JP2002196101A - 光学部品用基材 - Google Patents

光学部品用基材

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JP2002196101A
JP2002196101A JP2000390687A JP2000390687A JP2002196101A JP 2002196101 A JP2002196101 A JP 2002196101A JP 2000390687 A JP2000390687 A JP 2000390687A JP 2000390687 A JP2000390687 A JP 2000390687A JP 2002196101 A JP2002196101 A JP 2002196101A
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JP
Japan
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substrate
acrylic resin
weight
modified acrylic
optical component
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JP2000390687A
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English (en)
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Hidenobu Egashira
秀伸 江頭
Yukio Katahira
幸夫 片平
Shigeru Owada
茂 大和田
Isamu Kirikihira
勇 桐木平
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性・耐湿性・耐傷性に優れ、光学歪が少
なく生産性に優れる光学部品用基材を提供することにあ
る。 【解決手段】 変性アクリル樹脂と多官能アクリレート
とを含有して成り、紫外線照射により架橋させるととも
に、膨潤度がJIS K−6388に規定された方法により測定
して0.01〜1重量%であることを特徴とする光学部品用
基材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成型した後に紫外
線により架橋することにより製作される光学部品用基材
に関するものであり、特に、耐熱性・耐湿性・耐傷性に
優れ、光学歪の少ない光学部品用基材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ(LCD)装置は、薄
型・小型・低消費電力等の特徴を生かし、携帯電話やノ
ートパソコン・車載用のナビゲータのモニター等の用途
に用いられており、最近ではカラー化により、その市場
は急激に拡大しつつある。このような、LCD装置を構
成するフロントライトやバックライトユニットには、デ
ィスプレイ面を保護するとともに表示を見易くするため
の導光板やプラスチックレンズ等の光学部品が用いられ
ており、この光学部品に用いられる基材は、車載用のた
めに耐熱性の向上が望まれ、絵や文字認識のために光学
歪の低減が望まれている。
【0003】このようなフロントライトやバックライト
ユニットに用いられる光学部品用基材としては、アクリ
ル樹脂やポリカーボネート樹脂を射出成型して形成した
基材や、エポキシアクリレートまたはウレタンアクリレ
ート等のオリゴマーと多官能アクリレートとを注型し、
紫外線架橋して形成した基材が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アクリ
ル樹脂から成る基材は透明性に優れてはいるものの、耐
熱性や耐湿性に劣るという問題点を有していた。また、
ポリカーボネート樹脂から成る基材はアクリル樹脂より
耐熱性や耐湿性に優れているが、成形時の溶融粘度が高
いために、表面に凹凸パターンを有する導光板やプラス
チックレンズ等の形状の基材においては、光学歪が残り
易いという問題点を有していた。
【0005】さらに、エポキシアクリレートやウレタン
アクリレート等のオリゴマーと多官能アクリレートとを
紫外線架橋し形成した基材は、注型で成型しているため
に光学歪が少ないものの、架橋サイクルタイムが長いた
めに生産性が劣るという問題点を有していた。また、こ
の基材は、表面硬度が低く傷がつき易いために、架橋後
にハードコートしなければならないという問題点も有し
ていた。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み案
出されたものであり、その目的は耐熱性・耐湿性・耐傷
性に優れ、光学歪が少なく生産性に優れる光学部品用基
材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光学部品用基材
は、変性アクリル樹脂と多官能アクリレートとを含有し
て成り、紫外線照射により架橋させた光学部品用基材で
あって、膨潤度がJISK-6388に規定された方法により測
定して0.01〜1重量%であることを特徴とするものであ
る。
【0008】また、本発明の光学部品用基材は、変性ア
クリル樹脂が60〜90重量%、多官能アクリレートが10〜
40重量%含有されていることを特徴とするものである。
【0009】さらに、本発明の光学部品用基材は、変性
アクリル樹脂の数平均分子量(Mn)が30000〜100000
であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)の比(Mw/Mn)で示される分子量分布値が2〜
5であることを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の光学部品用基材は、ビニル
変性シランカップリング剤が変性アクリル樹脂と多官能
アクリレートとの合計に対して0.1〜2重量%含有され
ているとともに、表面硬度がJIS K-5400に規定された方
法により測定して3H以上であることを特徴とするもの
である。
【0011】本発明の光学部品用基材によれば、変性ア
クリル樹脂と多官能アクリレートとを含有して成り、紫
外線照射により架橋させた光学部品用基材の膨潤度をJI
S K-6388に規定された方法により測定して0.01〜1重量
%としたことから、架橋密度が高くなり吸水性を低下す
ることができるとともに、熱変形温度をアクリル樹脂よ
りも20〜50℃高くすることができ、耐湿性と耐熱性に優
れた光学部品用基材とすることができる。
【0012】また、本発明の光学部品用基材によれば、
変性アクリル樹脂を60〜90重量%、多官能アクリレート
を10〜40重量%含有させたことから、変性アクリル樹脂
のTg−20〜+20℃と低い温度範囲および102〜104Pa
・sの低粘度で凹凸パターンを成型でき、さらに紫外線
架橋することにより成型時の歪を緩和することができる
ので、光学歪の少ない光学部品用基材とすることができ
る。
【0013】さらに、本発明の光学部品用基材によれ
ば、変性アクリル樹脂の数平均分子量(Mn)を30000
〜100000とし、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比(Mw/Mn)で示される分子量分布値を
2〜5としたことから、成型時の溶融張力に優れる高分
子量成分の特性および溶融流動性に優れる低分子量成分
の特性を両方具備することができ、光学部品用基材の製
造において、シート状に押出し成型し金型で凹凸パター
ンを形成し紫外線架橋する連続工程をとることができる
ので、生産性に優れた光学部品用基材とすることができ
る。
【0014】また、本発明の光学部品用基材によれば、
ビニル変性シランカップリング剤を変性アクリル樹脂と
多官能アクリレートとの合計に対して0.1〜2%含有さ
せて、表面硬度を3H以上したことから、基材の表面に
摩擦等で傷がつき難くなり、耐傷性に優れる光学部品用
基材とすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の光学部品用基材を
詳細に説明する。本発明の光学部品用基材は、変性アク
リル樹脂と多官能アクリレートとを含有して成り、紫外
線照射により架橋させた光学部品用基材である。
【0016】本発明の光学部品用基材は、変性アクリル
樹脂と多官能アクリレートとの混合物を成型した後、紫
外線で架橋して膨潤度を0.01〜1重量%と低くしたこと
から、架橋密度が高くなり吸水性を低下することができ
るとともに、熱変形温度をアクリル樹脂よりも20〜50℃
高くすることができ、耐湿性と耐熱性に優れたものとす
ることができる。
【0017】なお、ここで膨潤度とは、樹脂の架橋密度
を示すパラメータであり、膨潤度が低くなるに従って架
橋密度が高くなる。測定方法はJIS K-6388に規定されて
おり、その値は変性アクリル樹脂と多官能性アクリレー
トとから成る樹脂組成物を押出し成型し紫外線架橋した
後の光学部品用基材を、トルエン等のアクリル樹脂を溶
解する有機溶剤中に25℃で24時間浸漬後の重量変化量か
ら算出される。光学部品用基材の膨潤度としては0.01〜
1重量%の範囲が好ましく、0.01重量%未満では硬く脆
くなり組立てや使用時に割れたり欠けたりする傾向にあ
り、1重量%を超えると架橋密度が低くなり熱変形温度
が低くなるとともに吸水量が大きくなり耐熱性や耐湿性
に劣る傾向にある。従って、膨潤度は0.01〜1重量%の
範囲が好ましい。
【0018】また、本発明の光学部品用基材は、変性ア
クリル樹脂を60〜90重量%、多官能アクリレートを10〜
40重量%含有している。
【0019】本発明の光学部品用基材においては、変性
アクリル樹脂を60〜90重量%、多官能アクリレートを10
〜40重量%含有していることから、変性アクリル樹脂の
Tg−20〜+20℃と低い温度範囲および102〜104Pa・
sの低粘度で凹凸パターンを成型でき、さらに紫外線架
橋することにより成型時の歪を緩和することができるの
で、光学歪の少ない光学部品用基材とすることができ
る。
【0020】光学部品用基材に含有される変性アクリル
樹脂は、メタクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エス
テル等にアクリル酸アリル、ジビニルベンゼンやビニル
マレイミド等を共重合することにより製作され、側鎖に
紫外線で架橋するビニル基がぶら下がった共重合体であ
る。
【0021】変性アクリル樹脂の含有量は60〜90重量%
の範囲が好ましく、60重量%より少ないとシート状に押
出し成型し金型で微細な凹凸パターンを形成することが
困難となる傾向にあり、90重量%を超えると膨潤度が高
くなり、架橋密度が低下し耐熱性や耐湿性が劣ってしま
う傾向にある。従って、変性アクリル樹脂の含有量は60
〜90重量%の範囲が好ましい。
【0022】また、多官能アクリレートは、(メタ)ア
クリロイル基を複数有する低分子量化合物であり紫外線
で変性アクリル樹脂と共架橋できる。このような多官能
アクリレートとしては、ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチルプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリストールヘキサ(メタ)アクリレート等が用いられ
る。また、エポキシアクリレートやウレタンアクリレー
トも併用してもかまわない。
【0023】多官能アクリレートの含有量は10〜40重量
%の範囲が好ましく、10重量%より少ないと架橋密度が
低下し耐熱性や耐湿性が劣ってしまう傾向にあり、40重
量%を超えるとシート状に押出し成型し金型で微細な凹
凸パターンを形成することが難しくなる傾向にある。従
って、多官能アクリレートの含有量は10〜40重量%の範
囲が好ましい。
【0024】なお、上記の変成アクリル樹脂と多官能ア
クリレートとを紫外線照射により架橋して光学部品用基
材を製作する場合、光架橋開始剤を変性アクリル樹脂と
多官能性アクリレートとの混合物に対して、0.1〜3重
量%添加することが好ましい。光架橋開始剤は、紫外線
照射によりその分子が切断されラジカルを発生し、この
ラジカルにより変性アクリル樹脂や多官能アクリレート
の(メタ)アクリロイル基を反応させ架橋させる働きが
ある。
【0025】このような光架橋開始剤としては、例えば
2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モル
フォリノプロパン-1-オンや2-ベンジル-2-ジメチル
アミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1
等のα-アミノケトン系、1-ヒドロキシ-シクロヘキシ
ル-フェニル-ケトンや2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フ
ェニル-プロピオン-1-オンや等のα-ヒドロキシケトン
系、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-
オン等のベンジルジメチルケタール系が用いられる。
【0026】光架橋開始剤の含有量が、変性アクリル樹
脂と多官能性アクリレートとの混合物に対して0.1重量
%より少ないと、架橋速度が遅くなってしまう傾向にあ
り、また、3重量%を超えると架橋後も光架橋開始剤が
光学部品用基材内に残り、黄変などの光学特性を低下さ
せる傾向にある。従って、光架橋開始剤の含有量は、変
性アクリル樹脂と多官能性アクリレートとの混合物に対
して、0.1〜3重量%にの範囲が好ましい。なお、N-メ
チルジエタノールアミンや4,4-ジエチルアミノベン
ゾフェノン等の光架橋開始促進剤と併用してもかまわな
い。
【0027】また、本発明の光学部品用基材において
は、変性アクリル樹脂の数平均分子量(Mn)は30000
〜100000が好ましく、重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で示す分子量分布値
は2〜5が好ましい。
【0028】本発明の光学部品用基材においては、変性
アクリル樹脂の数平均分子量(Mn)を30000〜100000
とし、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
の比(Mw/Mn)で示される分子量分布値を2〜5と
したことから、成型時の溶融張力に優れる高分子量成分
の特性と溶融流動性に優れる低分子量成分の特性とを両
方具備することができ、光学部品用基材の製造におい
て、シート状に押出し成型し金型で凹凸パターンを形成
し紫外線架橋する連続工程をとることができるので、生
産性に優れた光学部品用基材とすることができる。
【0029】変性アクリル樹脂の数平均分子量は30000
〜100000の範囲が好ましく、30000未満では溶融粘度が
低くなり過ぎシート状に押出し成型することが困難とな
る傾向にあり、100000を超えると溶融粘度が高くなり過
ぎ金型で微細な凹凸パターンを形成することが難しくな
る傾向にある。従って、変性アクリル樹脂の数平均分子
量(Mn)は30000〜100000の範囲が好ましい。また、
変性アクリル樹脂の分子量分布値が2より低いと高分子
量成分が少なく溶融張力が小さくなりシート状の成型が
困難となる傾向にあり、5を超えると超高分子量成分が
発生しそれが析出して透光性を低下させてしまう傾向に
ある。従って、変性アクリル樹脂の分子量分布値は2〜
5の範囲が好ましい。
【0030】なお、変性アクリル樹脂の数平均分子量
(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミ
ネションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し
算出される。
【0031】さらに、本発明の光学部品用基材において
は、ビニル変性シランカップリング剤を変性アクリル樹
脂と多官能アクリレートとの合計に対して0.1〜2重量
%含有させて、表面硬度を3H以上したことから、基材
の表面に摩擦等で傷がつき難くなり、耐傷性に優れる光
学部品用基材とすることができる。これは、金型で凹凸
パターンを形成する際にビニル変性シランカップリング
剤が基材表面に析出し、紫外線を照射することによりそ
れが変性アクリル樹脂や多官能アクリレートと共架橋す
ることにより、基材表面をハードコートして表面硬度を
3H以上にするためである。ビニル変性シランカップリ
ング剤の含有量は0.1〜2重量%が好ましく、0.1重量%
より少ないと表面に傷がつき易い傾向にあり、2重量%
を超えると表面に斑状に析出し外観を悪くする傾向にあ
る。従って、ビニル変性シランカップリング剤の含有量
は0.1〜2重量%が好ましい。
【0032】このようなビニル変性シランカップリング
剤は、アリルプロピレンエーテルトリメトキシシラン、
スチリルブチレンエーテルトリエトキシシラン、アクリ
ロイルペンチルエーテルトリメトキシシラン等が挙げら
れる。なお、表面硬度は、JIS K-5400に規定されてお
り、硬さの異なる鉛筆で光学部品用基材を擦り、傷の有
無で評価する。
【0033】また、本発明の光学部品用基材において
は、耐衝撃性を向上させるためにスチレン-エチレン-ブ
チレン-スチレンやスチレン-エチレン-プロピレン-スチ
レン等のエラストマーを併用してもかまわない。さら
に、必要に応じて成型前に滑剤・酸化防止剤・黄変防止
剤・帯電防止剤等を添加してもかまわない。
【0034】このような光学部品用基材は、変性アクリ
ル樹脂と、多官能アクリレートとの混合物を溶融混練
し、シート状に押出し成型し、金型で微細な凹凸パター
ンを形成し、紫外線架橋する連続工程で製作される。本
発明の光学部品用基材においては、変性アクリル樹脂の
Tg−20〜+20℃と低い温度範囲および102〜104Pa・
sの低粘度で凹凸パターンを成型でき、さらに紫外線架
橋することにより成型時の歪を緩和することができるの
で、生産性に優れるとともに光学歪の少ない光学部品用
基材とすることができる。また、アクリル樹脂やポリカ
ーボネート樹脂等を用いた光学部品用基材は、そのまま
では表面硬度が低い(H以下)ため傷がつき易く、シリ
コンプライマーを塗布してハードコートしているが、本
発明の光学部品用基材は、ビニル変性シランカップリン
グ剤を変性アクリル樹脂と多官能アクリレートとの合計
に対して0.1〜2重量%含有させて、表面硬度を3H以
上したことから、基材の表面に摩擦等で傷がつき難くな
り、耐傷性に優れる光学部品用基材とすることができ
る。
【0035】次に、本発明の光学部品用基材を図面に基
づいて説明する。図1(a)、図1(b)は本発明の光学部品
用基材の実施の形態の一例を示す斜視図である。これら
の図において、1は導光板、2はレンズアレイ、3は光
学素子である。
【0036】導光板1およびレンズアレイ2は、変性ア
クリル樹脂と多官能アクリレートと光架橋開始剤とを含
有して成り、紫外線照射により架橋させた基材であり、
長さ・幅がそれぞれ20〜100mm程度、厚みが0.5〜2m
m程度の略四角形状である。導光板1には上面に突起が
三角形状の光学素子3が形成され、レンズアレイ2には
上面に突起が半球形状の光学素子3が形成されている。
【0037】なお、本発明は上記の例に限定されるもの
ではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更・改良
を施すことは何ら差し支えない。例えば、本発明の光学
部品用基材に屈折率の異なる膜による反射防止機能を付
与するために、光学部品用基材の表面上に酸化アンチモ
ンや酸化スズ等の高屈折率物質を塗布し、さらに、その
上にシリコンやフッ素マグネシウム等の低屈折率物質を
塗布してもかまわない。
【0038】
【実施例】本発明の光学部品用基材を評価するために、
以下のような樹脂組成物を用いた光学部品用基材を作成
した。なお、光学部品用基材の評価は、以下の試験方法
により実施した。
【0039】1)熱変形温度 ASTM D-648に規定された試験片に成型した光学部品用基
材を80℃で24時間乾燥後、試験片に4.6×105Paの荷重
を掛け、1℃/分間で昇温してゆき変形した温度を熱変
形温度とした。
【0040】2)吸水率 光学部品用基材を切り出した試験片を25℃のイオン交換
水に24時間浸漬後、重量変化量から算出した。
【0041】[実施例1]メタクリル酸メチル−メタク
リル酸エチル−アクリル酸アリル共重合体(Mn=8000
0,Mw/Mn=4)からなる変性アクリル樹脂80重量
%と、ペンタエリストールトリアクリレート20重量%と
の混合物に、光架橋開始剤として2-メチル-1[4-
(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-
1-オン2重量%と、ビニル変性シランカップリング剤
としてアリルプロピレンエーテルトリメトキシシラン1
重量%とを添加した樹脂組成物をホッパーに供給し、成
形機(L/D=25の単軸スクリュー押出機(型式「GS65
-25型」、池貝社製))内で混練溶融してシート状物を
製作し、プレス圧力1×107Paの条件下で、シート表
面に図1(a)に示すような微細な凹凸パターンを形成し
た後、照射面のランプ強度が400 mW/cm2の紫外線
を照射し、切断して光学部品用基材(基材A)を得た。
【0042】トルエン中に25℃で24時間浸漬後、基材A
の膨潤度は0.04 %であった。また、その表面硬度は3
Hであった。
【0043】基材Aは、熱変形温度が155℃であり、吸
水量が0.05 %であった。シュリーレン法による目視観
察を行ったが、光学歪は認められなかった。したがっ
て、紫外線架橋したことで、光学歪みの無い、良好な転
写性を有する光学部品用基材となることが確認できた。
【0044】なお、以上はあくまで本発明の実施の形態
の例示であって、本発明はこれらに限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改
良を加えることは何ら差し支えない。
【0045】
【発明の効果】本発明の光学部品用基材によれば、変性
アクリル樹脂と多官能アクリレートとを含有して成り、
紫外線照射により架橋させた光学部品用基材の膨潤度を
JIS K-6388に規定された方法により測定して0.01〜1重
量%としたことから、架橋密度が高くなり吸水性を低下
することができるとともに、熱変形温度をアクリル樹脂
よりも20〜50℃高くすることができ、耐湿性と耐熱性に
優れた光学部品用基材とすることができる。
【0046】また、本発明の光学部品用基材によれば、
変性アクリル樹脂を60〜90重量%、多官能アクリレート
を10〜40重量%含有させたことから、変性アクリル樹脂
のTg−20〜+20℃と低い温度範囲および102〜104Pa
・sの低粘度で凹凸パターンを成型でき、さらに紫外線
架橋することにより成型時の歪を緩和することができる
ので、光学歪の少ない光学部品用基材とすることができ
る。
【0047】さらに、本発明の光学部品用基材によれ
ば、変性アクリル樹脂の数平均分子量(Mn)を30000
〜100000とし、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比(Mw/Mn)で示される分子量分布値を
2〜5としたことから、成型時の溶融張力に優れる高分
子量成分の特性および溶融流動性に優れる低分子量成分
の特性を両方具備することができ、光学部品用基材の製
造において、シート状に押出し成型し金型で凹凸パター
ンを形成し紫外線架橋する連続工程をとることができる
ので、生産性に優れた光学部品用基材とすることができ
る。
【0048】また、本発明の光学部品用基材によれば、
ビニル変性シランカップリング剤を変性アクリル樹脂と
多官能アクリレートとの合計に対して0.1〜2%含有さ
せて、表面硬度を3H以上したことから、基材の表面に
摩擦等で傷がつき難くなり、耐傷性に優れる光学部品用
基材とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)、図1(b)は本発明の光学部品用基材の
実施の形態の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:導光板 2:レンズアレイ 3:光学素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桐木平 勇 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ株 式会社鹿児島国分工場内 Fターム(参考) 2H091 FA27X FA27Z FA28X FA28Z LA04 LA06 LA12 LA16 4J011 QA13 QA23 QA24 QB02 QB19 QB24 SA51 SA53 SA61 SA78 SA83 UA01 VA04 WA07 WA10 4J027 AA01 AE01 AG01 BA19 BA23 BA24 BA26 BA28 CB10 CC05 CD04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変性アクリル樹脂と多官能アクリレート
    とを含有して成り、紫外線照射により架橋させた光学部
    品用基材であって、膨潤度がJIS K−6388に規
    定された方法により測定して0.01〜1重量%である
    ことを特徴とする光学部品用基材。
  2. 【請求項2】 前記変性アクリル樹脂が60〜90重量
    %、前記多官能アクリレートが10〜40重量%含有さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の光学部品用基
    材。
  3. 【請求項3】 前記変性アクリル樹脂は、数平均分子量
    (Mn)が30000〜100000であり、重量平均
    分子量(Mw)と前記数平均分子量(Mn)の比(Mw
    /Mn)で示される分子量分布値が2〜5であることを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の光学部品用基
    材。
  4. 【請求項4】 ビニル変性シランカップリング剤が前記
    変性アクリル樹脂と前記多官能アクリレートとの合計に
    対して0.1〜2重量%含有されているとともに、表面
    硬度がJIS K−5400に規定された方法により測
    定して3H以上であることを特徴とする請求項1乃至請
    求項3のいずれかに記載の光学部品用基材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005146155A (ja) * 2003-11-17 2005-06-09 Mitsubishi Rayon Co Ltd 光硬化性樹脂組成物並びにそれを用いた光硬化性シート及びそれを用いた成形品の製造方法
JP2011073446A (ja) * 2010-09-24 2011-04-14 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 樹脂成形体の用途
US9050774B2 (en) 2010-04-30 2015-06-09 Fujifilm Corporation Antistatic laminate, optical film, polarizing plate, and image display device

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