JP2016036977A - 光硬化性樹脂組成物、積層フィルム、積層成形品およびその製造方法 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物、積層フィルム、積層成形品およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な艶消し外観を有し、硬化後の表面の耐摩耗性に優れ、かつ硬化前の表面タック性が抑えられた光硬化性樹脂組成物層を形成できる光硬化性樹脂組成物、これを用いた積層フィルム、積層成形品およびその製造方法を提供する。【解決手段】成形品本体の表面に光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂層を設けるための、光硬化性樹脂組成物層12および熱可塑性フィルム層10を有する積層フィルム1に用いられる光硬化性樹脂組成物であって、ラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(A)と、平均粒子径が0.5〜7.0μmであり、真比重が1.25〜1.9である球状微粒子(B)と、平均粒子径が0.001〜0.2μmである無機微粒子(C)と、光重合開始剤(D)とを含む光硬化性樹脂組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、光硬化性樹脂組成物、積層フィルム、積層成形品およびその製造方法に関する。
立体形状の成形品の表面に意匠性を付与する方法としては、加飾層(印刷層、蒸着層等)および熱可塑性フィルム層を有する三次元成形品用積層フィルム(いわゆる加飾フィルムまたは化粧フィルム)を、立体形状の成形品本体の表面に積層する方法が知られている。また、立体形状の成形品の表面に耐摩耗性を付与する方法としては、硬化樹脂層(いわゆるハードコート層)および熱可塑性フィルム層を有する三次元成形品用積層フィルムを、立体形状の成形品本体の表面に積層する方法が知られている。以下、三次元成形品用積層フィルムを、単に積層フィルムとも記す。
積層フィルムを立体形状の成形品本体の表面に積層する方法としては、下記の方法が知られている。
(i)積層フィルムを金型内に挿入し、金型内に成形品本体となる樹脂を射出して射出成形を行った後、熱可塑性フィルム層を剥がし、加飾層または硬化樹脂層を成形品本体の表面に残すインモールド転写法。
(ii)積層フィルムを金型内に挿入し、金型内に成形品本体となる樹脂を射出して射出成形を行い、積層フィルムを成形品本体の表面に積層するインモールド成形法またはインサートモールド成形法。
(iii)積層フィルムを成形品本体の上に配置し、積層フィルムを加熱した後に真空圧空成形し、積層フィルムを成形品本体の表面に積層するTOM成形法。
加飾層、熱可塑性フィルム層または硬化樹脂層を表面に有する成形品(以下、積層成形品とも記す。)には、表面を艶消し状態にして、高級感、深み感等を付加することが求められることがある。積層成形品の表面に高級感、深み感等を付加する方法としては、艶消し積層フィルムを用いる方法が挙げられる。
艶消し積層フィルムとしては、たとえば、下記のものが挙げられる。
(1)特定の算術平均粗さの表面を有するアクリル樹脂層(A)と特定の60゜鏡面光沢度の表面を有するアクリル樹脂層(B)とを積層したアクリル樹脂フィルムのアクリル樹脂層(A)の表面に加飾層を設けた艶消し積層フィルム(特許文献1参照)。
(2)艶消し材を含む熱可塑性フィルムの表面に印刷層を設けた艶消し積層フィルム(特許文献2参照)。
(3)アクリル系ゴム粒子を含むアクリル樹脂フィルムの表面に、無機微粒子を含む硬化樹脂層を設けた艶消し積層フィルム(特許文献3参照)。
しかし、(1)〜(3)の積層フィルムを成形品本体の表面に積層した積層成形品は、表面の耐摩耗性が不充分である。表面に傷が少し入っただけでも外観上の欠点となりやすい、ピアノブラック調、メッキ調等の高輝度の意匠性を有する積層成形品においては、耐摩耗性のさらなる向上が求められている。
特開2009−255555号公報 特開2002−103371号公報 特開2003−211598号公報
本発明は、良好な艶消し外観を有し、硬化後の表面の耐摩耗性に優れ、かつ硬化前の表面タック性が抑えられた光硬化性樹脂組成物層を形成できる光硬化性樹脂組成物;光硬化性樹脂組成物層および熱可塑性フィルム層を有する積層フィルムであって、良好な艶消し外観を有し、硬化後の表面の耐摩耗性に優れ、硬化前の成形加工性が良好で、かつ硬化前の表面タック性が抑えられた積層フィルム;良好な艶消し外観を有し、かつ表面の耐摩耗性に優れる積層成形品およびその製造方法を提供する。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、成形品本体の表面に光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂層を設けるための、光硬化性樹脂組成物層および熱可塑性フィルム層を有する積層フィルムに用いられる光硬化性樹脂組成物であって、ラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(A)と、平均粒子径が0.5〜7.0μmであり、真比重が1.25〜1.9である球状微粒子(B)と、平均粒子径が0.001〜0.2μmである無機微粒子(C)と、光重合開始剤(D)とを含むことを特徴とする。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、立体形状の成形品本体の表面に光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂層を設けるための三次元成形品用積層フィルムに用いられる光硬化性樹脂組成物であることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂(A)は、エポキシ基を有する単量体に由来する構成単位を有する重合体のエポキシ基に、カルボキシ基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物のカルボキシ基を反応させて得られたものであることが好ましい。
前記無機微粒子(C)は、(メタ)アクリロイル基を有する基を表面に有するシリカ微粒子であることが好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、架橋性単量体を実質的に含まないことが好ましい。
本発明の積層フィルムは、成形品本体の表面に光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂層を設けるための積層フィルムであって、本発明の光硬化性樹脂組成物からなる光硬化性樹脂組成物層と、熱可塑性フィルム層とを有することを特徴とする。
本発明の積層フィルムは、立体形状の成形品本体の表面に光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂層を設けるための三次元成形品用積層フィルムであることが好ましい。
本発明の積層フィルムは、加飾層をさらに有していてもよい。
前記光硬化性樹脂組成物層の厚さは、2〜20μmであることが好ましい。
前記光硬化性樹脂組成物層の表面における60゜鏡面光沢度は、90%以下であることが好ましい。
本発明の積層フィルムの全光線透過率は、85%以上であることが好ましい。
前記光硬化性樹脂組成物層の表面における60゜鏡面光沢度Gsと、前記光硬化性樹脂組成物層側から測定したイエローインディックスYIとは、下記式(1)の関係を満足することが好ましい。
YI≦100×Gs−0.8 ・・・(1)
本発明の積層成形品は、成形品本体と、本発明の積層フィルムの前記光硬化性樹脂組成物層が硬化してなる硬化樹脂層とを有する積層成形品であり、前記積層成形品の最表面の少なくとも一部が、前記硬化樹脂層であることを特徴とする。
前記硬化樹脂層の下記方法によって求めた耐摩耗性は、−15〜10%であることが好ましい。
(耐摩耗性の求め方)
積層成形品から縦:100mm×横:100mmの試験片を切り出す。
試験片のヘーズを、JIS K 7105に準拠したヘーズメータを用いて測定する。
JIS K 7204に準拠したテーバー摩耗試験機を用いて、2個の摩耗輪(CS−10F(TypeIV))を試験片の硬化樹脂層の上にセットした後、摩耗輪1個あたりの荷重:4.9N、吸引口高さ:1.5mm、回転速度:70rpm、試験回数:100回転の条件にて試験片の硬化樹脂層側の表面を摩耗する。
摩耗試験後の試験片のヘーズを、JIS K 7105に準拠したヘーズメータを用いて測定する。
下記式(2)から耐摩耗性を求める。
耐摩耗性=試験後のヘーズ−試験前のヘーズ ・・・(2)
本発明の積層成形品の製造方法は、成形品本体の表面に、本発明の積層フィルムを積層する工程と、前記成形品本体の表面に前記積層フィルムを積層した後、前記光硬化性樹脂組成物層を硬化させ、硬化樹脂層を形成する工程とを有することを特徴とする。
本発明の光硬化性樹脂組成物によれば、良好な艶消し外観を有し、硬化後の表面の耐摩耗性に優れ、かつ硬化前の表面タック性が抑えられた光硬化性樹脂組成物層を形成できる。
本発明の積層フィルムは、光硬化性樹脂組成物層および熱可塑性フィルム層を有する積層フィルムであって、良好な艶消し外観を有し、硬化後の表面の耐摩耗性に優れ、硬化前の成形加工性が良好で、かつ硬化前の表面タック性が抑えられる。
本発明の積層成形品は、良好な艶消し外観を有し、かつ表面の耐摩耗性に優れる。
本発明の積層成形品の製造方法によれば、良好な艶消し外観を有し、かつ表面の耐摩耗性に優れる積層成形品を製造できる。
本発明の積層フィルムの第1の実施形態を示す断面図である。 本発明の積層フィルムの第2の実施形態を示す断面図である。 本発明の積層成形品の一例を示す断面図である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「光硬化性樹脂組成物」とは、活性エネルギー線(電子線、紫外線、可視光線等)を照射することによって硬化し得る樹脂を含む組成物を意味する。
「光重合開始剤」とは、活性エネルギー線(電子線、紫外線、可視光線等)を照射することによって単量体の重合を開始し得る化合物を意味する。
「ラジカル重合性不飽和基」とは、ラジカル重合し得る不飽和二重結合を有する基を意味する。
「単量体」とは、ラジカル重合性不飽和基を有する化合物を意味する。
「架橋性単量体」とは、ラジカル重合性不飽和基を2つ以上有する化合物を意味する。
「構成単位」とは、単量体が重合することによって形成された単量体に由来する構成単位、または重合体を処理することによって構成単位の一部が別の構造に変換された構成単位を意味する。
「真比重」とは、ある物質の真密度を4℃の水の密度で割った値を意味する。
「球状」とは、球形度が0.85以上であることを意味する。ここで、「球形度」は、粒子を電子顕微鏡にて観察し、50個の粒子を無作為に選び出し、各粒子の長径および短径を測定して球形度(短径/長径)を求め、50個の粒子の球形度を平均して求めた値である。
「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの総称である。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。
「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の総称である。
「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミドおよびメタクリルアミドの総称である。
以下、本発明を実施するための形態について順次説明する。なお、本発明の範囲は、以下の説明に拘束されることはない。以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
<光硬化性樹脂組成物>
本発明の光硬化性樹脂組成物は、成形品本体の表面に光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂層を設けるための、光硬化性樹脂組成物層および熱可塑性フィルム層を有する積層フィルムに用いられる光硬化性樹脂組成物である。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、立体形状の成形品本体の表面に光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂層を設けるための三次元成形品用積層フィルムに用いられる光硬化性樹脂組成物であることが好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と、球状微粒子(B)と、無機微粒子(C)と、光重合開始剤(D)とを必須成分として含み、必要に応じて光安定剤(E)、架橋性単量体、その他の成分を含んでいてもよい。
(熱可塑性樹脂(A))
熱可塑性樹脂(A)は、ペンダント基または側鎖の一部として、ラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂(A)に架橋に関与するラジカル重合性不飽和基を複数導入することによって、熱可塑性樹脂(A)の硬化物性を効率的に向上させることができる。
ラジカル重合性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基等が挙げられる。
ラジカル重合性不飽和基の量は、二重結合当量(不飽和基1molあたりの樹脂量)で表される。二重結合当量は、耐摩耗性の向上の点から、計算値で1〜3000g/molが好ましく、1〜1200g/molがより好ましく、1〜800g/molがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂(A)の二重結合当量は、単量体の仕込み量および単量体の重合率から熱可塑性樹脂(A)の構造を推定し、算出する。
熱可塑性樹脂(A)としては、例えば、反応性官能基を有する単量体に由来する構成単位を有する重合体(a)に、前記反応性官能基と反応し得る基およびラジカル重合性不飽和基を有する化合物を反応させて得られたものが挙げられる。
反応性官能基を有する単量体としては、例えば、下記の単量体が挙げられる。これら単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水酸基を有する単量体:N−メチロールアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等。
カルボキシ基を有する単量体:(メタ)アクリル酸、アクリロイルオキシエチルモノサクシネート等。
エポキシ基を有する単量体:グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル等。
アジリジニル基を有する単量体:2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロピオン酸アリル等
アミノ基を有する単量体:(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等。
スルホ基を有する単量体:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等。
ジイソシアネートと活性水素を有する単量体との付加物:2,4−トルエンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートとの等モル付加物等。
イソシアネート基を有する単量体:2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等。
重合体(a)は、熱可塑性樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)を調節することを目的として、または積層フィルムの物性を調節することを目的として、他の単量体に由来する構成単位を有していてもよい。
他の単量体としては、例えば、下記の単量体が挙げられる。これら単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリレート類:メチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等。
イミド誘導体:N−フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、N−ブチルマレイミド等。
オレフィン系単量体:ブタジエン等。
芳香族ビニル化合物:スチレン、α−メチルスチレン等。
他の単量体としては、熱可塑性樹脂(A)のTgの点から、単独重合体とした場合に高いTgを有する単量体が好ましい。また、他の単量体としては、硬化樹脂層の耐候性の向上の点から、(メタ)アクリレート類がより好ましい。
熱可塑性樹脂(A)としては、硬化前の光硬化性樹脂組成物と硬化後の硬化物との物性バランスを取りやすい点から、エポキシ基を有する単量体に由来する構成単位を有する重合体(a)のエポキシ基に、カルボキシ基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物のカルボキシ基を反応させて得られたものが好ましく、エポキシ基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位と他の単量体に由来する構成単位とを有する重合体(a)のエポキシ基に、カルボキシ基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物のカルボキシ基を反応させて得られたものがより好ましい。熱可塑性樹脂(A)におけるエポキシ基を有する単量体に由来する構成単位の割合は、5〜30質量%が好ましい。
熱可塑性樹脂(A)は、硬化樹脂層の剛性、靱性、耐熱性等の物性を向上させることができる点から、無機微粒子(C)の表面の官能基(ヒドロキシ基、カルボキシ基、シラノール基等)と反応し得る基を有する単量体に由来する構成単位を有することが好ましい。
無機微粒子(C)の表面の官能基と反応し得る基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン化シリル基およびアルコキシシリル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基が挙げられる。
無機微粒子(C)の表面の官能基と反応し得る基を有する単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン等が挙げられる。これら単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂(A)の数平均分子量(Mn)は、5,000〜2,500,000が好ましく、10,000〜1,000,000がより好ましい。Mnが5,000以上であれば、インモールド成形およびインサートモールド成形を行う際の積層フィルムの金型剥離性が良好となる。また、積層成形品の表面硬度が適切となる。Mnが2,500,000以下であれば、熱可塑性樹脂(A)の製造が容易である。また、硬化樹脂層の外観が良好となり、熱可塑性フィルム層との密着性も良好となる。
熱可塑性樹脂(A)のMnは、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値である。
熱可塑性樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、25〜175℃が好ましく、30〜150℃がより好ましい。Tgが25℃以上であれば、インモールド成形およびインサートモールド成形を行う際の積層フィルムの金型剥離性が良好となる。また、積層成形品の表面硬度が適切となる。Tgが175℃以下であれば、積層フィルムの取扱性が良好となる。
熱可塑性樹脂(A)のTgは、示差走査熱量計を用い、熱可塑性樹脂(A)を10℃/分の速度で昇温したときに測定される中間点ガラス転移温度である。
熱可塑性樹脂(A)は、例えば、反応性官能基を有する単量体に由来する構成単位を有する重合体(a)に、前記反応性官能基と反応し得る基およびラジカル重合性不飽和基を有する化合物を反応させる方法によって製造できる。
該方法としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
重合体(a)が、水酸基を有する単量体に由来する構成単位を有する場合:
・重合体(a)に、カルボキシ基またはスルホ基、およびラジカル重合性不飽和基を有する化合物を縮合反応させる方法。
・重合体(a)に、エポキシ基、アジリジニル基またはイソシアネート基、およびラジカル重合性不飽和基を有する化合物、またはジイソシアネート化合物と水酸基を有するアクリレートとの等モル付加物を付加反応させる方法。
重合体(a)が、スルホ基を有する単量体に由来する構成単位を有する場合:
・重合体(a)に、水酸基およびラジカル重合性不飽和基を有する化合物を縮合反応させる方法。
重合体(a)が、エポキシ基、イソシアネート基またはアジリジニル基を有する単量体に由来する構成単位を有する場合:
・重合体(a)に、水酸基またはカルボキシル基、およびラジカル重合性不飽和基を有する化合物を付加反応させる方法。
重合体(a)が、カルボキシ基を有する単量体に由来する構成単位を有する場合:
・重合体(a)に、水酸基およびラジカル重合性不飽和基を有する化合物を縮合反応させる方法。
・重合体(a)に、エポキシ基、アジリジニル基またはイソシアネート基、およびラジカル重合性不飽和基を有する化合物、またはジイソシアネート化合物と水酸基を有するアクリレートとの等モル付加物を付加反応させる方法。
重合体(a)を製造する際の重合法としては、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられる。
重合体(a)に前記化合物を反応させる際には、例えば、重合体(a)を有機溶媒に溶解した溶液に前記化合物を加え、前記縮合反応または付加反応を行う。
重合体(a)に前記化合物を反応させる際には、反応系に、微量のハイドロキノン等の重合禁止剤を加え、乾燥空気を送りながら行うことが好ましい。
(球状微粒子(B))
球状微粒子(B)は、平均粒子径が0.5〜7.0μmであり、真比重が1.25〜1.9である球状微粒子である。球状微粒子(B)は、硬化樹脂層に良好な艶消し外観を付与する成分である。
球状微粒子(B)の平均粒子径は、0.5〜7.0μmであり、1.0〜6.0μmが好ましく、1.5〜5.5μmがより好ましい。球状微粒子(B)の平均粒子径が0.5〜7.0μmであれば、硬化樹脂層の光沢を下げ、所望の艶消し外観とするために必要となる硬化樹脂層中の球状微粒子(B)の量が適切となる。
球状微粒子(B)の平均粒子径は、球状微粒子(B)を走査型電子顕微鏡にて観察し、50個の微粒子を無作為に選び出し、各微粒子の粒子径を測定し、50個の微粒子の粒子径を平均して求めた値である。
球状微粒子(B)の真比重は、1.25〜1.9であり、1.3〜1.7が好ましく、1.3〜1.65がより好ましい。球状微粒子(B)の真比重が1.25以上であれば、硬化樹脂層の耐摩耗性が向上する。球状微粒子(B)の真比重が1.9以下であれば、光硬化性樹脂組成物の保存安定性が高い。
球状微粒子(B)は、平均粒子径が0.5〜7.0μmであり、真比重が1.25〜1.9である球状微粒子であれば、その種類および形態は特に制限されない。
球状微粒子(B)としては、例えば、下記の市販品を用いることができる。
ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物(日本触媒社製、エポスター(登録商標)MS、エポスター(登録商標)M05)、
ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物(日本触媒社製、エポスター(登録商標)M30)、
メラミン・ホルムアルデヒド縮合物(日本触媒社製、エポスター(登録商標)S6、エポスター(登録商標)S12)、
メラミン樹脂とシリカとからなる複合球状粒子(日産化学工業社製、オプトビーズ(登録商標)2000M、オプトビーズ(登録商標)3500M、オプトビーズ(登録商標)6500M)、
ポリメチルシルセスキオキサンの微粉末(信越化学工業社製、KMP−590、KMP−701、X−52−854)等。
球状微粒子(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
球状微粒子(B)の製造方法としては、従来から汎用されている製造方法を採用でき、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法、分散重合法等が挙げられる。
光硬化性樹脂組成物中における球状微粒子(B)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)の100質量部に対して、固形分で3〜80質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましく、15〜40質量部がさらに好ましい。球状微粒子(B)の含有量が3質量部以上であれば、硬化樹脂層の艶消し外観がさらに良好になる。球状微粒子(B)の含有量が80質量部以下であれば、光硬化性樹脂組成物の保存安定性が高く、また、積層フィルムの成形加工性も高い。
(無機微粒子(C))
無機微粒子(C)は、平均粒子径が0.001〜0.2μmである無機微粒子である。無機微粒子(C)は、硬化樹脂層の耐摩耗性を向上させる成分である。
無機微粒子(C)の平均粒子径は、硬化樹脂層の透明性の点から、0.2μm以下であり、0.1μm以下が好ましく、0.05μm以下がより好ましい。無機微粒子(C)の平均粒子径は、0.001μm以上である。
無機微粒子(C)の平均粒子径は、無機微粒子(C)を含む光硬化性樹脂組成物の硬化物の断面を透過型電子顕微鏡にて観察し、50個の微粒子を無作為に選び出し、各微粒子の粒子径を測定し、50個の微粒子の粒子径を平均して求めた値である。
無機微粒子(C)は、平均粒子径が0.001〜0.2μmである無機微粒子であれば、その種類および形態は特に制限されない。
無機微粒子(C)としては、例えば、シリカ(コロイダルシリカ等)、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、異種元素ドープ酸化スズ(ATO等)、酸化インジウム、異種元素ドープ酸化インジウム(ITO等)、酸化カドミウム、酸化アンチモン等が挙げられる。無機微粒子(C)としては、入手の容易さ、価格、硬化樹脂層の透明性、硬化樹脂層の耐摩耗性の点から、コロイダルシリカが好ましい。
無機微粒子(C)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
コロイダルシリカは、通常の水性分散液の形態、または有機溶媒に分散させた形態で用いることができる。コロイダルシリカとしては、光硬化性樹脂組成物中に均一かつ安定に分散させる点から、有機溶媒に分散させた形態のコロイダルシリカが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール、キシレン/ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等が挙げられる。有機溶媒としては、光硬化性樹脂組成物中により均一に分散させることができる点から、熱可塑性樹脂(A)を溶解可能な有機溶媒が好ましい。
有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒に分散させた形態のコロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業社から市販されている下記のものが挙げられる。
メタノールシリカゾル、イソプロピルアルコールシリカゾルIPA−ST、n−ブタノールシリカゾルNBA−ST、エチレングリコールシリカゾルEG−ST、キシレン/ブタノールシリカゾルXBA−ST、エチルセロソルブシリカゾルETC−ST、ブチルセロソルブシリカゾルBTC−ST、ジメチルホルムアミドシリカゾルDBF−ST、ジメチルアセトアミドシリカゾルDMAC−ST、メチルエチルケトンシリカゾルMEK−ST、メチルイソブチルケトンシリカゾルMIBK−ST等。
有機溶媒に分散させた形態のコロイダルシリカは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機微粒子(C)としては、下記式(I)で表されるシラン化合物によってあらかじめ表面が処理された無機微粒子を用いてもよい。表面処理された無機微粒子を用いた場合、光硬化性樹脂組成物の保存安定性がさらに良好となり、また、硬化樹脂層の表面硬度および耐候性も良好となる。
Figure 2016036977
ただし、
およびRは、それぞれ、エーテル結合、エステル結合、エポキシ結合または炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基であり、
は、水素原子、またはエーテル結合、エステル結合、エポキシ結合もしくは炭素−炭素二重結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基であり、
aおよびbは、それぞれ、0〜3の整数であり、a+bは、0〜3である。
式(I)で表されるシラン化合物としては、下記式(II)で表されるシラン化合物、下記式(III)で表されるシラン化合物、下記式(IV)で表されるシラン化合物、下記式(V)で表されるシラン化合物、下記式(VI)で表されるシラン化合物、下記式(VII)で表されるシラン化合物が好ましい。
Figure 2016036977
ただし、
およびRは、それぞれ、エーテル結合、エステル結合またはエポキシ結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基であり、
は、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、
10は、水素原子またはメチル基であり、
11は、炭素数1〜3のアルキル基またはフェニル基であり、
aおよびbは、それぞれ、0〜3の整数であり、a+bは、0〜3であり、
nは、0〜2の整数であり、
pは、1〜6の整数である。
式(II)で表されるシラン化合物としては、例えば、下記のものが挙げられる。
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メトキシエチルトリエトキシシラン、アセトキシエチルトリエトキシシラン、ジエトキシエチルジメトキシシラン、テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等。
式(III)で表されるシラン化合物としては、例えば、下記のものが挙げられる。
テトラキス(アクリロイルオキシエトキシ)シラン、テトラキス(メタクリロイルオキシエトキシ)シラン、メチルトリス(アクリロイルオキシエトキシ)シラン、メチルトリス(メタクリロイルオキシエトキシ)シラン等。
式(IV)で表されるシラン化合物としては、例えば、下記のものが挙げられる。
β−アクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等。
式(V)で表されるシラン化合物としては、例えば、下記のものが挙げられる。
ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等。
式(VI)で表されるシラン化合物としては、例えば、下記のものが挙げられる。
γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等。
式(VII)で表されるシラン化合物としては、例えば、下記のものが挙げられる。
p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン等。
これらのシラン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機微粒子(C)としては、エポキシ基を有する単量体に由来する構成単位を有する重合体(a)のエポキシ基に、カルボキシ基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物のカルボキシ基を反応させて得られた熱可塑性樹脂(A)との相溶性の点から、(メタ)アクリロイル基を有する基を表面に有するシリカ微粒子が特に好ましい。
熱可塑性樹脂(A)と無機微粒子(C)とを混合する方法は、特に限定されない。熱可塑性樹脂(A)と無機微粒子(C)とを混合する方法としては、例えば、あらかじめ熱可塑性樹脂(A)を製造した後、無機微粒子(C)を混合する方法;熱可塑性樹脂(A)の原料となる単量体と無機微粒子(C)とを混合した条件下で、該単量体を重合する方法等、任意の方法を選択することができる。
光硬化性樹脂組成物中における無機微粒子(C)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)の100質量部に対して、固形分で5〜400質量部が好ましく、10〜200質量部がより好ましい。無機微粒子(C)の含有量が5質量部以上であれば、硬化樹脂層の耐摩耗性がさらに向上する。無機微粒子(C)の含有量が400質量部以下であれば、光硬化性樹脂組成物の保存安定性が高く、また、積層フィルムの成形加工性も高い。
(光重合開始剤(D))
光重合開始剤(D)としては、例えば、電子線、紫外線、可視光線等の活性エネルギー線を照射することによってラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤は、公知のものを用いることができ、特に限定されない。光ラジカル重合開始剤としては、硬化樹脂層の黄変、耐候性等の点から、分子内にアミノ基を有さない化合物(アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系等)が好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。
1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド等。
光ラジカル重合開始剤としては、積層成形品の製造時の温度条件によっては、一時的に光ラジカル重合開始剤の沸点以上の温度になる場合がある点から、積層成形品の製造時の温度よりも沸点が高い化合物が好ましい。
光ラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂(A)と光重合開始剤(D)とを混合する方法は、特に限定されない。熱可塑性樹脂(A)と光重合開始剤(D)とを混合する方法としては、例えば、あらかじめ熱可塑性樹脂(A)を製造した後、光重合開始剤(D)を混合する方法;熱可塑性樹脂(A)の原料となる単量体と光重合開始剤(D)とを混合した条件下で、該単量体を重合する方法等、任意の方法を選択することができる。
光硬化性樹脂組成物中における光重合開始剤(D)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して0.1質量部以上が好ましい。光重合開始剤(D)の含有量は、硬化後の残存量が耐候性に影響する点から、5質量部以下が好ましい。また、光重合開始剤(D)として硬化時の黄変に関与するアミノ系の光ラジカル重合開始剤を用いる場合には、光重合開始剤(D)の含有量は、1質量部以下が好ましい。
(光安定剤(E))
光安定剤(E)は、硬化樹脂層の耐候性を向上させる成分である。
光安定剤(E)としては、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、窒素原子に隣接する2つの炭素原子に立体障害作用を示す置換基が複数結合されたピペリジン環を有する化合物が挙げられる。立体障害作用を示す置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤は、公知の化合物を用いることができ、特に限定されない。ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル基を有する化合物、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基を有する化合物等が挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤の市販品としては、例えば、下記のものが挙げられる。
BASFジャパン社製:Uvinul(登録商標)5050 H、Uvinul(登録商標)4050 FF、Tinuvin(登録商標)622 LD、Tinuvin(登録商標)622 SF、Tinuvin(登録商標)144、Tinuvin(登録商標)PA144、Tinuvin(登録商標)765、Tinuvin(登録商標)770 DF、Tinuvin(登録商標)123、Tinuvin(登録商標)292、Sanol(登録商標)LS−2626、Tinuvin(登録商標)152、Chimassorb(登録商標)119 FL、Tinuvin(登録商標)111 FDL、Chimassorb(登録商標)2020 FDL、Chimassorb(登録商標)944 FDL、Tinuvin(登録商標)783 FDL、Tinuvin(登録商標)791 FB、Flamestab(登録商標)NOR 116 FF。
ADEKA社製:アデカスタブ(登録商標)LA−52、LA−57、LA−63P、LA−68、LA−81、LA−82、LA−87、LA−94G。
ヒンダードアミン系光安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ヒンダードアミン系光安定剤の含有量を増やすことによって硬化樹脂層の耐候性の向上を図った場合、その含有量の増加に伴って硬化樹脂層の耐摩耗性が低下する傾向がある。そのため、ヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、硬化樹脂層の耐摩耗性を損なわない範囲が好ましい。
側鎖にラジカル重合性不飽和基を有するヒンダードアミン系光安定剤およびトリアジン骨格を有するヒンダードアミン系光安定剤を用いた場合、その含有量の増加に伴う硬化樹脂層の耐摩耗性の低下が抑えられる傾向にある。
光硬化性樹脂組成物中における光安定剤(E)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)の100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.5〜3質量部がより好ましい。光安定剤(E)の含有量が0.1質量部以上であれば、硬化樹脂層の耐候性がさらに向上する。光安定剤(E)の含有量が5質量部以下であれば、硬化樹脂層の耐摩耗性の低下が抑えられる。
(架橋性単量体)
本発明の光硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲でラジカル重合性不飽和基を2つ以上有する架橋性単量体(架橋性オリゴマーを包含する。ただし、熱可塑性樹脂(A)を除く。)を含んでいてもよい。本発明の光硬化性樹脂組成物は、硬化前の表面タック性、あるいはロール状態での保存安定性の点から、架橋性単量体を実質的に含まないことが好ましい。架橋性単量体を実質的に含まないとは、意図的に架橋性単量体を配合していないことを意味する。本発明の光硬化性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)の製造時に副生した架橋性単量体、熱可塑性樹脂(A)の製造時に用いた原料の単量体に不純物として含まれていた架橋性単量体等の不可避的不純物としての架橋性単量体を含む可能性がある。
架橋性単量体は、光硬化性樹脂組成物の保存安定性、積層成形品の製造時の粘着性、印刷工程通過性および耐金型汚染性の点から選択することが重要である。これらの点から、架橋性単量体としては、分子量2,000以上の架橋性単量体が好ましい。また、60℃以下(好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下)で固形の架橋性単量体が好ましい。
架橋性単量体としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。
2官能の(メタ)アクリレート:トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等。
3官能の(メタ)アクリレート:トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等。
4官能の(メタ)アクリレート:テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等。
架橋性オリゴマー:ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、ポリウレタン(メタ)アクリレート(ポリウレタンのジアクリレート等)、エポキシ(メタ)アクリレート(ビスフェノールA型エポキシアクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等)、シリコーン(メタ)アクリレート等。
架橋性単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(その他の成分)
本発明の光硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲で必要に応じて各種添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、増感剤、紫外線吸収剤、変性用樹脂、染料、顔料、レベリング剤、ハジキ防止剤、酸化安定剤、酸素阻害抑制剤等が挙げられる。
増感剤を含むことによって、光硬化性樹脂組成物の硬化反応を促進できる。
増感剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントン等が挙げられる。
増感剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
紫外線吸収剤を含むことによって、紫外線吸収剤が紫外線を吸収し、熱エネルギーに変換することで光硬化性樹脂組成物層、熱可塑性フィルム層、加飾層、接着層または成形品本体中の発色団の光励起や光化学反応を抑制し、得られる積層成形品の変色、褪色、物性低下等を抑制できる。
紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤および無機系紫外線吸収剤のいずれも用いることができる。紫外線吸収剤としては、硬化樹脂層の透明性の点から、有機系紫外線吸収剤が好ましい。
有機系紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
無機系紫外線吸収剤としては、例えば、平均粒子径が0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機化合物が挙げられる。
紫外線吸収剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
紫外線吸収剤を用いる場合、紫外線吸収剤の吸収波長領域と光重合開始剤(D)の吸収波長領域とが重なることがある。その場合は、光硬化性樹脂組成物の硬化性、硬化樹脂層の耐候性、耐摩耗性等が低下することがあるため、紫外線吸収剤の吸収波長領域と光重合開始剤(D)の吸収波長領域が重ならないようにすることが好ましい。
積層成形品の製造時に光硬化性樹脂組成物層が高温となる場合には、硬化樹脂層の表面硬度を良好とするために、n−メチルジエタノールアミン等の酸素阻害抑制剤を添加してもよい。
光硬化性樹脂組成物を光硬化する際に、積層成形品の製造時の熱と熱重合開始剤を利用した熱硬化を併用してもよい。
熱重合開始剤としては、各種過酸化物が挙げられる。
熱重合開始剤による熱硬化を併用する場合には、150℃で30秒程度で硬化させることが好ましい。したがって、熱重合開始剤としては、臨界温度の低い過酸化物、例えば、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。
熱重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱重合開始剤の含有量は、硬化後の残存量が耐候性に影響するため、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。
熱可塑性樹脂(A)とその他の成分とを混合する方法としては、無機微粒子(C)の場合と同様の方法が挙げられる。なお、熱可塑性樹脂(A)を製造した後にその他の成分を混合する方法が、熱可塑性樹脂(A)の製造時の重合反応を阻害することがない点で好ましい。
光硬化性樹脂組成物中におけるその他の成分の合計の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、0〜15質量部が好ましく、0〜10質量部がより好ましく、0〜5質量部がさらに好ましい。
(作用機序)
以上説明した本発明の光硬化性樹脂組成物にあっては、平均粒子径が0.5〜7.0μmであり、真比重が1.25〜1.9である球状微粒子(B)を含むため、良好な艶消し外観を有する光硬化性樹脂組成物層を形成できる。
また、以上説明した本発明の光硬化性樹脂組成物にあっては、ラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(A)および平均粒子径が0.001〜0.2μmである無機微粒子(C)に加え、真比重が1.25〜1.9である球状微粒子(B)をさらに含むため、硬化後の表面の耐摩耗性に優れる光硬化性樹脂組成物層を形成できる。
また、以上説明した本発明の光硬化性樹脂組成物にあっては、硬化性を有する成分がラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(A)であるため、硬化前の表面タック性が抑えられた光硬化性樹脂組成物層を形成できる。
<積層フィルム>
本発明の積層フィルムは、成形品本体の表面に光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂層を設けるための積層フィルムである。
本発明の積層フィルムは、立体形状の成形品本体の表面に光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂層を設けるための三次元成形品用積層フィルムであることが好ましい。
本発明の積層フィルムは、光硬化性樹脂組成物層と、熱可塑性フィルム層とを有し、必要に応じて加飾層、接着層、プライマーシート層、保護シート層等をさらに有していてもよい。
積層フィルムの光硬化性樹脂組成物層の表面における60°鏡面光沢度は、90%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましい。光硬化性樹脂組成物層の表面における60°鏡面光沢度が90%以下であれば、艶消し外観がさらに良好になり、積層成形品の外観の高級感、落ち着き感が大幅に向上する。
60°鏡面光沢度は、JIS Z 8741に準拠してグロスメータ(光沢計)を用いて測定する。
積層フィルムの全光線透過率は、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。積層フィルムの全光線透過率が85%以上であれば、透明性に優れた艶消し積層フィルムとなり、艶消しの硬化性樹脂層とは反対側の熱可塑性フィルム層の表面に絵柄が印刷された場合に、硬化性樹脂層側から見える絵柄が鮮明になる。
全光線透過率は、JIS K 7361−1に準拠してヘーズメータを用いて測定する。
積層フィルムにおいては、光硬化性樹脂組成物層の表面における60°鏡面光沢度Gsと、光硬化性樹脂組成物層側から測定したイエローインディックスYIとが、下記式(1)の関係を満足することが好ましく、下記式(1−1)の関係を満足することがより好ましく、下記式(1−2)の関係を満足することがさらに好ましい。
YI≦100×Gs−0.8 ・・・(1)
YI≦100×Gs−0.9 ・・・(1−1)
YI≦100×Gs−1.0 ・・・(1−2)
GsとYIとが前記式の関係を満足すれば、色味に優れた艶消し積層フィルムとなり、艶消し面と反対側の面に絵柄が印刷された場合に、艶消し面側から見える絵柄が鮮明になる。
イエローインディックスは、ASTM D1925に準拠して、色差計を用い、光源:C光源、角度:2°の条件にて測定する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の積層フィルムの第1の実施形態を示す断面図である。
積層フィルム1は、熱可塑性フィルム層10と、熱可塑性フィルム層10の第1の面に形成された光硬化性樹脂組成物層12とを有する。
(熱可塑性フィルム層)
熱可塑性フィルム層10は、熱可塑性フィルムからなる層である。熱可塑性フィルムは、光硬化性樹脂組成物層12、加飾層、接着層等を形成する際の基材フィルムとなる。
熱可塑性フィルムとしては、例えば、下記の熱可塑性樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂からなるフィルムまたは該フィルムの積層体が挙げられる。
ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)系樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン共重合体)系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等)、フッ素系樹脂、セロファン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂(ナイロン等)、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−ビニルアルコール系樹脂、軟質アクリル系樹脂等。
熱可塑性フィルムとしては、インモールド成形またはインサートモールド成形における金型の形状への追従性の点から、100℃加熱時における伸度が100%以上である熱可塑性フィルムが好ましい。
熱可塑性フィルムとしては、光硬化性樹脂組成物層12と熱可塑性フィルム層10との密着性、熱可塑性フィルム層10の耐候性、透明性等の点から、架橋ゴム成分を含む透明熱可塑性アクリル樹脂のフィルムがより好ましい。架橋ゴム成分を含む透明熱可塑性アクリル樹脂のフィルムとしては、例えば、特開平9−263614号公報に開示されている多層構造を有するアクリル樹脂を押出成形することによって得られる透明熱可塑性アクリル樹脂のフィルムが挙げられる。
熱可塑性フィルム層10の厚さは、300μm以下が好ましい。三次元成形品用積層フィルムの場合、熱可塑性フィルム層10の厚さは、50〜300μmが好ましい。熱可塑性フィルム層10の厚さが50μm以上であれば、積層成形品の外観において十分な深みが得られる。また、成形品本体が複雑な形状を有する場合、積層フィルム1が延伸しても十分な厚みが得られる。熱可塑性フィルム層10の厚さが300μm以下であれば、適度な剛性を有することになるため、ラミネート性、成形加工性等が向上する。また、単位面積あたりの質量の点で、経済的に有利になる。さらには、製膜性が安定して熱可塑性フィルムの製造が容易になる。
熱可塑性フィルムは、必要に応じて、滑剤(ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等)、減摩剤(シリカ、球状アルミナ、鱗片状アルミナ等)、可塑剤、安定剤、着色剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
熱可塑性フィルムは、例えば積層成形品を屋外で用いる場合、紫外線吸収剤、光安定剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤、光安定剤としては、光硬化性樹脂組成物の説明において例示した物と同様のものが挙げられる。
(光硬化性樹脂組成物層)
光硬化性樹脂組成物層12は、未硬化の本発明の光硬化性樹脂組成物からなる層である。本発明の光硬化性樹脂組成物からなる光硬化性樹脂組成物層12は、表面タック性が抑えられ、表面タック性の経時変化が抑えられているため、積層フィルム1をロール状態で保存する際の保存安定性が良好である。また、加飾層または接着層を形成する際のトラブルを抑えられるため、積層フィルム1の歩留まりが良好となる。
光硬化性樹脂組成物層12の厚さは、2〜20μmが好ましく、3〜15μmがより好ましく、5〜10μmさらに好ましい。光硬化性樹脂組成物層12の厚さが2μm以上であれば、硬化樹脂層の耐摩耗性、耐薬品性等がさらに良好となる。光硬化性樹脂組成物層12の厚さが20μm以下であれば、積層フィルム1を用いてインモールド成形またはインサートモールド成形の際に、予備加熱を行っても金型に積層フィルム1が貼り付き難い。また、製造される積層成形品の表面外観が良好である。
(積層フィルムの製造)
積層フィルム1は、熱可塑性フィルムの表面に光硬化性樹脂組成物層12を形成することによって製造されれる。
熱可塑性フィルムの表面に光硬化性樹脂組成物層12を形成する方法としては、例えば、光硬化性樹脂組成物を有機溶媒に十分に溶解させた溶液を、熱可塑性フィルムの表面に塗布または印刷した後、乾燥によって有機溶媒を揮発させる方法が挙げられる。
塗布方法としては、ナイフコート法、コンマコート法、リバースコート法、ディップコート法等の公知の塗布方法が挙げられる。
印刷方法としては、後述する印刷層の形成方法と同様の方法が挙げられる。
熱可塑性フィルムの樹脂材料が、光硬化性樹脂組成物層12との密着性が低いポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等)等である場合、熱可塑性フィルム層10と光硬化性樹脂組成物層12との密着性を改善するために、熱可塑性フィルムに前処理を施すことが好ましい。前処理としては、あらかじめ熱可塑性フィルムの表面に低分子量ポリオレフィン等からなるプライマを塗付しておく方法;あらかじめコロナ放電等で熱可塑性フィルムの表面を活性化しておく方法が挙げられる。なお、コロナ放電を行う場合、光硬化性樹脂組成物層12と熱可塑性フィルム層10との密着性を高める点から、熱可塑性フィルムの表面に光硬化性樹脂組成物層12を形成する直前に、コロナ放電処理を行うことが好ましい。
光硬化性樹脂組成物層12が硬化する際に体積収縮して硬化樹脂層と熱可塑性フィルム層10との密着性が低下するのを防ぐ目的で、熱可塑性フィルム層10と光硬化性樹脂組成物層12との間にプライマ層を設けてもよい。
[第2の実施形態]
図2は、本発明の積層フィルムの第2の実施形態を示す断面図である。
積層フィルム2は、熱可塑性フィルム層10と、熱可塑性フィルム層10の第1の面に形成された光硬化性樹脂組成物層12と、熱可塑性フィルム層10の第1の面とは反対側の第2の面に形成された加飾層14を有する。
以下、第1の実施形態と同じ構成のものについては、同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
(加飾層)
加飾層14は、積層フィルム2を用いて製造された積層成形品の表面に、模様、文字等の加飾を施すための層である。
加飾層14としては、印刷層、蒸着層等が挙げられる。
加飾の種類としては、任意のものを選択することができ、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字、全面ベタの柄等が挙げられる。
加飾層14の厚さは、積層成形品に所望の表面外観が得られるよう、例えば、インモールド成形またはインサートモールド成形における積層フィルム2の伸張度合いに応じて任意に選択することができる。
(印刷層)
印刷層を形成するための材料としては、例えば、樹脂バインダおよび着色剤を含む着色インキが挙げられる。
樹脂バインダとしては、例えば、下記のものが挙げられる。
ポリビニル系樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体等)、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキッド樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂等。
着色剤としては、公知の染料および顔料から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
顔料としては、例えば、下記のものが挙げられる。
黄色顔料:アゾ系顔料(ポリアゾ等)、有機顔料(イソインドリノン等)、無機顔料(黄鉛等)等。
赤色顔料:アゾ系顔料(ポリアゾ等)、有機顔料(キナクリドン等)、無機顔料(弁柄等)等。
青色顔料:有機顔料(フタロシアニンブルー等)、無機顔料(コバルトブルー等)等。
黒色顔料:アニリンブラック等。
白色顔料:二酸化チタン等。
印刷層の形成方法としては、例えば、印刷法(オフセット印刷法、グラビア輪転印刷法、スクリーン印刷法等)、コート法(ロールコート法、スプレーコート法等)が挙げられる。
(蒸着層)
蒸着層の材料としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、インジウム、スズ、銀、チタニウム、鉛及び亜鉛から選ばれる少なくとも1つの金属またはそれらの合金もしくは金属化合物が挙げられる。
蒸着層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法等が挙げられる。
[他の実施形態]
積層フィルムは、各層間の密着性、成形品本体との密着性を向上させるために、各層間の界面、光硬化性樹脂組成物層の表面および熱可塑性フィルム層の表面からなる群から選ばれる1つ以上に、接着層を有していてもよい。
積層フィルムは、接着層と成形品本体との密着性を向上させるために、また、成形品本体の表面欠陥が硬化樹脂層に伝播することを抑制するために、接着層の表面にプライマーシート層を有していてもよい。
積層フィルムは、積層フィルムの表面の防塵のために、また、硬化前の光硬化性樹脂組成物層の表面の傷つき防止のために、光硬化性樹脂組成物層の表面、熱可塑性フィルム層の表面、接着層の表面、またはプライマーシート層の表面に保護シート層を有していてもよい。
(接着層)
接着層の材料としては、各層間の密着性、成形品本体との密着性を向上させるものであればよく、任意の合成樹脂材料が挙げられる。
接着層の材料としては、例えば、下記のものが挙げられる。
プライマーシート層または成形品本体の樹脂がポリアクリル系樹脂の場合:ポリアクリル系樹脂。
プライマーシート層または成形品本体の樹脂がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂またはポリスチレン系ブレンド樹脂の場合:これら樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂またはポリアミド系樹脂。
プライマーシート層または成形品本体の樹脂がポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン等)の場合:塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、環化ゴム、クマロンインデン系樹脂またはブロックイソシアネートを用いた熱硬化型ウレタン系樹脂。
接着層の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
接着層は、接着層の粘着性低減、耐熱性向上を目的として、疎水性シリカ、エポキシ樹脂、石油樹脂等を含んでいてもよい。
接着層の形成方法としては、前述した光硬化性樹脂組成物層の形成方法または印刷層の形成方法と同様の方法が挙げられる。
(プライマーシート層)
プライマーシート層は、接着層の表面にプライマーシートを貼り合わせて形成される層である。
プライマーシートとしては、成形品本体との密着性を高める点から、成形品本体の樹脂と相溶性の高い樹脂を用いたシートが好ましく、成形品本体の樹脂と同じ樹脂を用いたシートがより好ましい。
プライマーシート層の厚さは、30〜750μmが好ましい。プライマーシート層の厚さが30μm以上であれば、曲面でのシート厚みを著しく低下させることなく、深しぼり成形を行うことができる。プライマーシート層の厚さが750μm以下であれば、積層フィルムの金型への形状追従性を低下させることなく、成形を行うことができる。
(保護シート層)
保護シート層は、光硬化性樹脂組成物層の表面、熱可塑性フィルム層の表面、または接着層の表面に保護シートを貼り合わせて形成される層である。
保護シート層は、積層成形品を製造する直前に剥離してもよく、積層成形品を製造した後に剥離してもよい。
保護シートとしては、光硬化性樹脂組成物層の表面、熱可塑性フィルム層の表面、接着層の表面、またはプライマーシート層の表面に対して適度な密着性および良好な離型性を有するものが好ましい。保護シートとしては、適度な密着性および良好な離型性を有する保護シートであれば、任意の保護シートを選択して用いることができ、例えば、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリエステル系フィルム等が挙げられる。
(作用機序)
以上説明した本発明の積層フィルムにあっては、光硬化性樹脂組成物層が平均粒子径が0.5〜7.0μmであり、真比重が1.25〜1.9である球状微粒子(B)を含むため、良好な艶消し外観を有する。
また、以上説明した本発明の積層フィルムにあっては、光硬化性樹脂組成物層がラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(A)および平均粒子径が0.001〜0.2μmである無機微粒子(C)に加え、真比重が1.25〜1.9である球状微粒子(B)をさらに含むため、硬化後の表面の耐摩耗性に優れる。
また、以上説明した本発明の積層フィルムにあっては、光硬化性樹脂組成物層に含まれる硬化性を有する成分がラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(A)であるため、硬化前の表面タック性が抑えられる。
<積層成形品>
本発明の積層成形品は、成形品本体と、本発明の積層フィルムの光硬化性樹脂組成物層が硬化してなる硬化樹脂層とを有する積層成形品であり、積層成形品の最表面の少なくとも一部が硬化樹脂層である。
本発明の積層成形品は、(α)成形品本体の表面に、硬化樹脂層が最表面となるように本発明の積層フィルムを貼り合わせたものであってもよく;(β)成形品本体の表面に、熱可塑性フィルム層よりも硬化樹脂層が成形品本体側となるように本発明の積層フィルムを貼り合わせた後、熱可塑性フィルム層を剥がし、硬化樹脂層を成形品本体の表面に残したものであってもよい。
(α)の積層成形品としては、積層フィルムの熱可塑性フィルム層が成形品本体と接するように積層された積層成形品、積層フィルムの加飾層が成形品本体と接するように積層された積層成形品、積層フィルムの接着層が成形品本体と接するように積層された積層成形品、積層フィルムのプライマーシート層が成形品本体と接するように積層された積層成形品が挙げられる。
図3は、(α)の積層成形品の一例を示す断面図である。
積層成形品20は、成形品本体22の表面に、硬化樹脂層(図示略)が最表面となるように積層フィルム1または積層フィルム2を貼り合わせたものである。
本発明の積層成形品における硬化樹脂層の下記方法によって求めた耐摩耗性は、−15〜10%が好ましく、−10〜10%がより好ましく、−10〜5%がさらに好ましい。耐摩耗性が前記範囲内であれば、表面に傷が少し入っただけでも外観上の欠点となりやすい、ピアノブラック調、メッキ調等の高輝度の意匠性を有する積層成形品において、耐摩耗性が大幅に向上する。
(耐摩耗性の求め方)
積層成形品から縦:100mm×横:100mmの試験片を切り出す。
試験片のヘーズを、JIS K 7105に準拠したヘーズメータを用いて測定する。
JIS K 7204に準拠したテーバー摩耗試験機を用いて、2個の摩耗輪(CS−10F(TypeIV))を試験片の硬化樹脂層の上にセットした後、摩耗輪1個あたりの荷重:4.9N、吸引口高さ:1.5mm、回転速度:70rpm、試験回数:100回転の条件にて試験片の硬化樹脂層側の表面を摩耗する。
摩耗試験後の試験片のヘーズを、JIS K 7105に準拠したヘーズメータを用いて測定する。
下記式(2)から耐摩耗性を求める。
耐摩耗性=試験後のヘーズ−試験前のヘーズ ・・・(2)
(成形品本体)
成形品本体は、平面形状のものであってもよく、立体形状(三次元形状)のものであってもよい。成形品本体としては、立体形状(三次元形状)のものが好ましい。
平面形状の成形品本体の製造方法としては、例えば、押出成形方法または流延法が挙げられる。
立体形状の成形品本体の製造方法としては、射出成形法、ブロー成形法、真空成形法、圧空成形法、熱せられたゴムを押し付ける押圧成形法またはプレス成形法が挙げられる。
成形品本体の材料としては、射出成形等の各種成形が可能な全ての樹脂が挙げられ、例えば、下記の樹脂が挙げられる。
汎用の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂:オレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体系樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー等)、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、AS系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等。
汎用エンジニアリング樹脂:ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等。
スーパーエンジニアリング樹脂:ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂等。
繊維強化樹脂:PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等をマトリックス樹脂と組み合わせた炭素繊維複合材料等。
成形品本体は、必要に応じて、ガラス繊維、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ等の無機フィラー等の補強材を含んでいてもよい。
成形品本体は、ゴム成分等の改質剤を添加した複合樹脂、各種変性樹脂等を含んでいてもよい。
成形品本体の収縮率を積層フィルムの収縮率に近似させることによって、積層成形品の反り、積層フィルムの剥がれ等の不具合を解消することが好ましい。
(積層成形品の他の実施形態)
本発明の積層成形品においては、硬化樹脂層の表面に、必要に応じて微細凹凸構造を形成してもよい。
積層成形品が自動車のボディーパネル、スポイラー等のように大型形状で、成形品本体の肉厚が薄い場合には、成形品本体と積層フィルムとの間にガス透過性を有するガス透過性層を設けてもよい。ガス透過性層によって、成形品本体の成形時に後述する樹脂から発生するガスが成形品本体内に残留するという問題、金型内の空気が成形品本体と積層フィルムとの間に介在するという問題、および成形品本体に対する積層フィルムの密着性が低下するという問題を解決することができる。
ガス透過性層としては、スパンデックス、アクリル繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミド系繊維等で構成された織布または不織布の層を挙げることができる。また、織布や不織布の代わりに、発泡層を設けてもよい。発泡層の形成方法としては、例えば、公知の発泡剤を含む樹脂溶液を塗付した後に加熱等により発泡させて連続空孔を形成させる方法が挙げられる。
(積層成形品の用途)
積層成形品の用途としては、例えば、下記のものが挙げられる。
自動車内装用部材:インストルメントパネル、コンソールボックス、メーターカバー、ドアロックペゼル、ステアリングホイール、パワーウィンドウスイッチベース、センタークラスタ、ダッシュボード等。
自動車外装用部材:ウェザーストリップ、バンパ、バンパーガード、サイドマッドガード、ボディーパネル、スポイラ、フロントグリル、ストラットマウント、ホイールキャップ、センターピラー、ドアミラー、センターオーナメント、サイドモール、ドアモール、ウインドモール、窓、ヘッドランプカバー、テールランプカバー、風防部品等。
AV機器等の各種フロントパネル。
ボタン、エンブレム等の表面化粧材。
携帯電話等の各種部品:ハウジング、表示窓、ボタン等。
家具用外装材。
建築用内装材:壁面、天井、床等。
建築用外装材:外壁(サイディング等)、塀、屋根、門扉、破風板等。
家具類の表面化粧材:窓枠、扉、手すり、敷居、鴨居等の。
光学部材:各種ディスプレイ、レンズ、ミラー、ゴーグル、窓ガラス等。
自動車以外の各種乗り物(電車、航空機、船舶等)の内外装用部材。
雑貨:各種包装容器(瓶、化粧品容器、小物入れ等)、包装材料、景品、小物等。
その他各種用途。
(作用機序)
以上説明した本発明の積層成形品にあっては、最表面の硬化樹脂層が平均粒子径が0.5〜7.0μmであり、真比重が1.25〜1.9である球状微粒子(B)を含むため、良好な艶消し外観を有する。
また、以上説明した本発明の積層フィルムにあっては、最表面の硬化樹脂層が、ラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(A)の硬化物および平均粒子径が0.001〜0.2μmである無機微粒子(C)に加え、真比重が1.25〜1.9である球状微粒子(B)をさらに含むため、表面の耐摩耗性に優れる。
<積層成形品の製造方法>
本発明の積層成形品の製造方法は、成形品本体の表面に、本発明の積層フィルムを積層する工程と、成形品本体の表面に積層フィルムを積層した後、光硬化性樹脂組成物層を硬化させ、硬化樹脂層を形成する工程とを有する。
本発明の積層成形品の製造方法としては、例えば、下記の方法(i)〜(iii)が挙げられる。
(i)積層フィルムを金型内に挿入し、金型内に成形品本体となる樹脂を射出して射出成形を行った後、熱可塑性フィルム層を剥がし、光硬化性樹脂組成物層または硬化樹脂層を成形品本体の表面に残すインモールド転写法。
(ii)積層フィルムを金型内に挿入し、金型内に成形品本体となる樹脂を射出して射出成形を行い、積層フィルムを成形品本体の表面に積層するインモールド成形法またはインサートモールド成形法。
(iii)積層フィルムを成形品本体の上に配置し、積層フィルムを加熱した後に真空圧空成形し、積層フィルムを成形品本体の表面に積層するTOM成形法。
(方法(i))
方法(i)としては、下記の工程を有する方法が挙げられる。
(i−1)積層フィルムを、熱可塑性フィルム層側が金型の内壁面と向き合うように、金型内に挿入、配置する挿入工程。
(i−2)前記工程(i−1)の後に、積層フィルムを予備成形して、金型の形状に追従させる予備成形工程。
(i−3)前記工程(i−2)の後に、積層フィルムが挿入、配置された金型を閉じて、溶融した樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることによって、積層フィルムを成形品本体の表面に積層する積層工程。
(i−4)前記工程(i−3)の後に、熱可塑性フィルム層を剥離する剥離工程。
(i−5)前記工程(i−3)と前記工程(i−4)との間または前記工程(i−4)の後に、活性エネルギー線を照射することによって光硬化性樹脂組成物層を光硬化させ、硬化樹脂層を形成する光硬化工程。
(方法(ii))
方法(ii)のインモールド成形法としては、下記の工程を有する方法が挙げられる。
(iia−1)積層フィルムを、光硬化性樹脂組成物層側が金型の内壁面と向き合うように、金型内に挿入、配置する挿入工程。
(iia−2)前記工程(iia−1)の後に、積層フィルムを予備成形して、金型の形状に追従させる予備成形工程。
(iia−3)前記工程(iia−2)の後に、積層フィルムが挿入、配置された金型を閉じて、溶融した樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることによって、積層フィルムを成形品本体の表面に積層する積層工程。
(iia−4)前記工程(iia−3)の後に、活性エネルギー線を照射することによって光硬化性樹脂組成物層を光硬化させ、硬化樹脂層を形成する光硬化工程。
方法(ii)のインサートモールド成形法としては、下記の工程を有する方法が挙げられる。
(iib−1)積層フィルムを、光硬化性樹脂組成物層側が金型の内壁面と向き合うように、金型内に挿入、配置する挿入工程。
(iib−2)前記工程(iib−1)の後に、積層フィルムが挿入、配置された金型を閉じて、溶融した樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることによって、積層フィルムを成形品本体の表面に積層する積層工程。
(iib−3)前記工程(iib−2)の後に、活性エネルギー線を照射することによって光硬化性樹脂組成物層を光硬化させ、硬化樹脂層を形成する光硬化工程。
(方法(iii))
方法(iii)としては、下記の工程を有する方法が挙げられる。
(iii−1)積層フィルムの熱可塑性フィルム層側が成形品本体と向き合うように、積層フィルムおよび成形品本体をチャンバーボックス内に挿入配置する挿入工程。
(iii−2)前記工程(iii−1)の後に、チャンバーボックスを閉じて、積層フィルムを予備加熱し、真空圧空成形を行って積層フィルムを成形品本体の形状に追従させる積層工程。
(iii−3)前記工程(iii−2)の後に、活性エネルギー線を照射することによって光硬化性樹脂組成物層を光硬化させ、硬化樹脂層を形成する光硬化工程。
(方法(i)〜(iii)共通)
本発明の積層成形品の製造方法においては、積層フィルムに保護シート層が設けられている場合には、保護シート層を積層フィルムから剥離した後に積層フィルムを用いることが好ましい。保護シート層を剥離するタイミングは、挿入工程の前であればいつでもよく、光硬化性樹脂組成物層の表面の防塵や傷つき防止の点から、挿入工程の直前が好ましい。
挿入工程における積層フィルムの挿入方法としては、ロールから積層フィルムを巻き出しながら、長尺の積層フィルムを間欠的に挿入する方法;枚葉の積層フィルムを1枚ずつ挿入する方法のいずれの方法でもよい。加飾層を有する長尺の積層フィルムの場合には、位置決め機構を有する送り装置を用い、加飾層と金型との見当が一致するようにすることが好ましい。また、加飾層を有する長尺の積層フィルムを間欠的に挿入する際に、積層フィルムの位置をセンサで検出した後に積層フィルムを固定するようにすれば、常に同じ位置で積層フィルムを固定することができ、加飾層の位置ずれが生じないので便利である。
予備成形工程における積層フィルムの予備成形の方法としては、例えば、ホットパック等の加熱手段によって積層フィルムをその軟化点以上の温度で軟化させ、金型に設けられた吸引孔を通じて真空吸引することによって金型の形状に積層フィルムを追従させる方法が挙げられる。積層フィルムを金型内に挿入、配置する前に、積層フィルムをあらかじめ積層フィルムの熱変形温度未満の温度に予熱しておくと、積層フィルムを金型内に挿入、配置した後に行う加熱時間を短縮することができ、生産性を向上させる点で好ましい。
また、予備成形工程においては、積層工程で用いる射出成形用金型とは別の立体加工成形用型を用いて、ブロー成形法、真空成形法、圧空成形法、熱せられたゴムを押し付ける押圧成形法、プレス成形法等の公知の成形法によって、積層フィルムをあらかじめ所望の形状に予備成形してもよい。
予備成形工程を経ずに積層工程において成形品本体を形成する場合、積層フィルムをあらかじめ予備加熱して軟化させておくことも可能である。
積層工程で成形品本体を形成する方法としては、射出成形法が挙げられる。
光硬化工程のタイミングとしては、積層工程で得られた積層成形品を金型から取り出した後、または積層工程で得られた積層成形品を金型から取り出す前のいずれでもよい。
活性エネルギー線は、光硬化性樹脂組成物層に含まれる光重合開始剤(D)がラジカルを発生し得るものであればよく、特に限定しない。
活性エネルギー線の照射条件は、任意に設定でき、通常、照射エネルギーで100〜10,000mJ/cm程度である。
本発明の積層成形品の製造方法においては、得られる積層成形品の端部に形成される積層フィルムの不要部分は適宜トリミングして除去することができる。
トリミングのタイミングとしては、積層フィルムを金型内に挿入、配置した後、積層成形品に活性エネルギー線を照射する前、または積層成形品に活性エネルギー線を照射した後のいずれでもよい。
トリミングの方法としては、例えば、レーザ光線等を照射して積層フィルムを焼き切る方法、トリミング用の打ち抜き型を作製してプレス加工によって積層フィルムを打ち抜く方法、人手により積層フィルムをちぎって除去する方法が挙げられる。
(作用機序)
本発明の積層成形品の製造方法にあっては、本発明の積層フィルムを用いているため、良好な艶消し外観を有し、かつ表面の耐摩耗性に優れる積層成形品を製造できる。
積層フィルムが加飾層を有する場合は、意匠性が付与された積層成形品を得ることができる。また、従来の成形後のスプレー塗装等と比較して、工程の短縮、歩留まりの向上および環境への影響の低減を達成することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中、「部」は「質量部」を意味する。また、本実施例における各種測定、評価は以下の方法により行った。
(単量体の重合率)
単量体の重合後、熱可塑性樹脂(A)の溶液中に残存する単量体を、ガスクロマトグラフィ(アジレント・テクノロジー社製、HP6890)によって分析し、単量体の仕込み量および残存する単量体の量から、熱可塑性樹脂(A)の製造時における単量体の重合率(質量%)を算出した。
(固形分)
熱可塑性樹脂(A)の固形分は、下記の方法によって測定した。
熱可塑性樹脂(A)の溶液または分散液の約0.5gをアルミニウム皿の上に採取し、正確な質量を測定した。室温にて溶媒または分散媒を揮発させた後、80℃で4時間加熱して、得られた透明固体の質量を測定し、固形分(質量%)を算出した。
(数平均分子量(Mn))
熱可塑性樹脂(A)のMnは、高速GPC装置(東ソー社製、HLC−8220GPC)を用いて測定した。熱可塑性樹脂(A)のMnは、ポリスチレン換算の値とした。
(二重結合当量)
熱可塑性樹脂(A)の二重結合当量(g/mol)は、単量体の仕込み量および単量体の重合率から熱可塑性樹脂(A)の構造を推定し、算出した。
(ガラス転移温度(Tg))
熱可塑性樹脂(A)のTgは、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製、DSC6200)を用い、アルミニウム容器に熱可塑性樹脂(A)の10mgを秤量し、−100℃〜150℃までの昇温速度:10℃/分、N流量:50mL/minの条件で測定した。
(平均粒子径)
球状微粒子(B)の平均粒子径は、球状微粒子(B)を走査型電子顕微鏡にて観察し、50個の微粒子を無作為に選び出し、各微粒子の粒子径を測定し、50個の微粒子の粒子径を平均して求めた。
無機微粒子(C)の平均粒子径は、無機微粒子(C)を含む光硬化性樹脂組成物の硬化物の断面を透過型電子顕微鏡にて観察し、50個の微粒子を無作為に選び出し、各微粒子の粒子径を測定し、50個の微粒子の粒子径を平均して求めた。
(全光線透過率)
積層フィルムの全光線透過率は、ヘーズメータ(日本電色工業社製、NDH4000)を用いて、硬化樹脂層側を光源側としてJIS K 7361−1に準拠して測定した。
(ヘーズ)
積層フィルムのヘーズは、ヘーズメータ(日本電色工業社製、NDH4000)を用いて、硬化樹脂層側を光源側としてJIS K 7136に準拠して測定した。
(60°鏡面光沢度)
60°鏡面光沢度は、光沢計(コニカミノルタ社製、UNI GLOSS 60)を用いて、硬化樹脂層側を光源側としてJIS Z 8741に準拠して測定した。
(イエローインディックス(YI))
YIは、色差計(日本電色工業社製、SE 2000)を用いて、硬化樹脂層側を光源側としてASTM D1925に準拠して、光源:C光源、角度:2°の条件にて測定した。
(表面タック性)
未硬化状態の光硬化性樹脂組成物層の表面タック性は、光硬化性樹脂組成物層を指触し、下記基準にて判定した。
ランクA:光硬化性樹脂組成物層の表面にタック感がない。
ランクC:光硬化性樹脂組成物層の表面にタック感がある。
(耐摩耗性)
光硬化後の積層成形品から縦:100mm×横:100mmの試験片を切り出した。
試験片のヘーズを、ヘーズメータ(日本電色工業社製、NDH4000)を用い、JIS K 7105に準拠して、測定径:7mmで測定した。
JIS K 7204に準拠したテーバー摩耗試験機(東洋精機製作所社製、ロータリーアブレージョンテスタ、型式:TS)を用いて、2個の摩耗輪(テーバー社製、CS−10F(TypeIV))を試験片の硬化樹脂層の上にセットした後、摩耗輪1個あたりの荷重:4.9N、吸引口高さ:1.5mm、回転速度:70rpm、試験回数:100回転の条件にて試験片の硬化樹脂層側の表面を摩耗した。
摩耗試験後の試験片のヘーズを、ヘーズメータ(日本電色工業社製、NDH4000)を用い、JIS K 7105に準拠して、測定径:7mmで測定した。
下記式(2)から耐摩耗性を求めた。
耐摩耗性=試験後のヘーズ−試験前のヘーズ ・・・(2)
(熱可塑性樹脂(A))
熱可塑性樹脂(A−1)の製造:
窒素導入口、撹拌機、コンデンサおよび温度計を備えた容量1Lの4つ口フラスコに、溶媒としてメチルエチルケトンの80部を入れ、80℃に昇温した。フラスコ内を窒素雰囲気下とし、メチルエチルケトンの27.5部、メチルメタクリレートの86部、グリシジルメタクリレートの21.5部およびアゾビスイソブチロニトリルの0.376部の単量体混合物(1)を4時間かけて滴下した。メチルエチルケトンの32.3部およびアゾビスイソブチロニトリルの0.2部の混合物を30分間かけて滴下し、重合を実施した。重合開始から11時間30分経過した後、メチルエチルケトンの72.5部、ヒドロキノンモノメチルエーテルの0.538部、トリフェニルホスフィンの2.69部およびアクリル酸の10.9部の単量体混合物(2)を30分間かけて滴下し、空気を吹き込みながら80℃で34時間30分撹拌した。フラスコ内を冷却した後、反応物をフラスコから取り出し、ペンダント基にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(A−1)の溶液を得た。単量体の重合率は99.5質量%以上であり、熱可塑性樹脂(A−1)の固形分は約37質量%であり、Mnは約25,000であり、二重結合当量は約782g/molであり、Tgは約96℃であった。
(球状微粒子(B))
球状微粒子(B)および比較用の球状微粒子としては、表1に示す球状微粒子(B−1)〜(B−5)、(b−6)を用意した。
球状微粒子(B)および比較用の球状微粒子の真比重、平均粒子径および屈折率を表3に示す。球状微粒子(B−1)〜(B−5)、(b−6)はいずれも球形度が0.85以上であった。
(無機微粒子(C))
無機微粒子(C−1)の製造:
撹拌機、温度計およびコンデンサを備えた容量3Lの4つ口フラスコに、メタノールシリカゾル(日産化学工業社製、MT−ST、分散媒:メタノール、SiO濃度:30質量%、一次粒子径:10〜20nm)の1200部と、有機シラン化合物としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−503、分子量:248)の230部を入れ、撹拌しながら昇温した。揮発成分の還流が始まった後、脱イオン水の33部を加えて還流下で2時間撹拌しながら加水分解を行い、アルコール、水等の揮発成分を留出させて、固形分濃度が60質量%になるように調整した。トルエンの700部を追加し、3時間撹拌しながらアルコール、水等をトルエンと一緒に共沸留出させた。完全に溶媒置換を行うため、アルコール、トルエンを留出させながら110℃で4時間反応を実施し、無機微粒子(C−1)の分散液を得た。無機微粒子(C−1)の固形分は61.8質量%であり、平均粒子径は0.014μmであった。
(光重合開始剤(D))
光重合開始剤(D)としては、表1に示す光重合開始剤(D−1)を用意した。
(光安定剤(E))
光安定剤(E)としては、表1に示す光安定剤(E−1)を用意した。
Figure 2016036977
(熱可塑性フィルム)
熱可塑性フィルムとして、架橋ゴム成分を含む厚さ75μmの透明軟質アクリル樹脂フィルム(三菱レイヨン社製、アクリプレン(登録商標)HBS010)を用意した。
(成形品本体用樹脂)
成形品本体用樹脂として、アクリル系樹脂(三菱レイヨン社製、アクリペット(登録商標)VH)を用意した。
(インモールド成形法)
表2に示す真空引き機能を有する金型およびインモールド成形装置を用いた。成形条件は、表2に示す条件とした。
Figure 2016036977
[実施例1]
表3に示す組成の光硬化性樹脂組成物の溶液を調製した。
光硬化性樹脂組成物の溶液を熱可塑性フィルムの表面に塗工幅:300mmで塗布した後、熱風乾燥機を用いて乾燥し、厚さ8μmの光硬化性樹脂組成物層が熱可塑性フィルム層の上に積層された積層フィルムを得た。
積層フィルムの全光線透過率、ヘーズ、60°鏡面光沢度、YI、および未硬化状態の表面タック性を評価した。評価結果を表3に示す。
積層フィルムを、光硬化性樹脂組成物層側が金型の内壁面と向き合うように、金型内に挿入、配置した。積層フィルムを予備成形して、金型の形状に追従させた。金型を閉じて、溶融した樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させることによって、積層フィルムを成形品本体の表面に積層した。紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、アイグランテージ(登録商標)(4kw)ECS−401GX)を用いて、約560mJ/cmの紫外線を照射して光硬化性樹脂組成物層を硬化させ、最表面に硬化樹脂層を有する積層成形品を得た。積層成形品の耐摩耗性および60°鏡面光沢度を評価した。評価結果を表3に示す。
[実施例2〜14および比較例1〜3]
光硬化性樹脂組成物を表3、表4に示す組成に変更したこと以外は実施例1と同様にして積層フィルムおよび積層成形品を得て、各種評価を実施した。評価結果を表3、表4に示す。
Figure 2016036977
Figure 2016036977
実施例1〜14は、真比重1.25〜1.9の球状微粒子(B)を含んでいるため、真比重1.2の比較用の球状微粒子を同じ含有量で含む比較例1〜3に比べ、耐摩耗性が良好であった。
本発明の積層成形品は、自動車内装用部材、自動車外装用部材等の車両用部材、建築用内装材、建築用外装材等の建材、各種表面化粧材、光学部材等として有用である。
1、2 積層フィルム
10 熱可塑性フィルム層
12 光硬化性樹脂組成物層
14 加飾層
20 積層成形品
22 成形品本体

Claims (15)

  1. 成形品本体の表面に光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂層を設けるための、光硬化性樹脂組成物層および熱可塑性フィルム層を有する積層フィルムに用いられる光硬化性樹脂組成物であって、
    ラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹脂(A)と、
    平均粒子径が0.5〜7.0μmであり、真比重が1.25〜1.9である球状微粒子(B)と、
    平均粒子径が0.001〜0.2μmである無機微粒子(C)と、
    光重合開始剤(D)と
    を含む、光硬化性樹脂組成物。
  2. 立体形状の成形品本体の表面に光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂層を設けるための三次元成形品用積層フィルムに用いられる光硬化性樹脂組成物である、請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 前記熱可塑性樹脂(A)が、エポキシ基を有する単量体に由来する構成単位を有する重合体のエポキシ基に、カルボキシ基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物のカルボキシ基を反応させて得られたものである、請求項1または2に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 前記無機微粒子(C)が、(メタ)アクリロイル基を有する基を表面に有するシリカ微粒子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 架橋性単量体を実質的に含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. 成形品本体の表面に光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂層を設けるための積層フィルムであって、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の光硬化性樹脂組成物からなる光硬化性樹脂組成物層と、
    熱可塑性フィルム層とを
    有する、積層フィルム。
  7. 立体形状の成形品本体の表面に光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる硬化樹脂層を設けるための三次元成形品用積層フィルムである、請求項6に記載の積層フィルム。
  8. 加飾層をさらに有する、請求項6または7に記載の積層フィルム。
  9. 前記光硬化性樹脂組成物層の厚さが、2〜20μmである、請求項6〜8のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  10. 前記光硬化性樹脂組成物層の表面における60゜鏡面光沢度が、90%以下である、請求項6〜9のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  11. 全光線透過率が、85%以上である、請求項6〜10のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  12. 前記光硬化性樹脂組成物層の表面における60゜鏡面光沢度Gsと、前記光硬化性樹脂組成物層側から測定したイエローインディックスYIとが、下記式(1)の関係を満足する、請求項6〜11のいずれか一項に記載の積層フィルム。
    YI≦100×Gs−0.8 ・・・(1)
  13. 成形品本体と、
    請求項6〜12のいずれか一項に記載の積層フィルムの前記光硬化性樹脂組成物層が硬化してなる硬化樹脂層と
    を有する積層成形品であり、
    前記積層成形品の最表面の少なくとも一部が、前記硬化樹脂層である、積層成形品。
  14. 前記硬化樹脂層の下記方法によって求めた耐摩耗性が、−15〜10%である、請求項13に記載の積層成形品。
    (耐摩耗性の求め方)
    積層成形品から縦:100mm×横:100mmの試験片を切り出す。
    試験片のヘーズを、JIS K 7105に準拠したヘーズメータを用いて測定する。
    JIS K 7204に準拠したテーバー摩耗試験機を用いて、2個の摩耗輪(CS−10F(TypeIV))を試験片の硬化樹脂層の上にセットした後、摩耗輪1個あたりの荷重:4.9N、吸引口高さ:1.5mm、回転速度:70rpm、試験回数:100回転の条件にて試験片の硬化樹脂層側の表面を摩耗する。
    摩耗試験後の試験片のヘーズを、JIS K 7105に準拠したヘーズメータを用いて測定する。
    下記式(2)から耐摩耗性を求める。
    耐摩耗性=試験後のヘーズ−試験前のヘーズ ・・・(2)
  15. 成形品本体の表面に、請求項6〜12のいずれか一項に記載の積層フィルムを積層する工程と、
    前記成形品本体の表面に前記積層フィルムを積層した後、前記光硬化性樹脂組成物層を硬化させ、硬化樹脂層を形成する工程と
    を有する、積層成形品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019218435A (ja) * 2018-06-15 2019-12-26 セーレン株式会社 インクジェットインク、インクジェットプリント物およびインクジェットプリント物の製造方法
CN113227300A (zh) * 2018-12-28 2021-08-06 三星Sdi株式会社 粘合剂组合物、固化产物及表面保护膜

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