JP2005146155A - 光硬化性樹脂組成物並びにそれを用いた光硬化性シート及びそれを用いた成形品の製造方法 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物並びにそれを用いた光硬化性シート及びそれを用いた成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】意匠性、耐摩耗性、耐候性、耐薬品性、加工性、保存安定性等に優れた光硬化性シートあるいはその成形品を得ることができる光硬化性樹脂組成物を開発する。
【解決手段】側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)及び光重合開始剤(a−2)を含有する光硬化性樹脂組成物において、熱可塑性樹脂(a−1)の数平均分子量(Mn)が、5,000〜2,500,000で、且つ、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が5以下である光硬化性樹脂組成物及び基材シートとかかる光硬化性樹脂組成物とが積層され、さらに所望により印刷層等が形成された光硬化性シート又は光硬化性加飾シート並びにそれらの成形品。

Description

本発明は、光硬化性樹脂組成物、光硬化性シート及びその成形品の製造方法に関する。詳しくは、本発明は、優れた外観、意匠性、耐摩耗性、耐薬品性及び耐候性を有し、表面粘着性のない光硬化性樹脂組成物、光硬化性シート、さらにはそのシートを用いた成形品の製造方法に関する。
プラスチック製品の成形と同時にその表面に装飾を施す方法として、(1)金型内表面に予め模様を付けておく方法、(2)金型内壁面に転写フィルムを装着し、成形と同時にフィルムの模様等を成形品の外面に転写する方法、(3)機能付シート又は印刷シートを金型内壁面に貼り付けておき、成形と同時にそのシートを成形品表面に貼り付けする方法等が提案されている。(2)又は(3)の方法については、耐候性付与シート又は印刷シートを金型内壁面に形成した後、成形用樹脂を射出成形することにより、シートで表面が被覆された成形品を製造する方法(例えば、特許文献1、2、3参照)が提案されている。
しかしながら、上記の技術は、加飾や機能性の付与を熱可塑性シートや印刷の転写で行っているため、得られる成形品の表面硬度が不十分なものであった。例えば、成形品に耐候性を付与する場合には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等からなる高耐候性シートを用いればよいが、充分な表面硬度が得られないという問題がある。その対応策として、表面硬度の高い成形品を得ようとする場合には、予め架橋した表面硬度の高いシートを用いることが考えられるが、表面硬度の高いシートは、立体形状の成形品への適用が困難という問題が生じる。
これらの欠点を改良する手段として、樹脂成形品の表面にハードコート処理を施す方法や、ハードコートシートを貼り合わして用いる方法が研究されている。例えば、成形された樹脂成形品の表面に、アクリレート系やシリコーン系の架橋被膜形成性原料をディップコーティング法、スプレーコーティング法等により塗布し、紫外線、熱等のエネルギーにより硬化させるハードコート処理を施す方法等が存在する(例えば、特許文献4、5参照)。しかし、これらの樹脂成形品の表面にハードコート処理を施す方法では、成形品の形状により塗布が困難となり、塗布時の粉塵等による外観不良の発生及び生産性が低い等の問題がある。
また、片面にハードコート処理を施したポリカーボネートシートを金型内に装着し、他の樹脂を射出成形することにより積層一体化し、樹脂の表面硬度を改良する方法が提案されている(例えば、特許文献6、7参照)。しかし、この方法は、ポリカーボネートシートへハードコート処理を施すため、アクリル樹脂等からなるプライマーもしくは接着層の形成が別工程で必要であり工程が煩雑となるという問題があり、また、成形時に予め架橋した表面硬度の高いシートを用いるため、立体形状を有する成形品には、適用が難しく、さらに、性能面では、耐薬品性が劣るという問題がある。
そこで、アクリル樹脂、反応性ビニル基を有する化合物及び光重合開始剤を含有する樹脂組成物により形成される光硬化性樹脂層とシート基材(B)とが積層されてなる光硬化性シートが提案された(例えば、特許文献8参照)。しかし、この光硬化性シートは、光硬化させる前のシートに低分子量の反応性ビニル基を有する化合物が含有されているため、表面に粘着性が有り、あるいは表面の粘着性が時間と共に変化する等の現象が起こり、ロール状態での保存安定性が不良である。具体的には、粘着して巻き出せない、低温で保存しないと両端より化合物がしみ出す等の問題があり、さらには、その粘着性のため、印刷シートとして使用する場合の印刷工程において不具合が生じる。
上記の如き状況において、本発明者らは、先に、光硬化前の優れた成形性と光硬化後の優れた表面性状(硬度、耐候性等)を高次元で実現した特定組成の光硬化性樹脂組成物及び該組成物からなる光硬化性シートを開発した(例えば、特許文献9、10参照)。
通常、これらの光硬化性シートは、光硬化性樹脂組成物及び溶剤を含む混合溶液を基材シート(B)上に塗工し、次いで加熱乾燥させて溶剤を揮発させることにより製造され、さらに、基材シート(B)の裏面に印刷層等を形成することにより、光硬化性加飾シートとすることもできる。
これらの光硬化性シートや光硬化性加飾シートは、センターピラーやサイドモール、ドアモール、コンソールボックス等の自動車内/外装材用途に好適に使用されるが、バンパーやスポイラー、ホイールキャップのようなアスファルト粉、砂、泥等の跳ね上げが多い用途では、光硬化性樹脂組成物層が基材シート(B)より剥離するという問題が生じることがあった。
特開昭60−250925号公報 特公昭59−36841号公報 特公平8−2550号公報 特開昭52−12647号公報 特公昭56−92059号公報 特公平4−21588号公報 特公平8−309790号公報 特公平7−323号公報 特開2002−79621号公報 特開2002−80550号公報
本発明の目的は、上記特許文献9、10において提案した光硬化性樹脂組成物及び光硬化性シートの特性を改善し、意匠性、耐摩耗性、耐候性、耐薬品性、加工性、さらには保存安定性等、さらに優れた特性をもつ光硬化性シートあるいはその成形品を得ることができる光硬化性樹脂組成物を開発することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、さらに材料開発研究を進めた結果、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂を含有する特定の組成からなる光硬化性樹脂組成物が光硬化性シート及びその成形品用の素材として極めて優れていることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)及び光重合開始剤(a−2)を含む光硬化性樹脂組成物において、該熱可塑性樹脂(a−1)の数平均分子量(Mn)が、5,000〜2,500,000で、且つ、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が5以下であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、基材シート(B)上に積層された上記の光硬化性樹脂組成物(A)の層を含む光硬化性シートを提供する。
また、本発明は、光硬化性シートの基材シート(B)側に形成された印刷層、蒸着層、接着層、プライマーシートのいずれか一層以上が形成されている光硬化性加飾シートを提供する。
さらに、本発明は、光硬化性シート又は光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように挿入配置する工程、金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性シート又は光硬化性加飾シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程及び光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程を含む成形品の製造方法を提供する。
また、本発明は、光硬化性シート又は光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように挿入配置する工程、光硬化性シート又は光硬化性加飾シートを予備成形してシートを金型形状に追従させる工程、金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性シート、光硬化性加飾シート又は光硬化性加飾シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程及び光照射することにより、成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程を含む成形品の製造方法を提供する。
また、本発明は、光硬化性シート又は光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように予備成形用金型に挿入配置する工程、光硬化性シート又は光硬化性加飾シートを予備成形してシートを金型形状に追従させる工程、予備成形した光硬化性シート又は光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように成形用金型に挿入配置する工程、成形用金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性シート又は光硬化性加飾シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程及び光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程を含む成形品の製造方法を提供する。
そして、さらに、本発明は、上記各製造方法により得られた成形品を提供するものである。
本発明によれば、側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂(a−1)及び光重合開始剤(a−2)を含む光硬化性樹脂組成物(A)の層と、基材シート(B)からなる光硬化性シートであって、熱可塑性樹脂(a−1)の数平均分子量(Mn)が、5,000〜2,500,000で、且つ、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が5以下からなる光硬化性樹脂組成物を採用すると、光硬化性樹脂組成物の層と基材シート(B)との密着性が良好となり、且つ、優れた諸物性(耐摩耗性、耐候性、耐薬品性、加工性、保存安定性、外観等)を発現することができ、特に硬化樹脂層と基材との高いレベルでの密着性が必要となる自動車外装材等、例えば、バンパー、スポイラー、ホイールキャップ等に使用可能な光硬化性シートを提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について順次説明する。
本発明の光硬化性樹脂組成物(A)は、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)を含み、該熱可塑性樹脂(a−1)の数平均分子量(Mn)が、5,000〜2,500,000で、且つ、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が5以下の範囲内であることを特徴とする。そして、光硬化性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂(a−1)の数平均分子量(Mn)を5,000〜2,500,000で、且つ、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が5以下の範囲内にすることにより、光硬化性樹脂組成物(A)層と基材シート(B)との密着性が良好で、且つ、優れた表面外観を有し、さらに優れた諸物性(耐摩耗性、耐薬品性、非表面粘着性、加工性、保存安定性等)を発現することが可能となる。
側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)としては、例えば、ガラス転移温度が25〜175℃、好ましくは30〜150℃の、ポリマー中にラジカル重合性不飽和基を有するものが挙げられる。具体的には、ポリマーとして以下の化合物(1)〜(8)を重合又は共重合させたものに対し、後述する方法(イ)〜(ニ)によりラジカル重合性不飽和基を導入したものを用いることができる。
(1)水酸基を有する単量体:N−メチロールアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等
(2)カルボキシル基を有する単量体:(メタ)アクリル酸、アクリロイルオキシエチルモノサクシネート等
(3)エポキシ基を有する単量体:グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等
(4)アジリジニル基を有する単量体:2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロピオン酸アリル等
(5)アミノ基を有する単量体:(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等
(6)スルホン基を有する単量体:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等
(7)イソシアネート基を有する単量体:2,4−トルエンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの等モル付加物のような、ジイソシアネートと活性水素を有するラジカル重合性単量体の付加物、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等
(8)さらに、上記の共重合体のガラス転移温度を調節したり、光硬化性シートの物性を調和させたりするために、上記の化合物をそれと共重合可能な単量体と共重合させることもできる。そのような共重合可能な単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、N−フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、N−ブチルマレイミド等のイミド誘導体、ブタジエン等のオレフィン系単量体、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物等を挙げることができる。
また、後述するように、本発明の光硬化性樹脂組成物(A)中に無機微粒子(a−7)を添加する場合、無機微粒子(a−7)の表面の官能基(ヒドロキシル基、カルボキシル基、シラノール基等)と反応しうる基、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン化シリル基及びアルコキシシリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基を分子内に有するビニル重合性単量体は、得られる光硬化性樹脂組成物の剛性、靱性、耐熱性等の物性をより向上させるように働くので、かかる官能基がラジカル重合可能なビニル重合性単量体成分の一部として含有されていてもよい。
上記ビニル重合性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。さらに、熱可塑性樹脂共重合体の耐候性向上の観点からは、ビニル重合性単量体として(メタ)アクリレート類を主成分として用いることが好ましい。
次に、上述のようにして得た重合体に、以下に述べる方法(イ)〜(ニ)によりラジカル重合性不飽和基を導入する。
(イ)水酸基を有する単量体の重合体又は共重合体の場合には、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する単量体等を縮合反応させる。
(ロ)カルボキシル基、スルホン基を有する単量体の重合体又は共重合体の場合には、前述の水酸基を有する単量体を縮合反応させる。
(ハ)エポキシ基、イソシアネート基又はアジリジニル基を有する単量体の重合体又は共重合体の場合には、前述の水酸基を有する単量体又はカルボキシル基を有する単量体を付加反応させる。
(ニ)水酸基又はカルボキシル基を有する単量体の重合体又は共重合体の場合には、エポキシ基を有する単量体又はアジリジニル基を有する単量体、あるいはイソシアネート基を有する単量体、又はジイソシアネート化合物と水酸基含有アクリル酸エステル単量体との等モル付加物を付加反応させる。
上記の反応は、微量のハイドロキノン等の重合禁止剤を加え、乾燥空気を送りながら行うことが好ましい。
熱可塑性樹脂(a−1)が有する側鎖のラジカル重合性不飽和基は、二重結合当量(側鎖ラジカル重合性不飽和基1個あたりの平均分子量)が、仕込み値からの計算値で平均3000g/mol以下であることが、耐擦傷性、耐摩耗性向上の観点から好ましい。さらに好ましい範囲は、平均1200g/mol以下であり、最も好ましい範囲は、平均800g/mol以下である。このように、架橋に関与するラジカル重合性不飽和基を熱可塑性樹脂中に複数導入することにより、効率的に硬化物性を向上することが可能となる。
熱可塑性樹脂(a−1)を含む光硬化性樹脂組成物(A)を用いて形成した光硬化性シートをインサート成形やインモールド成形する際に、金型離型性が良好になる点や光硬化後の成形品表面硬度の観点から、数平均分子量(Mn)は5,000以上であることが好ましい。一方、合成の容易さや外観の観点、また、基材シート(B)との密着性発現の観点から、数平均分子量が2,500,000以下であることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂(a−1)の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)の範囲は、光硬化性樹脂組成物(A)層と基材シート(B)との密着性を考慮すると、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が5以下でなければならない。より好ましくは、4以下であり、最も好ましくは、3以下ある。特に重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が3以下の場合は、例えば、2輪車のアンダーカウリング等の厳しい密着が必要となる樹脂成形品として使用することができ、工業的利用価値が極めて高い。
また、熱可塑性樹脂(a−1)はガラス転移温度が25〜175℃に調節されていることが好ましく、30〜150℃に調節されていることがさらに好ましい。インサート成形やインモールド成形時の光硬化性シートの金型剥離性や光硬化後の成形品表面硬度の観点から、ガラス転移温度が25℃以上であることが好ましい。一方、光硬化性シートの取り扱い性の観点からガラス転移温度は175℃以下であることが好ましい。また、得られる熱可塑性樹脂共重合体のガラス転移温度を考慮すると、ホモポリマーとして高いガラス転移温度を有するビニル重合性単量体を使用することが好ましい。
さらに、密着性を考慮すると熱可塑性樹脂(a−1)は、下記構造式(1)で表わされる化合物(C)の存在下で、水酸基及び/又はカルボン酸基を側鎖に有する熱可塑性樹脂(a−3)と、同一分子内にエポキシ基とラジカル重合性不飽和基を有する化合物(a−4)の反応や、エポキシ基を側鎖に有する熱可塑性樹脂(a−5)と、同一分子内に水酸基及び/又はカルボン酸基とラジカル重合性不飽和基を有する化合物(a−6)の反応で得られたものを用いることが好ましい。
(RP)X (1)
(式中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン、カルボキシル基、シアノ基、アシノ基、アルコキシ基、アセトニル基を有してもよい炭素数1〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基又はフェニル基を表し、Xは、水酸基、ハロゲン又はその他の酸基を表す。)
水酸基及び/又はカルボン酸基を側鎖に有する熱可塑性樹脂(a−3)としては、前述の(1)、(2)より選ばれた単量体を含む混合物を重合して得られるものであり、単独で用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。
同一分子内にエポキシ基とラジカル重合性不飽和基を有する化合物(a−4)としては、前述の(3)に示した単量体である。
また、同一分子内にエポキシ基を側鎖に有する熱可塑性樹脂(a−5)としては、前述の(3)より選ばれた単量体を含む混合物を重合して得られるものであり、単独で用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。
水酸基及び/又はカルボン酸基とラジカル重合性不飽和基を有する化合物(a−6)としては、前述の(1)、(2)より選ばれた単量体であり、単独で用いてもよいし、2種類以上用いてもよい。
上記化合物(C)の例としては、下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
テトラエチルホスホニウムブロマイド、トリエチルベンジルホスホニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムアイオダイド、トリ−n−ブチルメチルホスホニウムアイオダイド、トリ−n−ブチルオクチルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルベンジルホスホニウムクロライド、トリ−n−オクチルエチルホスホニウムブロマイド、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムサルフェ−ト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド、エチルトリフェニルホスホニウムクロライド、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、メトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド、アセトニルトリフェニルホスホニウムクロライド、アリルトリフェニルホスホニウムブロマイド、アリルトリフェニルホスホニウムクロライド、n−アミルトリフェニルホスホニウムブロマイド、
1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、ブロモメチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、3−ブロモプロピルトリフェニルホスホニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、4−カルボキシブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、(3−カルボキシプロピル)トリフェニルホスホニウムブロマイド、4−クロロベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、クロロメチルトリフェニルホスホニウムクロライド、シンナミルトリフェニルホスホニウムブロマイド、シクロプロピルトリフェニルホスホニウムブロマイド、シアノメチルトリ−n−ブチルホスホニウムクロライド、
2−ジメチルアミノエチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、2−(1,3−ジオキサン−2−イル)エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、(1,3−ジオキソラン−2−イル)メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、4−エトキシベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エトキシカルボニルメチル(トリフェニル)ホスホニウムブロマイド、(ホルミルメチル)トリフェニルホスホニウムクロライド、n−ヘプチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、n−ヘキシルトリフェニルホスホニウムブロマイド、イソプロピルトリフェニルホスホニウムアイオダイド、メトキシカルボニルメチル(トリフェニル)ホスホニウムブロマイド、(N−メチル−N−フェニルアミノ)トリフェニルホスホニウムアイオダイド、メチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド、
フェナシルトリフェニルホスホニウムブロマイド、n−プロピルトリフェニルホスホニウムブロマイド、n−テトラデシルトリフェニルホスホニウムブロマイド、テトラエチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェイト、テトラエチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムクロライド、テトラ−n−オクチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムアイオダイド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロライド、(2−トリメチルシリル)エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド、(3−トリメチルシリル−2−プロピニル)トリフェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルビニルホスホニウムブロマイド。
これらの化合物(C)のうち、光硬化性樹脂組成物(A)層と基材シート(B)との密着性が著しく良好となる点でテトラエチルホスホニウムブロマイドが好ましい。テトラエチルホスホニウムブロマイドとしては、市販品のPX−2B(商品名;日本化学工業(株)製)を用いることができる。
本発明の光重合開始剤(a−2)としては、光照射によってラジカルを発生させる光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、公知の化合物を用いることができ、特に限定はされないが、硬化時の黄変性や耐候時の劣化を考慮すると、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系のような分子内にアミノ基を含まない開始剤がよい。例えば、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が好ましい。
これらのうちには成形方法によっては一時的にその化合物の沸点以上の温度になることがあるので、注意が必要である。成形品の表面硬度を上げるため、n−メチルジエタノールアミン等の酸素による重合硬化阻害を抑制する添加剤を添加してもよい。また、これらの光重合開始剤の外に、成形時の熱を利用しての硬化も考慮して、各種過酸化物を添加してもよい。光硬化性シートに過酸化物を含有させる場合には、150℃、30秒程度で硬化させる必要があるので、臨界温度の低い過酸化物、例えば、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が好ましく用いられる。
光ラジカル重合開始剤の添加量は、硬化後の残存量が耐候性に影響するため、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂に対して5重量%以下が望ましく、特に硬化時の黄変に関連するアミノ系の光ラジカル重合開始剤は1重量%以下が望ましい。
光硬化性樹脂組成物(A)には、さらに耐擦傷性や耐摩耗性を向上させる目的で、無機微粒子(a−7)を添加することができる。この無機微粒子(a−7)は、得られる光硬化性樹脂組成物の透明性が確保されれば、その種類や粒子径、形態は特に制限されない。無機微粒子の例としては、コロイダルシリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、異種元素ドープ酸化スズ(ATO、等)、酸化インジウム、異種元素ドープ酸化インジウム(ITO、等)、酸化カドミウム、酸化アンチモン、等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種類以上組み合わせて用いられてもよい。なかでも、入手の容易さや価格面、得られる光硬化性樹脂組成物層の透明性や耐摩耗性発現の観点から、コロイダルシリカが特に好ましい。
コロイダルシリカは、通常の水性分散液の形態や、有機溶媒に分散させた形態で用いることができるが、(a−1)成分である熱可塑性樹脂とともに均一、且つ、安定に分散させるためには、有機溶媒に分散させたコロイダルシリカを用いることが好ましい。
そのような有機溶媒としては、メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール、キシレン/ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等を例示することができる。熱可塑性樹脂とともに均一に分散させるためには、熱可塑性樹脂を溶解可能な有機溶媒を選択することが好ましい。
有機溶媒に分散させた形態のコロイダルシリカとしては、分散媒に分散されている市販品、例えば、メタノールシリカゾルMA−ST、イソプロピルアルコールシリカゾルIPA−ST、n−ブタノールシリカゾルNBA−ST、エチレングリコールシリカゾルEG−ST、キシレン/ブタノールシリカゾルXBA−ST、エチルセロソルブシリカゾルETC−ST、ブチルセロソルブシリカゾルBTC−ST、ジメチルホルムアミドシリカゾルDBF−ST、ジメチルアセトアミドシリカゾルDMAC−ST、メチルエチルケトンシリカゾルMEK−ST、メチルイソブチルケトンシリカゾルMIBK−ST(以上、商品名;日産化学工業(株)製)を用いることができる。
無機微粒子(a−7)の粒子径は、得られる光硬化性樹脂組成物層の透明性の観点から、通常は200nm以下であるのが好ましい。より好ましくは100nm以下であり、さらに好ましくは50nm以下である。
無機微粒子(a−7)の添加量は、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)の固形分100重量部に対して、無機微粒子固形分で5〜400重量部の範囲が好ましく、10〜200重量部の範囲が特に好ましい。無機微粒子の添加量が5重量部未満の場合には、耐摩耗性向上効果が認められないことがあり、また添加量が400重量部を超える場合には、光硬化性樹脂組成物(A)の保存安定性が低下するばかりか、得られる光硬化性シートの成形性が低下することがある。
また、本発明で用いられる無機微粒子(a−7)としては、下記構造式(2)で表されるシラン化合物によって、予め表面が処理されたものを用いてもよい。表面処理された無機微粒子の使用は、光硬化性樹脂組成物(A)の保存安定性がさらに良好となり、また得られる光硬化性シートの表面硬度及び耐候性も良好となるので好ましい。
SiR4 a5 b(OR6c (2)
(式中、R及びRは、それぞれ、エーテル結合、エステル結合、エポキシ結合又は炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、Rは水素原子、エーテル結合、エステル結合、エポキシ結合もしくは炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、a及びbは、それぞれ、0〜3の整数であり、cは4−a−bを満足する1〜4の整数である。)
前記構造式(2)で表されるシラン化合物のなかでも、下記構造式(3)〜(8)表されるシラン化合物を好ましいものとして挙げることができる。
SiR7 a8 b(OR9c (3)
SiR7 n(OCH2CH2OCO(R10)C=CH24-n (4)
CH2=C(R10)COO(CH2pSiR11 n(OR93-n (5)
CH2=CHSiR11 n(OR93-n (6)
HS(CH2pSiR11 n(OR93-n (7)
Figure 2005146155
(式中、R及びRは、それぞれ、エーテル結合、エステル結合又はエポキシ結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R10は水素原子又はメチル基を表し、R11は炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基を表し、a及びbは、それぞれ、0〜3の整数であり、cは4−a−bを満足する1〜4の整数であり、nは0〜2の整数であり、pは1〜6の整数である。)
前記構造式(3)で表されるシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メトキシエチルトリエトキシシラン、アセトキシエチルトリエトキシシラン、ジエトキシエチルジメトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記構造式(4)で表されるシラン化合物としては、例えば、テトラキス(アクリロイルオキシエトキシ)シラン、テトラキス(メタクリロイルオキシエトキシ)シラン、メチルトリス(アクリロイルオキシエトキシ)シラン、メチルトリス(メタクリロイルオキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
前記構造式(5)で表されるシラン化合物としては、例えば、β−アクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記構造式(6)で表されるシラン化合物としては、例えば、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記構造式(7)で表されるシラン化合物としては、例えば、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記構造式(8)で表されるシラン化合物としては、例えばp−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
かかるシラン化合物は、無機微粒子(a−7)の固形分1モル部に対して、0〜3モル部の割合で使用することが好ましい。シラン化合物の使用量が3モル部を超える場合には、得られる光硬化性シートの耐摩耗性が低下することがある。
シラン化合物で表面処理された無機微粒子は、少量の水の存在下で、シラン化合物と無機微粒子を加熱攪拌することにより、得ることができる。
無機微粒子(a−7)を、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)に添加する方法としては、予め熱可塑性樹脂(a−1)を合成後、無機微粒子を混合してもよいし、また熱可塑性樹脂(a−1)を構成するビニル重合性単量体と無機微粒子を混合した条件下で熱可塑性樹脂を重合する方法等任意の方法を選択することができる。
本発明で用いられる光硬化性樹脂組成物(A)においては、側鎖ラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)及び無機微粒子(a−7)以外に、必要に応じて、増感剤、変性用樹脂、染料、顔料及びレベリング剤やハジキ防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化安定剤等の添加剤を配合することができる。
上記の増感剤は、光硬化反応を促進するものであって、その例としてはベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントン等が挙げられる。
本発明に用いる基材シート(B)としては、その使用方法によって好適なものが選ばれるが、例えば、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)系樹脂、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合体)系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、セロファン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂、軟質アクリル系樹脂等の材質からなるシートが挙げられる。またこれらの各シートの複合体、積層体等も使用することができる。なかでも、100℃加熱時における伸度が100%以上である熱可塑性樹脂シートが、インサート成形やインモールド成形時に金型形状への追従性が良好となるので好ましい。光硬化性樹脂組成物(A)との密着性や耐候性、透明性等を考慮すると、さらに好ましくは、架橋ゴム成分を有する熱可塑性アクリル樹脂シートである。
架橋ゴム成分を有する透明熱可塑性アクリル樹脂シートとしては、特開平8−323934号公報、特開平9−263614号公報、特開平11−147237号公報、特開2001−10674号公報等に開示されている透明熱可塑性アクリルシートがある。
市販されている透明熱可塑性アクリルシートとしては、アクリプレンHBX−N47、HBS−006、HBD−013(以上、三菱レイヨン(株)製)、テクノロイS001、S003、SN101(以上、住友化学工業(株)製)、サンデュレンSD007、SD009(以上、鐘淵化学工業(株)製)等が挙げられる。
基材シート(B)の厚みは、500μmを超える場合には剛性が大きくなりインサート成形やインモールド成形用シートとしては好ましくないため、通常、基材シートの厚みは500μm以下であるのが好ましい。
また、基材シート(B)中には、必要に応じて、適宜、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の滑剤、シリカ、球状アルミナ、鱗片状アルミナ等の減摩剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、微粒子酸化セリウム系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル補足剤等の光安定剤、可塑剤、安定剤、顔料、染料等の各種添加剤を添加してもよい。
本発明の光硬化性シートは、基材シート(B)上に光硬化性樹脂組成物(A)層が積層された構造で、インサート成形やインモールド成形時の加工性に優れるだけでなく、各種物性(特に、耐候性−耐摩耗性(表面硬度)−密着性のバランス)に優れた成形品を与えることが可能な光硬化性シートである。光硬化性樹脂組成物(A)層と基材シート(B)の間には、本発明の光硬化性シートの優れた性状を損なわない限りにおいては、さらに1層以上の光硬化性樹脂組成物層を積層することも可能である。この場合、新たに導入する1層以上の光硬化性樹脂組成物としては、光硬化性樹脂組成物(A)と同等もしくは類似の組成物を用いると、光硬化後の光硬化性シートの表面性状(特に、密着性、耐候性、外観、意匠性)が良好となる傾向にあり、好ましい。
本発明の光硬化性シートの製造方法としては、例えば、光硬化性樹脂組成物(A)を有機溶媒等の溶剤(S)に十分に攪拌溶解させ、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等の公知の印刷方法や、ブレードコート法、ロッドコート法、ロールドクターコート法、ナイフコート法、コンマコート法、リバースロールコート法、トランスファーロールコート法、キスロールコート法、カーテンコート法、ディップコート法等の公知のコート方法により基材シート(B)上に塗工し、溶剤(S)除去のための加熱乾燥を行い積層シートとする方法がある。
溶剤(S)除去のための加熱乾燥の際に使用する乾燥機としては、溶剤(S)として可燃性有機溶剤を使用する場合には、安全性の点から蒸気による空気加熱式の熱源を備えたものを用い、乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方式及びノズルより光硬化性シートに吹き付ける方式等が用いることができる。乾燥機の形状は、アーチ式、フラット式等、目的に合わせて公知のものを選択して用いることができる。
光硬化性樹脂組成物(A)を攪拌溶解させる溶剤(S)としては、光硬化性樹脂組成物(A)の各成分を溶解又は均一に分散させ、且つ、基材シート(B)の物性(機械的強度、透明性等)に実用上甚大な悪影響を及ぼさない揮発性の溶剤であれば、特に制限されない。そのような溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶剤、キシレン、トルエン、ベンゼン等の芳香族系溶剤、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶剤、フェノール、クレゾール等のフェノール系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、ジエチルエーテル、メトキシトルエン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、THF等のエーテル系溶剤、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸系溶剤、無水酢酸等の酸無水物系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸ブチル等のエステル系溶剤、エチルアミン、トルイジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の窒素含有溶剤、チオフェン、ジメチルスホキシド等の硫黄含有溶剤、ジアセトンアルコール、2−メトキシエタノール(メチルセロソルブ)、2−エトキシエタノール(エチルセロソルブ)、2−ブトキシエタノール(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコール、2−アミノエタノール、アセトシアノヒドリン、ジエタノールアミン、モルホリン等の2種以上の官能基を有する溶剤、あるいは水等の各種公知の溶剤を使用することができる。
また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなる基材シート(B)上に上記樹脂液をコーティングする際には、基材シートと光硬化性樹脂組成物との密着性を上げるため、(1)予め、基材シート(B)上に低分子量ポリオレフィン等からなるプライマーを塗布しておくか、又は(2)予め、コロナ放電等で基材シート(B)表面を活性化しておく(このコロナ放電の行う工程としては、活性化された直後が密着性が高いのでコーティングの少し前であるのが好ましい)のが好ましい。さらに、光硬化性樹脂組成物が光硬化時に体積収縮し、基材シート(B)との密着性が低下するのを防ぐ目的で、プライマー層を積層することが好ましい。
上記の方法により得られる本発明の光硬化性シートは、基材シート(B)側に印刷層を設けることにより、光硬化性加飾シートとすることもできる。
印刷層は、成形品表面に模様や文字等の加飾を施すものである。加飾は、任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字、全面ベタ等からなる絵柄が挙げられる。印刷層の材料としては、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体等のポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキッド樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂等の樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料又は染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。
印刷層に用いられるインキの顔料としては、例えば、次のものが使用できる。通常、顔料として、黄色顔料としてはポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン等の有機顔料や黄鉛等の無機顔料、赤色顔料としてはポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドン等の有機顔料や弁柄等の無機顔料、青色顔料としてはフタロシアニンブルー等の有機顔料やコバルトブルー等の無機顔料、黒色顔料としてはアニリンブラック等の有機顔料、白色顔料としては二酸化チタン等の無機顔料が使用できる。
印刷層に用いられるインキの染料としては、本発明の効果を損なわない範囲で、各種公知の染料を使用することができる。
また、インキの印刷方法としては、オフセット印刷法、グラビア輪転印刷法、スクリーン印刷法等の公知の印刷法やロールコート法、スプレーコート法等の公知のコート法を用いるのがよい。この際、本発明におけるように、他の架橋性化合物を全く用いずに側鎖に光重合性官能基を有するポリマーのみを用いた場合には、表面に粘着性が無く、印刷時のトラブルが少なく、歩留まりが良好である。
また成形品表面に加飾を施すための層として、印刷層の代わりに蒸着層を設けてもよいし、印刷層と蒸着層の両方を設けてもよい。
蒸着層は、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、インジウム、スズ、銀、チタニウム、鉛、亜鉛等の群から選ばれる少なくとも一つの金属、又はこれらの合金もしくは化合物を使用して、真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法等の方法により形成することができる。
これら加飾のための印刷層や蒸着層は、所望の成形品表面外観が得られるよう、インサート成形やインモールド成形時のシートの伸張度合いに応じて、適宜、その厚みを選択すればよい。
また、本発明の光硬化性シートは、基材シート(B)側に印刷層及び/又は蒸着層、接着層及び必要に応じてプライマーシートが形成された光硬化性加飾シートとすることができる。その場合、光硬化性加飾シートの好ましい厚み範囲は、30〜750μmである。シート厚みが30μm未満の場合には、深しぼり成形を行った際に、曲面でのシート厚みが著しく低下し、結果として耐擦傷性や耐薬品性等のシート物性が低下することがある。また、シート厚みが750μmを超える場合には、金型への形状追従性が低下することがある。
上記接着層には、印刷層又は蒸着層と成形樹脂、印刷層又は蒸着層とプライマーシートとの密着性を高める性質のものであれば、任意の合成樹脂状材料を選択して用いることができる。例えば、成形樹脂がポリアクリル系樹脂の場合は、ポリアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形樹脂がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等を使用すればよい。さらに、成形樹脂がポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂である場合には、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂、ブロックイソシアネートを用いた熱硬化型ウレタン樹脂等が使用可能である。なお、接着層の粘着性低減や耐熱性向上の目的に、疎水性シリカやエポキシ樹脂、石油樹脂等をさらに含有させることもできる。
上記プライマーシートは、必要に応じて形成されるものであり、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂等公知の樹脂が使用可能である。なお、成形樹脂との密着性を高める目的から、成形樹脂と相溶性の材料からなるのがよい。現実的には、プライマーシートは成形樹脂と同じ、又は類似のポリマー材料からなるのが好ましい。また、プライマーシートの存在は、射出成形品の表面欠陥が光硬化性樹脂組成物上に伝搬されるのを最少にするといった利点を与え、また、プライマーシート上に印刷層や接着層が存在する場合には、射出成形時の溶融樹脂により各層の厚みや模様が乱れることを防ぐといった利点を与える。その場合、プライマーシートは、光硬化性樹脂組成物の完全に円滑な上面を呈しながら、成形樹脂の表面欠陥を吸収するほどの厚みを有するのがよく、その厚みは50〜700μmの範囲であることが好ましい。プライマーシートの厚みが50μm未満の場合には、成形樹脂表面の表面欠陥を十分に吸収することが困難になる場合がある。一方、プライマーシート厚みが700μmを超える場合には、金型への形状追随性が低下することがある。
また、本発明の光硬化性シートは、基材シート(B)上の光硬化性樹脂組成物(A)層の上に、さらにカバーフィルムを設けることもできる。このカバーフィルムは、光硬化性シート表面の防塵に有効であり、また活性エネルギー線照射前の光硬化性樹脂組成物(A)層表面の傷つき防止にも有効である。
上記カバーフィルムは、後述するようにインサート成形やインモールド成形する前まで光硬化性樹脂組成物(A)層に密着し、インサート成形やインモールド成形する際は直ちに剥離されるので、光硬化性樹脂組成物(A)層に対して適度な密着性と良好な離型性を有していることが必要である。このような条件を満たしたフィルムで有れば、任意のフィルムを選択して用いることができる。そのようなフィルムとしては、例えば、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリエステル系フィルム等が挙げられる。
ところで、自動車のボディーパネルやスポイラー等のような成形品のサイズが大きく、且つ、成形品の肉厚が薄い場合には、成形樹脂から発生するガスが成形樹脂内に残留したり、金型内の空気が成形樹脂とシートの間に介在しやすくなったりして、成形樹脂に対するシートの密着性が低下するという問題が生じることがある。そのような場合、成形樹脂に接するシート面に、ガス透過性を有する層を設けることで、問題を解決することができる。そのようなガス透過性を有する層として、スパンデックス、アクリル繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミド系繊維等で構成された織布又は不織布を挙げることができる。また織布/不織布の代わりに、発泡層からなるものを用いてもよい。発泡層の形成方法としては、公知の発泡剤を含む樹脂溶液を塗布した後に加熱等により発泡させて連続空孔を形成させる方法等が挙げられる。
次に、上記の光硬化性シート及び光硬化性加飾シートを用いた成形品の製造方法の一例について説明する。
まず、光硬化性シート又は光硬化性加飾シートにカバーフィルムが設けられている場合は、カバーフィルムをシートより剥離除去する。なお、カバーフィルムは、金型内にシートを挿入配置する直前に剥離してもよいし、シートを金型内に挿入配置する遥か以前に剥離しておいてもよい。ただし、光照射前の光硬化性樹脂組成物(A)層の防塵や傷つき防止を考慮すると、前者のほうが好ましい。
光硬化性シート又は光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物(A)側が金型の内壁面に向かい合うように挿入配置する(すなわち、光硬化性樹脂組成物(A)層の反対側が成形樹脂と接する状態)。この際、長尺のシートのまま(ロールから巻き出しながら)必要部分を間欠的に送り込んでもよいし、シートを枚葉化して1枚ずつ送り込んでもよい。特に加飾のための印刷層や蒸着層を有する長尺のシートを使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、加飾のための層と金型との見当が一致するようにするとよい。またシートを間欠的に送り込む際に、シートの位置をセンサーで検出した後にシートを固定するようにすれば、常に同じ位置でシートを固定することができ、加飾層の位置ずれが生じないので便利である。
次いで、必要に応じて、光硬化性シート又は光硬化性加飾シートを予備成形する。例えば、ホットパック等の加熱手段によりシートをその軟化点以上に軟化させ、金型に設けられた吸引孔を通じて真空吸引することにより金型形状にシートを追従させることで予備成形することができる。なお、シートを金型内に挿入配置する前に、シートを予めシートの熱変形温度未満の温度に予熱しておくと、シートを金型内に挿入配置後に行う加熱時間を短縮することができ、生産性を向上することが可能となる。もちろん、シートを予備成形せずに、後述する成形樹脂の射出圧により、シートの成形及び成形樹脂との一体化を同時に行うことも可能である。この際、シートを予め予備加熱して軟化させておくことも可能である。
また射出成形用金型とは別の予備成形用金型を用いて、真空成形法、圧空成形法、熱せられたゴムを押し付ける押圧成形法、プレス成形法等の公知の成形法により、シートを予め所望の形状に予備成形した後に、予備成形したシートを光硬化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように成形用金型に挿入配置してもよい。
その後、金型を閉じて、キャビティー内に溶融状態の成形樹脂を射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性シート又は光硬化性加飾シートが表面に配置された成形品を形成する。
本発明で使用する成形樹脂としては、種類は問わず、射出成形可能な全ての樹脂が使用可能である。そのような成形樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合体)系樹脂、AS(アクリロニトリル/スチレン系共重合体)系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等の汎用の熱可塑性又は熱硬化性樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等の汎用エンジニアリング樹脂やポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂等のスーパーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラー(タルク、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ等)等の補強材、ゴム成分等の改質剤を添加した複合樹脂や各種変性樹脂を使用することができる。なお、成形樹脂の成形後の収縮率を前記シートの収縮率に近似させることで、インサート成形やインモールド成形により得られた成形品の反りやシートの剥がれ等の不具合を解消できるので好ましい。
最後に、金型内より成形品を取り出した後、光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる。
照射する光としては、電子線、紫外線、γ線等を挙げることができる。照射条件は、光硬化性樹脂組成物(A)層の光硬化特性に応じて定められるが、照射量は、通常500〜10,000mJ/cm程度である。これによって、光硬化性樹脂組成物が硬化して硬質の被膜が表面に形成された成形品を得ることができる。
成形品に接着した光硬化性シート又は光硬化性加飾シートのうち、不要な部分は必要に応じて、適宜、トリミングして除去する。このトリミングは、シートを金型内に挿入配置した後や、成形品に光照射する前、或いは、光照射した後に行うことができる。トリミングの方法としては、レーザー光線等を照射してシートを焼き切る方法、トリミング用の打ち抜き型を作製しプレス加工によってシートを打ち抜く方法、人手によりシートをちぎるようにして除去する方法等、公知の方法により行うことができる。
なお、上記では、成形品の製造方法として、射出成形を用いた製造方法について説明したが、射出成形の代わりにブロー成形を用いることも可能である。
このようにして得られた成形品は、成形と同時に色もしくはデザインが付与され、さらには短時間の光照射によって、耐摩耗性、耐薬品性及び耐候性等が向上する。さらに、従来の成形後のスプレー塗装等と比較して、工程の短縮、歩留まりの向上、環境への影響低減がはかれる。
また、本発明の光硬化性シートは、直接あるいは接着剤層を介して被着体にラミネートすることにより、被着体表面に積層して使用することもできる。被着体としては、各種素材からなる平板、曲面板、シート、フィルムあるいは各種立体形状物品(成形品)がある。例えば、射出成形品等の曲面を有する成形品に対しても、本発明の光硬化性シートを使用することができる。また、本発明の光硬化性シートをラミネートした被着体をさらに真空成形等の二次加工に付すことも可能である。
以下に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、例中、「部」は「重量部」を意味する。
[合成例1](側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂Aの合成)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、メチルエチルケトン50部を入れ、80℃に昇温した。窒素雰囲気下でメチルメタクリレート67.8部、グリシジルメタクリレート32.2部及びアゾビスイソブチロニトリル0.5部の混合物を3時間かけて滴下した。その後、メチルエチルケトン(沸点79.6℃)80部とアゾビスイソブチロニトリル0.2部の混合物を加え、重合させた。4時間後、メチルエチルケトン44.3部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.5部、テトラエチルホスホニウムブロマイド(商品名;PX−2B、日本化学工業(株)製)2.5部及びアクリル酸16.2部を加え、空気を吹き込みながら80℃で30時間攪拌した。次いで、冷却した後、反応物をフラスコより取り出し、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂Aの溶液を得た。
側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂Aにおける単量体の重合率は99.5%以上であり、ポリマー固形分量は40重量%、数平均分子量(Mn)は約2.9万、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が2.4、ガラス転移温度は約77℃、二重結合当量は平均518g/molであった。
[合成例2](側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂Bの合成)
合成例1の製造例において、テトラエチルホスホニウムブロマイドからトリフェニルホスフィン(和光純薬工業(株)製)に変更した以外は同様の操作を行い、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂Bの溶液を得た。得られた熱可塑性樹脂Bにおける単量体の重合率は99.5%以上であり、ポリマー固形分量は40重量%、数平均分子量(Mn)は約6万、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が12.9、ガラス転移温度は約77℃、二重結合当量は平均518g/molであった。
イ)側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂の物性評価方法:
Mn、Mw、Mw/Mn:ゲル透過クロマトグラフィーで光屈折法を使用して測定を行う。分子量測定のリファレンスとして測定するサンプルの分子量が内挿できるようにポリスチレン系標準物質を使用して検量線を作成する。
ロ)表面処理コロイダルシリカS1の調製
Figure 2005146155
攪拌機、コンデンサー及び温度計を備えたフラスコに、上記表1に記載の成分を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を75℃に上げ、その温度で2時間反応させることにより、イソプロパノール中に分散され、表面がシラン化合物で処理されたコロイダルシリカを得た。続いて、イソプロパノールを留去した後にトルエン(沸点110.6℃)を添加することを繰り返し、完全にイソプロパノールをトルエンに置換することにより、トルエン中に分散され、表面がシラン化合物で処理されたコロイダルシリカS1を得た。コロイダルシリカS1が分散したトルエン溶液の固形分は63重量%であった。
ハ)光硬化性キャスト液組成物1〜4の調製
合成した側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂A、B、表面処理コロイダルシリカS1及び表2の化合物を用いて、表2の組成を有する光硬化性キャスト液組成物1〜4を調製した。
Figure 2005146155
[実施例1]
表2の組成を有する光硬化性キャスト液組成物1をプロペラ型ミキサーで撹拌し、アクリプレンHBX−N47(三菱レイヨン(株)製、125μm)上にコンマロールコーターにて塗工幅600mmで塗工を行った。
引き続いて、下記表3の温度条件に設定したトンネル型乾燥炉(巾800mm,高さ100mm,長さ8m,4つの乾燥ゾーン(1ゾーンの長さ2m)に分割,シートの動きに対して向流になるように熱風を送り込む方式)の中を、3m/分の速度で通過させて溶剤を揮発させ、厚さ8μmの光硬化性樹脂層を形成した。この時の各乾燥ゾーンの滞在時間を表3に示す。
Figure 2005146155
続いて、幅550mmにスリットして20mの長さにABS製コアにロール状に巻き取った。
これらの光硬化性シートを光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向かい合うように金型内に配置し、次いで赤外線ヒーター(温度350℃)で10秒間シートを予備加熱した後、さらに加熱を行いながら真空吸引することにより金型形状にシートを追従させた。なお、この金型の形状は、切頭角錐形状で、切頭面のサイズは100mm×100mmで、底面のサイズは108mm×117mm、深さは10mmであり、切頭面の端部の曲率半径がそれぞれ3,5,7,10mmであった。その際の金型追従性を目視で評価したところ、各端部とも良好に追従していた。
次に、成形温度280〜300℃、金型温度40〜60℃の条件において、ポリカーボネート樹脂を成形樹脂として用いてインモールド成形を行い、光硬化性シートが成形品表面に密着した成形品を得た。この際の成形用金型の汚れを目視で評価した。結果を表4に示す。
次いで、紫外線照射装置を用いて、約2400mJ/cmの紫外線を照射して、光硬化性樹脂組成物を硬化させ、表面物性を評価した。表4に示す通り、光硬化性樹脂組成物の層とアクリプレンHBX−N47との密着性が良好であり、剥離試験においても、周囲剥離や碁盤目剥離は認められなかった。また、その他の表面物性も良好であった。
また、室温にて約2週間ロール状態で保存した後、巻きだしながら表面の粘着性を評価した。結果を表4に示す。
[シート物性評価方法]
1)密着性:
JIS K 5400に準じて、カッターで1×1mm幅の碁盤目を100マス作製し、ニチバン製セロテープを圧着後、90度の角度に剥離した。さらに、同じ部位でセロテープの圧着−剥離を合計5回繰り返した後の、フィルム外観を目視評価した。
○:外観変化なし
△:碁盤目周囲の剥離、もしくは碁盤目剥離少し有り
×:碁盤目周囲の剥離、及び/もしくは碁盤目剥離が著しい
2)鉛筆硬度試験:
JIS K 5400に準じて、鉛筆としてユニ(商品名;三菱鉛筆(株)製)を使用して評価した。
3)外観等:
作製したハードコートシートや樹脂成形品の外観について、塗膜のクラックの有無等を観察した。
4)透明性:
ASTM D1003に準じて、ヘイズメーターを用いて全光線透過率及び曇価を測定した。
5)耐擦傷性:
#000スチールウールを直径1インチの円形パッドに装着し、往復式摩耗試験機台上に保持した試料表面にこのパッドを置いて、荷重1000g下で100回往復させ擦傷した。この試料をエタノールで洗浄した後、ヘイズメーターで曇価を測定した。そして(擦傷後の曇価)−(擦傷前の曇価)で表される数値を耐擦傷性(%)として示した。
6)耐摩耗性:
テーバー摩耗試験(片側500g荷重、CS−10F摩耗輪を用い、回転速度60rpm、試験回数500回で試験を実施)後の曇価をヘイズメーターで測定した。そして(試験後の曇価)−(試験前の曇価)で表される数値を耐摩耗性(%)として示した。
7)耐酸性:
47重量%硫酸水溶液を40℃で3時間スポット試験した後の外観を目視評価した。
○:良好
△:薄く跡有り
×:著しい跡有り
8)耐温水性:
40℃の温水中に24時間浸漬後のシート状態を目視評価した。
○:良好
△:薄く白化有り
×:著しい白化有り
9)耐候性:
サンシャインウエザーメーター(スガ試験機製)を用い、乾燥48分、雨12分のサイクルで2000時間曝露試験したときの外観を目視評価した。
○:良好
×:白化又はクラック有り
[実施例2]
実施例1の光硬化性キャスト液組成物1を、表4に示した組み合わせに変更した以外は、実施例1と同様にして光硬化性シートを製造し、インモールド成形品を得た。結果を表4に示す。
[比較例1、2]
実施例1の光硬化性キャスト液組成物1を、表4に示した組み合わせに変更した以外は、実施例1と同様にして光硬化性シートを製造し、インモールド成形品を得た。得られた光硬化性シートの光硬化性樹脂組成物層とアクリプレンHBX−N47との密着性は不良であり、剥離試験1回では、剥離は認められないが、剥離試験を5回繰り返すと碁盤目周囲の剥離ならびに碁盤目マスの剥離が認められた。結果を表4に示す。
[実施例3、4]
実施例1、2と同様にして、それぞれの光硬化性キャスト液組成物をアクリプレンHBX−N47上に塗工して、厚さ10μmの光硬化性樹脂層を有する光硬化性シートを製造した。
次いで、黒、茶、黄の各色の顔料から成るインキを用い、アクリプレンHBX−N47面に絵柄をグラビア印刷法によって印刷した後、光硬化性加飾シートを得た。これらのシートは表面粘着性がないので、印刷適性は良好であった。
これらの光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向き合うように金型内に配置し、次いで赤外線ヒーター(温度300℃)で15秒間シートを予備加熱した後、さらに加熱を行いながら真空吸引することにより金型形状にシートを追従させた。
次に、成形温度220〜250℃、金型温度40〜60℃の条件において、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体樹脂を成形樹脂として用いてインモールド成形を行い、光硬化性加飾シートが成形品表面に密着した成形品を得た。その際のシートの金型追従性及び金型離型性は共に良好であった。
次いで、紫外線照射装置を用いて、約2400mJ/cmの紫外線を照射して光硬化性樹脂組成物を硬化させ、表面硬度が高く、光沢に優れ、印刷絵柄を有して意匠性に優れる成形品を得た。
[実施例5、6]
実施例1、2と同様にして、それぞれの光硬化性キャスト液組成物をアクリプレンHBX−N47上に塗工して、厚さ10μmの光硬化性樹脂層を有する光硬化性シートを製造した。
次いで、黒、茶、黄の各色の顔料から成るインキを用い、アクリプレンHBX−N47面に絵柄をグラビア印刷法によって印刷した。これらのシートは表面粘着性がないので、印刷適性は良好であった。
さらに塩素化ポリプロピレン樹脂(塩素化度15%)からなる接着層を、印刷面にグラビア印刷法によって形成させた後、光硬化性加飾シートを得た。
これらの光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向き合うように金型内に配置し、次いで赤外線ヒーター(温度300℃)で15秒間シートを予備加熱した後、さらに加熱を行いながら真空吸引することにより金型形状にシートを追従させた。
次に、成形温度200〜240℃、金型温度30〜60℃の条件において、ポリプロピレン系樹脂(タルクを20重量%含有、エチレン−プロピレン系ゴムを10重量%含有)を成形樹脂として用いてインモールド成形を行い、光硬化性加飾シートが成形品表面に密着した成形品を得た。その際のシートの金型追従性及び金型離型性は共に良好であった。
次いで、紫外線照射装置を用いて、約2400mJ/cmの紫外線を照射して光硬化性樹脂組成物を硬化させ、表面硬度や耐摩耗性が高く、光沢に優れ、印刷絵柄を有して意匠性に優れる成形品を得た。
Figure 2005146155
以上詳細に説明したように、本発明の成形品は、ウェザーストリップ、バンパー、バンパーガード、サイドマッドガード、ボディーパネル、スポイラー、フロントグリル、ストラットマウント、ホイールキャップ、センターピラー、ドアミラー、センターオーナメント、サイドモール、ドアモール、ウインドモール等、窓、ヘッドランプカバー、テールランプカバー、風防部品等の自動車外装用途、インストルメントパネル、コンソールボックス、メーターカバー、ドアロックペゼル、ステアリングホイール、パワーウィンドウスイッチベース、センタークラスター、ダッシュボード等の自動車内装用途、AV機器や家具製品のフロントパネル、ボタン、エンブレム、表面化粧材等の用途、携帯電話等のハウジング、表示窓、ボタン等の用途、さらには家具用外装材用途、壁面、天井、床等の建築用内装材用途、サイディング等の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の建築用外装材用途、窓枠、扉、手すり、敷居、鴨居等の家具類の表面化粧材用途、各種ディスプレイ、レンズ、ミラー、ゴーグル、窓ガラス等の光学部材用途、あるいは電車、航空機、船舶等の自動車以外の各種乗り物の内外装用途、瓶、化粧品容器、小物入れ等の各種包装容器及び材料、景品や小物等の雑貨等のその他各種用途等に好適に使用することができる。また、透明樹脂の上においてはその透明性を活かしたまま良好な耐摩耗性、耐候性及び耐薬品性を有する表面が形成でき、自動車や鉄道車両、飛行機等の窓やヘッドランプカバー、風防部品等に好適に使用することができる。また、成形品の表面を塗装する場合に比べて工程数を省略することができて生産性もよく、環境に対する影響も少ない。

Claims (12)

  1. 側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)及び光重合開始剤(a−2)を含有する光硬化性樹脂組成物において、熱可塑性樹脂(a−1)の数平均分子量(Mn)が、5,000〜2,500,000で、且つ、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が5以下であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  2. 側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)及び光重合開始剤(a−2)を含有する光硬化性樹脂組成物において、熱可塑性樹脂(a−1)が、下記構造式(1)で表わされる化合物(C)の存在下で、水酸基及び/又はカルボン酸基を側鎖に有する熱可塑性樹脂(a−3)と、同一分子内にエポキシ基とラジカル重合性不飽和基を有する化合物(a−4)を反応させて得られる熱可塑性樹脂であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
    (RP)X (1)
    (式中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン、カルボキシル基、シアノ基、アシノ基、アルコキシ基、アセトニル基を有してもよい炭素数1〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基又はフェニル基を表し、Xは、水酸基、ハロゲン又はその他の酸基を表す。)
  3. 側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)及び光重合開始剤(a−2)を含有する光硬化性樹脂組成物において、熱可塑性樹脂(a−1)が、下記構造式(1)で表わされる化合物(C)の存在下で、エポキシ基を側鎖に有する熱可塑性樹脂(a−5)と、同一分子内に水酸基及び/又はカルボン酸基とラジカル重合性不飽和基を有する化合物(a−6)を反応させて得られる熱可塑性樹脂であることを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
    (RP)X (1)
    (式中、R〜Rは、同一又は異なって、水素原子、水酸基、ハロゲン、カルボキシル基、シアノ基、アシノ基、アルコキシ基、アセトニル基を有してもよい炭素数1〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、ベンジル基、アリール基又はフェニル基を表し、Xは、水酸基、ハロゲン又はその他の酸基を表す。)
  4. 光硬化性樹脂組成物が、前記(a−1)以外の架橋性化合物を実質的に含まない請求項1〜3に記載のいずれかの光硬化性樹脂組成物。
  5. 光硬化性樹脂組成物が、無機微粒子(a−7)を含有する請求項1〜4に記載のいずれかの光硬化性樹脂組成物。
  6. 基材シート(B)上に請求項1〜5のいずれかに記載した光硬化性樹脂組成物の層(A)を有する光硬化性シート。
  7. 基材シート(B)が、架橋ゴム成分を有する熱可塑性アクリル樹脂シートである請求項6に記載の光硬化性シート。
  8. 請求項6〜7のいずれかに記載した光硬化性シートの基材シート(B)側に印刷層、蒸着層、接着層及びプライマーのいずれか一層以上が形成されていることを特徴とする光硬化性加飾シート。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載した光硬化性シート又は光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように挿入配置する工程、金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性シート又は光硬化性加飾シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程及び光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程を含むことを特徴とする成形品の製造方法。
  10. 請求項6〜8のいずれかに記載した光硬化性シート又は光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように挿入配置する工程、光硬化性シート又は光硬化性加飾シートを予備成形してシートを金型形状に追従させる工程、金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性シート又は光硬化性加飾シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程、及び光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程を含むことを特徴とする成形品の製造方法。
  11. 請求項6〜8のいずれかに記載した光硬化性シート又は光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように予備成形用金型に挿入配置する工程、光硬化性シート又は光硬化性加飾シートを予備成形してシートを金型形状に追従させる工程、予備成形した光硬化性シート又は光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように成形用金型に挿入配置する工程、成形用金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性シート又は光硬化性加飾シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程及び光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程を含むことを特徴とする成形品の製造方法。
  12. 請求項9〜11のいずれかに記載した製造方法により得られた成形品。
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