電層内の角部にインク抜けが生じることを防止できる。
本発明の透明導電基材の製造方法においては、上記触媒層上に塗布法によって固体電解質層を形成する固体電解質層形成工程を有してもよい。上記導電層形成工程において形成される導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記固体電解質層形成工程において固体電解質層を形成する際に、固体電解質層形成用塗工液が導電層を構成する多角形内の隅々にまで塗布され、上記多角形内の角部にインク抜けが生じることを防止できる。
また、本発明の透明導電基材の製造方法においては、上記導電層形成工程後に実施され、上記導電層上に塗布法によって上記透明電極層を形成する透明電極層形成工程を有し、かつ上記触媒層形成工程が、塗布法によって上記透明電極層上に触媒層を形成するものであってもよい。上記導電層形成工程において形成される導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記透明電極層形成工程において透明電極層を形成する際に、透明電極層形成用塗工液が導電層を構成する多角形内の隅々にまで塗布され、上記多角形内の角部にインク抜けが生じることを防止できる。またさらに上記触媒層形成工程において触媒層を形成する際に、触媒層形成用塗工液が導電層を構成する多角形内の隅々にまで塗布され、上記多角形内の角部にインク抜けが生じることを防止できる。
また本発明は、金属層、および上記金属層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層を有する酸化物半導体電極基材と、透明基材、上記透明基材上に形成された導電層、上記導電層上に形成された触媒層を有する透明導電基材とが、上記多孔質層および上記触媒層が対向するように配置され、上記酸化物半導体電極基材および上記透明導電基材の間に酸化還元対を含む電解質層が形成されている色素増感型太陽電池であって、上記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とする、色素増感型太陽電池を提供する。
また、このような本発明の色素増感型太陽電池においては、上記導電層が、ハニカムパターン状であることが好ましい。
本発明によれば、上記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、導電層を流れる電流が局所的に集中することを防止することができる。このため、本発明の色素増感型太陽電池において、導電層の局所加熱が生じることを防止することができる。したがって、本発明によれば光電変換効率を向上させるために導電層が用いられる場合であっても、導電層の局所加熱により耐久性が低下することがなく、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池を得ることができる。
さらに本発明は、色素増感型太陽電池が複数個連結されてなる色素増感型太陽電池モジュールであって、上記色素増感型太陽電池が、上記本発明に係る色素増感型太陽電池であることを特徴とする、色素増感型太陽電池モジュールを提供する。
本発明によれば、上記色素増感型太陽電池として、上記本発明に係る色素増感型太陽電池が用いられていることにより、光電変換効率に優れ、かつ耐久性に優れた色素増感型太陽電池モジュールを得ることができる。
本発明の酸化物半導体電極は、光電変換効率を向上させるために導電層が用いられる場合であっても、導電層の局所加熱により耐久性が低下することがなく、かつクラック等の少ない均質な多孔質層を有することにより、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池を作製することができるという効果を奏する。また、本発明の色素増感型太陽電池および色素増感型太陽電池モジュールは、このような本発明に係る酸化物半導体電極が用いられることにより、光電変換効率に優れかつ耐久性に優れるという効果を奏する。
本発明の酸化物半導体電極の一例を示す概略図である。 本発明におけるハニカムパターンについて説明する概略図である。 本発明の酸化物半導体電極の他の例を示す概略断面図である。 本発明の酸化物半導体電極の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の第1態様の色素増感型太陽電池の一例を示す概略断面図である。 本発明の第1態様の色素増感型太陽電池モジュールの一例を示す概略断面図である。 本発明の透明導電基材の一例を示す概略図である。 本発明の透明導電基材の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の第2態様の色素増感型太陽電池の一例を示す概略断面図である。 一般的な色素増感型太陽電池の例を示す概略図である。 格子状の形状について説明する概略図である。
本発明は、酸化物半導体電極、酸化物半導体電極の製造方法、透明導電基材、透明導電基材の製造方法、色素増感型太陽電池、および色素増感型太陽電池モジュールに関するものである。
以下、これらの発明について順に説明する。
A.酸化物半導体電極
まず、本発明の酸化物半導体電極について説明する。上述したように本発明の酸化物半導体電極は、第1基材と、上記第1基材上に順不同で互いに接するように積層された導電層および金属酸化物からなる第1電極層と、上記第1電極層および上記導電層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層とを有するものであって、上記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とするものである。
このような本発明の酸化物半導体電極について図を参照しながら説明する。図1は本発明の酸化物半導体電極の一例を示す概略図である。ここで、図1(b)は、図1(a)におけるX方向から本発明の酸化物半導体電極を正視した場合の概略図である。
図1に例示するように、本発明の酸化物半導体電極10は、第1基材1と、上記第1基材1上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層2と、上記第1基材1上に、上記第1電極層2と接するように形成された導電層3と、上記第1電極層2および上記導電層3上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層4とを有するものである(図1(a))。
このような例において、本発明の酸化物半導体電極10は、上記導電層3がハニカムパターン状に形成されていることを特徴とするものである(図1(b))。
なお、説明の便宜のため、図1(b)においては多孔質層4および第1電極層2の図示は省略した。
本発明によれば、上記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、導電層を流れる電流が局所的に集中することを防止することができる。このため、本発明の酸化物半導体電極を用いて作製された色素増感型太陽電池において、導電層に局所加熱が生じることを防止することができ、耐久性に優れた色素増感型太陽電池を得ることができる。
また、本発明によれば、上記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記導電層上に多孔質層を形成する際に、当該多孔質層にクラック等が生じてしまうことを抑制できる。
さらに本発明によれば、上記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記導電層上に他の層を塗布法で形成する際に、導電層を構成する多角形内の隅々まで塗工液が塗布され、上記多角形内の角部にインク抜けが生じることを防止することができる。
このようなことから、本発明によれば、光電変換効率を向上させるために導電層が用いられる場合であっても、導電層の局所加熱により耐久性が低下することがなく、かつクラック等の少ない均質な多孔質層を有することにより、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池を作製することが可能な酸化物半導体電極を得ることができる。
なお、上記図1においては導電層がハニカムパターン状である例を示したが、本発明の酸化物半導体電極はこのような例に限定されるものではない。
本発明の酸化物半導体電極は、少なくとも上記第1基材、第1電極層、導電層、および多孔質層を有するものであり、必要に応じて他の任意の構成を有してもよいものである。
以下、本発明の酸化物半導体電極に用いられる各構成について順に説明する。
1.導電層
まず、本発明の酸化物半導体電極に用いられる導電層について説明する。本発明に用いられる導電層は、後述する第1電極層の導電性を補助するために、上記第1電極層に接するように第1基材上に、第1電極層と順不同で形成されるものであり、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状に形成されていることを特徴とするものである。
ここで、上記「少なくとも一つの内角が鈍角である多角形」とは、多角形を構成する内角のうち、少なくとも一つの角度が鈍角である形状を意味するものである。
本発明において導電層が形成されているパターンとしては、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であれば特に限定されるものではないが、なかでも全ての内角が鈍角である多角形が連続したパターンであることが好ましい。これにより、導電層内のすべての角部において、インク抜けが生じることを防止できるからである。
また、導電層を構成する多角形の辺の長さは、全て同一であってもよく、あるいは異なる長さの辺が含まれていてもよい。
中でも本発明における導電層は、ハニカムパターン状であることが好ましい。ここで、本発明における「ハニカムパターン状」とは、図2に示すように六角形が連続して配置されたような形状を意味する。なお、図2(a)においては、正六角形が連続して配置された形状を例示したが、本発明におけるハニカムパターンとしては、これに限定されるものではなく、例えば、図2(b)、(c)に例示するような、正六角形ではない六角形が連続して配置されたような形状であってもよいものである。また、ここでは図示しないが、互いに異なる六角形が連続して配置されたような形状も、本発明におけるハニカムパターン状に含まれる。しかしながら、多孔質層のクラック抑制という観点からは、同一形状の正六角形が連続して配置されたハニカムパターンであることが好ましい。この場合、ハニカムパターンを構成する正六角形の大きさ等については、本発明の酸化物半導体電極の用途等に応じて適宜決定すればよい。なかでも本発明においては、上記ハニカムパターンを構成する正六角形の一辺の長さが、0.1μm〜50mmの範囲内であることが好ましく、5μm〜10mmの範囲内であることがより好ましく、50μm〜5mmの範囲内であることがさらに好ましい。
本発明における導電層のパターンとしては、上記パターン状に形成されたものであれば、その線幅、および高さ共に特に限定されるものではない。もっとも、導電層が形成された領域は光を透過することができない場合が多いことから、パターンの線幅が広すぎると、本発明の酸化物半導体電極の光透過性が低くなりすぎてしまい、本発明の酸化物半導体電極を用いて色素増感型太陽電池を作製した場合に、発電効率が低下してしまう可能性がある。このような観点から、本発明における導電層の線幅は0.02μm〜10mmの範囲内であることが好ましく、1μm〜2mmの範囲内であることがより好ましく、10μm〜1mmの範囲内であることがさらに好ましい。また、導電層の線幅を狭くする場合、それに伴って導電層の抵抗値も増加してしまうことから、それを抑制するために導電層の厚みを増加することが好ましい。しかしながら、厚みが大きすぎると導電層上に形成される多孔質層にクラック等が生じやすくなってしまうという問題点がある。このため、導電層の導電性と多孔質層のクラック抑制と両立を図る観点から、本発明における導電層の厚みは0.01μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、0.1μm〜5μmの範囲内であることがより好ましく、0.2μm〜1μmの範囲内であることがさらに好ましい。
また、本発明における導電層の開口率は1%〜99.99%の範囲内であることが好ましく、40%〜98%の範囲内であることがより好ましく、70%〜95%の範囲内であることがさらに好ましい。ここで、開口率とは、本発明に用いられる導電層を表面に対する垂線方向から正視した場合に、単位面積中に占める導電層によって遮光されていない面積の比で定義されるものである。
さらに、本発明における導電層は、上記多角形を分断するように補助配線が形成されていてもよい。この場合、補助配線は、通常、導電層を構成する多角形の線幅よりも細い線幅で形成される。また、補助配線は直線状に形成されていてもよく、あるいは曲線状に形成されていてもよい。
本発明に用いられる導電層を構成する材料としては、導電性を有し、所望のパターン状に形成することができる導電性材料であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる導電性材料は、後述する第1電極層の代表的な構成材料であるITO(インジウムスズ酸化物)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)等の透明金属酸化物より導電性が高いものであることが好ましい。上記導電性材料が、第1電極層よりも導電性が低いと、導電層に電荷の捕集効果を発現させにくくなるからである。
このような導電性材料としては、集電補助電極として用いることが可能なものであれば特に限定されるものではなく、チタン、アルミ、鉄、ニッケル、鉄−ニッケル合金、銅、銅−ニッケル合金、ニオブ、タングステン、タンタル、クロム、ステンレス系合金等を挙げることができる。もっとも、本発明においては電解質中のヨウ素に対する耐性の観点から、チタン、アルミ、銅、または銅−ニッケル合金、ステンレス系合金が用いられることが好ましい
なお、本発明の酸化物半導体電極を用いて色素増感型太陽電池を作製した場合に、電解質が多孔質中に浸透して導電層と接触する可能性があるため、導電層に用いられる導電性材料としては、電解質に対する耐性を有するものであることが必要になる場合がある。
本発明における導電層は、上記第1基材上であり、かつ第1電極層と接するように形成されるものであるところ、導電層が形成される態様としては、後述する第1電極層が形成される位置との関係で2態様に分類することができる。すなわち、本発明において導電層が形成されている態様としては、第1基材上に、導電層、第1電極層がこの順で形成された態様と、これとは逆に第1基材上に、第1電極層、導電層とがこの順で積層された態様とを挙げることができる。本発明において上記導電層が形成された態様としては、上記2態様のいずれであっても好適に用いることができる。
図3は、本発明において導電層が形成されている態様について説明する概略断面図である。図3に例示するように、本発明の酸化物半導体電極10において導電層3が形成されている態様としては、第1基材1上に、導電層3、第1電極層2がこの順で積層された態様であってもよく(図3(a))、または第1基材1上に、第1電極層2、導電層3がこの積層された態様であってもよい(図3(b))。
2.第1基材
次に、本発明に用いられる第1基材について説明する。本発明に用いられる第1基材としては、第1電極層、導電層および多孔質層を支持することが可能な程度の自己支持性を有するものであれば特に限定されるものではない。したがって、本発明に用いられる第1基材は可撓性を有するフレキシブル材であってもよく、または、石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性を有さないリジッド材であってもよい。なかでも本発明に用いられる第1基材はフレキシブル材であることが好ましく、上記フレキシブル材のなかでも樹脂製基材であることが好ましい。樹脂製基材は加工性に優れ、製造コストの低減ができるからである。
上記樹脂製基材としては、例えば、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルサルフォン(PES)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム、ポリエステルナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂フィルム基材等を挙げることができ、なかでも二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリエステルナフタレート(PEN)、ポリカーボネートフィルム(PC)が好ましい。
また、本発明に用いられる第1基材の厚みは、本発明の酸化物半導体電極の用途等に応じて適宜選択することができるものであるが、通常、50μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、特に75μm〜1800μmの範囲内であることが好ましく、さらに100μm〜1500μmの範囲内であることが好ましい。第1基材の厚みが上記範囲よりも薄いと、本発明の酸化物半導体電極に充分な機械的強度を付与できない可能性があるからである。また第1基材の厚みが大きすぎると、本発明の酸化物半導体電極の加工適性を損なう可能性があるからである。
また、本発明に用いられる第1基材は、耐熱性、耐候性、水蒸気、その他のガスバリア性に優れたものであることが好ましい。上記第1基材がガスバリア性を有することにより、例えば、本発明の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池に用いた場合に、色素増感型太陽電池の経時安定性を向上できるからである。なかでも本発明においては、酸素透過率が温度23℃、湿度90%の条件下において1cc/m/day・atm以下、水蒸気透過率が温度37.8℃、湿度100%の条件下において1g/m/day以下のガスバリア性を有する第1基材を用いることが好ましい。本発明においては、このようなガスバリア性を達成するために、任意の基材上にガスバリア層を設けたものを用いてもよい。
3.第1電極層
次に、本発明に用いられる第1電極層について説明する。本発明に用いられる第1電極層は、金属酸化物からなるものであり、第1基材上に順不同で上述した導電層と接するように形成されるものである。
以下、このような第1電極層について説明する。
本発明に用いられる第1電極層を構成する金属酸化物としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる金属酸化物は太陽光に対して透過性を有するものであることが好ましい。これにより、本発明の酸化物半導体電極を用いて色素増感型太陽電池を作製した場合に、発電効率が損なわれることを防止できるからである。
このような太陽光の透過性を有する金属酸化物としては、例えば、SnO、ITO、IZO、ZnO、ATOを挙げることができる。本発明においては、これらのいずれの金属酸化物であっても好適に用いることができるが、なかでもフッ素ドープしたSnO(以下、FTOと称する。)、ITOを用いることが好ましい。FTOおよびITOは、導電性および太陽光の透過性の両方に優れているからである。
本発明に用いられる第1電極層は、単一の層からなる構成であってもよく、また、複数の層が積層された構成であってもよい。複数の層が積層された構成としては、例えば、仕事関数が互いに異なる材料からなる層を積層する態様や、互いに異なる金属酸化物からなる層を積層する態様を挙げることができる。
本発明に用いられる第1電極層の厚みは、本発明の酸化物半導体電極の用途等に応じて、所望の導電性を実現できる範囲内であれば特に限定されない。なかでも本発明における第1電極層の厚みとしては、通常、5nm〜2000nmの範囲内が好ましく、特に10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。厚みが上記範囲よりも厚いと、均質な第1電極層を形成することが困難となる場合があり、また、厚みが上記範囲よりも薄いと、本発明の酸化物半導体電極の用途によっては第1電極層の導電性が不足する可能性があるからである。
なお、上記厚みは、第1電極層が複数の層が積層された構成される場合には、すべての層の厚みを合計した総厚みを指すものとする。
4.多孔質層
次に、本発明に用いられる多孔質層について説明する。本発明に用いられる多孔質層は、金属酸化物半導体微粒子を含有するものであり、上記導電層および第1電極層上に形成されるものである。
以下、このような多孔質層について詳細に説明する。
(1)金属酸化物半導体微粒子
本発明に用いられる金属酸化物半導体微粒子としては、半導体特性を備える金属酸化物からなるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の酸化物半導体電極の用途等に応じて適宜選択して用いることができる。本発明に用いられる金属酸化物半導体微粒子を構成する金属酸化物としては、例えば、TiO、ZnO、SnO、ITO、ZrO、MgO、Al、CeO、Bi、Mn、Y、WO、Ta、Nb、La等を挙げることができる。これらの金属酸化物半導体微粒子は、多孔性の多孔質層を形成するのに適しており、エネルギー変換効率の向上、コストの削減を図ることができるため本発明に好適に用いられる。
本発明に用いられる金属酸化物半導体微粒子は、すべて同一の金属酸化物からなるものであってもよく、あるいは、異なる金属酸化物からなるものが2種類以上用いられていてもよい。また、本発明に用いられる金属酸化物半導体微粒子は、一種をコア微粒子とし、他の金属酸化物半導体微粒子により、コア微粒子を包含してシェルを形成するコアシェル構造としてもよい。
なかでも本発明においては、上記半導体酸化物微粒子としてTiOからなるものを用いることが最も好ましい。TiOは特に半導体特性に優れるからである。
本発明に用いられる金属酸化物半導体微粒子の平均粒径としては、多孔質層の表面積を所望の範囲内にできる程度であれば特に限定されるものではないが、通常、1nm〜10μmの範囲内が好ましく、特に10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。平均粒径が上記範囲よりも小さいと各々の金属酸化物半導体微粒子が凝集し二次粒子を形成してしまう場合があり、また平均粒径が上記範囲より大きいと、多孔質層が厚膜化してしまうだけではなく、多孔質層の多孔度、すなわち比表面積が減少してしまう可能性があるからである。ここで、多孔質層の表面積が小さくなると、例えば、本発明の酸化物半導体電極を用いて色素増感型太陽電池を作製した場合に、光電変換するのに十分な色素増感剤を多孔質層に担持させることが困難になる場合がある。
なお、上記平均粒径は一次粒径を意味するものとする。
また本発明においては、上記金属酸化物半導体微粒子としてすべて同一の平均粒径のものを用いてもよく、あるいは、平均粒径の異なる複数の金属酸化物半導体微粒子を2種類以上用いてもよい。
なお、平均粒径の異なる金属酸化物半導体微粒子を併用することにより、多孔質層における光散乱効果を高めることができるため、例えば、本発明の酸化物半導体電極を用いて色素増感型太陽電池を作製した場合に、色素増感剤による光吸収を効率的に行うことが可能となるという利点がある。
本発明において、平均粒径の異なる金属酸化物半導体微粒子を2種類以上用いる場合、異なる粒径の組み合わせとしては、例えば、平均粒径が10nm〜50nmの範囲内にある金属酸化物半導体微粒子と、平均粒径が50nm〜800nmの範囲内にある金属酸化物半導体微粒子との組み合わせを例示することができる。
(2)任意の成分
本発明に用いられる多孔質層には、上記金属酸化物半導体微粒子の他に任意の成分が含まれていてもよい。本発明に用いられる任意の成分としては、本発明の酸化物半導体電極に所望の機能を付与できるものであれば特に限定されるものではない。
(バインダー樹脂)
本発明における多孔質層は、上記任意成分としてバインダー樹脂が含まれることが好ましい。上記多孔質層にバインダー樹脂が含有されることにより、本発明に用いられる多孔質層を脆性が小さいものにできるからである。
ここで、従来の酸化物半導体電極の製造方法においては、多孔質層は高温で焼成されることによって形成されることが通常であったが、多孔質層を焼成によって形成する場合は、多孔質層にバインダー樹脂を含有させることが困難である。そこで、上述したようにバインダー樹脂を含有する多孔質層を形成するには、金属酸化物半導体微粒子とバインダー樹脂を含有する組成物を上記導電層上に塗布した後、これを低温乾燥するという、いわゆる低温乾燥法が用いられること必要となる。このようにして多孔質層にバインダー樹脂が含まれることにより、本発明における多孔質層を形成する際に塗布適性を向上させることができるという利点がある。
なお上述したように、上記「低温乾燥」とは、少なくとも多孔質層中の溶剤成分が揮発する温度以上であり、多孔質層を焼成するには至らない温度で乾燥する方法を意味するものである。また、本発明に用いられる第1基材として、樹脂製基材が用いられる場合は、乾燥温度は当該樹脂製基材を構成する樹脂材料の熱分解温度よりも低いことを要する。
本発明において多孔質層に用いることができるバインダー樹脂としては、多孔質層の脆性を所望の程度にできるものであれば特に限定されるものではない。もっとも、本発明の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池を製造するために用いる場合は、電解質に対する耐性を備えるバインダー樹脂が用いられることが必要になる。このようなバインダー樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などのほか、ポリエチレングリコール天然ゴム、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、N−ビニルアセトアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体、フェノール樹脂 、アイオノマー樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂等の樹脂材料およびそれらの誘導体等を挙げることができる。本発明においてはこれらのバインダー樹脂のいずれであっても好適に用いることができる。なかでも本発明においては上記バインダー樹脂として、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン樹脂が用いられることが好ましい。
なお、本発明に用いられるバインダー樹脂は、1種類のみであってもよく、あるいは2種類以上であってもよい。
多孔質層にバインダー樹脂が含まれる場合、多孔質層中におけるバインダー樹脂の含有量としては、上記バインダー樹脂の種類等に応じて、多孔質層に所望の脆性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、多孔質層中におけるバインダー樹脂の含有量が、0.01質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましく、0.1質量%〜30質量%の範囲内であることがより好ましく、0.1質量%〜15質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
(色素増感剤)
本発明に用いられる多孔質層には、任意成分として色素増感剤が含まれていてもよい。すなわち、本発明における多孔質層に含まれる金属酸化物半導体微粒子の表面に色素増感剤が付着しているものであってもよい。上記多孔質層に色素増感剤が含まれることにより、本発明の酸化物半導体電極を色素増感型太陽電池を作製するために用いる場合に、色素増感型太陽電池の製造工程を簡易化できるからである。
本発明に用いられる色素増感剤としては、光を吸収し起電力を生じさせることが可能なものであれば特に限定はされない。このような色素増感剤としては、有機色素または金属錯体色素を挙げることができる。上記有機色素としては、アクリジン系、アゾ系、インジゴ系、キノン系、クマリン系、メロシアニン系、フェニルキサンテン系の色素が挙げられる。本発明においてはこれらの有機色素の中でも、クマリン系色素を用いることが好ましい。また、上記金属錯体色素としては、ルテニウム系色素が好ましく、特にルテニウム錯体であるルテニウムビピリジン色素およびルテニウムターピリジン色素が好ましい。このようなルテニウム錯体は、吸収する光の波長範囲が広いため、光電変換できる光の波長領域を大幅に広げることができるからである。
(3)多孔質層
本発明に用いられる多孔質層の厚みは、本発明の酸化物半導体電極の用途に応じて、適宜決定できるものであり特に限定されるものではい。多孔質層のの空孔率としては、10%〜60%の範囲内であることが好ましく、なかでも20%〜50%の範囲内であることが好ましい。、多孔質層の空孔率が上記範囲よりも小さいと、例えば、本発明の酸化物半導体電極を用いて色素増感型太陽電池を作製した場合に、多孔質層において太陽光を有効に吸収できなくなる可能性があるからである。また上記範囲よりも大きいと、酸化物半導体層に所望量の色素増感剤を含有させることができなくなる可能性があるからである。
なお、本発明における空孔率とは単位体積当たりの金属酸化物半導体微粒子の非占有率のことを示す。上記空孔率の測定方法としては、細孔容積をガス吸着量測定装置(Autosorb−1MP;Quantachrome製)にて測定し、単位面積あたりの体積との比率から算出する方法を挙げることができる。
5.任意の構成
本発明の酸化物半導体電極は、少なくとも上記第1基材、導電層、第1電極層および多孔質層を有するものであればよいものであるが、必要に応じて他の任意の構成を有してもよいものである。本発明に用いられる任意の構成としては、本発明の酸化物半導体電極の用途や製造方法等に応じて、所望の機能を有するものを適宜選択して用いることができる。
6.酸化物半導体電極の製造方法
本発明の酸化物半導体電極の製造方法としては、上述した構成を有する酸化物半導体電極を製造できる方法であれば特に限定されるものではなく、酸化物半導体電極を製造する方法として一般的に公知の方法を適宜参考にして用いることができる。なかでも、本発明の酸化物半導体電極は、後述する「B.酸化物半導体電極の製造方法」の項において説明する方法によって、最も好適に製造することができる。
7.酸化物半導体電極の用途
本発明の酸化物半導体電極は、色素増感型光充電キャパシタに用いられる色素増感型光充電キャパシタ用基材、エレクトロクロミックディスプレイに用いられるエレクトロクロミックディスプレイ用基材、光触媒反応を用いて大気中の汚染物質を分解できる汚染物質分解基板、および色素増感型太陽電池に用いられる色素増感型太陽電池用基材等として用いることができるが、なかでも色素増感型太陽電池に用いられる色素増感型太陽電池用基材として好適に用いられる。
B.酸化物半導体電極の製造方法
次に、本発明の酸化物半導体電極の製造方法について説明する。上述したように、本発明の酸化物半導体電極の製造方法は、第1基材を用い、上記第1基材上に順不同で互いに接するように金属酸化物からなる第1電極層、および少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する第1電極層形成工程、および導電層形成工程と、上記第1電極層および上記導電層上に金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有する多孔質層形成用塗工液を塗布し、多孔質層を形成する多孔質層形成工程とを有することを特徴とするものである。
このような本発明の酸化物半導体電極の製造方法について図を参照しながら説明する。図4は、本発明の酸化物半導体電極の製造方法の一例を説明する概略図である。図4に例示するように、本発明の酸化物半導体電極の製造方法は、第1基材1を用い(図4(a))、上記第1基材1上に金属酸化物からなる第1電極層2を形成する第1電極層形成工程と(図4(b))、上記第1基材1上に、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層3を形成する導電層形成工程と(図4(c))、上記第1電極層2および上記導電層3上に金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有する多孔質層形成用塗工液を塗布し、多孔質層4を形成する多孔質層形成工程と(図4(d))、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記導電層形成工程において形成される導電層のパターンが少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、本発明によって製造される酸化物半導体電極を用いて作製される色素増感型太陽電池において、上記導電層が局所加熱されることを防止できるため、色素増感型太陽電池の耐久性を向上することができる。
また、上記導電層形成工程において形成される導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記多孔質層形成工程において形成される多孔質層にクラック等が生じることを抑制できる。また、上記導電層形成工程において形成される導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、上記多孔質層形成工程において多孔質層を形成する際に、多孔質層形成用塗工液が導電層を構成する多角形内の隅々にまで塗布され、上記多角形内の角部にインク抜けが生じることを防止できる。
さらに、本発明においては上記多孔質層形成工程に用いられる多孔質層形成用塗工液が金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有するものであることにより、当該工程において形成される多孔質層を、バインダー樹脂を含有するものとすることができる。その結果、形成される多孔質層を脆性が小さいものにできる。
以上より、本発明によればクラック等が少なく、脆性が小さい多孔質層を有し、かつ導電層を備えることにより光電変換効率が良好な色素増感型太陽電池を作製することが可能な酸化物半導体電極を製造することができる。
ここで、上記図4においては、本発明の酸化物半導体電極の製造方法の一例として、第1電極層形成工程を実施した後に、上記導電層形成工程を実施する例について説明した。しかしながら、本発明の酸化物半導体電極の製造方法はこのような態様に限定されるものではなく、上記導電層形成工程を実施した後に、上記第1電極層形成工程を実施する態様でもよいものである。このような態様によれば、上記第1電極層形成工程において塗布法によって第1電極層を形成する場合であっても、導電層を構成する多角形内の角部において第1電極層のインク抜けが発生することを防止できる。
本発明の酸化物半導体電極の製造方法は、少なくとも、上記導電層形成工程、第1電極層形成工程、および多孔質層形成工程を有するものであり、必要に応じて他の任意の工程を有してもよいものである。
以下、本発明に用いられる各工程について順に説明する。
なお、本発明においては上記導電層形成工程、および第1電極層形成工程のいずれかにおいて、上記第1基材が用いられることになるが、本発明に用いられる第1基材については、上記「A.酸化物半導体電極」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。なお、本発明においては、上記導電層形成工程、および第1電極層形成工程のうち、先に実施される工程において上記第1基材が用いられることになる。
1.導電層形成工程
まず、本発明における導電層形成工程について説明する。本工程は、第1基材上に、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する工程である。ここで、本工程よりも後述する第1電極層形成工程が先に実施されている場合は、本工程は導電層を第1電極層上に形成することになる。
本工程において導電層を形成する方法としては、所定のパターン状の導電層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、導電層を形成するために用いられる導電性材料の種類等に応じて適当な方法を用いることができる。このような方法としては、上記第1基材上の全面に導電性材料からなる導電性材料膜を形成した後、当該導電性材料膜を所定のパターン状にパターニングする方法や、上記第1基材上に直接パターン状の導電層を形成する方法を挙げることができる。
上記導電性材料膜を形成する方法としては、上記導電性材料の種類等に応じて適宜適当な方法を用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば、真空蒸着法(抵抗加熱、誘電加熱、EB加熱方式)、化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)等を挙げることができる。
また、上記導電性材料膜を所定のパターン状にパターニングする方法としては、例えば、ドライエッチングやウェットエッチング等を挙げることができる。
一方、上記第1基材上に直接パターン状の導電層を形成する方法としては、導電性材料をペースト化して印刷する方法を用いることができる。この場合に用いられる印刷法としては、パターン状の導電層を形成しやすいという観点から、例えば、スクリーン印刷またはグラビア印刷が好ましい。
2.多孔質層形成工程
次に、本発明に用いられる多孔質層形成工程について説明する。本工程は、上記第1電極層および上記導電層上に金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有する多孔質層形成用塗工液を塗布し、多孔質層を形成する工程である。本工程においては、上記多孔質層形成用塗工液として金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有するものが用いられることにより、本工程において形成される多孔質層を、バインダー樹脂を含有するものとし、脆性が小さいものにできる。また、従来、塗布法を用いて多孔質層を形成する場合は、形成される多孔質層にクラック等が生じやすいという問題点があったが、本工程においては上述した導電層形成工程において形成された、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層上に多孔質層が形成されることにより、塗布法が用いられる場合であっても、形成される多孔質層にクラック等が生じることを著しく低減することができる。
本工程に用いられる多孔質層形成用塗工液は、少なくとも金属酸化物半導体微粒子と、バインダー樹脂とを含有するものである。ここで、上記金属酸化物半導体微粒子については、上記「A.酸化物半導体電極」の項において説明したものと同様であるため、ここで説明は省略する。
一方、本工程に用いられる上記バインダー樹脂としては、本工程において形成されるバ多孔質層に所望の脆性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。このようなバインダー樹脂については、上記「A.酸化物半導体電極」の項において説明したものと同様のものを用いることができるため、ここでの説明は省略する。
本工程に用いられる多孔質層形成用塗工液には、上記バインダー樹脂および金属酸化物半導体微粒子を溶解・分散するために溶媒が用いられていてもよい。本工程に用いられる溶媒としては、上記バインダー樹脂を所望量溶解できるものであれば特に限定されるものではない。このような溶媒としては、水またはメタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ターピネオール、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、tert−ブチルアルコール等の各種溶剤を挙げることができる。なかでも、水ないしアルコール系の溶媒であることが好ましい。
本工程に用いられる多孔質層形成用塗工液の粘度としては、導電層上に塗布した際に導電層を構成する多角形内の隅々にまで塗布でき、インク抜けが発生することを防止できる範囲内であれば特に限定されるものではない。中でも本工程に用いられる多孔質層形成用塗工液の粘度は、10mPa・S〜10000mPa・Sの範囲内であることが好ましく、30mPa・S〜3000mPa・Sの範囲内であることがより好ましく、50mPa・S〜1000mPa・Sの範囲内であることがさらに好ましい。粘度が上記範囲よりも高いと、上記のような所定のパターン状に導電層が形成されている場合であっても、導電層上に多孔質層形成用塗工液を塗布した際にインク抜けが生じる場合があるからである。
一方、粘度が上記範囲よりも低いと、溶媒が乾燥する前に塗工範囲外に塗工液が染み出すため、所定の範囲にのみ層を形成することが困難になったり、所定の膜厚が得られず塗工回数を増やさなければならない場合があるからである。
次に、上記多孔質層形成用塗工液を塗布する方法について説明する。本工程に用いられる塗布方法としては、多孔質層形成用塗工液を所望の厚みで均一に塗布できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、ダイコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、リバースロールコート、バーコート、ブレードコート、ナイフコート、エアナイフコート、スロットダイコート、スライドダイコート、ディップコート、マイクロバーコート、マイクロバーリバースコート、オフセットコート、スクリーン印刷(ロータリー方式)等を挙げることができる。
次に、上記多孔質層形成用塗工液を塗布することによって形成された塗膜の乾燥方法について説明する。本工程おいて上記塗膜を乾燥する方法としては、通常、低温乾燥する低温乾燥法が用いられる。ここで、本工程における「低温」とは、少なくとも多孔質層中の溶剤成分が揮発する温度以上であり、多孔質層を焼成するには至らない温度を意味するものである。本発明に用いられる第1基材として、樹脂製基材が用いられる場合は、乾燥温度は当該樹脂製基材を構成する樹脂材料の熱分解温度よりも低いことを要する。このような観点から、本工程における乾燥温度は、50℃〜250℃の範囲内であることが好ましく、60℃〜180℃の範囲内であることがより好ましく、80℃〜150℃の範囲内であることがさらに好ましい。
3.第1電極層形成工程
次に、本発明に用いられる第1電極層形成工程について説明する。本工程は、上記第1基材上に金属酸化物からなる第1電極層を形成する工程である。ここで、本工程よりも上述した導電層形成工程が先に実施されている場合は、本工程は第1電極層を導電層上に形成することになる。
本工程において第1電極層を形成する方法としては、厚みが均一で平面性に優れた第1電極層を形成できる方法であれば特に限定されず、一般的に金属酸化物膜を形成する方法として公知の方法を用いることができる。このような第1電極層の形成方法の具体例としては、例えば、特開2005−166648号公報に記載された方法を好適に用いることができる。
なお、本工程において第1電極層を形成する方法として第1電極層形成用塗工液を塗布する塗布法が用いられる場合、当該第1電極層形成用塗工液の粘度は、10mPa・S〜10000mPa・Sの範囲内であることが好ましく、30mPa・S〜3000mPa・Sの範囲内であることがより好ましく、50mPa・S〜1000mPa・Sの範囲内であることがさらに好ましい。本工程が導電層上に第1電極層を形成するものである場合、第1電極層形成用塗工液の粘度が上記範囲よりも高いと、上記のような所定のパターン状に導電層が形成されている場合であっても、導電層上に第1電極層形成用塗工液を塗布した際にインク抜けが生じる場合があるからである。一方、粘度が上記範囲よりも低いと、溶媒が乾燥する前に塗工範囲外に塗工液が染み出すため、所定の範囲にのみ層を形成することが困難になったり、所定の膜厚が得られず塗工回数を増やさなければならない場合があるからである。
4.任意の工程
上述したように、本発明の酸化物半導体電極の製造方法は、少なくとも導電層形成工程、第1電極層形成工程、および多孔質層形成工程を有すればよいものであるが、必要に応じて他の任意の工程を有するものであってもよい。本発明に用いられる任意の工程としては、本発明によって製造される酸化物半導体電極の用途や上記各工程の具体的実施態様に応じて適宜選択して用いることができる。
C.色素増感型太陽電池(第1態様)
次に、本発明の第1態様の色素増感型太陽電池について説明する。上述したように本態様の色素増感型太陽電池は、第1基材と、上記第1基材上に順不同で互いに接するように積層された金属酸化物からなる第1電極層および導電層と、上記第1電極層および上記導電層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層とを有する酸化物半導体電極、および第2基材と、上記第2基材上に形成され、金属酸化物からなる第2電極層とを有する対向電極基材が、上記多孔質層と上記第2電極層とが対向するように配置されており、上記酸化物半導体電極と上記対向電極基材との間に酸化還元対を含む電解質層が形成された構成を有するものであって、上記酸化物半導体電極における導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とするものである。換言すると、本態様の色素増感型太陽電池は、上記酸化物半導体電極として、上記本発明に係る酸化物半導体電極が形成されていることを特徴とするものである。
このような本態様の色素増感型太陽電池について図を参照しながら説明する。図5は、本態様の色素増感型太陽電池の一例を示す概略断面図である。図5に例示するように、本態様の色素増感型太陽電池20は、酸化物半導体電極10と、対向電極基材30との間に酸化還元対を有する電解質層40が形成された構成を有するものである。ここで、上記酸化物半導体電極10は、第1基材1と、上記第1基材1上に形成され、金属酸化物からなる第1電極層2と、上記第1基材1上に上記第1電極層2と接するように形成された導電層3と、上記第1電極層2および上記導電層3上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層4と、を有するものである。また、上記対向電極基材30は、第2基材31と、上記第2基材31上に形成され、金属酸化物からなる第2電極層32とを有するものである。
このような例において、本態様の色素増感型太陽電池20は、上記酸化物半導体電極10における導電層3が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とするものである。
なお、上記図5においては、本態様の色素増感型太陽電池の一例として、第1基材上に第1電極層および導電層がこの順で積層された構成を有する酸化物半導体電極を用いる例を示したが、本態様に用いられる酸化物半導体電極はこのような態様のものに限定されるものではなく、第1基材上に導電層および第1電極層がこの順で積層された構成を有するものであってもよい。
本態様によれば、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、導電層を流れる電流が局所的に集中することを防止することができる。このため、本発明の色素増感型太陽電池において、導電層の局所加熱が生じることを防止することができる。
このようなことから、本態様によれば、光電変換効率を向上させるために導電層が用いられる場合であっても、導電層の局所加熱により耐久性が低下することがなく、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池を得ることができる。
本態様の色素増感型太陽電池は、少なくとも上記酸化物半導体電極、対向電極基材および電解質層を有するものであり、必要に応じて他の任意の構成を有してもよいものである。
以下、本発明の色素増感型太陽電池に用いられる各構成について順に説明する。
1.酸化物半導体電極
まず、本態様に用いられる酸化物半導体電極について説明する。本態様に用いられる酸化物半導体電極は、第1基材と、上記第1基材上に順不同で互いに接するように積層された金属酸化物からなる第1電極層および導電層と、上記第1電極層および上記導電層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、を有するものである。
このような酸化物半導体電極については、上記「A.酸化物半導体電極」の項において説明したものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
2.電解質層
次に、本態様に用いられる電解質層について説明する。本態様に用いられる電解質層は、酸化還元対を含むものである。
本態様に用いられる酸化還元対としては、一般的に色素増感型太陽電池の電解質層に用いられているものであれば特に限定はされるものではない。なかでも本態様に用いられる酸化還元対は、ヨウ素およびヨウ化物の組合せ、臭素および臭化物の組合せであることが好ましい。
上記酸化還元対として本態様に用いられるヨウ素およびヨウ化物の組合せとしては、例えば、LiI、NaI、KI、CaI等の金属ヨウ化物と、Iとの組合せを挙げることができる。
さらに、上記臭素および臭化物の組合せとしては、例えば、LiBr、NaBr、KBr、CaBr等の金属臭化物と、Brとの組合せを挙げることができる。
本態様における電解質層には、上記酸化還元対以外のその他の化合物として、架橋剤、光重合開始剤、増粘剤、常温融解塩等の添加剤を含有していてもよい。
電解質層は、ゲル状、固体状または液体状のいずれの形態からなる電解質層であってもよい。電解質層をゲル状とした場合には、物理ゲルと化学ゲルのいずれであってもよい。ここで、物理ゲルは物理的な相互作用で室温付近でゲル化しているものであり、化学ゲルは架橋反応などにより化学結合でゲルを形成しているものである。
また、電解質層を液体状とした場合には、例えば、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、炭酸プロピレンなどを溶媒とし、酸化還元対を含んだものや、同じくイミダゾリウム塩をカチオンとするイオン性液体を溶媒とすることができる。
3.対向電極基材
次に、本態様に用いられる対向電極基材について説明する。本態様における対向電極基材は、第2電極層および第2基材からなるものである。
(1)第2電極層
本態様に用いられる第2電極層としては、所望の導電性を有する金属酸化物からなるものであれば特に限定されるものではない。本態様において第2電極層に用いられる金属酸化物としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではない。このような金属酸化物としては、上記「A.酸化物半導体電極」の項において第1電極層に用いられる金属酸化物として説明したものと同様のものを用いることができる。
本態様に用いられる第2電極層は、単一の層からなる構成であってもよく、また、複数の層が積層された構成であってもよい。複数の層が積層された構成としては、例えば、仕事関数が互いに異なる層を積層する発明や、互いに異なる金属酸化物からなる層を積層する発明を挙げることができる。
また、本態様に用いられる第2電極層の厚みは、通常、5nm〜2000nmの範囲内が好ましく、特に10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。
(2)第2基材
本態様における第2基材は、上記「A.酸化物半導体電極」の、第1基材の項において説明したものと同様のものを用いることができるため、ここでの説明は省略する。
(3)その他の層
本態様に用いられる対向電極基材には必要に応じて、上記第2電極層および第2基材以外のその他の構成を有するものであってもよい。本態様に用いられるその他の構成としては、触媒層を挙げることができる。本態様においては、上記第2電極層上に触媒層が形成されていることにより、本態様の色素増感型太陽電池をより発電効率に優れたものにできる。このような触媒層の例としては、上記第2電極層上にPtを蒸着した態様を挙げることができるが、この限りではない。
4.色素増感型太陽電池
本態様の色素増感型太陽電池は、上記酸化物半導体電極の多孔質層等、および、上記対向電極基材の第2電極層等がパターニングされていることにより、一対の酸化物半導体電極および対向電極基材に複数のセルが連結された構成を有するものであってもよい。このような構成を有することにより、本態様の色素増感型太陽電池を起電力の高いものにできるからである。
また、上記パターニングの形状としては、本態様の色素増感型太陽電池に求める起電力等により任意に決定することができるが、なかでも本発明においてはストライプ形状のパターニングとすることが最も好ましい。
5.色素増感型太陽電池の製造方法
次に、本態様の色素増感型太陽電池の製造方法について説明する。本態様の色素増感型太陽電池は、例えば、上記本発明の酸化物半導体電極が有する多孔質層と、上記対向電極基材が有する第2電極基材との間に電解質層を形成することにより製造することができる。
上記本発明の酸化物半導体電極が有する多孔質層と、上記対向電極基材が有する第2電極層との間に電解質層を形成する方法としては、電解質層を厚み精度よく形成できる方法であれば特に限定されない。このような方法としては、上記酸化物半導体電極の多孔質層上に電解質層を形成した後、当該電解質層上に対向電極基材を配置する方法(第1の電解質層形成方法)と、上記酸化物半導体電極および対向電極基材を、多孔質層と第2電極層とが対向するように配置した後、多孔質層と第2電極層との間に電解質層を形成する方法(第2の電解質層形成方法)と、を挙げることができる。
上記第1の電解質層形成方法としては、例えば、電解質層形成用組成物を上記多孔質層上に塗布し、乾燥させることにより電解質層を形成した後に、対向電極基材を付与する塗布法を用いることができる。また、上記第2の電解質層形成方法としては、上記酸化物半導体電極の多孔質層と、対向電極基材が有する第2電極層とが対向するように所定の間隙を有して配置させ、その間隙に、電解質層形成用組成物を注入することにより、電解質層を形成する注入法を用いることができる。
上記塗布法における、多孔質層形成用組成物の塗布方法としては、公知の塗布法を用いることができ、具体的には、ダイコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、リバースロールコート、バーコート、ブレードコート、ナイフコート、エアナイフコート、スロットダイコート、スライドダイコート、ディップコート、マイクロバーコート、マイクロバーリバースコートや、スクリーン印刷(ロータリー方式)等を挙げることができる。
また、上記塗布法により電解質層を形成する場合、電解質層を形成する電解質層形成用組成物としては、少なくとも酸化還元対および酸化還元対を保持する高分子化合物を有するものであれば特に限定はされない。
上記注入法により電解質層を形成する場合、電解質層を形成する電解質層形成用組成物としては、少なくとも酸化還元対を有するものであれば特に限定はされないが、形成される電解質層をゲル状とする場合には、さらに、ゲル化剤が含有されたものとする。例えば、物理ゲルの場合は、ゲル化剤としてシリカ粒子、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリレート等を挙げることができる。また、化学ゲルの場合は、アクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系等を挙げることができる。
上記多孔質層と、対向電極基材が有する第2電極層との間隙に電解質層形成用組成物を注入する方法としては、特に限定はされないが、例えば、毛細管現象を利用して注入させる方法や、上記多孔質層と、上記第2電極との間隙を真空状態にし、電解質層形成用組成物を接触させた状態で大気圧に開放することで注入する方法などを挙げることができる。
また、注入法により、電解質層形成用組成物を注入した後、例えば、温度調整、紫外線照射または電子線照射等を行い、二次元または三次元の架橋反応を生じさせることによりゲル状さらには固体状の電解質層を形成することができる。
なお、第2基材上に第2電極層を形成する方法は特に限定されず、一般的な方法を用いることができる。
D.色素増感型太陽電池モジュール(第1態様)
次に、本発明の第1態様の色素増感型太陽電池モジュールについて説明する。上述したように、本態様の色素増感型太陽電池モジュールは、色素増感型太陽電池が複数個連結されてなるものであって、上記色素増感型太陽電池が、第1基材と、上記第1基材上に順不同で互いに接するように積層された金属酸化物からなる第1電極層、および少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層と、上記第1電極層および上記導電層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層とを有する酸化物半導体電極、および第2基材と、上記第2基材上に形成され、金属酸化物からなる第2電極層とを有する対向電極基材が、上記多孔質層と上記第2電極層とが対向するように配置されており、上記酸化物半導体電極と上記対向電極基材との間に酸化還元対を含む電解質層が形成された構成を有するものであることを特徴とするものである。すなわち、本態様の色素増感型太陽電池モジュールは、上記本発明の第1態様の色素増感型太陽電池が複数個連結されてなることを特徴とするものである。
このような本態様の色素増感型太陽電池モジュールについて図を参照しながら説明する。図6は、本態様の色素増感型太陽電池モジュールの一例を示す概略断面図である。図6(a)に例示するように、本態様の色素増感型太陽電池モジュール50としては、酸化物半導体電極10’が有する第1電極層2、多孔質層4、および対向電極基材30’が有する第2電極層32がパターニングされていることにより、一対の酸化物半導体電極10’と対向電極基材30’との間に複数の本発明の色素増感型太陽電池20’が形成されており、個々の色素増感型太陽電池20’が配線51により連結された構成を有するものを例示することができる。図6(a)中、52はシール材を表すものである。
ここで、図6(a)に示す例は、3つのセルが直列に連結された構成を有するものであるが、本態様の色素増感型太陽電池モジュールはこのような構成を有するものに限定されるものではなく、たとえば図6(b)に例示するように、複数(図6(b)では3つ)のセルが並列に連結されたものであってもよい。
本態様によれば、上記本態様の第1態様の色素増感型太陽電池が用いられていることにより、光電変換効率に優れ、かつ耐久性に優れた色素増感型太陽電池モジュールを得ることができる。
本態様において複数の色素増感型太陽電池が連結された態様としては、本態様の色素増感型太陽電池モジュールにより所望の起電力を得ることができる態様であれば特に限定されるものではない。このような態様としては、個々の色素増感型太陽電池が直列で連結された態様であってもよく、あるいは並列で連結された態様であってもよい。
また、複数の色素増感型太陽電池が連結された態様としては、図6に例示したように、一対の基板の間に複数の色素増感型太陽電池が形成された態様であってもよく、それぞれ別個独立に形成された色素増感型太陽電池が外部配線等によって連結された態様であってもよい。
なお、本態様に用いられる色素増感型太陽電池については、上記「C.色素増感型太陽電池」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
E.透明導電基材
次に、本発明の透明導電基材について説明する。上述したように本発明の透明導電基材は、透明基材と、上記透明基材上に形成された導電層と、上記導電層上に形成された触媒層とを有するものであって、上記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とするものである。
このような本発明の透明導電基材について図を参照しながら説明する。図7は本発明の透明導電基材の一例を示す概略断面図である。ここで、図7(b)は、図7(a)におけるX方向から本発明の透明導電基材を正視した場合の概略図である。図7(a)に例示するように本発明の透明導電基材60は、透明基材61と、上記透明基材61上に形成された導電層62と、上記導電層62上に形成された触媒層63とを有するものである。そして、図7(b)に示すように本発明の透明導電基材60は、上記導電層62が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とするものである(図7(b))。
なお、説明の便宜のため、図7(b)においては触媒層63の図示は省略した。
本発明によれば、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、導電層を流れる電流が局所的に集中することを防止することができる。このため、本発明の透明導電基材を用いて作製された色素増感型太陽電池において、導電層に局所加熱が生じることを防止することができ、耐久性に優れた色素増感型太陽電池を得ることができる。
また、本発明によれば、上記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、例えば、上記導電層上に触媒層を塗布法で形成する際に、導電層を構成する多角形内の隅々まで塗工液が塗布され、上記多角形内の角部にインク抜けが生じることを防止することができる。
なお、上記図7においては導電層がハニカムパターン状に形成された例を示したが、本発明の透明導電基材は、このような例に限定されるものではない。
本発明の透明導電基材は、少なくとも透明基材、導電層、および触媒層を有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本発明の透明導電基材に用いられる各構成について順に説明する。
1.導電層
まず、本発明に用いられる導電層について説明する。本発明に用いられる導電層は、透明基材上に形成されるものであり、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状に形成されていることを特徴とするものである。
このような導電層については、透明基材上に形成されていること以外は、上記「A.酸化物半導体電極」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.透明基材
次に、本発明に用いられる透明基材について説明する。本発明に用いられる透明基材は、本発明の透明導電基材を用いて作製された色素増感型太陽電池等において、透明基材を通して太陽光を受光することができるように、太陽光を透過させることができるものであれば特に限定されるものではない。中でも本発明に用いられる透明基材は、全光線透過率80%以上であるものがより好ましい。なお、上記全光線透過率は、JIS K7361−1:1997に準拠した測定方法により測定した値である。
上記透明基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリエステルナフタレートフィルム(PEN)、ポリカーボネートフィルム(PC)からなる基材を用いることができる。
また、上記透明基材の厚みは、本発明の透明導電基材を用いて作製される色素増感型太陽電池等の用途等に応じて適宜決定することができるものであるが、通常、10μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、特に50μm〜1800μmの範囲内であることが好ましく、さらに100μm〜1500μmの範囲内であることが好ましい。
3.触媒層
次に、本発明に用いられる触媒層について説明する。本発明に用いられる触媒層は、上述した導電層上に形成されるものであり、本発明の透明導電基材を用いて作製される色素増感型電池を、より発電効率に優れたものにすることができるという機能を有するものである。
本発明に用いられる触媒層としては、例えば、白金、導電性高分子材料、またはこれらの混合物からなるものなどを挙げることができる。導電性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PA)、ポリピロール、またはこれらの誘導体などを挙げることができる。
また、上記触媒層の厚みは、1nm〜10μmの範囲内、なかでも10nm〜1000nmの範囲内、特に10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。
4.透明導電基材
本発明の透明導電基材には、必要に応じて上記透明基材、導電層、および触媒層以外の他の構成が用いられてもよい。本発明に用いられる他の構成は、特に限定されるものではなく、本発明の透明導電基材の用途等に応じて、適宜、所望の機能を有する構成を選択して用いることができる。本発明に用いられる他の構成としては、例えば、上記透明基材と上記導電層との間、または上記導電層と上記触媒層との間に形成される透明電極層、および上記触媒層上に形成される固体電解質層を例示することができる。
上記透明電極層を構成する材料としては、透明性を有し、所定の導電性を有する材料であれば特に限定されるものではなく、導電性高分子材料や金属酸化物等を用いることができる。上記導電性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PA)、ポリピロール、またはこれらの誘導体などを挙げることができ、これらの材料を2種以上混合して用いることもできる。上記金属酸化物としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、なかでも太陽光に対して透過性を有するものであることが好ましい。このような太陽光に対する透過性を有する金属酸化物としては、例えば、SnO、ZnO、酸化インジウムにスズを添加した化合物(ITO)、フッ素ドープしたSnO(以下、FTOと称する。)、酸化インジウムに酸化亜鉛を添加した化合物(IZO)を挙げることができる。一方、上記導電性高分子材料としては、例えば、ポリチオフェン、ポリエチレンスルフォン酸(PSS)、ポリアニリン(PA)、ポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等を挙げることができる。また、これらの材料を2種以上混合して用いることもできる。
本発明に用いられる透明電極層は、単一の層からなる構成であってもよく、また、複数の層が積層された構成であってもよい。複数の層が積層された構成としては、例えば、仕事関数が互いに異なる材料からなる層が積層された態様や、互いに異なる金属酸化物からなる層が積層された態様を挙げることができる。
また、本発明に用いられる透明電極層の厚みは、通常、5nm〜2000nmの範囲内であることが好ましく、特に10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。厚みが上記範囲よりも厚いと、均質な透明電極層を形成することが困難となる場合や全光線透過率が低下して良好な光電変換効率を得ることが難しくなる場合があり、また、厚みが上記範囲よりも薄いと、透明電極層の導電性が不足する可能性があるからである。
なお、上記厚みは、透明電極層が複数の層から構成される場合には、すべての層の厚みを合計した総厚みを指すものとする。
本発明に用いられる固体電解質層は、酸化還元対を含有し、固体状ものである。固体電解質層に含有される酸化還元対としては、一般的に色素増感型太陽電池の電解質層に用いられているものであれば、特に限定されるものではない。また、上記固体電解質層に含まれる酸化還元対については、上記「C.色素増感型太陽電池」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
F.透明導電基材の製造方法
次に、本発明の透明導電基材の製造方法について説明する。本発明の透明導電基材の製造方法は、透明基材を用い、上記透明基材上に、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する導電層形成工程と、上記導電層上に、塗布法によって触媒層を形成する触媒層形成工程と、を有することを特徴とするものである。
このような本発明の透明導電基材の製造方法について図を参照しながら説明する。図8は、本発明の透明導電基材の製造方法の一例を示す工程図である。図8に例示するように、本発明の透明導電基材の製造方法は、透明基材61を用い(図8(a))、上記透明基材81上に、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層62を形成する導電層形成工程と(図8(b))、上記導電層62上に、塗布法によって触媒層63を形成する触媒層形成工程と(図8(c))、を有するものである。
本発明によれば、上記導電層形成工程において形成される導電層のパターンが、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、本発明によって製造される透明導電基材を用いて作製される色素増感型太陽電池において、上記導電層が局所加熱されることを防止できるため、色素増感型太陽電池の耐久性を向上することができる。また、上記導電層形成工程において形成される導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状に形成されることにより、上記触媒層形成工程において触媒層を形成する際に、触媒層形成用塗工液が導電層を構成する多角形内の隅々にまで塗布され、上記多角形内の角部にインク抜けが生じることを防止できる。
本発明の透明導電基材の製造方法は、少なくとも上記導電層形成工程と、触媒層形成工程とを有するものであるが、必要に応じて他の工程を有してもよいものである。
以下、本発明に用いられる各工程について順に説明する。
1.導電層形成工程
まず、本発明に用いられる導電層形成工程について説明する。本工程は、透明基材を用い、上記透明基材上に少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する工程である。
本工程において導電層を形成する方法としては、所定のパターン状の導電層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、導電層を形成するために用いられる導電性材料の種類等に応じて適当な方法を用いることができる。このような方法としては、上記「B.酸化物半導体電極の製造方法 1.導電層形成工程」の項において説明した方法と同様の方法を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
2.触媒層形成工程
次に、本発明に用いられる触媒層形成工程について説明する。本工程は、上記導電層形成工程によって形成された導電層上に、塗布法によって触媒層を形成する工程である。すなわち、本工程においては導電層上に、触媒層形成用塗工液を塗布し、乾燥することによって触媒層が形成される。ここで、本工程においては、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状に形成されていることにより、当該導電層上に塗布法で触媒層を形成する場合であっても、導電層を構成する多角形内の隅々にまで塗布液を塗布することができ、インク抜けが生じることを防止することができる。
本工程に用いられる触媒層形成用塗工液の粘度としては、導電層上に塗布した際に導電層を構成する多角形内の隅々にまで塗布でき、インク抜けが発生することを防止できる範囲内であれば特に限定されるものではない。中でも本工程に用いられる触媒層形成用塗工液の粘度は、0.1mPa・S〜10000mPa・Sの範囲内であることが好ましく、1mPa・S〜5000mPa・Sの範囲内であることがより好ましく、5mPa・S〜1000mPa・Sの範囲内であることがさらに好ましい。粘度が上記範囲よりも高いと、上記のような所定のパターン状に導電層が形成されている場合であっても、導電層上に触媒層形成用塗工液を塗布した際にインク抜けが生じる場合があるからである。一方、粘度が上記範囲よりも低いと、溶媒が乾燥する前に塗工範囲外に塗工液が染み出すため、所定の範囲にのみ層を形成することが困難になったり、所定の膜厚が得られず塗工回数を増やさなければならない場合があるからである。
本工程において触媒層形成用塗工液を導電層上に塗布する方法としては、例えば、ダイコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート、リバースロールコート、バーコート、ブレードコート、ナイフコート、エアナイフコート、スロットダイコート、スライドダイコート、ディップコート、マイクロバーコート、マイクロバーリバースコート、マイクログラビアコートや、スクリーン印刷(ロータリー方式)等を挙げることができる。
3.他の工程
本発明の透明導電基材の製造方法には、上記導電層形成工程および触媒層形成工程以外の他の工程が用いられてもよい。本発明に用いられる他の工程としては、本発明によって製造される透明導電基材の用途等に応じて適宜決定することができ、特に限定されるものではない。中でも本発明に好適に用いられる他の工程としては、例えば、上記導電層形成工程後に実施され、導電層上に塗布法によって透明電極層を形成する透明電極層形成工程や、上記触媒層形成工程後に実施され、触媒層上に塗布法によって固体電解質層を形成する固体電解質層形成工程等を挙げることができる。これらの他の工程が用いられる場合も、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状に形成されていることにより、導電層を構成する多角形内の角部において、各工程において形成される層にインク抜けが生じることを防止することができる。
上記透明電極層形成工程においては、塗布法によって透明電極層が形成される。すなわち、導電層上に透明電極層形成用塗工液を塗布することよって、電極層が形成される。ここで、透明電極層形成用塗工液を塗布する方法としては、一般的に公知の塗布方法を用いることができる。具体的な塗布方法としては、上記「2.触媒層形成工程」において例示した方法を用いることができる。
上記透明電極層形成工程に用いられる透明電極層形成用塗工液の粘度としては、導電層上に塗布した際に導電層を構成する多角形内の隅々にまで塗布でき、インク抜けが発生することを防止できる範囲内であれば特に限定されるものではない。中でも本工程に用いられる透明電極層形成用塗工液の粘度は、0.1mPa・S〜10000mPa・Sの範囲内であることが好ましく、1mPa・S〜8000mPa・Sの範囲内であることがより好ましく、5mPa・S〜5000mPa・Sの範囲内であることがさらに好ましい。粘度が上記範囲よりも高いと、上記のような所定のパターン状に導電層が形成されている場合であっても、導電層上に透明電極層形成用塗工液を塗布した際にインク抜けが生じる場合があるからである。一方、粘度が上記範囲よりも低いと、溶媒が乾燥する前に塗工範囲外に塗工液が染み出すため、所定の範囲にのみ層を形成することが困難になる場合があるからである。
なお、上記透明電極層形成工程は、上記導電層形成工程が実施される前に用いられてもよい。この場合、上記導電層形成工程では透明電極層上に導電層を形成することになる。
上記固体電解質層形成工程も、塗布法によって触媒層上に固体電解質層を形成するものである。固体電解質層形成用塗工液を触媒層上に塗布する方法としては、一般的に公知の塗布方法を用いることができる。具体的な塗布方法としては、上記「2.触媒層形成工程」において例示した方法を用いることができる。ここで、上記固体電解質層形成用塗工液は、酸化還元対および樹脂を含有することにより、固体電解質層を形成することができるものであるところ、上記樹脂としては例えば、セルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリル、ウレタン、エポキシおよびそれらの誘導体等を挙げることができる。
上記固体電解質層形成工程に用いられる固体電解質層形成用塗工液の粘度としては、導電層上に塗布した際に導電層を構成する多角形内の隅々にまで塗布でき、インク抜けが発生することを防止できる範囲内であれば特に限定されるものではない。中でも本工程に用いられる固体電解質層形成用塗工液の粘度は、1mPa・S〜30000mPa・Sの範囲内であることが好ましく、10mPa・S〜15000mPa・Sの範囲内であることがより好ましく、100mPa・S〜8000mPa・Sの範囲内であることがさらに好ましい。粘度が上記範囲よりも高いと、上記のような所定のパターン状に導電層が形成されている場合であっても、導電層上に固体電解質層形成用塗工液を塗布した際にインク抜けが生じる場合があるからである。一方、粘度が上記範囲よりも低いと、溶媒が乾燥する前に塗工範囲外に塗工液が染み出すため、所定の範囲にのみ層を形成することが困難になったり、所定の膜厚が得られず塗工回数を増やさなければならない場合があるからである。
G.色素増感型太陽電池(第2態様)
次に、本発明の第2態様の色素増感型太陽電池について説明する。本態様の色素増感型太陽電池は、金属層、および上記金属層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層を有する酸化物半導体電極基材と、透明基材、上記透明基材上に形成された導電層、上記導電層上に形成された触媒層を有する透明導電基材とが、上記多孔質層、および上記触媒層が対向するように配置され、上記酸化物半導体電極基材および上記透明導電基材の間に酸化還元対を含む電解質層が形成されているものであって、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とするものである。
このような本態様の色素増感型太陽電池について図を参照しながら説明する。図9は、本態様の色素増感型太陽電池の一例を示す概略断面図である。図9に例示するように、本態様の色素増感型太陽電池80は、金属層71、および上記金属層71上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層72を有する酸化物半導体電極基材70と、透明基材61、上記透明基材61上に形成された導電層62、上記導電層62上に形成された触媒層63を有する透明導電基材60とが用いられ、酸化物半導体電極基材70と透明導電基材60とが上記多孔質層72および上記触媒層63が対向するように配置され、上記酸化物半導体電極基材70および上記透明導電基材60の間に酸化還元対を含む電解質層81が形成されているものである。このような例において本態様の色素増感型太陽電池80は、上記導電層62が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とするものである。
本態様によれば、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることにより、導電層を流れる電流が局所的に集中することを防止することができる。このため、本態様の色素増感型太陽電池において、導電層の局所加熱が生じることを防止することができる。したがって、本態様によれば光電変換効率を向上させるために導電層が用いられる場合であっても、導電層の局所加熱により耐久性が低下することがなく、光電変換効率に優れた色素増感型太陽電池を得ることができる。
本態様の色素増感型太陽電池は、少なくとも酸化物半導体電極基材、透明導電基材、および電解質層を有するものである。
以下、本発明に用いられる各構成について順に説明する。
1.透明導電基材
本態様に用いられる透明導電基材は、透明基材、上記透明基材上に形成された導電層、上記導電層上に形成された触媒層を有するものであり、上記導電層が少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とするものである。このような透明導電基材については、上記「E.透明導電基材」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.酸化物半導体電極基材
次に、本発明に用いられる酸化物半導体電極基材について説明する。本発明に用いられる酸化物半導体電極基材は、金属層、および上記金属層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層を有するものである。
ここで、上記多孔質層については、上記「C.色素増感型太陽電池(第1態様)」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記金属層としては、金属材料からなるものであれば特に限定されないが、フレキシブル性を有するものであることが好ましい。上記金属材料としては、銅、アルミニウム、チタン、クロム、タングステン、モリブデン、白金、タンタル、ニオブ、ジルコニウム、亜鉛、各種ステンレスおよびそれらの合金等が挙げられ、チタン、クロム、タングステン、各種ステンレスおよびそれらの合金が望ましい。また、金属層の厚みとしては、金属層上に上述した多孔質層を形成することが可能な自己支持性を付与できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、通常、5μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、10μm〜500μmの範囲内であることがより好ましく、20μm〜200μmの範囲内であることがさらに好ましい。
3.電解質層
本態様に用いられる電解質層は、上記透明導電基材および酸化物半導体電極基材の間に形成され、酸化還元対を含有するものである。このような電解質層については、上記「C.色素増感型太陽電池(第1態様)」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.色素増感型太陽電池の製造方法
次に、本態様の色素増感型太陽電池の製造方法について説明する。本態様の色素増感型太陽電池は、例えば、上記本発明の酸化物半導体電極基材が有する多孔質層と、上記透明導電基材が有する触媒層との間に電解質層を形成することにより製造することができる。ここで、電解質層を形成する方法については、例えば、上記「C.色素増感型太陽電池(第1態様)」の項において説明した方法と同様の方法を用いることができる。
H.色素増感型太陽電池モジュール(第2態様)
次に、本発明の第2態様の色素増感型太陽電池モジュールについて説明する。本態様の色素増感型太陽電池モジュールは、色素増感型太陽電池が複数個連結されてなる色素増感型太陽電池モジュールであって、上記色素増感型太陽電池が、金属層、および上記金属上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層を有する酸化物半導体電極基材と、透明基材、上記透明基材上に形成され、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層、および上記導電層上に形成された触媒層を有する透明導電基材とが、上記多孔質層および上記触媒層が対向するように配置され、上記酸化物半導体電極基材および上記透明導電基材の間に酸化還元対を含む電解質層が形成された構成を有するものであることを特徴とするものである。すなわち、本発明の色素増感型太陽電池モジュールは、上記本発明の第2態様の色素増感型太陽電池が複数個連結されてなることを特徴とするものである。
本態様によれば、上記本発明の第2態様の色素増感型太陽電池が用いられていることにより、光電変換効率に優れ、かつ耐久性に優れた色素増感型太陽電池モジュールを得ることができる。
本態様において複数の色素増感型太陽電池が連結された態様としては、本態様の色素増感型太陽電池モジュールにより所望の起電力を得ることができる態様であれば特に限定されるものではない。このような態様としては、個々の色素増感型太陽電池が直列で連結された態様であってもよく、あるいは並列で連結された態様であってもよい。
また、複数の色素増感型太陽電池が連結された態様としては、一対の透明導電基材および酸化物半導体電極基材の間に複数の色素増感型太陽電池が形成された態様であってもよく、それぞれ別個独立に形成された色素増感型太陽電池が外部配線等によって連結された態様であってもよい。
なお、本態様に用いられる色素増感型太陽電池については、上記「G.色素増感型太陽電池(第2態様)」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
50mm角、厚み125μmのPETフィルムを第1基材として用い、当該第1基材上にSUS304箔5μmを、熱ラミ材を用いて張り合わせ、その後、塩化第二鉄溶液にて開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にエッチングすることにより導電層を形成した。ここで、開口幅とは、六角形中の平行関係に位置する二辺間の距離のうち、最も距離の長い部分の距離を意味するものとする。
次に、第1電極層として上記導電層上にスパッタ法でITOを150nmの膜厚で成膜し、当該ITO上にTi-Nanoxide D20-L(solarronix製)を40mm角に塗布し、120℃で10min乾燥させて多孔質層を形成した。その後、多孔質層を色素増感剤としてルテニウム錯体(Dyesol製N719)を濃度が3×10−4mol/lとなるようにアセトニトリルとtert−ブチルアルコールの体積比1:1溶液に溶解させた色素担持用塗工液に、室温にて20h浸漬した。次いで、色素担持用塗工液から引き上げ、多孔質層に付着した色素担持用塗工液をアセトニトリルにより洗浄後、風乾した。これにより、多孔質層を形成している酸化チタン微粒子表面に上記の色素増感剤が坦持された基板サイズ50mm角の酸化物半導体電極を得た。
次に、6mol/l hexyl metyl imidazolum iodide(富山薬品)、0.6mol/l I2(メルク株式会社)、0.45mol/l n-metyl benzoimidazol(Aldrich)をhexyl metyl imidazolum tetracyano borat(メルク株式会社)に溶解した電解液を調整した。次にSTD-100(日新化成)をエタノールに10wt%溶解させた樹脂溶液を調整し、上記電解液:樹脂溶液=1:6(重量比)で混合した樹脂電解質溶液を作製した。これをミヤバーで多孔質層上に塗布し、120℃で10分間加熱した。
次に、対向電極基材として、50mm角のステンレス304(ニラコ)上に白金を200Åスパッタ成膜したものを用いた。
上記多孔質層上に形成された電解質層上に、対向電極基材の白金面が電解質層に接するように設置し、0.1Mpa、130℃、5分間で熱ラミネートすることで色素増感型太陽電池(モジュール)を得た。
このようにして作製した素子を分光感度測定装置CEP2000(分光計器社製)を用いて性能評価行った結果、光電変換効率η=0.9%であった。
[実施例2]
50mm角、厚み125μmのPETフィルムを第1基材として用い、当該第1基材上にTi箔5μmを熱ラミ材を用いて張り合わせ、その後フッ酸にて開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にエッチングすることにより導電層を形成した。次に、第1電極層として上記導電層上にスパッタ法でITOを150nmの膜厚で成膜し、当該ITO上にTi-Nanoxide D20-L(solarronix製)を40mm角に塗布し、120℃で10min乾燥させて多孔質層を形成した。その後、この多孔質層を色素増感剤としてルテニウム錯体(Dyesol製N719)を濃度が3×10−4mol/lとなるようにアセトニトリルとtert−ブチルアルコールの体積比1:1溶液に溶解させた色素担持用塗工液に、室温にて20h浸漬した。次いで、色素担持用塗工液から引き上げ、多孔質層に付着した色素担持用塗工液をアセトニトリルにより洗浄後、風乾した。これにより、多孔質層を形成している酸化チタン微粒子表面に上記の増感色素が坦持された基板サイズ50mm角の酸化物半導体電極を得た。
次に、6mol/l hexyl metyl imidazolum iodide(富山薬品)、0.6mol/l I2(メルク株式会社)、0.45mol/l n-metyl benzoimidazol(Aldrich) をhexyl metyl imidazolum tetracyano borat(メルク株式会社)に溶解した電解液を調整した。次にSTD-100(日新化成)をエタノールに10wt%溶解させた樹脂溶液を調整し、上記電解液:樹脂溶液=1:6(重量比)で混合した樹脂電解質溶液を作製した。これをミヤバーで上記の酸化チタン微粒子上に塗布し、120℃で10分間加熱した。
次に、対向電極基材として、50mm角のTi箔(ニラコ)上に白金を200Åスパッタ成膜したものを用いた。
上記酸化物半導体電極の多孔質層上に、対向電極基材の白金面が電解質層に接するように設置し、0.1Mpa、130℃、5分間で熱ラミネートすることで、色素増感型太陽電池を得た。
このようにして作製した素子を分光感度測定装置CEP2000(分光計器社製)を用いて性能評価行った結果、光電変換効率η=1.2%であった。
[実施例3]
50mm角、厚み125μmのPETフィルムを第1基材として用い、当該第1基材上にTiをスパッタリング形成し、そのフッ酸溶液にて開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にエッチングすることにより導電層を形成した。次に、第1電極層として上記導電層上にスパッタ法でITOを150nmの膜厚で成膜し、当該ITO上にTi-Nanoxide D20-L(solarronix製)を40mm角に塗布し、120℃で10min乾燥させて多孔質層を形成した。その後、この多孔質層を色素増感剤としてルテニウム錯体(Dyesol製N719)を濃度が3×10−4mol/lとなるようにアセトニトリルとtert−ブチルアルコールの体積比1:1溶液に溶解させた色素担持用塗工液に、室温にて20h浸漬した。次いで、色素担持用塗工液から引き上げ、多孔質層に付着した色素担持用塗工液をアセトニトリルにより洗浄後、風乾した。これにより、多孔質層を形成している酸化チタン微粒子表面に上記の増感色素が坦持された基板サイズ50mm角の酸化物半導体電極を得た。
次に、6 mol/l hexyl metyl imidazolum iodide(富山薬品)、 0.6mol/l I2(メルク株式会社)、0.45mol/l n-metyl benzoimidazol(Aldrich)をhexyl metyl imidazolum tetracyano borat(メルク株式会社)に溶解した電解液を調整した。次にSTD-100(日新化成)をエタノールに10wt%溶解させた樹脂溶液を調整し、上記電解液:樹脂溶液=1:6(重量比)で混合した樹脂電解質溶液を作製した。これをミヤバーで上記多孔質層上に塗布し、120℃で10分間加熱した。
次に、対向電極基材として50mm角のTi箔(ニラコ)上に白金を200Åスパッタ成膜したものを用いた。
上記多孔質層上に形成された電解質層上に、対向電極基材の白金面が電解質層に接するように設置し、0.1Mpa、130℃、5分間で熱ラミネートすることで、色素増感型太陽電池を得た。
このようにして作製した素子を分光感度測定装置CEP2000(分光計器社製)を用いて性能評価行った結果、光電変換効率η=1.2%であった。
[比較例1]
導電層を開口幅450μm、線幅50μmの正四角形を連続的に配列した格子状にエッチングを行ったこと以外は、実施例1と同様の方法により素子を作製した。ここで、開口幅とは四角形の長辺の長さに相当する距離を意味するものとする。作製した素子を分光感度測定装置CEP2000(分光計器社製)を用いて性能評価行った結果、光電変換効率η=0.01%であった。
[比較例2]
導電層を開口幅450μm、線幅50μmの正四角形を連続的に配列した格子状にエッチングを行ったこと以外は、実施例2と同様の方法により素子を作製した。作製した素子を分光感度測定装置CEP2000(分光計器社製)を用いて性能評価行った結果、光電変換効率η=0.03%であった。
[比較例3]
導電層を開口幅450μm、線幅50μmの正四角形を連続的に配列した格子状にエッチングを行ったこと以外は、実施例3と同様の方法により素子を作製した。作製した素子を分光感度測定装置CEP2000(分光計器社製)を用いて性能評価行った結果、光電変換効率η=0.6%であった。
上記の結果から、導電層を格子状で作製した電極を用いた基板ではクラックの発生により電流値が大幅に減少したことにより性能が大幅低下した。一方、導電層がハニカムパターン状のものに関しては多孔質層のクラックが低減されたことにより良好な性能を得ることが出来た。なお、クラックの有無は光学顕微鏡観察により評価した。
[実施例4]
導電層を、正五角形が連続したパターン状(開口幅450μm、線幅50μm)に形成したこと以外は、実施例1と同様の方法により、色素増感型太陽電池を作製した。
作製した色素増感型太陽電池について多孔質層のクラックの有無を光学顕微鏡観察により評価したところ、クラックは見られず、性能が良好な色素増感型太陽電池を得ることができた。
[実施例5]
導電層を、正九角形が連続したパターン状(開口幅450μm、線幅50μm)に形成したこと以外は、実施例1と同様の方法により、色素増感型太陽電池を作製した。
作製した色素増感型太陽電池について多孔質層のクラックの有無を光学顕微鏡観察により評価したところ、クラックは見られず、性能が良好な色素増感型太陽電池を得ることができた。
[比較例4]
導電層を、正三角形が連続したパターン状(開口幅450μm、線幅50μm)に形成したこと以外は、実施例1と同様の方法により、色素増感型太陽電池を作製した。
作製した色素増感型太陽電池について多孔質層のクラックの有無を光学顕微鏡観察により評価したところ、クラックが確認され、これにより電流値が大幅に減少し、性能が大幅低下した。
[実施例6]
PENからなる透明基材(帝人デュポン製Q−65FA)上に開口幅300μm、線幅50μmの正五角形が連続したパターン状の導電層を形成し、次いで、ミヤバーにて上記導電層上に触媒層形成用塗工液として2質量%PEDOTPSS水分散液(粘度50mPa・S)を塗工、乾燥し、触媒層を形成することにより、透明導電基材を作製した。作製した透明導電基材について触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックおよびインキ抜けともに確認されなかった。
[実施例7]
正六角形が連続したパターン状(開口幅450μm、線幅50μm)の導電層を形成したこと以外は、実施例6と同様の方法により透明導電基材を作製した。作製した透明導電基材について触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックおよびインキ抜けともに確認されなかった。
[実施例8]
正九角形が連続したパターン状(開口幅450μm、線幅50μm)の導電層を形成したこと以外は、実施例6と同様の方法により透明導電基材を作製した。作製した透明導電基材について触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックおよびインキ抜けともに確認されなかった。
[比較例5]
正三角形が連続したパターン状(開口幅450μm、線幅50μm)の導電層を形成したこと以外は、実施例6と同様の方法により透明導電基材を作製した。作製した透明導電基材について触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックは発生していなかったが、導電層を構成する正三角形内の角部においてインキ抜けが確認された。
[比較例6]
正四角形が連続したパターン状(開口幅450μm、線幅50μm)の導電層を形成したこと以外は、実施例6と同様の方法により透明導電基材を作製した。作製した透明導電基材について触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックは発生していなかったが、導電層を構成する正四角形内の角部においてインキ抜けが確認された。
[実施例9]
実施例6と同様の方法により、透明基材上に正五角形が連続したパターン状の導電層を形成し、次いで、上記導電層上に透明電極層形成用塗工液として20%ITO粒子分散液(100mPa・S)を塗布することによって透明電極層を形成し、さらに上記透明電極層上に、触媒層形成用塗工液としてPEDOTPSS水分散液を塗布することにより触媒層を形成し、透明導電基材を作製した。
作製した透明導電基材について、透明電極層および触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックおよびインキ抜けともに確認されなかった。
[実施例10]
正六角形が連続したパターン状の導電層を形成したこと以外は、実施例9と同様の方法により透明導電基材を作製した。
作製した透明導電基材について、透明電極層および触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックおよびインキ抜けともに確認されなかった。
[実施例11]
正九角形が連続したパターン状の導電層を形成したこと以外は、実施例9と同様の方法により透明導電基材を作製した。
作製した透明導電基材について、透明電極層および触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、クラックおよびインキ抜けともに確認されなかった。
[比較例7]
正三角形が連続したパターン状の導電層を形成したこと以外は、実施例9と同様の方法により透明導電基材を作製した。
作製した透明導電基材について、透明電極層および触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、両層においてクラックは発生していなかったが、導電層を構成する正三角形内の角部において、透明電極層にインキ抜けが確認された。
[比較例8]
正四角形が連続したパターン状の導電層を形成したこと以外は、実施例9と同様の方法により透明導電基材を作製した。
作製した透明導電基材について、透明電極層および触媒層におけるクラック、およびインキ抜けの有無を確認したところ、両層においてクラックは発生していなかったが、導電層を構成する正四角形内の角部において、透明電極層にインキ抜けが確認された。
[実施例12]
50mm角、厚み125μmのPETフィルムを基材として用い、スクリーン印刷用銀ペースト(帝人デュポン製)を用いて開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にスクリーン印刷することにより10μmの導電層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法により色素増感型太陽電池を作製した。作製した素子変換効率は1%であった。
[実施例13]
50mm角、厚み125μmのPETフィルムを基材として用い、第1電極層としてスパッタ法でITO膜を150nmの膜厚で成膜し、当該ITO膜上にスクリーン印刷用銀ペースト(帝人デュポン製)を用いて開口幅450μm、線幅50μmの正六角形を連続的に配列したハニカムパターン状にスクリーン印刷することによりITO上に10μmの導電層を形成した。それ以外は、実施例2と同様の方法により色素増感型太陽電池を作製した。作製した素子変換効率は0.9%であった。
1 … 第1基材
2 … 第1電極層
3 … 導電層
4 … 多孔質層
10 … 酸化物半導体電極
20,20’ … 色素増感型太陽電池(第1態様)
30,30’ … 対向電極基材
31 … 第2基材
32 … 第2電極層
40 … 電解質層
50 … 色素増感型太陽電池モジュール
51 … 配線
52 … シール材
60 … 透明導電基材
61 … 透明基材
62 … 導電層
63 … 触媒層
70 … 酸化物半導体電極基材
71 … 金属層
72 … 多孔質層
80 … 色素増感型太陽電池(第2態様)
81 … 電解質層

Claims (13)

  1. 第1基材と、前記第1基材上に積層され、金属酸化物からなる第1電極層と、前記第1電極層上に積層された導電層と、前記導電層上に形成され、金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層と、を有する酸化物半導体電極であって、
    前記導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とする、酸化物半導体電極。
  2. 前記導電層が、ハニカムパターン状であることを特徴とする、請求項1に記載の酸化物半導体電極。
  3. 前記多孔質層が、バインダー樹脂を含むものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の酸化物半導体電極。
  4. 第1基材上に金属酸化物からなる第1電極層を形成する第1電極層形成工程と、
    前記第1電極層上に、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する導電層形成工程と、
    前記導電層上に、金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有する多孔質層形成用塗工液を塗布し、多孔質層を形成する多孔質層形成工程と、を有することを特徴とする酸化物半導体電極の製造方法。
  5. 第1基材上に、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する導電層形成工程と、
    前記導電層上に、金属酸化物からなる第1電極層を塗布法によって形成する第1電極層形成工程と、
    前記第1電極層上に、金属酸化物半導体微粒子およびバインダー樹脂を含有する多孔質層形成用塗工液を塗布し、多孔質層を形成する多孔質層形成工程と、を有することを特徴とする酸化物半導体電極の製造方法。
  6. 前記導電層形成工程が、ハニカムパターン状の導電層を形成するものであることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の酸化物半導体電極の製造方法。
  7. 第1基材と、前記第1基材上に積層され、金属酸化物からなる第1電極層と、前記第1電極層上に積層された導電層と、前記導電層上に形成され、色素増感剤が坦持された金属酸化物半導体微粒子を含む多孔質層とを有する酸化物半導体電極、
    および第2基材と、前記第2基材上に形成され、金属酸化物からなる第2電極層とを有する対向電極基材が、
    前記多孔質層と前記第2電極層とが対向するように配置されており、
    前記酸化物半導体電極と前記対向電極基材との間に酸化還元対を含む電解質層が形成された構成を有する色素増感型太陽電池であって、
    前記酸化物半導体電極における導電層が、少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状であることを特徴とする色素増感型太陽電池。
  8. 前記導電層が、ハニカムパターン状であることを特徴とする、請求項7に記載の色素増感型太陽電池。
  9. 透明基材を用い、前記透明基材上に少なくとも一つの内角が鈍角である多角形が連続したパターン状の導電層を形成する導電層形成工程と、
    前記導電層上に、塗布法によって触媒層を形成する触媒層形成工程と、を有することを特徴とする透明導電基材の製造方法。
  10. 前記触媒層上に塗布法によって固体電解質層を形成する固体電解質層形成工程を有することを特徴とする、請求項9に記載の透明導電基材の製造方法。
  11. 前記導電層形成工程後に実施され、前記導電層上に塗布法によって前記透明電極層を形成する透明電極層形成工程を有し、かつ前記触媒層形成工程が、塗布法によって前記透明電極層上に触媒層を形成するものであることを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の透明導電基材の製造方法。
  12. 前記導電層形成工程が、ハニカムパターン状の導電層を形成するものであることを特徴とする、請求項9から請求項11までのいずれかの請求項に記載の透明導電基材の製造方法。
  13. 色素増感型太陽電池が複数個連結されてなる色素増感型太陽電池モジュールであって、
    前記色素増感型太陽電池が、請求項7または8に記載の色素増感型太陽電池であることを特徴とする、色素増感型太陽電池モジュール。
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