JP2001250967A - 光起電力素子及び光起電力素子の製造方法 - Google Patents

光起電力素子及び光起電力素子の製造方法

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JP2001250967A
JP2001250967A JP2000058169A JP2000058169A JP2001250967A JP 2001250967 A JP2001250967 A JP 2001250967A JP 2000058169 A JP2000058169 A JP 2000058169A JP 2000058169 A JP2000058169 A JP 2000058169A JP 2001250967 A JP2001250967 A JP 2001250967A
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photovoltaic
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electrode
metal wire
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JP2000058169A
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Koichi Shimizu
孝一 清水
Tsutomu Murakami
勉 村上
Yoshifumi Takeyama
祥史 竹山
Toshihito Yoshino
豪人 吉野
Koji Tsuzuki
幸司 都築
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光起電力素子における光起電力層上の金属細
線と金属電極の接合部の応力耐性を高めさらに耐腐蝕性
を高める。 【解決手段】 光起電力層101の上に配置された金属
細線102と金属電極103とをレーザ光を照射するこ
とにより溶接し、融合部104を形成する。金属細線1
02と金属電極103は同種金属からなる。金属細線1
02と金属電極103とを接触させ、金属電極103に
対して金属細線102とは反対側からレーザ光を照射す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光起電力素子及び
光起電力素子の製造方法に関し、特に光起電力素子の電
極構造およびその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年太陽光発電が注目され、より大面積
で低コストな光起電力素子の必要性が高まっている。一
般に光起電力素子を形成する光起電力層において、光起
電力層内の電荷の素子面方向移動に対する抵抗率は高
い。そのため大面積の光起電力素子の場合、電荷の素子
面方向移動によるジュール損失を低減するために金属か
らなる伝導率の高い電極をその表面に形成する。
【0003】電極が光入射側の場合、金属からなる電極
は一般に不透明であるために入射光を極力遮らないよう
に形成される。反対に電極が反光入射側の場合、電極は
全面に形成してもかまわないが、コスト削減のために必
要最小限の部分に形成される場合もある。
【0004】例えば図8の様に光入射面や裏面に櫛歯状
に形成する電極801が公知である。光入射面の場合、
この様に一定間隔に金属線電極が形成された櫛歯電極で
あれば極力入射光を遮らずに、ジュール損失を抑えて効
率的に電荷を集電することが可能である。また、裏面の
場合、電極形成材料が少なくてすむため、より安価に形
成可能である。
【0005】しかし、この様な電極の製法は導電性樹脂
802をスクリーン印刷、焼成し、さらにその上に半田
ぺースト801を印刷、リフローする方法である。した
がって、電極の厚みを厚くすることが難しく、光起電力
素子がより大面積になった場合に十分なジュール損失低
減効果が得られなかった。
【0006】そこで、図9の様に電極の厚みを容易に厚
くすることが可能な金属細線902と金属電極903を
使用した櫛歯電極が考案された。図9は導電性樹脂被覆
911を有する金属細線を光起電力素子表面に熱圧着し
たものである。特開平9−36395号公報にその詳し
い内容が開示されている。
【0007】また、金属細線と金属電極の接合は半田な
どの金属層を介して接合する方法や導電性樹脂を介する
ものが公知である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の金属細線と金属
電極を使用した櫛歯電極には、金属細線と金属電極の接
合部において耐応力性、耐腐食性を持たせることが容易
でなく、徐々に接合部において剥離が進行する場合があ
った。剥離が進行していくと光起電力層で発電された電
力が接合部で損なわれ光起電力素子としてエネルギー変
換効率が徐々に低下することにもつながる。
【0009】光起電力素子形成時、及び太陽電池モジュ
ール形成時の応力、その後の残留応力、さらにモジュー
ルを外部環境に設置した場合の風、雪等によってモジュ
ールが撓むことによって加わる応力等、前記接合部には
様々な応力が加わる。上記従来の公知の接合はこの様な
応力が加った場合に亀裂を生じ、さらに亀裂部分で腐蝕
が進行することがあった。
【0010】例えば、半田接合の様な低融点金属層を介
した接合や、銀、金、ニッケルのような表面めっき層を
介したヒュージング接合の場合、必ず金属細線や金属電
極の母材金属とは異なった異種金属が接触している界面
が存在する。この様な異種金属と母材金属の界面は母材
強度と比較すると弱いために、接合部に残留応力が存在
したり、外部要因による応力が長期に渡り繰り返し加わ
った場合に亀裂を生じ易い。この様に発生した亀裂に水
分が浸透すると腐蝕が進行し亀裂の進行が早まり接合部
が剥離する故障が発生することがあった。また、異種金
属の接触部に水分が浸透すると局部電池を形成し一方の
金属が陽極、他方の金属が陰極になりさらに腐蝕が加速
される問題点も存在した。
【0011】また、導電性樹脂接合の場合も金属層を介
した接合と同様に腐蝕が進行する場合があった。導電性
樹脂は導電性微粒子と樹脂からなる。金属細線と金属電
極の間に導電性微粒子による電流経路を形成し、導電性
微粒子間を埋める樹脂で電流経路を保持する。樹脂と金
属細線、金属電極の界面は応力によって剥離が生じ易
い。剥離が生じた部分は水分が浸透し、前述の問題が発
生することがあった。
【0012】本発明の目的は、上記従来の光起電力素子
の問題点を解決することにある。即ち光起電力層上の金
属細線と金属電極の接合部の応力耐性を高めさらに耐腐
蝕性を高めることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために金属細線と金属電極間の接合構造を鋭
意検討の末、下記の構成を有する金属細線と金属電極間
の接合により高耐応力性、高耐腐蝕性を得ることが可能
であり光起電力素子の長期信頼性向上の効果があること
を知見した。
【0014】即ち、本発明の光起電力素子は、少なくと
も光起電力層と、該光起電力層の上に配置された金属細
線と、金属電極とから構成され、前記金属細線と前記金
属電極との融合部を有することを特徴とする。
【0015】上記本発明の光起電力素子は、さらなる特
徴として、「前記金属細線と前記金属電極が同種金属か
らなる」こと、「前記同種金属が銅である」こと、を含
む。
【0016】また、本発明者等は、上記構成の光起電力
素子を形成する方法を鋭意検討の末、下記の方法が非常
に容易な方法であることを知見した。
【0017】即ち、本発明の製造方法は、少なくとも光
起電力層と、該光起電力層の上に配置された金属細線
と、金属電極とから構成され、かつ前記金属細線と前記
金属電極との融合部を有する光起電力素子の製造方法に
おいて、レーザ光を照射することによって前記融合部を
形成することを特徴とする。
【0018】上記本発明の製造方法は、さらなる特徴と
して、「前記金属細線と前記金属電極とを接触させ、前
記金属電極に対して前記金属細線とは反対側からレーザ
光を照射する」こと、「前記金属電極の前記レーザ光に
対するエネルギー吸収率よりも高いエネルギー吸収率を
有する皮膜を、前記金属細線と前記金属電極の少なくと
も一方の表面に形成する」こと、を含む。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の光起電力素子の実
施の形態を詳しく説明する。
【0020】本発明の光起電力素子の一構成例を図1に
示す。図1(a)は光起電力素子の斜視図、図1(b)
は図1(a)中のA−A断面図、図1(c)は図1
(a)中のB−B断面図である。尚、図1は本発明の概
念を示すものであり本発明の光起電力素子は図1に限定
されない。
【0021】本発明の光起電力素子は少なくとも光起電
力層101と、金属細線102と、金属電極103と、
前記金属細線と前記金属電極との融合部104とから構
成される。
【0022】(光起電力層)本発明は光起電力層101
の種類によって特にその効果を失することは無い。アモ
ルファスシリコン、微結晶シリコン、薄膜単結晶シリコ
ン、多結晶シリコン、単結晶シリコン、シリコン以外の
化合物半導体のどれを選択しても構わない。また、pn
接合、pin接合、ショットキー型等の任意の接合構造
を有することが可能である。また、光起電力層が薄膜の
場合それを支持する基板を有しても構わない。
【0023】代表的な基板としては光入射側のガラス基
板、光入射側と反対側(反入射側)の金属基板が挙げら
れる。さらに、光起電力層の下部に透過光を反射するバ
ックリフレクターを有しても構わない。バックリフレク
ターとしてはアルミや銀の様に光の反射率の高い金属層
の上に酸化亜鉛の層を堆積させたものが公知である。さ
らに前記バックリフレクターや光起電力層表面に凹凸を
形成する処理を施しても良い。
【0024】しかし、光起電力層が可撓性を有する程、
また大面積である程、本発明の意義は大きい。なぜな
ら、可撓性を有し大面積である程、光起電力層上の金属
細線と金属電極の接合部に加わる応力が大きく接合部が
それに対する耐性を有することが必要とされるからであ
る。
【0025】(金属細線)本発明は金属細線102の種
類によって特にその効果を失することは無い。材質は
銅、アルミ、金、白金、銀、鉛、錫、鉄、ニッケル、コ
バルト、亜鉛、チタン、モリブデン、タングステン、ビ
スマス等の金属が主成分であればどの様な構成であって
も構わない。また前記材質のものを多層に組み合わせて
も構わない。形状はその断面が円、楕円、三角形、四角
形、その他の多角形であって構わない。しかし金属細線
は光起電力層で発生した電力を金属電極まで導く為のも
のである。したがって電力の損失を防ぐために低抵抗で
あることが望まれる。そのため、銅、金、銀、鉛、錫の
中から選ばれることが好ましい。また、細線の断面積、
形状は細線におけるジュール損失および細線が光起電力
層に入射する光を遮ることによる損失の和が最小になる
ように決定することが望ましい。一般的には断面積80
〜20000μm2程度のもので、断面の光起電力素子
面方向と法線方向の比(アスペクト比)が1に近いもの
が好適に用いられる。
【0026】また、光起電力層の表面と金属細線の接合
は導電性樹脂によるものが公知である。導電性樹脂とし
ては銀、銅等の金属微粒子を樹脂中に分散させたものが
一般的である。特に大型の薄膜光起電力層を使用する場
合には炭素微粒子やインジウム錫酸化物や錫酸化物、チ
タン酸化物等の金属酸化物微粒子を含むものが好適に用
いられる。これは光起電力層を大面積に渡って均一に形
成することが難しいために正極と負極が短絡している欠
陥部を有することが多いためである。このため、低抵抗
な金属細線が直接、短絡欠陥部に接触することの無いよ
うに適度な抵抗率を有する導電性樹脂を間に介在させる
ことが素子特性を低下させないために有効であるからで
ある。本発明の効果はこれらいかなる公知の金属細線と
光起電層の接合方法にもよらない。
【0027】金属細線は本発明の場合耐応力性が高いも
のが望ましい。その様な金属としては銅、金、銀、鉛、
錫の様なじん性の高いものが好適である。一方、じん性
を高めるために熱アニールは施すことも有効である。特
に銅はじん性が高く、かつ安価で耐腐食性が高いことか
ら最も好適に用いられる。また断面形状としては円形の
ものが最も耐応力性に優れているため好ましい。さら
に、金属細線表面に耐腐蝕性向上のための防酸化処理、
防錆処理、めっき処理等を施したものが望ましい。具体
的には銀、金、錫、鉛、ニッケル等の電界もしくは溶融
めっき処理や、インジウム、錫、チタン等の金属酸化物
の層を電着、スパッタ等の方法で表面に形成する。ま
た、銀等を表面に熱圧着するクラッド処理も良い。
【0028】(金属電極)本発明は金属電極103の種
類によって特にその効果を失することは無い。材質は
銅、アルミ、金、銀、鉛、錫、鉄、ニッケル、コバル
ト、亜鉛、チタン、モリブデン、タングステン、ビスマ
ス等の金属が主成分であればどの様な構成であっても構
わない。また前記材質のものを多層に組み合わせても構
わない。形状はその断面が円、楕円、三角形、四角形、
その他の多角形であって構わない。しかし金属電極は金
属細線によって導かれた電力をさらに光起電力素子の外
部に導く為のものである。したがって電力の損失を防ぐ
ために低抵抗であることが望まれる。そのため、銅、
金、銀、鉛、錫の中から選ばれることが好ましい。ま
た、電極の断面の厚み、幅、形状は電極を流れる電流に
よるジュール損失を光起電力素子の発電量と比較して十
分小さくなる様に選択することが好適である。もっとも
一般的には厚み10〜500μm程度の金属箔材を幅1
〜30mm程度に形成して用いられる。さらに、耐腐蝕
性向上のための防酸化処理、防錆処理、めっき処理等を
施したものが望ましい。具体的には銀、金、錫、鉛、ニ
ッケル等の電界もしくは溶融めっき処理や、インジウ
ム、錫、チタン等の金属酸化物の層を電着、スパッタ等
の方法で表面に形成する。また、銀等を表面に熱圧着す
るクラッド処理も良い。
【0029】(融合部)融合部104は金属細線102
と金属電極103の界面が消滅していることによって定
義する。より具体的には接合部断面を切り出し適当なエ
ッチング液に侵蝕し腐蝕させ金属組織を観察した際に、
接合前の金属細線と金属電極との境界に沿って、接合後
に明確な結晶粒界の境界が残留していないことをもって
融合とみなす。溶接時に金属細線と金属電極が完全に溶
融し冷えて固まると結晶粒界を形成する。この時、金属
細線と金属電極が完全に交じり合っている場合、結晶粒
界は網目状に無秩序に形成される。しかし、交じり合い
が不完全の場合、溶接前の境界がそのまま残留する。完
全に融合している場合は接合部の強度は金属細線の母材
強度とほぼ同等のものが得られる。したがって耐応力性
は従来のものと比較して非常に高い。このため亀裂も生
じにくく耐腐蝕性の面でもすぐれた構造となる。
【0030】本発明のこの様な効果は金属細線、金属電
極の種類によって失われることは無い。異種金属間であ
っても完全い融合し合金化して、溶接前の境界が消失し
ていれば良い。しかし、異種金属には合金化し難いもの
もあり、またその強度も単一金属と比較して劣るものが
多い。そのため、本発明の効果は金属細線と金属電極が
同種の金属からなる方が高い。中でも銅が好適である。
銅は耐蝕性に富み、じん性の面でも優れているために完
全に融合した銅は強い耐応力性と耐腐蝕性を示す。
【0031】(その他) ・基板 光起電力層が薄膜系の場合、光起電力層自体の形状を保
つために基板が必要である。本発明はこの基板の種類に
よってその効果を失することは無い。前記光起電力層の
項目で記載の通り基板としてはガラス、金属、樹脂等の
板状のものが使用可能である。特に基板が光入射側の場
合透明であることが必要であり、ガラスが好適に使用さ
れる。また、薄膜光起電力層がCVDによって形成され
る場合は基板が高温になるためにガラス基板、金属基
板、ポリイミド基板が好適である。
【0032】・透明電極層 光起電力層の上に透明電極層を形成することが公知であ
る。本発明の効果がこの透明電極層の存在で失すること
は無い。透明電極層はインジウム錫酸化物、錫酸化物を
スパッタ法を用いて層状に形成する方法が公知である。
また、金属を非常に薄く堆積させる方法も公知である。
【0033】・太陽電池モジュール 光起電力素子を複数直列化しそれらに被覆を形成するこ
とによってモジュール化した太陽電池モジュールが公知
である。本発明はこれら公知のモジュール形態によって
その効果を失することは無い。しかし、本発明は光起電
力素子の耐応力性の向上を目的としたものであるために
より簡易な被覆を施し応力によって撓みが生じ易いモジ
ュール程、その効果は顕著に現れる。この様に可撓性に
富んだモジュールとしては金属板の支持体の上に裏面樹
脂層、光起電力素子、表面樹脂層を順次重ね真空に脱気
しながら加熱することで一体化したものが公知である。
樹脂としては耐候性に優れ安価なEVAが一般的に使用
される。
【0034】以下に本発明の光起電力素子の製造方法の
実施の形態を説明する。
【0035】本発明の光起電力素子の製造方法は ・レーザ光を照射することによって金属細線と金属電極
との融合部を形成することを特徴とする。 ・金属電極の側からレーザ光を照射することを特徴とす
る。 ・金属細線若しくは金属電極にレーザ光のエネルギー吸
収率の高い皮膜を形成することを特徴とする。
【0036】(レーザ光)本発明はレーザ光の種類によ
ってその効果を失することは無い。レーザ光波長、コヒ
ーレンス、エネルギー密度分布、レーザ光強度波形等は
適宜決定される。したがって、レーザ媒体、共振器の種
類、光学系の種類も任意に選択可能である。公知のレー
ザ媒体としてはYAG、ルビー、ガラス、アレキサンド
ライト等の固体、炭酸ガス、アルゴン、エキシマ、ヘリ
ウムネオン、窒素、クリプトン、金属蒸気等の気体、半
導体等が挙げられる。また、公知の共振器としては平行
平面型、共焦点型、半径型、半共焦点型が挙げられる。
さらに、光学系にはミラー、プリズムから構成される固
定光学系および光ファイバーを使用した非固定光学系が
挙げられる。エネルギー密度分布を変えるために共振モ
ードを選択したり、ファイバーの構成をスナップインデ
ックスやグレーテッドインデックスにすることも一般的
に行われる。また、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活
性ガス、酸素の様な活性ガスをアシストガスとして使用
することも一般に行われる。
【0037】しかしながら、本発明の様に金属材料の溶
接に使用されるレーザとして大出力が比較的容易に引き
出せる炭酸ガスレーザ、YAGレーザが一般に用いられ
る。特にYAGレーザは発振器が小型であり、メンテナ
ンスが容易であることから特に好適に用いられる。発振
形態としてはシングルモードのパルス発振がエネルギー
密度を大きくすることが容易であり溶接には好適であ
る。
【0038】(レーザ照射方向)本発明はレーザの照射
方向によって効果を失するものではない。しかし、本発
明の様に金属細線を溶接の対象とする場合、金属細線に
直接レーザを照射した場合は細線が気化消失し接合が形
成されない場合がある。したがって細線に直接レーザを
照射しないように金属電極の側からレーザを照射するこ
とが好ましい。
【0039】(皮膜)前述のように光起電力素子の電極
部材としては銅、銀、金、アルミが好適に用いられる。
この様な金属は前述の炭酸ガスレーザ光、YAGレーザ
光に対するエネルギー吸収率が低い。そのため大出力の
レーザ発振機が必要となる。このようなことを防ぐため
にレーザ光が直接照射される電極部材表面に電極部材よ
りもエネルギー吸収率の高い材料からなる皮膜を形成し
ておくことが効果的である。皮膜の種類はエネルギー吸
収率が高ければ特に制限は無い。金属薄膜、金属酸化物
薄膜、セラミック薄膜、樹脂薄膜等任意に選択可能であ
る。しかし、顔料、染料を含んだ樹脂系の被覆が電極部
材に対する接着性が良く、皮膜形成も容易であることか
ら好適である。中でも黒色インキによる皮膜が適度に金
属表面に接着力を示し、またエネルギー吸収率も高いた
め好ましい。
【0040】
【実施例】本発明の光起電力素子の構成について実施例
に基づいて詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。
【0041】(実施例1)本発明の一実施例として図2
に示す光起電力素子を作製した。図2(a)は光起電力
素子の上面図、図2(b)は図2(a)中のC−C断面
図、図2(c)は図2(a)中のD−D断面図、図2
(d)は図2(c)中のE−E断面図である。
【0042】金属細線202の材料として4〜5mmφ
の銅線を準備し、伸線装置により直径100μmの銅細
線を作製した。この銅細線を連続的に作製しボビンに5
00g巻き取った。
【0043】次にエナメル線用のロールコータ装置によ
り導電性樹脂層211を塗布形成した。導電性樹脂層2
11は金属イオンの移動をブロックするための内層21
1aと金属細線を光起電力層201上および金属電極2
03上に接着固定するための外層211bの二層構造に
した。まず銅細線をボビンから巻き出し、アセトンによ
り表面の油分を除去した。次に連続的にフェルトに内層
用の導電性樹脂を含ませた処理槽を通した。この内層用
導電性樹脂はカーボンブラックを33質量部、ブチラー
ル樹脂6.4質量部、クレゾール樹脂、フェノール樹
脂、芳香族炭化水素系樹脂4.2質量部、硬化材として
ジオールイソシアネート18質量部、溶剤としてキシレ
ン18質量部、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ルを12質量部、シクロヘキサノンを3.6質量部、さ
らにカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシランを0.7質量部ペイントシェーカーで混
合分散して作製した。塗布後ダイスを用いて不用な導電
性樹脂を落とし、乾燥炉を通して完全硬化させた。この
とき、線の送り速度とダイスの径を調整して内層導電性
樹脂層の膜厚を5μmとした。次に同様にして外層導電
性樹脂を含ませたフェルトを配置した処理槽を通した。
この外層導電性樹脂はカーボンブラックを35質量部、
ウレタン樹脂41質量部、フェノキシ樹脂14質量部、
硬化材として水素添加ジフェニルメタンジイソシアネー
ト6質量部、溶剤として芳香族系溶剤4質量部、さらに
カップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメト
キシシランを0.7質量部ペイントシェーカーで混合分
散して作製した。塗布後ダイスを用いて不用な導電性樹
脂を落とし、乾燥炉を通して半硬化させ、リールボビン
に巻きとった。このとき、線の送り速度とダイスの径を
調整して外層導電性樹脂層の膜厚を25μmとした。
【0044】このようにして導電性樹脂層を被覆した銅
細線を作成した。導電性樹脂層を形成した金属細線をサ
ンプリングし、断面及び表面をSEMを用いて観察した
ところ、ピンホールのない均一な導電性樹脂層が形成さ
れていた。
【0045】次に、光起電力層201を作製した。幅3
6cmのロール状に巻いた厚さ150μmのステンレス
基板208の上にロールツーロール法によるスパッタ装
置で厚み2000ÅのAl層205を形成した。さらに
同様に厚み1μmのZnO層206からなる下部電極を
形成し、その後、マイクロ波プラズマCVD成膜装置に
入れ、ボトムn層/i層/p層201a、ミドルn層/
i層/p層201b、トップn層/i層/p層201c
のアモルファスシリコン層を堆積しトリプルの光起電力
層を形成した。
【0046】次に反射防止効果を兼ねた機能を有する透
明導電膜207としてITO膜をスパッタ法で光起電力
層201上に成膜した(成膜温度450℃、膜厚700
Å)。
【0047】次に、得られた光起電力層付きステンレス
基板を長さ24cmに分割して36cm×24cmの基
板を作製した。基板の外周付近の透明電極層は幅1mm
で除去した。除去方法は硫酸液の中に基板を浸し、基板
と対向電極間に電界を印加する電界エッチング法を採用
した。
【0048】次に前記光起電力層を形成した基板の両端
に図3の様に両面テープ210(基材PET50μm、
シリコン糊、長さ24cm、幅7mm)を接着させた。
【0049】次に、図4に示すように、前記の導電性樹
脂皮膜付き金属細線を布線機を用いて布線し、両端を前
記両面テープで固定した。さらに、両面テープ上の金属
細線の樹脂皮膜をカッター及びサンドペーパで丁寧に除
去した。
【0050】次に両面テープ210の上に金属電極20
3として幅5mm、長さ24cm、厚み100μmの銅
箔を貼り付けた。これによって、両面テープ210と金
属電極203によって金属細線202が挟まれて固定さ
れた。また、前述の樹脂皮膜を除去した部分では金属細
線202と金属電極203が直接接して固定されてい
た。
【0051】次に前述の金属細線と光起電力素子の表面
を接着した。接着の方法は公知の加熱圧着機で加熱、加
圧する方法である。これによって前述の半硬化の外層樹
脂被覆が完全硬化し接着される。このとき、導電性樹脂
層の各種特性を調べたところ、ガラス転移点は110
℃、比抵抗は7.2Ω・cmで、空隙率は0.01ml
/gであった。
【0052】次に金属電極表面に黒色のマジックインキ
(登録商標)を塗布した。塗布した厚みはおよそ5μm
である。さらに前述の金属細線と金属電極が直接接して
固定されている部分の真上からYAGレーザ光を照射し
金属細線202と金属電極203の融合部204を形成
した(図2(c)及び図2(d)参照)。レーザ光の照
射条件は単発のパルス波形でエネルギーは3J、パルス
幅は1.5msec、モードはシングルモードを使用し
φ0.6mmのグレーテッドインデックスファイバーを
使用してファイバーの先のレンズで焦点を合わせた。焦
点深度は56mmであり、およそのスポット系は500
μmであった。作製したサンプルの内任意のいくつかの
金属細線と金属電極の接合部を分析した。分析方法は金
属細線と金属電極の溶接部をディスクカッターで切り出
した。切断面は溶接スポットの中心を通る直線で行っ
た。切り出した端面をサンドペーパおよびアルミナの粉
末を使用して鏡面状態になるまで研磨した。さらに硝酸
6、氷酢酸4の割合で混合した溶液に数秒間浸してエッ
チングを行い溶接部の金属組織観察を行った。その結
果、金属細線と金属電極の界面は長さ0.5mmにわた
って完全に消失し結晶粒界が複雑に入り組んでいた。
【0053】さらに陽極取り出し部212、陰極取り出
し部209を半田で接続して、36cm×24cm角の
トリプルセル構成の光起電力素子を100個作製した。
【0054】作製した光起電力素子の初期特性を以下の
ように測定した。
【0055】まず、暗状態での電圧電流特性を測定し、
原点付近の傾きからシャント抵抗を求めたところ平均で
200kΩ・cm2で、シャントは生じていなかった。
次に、AM1.5グローバルの太陽光スペクトルで、1
00mW/cm2の光量の擬似太陽光源(SPIRE社
製)を用いて、太陽電池特性を測定し、変換効率を求め
たところ、9.0%±0.2%で良好であり、ばらつき
も少なかった。歩留まりは98%であった。
【0056】これらの光起電力素子の耐応力性を調べる
ために曲率半径2mの撓みを上下に繰り返し加える試験
を行った。試験条件は一回の繰り返しに5秒、繰り返し
回数10000回でおこなった。試験終了後の光起電力
素子を初期と同様にシュミレータで測定したところ、初
期変換効率に対して平均で1.0%の劣化で有意な差は
生じていなかった。
【0057】更にこれらの光起電力素子を公知の方法
(厚さ0.4mmのガルバリウム鋼板の上に厚さ460
μmのEVA、光起電力素子、厚さ460μmのEVA
の順に積層し、真空脱気加熱)でラミネートしてモジュ
ール化し、信頼性試験を、日本工業規格C8917の結
晶系太陽電池モジュールの環境試験法及び耐久試験法に
定められた耐湿性試験B−2に基づいて行なった。
【0058】即ち、試料を、温湿度が制御出来る恒温恒
湿器に投入し、温度85±2℃、相対湿度90±5%に
して1000時間保持した。次に試験終了後の光起電力
素子を初期と同様にシュミレーターで測定したところ、
初期変換効率に対して平均で2.0%の劣化で有意な劣
化は生じていなかった。
【0059】さらに、試験後の光起電力素子のいくつか
の金属細線と金属電極の接合部を調べたが、亀裂、腐食
の進行はほとんど見られなかった。
【0060】本実施例から本発明の電極構造を持った光
起電力素子は、良好な特性であり、信頼性も高いことが
わかる。
【0061】(比較例1)図5に本比較例の概略図を示
す。図5(a)は光起電力素子の上面図、図5(b)は
図5(a)中のF−F断面図、図5(c)は図5(a)
中のG−G断面図、図5(d)は図5(c)中のH−H
断面図である。
【0062】実施例1と同様に金属細線202に樹脂被
覆を形成した。また、ステンレス基板208上にAl層
205およびZnO層206からなる下部電極、光起電
力層201、透明電極層207を形成し、基板を24c
m×36cmに分割した。さらに基板の淵の透明電極層
を除去した。
【0063】本比較例は実施例1と以下の点で異なる。
【0064】金属細線を布線する前に前記両面テープ2
10を実施例1と同様に基板の端部表面に貼り付けさら
にその上に金属電極(銅箔)203を貼り付けた。次
に、その上から実施例1と同様に金属細線を布線し加熱
圧着器で光起電力層表面に金属細線を固定した。最後に
金属電極203上の金属細線202を剥がし、カッタ
ー、サンドペーパを使用して丁寧に導電性被覆樹脂21
1を除去し、金属細線と金属電極を半田214で固定し
た。使用した半田は接合一点あたり0.03gであっ
た。得られた光起電力素子の任意のいくつかの金属細線
と金属電極の接合部を分析したところ金属細線と金属電
極の接合部は厚さ20μmの半田層が長さ0.5mmに
わたって両者の間に介在し接合が形成されていた。
【0065】これらの光起電力素子に実施例1と同様の
メカニカルローディング試験を行い、試験終了後の光起
電力素子を初期と同様にシュミレータで測定したとこ
ろ、初期変換効率に対して平均で1.0%の劣化で実施
例1と比較して有意な差は無かった。しかし、いくつか
のサンプルの金属電極と金属細線の接合部断面を拡大し
て調べた結果、半田と金属細線の界面付近および半田と
金属電極の界面付近にミクロンオーダのクラックが見ら
れた。
【0066】更にこれらの光起電力素子をラミネートし
てモジュール化し、実施例1と同様に信頼性試験を行な
った。試験終了後の素子特性を測定したところ、初期変
換効率に対して平均で11.0%の劣化が生じていた。
【0067】試験後の太陽電池モジュールを調べたとこ
ろ30%の金属細線で腐食によって接合部が破断してい
た。
【0068】本比較例と実施例1の比較により本発明の
効果は明らかである。
【0069】(比較例2)図6に本比較例の金属細線2
02と金属電極203の接合部概略図を示す。
【0070】本比較例は、金属細線202の被覆樹脂2
11を除去しなかった点、およびレーザ光照射による金
属電極との接合を行わなかった点においてのみ実施例1
と異なる。したがって、金属細線と金属電極の接合は樹
脂被覆の導電性樹脂によって形成されている。
【0071】作製した光起電力素子の初期特性を実施例
1と同様に測定した。
【0072】シャント抵抗を求めたところ平均で300
kΩ・cm2で、シャントは生じていなかった。金属細
線の樹脂被覆による金属電極との接合部の抵抗は平均で
0.4±0.1Ωであった。
【0073】太陽電池特性を測定し、変換効率を求めた
ところ、8.5%±0.2%で良好であり、ばらつきも
少なかった。歩留まりは97%であった。
【0074】これらの光起電力素子に実施例1と同様の
メカニカルローディング試験を行い、試験終了後の光起
電力素子を初期と同様にシュミレータで測定したとこ
ろ、初期変換効率に対して平均で1.0%の劣化で実施
例1と比較して有意な差は無かった。しかし、いくつか
のサンプルの金属電極と金属細線の接合部断面を拡大し
て調べた結果、導電性樹脂と金属細線の界面および導電
性樹脂と金属電極の界面付近に剥離が見られた。
【0075】更にこれらの光起電力素子をラミネートし
てモジュール化し、実施例1と同様に信頼性試験を行な
った。試験終了後の素子特性を測定したところ、初期変
換効率に対して平均で13.0%の劣化が生じていた。
【0076】試験後の太陽電池モジュールを調べたとこ
ろ40%の金属細線と金属電極の導電性樹脂による電気
的接合部において抵抗値が初期の5倍以上に上昇してお
り、金属細線、金属電極に腐食が起きていた。
【0077】本比較例と実施例1の比較により本発明の
効果は明らかである。
【0078】(実施例2)本実施例は、金属細線に真鍮
線を、金属電極に真鍮箔を使用したことにおいてのみ実
施例1と異なる。
【0079】作製した光起電力素子の初期特性を実施例
1と同様に測定した。
【0080】シャント抵抗を求めたところ平均で340
kΩ・cm2で、シャントは生じていなかった。太陽電
池特性を測定し、変換効率を求めたところ、8.7%±
0.2%で良好であり、ばらつきも少なかった。歩留ま
りは98%であった。
【0081】メカニカルローディング試験の結果、初期
変換効率に対して平均で1.0%の劣化で試験前後で有
意な差は無かった。しかし、いくつかのサンプルの金属
細線と金属電極の接合部を分析した結果、13%のワイ
ヤで接合部にマイクロクラックが生じているのが観察さ
れた。
【0082】更にこれらの光起電力素子をラミネートし
てモジュール化し、実施例1と同様に信頼性試験を行っ
た結果、初期変換効率に対して平均で7.0%の劣化が
生じ明らかに実施例1との違いが見られた。原因を調べ
ると20%の金属細線において腐食による接合部の破断
が生じていた。
【0083】本実施例と実施例1との比較により金属細
線と金属電極に銅を使用することの効果は明らかであ
る。
【0084】(実施例3)本実施例は、金属細線に真鍮
線を使用したことにおいてのみ実施例1と異なる。
【0085】作製した光起電力素子の初期特性を実施例
1と同様に測定した。
【0086】シャント抵抗を求めたところ平均で310
kΩ・cm2で、シャントは生じていなかった。太陽電
池特性を測定し、変換効率を求めたところ、8.8%±
0.2%で良好であり、ばらつきも少なかった。歩留ま
りは98%であった。
【0087】メカニカルローディング試験の結果、初期
変換効率に対して平均で1.0%の劣化で試験前後で有
意な差は無かった。しかし、いくつかのサンプルの金属
細線と金属電極の接合部を分析した結果、11%のワイ
ヤで接合部にマイクロクラックが生じているのが観察さ
れた。
【0088】更にこれらの光起電力素子をラミネートし
てモジュール化し、実施例1と同様に信頼性試験を行っ
た結果、初期変換効率に対して平均で9.0%の劣化が
生じ明らかに実施例1との違いが見られた。原因を調べ
ると20%の金属細線において腐食による接合部の破断
が生じていた。
【0089】本実施例と実施例1との比較により金属細
線と金属電極に同種金属を使用することの効果は明らか
である。
【0090】(実施例4)本実施例の光起電力素子の概
略図を図7に示す。図7(a)は光起電力素子の上面
図、図7(b)は図7(a)中のJ−J断面図、図7
(c)は図7(a)中のK−K断面図である。
【0091】本実施例は、光起電力層201に厚さ1m
mの多結晶シリコンを使用した点、透明電極層、バック
リフレクター(Al層205およびZnO層206)、
ステンレス基板が無い点、さらに裏面の電極に光入射側
面と同様の金属細線電極を使用した点において実施例1
と異なる。
【0092】作製した光起電力素子の初期特性を実施例
1と同様に測定した。
【0093】シャント抵抗を求めたところ平均で500
kΩ・cm2で、シャントは生じていなかった。太陽電
池特性を測定し、変換効率を求めたところ、10.5%
±0.2%で良好であり、ばらつきも少なかった。歩留
まりは99%であった。
【0094】メカニカルローディング試験の結果、初期
変換効率に対して平均で1.0%の劣化で有意な劣化は
見られなかった。このメカニカルローディングでは曲率
半径を実施例1の5倍とした。
【0095】更にこれらの光起電力素子をラミネートし
てモジュール化し、実施例1と同様の信頼性試験を行っ
た結果、初期変換効率に対して平均で2.0%の劣化で
あった。
【0096】本実施例により本発明の光起電力素子は良
好な特性を有することが分かる。
【0097】(比較例3)本比較例は、光起電力層に厚
さ1mmの多結晶シリコンを使用した点、透明電極層、
バックリフレクター(Al層205およびZnO層20
6)、ステンレス基板が無い点、さらに裏面の電極に光
入射側面と同様の金属細線電極を使用した点において比
較例1と異なる。
【0098】作製した光起電力素子の初期特性を実施例
1と同様に測定した。
【0099】シャント抵抗を求めたところ平均で500
kΩ・cm2で、シャントは生じていなかった。太陽電
池特性を測定し、変換効率を求めたところ、10.5%
±0.2%で良好であり、ばらつきも少なかった。歩留
まりは89%であった。
【0100】メカニカルローディング試験(曲率半径を
実施例1の5倍)の結果、初期変換効率に対して平均で
1.0%の劣化で実施例4と比較して差は無かった。し
かし、いくつかのサンプルの金属電極と金属細線の接合
部断面を拡大して調べた結果、金属細線と金属電極の接
合部の10%にマイクロクラックが見られた。
【0101】更にこれらの光起電力素子をラミネートし
てモジュール化し、実施例1と同様に信頼性試験を行っ
た結果、初期変換効率に対して平均で11.0%の劣化
であった。原因を調べたところ18%の接合部に腐食に
よる破断が生じていた。
【0102】本比較例と実施例4の比較から本発明は光
起電力層の構成、および基板、透明電極の有無等でその
効果を失することが無いことが明らかである。
【0103】
【発明の効果】本発明により金属細線電極を使用した光
起電力素子の長期的信頼性が従来よりも高くなる。従
来、金属細線と金属電極の接合は金属層や金属微粒子を
介した接合であったが、本発明のように金属細線と金属
電極との間に融合部を形成することによって接合部の耐
応力性、耐腐蝕性が向上し光起電力素子の信頼性が増
す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様例を説明する図である。
【図2】本発明の一実施例に係る光起電力素子の模式図
である。
【図3】図2の光起電力素子の製造過程を示す図であ
る。
【図4】図2の光起電力素子の製造過程を示す図であ
る。
【図5】比較例に係る光起電力素子の模式図である。
【図6】別の比較例に係る光起電力素子の模式図であ
る。
【図7】本発明の別の実施例に係る光起電力素子の模式
図である。
【図8】従来技術を説明するための図である。
【図9】従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
101、201 光起電力層 102、202、902 金属細線 103、203、903 金属電極 104、204 融合部 201a ボトムpin層 201b ミドルpin層 201c トップPin層 205 アルミ層 206 酸化亜鉛層 207 透明電極層 208 ステンレス基板 209 陰極取り出し部 210 両面テープ 211、911 樹脂被覆 211a 内層樹脂被覆 211b 外層樹脂被覆 212 陽極取り出し部 214、801 半田 802 導電性樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹山 祥史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 吉野 豪人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 都築 幸司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5F051 FA06 FA13 FA14 FA16 FA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも光起電力層と、該光起電力層
    の上に配置された金属細線と、金属電極とから構成され
    る光起電力素子において、前記金属細線と前記金属電極
    との融合部を有することを特徴とする光起電力素子。
  2. 【請求項2】 前記金属細線と前記金属電極が同種金属
    からなることを特徴とする請求項1に記載の光起電力素
    子。
  3. 【請求項3】 前記同種金属が銅であることを特徴とす
    る請求項2に記載の光起電力素子。
  4. 【請求項4】 少なくとも光起電力層と、該光起電力層
    の上に配置された金属細線と、金属電極とから構成さ
    れ、かつ前記金属細線と前記金属電極との融合部を有す
    る光起電力素子の製造方法において、レーザ光を照射す
    ることによって前記融合部を形成することを特徴とする
    光起電力素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属細線と前記金属電極とを接触さ
    せ、前記金属電極に対して前記金属細線とは反対側から
    レーザ光を照射することを特徴とする請求項4に記載の
    光起電力素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記金属電極の前記レーザ光に対するエ
    ネルギー吸収率よりも高いエネルギー吸収率を有する皮
    膜を、前記金属細線と前記金属電極の少なくとも一方の
    表面に形成することを特徴とする請求項4乃至5のいず
    れか一項に記載の光起電力素子の製造方法。
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