JP5096755B2 - 色素増感太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、逆電流の発生による光電変換特性の低下を防止することができ、かつ、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との密着性を確保することが可能な色素増感太陽電池用光電極及び色素増感太陽電池に関する。
色素増感太陽電池は、身近な材料である金属酸化物半導体多孔膜を利用した太陽電池であり、シリコン太陽電池に比べて、高価な材料やプロセスを必要とせず、安価な太陽電池を実現できるデバイスとして実用化が期待されている。
色素増感太陽電池は、通常、透明電極基板に金属酸化物半導体多孔質層を形成し色素を担持させた光電極と、基板に導電層を形成した正電極とを電解質層を介して挟み込んだ構成となっている。
このような色素増感太陽電池の基本原理は、特許文献1に開示されているように、以下の通りである。まず、色素増感太陽電池に光が照射されると、金属酸化物半導体多孔質層表面に吸着された増感色素が光を吸収し、色素分子内の電子が励起され、電子が半導体へ渡される。これにより、光電極側で電子が発生し、この電子が電気回路を通じて、正電極に移動する。そして、正電極に移動した電子は、電解質層を通じて光電極に戻る。このような過程が繰り返されることで、電気エネルギーが生じる。
しかしながら、電解質層が液体からなる場合、色素増感太陽電池は、透明電極が電解質層に接触した構造となることから、透明電極から電解質層へ電子が漏れだす逆電子移動と呼ばれる内部短絡現象が発生し、光の照射とは関係なく逆電流が流れることに起因して光電変換効率が低下するという問題があった。
このような問題に対して、特許文献2には、導電性支持体と半導体微粒子含有層との間に下塗り層が形成された光電変換素子が開示されている。このような光電変換素子では、下塗り層として、酸化チタン、酸化亜鉛等の半導体からなる緻密な薄膜を形成することで、対極と導電性支持体との短絡を防止している。
また、特許文献3には、透明基板と光電変換層との間に、酸化チタン、酸化亜鉛等の半導体からなる逆電子注入防止層を形成することにより、界面導電性の向上を図り、逆電子の移動を抑制することが可能な色素増感太陽電池が開示されている。
一方、近年では、ガラス基板ではなく、基板として樹脂フィルムを用いた色素増感太陽電池が開発されている。これにより、軽量で柔軟性のある太陽電池を実現することができ、固定型だけでなく移動型の太陽電池としてモバイル用途への応用が期待されている。
しかしながら、特許文献2及び特許文献3の方法では、下塗り層や逆電子注入防止層を形成する際に、半導体を結晶化させるため、500℃程度の高温で加熱する必要があり、基板として樹脂フィルムを用いた場合は、これらの方法を用いることはできなかった。
特許第2664194号公報 特開2001−156314号公報 特開2002−151168号公報
本発明は、逆電流の発生による光電変換特性の低下を防止することができ、かつ、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との密着性を確保することが可能な色素増感太陽電池用光電極及び色素増感太陽電池を提供する。
本発明は、色素増感太陽電池用光電極と、電解質層と、正電極とをこの順で有する色素増感太陽電池であって、前記色素増感太陽電池用光電極は、透明基板、透明電極、逆電流防止層及び金属酸化物半導体多孔質層がこの順で積層されており、前記逆電流防止層は、酸化チタンからなり、スパッタリング法で形成されたものであり、X線回折を用いて、縦軸を回折光強度、横軸を回折角として測定したスペクトルにおいて、顕著なピークが確認できないものであり、前記電解質層は、溶媒としてイオン性液体を含有する色素増感太陽電池である。
本発明の色素増感太陽電池用光電極は、透明基板、透明電極、逆電流防止層及び金属酸化物半導体多孔質層がこの順で積層されたものである。
本発明の色素増感太陽電池用光電極は、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との間に、非結晶性の酸化チタンからなる逆電流防止層を有する。
本発明において、非結晶性とは、X線回折装置等の結晶構造解析装置を用いて、回折光の強度を測定し、縦軸を回折光強度、横軸を回折角としたスペクトルにおいて、顕著なピークが確認できないことをいう。なお、上記結晶構造解析装置としては、X線回折装置のほか、電子線回折装置、中性子回折装置等を用いることができる。
従来、逆電流防止層の材質としては、酸化チタンが用いられていたが、酸化チタンからなる逆電流防止層を形成した場合、色素増感太陽電池の短絡電流密度が低下するという問題が新たに生じていた。
本発明者らは鋭意検討した結果、逆電流防止層の材質として非結晶性の酸化チタンを用いることで、透明電極から電解質への電子移動を抑制することができ、かつ、短絡電流密度の低下についても効果的に防止することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明では、逆電流防止層の材質として非晶性の酸化チタンを用いることで、逆電流防止層が抵抗となって、色素増感太陽電池の短絡電流密度が低下することを効果的に防止することができる。また、非結晶性の酸化チタンからなる逆電流防止層は、金属酸化物半導体多孔質層との親和性が高く、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層とを強力に密着させることが可能となる。加えて、非結晶性の酸化チタンからなる逆電流防止層は、スパッタリング法等を用いることで、高温加熱工程を経ることなく、120℃以下のような低温でも膜形成が可能となることから、透明基板として樹脂フィルム基板を使用する場合にも容易に形成することができる。
図1は、本発明の色素増感太陽電池用光電極の一例を示す模式断面図である。図1に示すように、色素増感太陽電池用光電極10は、透明基板4、透明電極3、逆電流防止層2及び金属酸化物半導体多孔質層1がこの順で積層した構成となっており、色素が吸着した金属酸化物半導体多孔質からなる金属酸化物半導体多孔質層1と、ITO等からなる透明電極3との間には、非結晶性の酸化チタンからなる逆電流防止層2が積層されている。ここで、逆電流防止層2は、透明電極3から金属酸化物半導体多孔質層1に存在する電解質へ電子が逆流して内部短絡が起こることを防止しつつ、透明電極3と金属酸化物半導体多孔質層1との密着性を高める効果を有する。
上記逆電流防止層の膜厚の好ましい下限は5nm、好ましい上限は1μmである。5nm未満であると、膜厚を均一に形成することが困難となり、ピンホール等が発生しやすくなるとともに、充分な逆電流防止効果、内部短絡防止効果が得られないことがある。1μmを超えると、膜厚が厚すぎ、逆電流防止層が抵抗となって、短絡電流値が低下することから、セル特性が不充分なものとなることがある。より好ましい下限が15nm、より好ましい上限が50nmである。
上記透明基板としては、透明なものであれば特に限定されず、例えば、ガラス基板、樹脂フィルム基板等を用いることができる。なかでも、軽量で柔軟性のある色素増感太陽電池が得られることから、樹脂フィルム基板を用いることが好ましい。
上記樹脂フィルム基板としては、入射する光を妨げず、適度の強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、環状ポリオレフィン等の耐熱性を有する透明性樹脂からなるものが挙げられる。
上記樹脂フィルム基板の厚みの好ましい下限は100μm、好ましい上限は3mmである。厚みを上記範囲内とすることで、適当な剛性と柔軟性をもたせることが可能となる。
上記透明電極としては、例えば、ITO、SnO、ZnO、GZO、AZO等からなるものが好ましく、なかでも、抵抗率が小さく安定であり、透明性が高いという性質を有することから、ITOからなるものが好ましい。
本発明の色素増感太陽電池用光電極は、上記逆電流防止層上に金属酸化物半導体微粒子からなる金属酸化物半導体多孔質層を有する。
上記金属酸化物半導体多孔質層を構成する金属酸化物としては、例えば、n型の半導体性を示すTiO、ZnO、SnO、WO等の金属酸化物半導体等が挙げられる。これらのなかでは、TiOが好ましい。
上記金属酸化物半導体多孔質層の膜厚の好ましい下限は2μm、好ましい上限は10μmである。2μm未満であると、色素担持量が少なくなるとともに、得られる色素増感太陽電池の光電変換特性も低下することがあり、10μmを超えても、金属酸化物半導体多孔質層中の電子の拡散長が限られているために光電変換特性向上に寄与せず、逆に電解質液の金属酸化物半導体多孔質層への浸入が困難になることから光電変換特性が低下することがある。
上記金属酸化物半導体多孔質層に色素を担持させることにより、光照射によって起電力を発生させる色素増感太陽電池用光電極として用いることができる。
本発明の色素増感太陽電池に用いる色素としては、光エネルギーにより生じた電子を金属酸化物半導体多孔質層に送る機能を有するものであれば特に限定されないが、有機色素を用いることが好ましい。なお、上記有機色素とは、ルテニウム等の金属を含有しない色素のことをいう。
上記有機色素としては、上記金属酸化物半導体多孔質層と強固に吸着させるための官能基を有するものが好ましい。上記官能基としては例えば、カルボン酸基、カルボン酸無水基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、スルホン酸基、エステル基、メルカプト基、ホスホニル基等が挙げられる。
上記有機色素としては、具体的には例えば、キサンテン系色素、クマリン系色素、トリフェニルメタン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、ポルフィリン系色素、フラノシアニン系色素、アゾ系色素、スクアリリウム系色素等が挙げられる。
本発明の色素増感太陽電池用光電極は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等により、樹脂フィルム基板にITOからなる透明電極を形成した後、上記透明電極上に逆電流防止層を形成する。そして、上記逆電流防止層上に金属酸化物半導体多孔質層を形成し、更に、上記金属酸化物半導体多孔質層に色素を担持させる方法等により製造することができる。
上記逆電流防止層を形成する方法については、非結晶性の酸化チタンからなる層を形成可能な方法であれば特に限定されず、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、分子線エピタキシー法、イオンプレーティング法、イオンビームデポジション法、スパッタリング法、CVD法等が挙げられる。なかでも、スパッタリング法によって形成することが好ましい。これにより、120℃以下の比較的低温で逆電流防止層を形成することが可能となり、樹脂フィルム基板を使用する場合にも好適に形成することができる。具体的には、Tiターゲットを用い、不活性ガス雰囲気下でスパッタリングを行う方法等が挙げられる。
上記金属酸化物半導体多孔質層を形成する方法としては特に限定されず、例えば、金属酸化物半導体粒子を水等の溶媒に分散させた溶液を透明電極上に塗布し、加熱を行うことにより乾燥焼成して膜を形成する塗布法;所望の金属のアルコキシド化合物や塩化物を含有するアルコール溶液を透明電極上に塗布し、加熱を行うことにより乾燥焼成して膜を形成するゾル−ゲル法等を用いることができる。
上記塗布法やゾル−ゲル法において、透明電極上に溶液を塗布する方法としては特に限定されず、例えば、印刷法、スプレー法、スピンコーティング法、ディップ法等が挙げられる。
上記色素を担持させる方法としては、例えば、上記色素を含有する溶液に、上記金属酸化物半導体多孔質層が形成された樹脂フィルム基板を浸漬した後、乾燥を行う方法等が挙げられる。
上記金属酸化物半導体多孔質層が形成された樹脂フィルム基板を浸漬する際の浸漬時間の好ましい下限は5分、好ましい上限は5時間である。5分未満であると、色素溶液が金属酸化物半導体多孔質層の内部まで充分に浸透しないことがあり、5時間を超えると、金属酸化物半導体多孔質層への色素の吸着量が多くなりすぎ、使用後に色素の脱落が発生したり、電解質液の浸透を阻害してセル特性の低下や劣化を招いたりすることがある。
上記色素を含有する溶液に用いる溶媒としては、色素を溶解することができ、基板フィルムを劣化させないものであれば特に限定されず、例えば、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトニトリル等が挙げられる。
本発明の色素増感太陽電池用光電極と、電解質層と、正電極とをこの順で積層することにより、色素増感太陽電池を製造することができる。このような色素増感太陽電池もまた、本発明の1つである。具体的には例えば、電解質を含有する溶液を本発明の色素増感太陽電池用光電極上に塗工し、電解質層を形成した後、正電極を積層する方法や、色素増感太陽電池用光電極と電解質溶液注入口を有する正電極とを積層した後、上記電解質溶液注入口から電解質溶液を注入する方法等により製造することができる。
上記電解質層は、電解質溶液からなるものであってもよく、電解質溶液をゲル化剤によって半固体化したものであってもよい。また、上記電解質層としては、電子、ホール、イオン等を輸送できる物質であれば特に限定されないが、CuI、CuSCN、NiO、CuO、KI等のp型半導体固体ホール輸送材料、ヨウ素/ヨウ化物、臭素/臭化物等の酸化還元電解質をイオン性液体に溶解した溶液を用いることが好ましい。
このように酸化還元電解質をイオン性液体に溶解した溶液を用いることにより、電解質液が金属酸化物半導体多孔質層の内部まで浸透しやすくなるとともに、金属酸化物半導体多孔質層に吸着させた色素が脱離しにくくなる。
なお、上記イオン性液体とは、常温で液体状態である正負イオンの塩のこという。上記イオン性液体は、蒸気圧が極めて低く、室温では実質的に殆ど蒸発しないことから、有機溶剤のように、揮発によって電解質液の組成が変化して、セル特性が低下したり、封止材を腐食して電解質液の漏出したりする等の問題がない。
本発明の色素増感太陽電池では、電解質層に用いる溶媒としてイオン性液体を用い、かつ、増感色素として有機色素を用いることが好ましい。上記イオン性液体は、有機溶剤と比較して粘度が高く、金属酸化物半導体多孔膜層に浸透しにくいために、色素増感太陽電池の光電変換効率が低くなるという問題があるが、モル吸光係数の高い有機色素と同時に使用することで、光電変換効率の低下を招くことなく、耐久性の優れた色素増感太陽電池とすることができる。
上記イオン性液体としては、例えば、カチオンが、1−メチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウム、1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−オクチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−オクタデシル−2,3−ジメチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム系;1−メチル−ピリジウム、1−ブチル−ピリジウム、1−ヘキシル−ピリジウム等のピリジウム系、脂環式アミン系、脂肪族アミン系であるもの、アニオンが、臭素イオン、塩素イオン、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロボレート、トリフルオロメタンスルフォネート、トリフルオロアセテート等のフッ素系であるもの等が挙げられる。これらのなかでは、カチオンがイミダゾリウム系、アニオンがフッ素系の塩が好ましい。
上記正電極としては特に限定されず、例えば、本発明の色素増感太陽電池用光電極と同様の樹脂フィルム基板に、透明電極と白金触媒層とを積層したもの等を用いることができる。なお、上記正電極の基板及び電極には、本発明の色素増感太陽電池用光電極に使用する樹脂フィルム基板や透明電極と異なり、必ずしも透明性は必要とされず、ニッケルやタングステン等の耐蝕性のある金属やカーボン、グラファイト等の炭素材料等を用いることができる。
本発明では、色素増感太陽電池用光電極の金属酸化物半導体多孔質層と透明電極との間に、非結晶性の酸化チタンからなる逆電流防止層を形成することにより、逆電流の発生による光電変換特性の低下を抑制することができ、かつ、短絡電流密度の低下についても効果的に防止することが可能な色素増感太陽電池用光電極とすることができる。
(実施例1)
(1)逆電流防止層の形成
厚さ1.1mmのガラス基板にITO膜を製膜した透明電極基板に、低温スパッタリング法により厚さ25nmの逆電流防止層を製膜した。なお、スパッタリングは、Tiターゲットを用い、スパッタリング装置(アルパック社製、SBH−5215RD)を使用することにより行った。
(逆電流防止層の結晶性評価)
逆電流防止層を塗布した試料に、X線回折装置(理学電機社製、RINT2500VHF)を用いて、40kV、300mAの条件で発生させたX線を20分照射し、縦軸に回折X線強度I、横軸に回折角2θをプロットした。得られたスペクトルを図2に示す。図2のスペクトルについて、ピークの有無を確認したところ、顕著なピークは認められなかった。従って、形成された逆電流防止層は、非晶性であることが確認された。
(2)金属酸化物半導体膜の作製
得られた透明電極基板をカットし、マスクテープを貼り付けた後、UV洗浄機を用いて5分間前処理を行った。次いで、逆電流防止層上に、スピンコーター用いて金属酸化物微粒子分散液(昭和電工社製、チタニアゾルSP210)を塗布し、120℃で1時間乾燥させて、厚さ5μmの膜を形成した(電極面積:2cm)。
(3)増感色素の担持
アセトニトリル:t−ブタノール=1:1(容積比)の溶媒に、有機色素D149(三菱製紙社製)を加えて5.0×10−4Mの色素溶液を調整した。なお、凝集防止のため、色素溶液に共吸着剤としてケノデオキシコール酸を1.0×10−3Mを添加した。
そして、得られた基板を120℃で10分間乾燥させた後、色素溶液に入れて、室温で1時間浸漬させることにより、金属酸化物半導体光電極を得た。
(4)色素増感太陽電池セルの作製
正電極としてPETフィルム基板にITOをスパッタリングした後、更に白金を担時したフィルムを用い、光電極と対極との間にイオン性液体を溶媒として用いた電解液を注入し、重ね合わせ部分を樹脂で封止して色素増感太陽電池セルを作製した。
(実施例2)
(1)逆電流防止層の形成
厚さ200μmのPENフィルムにITO膜を製膜した透明電極基板に、低温スパッタリング法により厚さ25nmの逆電流防止層を製膜した。なお、スパッタリングは、Tiターゲットを用い、スパッタリング装置(アルパック社製、SBH−5215RD)を使用することにより行った。
なお、得られた逆電流防止層について、実施例1の場合と同様にX線回折装置を用いて結晶性評価を行ったところ、顕著なピークは認められなかった。従って、形成された逆電流防止層は、非晶性であることが確認された。
(2)金属酸化物半導体膜の作製
得られた透明電極基板をカットし、マスクテープを貼り付けた後、UV洗浄機を用いて5分間前処理を行った。次いで、逆電流防止層上に、スピンコーター用いて金属酸化物微粒子分散液(昭和電工社製、チタニアゾルSP210)を塗布し、120℃で1時間乾燥させて、厚さ5μmの膜を形成した(電極面積:2cm)。
(3)増感色素の担持
アセトニトリル:t−ブタノール=1:1(容積比)の溶媒に、有機色素D149(三菱製紙社製)を加えて5.0×10−4Mの色素溶液を調整した。なお、凝集防止のため、色素溶液に共吸着剤としてケノデオキシコール酸を1.0×10−3Mを添加した。
そして、得られた基板を120℃で10分間乾燥させた後、色素溶液に入れて、室温で1時間浸漬させることにより、金属酸化物半導体光電極を得た。
(4)色素増感太陽電池セルの作製
正電極としてPETフィルム基板にITOをスパッタリングした後、更に白金を担時したフィルムを用い、光電極と対極との間にイオン性液体を溶媒として用いた電解液を注入し、重ね合わせ部分を樹脂で封止して色素増感太陽電池セルを作製した。
(比較例1)
逆電流防止層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池セルを作製した。
(比較例2)
実施例1の(1)において、下記の方法で逆電流防止層を形成した以外は、実施例1と同様にして色素増感太陽電池セルを作製した。
(逆電流防止層の形成)
まず、チタンテトライソプロポキシド60gを500mLの無水エタノールで希釈し、攪拌しながら、ジエタノールアミン20gと水5gを添加することにより、塗工液を調製した。次いで、調製した塗工液をディップコーティング法により透明電極基板に塗布した。これを室温で乾燥したのち、室温から500℃の温度にまで昇温速度50℃/分以下で加熱昇温して焼成することにより厚さ0.2μmの逆電流防止層を形成した。
なお、得られた逆電流防止層について、実施例1の場合と同様にX線回折装置を用いて結晶性評価を行ったところ、図2に示すスペクトルが得られた。図2のスペクトルについて、ピークの有無を確認したところ、無数のピークが認められた。従って、形成された逆電流防止層は、結晶性であることが確認された。
(比較例3)
逆電流防止層を形成しなかった以外は、実施例2と同様にして色素増感太陽電池セルを作製した。
(比較例4)
実施例2において、有機色素D149の代わりに、Ru錯体色素N719を使用した以外は、実施例2と同様にして色素増感太陽電池セルを作製した。
(比較例5)
比較例3において、有機色素D149の代わりに、Ru錯体色素N719を使用した以外は、実施例2と同様にして色素増感太陽電池セルを作製した。
(評価)
(光電変換特性)
実施例及び比較例で得られた色素増感太陽電池セルについて、光源強度が1SUN(100mW/cm)であるソーラーシミュレータを用い、短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、曲線因子(FF;フィルファクター)及び光電変換効率(η)を測定した。結果を表1に示した。
Figure 0005096755
表1に示すように、実施例1、2で得られた色素増感太陽電池セルは、短絡電流密度、開放電圧、曲線因子及び光電変換効率が高く、比較例1のように、逆電流防止層を形成していないものと比較しても、短絡電流密度、開放電圧、曲線因子及び光電変換効率が向上していた。また、比較例2のように、結晶性の高い逆電流防止層を形成した場合は、短絡電流密度が低下することがわかる。
本発明によれば、逆電流の発生による光電変換特性の低下を防止することができ、かつ、透明電極と金属酸化物半導体多孔質層との密着性を確保することが可能な色素増感太陽電池用光電極及び色素増感太陽電池を提供できる。
本発明の色素増感太陽電池用光電極の一例を示す模式断面図である。 実施例1、比較例2において得られたX線回折スペクトルである。
符号の説明
1 金属酸化物半導体多孔質層
2 逆電流防止層
3 透明電極
4 透明基板

Claims (4)

  1. 素増感太陽電池用光電極と、電解質層と、正電極とをこの順で有する色素増感太陽電池であって、
    前記色素増感太陽電池用光電極は、透明基板、透明電極、逆電流防止層及び金属酸化物半導体多孔質層がこの順で積層されており、
    前記逆電流防止層は、酸化チタンからなり、スパッタリング法で形成されたものであり、
    X線回折を用いて、縦軸を回折光強度、横軸を回折角として測定したスペクトルにおいて、顕著なピークが確認できないものであり、
    前記電解質層は、溶媒としてイオン性液体を含有する
    ことを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 透明基板は、樹脂フィルム基板であることを特徴とする請求項1記載の色素増感太陽電池
  3. 逆電流防止層は、厚さが5nm〜1μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の色素増感太陽電池
  4. 金属酸化物半導体多孔質層には、増感色素として有機色素が担持されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の色素増感太陽電池
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