JP2003297336A - 正極用リード及びこれを用いた電力貯蔵デバイス - Google Patents

正極用リード及びこれを用いた電力貯蔵デバイス

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JP2003297336A
JP2003297336A JP2002102841A JP2002102841A JP2003297336A JP 2003297336 A JP2003297336 A JP 2003297336A JP 2002102841 A JP2002102841 A JP 2002102841A JP 2002102841 A JP2002102841 A JP 2002102841A JP 2003297336 A JP2003297336 A JP 2003297336A
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electrode lead
conductor
lead conductor
aluminum
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Takehiro Hosokawa
武広 細川
Keiichi Tanaka
啓一 田中
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極用リード導体からの絶縁体の剥離を長期
間にわたって十分防止できる正極用リード及びこれを用
いた電力貯蔵デバイスを提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、正極用リード導体19a、正
極用リード導体19aの一部を被覆する絶縁体21aを
備える正極用リード18aにおいて、正極用リード導体
19aが、アルミニウムの純度が97%以上であるアル
ミニウム部50、アルミニウム部50の表面に設けられ
酸化アルミニウムを含む酸化被膜52を備え、酸化被膜
52の厚さが50〜1000nmである。この場合、フ
ッ素化合物を含む非水電解質媒体20を備えた電力貯蔵
デバイス10に用いられると、正極用リード導体19a
と絶縁体21aの接着が不十分でも、正極用リード導体
19aからの絶縁体21aの剥離を長期間十分防止でき
る。また正極用リード導体の表面の導電性を長期間にわ
たって維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器等の電源
として用いられる非水電解質電池、キャパシタ等の電力
貯蔵デバイス及びこれに用いる正極用リードに係り、よ
り詳細には、正極、負極、非水電解質媒体等を封入する
袋体を備える電力貯蔵デバイス及びこれに用いる正極用
リードに関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化の要求に合わせて、そ
の電源として用いられる電池の小型化、軽量化の要求が
強まっている。一方、電池に対する高エネルギー密度
化、高エネルギー効率化も求められている。こうした要
求を満たすため、主として合成樹脂等からなる袋体の内
部に正極、負極及び電解液等が封入された非水電解質電
池(例えばLiイオン電池やリチウムポリマー電池な
ど)への期待が高まっている。
【0003】こうした非水電解質電池においては一般
に、正極及び負極から電流を外部に取り出すために、正
極及び負極のそれぞれから袋体の外部に正極用リード及
び負極用リードが延びており、正極用及び負極用リード
のそれぞれのリード導体の一部には、袋体とシールされ
る部分に予め絶縁体が被覆されている。また、正極用リ
ード導体としては、例えばアルミニウムが用いられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の非水電解質電池においては、長期にわたって充
電及び放電を繰り返すうちに、正極用リードにおいて、
絶縁体がリード導体から剥がれることがあった。このた
め、絶縁体とリード導体の隙間から水分が侵入してフッ
酸が生成し、このフッ酸が、電池の性能劣化を促進する
だけでなく、袋体の外部へ漏出して外部の機器を腐食し
たり、あるいは人体に悪影響を及ぼすおそれがあった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、正極用リード導体からの絶縁体の剥離を長期間
にわたって十分に防止できる正極用リード及びこれを用
いた電力貯蔵デバイスを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記従来技
術の問題点について検討した。その結果、正極用リード
においてリード導体からの絶縁体の剥離が起こるのは、
リード導体と絶縁体との初期の接着力が不十分であるこ
とによるものであることを見出した。即ち、リード導体
と絶縁体との初期の接着力が不十分であるために、リー
ド導体と絶縁体との間から水分が侵入し、この水分と非
水電解液中のフッ素化合物とが反応してフッ酸が生成
し、このフッ酸によりアルミニウムが腐食され、絶縁体
がリード導体から剥離することを見出した。
【0007】そこで、本発明は、正極用リード導体と、
前記正極用リード導体の一部を被覆する絶縁体とを備え
る正極用リードにおいて、前記正極用リード導体が、ア
ルミニウムの純度が97%以上であるアルミニウム部
と、前記アルミニウム部の表面に設けられ、酸化アルミ
ニウムを含む酸化被膜とを備え、前記酸化被膜の厚さが
50〜1000nmであることを特徴とする。また本発
明は、袋体と、前記袋体の内部に封入される非水電解質
媒体と、前記袋体の内部に封入される正極と、前記袋体
の内部に封入される負極と、前記正極に導通され、前記
袋体の内部から外部に延びる正極用リードと、前記負極
に導通され、前記袋体の内部から外部に延びる負極用リ
ードとを備える電力貯蔵デバイスにおいて、前記正極用
リードが上記正極用リードであり、且つ上記非水電解質
媒体がフッ素化合物を含むことを特徴とする。
【0008】これらの発明によれば、正極用リード導体
と絶縁体との接着が不十分であるために袋体の内部にフ
ッ酸が生成しても、酸化被膜によりアルミニウム部の腐
食が十分に防止される。このため、正極用リード導体か
らの絶縁体の剥離を長期間にわたって十分に防止でき
る。また正極用リード導体の表面の導電性を長期間にわ
たって維持することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面と共に、本発明の
実施形態について詳細に説明する。なお、図面におい
て、同一又は同等の構成要素には同一の符号を付すこと
とする。
【0010】図1は、本発明の電力貯蔵デバイスの好適
な実施形態を示す斜視図であり、電力貯蔵デバイスとし
ての非水電解質電池を示している。本実施形態の非水電
解質電池10は、図1に示すように薄肉形となってお
り、非水電解質電池10は、非水の溶媒(例えば有機溶
媒)に電解質(例えばフッ化リチウム化合物)が溶解さ
れた非水電解液(非水電解質媒体)を含む単一の電気化
学セルを、周縁部が熱融着されてヒートシールされる部
分12が形成された封入袋(袋体)14に封入すること
により構成されている。この非水電解質電池10におい
ては、正極用リード18a、負極用リード18bの一端
が封入袋14の上部から上方に延び、外部との電気的な
接続を可能にしている。なお、正極用リード18a、負
極用リード18bはそれぞれ、正極用リード導体19
a、負極用リード導体19bを有しており、それらの外
周にはそれぞれ絶縁体21a,21bが被覆されてい
る。
【0011】図2は、図1の非水電解質電池10のA−
A線又はB−B線に沿った断面図である。図2に示すよ
うに、この封入袋14は、非水電解液20の浸透を抑制
する観点から、例えばアルミニウムからなる金属箔又は
金属層22をプラスチック層からなる層24,28が挟
持することにより形成された多層フィルムからなってい
る。
【0012】より詳細に述べると、封入袋14は、非水
電解液20と接触する上記多層フィルムの最も内側の層
24の周縁部を熱融着することにより形成されている。
ここで、最も内側の層24は、この内側層24の周縁部
に形成されるヒートシール部分12における非水電解液
20の漏出を防止する観点から、例えばマレイン酸変性
ポリオレフィン(例えばマレイン酸変性低密度ポリエチ
レン)からなり、封入袋14の最も外側の層28は、金
属層22を外傷から保護するために設けられ、例えばP
ET(ポリエチレンテレフタレート)からなる。
【0013】また、封入袋14内に収容される非水電解
液20としては、例えばプロピレンカーボネート、γ−
ブチロラクトン等の有機溶媒に、LiBF4、LiP
6、LiAsF6ようなフッ化リチウム化合物からなる
溶質が溶解したものが用いられる。さらに、封入袋14
内には、非水電解液20に浸される正極板30と負極板
32が封入され、これら正極板30及び負極板32は、
集電体と呼ばれる金属箔又はエキスパンデッドメタルの
金属基材(図示せず)と、金属基材上に形成された活物
質層(図示せず)とからなる。また、正極板30と負極
板32との間には、非水電解液20の拡散を防止するた
めのセパレータ34が配置されている。
【0014】さらに、正極板30の金属基材は、導線3
6を介して正極用リード18aの正極用リード導体19
aの一端に接続され、正極用リード導体19aの他端は
封入袋14の外部に延びている。負極板32の金属基材
も、負極用リード18bの負極用リード導体19bの一
端に導線38を介して接続され、その負極用リード導体
19bの他端は封入袋14の外部に延びている。また、
正極用リード導体19a、負極用リード導体19bの一
部はそれぞれ絶縁体21a,21bによって被覆されて
いる。そして、正極用リード18a及び負極用リード1
8bは、絶縁体21a,21bが封入袋14の最も内側
の層24と熱融着されることによって封入袋14に取り
付けられている。
【0015】ここで、正極用リード18aについて詳細
に説明する。
【0016】図3は、正極用リード18aの断面図であ
る。図3に示すように、正極板30に接続される正極用
リード導体19aは、アルミニウムの純度が97%以上
であるアルミニウム部50と、アルミニウム部50の表
面に設けられ酸化アルミニウムを含む酸化被膜52とで
構成されている。
【0017】この正極用リード導体19aは、アルミニ
ウムの純度が97%以上であるアルミニウム材を酸化処
理して得られる。アルミニウム材を酸化処理することに
より、正極用リード導体19aと絶縁体21aとの接着
力が不十分であるために水分が封入袋14の内部に侵入
してフッ酸が生成しても、フッ酸による正極用リード導
体19aの腐食が十分に防止され、正極用リード導体1
9aからの絶縁体21aの剥離を十分に防止することが
できる。
【0018】上記アルミニウム材において、アルミニウ
ムの純度を97%以上とするのは、97%未満では、不
純物が非水電解質電池10の性能に悪影響を与えること
となるからである。
【0019】酸化処理としては、例えば化成処理、陽極
酸化処理などが挙げられ、これらのうち化成処理が好ま
しい。
【0020】化成処理とは、電解をせずに化学的にアル
ミニウム材の表面に酸化被膜52を生成させる表面処理
のことをいい、アルミニウムの化成処理方法としては、
水和処理法、MBV法、りん酸塩法などが挙げられる。
この化成処理は、陽極酸化処理と異なり、電解する必要
がないうえに化成処理の工程も短時間で済むので、その
作業性の良さから、陽極酸化と比較すると処理コストが
低くなる。また、酸化被膜52とアルミニウム部50と
の密着性もより高くなる。 なお、水和処理とは、アル
ミニウム材を高温の純水中で煮沸する処理をいう。この
場合、他の酸化処理法に比べて、表面積を大きくするこ
とができる。
【0021】上記酸化被膜52の厚さは50〜1000
nmであり、好ましくは100〜500nmである。酸
化被膜52の厚さが50nm未満では、正極用リード導
体19aからの絶縁体21aの剥離が比較的短期間で起
こる。一方、酸化被膜52の厚さが1000nmを超え
ると、正極用リード導体19aからの絶縁体21aの剥
離を長期間にわたって十分に防止できるものの、正極用
リード導体19aの表面の導電性がなくなり、正極用リ
ード18aを非水電解質電池10に使用できなくなる。
【0022】また、負極板32に接続される負極用リー
ド導体19bとしては、過充電時にリチウム等の析出物
が生じたり、又は電位差が大きくなる過放電時にはリチ
ウム合金等を形成し難く且つ溶解しにくいもの、例えば
ニッケル若しくは銅、又はこれらの合金からなるものが
用いられる。
【0023】絶縁体21aは、正極用リード導体19a
の外周に接着される熱可塑層23aを含み、この熱可塑
層23aは、熱可塑性ポリオレフィン樹脂からなる。こ
のような熱可塑性ポリオレフィン樹脂としては、正極用
リード導体19aに接着可能なものが用いられ、このう
ち、加熱により溶融して正極用リード導体19aに対し
てより接着しやすくなることから、ポリエチレン、酸変
性ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル
共重合体、酸変性ポリプロピレン(例えば無水マレイン
酸変性ポリプロピレン)、アイオノマー等の反応性樹脂
又はこれらの混合物が好ましい。ここで、封入袋14の
最も内側の層24を構成する材料として耐熱性に優れる
ポリプロピレンが用いられる場合には、上記の熱可塑性
ポリオレフィン樹脂のうちポリプロピレン又は酸変性ポ
リプロピレンを用いることが好ましい。この場合、熱可
塑性ポリオレフィン樹脂としてポリエチレンやエチレン
酢酸ビニル共重合体を用いる場合に比べて、絶縁体21
a,21bと封入袋14の最も内面の層24との接着性
を高め、非水電解質電池10に高い耐熱性を付与するこ
とが可能となる。なお、上記のアイオノマーとしては、
ポリエチレン、ポリプレピレン等の単独重合体若しくは
エチレンとメタクリル酸等の共重合体をNa、Mg、K
等で架橋させたものが用いられる。
【0024】上記正極用リード18aは、上記熱可塑層
23aの正極用リード導体19aに対する接着強度が
4.9N/cm未満である場合に特に有効である。接着
強度が4.9N/cm未満の場合に特に、熱可塑層23
aが正極用リード導体19aから剥離しやすくなる傾向
があるからである。ここで、接着強度は、正極用リード
導体19aに被覆された絶縁体21aを正極用リード導
体19aから分離するのに必要とされる力をいい、正極
用リード導体19aの単位幅(1cm)あたりの力で表
される。
【0025】また、絶縁体21aは、熱可塑層23aの
外側に架橋層25aを含む。架橋層25aは、架橋され
たポリオレフィン樹脂からなる。ポリオレフィン樹脂
は、封入袋14の最も内側の層24と熱融着可能である
ものであればよいが、上述の熱可塑性ポリオレフィン樹
脂と同じ樹脂が用いられることが好ましい。これは、上
述の熱可塑性ポリオレフィン樹脂と異なる樹脂が用いら
れると、熱可塑層23aと架橋層25aとの間の接着力
が低下する傾向があるからである。
【0026】ここで、封入袋14の最も内側の層24を
構成する材料として耐熱性に優れるポリプロピレンが用
いられる場合には、上記のポリオレフィン樹脂としてポ
リプロピレン又は酸変性ポリプロピレンが用いられるこ
とが好ましい。この場合、上記ポリオレフィン樹脂とし
てポリエチレンやエチレン酢酸ビニル共重合体を用いる
場合に比べ、絶縁体21a,21bと封入袋14の最も
内面の層24との接着性、及び非水電解質電池10の耐
熱性が一層向上することになる。
【0027】ポリオレフィン樹脂を架橋する方法として
は、電子線やガンマ線等の電離放射線の照射による架
橋、パーオキサイド等による化学架橋、シラン架橋等が
用いられる。上記ポリオレフィン樹脂を電離放射線によ
って架橋する場合、必要に応じてポリオレフィン樹脂に
架橋助剤が添加される。この架橋助剤としては、例えば
トリメチロールプロパンメタクリレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、エチングリコールジメタク
リレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシ
アヌレート等が用いられる。
【0028】架橋されたポリオレフィン樹脂は、その融
点以上に加熱されても耐熱変形性に優れ、また、正極用
リード18aの絶縁体21aを封入袋14の内面と熱融
着させるときでも、正極用リード導体19aと封入袋1
4の金属層22との間のショートを十分に防止すること
が可能となる。
【0029】また、架橋ポリオレフィン樹脂において
は、そのゲル分率が20%〜90%であることが好まし
い。ゲル分率は、架橋の度合いを示す指標であり、キシ
レン等の溶媒に不溶になった架橋ポリオレフィン樹脂中
のゲル(不溶になった高分子鎖)の割合をいう。ゲル分
率が20%未満では、架橋の度合いが不十分であり、封
入袋14の内面と架橋層25aとを熱融着するときに封
入袋14の金属層22と正極用リード導体19aとがシ
ョートする傾向がある。一方、ゲル分率が90%を超え
ると、架橋の度合いが大きすぎ、封入袋14と架橋層2
5aとの間の接着性が悪くなり、非水電解液20が漏出
する傾向がある。
【0030】なお、負極用リード導体19bに被覆され
た絶縁体21bも熱可塑層23bと架橋層25bを備え
ており、熱可塑層23bを構成する熱可塑性ポリオレフ
ィン樹脂、架橋層25bを構成する架橋ポリオレフィン
樹脂としてはそれぞれ、絶縁体19aにおいて用いられ
る熱可塑性ポリオレフィン樹脂、及び架橋ポリオレフィ
ン樹脂が用いられる。
【0031】上記非水電解質電池10によれば、正極用
リード導体19aと絶縁体21aとの接着が不十分であ
るために袋体14の内部にフッ酸が生成しても、酸化被
膜52によりアルミニウム部50の腐食が防止され、正
極用リード導体19aからの絶縁体21aの剥離を長期
間にわたって十分に防止できる。従って、非水電解液の
漏出による電池10の性能劣化が十分に防止されると共
に、袋体14の外部に漏出するフッ酸により外部機器が
腐食されたり、人体に悪影響が与えられることが十分に
防止される。また正極用リード導体19aの表面の導電
性を長期間にわたって維持することができる。
【0032】つぎに、正極用リード18aの作製方法に
ついて説明する。
【0033】はじめに、断面が矩形で平板状のアルミニ
ウム板を用意する。次に、このアルミニウム板を、90
〜100℃の熱水中に浸漬して水和処理し、アルミニウ
ム板の表面に酸化被膜52を形成する。こうして正極用
リード18aの正極用リード導体19aを用意する。一
方、例えば無水マレイン酸変性低密度ポリエチレン等の
ポリオレフィン樹脂からなり熱可塑層23aを構成する
熱可塑性フィルムと、例えば低密度ポリエチレン等のポ
リオレフィン樹脂からなり架橋層25aを構成すべき熱
可塑性フィルムをそれぞれTダイやインフレーション押
出機で作製する。そして、架橋層25aを構成すべき熱
可塑性フィルムについては架橋処理を行う。架橋処理の
方法としては、γ線や電子線等の電離放射線による照射
架橋、パーオキサイド等による化学架橋、シラン架橋等
が用いられるが、生産性を向上させる観点からは、短時
間で架橋させることが可能な照射架橋が最も好ましい。
そして、こうして得られた架橋層25aを構成する架橋
された熱可塑性フィルムと、上述の熱可塑層23aとを
それぞれ熱ラミネートにより貼りあわせて、熱可塑層2
3aと、架橋層25aの2層からなる絶縁体21aを得
る。
【0034】つぎに、こうして得られる絶縁体21aを
2枚用意し、それぞれの熱可塑層23aを正極用リード
導体19aに向けて正極用リード導体19aを挟む。そ
の後、絶縁体21aを加熱して絶縁体21aの熱可塑層
23aと正極用リード導体19aとを熱融着させる。こ
うして、正極用リード18aが得られる。
【0035】負極用リード18bも、上述した方法と同
様の方法で作製される。ただし、負極用リード導体19
bは、正極用リード導体19aに用いられる材料であっ
てもよいが、銅、ニッケル又はこれらの合金からなるも
のを用いることが好ましい。
【0036】なお、正極用リード18aの作製方法は、
上述した方法に限定されるものではない。例えばポリオ
レフィン樹脂からなる1層の熱可塑性フィルムを用意
し、この熱可塑性フィルムを正極用リード19aに熱融
着させた後、この熱可塑性フィルムの外側から、透過距
離がフィルムの厚さよりも小さくなるように制御した電
子線を照射することによっても正極用リード18aを得
ることができる。この場合、熱可塑性フィルムのうち電
子線があたった部分が架橋層25aとなり、電子線があ
たらなかった部分は熱可塑層23aとなる。
【0037】つぎに、上述した正極用リード18a及び
負極用リード18bを封入袋14に取り付ける方法の一
例について説明する。
【0038】正極用リード18a及び負極用リード18
bが取り付けられる封入袋14は、以下のようにして作
製される。すなわち、まず、表面にマレイン酸変性ポリ
オレフィンからなる層を含み、且つ内部に金属箔又は金
属層を含む矩形状の多層フィルムを一対用意する。つぎ
に、マレイン酸変性ポリオレフィンの層が対向するよう
にこれら多層フィルムを重ねあわせ、矩形の周囲3辺
を、シール機を用いて所定の加熱条件で所望のシール幅
だけヒートシールする。こうして開口を有する封入袋1
4が得られる。
【0039】このような封入袋14に対して、正極用リ
ード18a及び負極用リード18bの一部を封入袋14
の開口を通して収容する。このとき、正極用リード18
aの絶縁体21a、負極用リード18bの絶縁体21b
がそれぞれ封入袋14の最も内側の層24の間に配置さ
れるように収容する。その後、絶縁体21a、21b
を、封入袋14の開口端部によって挟み込み、シール機
を用いて絶縁体21a、21bの架橋層25a,25b
と封入袋14の最も内側の層24とを熱融着させる。こ
のとき、絶縁体21a,21bには架橋層25a,25
bが含まれており、絶縁層21a,21bが溶融しにく
くなっているので、熱融着時の加熱によって正極用リー
ド導体19aと封入袋14の金属層22との間、及び負
極用リード導体19bと封入袋14の金属層22との間
のショートが十分に防止される。
【0040】本発明の電力貯蔵デバイスは、上記実施形
態に限定されない。例えば上記実施形態では、電力貯蔵
デバイスとして、非水電解質電池が用いられているが、
非水電解質電池に代えてキャパシタが用いられても良
い。この場合、正極板30及び負極板32のそれぞれに
おいて固体活性炭を用いる必要がある。また非水電解質
電池に代えてキャパシタが用いられる場合は、負極用リ
ード導体19bとしてアルミニウムを用いることが好ま
しい。
【0041】以下、本発明の内容を、実施例を用いてよ
り具体的に説明する。
【0042】
【実施例】(実施例1) (正極用リード及び負極用リードの作製)はじめに厚さ
が0.1mmで幅が5mm、長さが50mmのアルミニ
ウム板(A1050)を用意し、このアルミニウム板を
95℃の熱水中に5分間浸漬して、アルミニウム板の表
面に厚さ100nmの酸化被膜52を有する正極用リー
ド導体19aを作製した。一方、負極用リード導体19
bとして、正極用リード導体19aと同一寸法の銅板を
用意した。
【0043】一方、厚さが50μmの無水マレイン酸変
性低密度ポリエチレンフィルム(密度:0.92g/c
3、メルトフローレート(MFR):1.0g/10
min、融点:123℃)と、厚さが50μmの低密度
ポリエチレンフィルム(密度:0.92g/cm3、M
FR:1.0g/10min、融点:123℃)とを用
意し、そのうちの低密度ポリエチレンフィルムについて
は、電子線照射装置を用いて、加速電圧200kVの電
子線を吸収線量が30kGyとなるように照射して架橋
させた。また、上記無水マレイン酸変性低密度ポリエチ
レンフィルム及び低密度ポリエチレンフィルムのMFR
は、JISK−6760(試験温度:190℃、負荷:
21.17N)に従って測定した。
【0044】そして、無水マレイン酸変性低密度ポリエ
チレンフィルムと、低密度ポリエチレンフィルムとを1
50℃で熱ラミネートすることによって貼りあわせた。
つぎに、このラミネートフィルムを切断して10mm×
10mmの正方形の絶縁体を2枚得た。
【0045】その後、2枚の絶縁体21aが正極用リー
ド導体19aを介して対向するように重ね合わせ(図3
(a)参照)、この状態で、150℃×10秒の熱プレ
スにより絶縁体21aを正極用リード導体19aに熱融
着させた(図3(b)参照)。同様にして、負極用リー
ド18bを得た。
【0046】(封入袋の作製)厚さ25μmのアルミニ
ウム層40と、厚さが30μmのポリエチレン層42で
構成されるアルミラミネートフィルムを切断して、10
0mm×150mm角の矩形フィルム44を2枚用意し
た。その後、2枚のフィルム44を、ポリエチレン層4
2の面が内側になるようにして重ね合わせ、3辺を5m
m幅でヒートシール(150℃×1分)し、こうして1
辺のみ口の開いた封入袋46を得た(図4参照)。
【0047】(模擬電池の作製)EC(エチレンカーボ
ネート)とDEC(ジエチルカーボネート)とを1:1
の割合で混合した混合溶媒に、フッ化リチウム化合物と
してのLiPF6を1mol/Lの割合で溶解して得ら
れる溶液を、上記のようにして得られた封入袋46の内
部に10g入れた後、得られた正極用リード18a、及
び負極用リード18bの一部を封入袋46の内部にセッ
トした。その後、封入袋46の残る1辺を、正極用リー
ド18a及び負極用リード18bの絶縁体21a,21
bをそれぞれ挟んだ状態で、5mm幅でヒートシールし
模擬電池48を得た(図5参照)。
【0048】こうして得られた模擬電池48を、85
℃、85%RH(相対湿度)の環境下に放置したとこ
ろ、120日経過しても正極用リード導体19aからの
絶縁体21aの剥離は見られなかった。
【0049】(実施例2)正極用リード18aの作製時
に、アルミニウム板を、3%のNa2CO3及び1%のN
2CrO4を含む水溶液に浸漬し、90℃で3分間処理
して酸化処理し、酸化被膜の厚さを50nmとした以外
は、実施例1と同様にして模擬電池を得た。そして、実
施例1と同様に、模擬電池を85℃、85%RH(相対
湿度)の環境下に放置した。その結果、120日経過し
ても正極用リード導体からの絶縁体の剥離は見られなか
った。
【0050】(比較例1)正極用リード18aの作製時
に、アルミニウム板を95℃の熱水中に1分間浸漬して
厚さ30nmの酸化被膜を得た以外は実施例1と同様に
して模擬電池を得た。そして、実施例1と同様に、模擬
電池を85℃、85%RH(相対湿度)の環境下に放置
した。その結果、わずか30日で正極用リード導体19
aからの絶縁体21aの剥離が見られた。
【0051】(実施例3)正極用リード18aの作製時
に、酸化被膜52の厚さを900nmとした以外は実施
例1と同様にして模擬電池を得た。そして、実施例1と
同様に、模擬電池48を85℃、85%RH(相対湿
度)の環境下に放置した。その結果、90日間は、正極
用リード導体19aからの絶縁体21aの剥離は見られ
なかった。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明の正極用リー
ド及び電力貯蔵デバイスによれば、正極用リード導体と
絶縁体との接着が不十分であっても、フッ酸による正極
用リード導体の腐食が十分に防止される。このため、正
極用リード導体からの絶縁体の剥離を長期間にわたって
十分に防止できる。従って、非水電解液の漏出が十分に
防止され、電池の性能の劣化、外部の機器の腐食や人体
への悪影響を十分に防止することができる。また正極用
リード導体の表面の導電性を長期間にわたって維持する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の電力貯蔵デバイスの一実施形
態を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1のA−A線又はB−B線に沿った
断面図である。
【図3】図3は、本発明の正極用リードの一実施形態を
示す断面図である。
【図4】図4(a)は、実施例1に係る正極用リードを
示す平面図、(b)は正極用リードの横断面図である。
【図5】図5は、実施例1に係る封入袋の縦断面図であ
る。
【図6】図6は、実施例1に係る模擬電池の正面図であ
る。
【符号の説明】
14…袋体、18a…正極用リード、18b…負極用リ
ード、19a…正極用リード導体、19b…負極用リー
ド導体、20…非水電解質媒体、21a,21b…絶縁
体、22…金属層、23a,23b…熱可塑層、25
a,25b…架橋層、30…正極、32…負極。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極用リード導体と、前記正極用リード
    導体の一部を被覆する絶縁体とを備える正極用リードに
    おいて、 前記正極用リード導体が、 アルミニウムの純度が97%以上であるアルミニウム部
    と、 前記アルミニウム部の表面に設けられ、酸化アルミニウ
    ムを含む酸化被膜と、を備え、 前記酸化被膜の厚さが50〜1000nmであることを
    特徴とする正極用リード。
  2. 【請求項2】 前記正極用リード導体が、純度が97%
    以上であるアルミニウム材を化成処理して得られること
    を特徴とする請求項1に記載の正極用リード。
  3. 【請求項3】 袋体と、 前記袋体の内部に封入される非水電解質媒体と、 前記袋体の内部に封入される正極と、 前記袋体の内部に封入される負極と、 前記正極に導通され、前記袋体の内部から外部に延びる
    正極用リードと、 前記負極に導通され、前記袋体の内部から外部に延びる
    負極用リードと、 を備える電力貯蔵デバイスにおいて、 前記正極用リードが、請求項1又は2に記載の正極用リ
    ードであり、且つ前記非水電解質媒体がフッ素化合物を
    含むことを特徴とする電力貯蔵デバイス。
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