JP2004277725A - 光硬化性樹脂組成物、光硬化性シートおよびそれを用いた成形品の製造方法 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物、光硬化性シートおよびそれを用いた成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 意匠性の良好な成形品の製造に有利に用いることのできる、耐磨耗性、耐候性および耐薬品性に優れ、かつ、粘着性がなく、加工性および保存安定性に優れた光硬化性積層シートを提供する。
【解決手段】 側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)、紫外線吸収剤(a−3)および/またはヒンダードアミン系光安定剤(a−4)を含有する光硬化性樹脂組成物を用いる。また、基材シート(B)と、およびその上に積層された上記の光硬化性樹脂組成物の層を含む光硬化性シートを用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光硬化性樹脂組成物、光硬化性シートおよびそれを用いた成形品の製造方法に関する。本発明は、特に、優れた外観、意匠性、耐磨耗性、耐薬品性および耐候性を有し、表面粘着性のない光硬化性樹脂組成物、光硬化性シートおよびそのシートを用いた成形品の製造方法に関する。
プラスチック製品の成形と同時にその表面に装飾を施す方法として、(1)金型内表面に予め模様を付けておく方法、(2)金型内壁面に転写フィルムを装着し、成形と同時にフィルムの模様等を成形品の外面に転写する方法、(3)機能付シートまたは印刷シートを金型内壁面に貼り付けておき、成形と同時にそのシートを成形品表面に貼り付けする方法等が提案されている。(2)または(3)の方法については、例えば、特開昭60−250925号公報、特公昭59−36841号公報、特公平8−2550号公報に耐候性付与シートまたは印刷シートを金型内壁面に形成した後、成形用樹脂を射出成形することにより、シートで表面が被覆された成形品を製造する方法が提案されている。
しかしながら、上記の技術は、加飾や機能性の付与を熱可塑性シートや印刷の転写で行っているため、得られた成形品の表面硬度が不十分なものであった。例えば、成形品に耐候性を付与する場合には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などからなる高耐候性シートを用いればよいが、十分な表面硬度が得られないという問題がある。これに対して、表面硬度の高い成形品を得ようとする場合には、予め架橋した表面硬度の高いシートを用いなければならない。しかしながら、そのようなシートは、立体形状の成形品への適用が困難である。
これらの欠点を改良する手段として、従来、樹脂成形品の表面にハードコート処理を施す方法や、ハードコートシートを貼り合わせて用いる方法が研究されている。例えば、特開昭52−12647号公報や特開昭56−92059号公報等には、成形された樹脂成形品の表面に、アクリレート系やシリコーン系の架橋被膜形成性原料をディップコーティング法、スプレーコーティング法等により塗布し、紫外線、熱等のエネルギーにより硬化させるハードコート処理を施す方法が開示されている。しかし、これらの樹脂成形品の表面にハードコート処理を施す方法では、成形品の形状により塗布が困難であり、塗布時の粉塵等により外観不良が発生することや、生産性が低いこと等の問題があった。また、特公平4−21588号公報や特開平8−309790号公報に記載されている如く、片面にハードコート処理を施したポリカーボネートシートを金型内に装着し、他の樹脂を射出成形することにより積層一体化し、樹脂の表面硬度を改良する方法も知られている。しかし、かかる方法においては、ポリカーボネートシートにハードコート処理を施すため、アクリル樹脂等からなるプライマーもしくは接着層の形成を別工程で行うことが必要であり、工程が煩雑となるという問題があり、また成形時に予め架橋した表面硬度の高いシートを用いるため、立体形状を有する成形品には適用不可能であった。さらに、性能面では、耐薬品性が劣るという問題があった。
そこで、特公平7−323号公報に示されているように、アクリル樹脂、反応性ビニル基を有する化合物および光重合開始剤を含有する樹脂組成物により形成される光硬化性樹脂層とシート基材とが積層されてなる光硬化性シートが提案された。しかしながら、この方法では、光硬化させる前のシートは、低分子量の反応性ビニル基を有する化合物を含有するため、表面に粘着性が有り、あるいは表面の粘着性が時間と共に変化する等の現象が起こり、ロール状態での保存安定性が不良である。具体的には、粘着して巻き出せなかったり、低温で保存しないと両端より化合物がしみ出したりする等の問題があった。さらには、その粘着性のため、印刷シートとして使用する場合の印刷工程において不具合が生じていた。
かかる問題を解決するために、本発明者らは、先に特開2002−79621号公報、特開2002−80550号公報等に記載されているように特定組成を有する光硬化性樹脂組成物または光硬化性シートが、前記課題を解決するものであることを見出した。これらの光硬化性樹脂組成物または光硬化性シートは、光硬化前の優れた成形性と光硬化後の優れた表面性状(硬度、耐擦傷性、耐候性、密着性等)を併せ持っており、センターピラーやサイドモール、ドアモール、コンソールボックス等の自動車内/外装材用途に好適に使用される。しかしながら、例えばサンルーフやリアスポイラーの上面部のように直射日光に曝される度合いが極端に多い外装用途では、光硬化性樹脂組成物層が変色したり、クラックを生じたり、或いは基材シートより剥離するという問題を生じることがあった。
特開昭60−250925号公報 特公昭59−36841号公報 特公平8−2550号公報 特開昭52−12647号公報 特開昭56−92059号公報 特公平4−21588号公報 特開平8−309790号公報 特公平7−323号公報 特開2002−79621号公報 特開2002−80550号公報
すなわち、本発明の目的は、上記文献9、10において提案した光硬化性樹脂組成物および光硬化性シートの特性を改善し、意匠性の良好な成形品の製造に有利に用いることのできる、耐磨耗性、耐候性および耐薬品性に優れ、かつ、粘着性がなく、加工性および保存安定性に優れた光硬化性積層シートを提供することにある。
本発明は、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)、紫外線吸収剤(a−3)および/または光安定剤(a−4)を含有する光硬化性樹脂組成物を提供する。
本発明は、また、基材シート(B)と、およびその上に積層された上記の光硬化性樹脂組成物(A)の層を含む光硬化性シートを提供する。
本発明は、また、光硬化性シートの基材シート側に形成された印刷層および/または蒸着層を含む光硬化性加飾シートを提供する。
本発明は、また、光硬化性シートまたは光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように挿入配置する工程、光硬化性シートまたは光硬化性加飾シートを予備成形してシートを金型形状に追従させる工程、金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性シート、光硬化性加飾シートまたは光硬化性加飾シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程、および光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程を含む成形品の製造方法を提供する。
本発明は、また、上記の方法により得られる成形品を提供する。
本発明により、色もしくはデザインの印刷が可能な表面非粘着性の光硬化性の印刷シートが容易に得られ、それを用いて射出成形時に同時成形することにより、樹脂成形品の上に、色もしくはデザイン等の意匠をもち、良好な外観、耐磨耗性、耐候性および耐薬品性を有する表面が形成でき、インストルメントパネル、コンソールボックス、メーターカバー、ドアロックベゼル、ステアリングホイール、パワーウィンドウスイッチベース、センタークラスター、ダッシュボード等の自動車内装材用途、ウェザーストリップ、バンパー、バンパーガード、サイドマッドガード、ボディーパネル、スポイラー、フロントグリル、ストラットマウント、ホイールキャップ、センターピラー、ドアミラー、センターオーナメント、サイドモール、ドアモール、ウインドモール等、窓、ヘッドランプカバー、テールランプカバー、風防部品等の自動車外装材用途、AV機器や家電製品のフロントパネル、ボタン、エンブレム、表面化粧材等の用途、携帯電話等のハウジング、表示窓、ボタン等の用途、さらには家具用外装材用途、壁面、天井、床等の建築用内装材用途、サイディング等の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の建築用外装材用途、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具類の表面化粧材用途、各種ディスプレイ、レンズ、ミラー、ゴーグル、窓ガラス等の光学部材用途、あるいは電車、航空機、船舶等の自動車以外の各種乗物の内/外装材用途、瓶、化粧品容器、小物入れ等の各種包装容器および材料、景品や小物等の雑貨等や、その他各種用途に好適に使用することができる。また、明樹脂の上においてはその透明性を活かしたまま良好な耐磨耗性、耐候性および耐薬品性を有する表面が形成でき、自動車や鉄道車両、飛行機等の窓やヘッドランプカバー、風防部品等に好適に使用することができる。また、成形品の表面を塗装する場合に比べて工程数を省略することができて生産性もよく、環境に対する影響も少ない。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について順次説明する。
本発明の光硬化性樹脂組成物(A)は、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)、紫外線吸収剤(a−3)および/または光安定剤(a−4)を含有する光硬化性樹脂組成物である。さらに、光硬化性樹脂組成物(A)の層を基材シート(B)上に積層することにより、光硬化性シートを得ることができる。本発明の光硬化性樹脂組成物は、紫外線吸収剤(a−3)および/または光安定剤(a−4)を添加し、さらに側鎖にラジカル重合性不飽和基を有するポリマーを導入したことにより、ポリマー側鎖間で架橋反応が進行して著しく良好な耐磨耗性が得られるだけでなく、さらに表面粘着性が無く、保存安定性、耐候性に優れるシートが得られるという利点を有する。
側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)としては、例えば、ガラス転移温度が25〜175℃、好ましくは30〜150℃の、ポリマー中にラジカル重合性不飽和基を有するものが挙げられる。具体的には、ポリマーとして以下の化合物(1)〜(8)を重合または共重合させたものに対し、後述する方法(イ)〜(ニ)によりラジカル重合性不飽和基を導入したものを用いることができる。
(1) 水酸基を有する単量体:N−メチロールアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等
(2) カルボキシル基を有する単量体:(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノサクシネート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート等
(3) エポキシ基を有する単量体:グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等
(4) アジリジニル基を有する単量体:2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロピオン酸アリル等
(5) アミノ基を有する単量体:(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等
(6) スルホン基を有する単量体:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等
(7) イソシアネート基を有する単量体:2,4−トルエンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの等モル付加物のような、ジイソシアネートと活性水素を有するラジカル重合性単量体の付加物、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等
(8) さらに、上記の共重合体のガラス転移温度を調節したり、光硬化性シートの物性を調和させたりするために、上記の化合物をそれと共重合可能な単量体と共重合させることもできる。そのような共重合可能な単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、N−フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、N−ブチルマレイミド等のイミド誘導体、ブタジエン等のオレフィン系単量体、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物等を挙げることができる。
次に、上述のようにして得た重合体に、以下に述べる方法(イ)〜(ニ)によりラジカル重合性不飽和基を導入する。
(イ) 水酸基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する単量体等を縮合反応させる。
(ロ) カルボキシル基、スルホン基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、前述の水酸基を有する単量体を縮合反応させる。
(ハ) エポキシ基、イソシアネート基またはアジリジニル基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、前述の水酸基を有する単量体またはカルボキシル基を有する単量体を付加反応させる。
(ニ) 水酸基またはカルボキシル基を有する単量体の重合体または共重合体の場合には、エポキシ基を有する単量体またはアジリジニル基を有する単量体、あるいはイソシアネート基を有する単量体、またはジイソシアネート化合物と水酸基含有アクリル酸エステル単量体との等モル付加物を付加反応させる。
上記の反応は、微量のハイドロキノン等の重合禁止剤を加え、乾燥空気を送りながら行うことが好ましい。
熱可塑性樹脂(a−1)の側鎖のラジカル重合性不飽和基の量は、二重結合当量(側鎖ラジカル重合性不飽和基1個あたりの平均分子量)が、仕込み値からの計算値で平均3000g/mol以下であることが、耐擦傷性、耐磨耗性向上の観点から好ましい。さらに好ましい範囲は平均1200g/mol以下であり、最も好ましい範囲は平均800g/mol以下である。
このように、架橋に関与するラジカル重合性不飽和基を熱可塑性樹脂中に複数導入することにより、効率的に硬化物性を向上することが可能となる。
熱可塑性樹脂(a−1)の数平均分子量は、5,000〜2,500,000の範囲が好ましく、10,000〜1,000,000の範囲がさらに好ましい。熱可塑性樹脂(a−1)を含む光硬化性樹脂組成物(A)を用いて形成した光硬化性シートをインサート成形もしくはインモールド成形する際に、金型離型性が良好になる点や光硬化後の成形品表面硬度の観点から、数平均分子量は5,000以上であることが好ましい。一方、合成の容易さや外観品質の観点、また基材シート(B)との密着性発現の観点から、数平均分子量が2,500,000以下であることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂(a−1)はガラス転移温度が25〜175℃に調節されていることが好ましく、30〜150℃に調節されていることがさらに好ましい。インサート成形やインモールド成形時の光硬化性シートの金型剥離性や光硬化後の成形品表面硬度の観点から、ガラス転移温度が25℃以上であることが好ましい。一方、光硬化性シートの取り扱い性の観点からガラス転移温度は175℃以下であることが好ましい。
また、得られる熱可塑性樹脂共重合体のガラス転移温度を考慮すると、ホモポリマーとして高いガラス転移温度を有するものとなるビニル重合性単量体を使用することが好ましい。
さらに、熱可塑性樹脂共重合体の耐候性向上の観点からは、ビニル重合性単量体として(メタ)アクリレート類を主成分として用いることが好ましい。
また、後述するように、本発明の光硬化性樹脂組成物(A)中に無機微粒子(a−5)を添加する場合、無機微粒子(a−5)の表面の官能基(ヒドロキシル基、カルボキシル基、シラノール基等)と反応しうる基、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン化シリル基およびアルコキシシリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基を分子内に有するビニル重合性単量体は、得られる光硬化性樹脂組成物の剛性、靱性、耐熱性等の物性をより向上させるように働くので、かかる官能基がラジカル重合可能なビニル重合性単量体成分の一部として含有されていてもよい。
このような反応性の基を分子内に含有するビニル重合性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明に用いる光重合開始剤(a−2)としては、光照射によってラジカルを発生させる光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、公知の化合物を用いることができ、特に限定はないけれども、硬化時の黄変性や耐候時の劣化を考慮すると、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系のような分子内にアミノ基を含まない開始剤が好ましい。例えば、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が好ましい。これらのうちには成形方法によっては一時的にその化合物の沸点以上の温度になることがあるので、注意が必要である。成形品の表面硬度を上げるため、n−メチルジエタノールアミンなどの酸素による重合硬化阻害を抑制する添加剤を添加してもよい。また、これらの光重合開始剤の外に、成形時の熱を利用しての硬化も考慮して、各種過酸化物を添加してもよい。光硬化性シートに過酸化物を含有させる場合には、150℃、30秒程度で硬化させる必要があるので、臨界温度の低い過酸化物、例えば、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が好ましく用いられる。
光重合開始剤(a−2)の含有量は、硬化後の残存量が耐候性に影響するため、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)100質量部に対して5質量部以下が好ましく、特に硬化時の黄変に関連するアミノ系の光ラジカル重合開始剤は1質量部以下が好ましい。
本発明においては、光硬化性樹脂組成物(A)中に紫外線吸収剤(a−3)を添加することできる。紫外線吸収剤は、有害な紫外線を吸収し熱エネルギーに変換することにより、光硬化性樹脂組成物(A)層や基材シート、さらには後述する印刷層、接着層、成形樹脂中の発色団の光励起や光化学反応を抑制し、その光劣化(変色、褪色、物性低下)を防ぐことができる。
紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤や無機系紫外線吸収剤のいずれも使用することができるが、透明性の観点から有機系紫外線吸収剤を用いる方が好ましい。
有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、3−ヒドロキシフェニルベンゾエート、フェニレン−1,3−ベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−(4−((2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ)−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと2−(4−((2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ)−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと1−メトキシ−2−プロパノールの混合物、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−iso−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン等の有機化合物を使用することができる。
これらの化合物およびこれらの化合物を含有した組成物の市販品としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名:チヌビンP、328、384、400、900、1130等を挙げることができる。
有機系紫外線吸収剤の中では、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やトリアジン系紫外線吸収剤が、少量の添加量で良好な耐候性を発現することが可能なので好ましい。
また、無機系紫外線吸収剤としては、粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機化合物を使用することができる。
但し、紫外線吸収剤(a−3)の種類によっては、その吸収波長領域が光開始剤(a−2)の吸収波長領域と重なることがある。その場合は、光硬化性樹脂組成物(A)層の硬化不良を引き起こし、耐候性や耐磨耗性等が低下することがあるので、注意を要する。
本発明においては、光硬化性樹脂組成物(A)中に光安定剤を添加することができる。本発明に用いる光安定剤(a−4)としては、ヒンダードアミン系光安定剤を用いることができる。ヒンダードアミン系光安定剤は、光や熱により光硬化性樹脂組成物(A)が酸化されて生じる種々のラジカルを捕捉したり、過酸化物を分解したりすることにより、光硬化性樹脂組成物(A)の劣化を防止する効果がある。
ヒンダードアミン系光安定剤(a−4)は、窒素原子の隣接する2つの炭素原子に複数の立体障害作用を示す置換基を持ったピペリジン環を有する化合物である。このような立体障害作用を示す置換基としては、例えば、メチル基等を挙げることができる。このような置換基を有する化合物の好ましい例としては、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル基を有する化合物、および1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基を有する化合物等を挙げることができる。具体的には、下記の化合物を挙げることができる。すなわち、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン/1,3,5−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン/N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1, 3, 5−トリアジン−2, 4−ジイル〕〔(2, 2, 6, 6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2, 2, 6, 6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕〕、コハク酸ジメチル/4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノ−ルの重合物、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシド/オクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)〔〔3, 5−ビス(1, 1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕ブチルマロネ−ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートとの混合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、N,N’’’−1,2−エタンジイルビス〔N−〔3- 〔〔4, 6−ビス〔ブチル(1, 2, 2, 6, 6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−1,3,5−トリアジン−2−イル〕アミノ〕プロピル〕−N’,N’’−ジブチル−N’,N’’−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン〕、1−(メチル)−8−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1−〔2−〔3−(3, 5−ジ−t −ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3, 5−ジ−t −ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−べンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4, 5〕デカン−2,4−ジオンである。これらの化合物およびこれらの化合物を含有する組成物の市販品としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名:チマソーブ119FL、2020FDL、944FD、944LD、チヌビン622LD、123S、144、765、770、770DF、770FL、111FD、123、292、三共(株)製の商品名:サノールLS−770、LS−765、LS−292、LS−2626、LS−744、LS−440、旭電化工業(株)製の商品名:アデカスタブLA−57、LA−62、LA−63、LA−68等を挙げることができる。
上記したヒンダードアミン系光安定剤(a−4)は、単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。但し、光硬化性樹脂組成物(A)中に後述する無機微粒子(a−5)が含まれる場合、ピペリジン環中の窒素原子上の置換基が水素原子であるヒンダードアミン系光安定剤を用いると、無機微粒子(a−5)の凝集を誘発し、光硬化性樹脂組成物(A)の保存安定性が低下したり、得られる光硬化性樹脂組成物(A)層の透明性や耐磨耗性が低下したりすることがあるので、好ましくない。無機微粒子(a−5)と併用する場合は、窒素原子上の置換基がメチル基等のアルキル基やオクチルオキシ基等のアルコキシ基であるヒンダードアミン系光安定剤を用いることが好ましい。
本発明において、これらの紫外線吸収剤(a−3)や光安定剤(a−4)は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種類以上の組み合わせて用いられてもよい。
光硬化性樹脂組成物(A)中の紫外線吸収剤(a−3)の含有量は、(a−1)100質量部に対して、0.1〜15質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがさらに好ましく、0.2〜5質量部であることが最も好ましい。紫外線吸収剤(a−3)の含有量が15質量部を超える場合には、更に耐候性は向上せず、経済性を落とすだけでなく、光硬化性樹脂組成物の硬化阻害を生じ、硬化膜としたときに、表面硬度および耐候性が低下することがある。さらに、紫外線吸収剤のブリードにより、シート外観や未硬化シートの保存安定性および耐金型汚染性等の低下を引き起こすことがあり、好ましくない。
光安定剤(a−4)の含有量は(a−1)100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、0.1 〜10質量部が特に好ましく、0.2〜5質量部が最も好ましい。15質量部よりも多い場合にも、耐候性は更に向上せず、経済性を落とすだけでなく、光安定剤のブリードによりロール汚れやシート外観の低下等を引き起こし易くなり、該光硬化性シートを貼り合わせた樹脂成形品の表面硬度も低下する傾向にあるので好ましくない。
光硬化性樹脂組成物(A)には、さらに耐擦傷性や耐磨耗性を向上させる目的で、無機微粒子(a−5)を添加することができる。本発明に用いられる無機微粒子(a−5)においては、得られる光硬化性樹脂組成物が透明となれば、その種類や粒子径、形態は特に制限されない。無機微粒子の例としては、コロイダルシリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、異種元素ドープ酸化スズ(ATO等)、酸化インジウム、異種元素ドープ酸化インジウム(ITO等)、酸化カドミウム、酸化アンチモン等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種類以上組み合わせて用いられてもよい。なかでも、入手の容易さや価格面、得られる光硬化性樹脂組成物層の透明性や耐磨耗性発現の観点から、コロイダルシリカが特に好ましい。
コロイダルシリカは、通常の水性分散液の形態や、有機溶媒に分散させた形態で用いることができるが、(a−1)成分である熱可塑性樹脂や(a−3)成分である紫外線吸収剤および(a−4)成分である光安定剤とともに均一かつ安定に分散させるためには、有機溶媒に分散させたコロイダルシリカを用いることが好ましい。
そのような有機溶媒としては、メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール、キシレン/ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等を例示することができる。熱可塑性樹脂や紫外線吸収剤および光安定剤とともに均一に分散させるためには、熱可塑性樹脂や紫外線吸収剤および光安定剤を溶解可能な有機溶媒を選択することが好ましい。
有機溶媒に分散させた形態のコロイダルシリカとしては、分散媒に分散されている市販品、例えば、メタノールシリカゾルMA−ST、イソプロピルアルコールシリカゾルIPA−ST、n−ブタノールシリカゾルNBA−ST、エチレングリコールシリカゾルEG−ST、キシレン/ブタノールシリカゾルXBA−ST、エチルセロソルブシリカゾルETC−ST、ブチルセロソルブシリカゾルBTC−ST、ジメチルホルムアミドシリカゾルDBF−ST、ジメチルアセトアミドシリカゾルDMAC−ST、メチルエチルケトンシリカゾルMEK−ST、メチルイソブチルケトンシリカゾルMIBK−ST(以上商品名、日産化学工業(株)製)を用いることができる。
無機微粒子(a−5)の粒子径は、得られる光硬化性樹脂組成物層の透明性の観点から、通常は200nm以下であるのが好ましい。より好ましくは100nm以下であり、さらに好ましくは50nm以下である。
無機微粒子(a−5)の含有量は、(a−1)100質量部に対して、5〜400質量部の範囲が好ましく、10〜200質量部の範囲が特に好ましい。無機微粒子(a−5)の含有量が5質量部未満の場合には、耐磨耗性向上効果が認められないことがあり、また含有量が400質量部を超える場合には、光硬化性樹脂組成物(A)の保存安定性が低下するばかりか、得られる光硬化性シートの成形性が低下することがある。
また、本発明で用いられる無機微粒子(a−5)としては、下記構造式(1)で表されるシラン化合物によって、予め表面が処理されたものを用いてもよい。表面処理された無機微粒子の使用は、光硬化性樹脂組成物(A)の保存安定性がさらに良好となり、また得られる光硬化性シートの表面硬度および耐候性も良好となるので好ましい。
SiR4 a 5 b (OR6c (1)
(上式中、R4 およびR5 は、それぞれ、エーテル結合、エステル結合、エポキシ結合または炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R6 は水素原子またはエーテル結合、エステル結合、エポキシ結合もしくは炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、aおよびbは、それぞれ、0または1〜3の整数であり、cは4−a−bを満足する1〜4の整数である)
前記構造式(1)で表されるシラン化合物のなかでも、下記構造式(2)〜(7)表されるシラン化合物を好ましいものとして挙げることができる。
SiR7 a8 b (OR9c (2)
SiR7 n (OCH2 CH2 OCO(R10)C=CH24-n (3)
CH2 =C(R10)COO(CH2 p SiR11 n (OR9 3-n (4)
CH2 =CHSiR11 n (OR93-n (5)
HS(CH2p SiR11 n (OR93-n (6)

Figure 2004277725
(上式中、R7 およびR8 は、それぞれ、エーテル結合、エステル結合またはエポキシ結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R9 は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R10は水素原子またはメチル基を表し、R11は炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基を表し、aおよびbは、それぞれ、0または1〜3の整数であり、cは4−a−bを満足する1〜4の整数であり、nは0、1または2であり、pは1〜6の整数である)
前記構造式(2)で表されるシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メトキシエチルトリエトキシシラン、アセトキシエチルトリエトキシシラン、ジエトキシエチルジメトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記構造式(3)で表されるシラン化合物としては、例えば、テトラキス(アクリロイルオキシエトキシ)シラン、テトラキス(メタクリロイルオキシエトキシ)シラン、メチルトリス(アクリロイルオキシエトキシ)シラン、メチルトリス(メタクリロイルオキシエトキシ)シラン等が挙げられる。
前記構造式(4)で表されるシラン化合物としては、例えば、β−アクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記構造式(5)で表されるシラン化合物としては、例えば、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記構造式(6)で表されるシラン化合物としては、例えば、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記構造式(7)で表されるシラン化合物としては、例えばp−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
かかるシラン化合物は、無機微粒子(a−5)の固形分1モル部に対して0〜3モル部の割合で使用することが好ましい。シラン化合物の使用量が3モル部を超える場合には、得られる光硬化性シートの耐磨耗性が低下することがある。
シラン化合物で表面処理された無機微粒子は、少量の水の存在下にシラン化合物と無機微粒子を加熱攪拌することにより、得ることができる。
無機微粒子(a−5)を、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)と紫外線吸収剤(a−3)および光安定剤(a−4)に添加する方法としては、予め熱可塑性樹脂(a−1)を合成後、紫外線吸収剤と光安定剤および無機微粒子を混合してもよいし、または熱可塑性樹脂(a−1)を構成するビニル重合性単量体と無機微粒子を混合した条件下に熱可塑性樹脂を重合した後に紫外線吸収剤と光安定剤を混合する等の任意の方法を選択することができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物においては、熱可塑性樹脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)、紫外線吸収剤(a−3)、光安定剤(a−4)および無機微粒子(a−5)以外に、必要に応じて、増感剤、変性用樹脂、染料、顔料およびレベリング剤やハジキ防止剤、酸化安定剤等の添加剤を配合することができる。
上記の増感剤は、光硬化反応を促進するものであり、その例としてはベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントン等が挙げられる。
光硬化性樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂(a−1)以外の架橋性化合物を実質的に含有しないことが好ましい。特に、40℃において液体状の架橋性モノマー、オリゴマーや、分子量2,000以下の低分子量の架橋性モノマー、オリゴマーは実質的に含有しないことが好ましい。特に、40℃において液体状の架橋性モノマー、オリゴマーや、分子量2,000以下の低分子量の架橋性モノマー、オリゴマーを含有すると、長期間の保管や加熱成形時において表面粘着性を有するようになり、印刷工程において不具合を生じたり、インサート成形やインモールド成形時において金型を汚染したりする等の問題を生じることがある。より好ましくは、50℃において液体状の架橋性モノマー、オリゴマーを実質的に含有するべきではなく、さらに好ましくは60℃において液体状の架橋性モノマー、オリゴマーを実質的に含有しないことが好ましい。
本発明においては、上記のような光硬化性樹脂組成物(A)を用いているため、光硬化性樹脂組成物(A)を基材シート(B)上に積層して光硬化性シートを形成した場合にも、光硬化性シートの表面は粘着性がなく、また表面の粘着性が時間と共に変化する等の現象も起こらず、ロール状態での保存安定性が良好となる。
本発明の光硬化性樹脂組成物(A)層の厚みは、1〜50μmの範囲が好ましく、2〜30μmの範囲がさらに好ましい。光硬化性樹脂組成物(A)層の厚みが1μm未満の場合には、光硬化性樹脂組成物(A)を硬化させても耐擦傷性や耐磨耗性、耐薬品性等の特性が低下する場合がある。また光硬化性樹脂組成物(A)層の厚みが50μmを超える場合には、硬化不良が起きる為に耐温水性や耐候性が低下する場合がある。
本発明に用いる基材シート(B)としては、その使用方法によって好適なものが選ばれるが、例えば、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)系樹脂、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合体)系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、セロファン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂、軟質アクリル系樹脂等の材質からなるシートが挙げられる。また、これらの各シートの複合体、積層体などを使用することもできる。なかでも、100℃加熱時における伸度が100%以上である熱可塑性樹脂シートが、インサート成形やインモールド成形時に金型形状への追従性が良好となるので好ましい。光硬化性樹脂組成物(A)との密着性や耐候性、透明性等を考慮すると、さらに好ましくは架橋ゴム成分を有する熱可塑性アクリル樹脂シートである。架橋ゴム成分を有する透明熱可塑性アクリル樹脂シートとしては、特開平8−323934号公報、特開平9−263614号公報、特開平11−147237号公報、特開2001−10674号公報等に開示されているよう透明熱可塑性アクリルシートがある。市販されている透明熱可塑性アクリルシートとしては、アクリプレンHBX−N47、HBS−006、HBD−013(以上、三菱レイヨン(株)製)、テクノロイS001、S003、SN101(以上、住友化学工業(株)製)、サンデュレンSD007、SD009(以上、鐘淵化学工業(株)製)が挙げられる。
基材シート(B)の厚みが500μmを超える場合には剛性が大きくなり、インサート成形やインモールド成形用シートとしては好ましくないため、通常、基材シートの厚みは500μm以下であるのが好ましい。
また、本発明の光硬化性シートにより加飾された成形品が、外装用途の中でも、サンルーフやリアスポイラーの上面部のように直射日光に曝される度合いが極端に多く、非常に高い耐候性が要求される用途では、光硬化性シートの基材シート(B)に紫外線吸収剤(a−6)を添加することが好ましい。
なかでも、光硬化性シートの光硬化性樹脂組成物(A)層中にはヒンダードアミン系光安定剤(a−4)のみを添加し、基材シート(B)に紫外線吸収剤(a−6)を添加することにより、光硬化性樹脂組成物(A)層中の紫外線吸収剤(a−3)による光硬化性樹脂組成物(A)の硬化阻害を起こすことなく光硬化性シート中の紫外線吸収剤量を増大させることができるために、優れた耐候性を発現することが可能となり好ましい。
基材シート(B)中の紫外線吸収剤(a−6)の含有量は、基材シート中0.05〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がさらに好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。0.05質量%より少ないと十分な耐候性を付与することができず、10質量%よりも多く含有させても耐候性はさらに改善されることはなく、経済性を落とし、紫外線吸収剤のブリードによりロール汚れやシート外観の低下等が引き起こり易くなり、該シートを貼り合わせた樹脂成形品の表面硬度も低下する傾向にあるので好ましくない。
基材シート(B)中の紫外線吸収剤(a−6)の含有量として最も好ましい範囲は、上記範囲のうち、下記式を満足する範囲である。
(紫外線吸収剤含有量/シート質量)×(シート厚み:単位μm)≧0.4
紫外線吸収剤(a−6)としては、前記で例示した紫外線吸収剤(a−3)の化合物を単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。また、紫外線吸収剤(a−3)と(a−6)は、同一組成であっても、相異なる組成でもよい。また、耐候性をさらに向上させる目的で、基材シート(B)中にヒンダードアミン系光安定剤を紫外線吸収剤(a−6)と併用して用いてもよい。
また、基材シート(B)中には、必要に応じて、適宜、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の滑剤、シリカ、球状アルミナ、鱗片状アルミナ等の減摩剤、可塑剤、安定剤、着色剤等の各種添加剤を添加してもよい。
本発明の光硬化性シートは、基材シート(B)上に光硬化性樹脂組成物(A)層が積層された構造で、インサート成形やインモールド成形時の加工性に優れるだけでなく、各種物性(特に、耐候性−耐磨耗性(表面硬度)−密着性のバランス)に優れた成形品を与えることが可能な光硬化性シートである。光硬化性樹脂組成物(A)層と基材シート(B)の間には、本発明の光硬化性シートの優れた性状を損なわない限りにおいては、さらに1層以上の光硬化性樹脂組成物層を積層することも可能である。この場合、新たに導入する1層以上の光硬化性樹脂組成物として光硬化性樹脂組成物(A)と同等もしくは類似の組成物を用いると、光硬化後の光硬化性シートの表面性状(特に、密着性、耐候性、外観、意匠性)が良好となる傾向にあり、好ましい。
本発明の光硬化性シートの製造方法としては、例えば、光硬化性樹脂組成物(A)を有機溶媒等の溶剤(S)に十分に攪拌溶解させ、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等の公知の印刷方法や、ブレードコート法、ロッドコート法、ロールドクターコート法、ナイフコート法、コンマコート法、リバースロールコート法、トランスファーロールコート法、キスロールコート法、カーテンコート法、ディップコート法等の公知のコート方法により基材シート(B)上に塗工し、溶剤(S)除去のための加熱乾燥を行い、積層シートとする方法がある。
溶剤(S)除去のための加熱乾燥の際に使用する乾燥機としては、溶剤(S)として可燃性有機溶剤を使用する場合には、安全性の点から蒸気による空気加熱式の熱源を備えたものを用い、乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方式およびノズルより光硬化性シートに吹き付ける方式等を用いることができる。乾燥機の形状としては、アーチ式、フラット式等、目的に合わせて公知のものを選択して用いることができる。
光硬化性樹脂組成物(A)を攪拌溶解させる溶剤(S)としては、光硬化性樹脂組成物(A)の各成分を溶解または均一に分散させ、かつ、基材シート(B)の物性(機械的強度、透明性等)に実用上甚大な悪影響を及ぼさない揮発性の溶剤であれば、特に制限されない。そのような溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶剤、キシレン、トルエン、ベンゼン等の芳香族系溶剤、ヘキサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶剤、フェノール、クレゾール等のフェノール系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、ジエチルエーテル、メトキシトルエン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン,1,4−ジオキサン、THF等のエーテル系溶剤、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸系溶剤、無水酢酸等の酸無水物系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸ブチル等のエステル系溶剤、エチルアミン、トルイジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の窒素含有溶剤、チオフェン、ジメチルスホキシド等の硫黄含有溶剤、ジアセトンアルコール、2−メトキシエタノール(メチルセロソルブ)、2−エトキシエタノール(エチルセロソルブ)、2−ブトキシエタノール(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコール、2−アミノエタノール、アセトシアノヒドリン、ジエタノールアミン、モルホリン等の2種以上の官能基を有する溶剤、あるいは水等の各種公知の溶剤を使用することができる。
また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなる基材シート上に上記樹脂液をコーティングする際には、基材シートと光硬化性樹脂組成物との密着性を上げるため、(1)予め、基材シート上に低分子量ポリオレフィン等からなるプライマーを塗布しておくか、または(2)予め、コロナ放電などで基材シート表面を活性化しておく(このコロナ放電を行う工程としては、活性化された直後が密着性が高いのでコーティングの少し前であるのが好ましい)のが好ましい。さらに、光硬化性樹脂組成物が光硬化時に体積収縮し、基材シートとの密着性が低下するのを防ぐ目的で、プライマー層を積層することが好ましい。
上記の方法により得られる本発明の光硬化性シートは、基材シート側に印刷層を設けることにより、光硬化性加飾シートとすることもできる。
印刷層は、成形品表面に模様や文字等の加飾を施すものである。加飾は、任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字、全面ベタ等からなる絵柄が挙げられる。印刷層の材料としては、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体等のポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキッド樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂等の樹脂をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用いるとよい。
印刷層に用いられるインキの顔料としては、例えば、次のものが使用可能である。すなわち、通常、顔料としては、黄色顔料としてポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン等の有機顔料や黄鉛等の無機顔料、赤色顔料としてポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドン等の有機顔料や弁柄等の無機顔料、青色顔料としてフタロシアニンブルー等の有機顔料やコバルトブルー等の無機顔料、黒色顔料としてアニリンブラック等の有機顔料、白色顔料としては二酸化チタン等の無機顔料を用いることができる。
印刷層に用いられるインキの染料としては、本発明の効果を損なわない範囲で、各種公知の染料を使用することができる。
また、インキの印刷方法としては、オフセット印刷法、グラビア輪転印刷法、スクリーン印刷法等の公知の印刷法やロールコート法、スプレーコート法等の公知のコート法を用いるのがよい。この際、本発明におけるように、他の架橋性化合物を全く用いることなく、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有するポリマーのみを用いた場合には、表面に粘着性が無く、印刷時のトラブルが少なく、歩留まりが良好である。
また、成形品表面に加飾を施すための層として、印刷層の代わりに蒸着層を設けてもよいし、印刷層と蒸着層の両方を設けてもよい。
蒸着層は、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、インジウム、スズ、銀、チタニウム、鉛、亜鉛等の群から選ばれる少なくとも1種の金属、またはそれらの合金もしくは化合物を使用して、真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法等の方法により形成することができる。
これらの加飾のための印刷層や蒸着層は、所望の成形品表面外観が得られるように、インサート成形やインモールド成形時のシートの伸張度合いに応じて、適宜その厚みを選択すればよい。
また、本発明の光硬化性シートは、基材シート側に印刷層および/または蒸着層、接着層および必要に応じてプライマーシートが形成された光硬化性加飾シートとすることができる。その場合、光硬化性加飾シートの好ましい厚み範囲は、30〜750μmである。シート厚みが30μm未満の場合には、深しぼり成形を行った際に、曲面でのシート厚みが著しく低下し、結果として耐擦傷性や耐薬品性等のシート物性が低下することがある。また、シート厚みが750μmを超える場合には、金型への形状追従性が低下することがある。
上記接着層には、印刷層または蒸着層と成形樹脂、印刷層または蒸着層とプライマーシートとの密着性を高める性質のものであれば、任意の合成樹脂状材料を選択して用いることができる。例えば、成形樹脂がポリアクリル系樹脂の場合には、ポリアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形樹脂がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等を使用すればよい。さらに、成形樹脂がポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂である場合には、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂、ブロックイソシアネートを用いた熱硬化型ウレタン樹脂等が使用可能である。なお、接着層の粘着性低減や耐熱性向上の目的で、疎水性シリカやエポキシ樹脂、石油樹脂等をさらに含有させることもできる。
上記プライマーシートは、必要に応じて形成されるものであり、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂等の公知の樹脂が使用可能である。なお、成形樹脂との密着性を高める目的から、成形樹脂と相溶性の材料からなるのがよい。現実的には、プライマーシートは、成形樹脂と同じか、または類似のポリマー材料からなるのが好ましい。また、プライマーシートの存在は、射出成形品の表面欠陥が光硬化性樹脂組成物上に伝搬されるのを最少にするといった利点を与え、またプライマーシート上に印刷層や接着層が存在する場合には、射出成形時の溶融樹脂により各層の厚みや模様が乱れることを防ぐといった利点を与える。その場合、プライマーシートは、光硬化性樹脂組成物の完全に円滑な上面を呈しながら、成形樹脂の表面欠陥を吸収するほどの厚みを有するのがよく、その厚みは50〜700μmの範囲であることが好ましい。プライマーシートの厚みが50μm未満の場合には、成形樹脂表面の表面欠陥を十分に吸収することが困難になる場合がある。一方、プライマーシートの厚みが700μmを超える場合には、金型への形状追随性が低下することがある。
また、本発明の光硬化性シートは、基材シート(B)上の光硬化性樹脂組成物(A)層の上に、さらにカバーフィルムを設けることもできる。このカバーフィルムは、光硬化性シート表面の防塵に有効であり、また活性エネルギー線照射前の光硬化性樹脂組成物(A)層表面の傷つき防止にも有効である。
上記カバーフィルムは、後述するようにインサート成形やインモールド成形する前まで光硬化性樹脂組成物(A)層に密着しており、インサート成形やインモールド成形する際には直ちに剥離されるので、光硬化性樹脂組成物(A)層に対して適度な密着性と良好な離型性を有していることが必要である。このような条件を満たしたフィルムで有れば、任意のフィルムを選択して用いることができる。そのようなフィルムとしては、例えば、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリエステル系フィルム等が挙げられる。
ところで、自動車のボディーパネルやスポイラー等のような成形品のサイズが大きく、かつ、成形品の肉厚が薄い場合には、成形樹脂から発生するガスが成形樹脂内に残留したり、金型内の空気が成形樹脂とシートの間に介在しやすくなったりして、成形樹脂に対するシートの密着性が低下するという問題が生じることがある。そのような場合、成形樹脂に接するシート面に、ガス透過性を有する層を設けることで、問題を解決することができる。そのようなガス透過性を有する層として、スパンデックス、アクリル繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミド系繊維等で構成された織布または不織布を挙げることができる。また、織布/不織布の代わりに、発泡層からなるものを用いてもよい。発泡層の形成方法としては、公知の発泡剤を含む樹脂溶液を塗布した後に加熱等により発泡させて連続空孔を形成させる方法等が挙げられる。
次に、上記の光硬化性シートおよび光硬化性加飾シートを用いた成形品の製造方法の一例について説明する。
光硬化性シートまたは光硬化性加飾シートにカバーフィルムが設けられている場合は、カバーフィルムをシートよりまず剥離除去する。なお、カバーフィルムは、金型内にシートを挿入配置する直前に剥離してもよいし、シートを金型内に挿入配置する遥か以前に剥離しておいてもよい。ただし、光照射前の光硬化性樹脂組成物(A)層の防塵や傷つき防止を考慮すると、前者のほうが好ましい。
光硬化性シートまたは光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物(A)側が金型の内壁面に向かい合うように挿入配置する(すなわち、光硬化性樹脂組成物(A)層の反対側が成形樹脂と接する状態)。この際、長尺のシートのまま(ロールから巻き出しながら)必要部分を間欠的に送り込んでもよいし、シートを枚葉化して1枚ずつ送り込んでもよい。特に加飾のための印刷層や蒸着層を有する長尺のシートを使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、加飾のための層と金型との見当が一致するようにするとよい。またシートを間欠的に送り込む際に、シートの位置をセンサーで検出した後にシートを固定するようにすれば、常に同じ位置でシートを固定することができ、加飾のための層の位置ずれが生じないので便利である。
次いで、必要に応じて、光硬化性シートまたは光硬化性加飾シートを予備成形する。例えば、ホットパック等の加熱手段によりシートをその軟化点以上に軟化させ、金型に設けられた吸引孔を通じて真空吸引することにより金型形状にシートを追従させることで予備成形することができる。なお、シートを金型内に挿入配置する前に、シートを予めシートの熱変形温度未満の温度に予熱しておくと、シートを金型内に挿入配置後に行う加熱時間を短縮することができ、生産性を向上することが可能となる。もちろん、シートを予備成形せずに、後述する成形樹脂の射出圧により、シートの成形および成形樹脂との一体化を同時に行うことも可能である。この際、シートを予め予備加熱して軟化させておくことも可能である。
また射出成形用金型とは別の予備成形用金型を用いて、真空成形法、圧空成形法、熱せられたゴムを押し付ける押圧成形法、プレス成形法等の公知の成形法により、シートを予め所望の形状に予備成形した後に、予備成形したシートを光硬化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように成形用金型に挿入配置してもよい。
その後、金型を閉じて、キャビティー内に溶融状態の成形樹脂を射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性シートまたは光硬化性加飾シートが表面に配置された成形品を形成する。
本発明で使用する成形樹脂としては、種類は問わず、射出成形可能な全ての樹脂が使用可能である。そのような成形樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合体)系樹脂、AS(アクリロニトリル/スチレン系共重合体)系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等の汎用の熱可塑性または熱硬化性樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等の汎用エンジニアリング樹脂やポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂等のスーパーエンジニアリング樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラー(タルク、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ等)等の補強材、ゴム成分等の改質剤を添加した複合樹脂や各種変性樹脂を使用することができる。なお、成形樹脂の成形後の収縮率を前記シートの収縮率に近似させることで、インサート成形やインモールド成形により得られた成形品の反りやシートの剥がれ等の不具合を解消できるので好ましい。
最後に、金型内より成形品を取り出した後、光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる。
照射する光としては、電子線、紫外線、γ線等を挙げることができる。照射条件は、光硬化性樹脂組成物(A)層の光硬化特性に応じて定められるが、照射量は、通常500〜10,000mJ/cm2 程度である。これによって、光硬化性樹脂組成物が硬化して硬質の被膜が表面に形成された成形品を得ることができる。
成形品に接着した光硬化性シートまたは光硬化性加飾シートのうち、不要な部分は必要に応じて適宜トリミングして除去する。このトリミングは、シートを金型内に挿入配置した後や、成形品に光照射する前、或いは光照射した後に行うことができる。トリミングの方法としては、レーザー光線等を照射してシートを焼き切る方法、トリミング用の打ち抜き型を作製しプレス加工によってシートを打ち抜く方法、人手によりシートをちぎるようにして除去する方法等、公知の方法により行うことができる。
なお、上記では、成形品の製造方法として、射出成形を用いた製造方法について説明したが、射出成形の代わりにブロー成形を用いることも可能である。
このようにして得られた成形品は、成形と同時に色もしくはデザインが付与され、さらには短時間の光照射によって、耐磨耗性、耐薬品性および耐候性等が向上する。さらに、従来の成形後のスプレー塗装等と比較して、工程の短縮、歩留まりの向上、環境への影響低減がはかれる。
また、本発明の光硬化性シートは、直接あるいは接着剤層を介して被着体にラミネートすることにより、被着体表面に積層して使用することもできる。被着体としては、各種素材からなる平板、曲面板、シート、フィルムあるいは各種立体形状物品(成形品)がある。例えば、射出成形品等の曲面を有する成形品に対しても、本発明の光硬化性シートを使用することができる。また、本発明の光硬化性シートをラミネートした被着体をさらに真空成形等の二次加工に付すことも可能である。
被着体として用いられる素材としては、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MD)等の木材板、木質繊維板等の木質板、鉄、アルミニウム等の金属、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレンビニルアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ゴム等の樹脂等が挙げられる。これらの各被着体への本発明の光硬化性シートの積層方法としては、例えば、次の1〜4の方法を挙げることができる。1.接着剤層を間に介して、または介さずに、板状またはフィルム状基材に加圧ローラーで加圧して積層する方法。2.特公昭56−45768号公報、特公昭60−58014号公報等に記載されているように、光硬化性シートを成形品の表面に接着剤層を介して、または介さずに、対向させないしは載置し、成形品側からの真空引きによる圧力差により光硬化性シートを成形品表面に成形する、いわゆる真空プレス積層方法。3.特公昭61−5895号公報、特公平3−2666号公報等に記載されているように、円柱、多角柱等の柱状基材の長軸方向に、光硬化性シートを間に接着剤層を介して、または介さずに、供給しつつ、多数の向きの異なるローラーにより、柱状態を構成する複数の側面に順次光硬化性シートを加圧接着して積層していく、いわゆるラッピング加工方法。4.特開昭48−47972号公報等に記載されているように、まず光硬化性シートを板状基材に接着剤層を介して、または介さずに、積層し、次いで板状基材の光硬化性シートとは反対側に、光硬化性シートと板状基材との界面に到達する、断面がV字状またはU字状の溝を切削し、次いでこの溝内に接着剤を塗布した上で、溝を折り曲げ、箱体または柱状体を形成する、いわゆるVカットまたはUカット加工方法。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、例中、「部」は「質量部」を意味する。また、実施例中の略号は以下の通りである。
メチルメタクリレート MMA
メチルアクリレート MA
エチルアクリレート EA
ブチルアクリレート BA
スチレン St
アリルメタクリレート AMA
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 1,3BD
t−ブチルハイドロパーオキサイド tBH
n−オクチルメルカプタン nOM
メチルエチルケトン MEK
グリシジルメタクリレート GMA
アゾビスイソブチロニトリル AIBN
ハイドロキノンモノメチルエーテル MEHQ
トリフェニルホスフィン TPP
アクリル酸 AA
モノ−n−ドデシルオキシテトラオキシエチレンリン酸ナトリウム[商品名フォスファノールRS−610NA、東邦化学(株)製] 乳化剤(1)

合成例1(側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂Aの合成)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、MEK50部を入れ、80℃に昇温した。窒素雰囲気下でMMA67.8部、GMA32.2部およびAIBN0.5部の混合物を3時間かけて滴下した。その後、MEK80部とAIBN0.2部の混合物を加え、重合させた。4時間後、MEK44.3部、MEHQ0.5部、TPP2.5部およびAA16.2部を加え、空気を吹き込みながら80℃で30時間攪拌した。その後、冷却した後、反応物をフラスコより取り出し、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂Aの溶液を得た。
側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂Aにおける単量体の重合率は99.5%以上であり、ポリマー固形分量は40質量%、数平均分子量は約6万、ガラス転移温度は約77℃、二重結合当量は平均518g/molであった。

合成例2(側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂Bの合成)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、MEK50部を入れ、80℃に昇温した。窒素雰囲気下でMMA79.9部、GMA20.1部およびAIBN0.5部の混合物を3時間かけて滴下した。その後、MEK80部とAIBN0.2部の混合物を加え、重合させた。4時間後、MEK74.4部、MEHQ0.5部、TPP2.5部およびAA10.1部を加え、空気を吹き込みながら80℃で30時間攪拌した。その後、冷却した後、反応物をフラスコより取り出し、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂Bの溶液を得た。
側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂Bにおける単量体の重合率は99.5%以上であり、ポリマー固形分量は35質量%、数平均分子量は約3万、ガラス転移温度は約85℃、二重結合当量は平均788g/molであった。

コロイダルシリカの表面処理例(表面処理コロイダルシリカS1の調製)

Figure 2004277725
注)数値は固形分換算のモル部である。
1)IPA−ST:イソプロパノール分散コロイダルシリカゾル(日産化学工業(株)製)、シリカ粒子径=15nm
2)KBM503:γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)、分子量=248
攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、上記表1に記載の成分を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を75℃に上げ、その温度で2時間反応させることにより、イソプロパノール中に分散され、表面がシラン化合物で処理されたコロイダルシリカを得た。続いて、イソプロパノールを留去した後にトルエンを添加することを繰り返し、完全にイソプロパノールをトルエンに置換することにより、トルエン中に分散され、表面がシラン化合物で処理されたコロイダルシリカS1を得た。コロイダルシリカS1が分散したトルエン溶液の固形分は63質量%であった。
基材シートB−1〜B−2の製造例
a)架橋ゴム含有重合体(I)の製造
窒素雰囲気下、還流冷却器付き反応容器に脱イオン水244部を入れ、80℃に昇温し、以下に示す(イ)を添加し、撹拌を行いながら以下に示す原料(ロ)(第1内層重合体(I−A1)の原料)の混合物の1/15を仕込み、15分保持した。その後、残りの原料(ロ)を水に対する単量体混合物の増加率8%/時間で連続的に添加した。その後1時間保持して、第1内層重合体(I−A1)のラテックスを得た。
続いて、このラテックスにSFS0.6部を加え、15分保持し、窒素雰囲気下80℃で撹拌を行いながら、以下に示す原料(ハ)(第2内層重合体(I−A2)の原料)を水に対する単量体混合物の増加率4%/時間で連続的に添加した。その後2時間保持して、第2内層重合体(I−A2)の重合を行うことにより、内層体重合体((I−A1)+(I−A2))のラテックスを得た。
このラテックスに、引き続いてSFS0.4部を加え、15分保持し、窒素雰囲気下80℃で撹拌を行いながら、以下に示す原料(ニ)(最外層重合体(I−B)の原料)を水に対する単量体混合物の増加率10%/時間で連続的に添加した。その後1時間保持して、最外層重合体(I−B)の重合を行うことにより、多層構造の架橋ゴム含有重合体(I)のラテックスを得た。この架橋ゴム含有重合体(I)の平均粒子径は0.28μmであった。この架橋ゴム含有重合体(I)のラテックスに対して、酢酸カルシウムを用いて凝析、凝集、固化反応を行い、ろ過、水洗後乾燥して架橋ゴム含有重合体(I)を得た。

(イ)
SFS 0.6部
硫酸第一鉄 0.00012部
EDTA 0.0003部
原料(ロ)
MMA 18.0部
BA 20.0部
St 2.0部
AMA 0.15部
BD 1.2部
tBH 0.18部
乳化剤(1) 0.75部
原料(ハ)
BA 50.0部
St 10.0部
AMA 0.4部
BD 0.14部
tBH 0.2部
乳化剤(1) 0.6部
原料(ニ)
MMA 57.0部
MA 3.0部
nOM 0.3部
tBH 0.06部

b)熱可塑性重合体(II)の製造
反応容器に窒素置換したイオン交換水200部を仕込み、乳化剤としてオレイン酸カリウム1部および過硫酸カリウム0.3部を仕込んだ。続いて、MMA40部、BA10部およびnOM0.005部を仕込み、窒素雰囲気下に65℃にて3時間攪拌し、重合を完結させた。引き続いて、MMA48部およびBA2部からなる単量体混合物を2時間にわたり滴下し、滴下終了後2時間保持して重合を完結させた。得られたラテックスを0.25%硫酸水溶液に添加し、重合体を酸凝析した後脱水、水洗および乾燥し、粉体状の熱可塑性重合体(II)を回収した。得られた熱可塑性重合体の還元粘度ηsp/cは0.38L/gであった。
c)アクリルシートの製造
上記の如くして得られた架橋ゴム含有重合体(I)および熱可塑性重合体(II)と、熱可塑性重合体(III)としてMMA/MA共重合体A(MMA/MA=90/10、還元粘度0.06L/g)および表2に示す化合物を用いて、表2に示す割合でヘンシェルミキサーにより混合した。次いで、この混合物を、脱気式二軸押出機を用いて、シリンダー温度230℃で溶融混練し、アクリル樹脂組成物のペレットを得た。
このペレットを80℃で一昼夜乾燥し、300mmTダイを取り付けた40mmφのノンベントスクリュー型押出機(L/D=26)を用い、シリンダー温度200℃〜260℃およびTダイ温度250℃、冷却ロール温度70℃で125μmの厚みの基材シートB−1〜B−2を製膜した。

Figure 2004277725

1)旭電化(株)製「アデカスタブLA−31RG」
2)旭電化(株)製「アデカスタブLA−67」

光硬化性キャスト液組成物1〜13の製造例
合成した側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂溶液AおよびB、表面処理コロイダシリカS1および表3中の化合物を用いて、表3の組成を有する光硬化性キャスト液組成物1〜13を調製した。

Figure 2004277725

注)数値は固形分換算の質量部である。
1)日本チバガイギー(株)製「イルガキュア184」
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
2)チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「チヌビンP」
2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール
3)チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「チヌビン123」
デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ−4−ピペリジル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物
4)チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「チヌビン765」
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートおよびメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートの混合物

実施例1
得られた光硬化性キャスト溶液1をプロペラ型ミキサーで撹拌し、上記の方法で製造した基材シートB−1上に、コンマロールコーターにて塗工幅270mmで塗工を行った。
引き続いて、下記表4の温度条件に設定したトンネル型乾燥炉(巾800mm、高さ100mm、長さ8m、4つの乾燥ゾーン(1ゾーンの長さ2m)に分割、シートの動きに対して向流になるように熱風を送り込む方式、シートの支持方式はロールサポート方式)の中を、5m/分の速度で通過させて溶剤を揮発させ、厚さ8μmの光硬化性樹脂層を形成した。この時の各乾燥ゾーンの滞在時間を表3に示す。

Figure 2004277725

続いて、幅250mmにスリットして5000mの長さにABS製コアにロール状に巻き取った。
これらの光硬化性シートを光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向かい合うように金型内に配置し、次いで赤外線ヒーター(温度350℃)で10秒間シートを予備加熱した後、さらに加熱を行いながら真空吸引することにより金型形状にシートを追従させた。なお、この金型の形状は、切頭角錐形状で、切頭面のサイズは100mm×100mmで、底面のサイズは108mm×117mm、深さは10mmであり、切頭面の端部の曲率半径がそれぞれ3、5、7、10mmであった。その際の金型追従性を目視で評価したところ、各端部とも良好に追従していた。
次に、成形温度280〜300℃、金型温度40〜60℃の条件において、ポ
リカーボネート樹脂を成形樹脂として用いてインモールド成形を行い、光硬化性シートが成形品表面に密着した成形品を得た。
次いで、紫外線照射装置を用い、約700mJ/cm2 の紫外線を照射し、光硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面物性を評価した。結果を表5に示す。

Figure 2004277725

本発明の光硬化性樹脂層を有していない基材シートB−1およびB−2のみをインモールド成形した成形品の耐磨耗性は、それぞれ52%および50%であった。
1)○:表面粘着性無し、△:表面粘着性有り、×:表面粘着性大、巻き出し不可
2)○:汚れ無し、△:若干汚れ有り、×:汚れ大
実施例中の測定、評価は次に示す方法で行った。
シート物性評価方法
外観等:
作製したハードコートシートや樹脂成形品の外観について、塗膜のクラックの有無などを観察した。
鉛筆硬度:
JIS K 5400に準じて、鉛筆としてユニ(三菱鉛筆社製;商品名)を使用して評価した。
密着性:
JIS K 5400に準じて、カッターで1×1mm幅の碁盤目を100マス作製し、ニチバン製セロテープを圧着後、90度の角度に剥離した後のフィルム外観を目視評価した。
透明性:
ASTM D1003に準じて、ヘーズコンピューター(スガ試験機(株) 製、型式:HGM−2DP)を用いて全光線透過率および曇価を測定した。
イエローインデックス(ΔYI):
分光光度計(UV−2100、島津製作所(株)製)を用いて、イエローインデックスを測定した。
耐擦傷性:
#000スチールウールを直径1インチの円形パッドに装着し、往復式摩耗試験機台上に保持した試料表面にこのパッドを置いて、荷重1000g下で100回往復させ擦傷した。この試料をエタノールで洗浄した後、ヘーズメーターで曇価を測定した。そして(擦傷後の曇価)−(擦傷前の曇価)で表される数値を耐擦傷性(%)として示した。
耐磨耗性:
テーバー磨耗試験(片側500g荷重、CS−10F磨耗輪を用い、回転速度60rpm、試験回数500回で試験を実施)後の曇価をヘーズメーターで測定した。そして(試験後の曇価)−(試験前の曇価)で表される数値を耐磨耗性(%)として示した。
耐候性:
サンシャインウエザーメーター(スガ試験機(株)製)を用い、乾燥48分、雨12分のサイクルで3000時間および4000時間曝露試験したときの外観変化、イエローインデックス変化(■YI)、曇価(■H)の変化を評価した。

実施例2〜13
実施例1の光硬化性キャスト液組成物1および基材シートB−1を、表5に示した組合せに変更した以外は、実施例1と同様にして光硬化性シートを製造し、インモールド成形品を得た。結果を表5に示す。

比較例1
光硬化性キャスト液組成物11および基材シートB−1を用いた以外は、実施例1と同様にして光硬化性シートを製造し、インモールド成形品を得た。得られた光硬化性シートには、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤が添加されていない為に、耐候性試験3,000時間後にはクラックが発生していた。結果を表6に示す。

Figure 2004277725

1)○:表面粘着性無し、△:表面粘着性有り、×:表面粘着性大、巻き出し不可
2)○:汚れ無し、△:若干汚れ有り、×:汚れ大

比較例2
光硬化性キャスト液組成物12および基材シートB−1を用いた以外は、実施例1と同様にして光硬化性シートを製造し、インモールド成形品を得た。得られた光硬化性シートには、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤が添加されていない為に、耐候性試験3,000時間後にはクラックが発生していた。結果を表6に示す。

比較例3
光硬化性キャスト液組成物13および基材シートB−1を用いた以外は、実施例1と同様にして光硬化性シートを製造し、インモールド成形品を得た。得られた光硬化性シートには、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤が添加されていない為に、耐候性試験3,000時間後にはクラックが発生していた。結果を表6に示す。

実施例14〜23
光硬化性キャスト液組成物1〜10をそれぞれプロペラ型ミキサーで撹拌し、基材シートB−1上に塗工幅270mmに塗布した。
引き続き、上記表3の条件にて乾燥させ、厚さ10μmの光硬化性樹脂層を形成した。続いて、幅250mmにスリットして3000mの長さにABS製コアにロール状に巻き取った。なお、基材シートB−1のみの破断伸度をテンシロンにより測定すると、100℃加熱時の破断伸度は400%であった。
次いで、黒、茶、黄の各色の顔料から成るインキを用い、基材シートB−1面に絵柄をグラビア印刷法によって印刷して、光硬化性加飾シートを得た。これらのシートは表面粘着性がないので、印刷適性は良好であった。シートの厚みは148μmであった。
これらの光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向き合うように金型内に配置し、次いで赤外線ヒーター(温度300℃)で15秒間シートを予備加熱した後、さらに加熱を行いながら真空吸引することにより金型形状にシートを追従させた。
次に、成形温度220〜250℃、金型温度40〜60℃の条件において、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体樹脂を成形樹脂として用いてインモールド成形を行い、光硬化性加飾シートが成形品表面に密着した成形品を得た。その際のシートの金型追従性および金型離型性は共に良好であった。
次いで、紫外線照射装置を用い、約700mJ/cm2 の紫外線を照射し、光硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面硬度が高く、光沢に優れ、印刷絵柄を有し、意匠性に優れる成形品を得た。

実施例24〜33
光硬化性キャスト液組成物1〜10をそれぞれプロペラ型ミキサーで撹拌し、基材シートB−1上に塗工幅270mmに塗布した。
引き続き、上記表3の条件にて乾燥させ、厚さ10μmの光硬化性樹脂層を形成した。続いて、幅250mmにスリットして3000mの長さにABS製コアにロール状に巻き取った。なお、基材シートB−1のみの破断伸度をテンシロンにより測定すると、100℃加熱時の破断伸度は400%であった。
次いで、黒、茶、黄の各色の顔料から成るインキを用い、基材シートB−1面に絵柄をグラビア印刷法によって印刷した。これらのシートは表面粘着性がないので、印刷適性は良好であった。
さらに、塩素化ポリプロピレン樹脂(塩素化度15%)からなる接着層を、印刷面にグラビア印刷法によって形成させて、光硬化性加飾シートを得た。シートの厚みは180μmであった。
これらの光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向き合うように金型内に配置し、次いで赤外線ヒーター(温度300℃)で15秒間シートを予備加熱した後、さらに加熱を行いながら真空吸引することにより金型形状にシートを追従させた。
次に、成形温度200〜240℃、金型温度30〜60℃の条件において、ポリプロピレン系樹脂(タルクを20質量%含有、エチレン−プロピレン系ゴムを10質量%含有)を成形樹脂として用いてインモールド成形を行い、光硬化性加飾シートが成形品表面に密着した成形品を得た。その際のシートの金型追従性および金型離型性は共に良好であった。
次いで、紫外線照射装置を用い、約700mJ/cm2 の紫外線を照射し、光硬化性樹脂組成物を硬化させて、表面硬度や耐磨耗性が高く、光沢に優れ、印刷絵柄を有し、意匠性に優れる成形品を得た。

実施例1〜13と比較例より、光硬化性樹脂組成物(A)に適量の紫外線吸収剤(a−3)や光安定剤(a−4)を添加することにより、サンシャインウェザーメーターによる曝露試験3000時間後も外観変化の少ない良好な耐候性を成形品に付与できることが分かる。
さらに、実施例7〜9や11、12のように、光硬化性樹脂組成物(A)に光安定剤(a−4)を必須成分として添加し、さらに基材シート(B)に紫外線吸収剤(a−6)を添加することにより、サンシャインウェザーメーターによる曝露試験4000時間後も外観変化の少ない、非常に高い耐候性を有する成形品を得ることが可能となり、サンルーフやリアスポイラーの上面部のように直射日光に曝される度合いが極端に多い外装用途にも好適に使用することができ工業的利用価値も高い。

Claims (6)

  1. 側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)、紫外線吸収剤(a−3)および/またはヒンダードアミン系光安定剤(a−4)を含有する光硬化性樹脂組成物。
  2. さらに無機微粒子(a−5)を含む、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 基材シート(B)と、およびその上に積層された、請求項1〜2のいずれかに記載した光硬化性樹脂組成物(A)の層を含む光硬化性シート。
  4. 請求項3に記載した光硬化性シートの基材シート側に形成された印刷層および/または蒸着層を含む光硬化性加飾シート。
  5. 請求項3〜4のいずれかに記載した光硬化性シートまたは光硬化性加飾シートを、光硬化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように挿入配置する工程、光硬化性シートまたは光硬化性加飾シートを予備成形してシートを金型形状に追従させる工程、金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性シートまたは光硬化性加飾シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程、および光照射することにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程を含む成形品の製造方法。
  6. 請求項5に記載した方法により得られた成形品。
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