JP2002298648A - 導電性光硬化性樹脂組成物、導電性光硬化性シートおよび導電性インサート成形品 - Google Patents

導電性光硬化性樹脂組成物、導電性光硬化性シートおよび導電性インサート成形品

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JP2002298648A
JP2002298648A JP2001103568A JP2001103568A JP2002298648A JP 2002298648 A JP2002298648 A JP 2002298648A JP 2001103568 A JP2001103568 A JP 2001103568A JP 2001103568 A JP2001103568 A JP 2001103568A JP 2002298648 A JP2002298648 A JP 2002298648A
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conductive
sheet
resin
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JP2001103568A
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Shogo Okazaki
正吾 岡崎
Yoko Sumino
洋子 角野
Kenji Suemura
賢二 末村
Hiroyuki Watanabe
博之 渡辺
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 意匠性の良好な成形品の製造に有利に用いる
ことのできる、耐擦傷性および導電性(電磁波遮蔽、帯
電防止等)に優れ、かつ、粘着性がなく、加工性および
保存安定性に優れた導電性光硬化性積層シートを提供す
る。 【解決手段】 側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性
樹脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)および導電性
充填材(a−3)を含み、前記(a−1)以外の架橋性
化合物を実質的に含まない導電性光硬化性樹脂組成物
(A)、さらには導電性光硬化性樹脂組成物(A)が基
材シート(B)上に積層された導電性光硬化性シート、
それを用いた導電性光硬化性加飾シートおよび導電性光
硬化性インサート成形用シート、並びにそのような導電
性光硬化性シートを用いた導電性インサート成形品の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた外観、意匠
性、耐薬品性、耐擦傷性および導電性(電磁波遮蔽、帯
電防止等)を有し、粘着性のない導電性光硬化性シート
およびそれを用いた成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック製品を成形と同時にその表
面に装飾を施す方法として、(1)金型内表面に予め模
様を付けておく方法、(2)金型内壁面に転写フィルム
を装着し、成形と同時にフィルムの模様等を成形品の外
面に転写する方法、(3)機能付シートまたは印刷シー
トを金型内壁面に貼り付けておき、成形と同時にそのシ
ートを成形品表面に貼り付けする方法等が提案されてい
る。(2)または(3)の方法については、例えば、特
開昭60−250925号公報、特公昭59−3684
1号公報、特公平8−2550号公報に耐候性付与シー
トまたは印刷シートを金型内壁面に形成した後、成形用
樹脂を射出成形することによリシートで表面が被覆され
た成形品を製造する方法が提案されている。
【0003】しかしながら、上記の技術は、加飾や機能
性の付与を熱可塑性シートや印刷の転写で行っているた
め、得られた成形品の表面硬度が不充分なものであっ
た。例えば、成形品に耐候性を付与する場合には、ポリ
フッ化ビニリデン(PVDF)等からなる高耐候性シー
トを用いればよいが、十分な表面硬度が得られないとい
う問題がある。これに対して、表面硬度の高い成形品を
得ようとする場合には、予め架橋した表面硬度の高いシ
ートを用いなければならない。しかしながら、そのよう
なシートは、立体形状の成形品への適用が困難である。
【0004】一方、プラスチック製品の表面に成形と同
時に導電性を付与する方法として、特開平4−2012
14号公報に示されているように、アクリル樹脂、反応
性ビニル基を有する化合物、光重合開始剤および導電性
充填材を含有する樹脂組成物により形成される光硬化性
樹脂層とシート基材とが積層されてなる光硬化性シート
が提案されている。しかしながら、この方法では、光硬
化させる前のシートは、低分子量の反応性ビニル基を有
する化合物を含有するため、表面に粘着性が有り、ある
いは表面の粘着性が時間と共に変化する等の現象が起こ
り、ロール状態での保存安定性が不良である。具体的に
は、粘着して巻き出せなかったり、低温で保存しないと
両端より化合物がしみ出す等の問題があった。さらに
は、その粘着性のため、印刷シートとして使用する場合
の印刷工程において不具合が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、意匠
性の良好な成形品の製造に有利に用いることのできる、
耐擦傷性および導電性(電磁波遮蔽、帯電防止等)に優
れ、かつ、粘着性がなく、加工性および保存安定性に優
れた導電性光硬化性積層シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹
脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)および導電性充
填材(a−3)を含み、前記(a−1)以外の架橋性化
合物を実質的に含まない導電性光硬化性樹脂組成物
(A)、さらには導電性光硬化性樹脂組成物(A)が基
材シート(B)上に積層された導電性光硬化性シート、
それを用いた導電性光硬化性加飾シートおよび導電性光
硬化性インサート成形用シート、並びにそのような導電
性光硬化性シートを用いた導電性インサート成形品の製
造方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて順次説明する。本発明の導電性光硬化性樹脂組成物
は、側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂(a−
1)、光重合開始剤(a−2)および導電性充填材(a
−3)を含み、前記(a−1)以外の架橋性化合物を実
質的に含まないものである。
【0008】本発明においては、この導電性光硬化性樹
脂組成物(A)の層を基材シート(B)上に積層するこ
とにより、導電性光硬化性シートを得ることができる。
本発明の導電性光硬化性樹脂組成物においては、導電性
充填材を必須成分として含むことから、良好な導電性が
得られる。また、このようにポリマー側鎖に光重合性官
能基を有する構造を導入したことにより、ポリマー側鎖
間で架橋反応が進行するため、反応性ビニル基を有する
低分子量架橋性化合物を実質的に含有しなくても良好な
耐磨耗性が得られ、かつ、粘着性が無く、保存安定性に
優れるシートが得られるという利点を有する。
【0009】本発明に用いられる熱可塑性樹脂(a−
1)は、側鎖に光重合性官能基を有することから、ポリ
マー側鎖間で光架橋反応が進行することにより高い表面
硬度を発現することが可能となる。この光重合性官能基
としては、光を照射することにより重合を進行せしめる
ものであればよいが、好ましくはラジカル重合性不飽和
基、または下記構造式(1)で示される脂環式エポキシ
基が挙げられる。
【0010】
【化1】
【0011】側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱
可塑性樹脂としては、例えば、ガラス転移温度が25〜
175℃、好ましくは30〜150℃の、ポリマー中に
ラジカル重合性不飽和基を有するものが挙げられる。具
体的には、ポリマーとして、以下の化合物(1)〜
(8)を重合または共重合させたものに対し、後述する
方法(イ)〜(ニ)によりラジカル重合性不飽和基を導
入したものを用いることができる。
【0012】(1)水酸基を有する単量体:N−メチロ
ールアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリ
レート等 (2)カルボキシル基を有する単量体:(メタ)アクリ
ル酸、アクリロイルオキシエチルモノサクシネート等 (3)エポキシ基を有する単量体:グリシジル(メタ)
アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
(メタ)アクリレート等 (4)アジリジニル基を有する単量体:2−アジリジニ
ルエチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロ
ピオン酸アリル等 (5)アミノ基を有する単量体:(メタ)アクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート等 (6)スルホン基を有する単量体:2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸等 (7)イソシアネート基を有する単量体:2,4−トル
エンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレ
ートの等モル付加物のような、ジイソシアネートと活性
水素を有するラジカル重合性単量体の付加物、2−イソ
シアネートエチル(メタ)アクリレート等 (8)さらに、上記の共重合体のガラス転移温度を調節
したり、導電性光硬化性シートの物性を調和させたりす
るために、上記の化合物をそれと共重合可能な単量体と
共重合させることもできる。そのような共重合可能な単
量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、
トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、イソボルニ
ル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、
N−フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、
N−ブチルマレイミド等のイミド誘導体、ブタジエン等
のオレフィン系単量体、スチレン、α−メチルスチレン
等の芳香族ビニル化合物等を挙げることができる。
【0013】次に、上述のようにして得た重合体に、以
下に述べる方法(イ)〜(ニ)により側鎖にラジカル重
合性不飽和基を導入する。 (イ)水酸基を有する単量体の重合体または共重合体の
場合には、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有
する単量体等を縮合反応させる。 (ロ)カルボキシル基、スルホン基を有する単量体の重
合体または共重合体の場合には、前述の水酸基を有する
単量体を縮合反応させる。
【0014】(ハ)エポキシ基、イソシアネート基また
はアジリジニル基を有する単量体の重合体または共重合
体の場合には、前述の水酸基を有する単量体またはカル
ボキシル基を有する単量体を付加反応させる。 (ニ)水酸基またはカルボキシル基を有する単量体の重
合体または共重合体の場合には、エポキシ基を有する単
量体またはアジリジニル基を有する単量体、あるいはイ
ソシアネート基を有する単量体、またはジイソシアネー
ト化合物と水酸基含有アクリル酸エステル単量体との等
モル付加物を付加反応させる。
【0015】上記の反応は、微量のハイドロキノン等の
重合禁止剤を加え、乾燥空気を送りながら行うことが好
ましい。側鎖に脂環式エポキシ基を有する熱可塑性樹脂
としては、例えば、ガラス転移温度が25〜175℃、
好ましくは30〜150℃の、ポリマー側鎖中に脂環式
エポキシ基を有するものが挙げられる。具体的な合成例
を挙げると、例えば、第一の方法として、脂環式エポキ
シ基を有する(メタ)アクリレート(9)を、ラジカル
重合開始剤の存在下に、溶液重合法等の公知の重合方法
により単独重合させたり、上記(1)〜(8)に示すよ
うな他の共重合可能なモノマーと共重合させることによ
り得ることができる。
【0016】また、側鎖に脂環式エポキシ基を有する熱
可塑性樹脂は、上記単独重合や共重合以外の方法によっ
ても得ることができる。例えば、第二の方法として、脂
環式エポキシ基と第一の反応性基とを有する化合物と、
第一の反応性基と反応する第二の反応性基を有する熱可
塑性樹脂とを反応させることによって得ることができ
る。この第一の反応性基と第二の反応性基の組み合わせ
の代表例としては、下記の表1に示すようなイソシアネ
ート基と水酸基との組み合わせが挙げられる。
【0017】
【表1】
【0018】上記の第一の方法において、脂環式エポキ
シ基を有する(メタ)アクリレート(9)としては、他
のラジカル重合性単量体と共重合可能なものであれば特
に限定されないけれども、具体的には下記構造式(2)
で示されるような化合物が挙げられる。
【0019】
【化2】
【0020】(上式中、Rはメチル基または水素原子を
表し、nは0〜5の整数である) 熱可塑性樹脂(a−1)の側鎖の光重合性官能基の量
は、二重結合当量(側鎖ラジカル重合性不飽和基1個あ
たりの平均分子量)または脂環式エポキシ当量(側鎖脂
環式エポキシ基1個あたりの平均分子量)が、仕込み値
からの計算値で平均3000g/mol以下であること
が、耐擦傷性、耐磨耗性向上の観点から好ましい。さら
に好ましい範囲は、平均1200g/mol以下であ
り、最も好ましい範囲は、平均600g/mol以下で
ある。また、下限値としては、1g/mol以上である
のが好ましい。
【0021】このように、架橋に関与する光重合性官能
基を熱可塑性樹脂中に複数導入することにより、反応性
ビニル基を有する低分子量架橋性化合物を使用する必要
がなく、後述する長期間の保管や加熱成形時において
も、粘着性を与えることなく、効率的に硬化物性を向上
させることが可能となる。熱可塑性樹脂(a−1)の数
平均分子量は、5,000〜2,500,000の範囲
が好ましく、10,000〜1,000,000の範囲
がさらに好ましい。熱可塑性樹脂(a−1)を含む導電
性光硬化性樹脂組成物(A)を用いて形成した導電性光
硬化性シートをインサート成形する際に、成形時の予備
加熱により成形用金型に導電性光硬化性シートが貼り付
きにくくなる点や光硬化後の導電性インサート成形品の
表面硬度の点から、数平均分子量は5,000以上であ
ることが好ましい。一方、合成の容易さや外観の観点、
また基材シート(B)との密着性発現の観点から、数平
均分子量が2,500,000以下であることが好まし
い。
【0022】また、熱可塑性樹脂(a−1)は、ガラス
転移温度が25〜175℃に調節されていることが好ま
しく、30〜150℃に調節されていることがさらに好
ましい。インサート成形時の導電性光硬化性シートの金
型剥離性や光硬化後の導電性インサート成形品の表面硬
度の観点から、ガラス転移温度が25℃以上であること
が好ましい。一方、導電性光硬化性シートの取り扱い性
の観点からガラス転移温度は175℃以下であることが
好ましい。
【0023】また、得られる熱可塑性樹脂共重合体のガ
ラス転移温度を考慮すると、ホモポリマーとして高いガ
ラス転移温度を有するものとなるビニル重合性単量体を
使用することが好ましい。さらに、熱可塑性樹脂共重合
体の耐候性向上の観点からは、ビニル重合性単量体とし
て(メタ)アクリレート類を主成分として用いることが
好ましい。
【0024】また、本発明において必須成分として用い
られる導電性充填材(a−3)の表面の官能基(ヒドロ
キシル基、カルボキシル基、シラノール基等)と反応し
うる基、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハ
ロゲン化シリル基およびアルコキシシリル基からなる群
から選ばれる少なくとも1種の官能基を分子内に有する
ビニル重合性単量体は、得られる硬化後の導電性光硬化
性樹脂組成物の剛性、靱性、耐熱性等の物性をより向上
させるように働くので、かかる官能基がラジカル重合可
能なビニル重合性単量体成分の一部として含有されてい
てもよい。
【0025】このような反応性の基を分子内に含有する
ビニル重合性単量体としては、例えば、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ビニルト
リクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等
が挙げられる。
【0026】本発明で用いる光重合開始剤(a−2)と
しては、例えば、光照射によってラジカルを発生させる
光ラジカル重合開始剤や酸を生成する光カチオン重合開
始剤が挙げられるが、側鎖の光重合性官能基が脂環式エ
ポキシ基の場合には光カチオン重合開始剤が使用される
のがよい。光重合開始剤としては、公知の化合物を用い
ることができ、特に限定はないけれども、硬化時の黄変
性や耐候時の劣化を考慮すると、アセトフェノン系、ベ
ンゾフェノン系、アシルホスフィンオキサイド系のよう
な分子内にアミノ基を含まない開始剤がよい。例えば、
1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピ
ルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−
1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベ
ンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィ
ンオキサイド等が好ましい。これらのうちには成形方法
によっては一時的にその化合物の沸点以上の温度になる
ことがあるので、注意が必要である。成形品の表面硬度
を上げるため、n−メチルジエタノールアミンなどの酸
素重合禁止硬化防止剤を添加してもよい。また、これら
の光重合開始剤の外に、成形時の熱を利用しての硬化も
考慮して、各種過酸化物を添加してもよい。導電性光硬
化性シートに過酸化物を含有させる場合には、150
℃、30秒程度で硬化させる必要があるので、臨界温度
の低い過酸化物、例えば、ラウロイルパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン等が好ましく用いられる。
【0027】光重合開始剤(a−2)の添加量は、硬化
後の残存量が耐候性に影響するため、側鎖に光重合性官
能基を有する熱可塑性樹脂(a−1)100質量部に対
して0.1〜5質量部が望ましく、特に硬化時の黄変に
関連するアミノ系の光ラジカル重合開始剤は1質量部以
下が望ましい。光重合開始剤としては、公知の化合物を
用いることができ、特に限定はないけれども、具体的に
はジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウ
ム塩、鉄アレーン(芳香族炭化水素)錯体等が挙げられ
る。なかでも、上記の脂環式エポキシ基を有する(メ
タ)アクリレートとの反応性、着色の問題等を考慮する
と下記構造式(3)で示されるトリアリールスルホニウ
ム塩がより好ましい。
【0028】
【化3】
【0029】(上式中、R1 は炭素−炭素結合もしくは
炭素−硫黄結合を介する置換もしくは未置換の芳香族環
を表し、R2 およびR3 は、それぞれ、置換あるいは未
置換の芳香族環を表す) このような光カチオン重合系を選択することにより、光
ラジカル重合系と比較して、硬化収縮が少なく、樹脂と
の密着性に優れるため、硬化層の割れ、剥がれが発生し
にくく、硬化前後において低臭気であり、酸素による重
合阻害が無い等の利点が得られる。
【0030】光カチオン重合開始剤の添加量は、側鎖に
光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂100質量部に対
して0.1〜10質量部が好ましい。本発明に用いられ
る導電性充填材(a−3)においては、その種類や粒子
径、形態は特に制限されず、有機系導電性充填材および
無機系導電性充填材のいずれも使用可能である。
【0031】有機系導電性充填材としては、例えば、第
4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜3級アミ
ノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性有機系
導電性充填材、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リ
ン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基等のアニオン性基を
有する各種のアニオン性有機系導電性充填材、アミノ酸
系、アミノ硫酸エステル系等の両性有機系導電性充填
材、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレン
グリコール系等のノニオン性の有機系導電性充填材が挙
げられる。
【0032】また、第3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基を有し、かつ、電離放射線等により重合可能なモノ
マーやオリゴマー(例えば、N,N−ジアルキルアミノ
アルキル(メタ)アクリレート等)、それらの第4級化
合物等の重合性有機系導電性充填材も使用できる。さら
には、ポリアニリン、ポリアセチレンやポリピロール等
の導電性樹脂も当然使用可能である。
【0033】無機系導電性充填材としては、例えば、ア
ンチモンがドープされた酸化スズ(ATO)、リンがド
ープされた酸化スズ、酸化アンチモン、アンチモン酸亜
鉛、酸化チタン、ITO(インジウムスズ複合酸化物、
インジウムチンオキサイド)等の導電性金属酸化物、
金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、鉄、ニッケル等の導
電性金属、あるいはファーネスブラック、ケッチェンブ
ラック、アセチレンブラック、カーボン繊維、カーボン
ウィスカー、黒鉛、カーボンブラック等の炭素類等を挙
げることができる。
【0034】また、シリカ、カオリン、タルク、マイ
カ、硫酸バリウム、酸化チタン等の無機粉末、ナイロン
糸、ポリエステル糸等の樹脂繊維やチタン酸カリウム、
チタン酸アルミン酸カリウム、ホウ酸マグネシウム、ホ
ウ酸アルミニウム、チタニア、ワラストナイト、ゾノト
ライト、窒化ケイ素等の繊維状無機物の表面に前記導電
性金属酸化物、導電性金属、炭素類等の導電層を被覆し
てなる粉末状もしくは繊維状の物質も導電性充填材とし
て挙げることができる。
【0035】また、導電性充填材の表面は、例えば、ノ
ニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン
系界面活性剤、シラン系カップリング剤、チタネート系
カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等の公
知の表面処理剤で表面処理されていてもよい。これらの
導電性充填材には、それぞれ一長一短があるので、製造
者が適宜選択して用いればよいが、特に得られる導電性
光硬化性樹脂組成物(A)の層に透明性と高い導電性を
両立させようとする場合には、導電性充填材として平均
一次粒子径100nm以下の導電性微粒子を用いること
が好ましく、より好ましくは平均一次粒子径50nm以
下の導電性微粒子である。そのような導電性微粒子とし
ては、平均一次粒子径が100nm以下の上記の各種導
電性充填剤が使用可能であるが、その中でもATO、リ
ンがドープされた酸化スズ、酸化アンチモン、アンチモ
ン酸亜鉛、酸化チタン、ITO等の導電性金属酸化物微
粒子や金、銀、銅などの導電性金属微粒子が、導電性光
硬化性樹脂組成物(A)への透明性付与や外部因子(湿
度等)に影響されない安定した導電性付与の観点から特
に好ましい。
【0036】かかる導電性微粒子は、例えば、気相分解
法、プラズマ蒸発法、アルコキシド分解法、共沈法、水
熱法などにより製造することができる。なかでも、導電
性光硬化性樹脂組成物(A)の透明性の観点から、導電
性微粒子としては、導電性微粒子を水性溶媒や有機溶媒
に分散させた形態で用いることが好ましく、(a−1)
成分である熱可塑性樹脂とともに均一かつ安定に分散さ
せるためには、有機溶媒に分散させた導電性微粒子を用
いることが好ましい。
【0037】そのような有機溶媒としては、メタノー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレ
ングリコール、キシレン/ブタノール、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、トルエン等を例示することができる。なかで
も、熱可塑性樹脂(a−1)とともに均一に分散させる
ためには、熱可塑性樹脂(a−1)を溶解可能な有機溶
媒を選択することが好ましい。
【0038】導電性充填材(a−3)の添加量は、熱可
塑性樹脂(a−1)の固形分100質量部に対して、1
〜300質量部の範囲が好ましく、2〜250質量部の
範囲が特に好ましい。導電性充填材(a−3)の添加量
が1質量部未満の場合には導電性付与効果が認められな
いことがあり、また添加量が300質量部を超える場合
には導電性光硬化性樹脂組成物(A)の保存安定性が低
下するばかりか、得られる導電性光硬化性シートの成形
性、透明性や強度が低下することがある。
【0039】導電性充填材(a−3)を、側鎖に光重合
性官能基を有する熱可塑性樹脂(a−1)に添加する方
法としては、予め熱可塑性樹脂(a−1)を重合後、導
電性充填材(a−3)を混合してもよいし、また熱可塑
性樹脂(a−1)を構成するビニル重合性単量体と導電
性充填材(a−3)を混合した条件下で熱可塑性樹脂
(a−1)を重合する方法等の任意の方法を選択するこ
とができる。
【0040】本発明の導電性光硬化性樹脂組成物(A)
は、必須成分である側鎖に光重合性官能基を有する熱可
塑性樹脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)および導
電性充填材(a−3)を含み、良好な耐擦傷性や耐磨耗
性と導電性を兼ね備えているが、さらに耐擦傷性や耐磨
耗性を向上させる目的で、コロイダルシリカ(a−4)
を添加することができる。
【0041】本発明に用いられるコロイダルシリカ(a
−4)においては、その粒子径や形態は特に制限されな
い。コロイダルシリカは、通常の水性分散液の形態や、
有機溶媒に分散させた形態で用いることができるが、
(a−1)成分である熱可塑性樹脂とともに均一かつ安
定に分散させるためには、有機溶媒に分散させたコロイ
ダルシリカを用いることが好ましい。
【0042】そのような有機溶媒としては、メタノー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレ
ングリコール、キシレン/ブタノール、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、トルエン等を例示することができる。なかで
も、熱可塑性樹脂(a−1)とともに均一に分散させる
ためには、熱可塑性樹脂(a−1)を溶解可能な有機溶
媒を選択することが好ましい。
【0043】有機溶媒に分散させた形態のコロイダルシ
リカとしては、分散媒に分散されている市販品、例え
ば、メタノールシリカゾルMA−ST、イソプロピルア
ルコールシリカゾルIPA−ST、n−ブタノールシリ
カゾルNBA−ST、エチレングリコールシリカゾルE
G−ST、キシレン/ブタノールシリカゾルXBA−S
T、エチルセロソルブシリカゾルETC−ST、ブチル
セロソルブシリカゾルBTC−ST、ジメチルホルムア
ミドシリカゾルDBF−ST、ジメチルアセトアミドシ
リカゾルDMAC−ST、メチルエチルケトンシリカゾ
ルMEK−ST、メチルイソブチルケトンシリカゾルM
IBK−ST(以上商品名、日産化学工業(株)製)等
を用いることができる。
【0044】コロイダルシリカ(a−4)の添加量は、
側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹脂(a−1)
100質量部に対して、コロイダルシリカ固形分で0〜
200質量部の範囲が好ましく、10〜150質量部の
範囲が特に好ましい。コロイダルシリカの添加量が20
0質量部を超える場合には、導電性光硬化性樹脂組成物
(A)の保存安定性が低下するばかりか、得られる導電
性光硬化性シートの成形性、透明性や強度が低下するこ
とがある。
【0045】また、本発明で用いられるコロイダルシリ
カ(a−4)としては、下記構造式(4)で表されるシ
ラン化合物によって、予め表面が処理されたものを用い
てもよい。表面処理されたコロイダルシリカの使用は、
導電性光硬化性樹脂組成物(A)の保存安定性がさらに
良好となり、また得られる導電性光硬化性シートの表面
硬度および耐候性も良好となるので好ましい。
【0046】 SiR4 a5 b (OR6c (4) (上式中、R4 およびR5 は、それぞれ、エーテル結
合、エステル結合、エポキシ結合または炭素−炭素二重
結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基
を表し、R6 は水素原子またはエーテル結合、エステル
結合、エポキシ結合もしくは炭素−炭素二重結合を有し
ていてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、a
およびbは、それぞれ、0〜3の整数であり、cは4−
a−bを満足する1〜4の整数である)前記構造式
(4)で表されるシラン化合物のなかでも、下記構造式
(5)〜(10)で表されるシラン化合物を好ましいも
のとして挙げることができる。
【0047】 SiR7 a8 b (OR9c (5) SiR7 n (OCH2 CH2 OCO(R10)C=CH24-n (6) CH2 =C(R10)COO(CH2p SiR11 n (OR93-n (7) CH2 =CHSiR11 n (OR93-n (8) HS(CH2p SiR11 n (OR93-n (9)
【0048】
【化4】
【0049】(上式中、R7 およびR8 は、それぞれ、
エーテル結合、エステル結合またはエポキシ結合を有し
ていてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R
9 は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素残基を表
し、R10は水素原子またはメチル基を表し、R11は炭素
数1〜3のアルキル基またはフェニル基を表し、aおよ
びbは、それぞれ、0〜3の整数であり、cは4−a−
bを満足する1〜4の整数であり、nは0〜2の整数で
あり、pは1〜6の整数である) 前記構造式(5)で表されるシラン化合物としては、例
えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキ
シシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェ
ニルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メ
トキシエチルトリエトキシシラン、アセトキシエチルト
リエトキシシラン、ジエトキシエチルジメトキシシラ
ン、テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシ
ラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン等が挙げられる。
【0050】前記構造式(6)で表されるシラン化合物
としては、例えば、テトラキス(アクリロイルオキシエ
トキシ)シラン、テトラキス(メタクリロイルオキシエ
トキシ)シラン、メチルトリス(アクリロイルオキシエ
トキシ)シラン、メチルトリス(メタクリロイルオキシ
エトキシ)シラン等が挙げられる。前記構造式(7)で
表されるシラン化合物としては、例えば、β−アクリロ
イルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−アクリ
ロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−ア
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−メ
タクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ
−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等
が挙げられる。
【0051】前記構造式(8)で表されるシラン化合物
としては、例えば、ビニルメチルジメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等
が挙げられる。前記構造式(9)で表されるシラン化合
物としては、例えば、γ−メルカプトプロピルジメトキ
シメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン等が挙げられる。
【0052】前記構造式(10)で表されるシラン化合
物としては、例えば、p−ビニルフェニルメチルジメト
キシシラン、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン等
が挙げられる。かかるシラン化合物は、コロイダルシリ
カ(a−4)のシリカ固形分1モル部(60質量部)に
対して、0〜3モル部の割合で使用することが好まし
い。シラン化合物の使用量が3モル部を超える場合に
は、得られる導電性光硬化性シートの耐磨耗性が低下す
ることがある。
【0053】シラン化合物で表面処理されたコロイダル
シリカは、少量の水の存在下に、シラン化合物とコロイ
ダルシリカを加熱攪拌することにより得ることができ
る。コロイダルシリカ(a−4)を、側鎖に光重合性官
能基を有する熱可塑性樹脂(a−1)に添加する方法と
しては、前記した導電性充填材(a−3)を側鎖に光重
合性官能基を有する熱可塑性樹脂(a−1)に添加する
方法において、いずれのタイミングでも添加することが
可能であり、任意の方法を選択することができる。
【0054】本発明において、側鎖に光重合性官能基を
有する熱可塑性樹脂(a−1)中の光重合性官能基が脂
環式エポキシ基の場合には、脂環式エポキシ基とコロイ
ダルシリカ中のシラノール基が混合の間に架橋し、ゲル
化を起こすことがある。このようなゲル化現象を防止す
るためには、アンモニアおよび沸点が100℃以下であ
るアミン化合物から選ばれた少なくとも1種を含むこと
が好ましい。導電性光硬化性樹脂組成物(A)を用いて
導電性光硬化性シートを形成する際に、シート中に過剰
に残存しないためには、アミン化合物の沸点は100℃
以下であることが必要である。
【0055】かかるアミン化合物としては、例えば、メ
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルア
ミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン等が挙げられる。アンモニアお
よび沸点が100℃以下であるアミン化合物から選ばれ
た少なくとも1種の添加量としては、側鎖に脂環式エポ
キシ基を有する熱可塑性樹脂100質量部に対して、
0.01〜0.5質量部の範囲であることが好ましい。
導電性光硬化性樹脂組成物(A)の安定性保持の観点か
ら、アンモニアおよび沸点が100℃以下であるアミン
化合物から選ばれた少なくとも1種の添加量は0.01
質量部以上が好ましいが、アミン化合物の添加量が0.
5質量部を超えると、導電性光硬化性シートをインサー
ト成形することによって得られた導電性インサート成形
品を光硬化させても、光カチオン重合が進行せず、耐擦
傷性や耐薬品性が劣ることがある。
【0056】本発明において用いられる導電性光硬化性
樹脂組成物(A)においては、熱可塑性樹脂(a−
1)、光重合開始剤(a−2)および導電性充填材(a
−3)の必須成分、コロイダルシリカ(a−4)以外
に、必要に応じて、増感剤、変性用樹脂、染料、顔料お
よびレベリング剤やハジキ防止剤、紫外線吸収剤、光安
定剤、酸化安定剤等の添加剤を配合することができる。
【0057】上記の増感剤は光硬化反応を促進するもの
であって、その例としてはベンゾフェノン、ベンゾイン
イソプロピルエーテル、チオキサントン等が挙げられ
る。また、熱可塑性樹脂(a−1)中の光重合性官能基
が脂環式エポキシ基の場合には、上記変性用樹脂として
は、光カチオン重合性を有することが好ましく、グリシ
ジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エ
ポキシ樹脂、エポキシ基としてグリシジル基を有する熱
可塑性樹脂等が挙げられる。
【0058】ただし、導電性光硬化性樹脂組成物(A)
は、前記熱可塑性樹脂(a−1)以外の架橋性化合物を
実質的に含有すべきではない。特に、40℃において液
体状の架橋性モノマー、オリゴマーや、分子量2000
以下の低分子量の架橋性モノマー、オリゴマーは実質的
に含有するべきではない。40℃において液体状の架橋
性モノマー、オリゴマーや、分子量2000以下の低分
子量の架橋性モノマー、オリゴマーを含有すると、長期
間の保管や加熱成形時において粘着性を有するようにな
り、印刷工程において不具合を生じたり、インサート成
形時において金型を汚染する等の問題を生じることがあ
る。より好ましくは、50℃において液体状の架橋性モ
ノマー、オリゴマーを実質的に含有するべきではなく、
さらに好ましくは60℃において液体状の架橋性モノマ
ー、オリゴマーを実質的に含有するべきではない。
【0059】本発明においては、上記の如き導電性光硬
化性樹脂組成物(A)を用いているため、導電性光硬化
性樹脂組成物を基材シート(B)上に積層して導電性光
硬化性シートを形成した場合にも、導電性光硬化性シー
トの表面は粘着性がなく、また表面の粘着性が時間と共
に変化する等の現象も起こらず、ロール状態での保存安
定性が良好となる。
【0060】基材シート(B)としては、その使用方法
によって好適なものを選べばよいが、例えば、ABS
(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)
系樹脂、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合体)
系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、
セロファン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール
系樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂、軟質アクリ
ルシート系樹脂等のシートが挙げられる。また、これら
の各シートの複合体、積層体なども使用することができ
る。なかでも、100℃加熱時における伸度が100%
以上である熱可塑性樹脂シートが、インサート成形時に
金型形状への追従性が良好となるので好ましい。導電性
光硬化性樹脂組成物(A)との密着性や耐候性、透明性
等を考慮すると、架橋ゴム成分を有する熱可塑性アクリ
ル樹脂シートがさらに好ましい。架橋ゴム成分を有する
透明熱可塑性アクリル樹脂シートとしては、特開平9−
263614号公報等に開示されているような、多層構
造を有するアクリル樹脂を押し出し成形することによっ
て得られる透明熱可塑性アクリルシートがある。
【0061】また、基材シート(B)中には、必要に応
じて、適宜、ポリエチレンワックス、パラフィンワック
ス等の滑剤、シリカ、球状アルミナ、鱗片状アルミナ等
の減摩剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、
微粒子酸化セリウム系等の紫外線吸収剤、ヒンダードア
ミン系ラジカル捕捉剤等の光安定剤、可塑剤、安定剤、
着色剤等の各種添加剤を添加してもよい。
【0062】導電性光硬化性シートの製造方法として
は、例えば、側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性樹
脂(a−1)と光重合開始剤(a−2)および導電性充
填材(a−3)、さらに必要に応じてコロイダルシリカ
(a−4)およびその他の添加剤を含む導電性光硬化性
樹脂組成物(A)を有機溶媒などに十分に攪拌溶解さ
せ、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、バ
ーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレ
ードコート法、エアナイフコート法等の公知の方法によ
り基材シート(B)上にコーティングし、溶媒除去のた
めの乾燥を行い、積層シートとする方法がある。
【0063】また、導電性光硬化性樹脂組成物(A)層
と基材シート(B)層の密着性を向上させる目的で、導
電性光硬化性樹脂組成物(A)層と基材シート(B)の
双方に対して実用上充分に良好な密着性を有する中間層
を導入することもできる。このような中間層は、本発明
の目的(成形性、保存安定性、耐擦傷性、導電性等)を
損なわない範囲で、導電性光硬化性樹脂組成物(A)層
と基材シート(B)の組み合わせに応じて適宜選択すれ
ばよい。そのような中間層の例としては、導電性光硬化
性樹脂組成物(A)中の側鎖に光重合性官能基を有する
熱可塑性樹脂(a−1)に類似した熱可塑性樹脂、光重
合開始剤、および必要に応じて導電性充填材、コロイダ
ルシリカや各種添加剤を含む(導電性)(光硬化性)樹
脂組成物層等を挙げることができる。このような中間層
を導入することは、密着性を向上させるのみでなく、導
電性光硬化性樹脂組成物(A)層と基材シート(B)と
の間の熱膨張率差を緩和させて、耐候性を向上させると
いう利点も得られる。
【0064】特に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィンからなる基材シート(B)上に上記導電
性光硬化性樹脂組成物の液をコーティングする際には、
基材シートと導電性光硬化性樹脂組成物との密着性を上
げるため、(1)予め、基材シート(B)上に低分子量
ポリオレフィン等からなるプライマーを塗布しておく
か、または(2)予め、コロナ放電などで基材シート
(B)表面を活性化しておく(このコロナ放電を行う工
程としては、活性化された直後が密着性付与効果が高い
のでコーティングの少し前であるのが好ましい)のが好
ましい。さらに、導電性光硬化性樹脂組成物(A)が光
硬化時に体積収縮し、基材シート(B)との密着性が低
下するのを防ぐ目的で、プライマー層を積層することが
好ましい。
【0065】本発明の導電性光硬化性シートは、基材シ
ート側に印刷層を設けることにより、導電性光硬化性加
飾シートとすることもできる。印刷層は、導電性インサ
ート成形品表面に模様や文字等の加飾を施すものであ
る。加飾は、任意であるが、例えば、木目、石目、布
目、砂目、幾何学模様、文字、全面ベタ等からなる絵柄
が挙げられる。印刷層の材料としては、塩化ビニル/酢
酸ビニル系共重合体等のポリビニル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリ
エステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、
アルキッド樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂等の樹脂
をバインダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤
として含有する着色インキを用いるとよい。
【0066】印刷層に用いられるインキの顔料として
は、例えば、次のものが使用できる。通常、顔料とし
て、黄色顔料としてはポリアゾ等のアゾ系顔料、イソイ
ンドリノン等の有機顔料や黄鉛等の無機顔料、赤色顔料
としてはポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドン等の有
機顔料や弁柄等の無機顔料、青色顔料としてはフタロシ
アニンブルー等の有機顔料やコバルトブルー等の無機顔
料、黒色顔料としてはアニリンブラック等の有機顔料、
白色顔料としては二酸化チタン等の無機顔料が使用でき
る。
【0067】印刷層に用いられるインキの染料として
は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の公知の染
料を使用することができる。また、インキの印刷方法と
しては、公知のグラビア輪転印刷法、スクリーン印刷法
等を用いるのがよい。この際、本発明におけるように、
低分子の反応性ビニル化合物を使用するのではなく、ポ
リマー同士を架橋させる構成の導電性光硬化性樹脂組成
物を用いる場合には、表面に粘着性が無く、印刷時のト
ラブルが少なく、歩留まりが良好である。
【0068】また、導電性インサート成形品表面に加飾
を施すための層として、印刷層の代わりに蒸着層を設け
てもよいし、印刷層と蒸着層の両方を設けてもよい。蒸
着層は、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、
鉄、銅、インジウム、スズ、銀、チタニウム、鉛、亜鉛
等の群から選ばれる少なくとも1つの金属、またはこれ
らの合金若しくは化合物を使用して、真空蒸着法やスパ
ッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法等の方
法により形成することができる。
【0069】これらの加飾のための印刷層や蒸着層は、
所望の導電性インサート成形品の表面外観が得られるよ
う、インサート成形時の伸張度合いに応じて、適宜その
厚みを選択すればよい。また、本発明の導電性光硬化性
シートは、基材シート側に印刷層および/または蒸着
層、接着層および必要に応じてプライマーシートが形成
された導電性光硬化性インサート成形用シートとするこ
とができる。その場合、導電性光硬化性インサート成形
用シートの好ましい厚み範囲は、30〜750μmであ
る。シート厚みが30μm未満の場合には、深しぼり成
形を行った際に、曲面でのシート厚みが著しく低下し、
結果として耐擦傷性や耐薬品性等のシート物性が低下す
ることがある。また、シート厚みが750μmを超える
場合には、金型への形状追従性が低下することがある。
【0070】上記接着層には、印刷層または蒸着層と成
形樹脂、印刷層または蒸着層とプライマーシートとの密
着性を高める性質のものであれば、任意の合成樹脂状材
料を選択して用いることができる。例えば、成形樹脂が
ポリアクリル系樹脂の場合は、ポリアクリル系樹脂を用
いるのがよい。また、成形樹脂がポリフェニレンオキシ
ド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ス
チレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の
場合は、これらの樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等を使用す
ればよい。さらに、成形樹脂がポリプロピレン系樹脂等
のポリオレフィン系樹脂である場合には、塩素化ポリオ
レフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂、ブロックイソシ
アネートを用いた熱硬化型ウレタン樹脂等が使用可能で
ある。なお、接着層の粘着性低減や耐熱性向上の目的
で、疎水性シリカやエポキシ樹脂、石油樹脂等をさらに
含有させることもできる。
【0071】上記プライマーシートは、必要に応じて形
成されるものであり、その材料としてウレタン樹脂等の
公知の樹脂が使用可能である。なお、成形樹脂との密着
性を高める目的から、成形樹脂と相溶性の材料からなる
のがよい。現実的には、プライマーシートは成形樹脂と
同じポリマー材料からなるのが好ましい。また、プライ
マーシートの存在は、射出成形品の表面欠陥が導電性光
硬化性樹脂組成物上に伝搬されるのを最少にするといっ
た利点を与える。その場合、プライマーシートは、導電
性光硬化性樹脂組成物の完全に円滑な上面を呈しなが
ら、成形樹脂の表面欠陥を吸収するほどの厚みを有する
ことが必要である。
【0072】また、本発明の導電性光硬化性シートにお
いては、基材シート(B)上の導電性光硬化性樹脂組成
物(A)層の上に、さらにカバーフィルムを設けること
もできる。このカバーフィルムは、導電性光硬化性シー
ト表面の防塵に有効であり、また活性エネルギー線照射
前の導電性光硬化性樹脂組成物(A)層表面の傷つき防
止にも有効である。
【0073】上記カバーフィルムは、後述するようにイ
ンサート成形する前まで導電性光硬化性樹脂組成物
(A)層に密着し、インサート成形する際は直ちに剥離
するので、導電性光硬化性樹脂組成物(A)層に対して
適度な密着性と良好な離型性を有していることが必要で
ある。このような条件を満たしたフィルムで有れば、任
意のフィルムを選択して用いることができる。そのよう
なフィルムとしては、例えば、ポリエチレン系フィル
ム、ポリプロピレン系フィルム、ポリエステル系フィル
ム等が挙げられる。
【0074】ところで、自動車のボディーパネルやスポ
イラー等のような成形品のサイズが大きく、かつ成形品
の肉厚が薄い場合には、成形樹脂から発生するガスが成
形樹脂内に残留したり、金型内の空気が成形樹脂とシー
トの間に介在しやすくなり、成形樹脂に対するシートの
密着性が低下するという問題が生じることがある。その
ような場合、成形樹脂に接するシート面に、ガス透過性
を有する層を設けることで、問題を解決することができ
る。そのようなガス透過性を有する層として、スパンデ
ックス、アクリル繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミ
ド系繊維等で構成された織布または不織布を挙げること
ができる。また、織布/不職布の代わりに、発泡層から
なるものを用いてもよい。発泡層の形成方法としては、
公知の発泡剤を含む樹脂溶液を塗布した後に加熱等によ
り発泡させて連続空孔を形成させる方法等が挙げられ
る。
【0075】次に、上記の導電性光硬化性シート、導電
性光硬化性加飾シートおよび導電性光硬化性インサート
成形用シートを用いた導電性インサート成形品の製造方
法について説明する。本発明では、上記の導電性光硬化
性シート、導電性光硬化性加飾シートまたは導電性光硬
化性インサート成形用シートを、導電性光硬化性樹脂組
成物側が金型の内壁面に向かい合うように挿入配置する
工程(1)、金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出
し、樹脂を固化させることにより導電性光硬化性シー
ト、導電性光硬化性加飾シートまたは導電性光硬化性イ
ンサート成形用シートが表面に配置された樹脂成形品を
形成する工程(3)、および光照射することにより成形
品表面の導電性光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程
(4)を含む製造方法、または上記の導電性光硬化性シ
ート、導電性光硬化性加飾シートまたは導電性光硬化性
インサート成形用シートを、導電性光硬化性樹脂組成物
側が金型の内壁面に向かい合うように挿入配置する工程
(1)、導電性光硬化性シート、導電性光硬化性加飾シ
ートまたは導電性光硬化性インサート成形用シートを予
備成形してシートを金型形状に追従させる工程(2)、
金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化
させることにより導電性光硬化性シート、導電性光硬化
性加飾シートまたは導電性光硬化性インサート成形用シ
ートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程
(3)、および光照射することにより成形品表面の導電
性光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程(4)を含む
製造方法によって、インサート成形品とすることができ
る。
【0076】上記の工程(1)〜(4)は、必ずしもそ
の順番に行われる必要はないが、それぞれ工程(1)→
(3)→(4)および工程(1)→(2)→(3)→
(4)の順番で行われることが好ましい。導電性光硬化
性シート、導電性光硬化性加飾シートまたは導電性光硬
化性インサート成形用シートにカバーフィルムが設けら
れている場合は、まずカバーフィルムをシートより剥離
除去する。なお、カバーフィルムは、金型内にシートを
挿入配置する直前に剥離してもよいし、シートを金型内
に挿入配置する遥か以前に剥離しておいても構わない。
ただし、光照射前の導電性光硬化性樹脂組成物(A)層
の防塵や傷つき防止を考慮すると、前者のほうが好まし
い。
【0077】次に、導電性光硬化性シート、導電性光硬
化性加飾シートまたは導電性光硬化性インサート成形用
シートを、導電性光硬化性樹脂組成物(A)側が金型の
内壁面に向かい合うように挿入配置する(すなわち、導
電性光硬化性樹脂組成物(A)層の反対側が成形樹脂と
接する状態)。この際、長尺のシートのまま(ロールか
ら巻き出しながら)必要部分を間欠的に送り込んでもよ
いし、シートを枚葉化して1枚ずつ送り込んでもよい。
特に加飾のための印刷層や蒸着層を有する長尺のシート
を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用
して、加飾のための層と金型との見当が一致するように
するとよい。またシートを間欠的に送り込む際に、シー
トの位置をセンサーで検出した後にシートを固定するよ
うにすれば、常に同じ位置でシートを固定することがで
き、加飾のための層の位置ずれが生じないので便利であ
る。
【0078】次いで、必要に応じて、導電性光硬化性シ
ート、導電性光硬化性加飾シートまたは導電性光硬化性
インサート成形用シートを予備成形する。例えば、ホッ
トパック等の加熱手段によりシートをその軟化点以上に
軟化させ、金型に設けられた吸引孔を通じて真空吸引す
ることにより金型形状にシートを追従させることで予備
成形することができる。なお、シートを金型内に挿入配
置する前に、シートを予めシートの熱変形温度未満の温
度に予熱しておくと、シートを金型内に挿入配置後に行
う加熱時間を短縮することができ、生産性を向上するこ
とが可能となる。また射出成形用金型とは別の立体加工
成形用型を用いて、真空成形法、圧空成形法、熱せられ
たゴムを押し付ける押圧成形法、プレス成形法等の公知
の成形法により、シートを予め所望の形状に予備成形し
てもよい。もちろん、シートを予備成形せずに、後述す
る成形樹脂の射出圧により、シートの成形および成形樹
脂との一体化を同時に行うことも可能である。この際、
シートを予め予備加熱して軟化させておくことも可能で
ある。
【0079】その後、金型を閉じて、キャビティー内に
溶融状態の成形樹脂を射出し、樹脂を固化させることに
より導電性光硬化性シート、導電性光硬化性加飾シート
または導電性光硬化性インサート成形用シートが表面に
配置された樹脂成形体を形成する。本発明で使用する成
形樹脂としては、種類は問わず、射出成形可能な全ての
樹脂が使用可能である。そのような成形樹脂としては、
例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、
ポリブテン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、エチレ
ン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−プロピレン−
ブテン共重合体樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS
(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合
体)系樹脂、AS(アクリロニトリル/スチレン系共重
合体)系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、不飽
和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等の汎用の熱可
塑性または熱硬化性樹脂を挙げることができる。また、
ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボ
ネート変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート系樹脂等の汎用エンジニアリング樹脂
やポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系
樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリエーテルイ
ミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、液晶ポリエステル系樹
脂、ポリアリル系耐熱樹脂等のスーパーエンジニアリン
グ樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊維や
無機フィラー(タルク、炭酸カルシウム、シリカ、マイ
カ等)等の補強材、ゴム成分等の改質剤を添加した複合
樹脂や各種変性樹脂を使用することができる。なお、成
形樹脂の成形後の収縮率を前記シートの収縮率に近似さ
せることで、導電性インサート成形品の反りやシートの
剥がれ等の不具合を解消できるので好ましい。
【0080】最後に、金型内より導電性インサート成形
品を取り出した後、光照射することにより成形品表面の
導電性光硬化性樹脂組成物を光硬化させる。照射する光
としては、電子線、紫外線、γ線等を挙げることができ
る。照射条件は、導電性光硬化性樹脂組成物(A)層の
光硬化特性に応じて定められるが、照射量は、通常50
0〜2,000mJ/cm2程度である。これによっ
て、導電性光硬化性樹脂組成物が硬化して硬質の被膜が
表面に形成された導電性インサート成形品を得ることが
できる。
【0081】導電性インサート成形品に接着した導電性
光硬化性シート、導電性光硬化性加飾シートまたは導電
性光硬化性インサート成形用シートのうち、不要な部分
は必要に応じて適宜トリミングして除去する。このトリ
ミングは、シートを金型内に挿入配置した後や、導電性
インサート成形品に光照射する前、あるいは光照射した
後に行うことができる。トリミングの方法としては、レ
ーザー光線等を照射してシートを焼き切る方法、トリミ
ング用の打ち抜き型を作製しプレス加工によってシート
を打ち抜く方法、人手によりシートをちぎるようにして
除去する方法等の公知の方法により行うことができる。
【0082】なお、導電性インサート成形品の製造方法
として、射出成形を用いた製造方法について説明した
が、射出成形の代わりにブロー成形を用いることも可能
である。また、本発明の導電性光硬化性シート、導電性
光硬化性加飾シートおよび導電性光硬化性インサート成
形用シートにより加飾された導電性インサート成形品が
主に屋外で使用される場合には、シートに紫外線吸収剤
や光安定剤を加えることもできる。紫外線吸収剤として
は、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチル酸
エステル等の有機物、または粒径0.2μm以下の微粒
子状の酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機物
を使用することができる。また、光安定剤としては、ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉
剤、ピペリジン系ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤を
用いることができる。
【0083】このようにして得られた導電性インサート
成形品は、成形と同時に色もしくはデザインが付与さ
れ、さらに短時間の光照射によって耐擦傷性、耐薬品性
および導電性等が向上する。さらに、従来の成形後のス
プレー塗装等と比較して、工程の短縮、歩留まりの向
上、環境への影響低減がはかれる。また、本発明の導電
性光硬化性シート、導電性光硬化性加飾シートおよび導
電性光硬化性インサート成形用シートは、既に射出成形
された樹脂成形品に直接あるいは接着剤層を介してラミ
ネートして、射出成形品表面に積層して使用することも
できる。
【0084】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。なお、例中、「部」は「質量部」を意味す
る。 合成例1 ((a−1)成分としての熱可塑性樹脂Iの合成)窒素
導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えた1
Lの4つ口フラスコに、メチルエチルケトン(以下、M
EKと略す)50部を入れ、80℃に昇温した。窒素雰
囲気下でメチルメタクリレート(以下、MMAと略す)
67.8部、グリシジルメタクリレート(以下、GMA
と略す)32.2部、アゾビスイソブチロニトリル(以
下、AIBNと略す)0.5部の混合物を3時間かけて
滴下した。その後、MEK80部とAIBN0.2部の
混合物を加え、重合させた。4時間後、MEK50部、
ハイドロキノンモノメチルエーテル(以下、MEHQと
略す)0.5部、トリフェニルホスフィン2.5部、お
よびアクリル酸(以下、AAと略す)16.1部を加
え、乾燥空気を吹き込みながら80℃で30時間攪拌し
た。その後、冷却した後、反応物をフラスコより取り出
し、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する熱可塑性樹
脂Iの溶液を得た。
【0085】熱可塑性樹脂Iにおける単量体の重合率は
99.5%以上であり、ポリマー固形分量は約40質量
%、数平均分子量は約6.0万、ガラス転移温度は約7
7℃、二重結合当量は平均519g/molであった。 合成例2 ((a−1)成分としての熱可塑性樹脂IIの合成)窒
素導入口、撹拌機、コンデンサーおよび温度計を備えた
1Lの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、サイクロマ
ーM100(3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリ
レート、ダイセル化学工業(株)製)100部、MEK
60部およびAIBN0.3部を入れ、撹拌しながら湯
浴の温度を75℃に上げ、その温度で2時間重合させ
た。次いで、AIBN0.7部を1時間置きに5回に分
けて添加した後、フラスコ内温を溶剤の沸点まで上昇さ
せてその温度でさらに2時間重合させた。その後、フラ
スコ内温度が50℃以下になってから、MEK90部を
添加して重合反応物をフラスコより取り出し、側鎖に脂
環式エポキシ基を有する熱可塑性樹脂IIの溶液を得
た。
【0086】熱可塑性樹脂IIにおける単量体の重合率
は99.5%以上であり、ポリマー固形分量は約40質
量%、数平均分子量は約3.0万、ガラス転移温度は約
73℃、脂環式エポキシ当量は平均102g/molで
あった。 コロイダルシリカの表面処理例1 (表面処理コロイダルシリカS1の調製)
【0087】
【表2】
【0088】注)数値は固形分換算のモル部である。 1)MEK−ST:MEK分散コロイダルシリカゾル
(日産化学工業(株)製)、シリカ粒子径=15nm 2)KBM503:γ−メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)、分子量
=248 攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコ
に、上記表2に記載の成分を入れ、攪拌しながら湯浴の
温度を75℃に上げ、その温度で2時間反応させること
により、MEK中に分散し、表面がシラン化合物で処理
されたコロイダルシリカS1を得た。
【0089】実施例1〜4および比較例1 合成した熱可塑性樹脂IおよびII、表面処理されたコ
ロイダルシリカS1および表3に示す化合物を用いて、
表3に示す組成を有する導電性光硬化性樹脂組成物溶液
を調製した。なお、比較例1は(a−1)成分以外の架
橋性化合物を含む例である。
【0090】
【表3】
【0091】注)数値は固形分換算の重量部である。 1)トリメチロールプロパントリアクリレート 2)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 3)トリフェニルスルホニウム6フッ化アンチモネート 4)アンチモンドープ酸化スズのMEK分散ゾル(石原
産業(株)製、商品名:SN−100P、固形分30w
t%、粒子径20nm) 5)スズドープ酸化インジウム粉末(三井金属工業
(株)製、商品名:パストランITO、一次粒子径20
nm) 得られたこれらの導電性光硬化性樹脂組成物溶液をそれ
ぞれ遊星回転型ボールミルで撹拌し、基材シートとして
架橋ゴム成分を含む、厚さ125μmの透明軟質アクリ
ルシート上に塗工幅350mmに塗布し、次いで熱風乾
燥機を用いて乾燥させ、厚さ8μmの導電性光硬化性熱
可塑性樹脂層を形成した。続いて、幅300mmにスリ
ットして20mの長さにABS製コアにロール状に巻き
取った。なお、透明軟質アクリルシートのみの破断伸度
をテンシロンにより測定すると、100℃加熱時の破断
伸度は260%であった。
【0092】室温にて約2週間ロール状態で保存した
後、巻き出しながら表面の粘着性を評価した。結果を表
4に示す。これらの導電性光硬化性インサート成形用シ
ートを、導電性光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向
き合うように金型内に配置し、次いで赤外線ヒーターに
より温度350℃で10秒間シートを予備加熱した後、
さらに加熱を行いながら真空吸引することにより金型形
状にシートを追従させた。なお、この金型の形状は、切
頭角錐形状で、切頭面のサイズは100mm×100m
mで、底面のサイズは108mm×117mm、深さは
10mmであり、切頭面の端部の曲率半径がそれぞれ
3、5、7、10mmである。その際の金型追従性を目
視で評価したところ、各端部とも良好に追従していた。
【0093】次に、成形温度280〜300℃、金型温
度40〜60℃の条件において、ポリカーボネート樹脂
を成形樹脂として用いてインサート成形を行い、導電性
光硬化性インサート成形用シートが成形品表面に密着し
た導電性インサート成形品を得た。この際の成形用金型
の汚れを目視で評価した。結果を表4に示す。次いで、
紫外線照射装置を用いて、約700mJ/cm2 の紫外
線を照射し、導電性光硬化性樹脂組成物を硬化させ、表
面物性を評価した。結果を同じく表4に示す。
【0094】インサート成形品物性評価方法 透明性:ASTM D1003に準じて、ヘイズメータ
ーを用いて全光線透過率およびヘイズを測定した。 耐擦傷性:#000スチールウールを用いて成形品表面
を擦ったときの傷の付き具合を目視評価した。
【0095】◎:全く傷無し ○:殆ど傷無し △:若干傷有り ×:著しい傷有り 導電性:JIS K7194に準じて、ハイレスタ−U
Pまたはロレスタ−GP(ともに(株)ダイアインスツ
ルメンタル製)を用いて表面抵抗率を測定した。
【0096】密着性:JIS K5400に準じて、碁
盤目テープ法により評価した。
【0097】
【表4】
【0098】1)○:粘着性無し、△:粘着性有り、
×:粘着着性大、巻きだし不可 2)○:汚れ無し、△:若干汚れ有り、×:汚れ大 3)本発明の導電性光硬化性樹脂層を有していない軟質
アクリルフィルムのみを用いてインサート成形し、次い
で光照射した成形品の耐擦傷性評価後の外観は著しい傷
があった(×)。
【0099】実施例1〜4および比較例1で調製した導
電性光硬化性樹脂組成物溶液を、それぞれ、基材シート
として架橋ゴム成分を含み、厚さ200μmの透明軟質
アクリルシート上に塗工幅350mmで塗布し、次いで
熱風乾燥機を用いて乾燥させ、厚さ20μmの導電性光
硬化性樹脂層を形成した。続いて、幅300mmにスリ
ットして20mの長さにABS製コアにロール状に巻き
取った。なお、透明軟質アクリルシートのみの破断伸度
をテンシロンにより測定すると、100℃加熱時の破断
伸度は400%であった。
【0100】次いで、黒、茶、黄の各色の顔料からなる
インキを用い、各導電性光硬化性インサート成形用シー
トの透明軟質アクリルシート面に絵柄をグラビア印刷法
によって印刷した後、導電性光硬化性インサート成形用
シートを得た。実施例1〜4のシートは粘着性がないの
で、印刷適性は良好であったのに対して、比較例1のシ
ートは表面に粘着性を有するため、グラビア印刷機のロ
ールにシートが貼り付く等の不具合が頻発して歩留まり
が低下し、印刷適性は不良であった。なお、シートの厚
みは223μmであった。
【0101】これらの導電性光硬化性インサート成形用
シートを、導電性光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に
向き合うように金型内に配置し、次いで赤外線ヒーター
により温度350℃で15秒間シートを予備加熱した
後、さらに加熱を行いながら真空吸引することにより金
型形状にシートを追従させた。次に、成形温度220〜
250℃、金型温度40〜60℃の条件において、アク
リロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体樹脂を成
形樹脂として用いてインサート成形を行い、導電性光硬
化性インサート成形用シートが成形品表面に密着した導
電性インサート成形品を得た。
【0102】次いで、紫外線照射装置を用いて、約70
0mJ/cm2 の紫外線を照射し、導電性光硬化性樹脂
組成物を硬化させ、表面硬度や導電性が高く、光沢に優
れ、印刷絵柄を有して意匠性に優れる導電性成形品を得
た。このように、比較例においては、シート表面に粘着
性が有り、ロール状態での保存安定性不良、成形不良、
印刷適性不良が認められ、また成形時の金型汚れが顕著
である。一方、実施例においては、いずれのフィルムも
粘着性が無く、保存安定性、印刷適性が良好であり、イ
ンサート成形性に優れており、金型汚れもなく、また硬
化後の物性(導電性,耐擦傷性,透明性)が非常に良好
である。
【0103】実施例5 実施例1で調製した組成物溶液をプロペラ型ミキサーで
撹拌し、基材シートとして架橋ゴム成分を含む、厚さ2
00μmの透明軟質アクリルシート上に塗工幅350m
mに塗布し、次いで熱風乾燥機を用いて乾燥させ、厚さ
20μmの導電性光硬化性樹脂層を形成した。続いて、
幅300mmにスリットして20mの長さにABS製コ
アにロール状に巻き取った。なお、透明軟質アクリルシ
ートのみの破断伸度をテンシロンにより測定すると、1
00℃加熱時の破断伸度は400%であった。
【0104】次いで、黒、茶、黄の各色の顔料から成る
インキを用い、透明軟質アクリルシート面に絵柄をグラ
ビア印刷法によって印刷した。このシートは粘着性がな
いので、印刷適性は良好であった。さらに塩素化ポリプ
ロピレン樹脂(塩素化度15%)からなる接着層を、印
刷面にグラビア印刷法によって形成させた後、導電性光
硬化性インサート成形用シートを得た。シートの厚みは
255μmであった。
【0105】この導電性光硬化性インサート成形用シー
トを、導電性光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向き
合うように金型内に配置し、次いで赤外線ヒーター温度
300℃で15秒間シートを予備加熱した後、さらに加
熱を行いながら真空吸引することにより金型形状にシー
トを追従させた。次に、成形温度200〜240℃、金
型温度30〜60℃の条件において、ポリプロピレン系
樹脂(タルクを20質量%含有、エチレン−プロピレン
系ゴムを10質量%含有)を成形樹脂として用いてイン
サート成形を行い、導電性光硬化性インサート成形用シ
ートが成形品表面に密着した導電性インサート成形品を
得た。
【0106】次いで、紫外線照射装置を用いて、約70
0mJ/cm2 の紫外線を照射して導電性光硬化性樹脂
組成物を硬化させ、表面硬度や導電性が高く、光沢に優
れ、印刷絵柄を有して意匠性に優れる成形品を得た。
【0107】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明により、
色もしくはデザインの印刷が可能な非粘着性の導電性光
硬化性の印刷シートが容易に得られ、それを用いて射出
成形時に同時成形することにより、汎用樹脂の上に、色
もしくはデザイン等の意匠をもち、良好な外観、導電
性、耐擦傷性および耐薬品性を有する表面を形成するこ
とができ、インストルメントパネル、コンソールボック
ス、メーターカバー、ドアロックペゼル、ステアリング
ホイール、パワーウィンドウスイッチベース、センター
クラスター、ダッシュボード等の自動車内装材、ウェザ
ーストリップ、バンパー、バンパーガード、サイドマッ
ドガード、ボディーパネル、スポイラー、フロントグリ
ル、ストラットマウント、ホイールキャップ、センター
ピラー、ドアミラー、センターオーナメント、サイドモ
ール、ドアモール、ウインドモール、窓、ヘッドランプ
カバー、テールランプカバー、風防部品等の自動車外装
材、AV機器や家電製品のディスプレイー、フロントパ
ネル、ボタン等の部材、半導体ウエハーの運搬容器や保
存容器、あるいは家具用外装材や建築(手術室、電子部
品製造室、バイオ研究室等のクリーンルーム)用内外装
材用途、さらには透明電極、太陽電池の窓材料、熱線反
射膜、可視域外光線吸収膜、電磁波遮蔽膜に好適に使用
することができる。また透明汎用樹脂の上においては、
その透明性を保持したまま良好な導電性、耐擦傷性およ
び耐薬品性を有する表面が形成することができる。成形
品の表面を塗装する場合と比べると、工程数を省略する
ことができて生産性もよく、環境に対する影響も少な
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 59/20 C08G 59/20 5G307 59/68 59/68 5G323 H01B 5/14 H01B 5/14 Z 13/00 503 13/00 503Z (72)発明者 末村 賢二 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 渡辺 博之 富山県富山市海岸通3番地 三菱レイヨン 株式会社富山事業所内 Fターム(参考) 4F100 AA20A AA20H AK01A AK53A AR00B AR00C AR00D AT00E BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10E CA23A DE01A DE01H EH66C EJ65 GB07 GB31 GB41 GB81 HB31B JB01 JB14A JB16A JG01 JG01A JG01H JK12 JK16 JL11D YY00A YY00H 4J011 PA03 PA07 PA13 PB27 PC02 QB03 SA01 SA21 SA84 UA01 VA01 WA02 4J027 AA02 CA12 CA18 CA20 CB10 CC05 CD01 4J036 AJ08 AK08 FA02 FA03 FA05 GA15 GA22 GA24 HA02 JA01 5G301 DA23 DA33 DA42 DD10 5G307 GA02 GC02 5G323 AA01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側鎖に光重合性官能基を有する熱可塑性
    樹脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)および導電性
    充填材(a−3)を含み、前記(a−1)以外の架橋性
    化合物を実質的に含まない導電性光硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(a−1)の側鎖の光重合
    性官能基がラジカル重合性不飽和基である、請求項1記
    載の導電性光硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂(a−1)の側鎖の光重合
    性官能基が脂環式エポキシ基である、請求項1記載の導
    電性光硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 導電性充填材(a−3)が、平均一次粒
    子径100nm以下の導電性微粒子である、請求項1〜
    3のいずれかに記載の導電性光硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 さらにコロイダルシリカ(a−4)を含
    む、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性光硬化性樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】 基材シート(B)と、およびその上に積
    層された、請求項1〜5のいずれかに記載した光硬化性
    樹脂組成物(A)の層を含む導電性光硬化性シート。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載した導電性光硬化性シー
    トの基材シート側に形成された印刷層および/または蒸
    着層を含む導電性光硬化性加飾シート。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載した導電性光硬化性シー
    トの基材シート側に形成された印刷層および/または蒸
    着層、および接着層を含む導電性光硬化性インサート成
    形用シート。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載した導電性光硬化性シー
    トの基材シート側に形成された印刷層および/または蒸
    着層、接着層およびプライマーシートを含む導電性光硬
    化性インサート成形用シート。
  10. 【請求項10】 請求項6〜9のいずれかに記載した導
    電性光硬化性シート、導電性光硬化性加飾シートまたは
    導電性光硬化性インサート成形用シートを、導電性光硬
    化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように挿
    入配置する工程(1)、金型を閉じて、溶融樹脂を金型
    内に射出し、樹脂を固化させることにより導電性光硬化
    性シート、導電性光硬化性加飾シートまたは導電性光硬
    化性インサート成形用シートが表面に配置された樹脂成
    形品を形成する工程(3)、および光照射することによ
    り成形品表面の導電性光硬化性樹脂組成物を光硬化させ
    る工程(4)を含む導電性インサート成形品の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項6〜9のいずれかに記載した導
    電性光硬化性シート、導電性光硬化性加飾シートまたは
    導電性光硬化性インサート成形用シートを、導電性光硬
    化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように挿
    入配置する工程(1)、導電性光硬化性シート、導電性
    光硬化性加飾シートまたは導電性光硬化性インサート成
    形用シートを予備成形してシートを金型形状に追従させ
    る工程(2)、金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出
    し、樹脂を固化させることにより導電性光硬化性シー
    ト、導電性光硬化性加飾シートまたは導電性光硬化性イ
    ンサート成形用シートが表面に配置された樹脂成形品を
    形成する工程(3)、および光照射することにより成形
    品表面の導電性光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程
    (4)を含む導電性インサート成形品の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10または11に記載した製造
    方法により得られた導電性インサート成形品。
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