JP2007269993A - 防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物及びそれを塗布した防眩性帯電防止ハードコート膜形成体 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面硬度が高く、耐擦傷性,基材との密着性などに優れると共に、白濁性が少なく良好な透明性を有するハードコート膜を形成できる防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物(A)と、4級アンモニウム塩基及び(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物(B)と、内部架橋された有機微粒子(C)と、光開始剤(D)とを混合してなり、内部架橋された有機微粒子(C)は、メチルメタクリレートとスチレンとの共重合体樹脂が主成分となる内部架橋された有機微粒子であり、屈折率が1.51〜1.55で、平均粒子径が1〜20μmであることを特徴とする防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を採用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、帯電防止性能と防眩性とを兼ね備え、且つ表面硬度、密着性、透明性、耐擦傷性、耐候性などが優れたハードコート膜を得ることができる防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物に関する。
一般に、高分子材料やガラスは、絶縁特性に優れている一方、帯電しやすいという特性を有する。そのため、これらの材料からなる製品の表面において、埃などの付着による汚れが目立つ場合があった。また、これらの材料を使用した精密機械においては、この材料に起因する帯電により、障害が発生するという問題があった。
そこで、従来は製品(基材)の表面に(メタ)アクリル系樹脂に帯電防止剤を混合したハードコート膜を設けることにより、帯電防止性能を付与する手法が適用されていた。
このハードコート層に用いられている(メタ)アクリル系樹脂は、高い表面硬度、光沢性、透明性を有することから、表面保護層として幅広く利用されているが、その反面、光学部材やディスプレイ用途においては、この高い光沢性が製品の表面をギラギラさせてしまい、マイナス面に働く場合がある。
そこで、このような用途においては、通常微粒子を添加した(メタ)アクリル系樹脂を用いてハードコート層表面に凹凸を形成させることにより、光を散乱させ防眩性を付与したノングレアハードコートが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
一方、微粒子を添加すると、単位体積中の帯電防止剤量が減少し、ハードコート膜の帯電防止性能が低下する傾向があった。さらに、微粒子の作用により、ハードコート膜の表面硬度、擦傷性、基材との密着性などの他の性能が低下してしまうという問題があった。
また、微粒子の特性によってはハードコート膜の内部で光の散乱が生じ、ハードコート膜の透明性が低下するという問題があった。
そこで、微粒子を比重0.1〜0.9の中空微粒子として(メタ)アクリル系樹脂に混合することによって、その中空粒子がより均一に分散された防眩性帯電防止ハードコートが得られる(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−323206号公報 特開2002− 67305号公報
しかしながら、上記のような有機微粒子を添加すると、アクリル系化合物を主成分とするハードコート塗液によって有機微粒子の一部が膨潤されて、有機微粒子同士が凝集しやすい傾向がある。
そのため、ハードコート液の粘度が上昇したり、そして、ゲル物が発生したりすることで、ハードコートの経時安定性が著しく低下することによって、ハードコートの塗工性に問題が生じた。また、得られたハードコート膜は、ゲル物による不良が多発する問題があった。
本発明は、前記課題を鑑てなされたもので、有機微粒子が均一に分散され、経時安定性の良い防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を提供することを課題とする。
さらに、表面硬度が高く、耐擦傷性、基材との密着性などに優れたハードコート膜を形成できる防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を提供することを課題とする。
さらにまた、白濁性の少なく、良好な透明性を有する防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明において上記課題を解決するために、以下のような解決手段を提案する。
すなわち、請求項1の発明では、
(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物(A)と、
4級アンモニウム塩基及び(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物(B)と、
内部架橋された有機微粒子(C)と、
光開始剤(D)とを混合してなり、
内部架橋された有機微粒子(C)は、メチルメタクリレートとスチレンとの共重合体樹脂が主成分となる内部架橋された有機微粒子であり、屈折率が1.51〜1.55で、平均粒子径が1〜20μmであることを特徴とする防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を採用する。
この発明によれば、内部架橋された高分子微粒子を使用することによって、経時安定性の良い防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を提供することができる。
また、請求項2の発明では、
化合物(A)60〜94重量部に対し、化合物(B)の配合量が5〜20重量部、内部架橋された有機微粒子(C)の配合量が1〜20重量部、光開始剤(D)が化合物(A)と(B)及び有機微粒子(C)の総量100重量部に対して0.1〜10重量部の配合比であることを特徴とする請求項1記載の防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を採用する。
この発明によれば、充分な防眩性や帯電防止性を有し、表面硬度が高く、耐擦傷性、基材との密着性などに優れたハードコート膜を形成できる防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を提供することができる。
また、請求項3の発明では、
請求項1または2に記載の防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を基材上に塗布してなることを特徴とする防眩性帯電防止ハードコート膜形成体とする。
この発明によれば、上記請求項1、2に記載の防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を用いて基材にコートすることによって、表面硬度が高く、耐擦傷性、基材との密着性などに優れ、さらに、ゲル物の無い、白濁性の少なく良好な防眩性と透明性の両方を重ね添えた良好な透明性を有する防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を提供することができる。
本発明は、下記に示す如き効果がある。
即ち、ハードコート膜の主成分である(メタ)アクリル系樹脂に、防眩性を付与するための微粒子を内部架橋された高分子微粒子として混合することによって、さらに帯電防止剤を混合することによって帯電防止性を付与するとともに、表面硬度が高く、耐擦傷性、基材との密着性などに優れ、さらに、ゲル物の無い、白濁性の少なく良好な防眩性と透明性の両方を重ね添えた良好な透明性を有する防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を提供することができる。
従って本発明は、帯電防止性と防眩性の両立を備えたハードコート膜を提供できるので、レンズ、ゴーグルなどの光学部品や液晶表示装置、などの各種ディスプレイ、リアプロジェクションテレビ用スクリーンの如き防眩性帯電防止ハードコート膜成形体として、優れた実用上の効果を発揮する。
以下、本発明の防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物の組成について詳細に説明する。
化合物(A)は、ハードコート膜の製造過程で重合して(メタ)アクリル系樹脂となり、ハードコート膜のベースを形成するものである。化合物(A)としては、(メタ)アクリロイル基を1個以上、好ましくは3個以上分子内に有するものであれば、特に限定されるものではない。好ましい具体例としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらは1種を単独で使用してもよいし、或いは2種以上を組合わせて使用してもよい。
また、基材との密着性を向上するため、トリシクロデカン骨格を備え、(メタ)アクリロイル基を1個以上、好ましくは1〜3個有するものを化合物(A)の一部として使用することが好ましい。具体的には、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどを例示することができ、特にジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレートなどが好ましい。
化合物(B)は、特にハードコート膜の表面抵抗の低下に寄与する、いわゆる帯電防止剤である。化合物(B)は、4級アンモニウム塩基を1個以上、好ましくは1〜3有するものが好ましい。また、(メタ)アクロイル基の1個以上、好ましくは1〜3個有する化合物が好ましい。
具体例としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムまたはブロマイド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドまたはブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドまたはブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムアセテート、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルヒドロキシブチルアンモニウムアセテート、[ジメチル(メタ)アクリロイルアミドプロピルグリシン]ベタイン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルスルファイト、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムーp-トルエンスルファイト、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルアンモニウムエチルスルファイト、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルエチルスルファイトなどを挙げることができる。特に塩基性分がクロライドアニオンのものを用いると、高い帯電防止性能を得ることができ、好ましい。
また他の帯電防止剤として、(メタ)アクリロイル基を分子内に有するリン化合物を併用しても良い。これら帯電防止剤の具体例として、例えばEO変性リン酸(メタ)アクリレート、EO変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、カプトラクトン−EO変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、EO変性トリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
また本発明に用いる内部架橋された高分子微粒子(C)は、ハードコート膜の表面に、防眩性と帯電防止性能に寄与する適度な凹凸を形成するものでり、メチルメタクリレートとスチレンとの共重合体樹脂が主成分とする内部架橋された高分子微粒子である。このような微粒子は、少なくとも1種のラジカル反応性多官能性モノマーの存在下で、メタクリレートモノマーとスチレンモノマーとを共重合させて製造することができる。ラジカル反応性多官能性モノマーとしては、例えばジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、多価アクリル酸エステル類、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
製造方法としては、通常のラジカル重合法でよく、特に重合粒子を微粒子に保つため乳化重合、懸濁重合方法が好ましい。特に粒子径分布の安定した微粒子を得るため、乳化重合が好ましい。
このように製造された内部架橋された微粒子は、メタクリレートとスチレンとの比率を変えることによって、屈折率を変えることができる。屈折率が1.51〜1.55、好ましくは1.515から1.535のものを用いると、ハードコート膜内で光の散乱が発生しにくく、防眩性を維持しつつ、同時に特に透明性の優れたハードコート膜を得ることができる。また、微粒子の平均粒子径は1〜20μm、好ましくは1〜10μmとされる。1μm未満では十分な凹凸が得られず、20μmを超えると透明性が低下するためである。
なお、本発明の防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物には、光開始剤(D)を配合することが好ましい。光開始剤(D)は、紫外線などの活性エネルギー線の照射によって、樹脂成分の重合を促進するものであれば特に限定することはない。例えば紫外線を照射した際に、ラジカルを発生する化合物などを用いることができる。具体例としては、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-メチル[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、ベンゾフェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル1-プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタン-1-オン、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドなどを挙げることができる。
光開始剤(D)は、化合物(A)と化合物(B)及び有機微粒子(C)の総量100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは1〜7重量部、さらに好ましくは1〜5重量部とされる。0.1重量部未満の場合は、ハードコート膜の硬度が不十分となり、10重量部をこえると、ハードコート膜にクラックが生じやすくなる場合がある。また、特に光開始剤(D)の配合量を1〜5重量部に設定すると、ハードコート膜が効率よく硬化し、クラックの発生を防ぐことができ、好ましい。
本発明の防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を構成する帯電防止剤の化合物(B)の配合量は、(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物(A)の配合量60〜94重量部に対して、5〜20重量部とするとよく、5重量部に満たないと十分な帯電防止能は得られず、20重量部を超えると成形体の硬度を低下させるために好ましくない。特に好ましくは帯電防止剤の配合量は、7〜15重量部であり、この時成形体の硬度を低下させること無く高い帯電防止能を得ることができる。
また内部架橋された高分子微粒子(C)の配合量は、(メタ)アクリル系樹脂である(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物(A)の配合量60〜94重量部に対して、1〜20重量部とするとよく、1重量部に満たないと、十分な防眩性を得ることができず、20重量部を超えると透過率を低下させるため好ましくない。特に好ましくは内部架橋された高分子微粒子の配合量は、(メタ)アクリル系樹脂である(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物(A)60〜94重量部に対して、5〜17重量部であり、このとき優れた透明性と高い防眩性持つハードコート膜が効果的に得られる。
本発明の防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物は、例えばこれらの化合物及び高分子微粒子、光開始剤の各成分を、適当な混合装置、例えばホモミキサーなどを用いて、適当な溶媒に溶解するとともに、混合することによって調整することができる。
またこの時の溶媒は特に限定することはないが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類などを挙げることができる。また濃度は、例えば化合物及び高分子微粒子、光開始剤の固形分に対して、30〜80%程度である。また適正な塗工性を得るため、例えば変性ポリジメチルシロキサンなどのレベリング剤や表面調整剤を添加することが可能である。
そして、この防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を基材の表面に塗工し、好ましくは加熱して溶媒を除去した後、紫外線などの光開始剤(D)の活性エネルギー線を照射することによってハードコート膜を形成することができる。塗工方式としては、例えばスロットコータ、スピンコータ、ロールコータ、カーテンコータ、スクリーン印刷などの従来の方式を例示することができる。溶媒を除去するための加熱温度や各工程の処理時間などは材料、溶媒の種類やハードコート膜の厚さなどによって適宜設定する。
なお、ハードコート膜の膜厚は0.1〜50μm程度、好ましくは5〜30μmとされる。0.1μm未満の場合は十分な鉛筆硬度は得られず、また50μmをこえるとクラックが生じやすくなる。
ハードコート膜を設ける物品(基材)は、特に限定せず、プラスティック、ガラス、金属などからなるものが挙げられる。
また、本発明においては、帯電防止性能と防眩性の両方を備えたハードコート膜を提供できるため、光学部品やディスプレイなどに適用すると好適である。具体的には、例えば、レンズ、ミラー、ゴーグル、窓ガラスや、液晶表示装置、CRT表示装置、プラズマ表示装置、エレクトロクロミック表示装置、発光ダイオード表示装置、EL表示装置などの各種ディスプレイの画面保護などに適用すると好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
<実施例1>
ペンタエリスリトールトリアクリレート(第一工業製薬社製、ニューフロンティアPET-3)62重量部、ジメチロールトリシクロデカンアクリレート(共栄社製)17重量部、帯電防止剤としてメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(共栄社製、ライトエステルDQ-100)14重量部、そして、平均粒子径4.9μm、屈折率1.534の内部架橋された高分子粒子7重量部、光開始剤として2−ヒドロキシ2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバガイギー社製、イルガキュアー184)3重量部をイソプロパノール10重量部にホモミキサーを用いて混合溶解して、アクリル系紫外線硬化可能なベースハードコート液を得た。そして、上記ベースハードコート液100重量部にレベリング剤としてBYK333表面調整剤2.5重量部、イソプロパノール110部を添加して混合した後、ロールコータにてアクリル系樹脂板上に20μmになるように塗布し、オーブンにて溶媒除去後、紫外線照射にて硬化させ、ハードコート膜を得た。得られたハードコート膜は、外観を目視で評価し、鉛筆硬度、表面抵抗、光沢、ヘイズ、密着性を測定した。
<実施例2>
ペンタエリスリトールトリアクリレート(第一工業製薬社製、ニューフロンティアPET-3)61重量部、ジメチロールトリシクロデカンアクリレート(共栄社製)14重量部、帯電防止剤としてメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(共栄社製、ライトエステルDQ-100)10重量部、そして、平均粒子径4.9μm、屈折率1.534の内部架橋された高分子粒子15重量部をを用いた以外は、実施例1と同様にハードコート膜を得た。得られたハードコート膜は、外観を目視で評価し、鉛筆硬度、表面抵抗、光沢、ヘイズ、密着性を測定した。
<実施例3>
平均粒子径8.0μm、屈折率1.534の内部架橋された高分子粒子7重量部を用いた以外は、実施例1と同様にハードコート膜を得た。得られたハードコート膜は、外観を目視で評価し、鉛筆硬度、表面抵抗、光沢、ヘイズ、密着性を測定した。
<比較例1>
平均粒子径4.9μm、屈折率1.534の内部架橋された有機粒子の代わりに、均粒子径5.0μm、屈折率1.530の非架橋有機粒子を用いた以外は、実施例1と同様にハードコート膜を得た。得られたハードコート膜は、外観を目視で評価し、鉛筆硬度、表面抵抗、光沢、ヘイズ、密着性を測定した。
<比較例2>
ペンタエリスリトールトリアクリレート(第一工業製薬社製、ニューフロンティアPET-3)53重量部、ジメチロールトリシクロデカンアクリレート(共栄社製)10重量部、帯電防止剤としてメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(共栄社製、ライトエステルDQ-100)7重量部、そして、平均粒子径4.9μm、屈折率1.534の内部架橋された高分子粒子30重量部をを用いた以外は、実施例1と同様にハードコート膜を得た。得られたハードコート膜は、外観を目視で評価し、鉛筆硬度、表面抵抗、光沢、ヘイズ、密着性を測定した。
上記の実施例、比較例で評価したハードコート膜の外観、鉛筆粘度、表面抵抗、光沢、ヘイズ、密着性は以下の方法で測定し、表1に示した。
「鉛筆硬度」;JIS K5400に準拠して行い、表面硬度について評価した。
「表面抵抗」;JIS K6911に準拠して行った。表面抵抗は1012以下、好ましくは1010以下であると帯電防止性能が良好である。
「光沢」;JIS Z8741に準拠して、ビックーガードナー(ドイツ)社のヘイズーグロス リフレクトメーターにて測定を行った。
「ヘイズ」;ASTM D1003−61に準拠して行った。
「密着性」;ハードコート層を碁盤目状に切断後、ハードコート膜の表面にニチバン社製のテープを貼り、により180°剥離を行い残存率を測定した。
Figure 2007269993
本発明の防眩性帯電防止ハードコート膜成形体の一実施の形態を模式的に表した側断面図である。
符号の説明
1……防眩性帯電防止ハードコート膜成形体
10……基材
20……ハードコート膜
22……内部架橋された高分子微粒子

Claims (3)

  1. (メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物(A)と、
    4級アンモニウム塩基及び(メタ)アクリロイル基を分子中に有する化合物(B)と、
    内部架橋された有機微粒子(C)と、
    光開始剤(D)とを混合してなり、
    内部架橋された有機微粒子(C)は、メチルメタクリレートとスチレンとの共重合体樹脂が主成分となる内部架橋された有機微粒子であり、屈折率が1.51〜1.55で、平均粒子径が1〜20μmであることを特徴とする防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物。
  2. 化合物(A)60〜94重量部に対し、化合物(B)の配合量が5〜20重量部、内部架橋された有機微粒子(C)の配合量が1〜20重量部、光開始剤(D)が化合物(A)と(B)及び有機微粒子(C)の総量100重量部に対して0.1〜10重量部の配合比であることを特徴とする請求項1記載の防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の防眩性帯電防止ハードコート樹脂組成物を基材上に塗布してなることを特徴とする防眩性帯電防止ハードコート膜形成体。
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