JP2005146021A - 常温硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ラジカル硬化性樹脂並びに第一級アミン及び/又は第二級アミンを含有する常温硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明はまた、上記常温硬化性樹脂組成物を含む防水材でもある。
以下に本発明を詳述する。
上記ラジカル硬化性樹脂において、重合体としては、例えば、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート系重合体等の1種又は2種以上のものから構成されるものであることが好ましい。中でも、例えば、防水ライニング用材料に用いる場合には、形成される防水層が充分な基本性能を有することから、不飽和ポリエステルを含んでなることが好ましい。
上記要件を満たす重合体の含有量としては、ラジカル硬化性樹脂に含まれる重合体の全量を100質量%として、50〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは、70〜100質量%であり、更に好ましくは、90〜100質量%である。
なお、二重結合力価とは、二重結合1モル当たりの該重合体のグラム数であり、例えば、以下に記載するように求めることが好ましい。
(二重結合力価の求め方)
被架橋重合体/不飽和多塩基酸(又は不飽和基含有エポキシ)のモル数
とするか、又は、不飽和ポリエステルの場合、
{(酸成分+グリコール成分)−縮合水}/不飽和酸のモル数
とする。
上記不飽和ポリエステルとしては、多塩基酸成分と、グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分とを縮合反応して得ることができる。なお、多塩基酸成分を「酸成分」ともいい、不飽和多塩基酸を「不飽和酸」ともいう。
上記不飽和ポリエステルに用いられる多塩基酸成分としては、グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分に含まれる水酸基及び/又はエポキシ基と反応してエステル結合を生成することができる置換基を2つ以上有する化合物であればよく、不飽和多塩基酸を必須とし、その一部を飽和多塩基酸に置き換えて使用してもよい。
上記不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、イタコン酸等のα,β―不飽和多塩基酸;ジヒドロムコン酸等のβ,γ―不飽和多塩基酸;これらの酸の無水物;これらの酸のハロゲン化物;これらの酸のアルキルエステル等が挙げられる。これら例示の化合物は、それぞれ単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記不飽和結合を有するグリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分としては、例えば、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールエタンモノアリルエーテル、トリメチロールエタンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。これら例示の化合物は、それぞれ単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
なお、多塩基酸成分やアルコール分を縮合させる方法としては特に限定されず、例えば、反応温度や反応時間等の反応条件も適宜設定すればよい。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA系樹脂、ノボラック系樹脂、レゾール系樹脂、ビスフェノールF系樹脂、水素化ビスフェノールA系の脂肪族系のエポキシ樹脂等が好適である。また、ビスフェノールA系樹脂やビスフェノールF系樹脂としては、ビスフェノールA及び/又はビスフェノールFと脂肪族ジグリシジルエーテル型エポキシ化合物とを反応させて得られる反応生成物であることが好ましい。
上記不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸等が好適である。
上記ビニルエステルにおけるエポキシ樹脂や不飽和一塩基酸の種類や使用量としては特に限定されず、使用用途に応じて適宜設定すればよい。また、これらを反応させる方法としては特に限定されず、例えば、反応温度や反応時間等の反応条件も適宜設定すればよい。
上記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカ−ボネ−トポリオール、ポリブタジエンポリオール等の1種又は2種以上が好適であり、数平均分子量が200〜3000であるものが好ましい。より好ましくは、数平均分子量が400〜2000のものである。なお、ポリエーテルポリオールとは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレンオキサイドの他に、ビスフェノールAやビスフェノールFにアルキレンオキサイドを付加させたポリオールも使用することができる。また、ポリエステルポリオールとは、二塩基酸成分と多価アルコール成分との縮合重合体、又は、ポリカプロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合体である。
上記ウレタン(メタ)アクリレートにおけるポリオール、ポリイソシアネート及び水酸基を有する(メタ)アクリレートの種類や使用量としては特に限定されず、使用用途に応じて適宜設定すればよい。また、これらを反応させる方法としては特に限定されず、例えば、反応温度や反応時間等の反応条件も適宜設定すればよい。
なお、上記(メタ)アクリレート系重合体と重合性単量体とを含むラジカル硬化性樹脂を得る場合においては、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体等の重合性単量体に溶解させた樹脂(アクリルシラップ)であることが好ましい。また、耐熱性を上げるためにエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能ビニル単量体を用いることもできる。
上記重合性単量体の好適な形態としては、25℃における粘度が100mPa・s以下のものである。粘度が100mPa・sを超えると、樹脂組成物の粘度が高くなり、作業性が充分なものとはならないおそれがある。
なお、重合体及び重合性単量体の質量比としては、重合体/重合性単量体が、(20〜80)/(80〜20)であることが好ましい。重合性単量体の質量比が80質量%を超えると、得られる樹脂の耐薬品性及び靭性が充分なものとならないおそれがあり、20質量%未満であると、硬化物の表面性を充分に向上することができず、また、粘度が大きいために作業性に優れたものとはならないおそれがある。
上記ラジカル硬化性樹脂においてはまた、安定剤として、ハイドロキノン、カテコール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、クレゾール、t一ブチルハイドロキノン、フェルダジル、DPPH(ジフェニルピクリルヒドラジル)等の安定ラジカルを使用することができる。
以下にジシクロペンタジエン系不飽和ポリエステル樹脂、及び、回収PETを原料として利用した不飽和ポリエステル樹脂について、更に詳しく説明する。
なお、ジシクロペンタジエンのマレイン酸付加物は、ジシクロペンタジエン、無水マレイン酸及び水の付加反応を行うことによって製造することができるが、例えば、特開平11−49849号公報に記載の方法、すなわち無水マレイン酸と水の反応混合物にジシクロペンタジエンを反応させる工程において、無水マレイン酸の水に対するモル比が1未満、好ましくは0.2〜0.9として製造する方法が、最終的に得られる成形品の耐水性が向上するため特に好ましい。この場合、不飽和ポリエステル(I)の製造方法は、(1)ジシクロペンタジエン、無水マレイン酸及び水を反応させてジシクロペンタジエンのマレイン酸付加物を得る工程、並びに、(2)該ジシクロペンタジエンのマレイン酸付加物に多塩基酸成分及びグリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分を加え脱水縮合させて不飽和ポリエステル(I)を得る工程から製造されることになる。
なお、ノルボルネン骨格の導入率としては、原料仕込みの比率から容易に計算することができ、例えば、不飽和ポリエステル(I)の製造時に用いた全多塩基酸成分の量をXモル、ジシクロペンタジエンの使用量をYモルとすると、ノルボルネン骨格の導入率は、単純に(Y/X×100)%となる。ジシクロペンタジエンに替えて、例えば、ヒドロキシジシクロペンタジエンやジシクロペンタジエンのエチレングリコール付加物を用いた場合ももちろん、各々の使用モル数を全多塩基酸成分の使用モル数で除してノルボルネン骨格の導入率を算出すればよい。
なお、不飽和ポリエステル樹脂の原料に回収PETを利用する技術としては、例えば、「モダンプラスティックス インターナショナル(Modern Plastics International)」〔ロジャー・カレンダイン(Roger Calendine)著、(米国)、マックグロウ・ヒル社(McGraw−Hill)、1980年6月〕に反応方法、機械的強度、経済性が開示されている。また、特開平11−181067号公報には、保存安定性及び硬化性のあるポリエチレンテレフタレートを用いた不飽和ポリエステル樹脂の製造方法が開示されている。更に、特開平11−181072号公報には、破砕、洗浄された含水率0.1重量%以上、10重量%以下の回収PETを不飽和ポリエステル樹脂の原料として用いる製造方法が開示されている。
上記回収PET使用不飽和ポリエステル樹脂組成物は、例えば、下記の方法で得ることができる。
まず、グリコール分解物は、回収PETと多価アルコールとを200℃〜250℃で3時間〜10時間かけてアルコリシス反応して得られる。次いで、前記のグリコール分解物と、α,β−不飽和多塩基酸又はその酸無水物及び必要に応じて他の飽和酸とを、200℃〜250℃で5時間〜20時間かけて脱水重縮合反応し後、上述した重合性単量体で希釈し、必要に応じて安定化剤としての重合禁止剤を添加して、回収PET使用不飽和ポリエステル樹脂組成物を調製する。
上記引張強度としては、15MPa以上であることがより好ましく、更に好ましくは、20MPa以上である。また、50MPa以下であることがより好ましく、更に好ましくは、40MPa以下である。
上記引張伸び率としては、20%以上であることがより好ましく、更に好ましくは、50%以上である。また、200%以下であることがより好ましく、更に好ましくは、100%以下である。
なお、樹脂組成物の硬化物における引張強度及び引張伸び率は、日本工業規格(JIS K7113)に準拠して測定することが好ましい。
なお、これら第一級、第二級アミンは、予め樹脂組成物中に配合しておいてもよく、硬化させる直前に配合してもよい。また、本発明で用いる第一級、第二級アミン化合物には、予め配合した第一級、第二級アミン化合物が樹脂組成物中で骨格中や他の配合物と反応し、形成したアミン化合物も含まれる。
上記空乾性付与剤とは、ラジカル硬化性樹脂が硬化する際に樹脂組成物から形成される被膜や成形物の表面に析出し、空気との遮断層を該表面に形成することにより、空気中の酸素がラジカル硬化性樹脂のラジカル重合を阻害することを防止してラジカル硬化性樹脂の乾燥性を向上させる作用を有するものである。これを用いることにより、硬化物のホルムアルデヒド発散量を更に充分に低減させることが可能となる。このような空乾性付与剤としては、例えば、以下の(1)〜(3)に記載するワックス類等が挙げられる。
(2)合成ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス;動物性油脂の誘導体;カルボキシル基含有単量体とオレフィンとの共重合体;硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワックス;ステアリン酸、ドデカン酸、ステアリン酸オクタデシル等の炭素数12以上の脂肪酸及びその誘導体;アルキルフェニールや高級アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付加したアルコール類等が挙げられる。
(3)その他のものとしては、例えば、天然ワックスや合成ワックス等の配合ワックス等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、上記ワックス類に、他の成分を含んでもよい。
これらの中でも、パラフィンワックスを用いることが好ましい。
上記空乾性付与剤の融点が40℃未満であると、硬化途中の被膜や成形物の表面に空乾性付与剤が充分に析出しにくくなるおそれがあり、また、80℃を超えると、樹脂組成物中に充分に溶解することができないおそれがある。より好ましくは、50〜70℃である。
上記促進剤としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸銅、ナフテン酸カリウム、ナフテン酸カルシウム、オクチル酸コバルト等の金属石鹸類等が挙げられ、中でもコバルト塩を用いることが好適である。
上記促進剤の使用量としては、ラジカル硬化性樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上、5重量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.2重量部以上、0.5重量部以下である。
促進助剤の使用総量としては、ラジカル硬化性樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上、5重量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.03重量部以上、1.0重量部以下である。
上記添加剤において、充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム(ATH)、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、クレー、タルク、ガラスパウダー、ミルドファイバー、クリストバライト、マイカ、シリカ、川砂、珪藻土、雲母粉末、石膏、ガラス粉末等の無機充填剤;有機充填剤等の1種又は2種以上が挙げられる。充填剤の使用量としては、ラジカル硬化性樹脂100重量部に対して、20重量部以上、300重量部以下であることが好ましい。また、上記樹脂組成物としては、これらの充填剤を用いることにより、注型(人大)、塗床材に好適に利用することができる。この場合、ATHやシリカを用いることがより好ましく、使用量としては、120重量部以上、200重量部以下であることが好適である。
なお、この場合、本発明の樹脂組成物を施工した後にクロス(織物)状、マット状、不織布状等のガラス繊維を積層することにより樹脂組成物を繊維強化材に含浸することが防水ライニング用材料等の調製や施工性の点で好ましい。中でも、マット状のガラス繊維を用いることが好ましい。また、樹脂組成物を施工した後にチョップ状のガラス繊維を散布して積層することにより樹脂組成物を繊維強化材に含浸することもできる。
上記消泡剤としては、シリコン系等の他、市販の高分子系消飽剤その他添加剤を用いることができる。
上記増粘剤としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の多価金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の多価金属水酸化物;多官能イソシアネート等が好適である。
上記無機骨材としては、珪砂、シリカ、クレー、ベントナイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム等の無機粉体等が好適である。不活性粉体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂硬化物、ゴム、木材等の粉体及び/又は粉砕物等が好適である。また、上記樹脂組成物においては、無機骨材及び/又は不活性粉体を用いることにより、特にレジンモルタルパテ材用途に好適に使用することができることとなる。
上記基材としては、例えば、ガラス、スレート、コンクリート、モルタル、セラミック、石材等の無機質基材;アルミニウム、鉄、亜鉛、錫、銅、チタン、ステンレス、ブリキ、トタン等からなる金属板、表面に亜鉛、銅、クロム等をメッキした金属、表面をクロム酸、リン酸等で処理した金属等の金属基材;ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、FRP(織維強化プラスチック)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、等のプラスチック基材;合成皮革;ヒノキ、スギ、マツ、合板等の木材;繊維、紙等の有機素材等が挙げられる。また、これらの基材は、本発明の樹脂組成物が塗装される前に、通常用いられるプライマーや、下塗り、中塗り、メタリックベース等の上塗り等塗装用塗料が塗装されていてもよい。
またベランダや屋内床に使用される防水材では、異物の落下等は避けられず、これらに対する衝撃性は要求物性の一つであるが、本発明においては、上記樹脂組成物を用いることにより、異物の落下等に対して充分に耐え得る性能を有することになる。なお、二重結合力価が300に満たない重合体を用いた樹脂組成物の硬化物においては、落球衝撃で破砕が確認される。
温度計、撹拌機、不活性ガス吹込管及び還流冷却管を備えた四ツ口フラスコに、トリエチレングリコール1200部、プロピレングリコール175部、イソフタル酸747部及びアジピン酸438部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら210℃で酸価10まで縮合反応した。150℃まで冷却し無水マレイン酸245部を仕込み、210℃まで昇温し、15時間、縮合反応させた数平均分子量4300、二重結合力価996の不飽和ポリエステル65部に、スチレン35部、ハイドロキノン0.01部を加え、酸価7、粘度0.8Pa・sの不飽和ポリエステル樹脂Aを得た。
合成例1と同じ反応装置で、ジエチレングリコール954部、プロピレングリコール114部、テレフタル酸498部、無水フタル酸370部及びアジピン酸219部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら220℃で酸価10まで縮合反応した。150℃まで冷却し無水マレイン酸294部を仕込み、215℃まで昇温し、15時間、縮合反応させた数平均分子量3500、二重結合力価728の不飽和ポリエステル65部に、スチレン35部、ハイドロキノン0.01部を加え、酸価7、粘度0.8Pa・sの不飽和ポリエステル樹脂Bを得た。
温度計、撹拌機、空気吹込管及び還流冷却管を備えた四ツ口フラスコに、グリシジルメタクリレート284部、1,12−(6−エチルドデカン)ジカルボン酸と1,16−(6−エチルヘキサデカン)ジカルボン酸との混合物(商品名「SB−20」、岡村製油社製、酸価328mgKOH/g)685部、オクチル酸亜鉛4部、及び、ハイドロキノン0.4部を仕込んだ。続いて、上記混合物を空気気流中で撹拌して、115℃で2時間反応させた。この生成物の酸価は115mgKOH/gであった。更に、ビスフェノールA型エポキシ化合物(商品名「アラルダイドAER250」、旭チバ社製、平均エポキシ当量185)347部と、トリエチルアミン1.4部とを投入した。この混合物を空気気流中で撹拌して、115℃3時間反応させた。これにより数平均分子量3000、二重結合力価658、酸価が5.0mgKOH/gのビニルエステルを得た。ビニルエステル65部に、スチレン35部、ハイドロキノン0.01部を加え、粘度0.6Pa・sのビニルエステル樹脂Aを得た。
温度計、窒素ガス導入管、及び、撹拌機を備えた反応器としての四ツ口フラスコに、飽和二塩基酸としてのイソフタール酸498部、並びに、多価アルコールとしてのプロピレングリコール418部及びジプロピレングリコール670部を仕込んだ後、フラスコ内を窒素ガス置換した。次に、この混合物を撹拌しながら最高温度が215℃となるように加熱し、脱水反応を行った。これにより、酸価が10になったところで温度を50℃に下げ、更に、不飽和二塩基酸としての無水マレイン酸を686部仕込み、最高温度が215℃となるように加熱し、脱水反応を継続して酸価が28の不飽和ポリエステルを得た。そして、この不飽和ポリエステル(固形分)60部、重合性不飽和単量体としてのスチレン40部、及び、安定剤としてのハイドロキノン0.02部を混合することにより、数平均分子量2000、二重結合力価291の不飽和ポリエステル樹脂Cを得た。
温度計、窒素ガス導入管、及び、撹拌機を備えた反応器としての四ツ口フラスコに、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により得られたエポキシ当量189のエピクロン850(商品名、大日本インキ化学工業社製)458部、メタクリル酸215部、ハイドロキノン0.35部及びトリエチルアミン2.1部を加えて、含酸素気流中で110℃まで昇温し、6時間反応させて重合性ビニル基を有するエポキシアクリレートを得た。そして、このエポキシアクリレート65部、重合性不飽和単量体としてのスチレン35部、及び、安定剤としてのハイドロキノン0.02部を混合することにより、数平均分子量1500、二重結合力価269のビニルエステル樹脂Bを得た。
1:二重結合力価
二重結合力価としては、以下のようにして求めた。
被架橋重合体/不飽和多塩基酸(又は不飽和基含有エポキシ)のモル数
とするか、又は、不飽和ポリエステルの場合、
{(酸成分+グリコール成分)−縮合水}/不飽和酸のモル数
とする。
2:引張強度及び引張伸び率
合成例1〜3、比較合成例1〜2で製造したラジカル硬化性樹脂のそれぞれについて、日本工業規格(JIS K7113)に準拠して、硬化物の引張強度及び引張伸び率を求めた。結果を表2、表3に示す。なお、この測定試験の対象となる硬化物としては、ラジカル硬化性樹脂と、オクチル酸コバルトとを、質量比が100/0.3となるように混合した樹脂組成物を硬化させたものを用いた。
不飽和ポリエステル樹脂A100部に対して、硬化剤及びアミン化合物を添加混合し、樹脂組成物を得た。硬化剤及びアミン化合物の種類、添加量等については、表1に示した。
この樹脂組成物のそれぞれについて、下記ホルムアルデヒド定量法を用いてホルムアルデヒド発散量を測定し、また、この樹脂組成物の硬化物について、下記落球衝撃試験を行い、破砕の有無を確認した。結果を表1に示す。
1:試験板の作製
長さ75mm、幅50mmのガラス板片面に樹脂をウェット0.5mm厚で刷毛塗りし、常温硬化後、2日常温で養生し試験板とした。
2:試験方法
・密閉可能な内蓋付の容量900mlのガラス瓶を用意する。
・ガラス瓶に50gの水を入れる。
・図1のように、ガラス瓶内の内蓋に1枚の試験板を針金の先端に付けたクリップで支持する。一方、別のガラス瓶には、空試験用として試験板は装着しない。
・ガラス瓶に蓋をして、放散試験を開始する。
1回の放散試験の時間は24時間とし、JIS K5601−4−1に従いアセチルアセトン吸光光度法によって、ホルマリン濃度を測定した。
300mm×300mm×3mm(厚さ)の硬化物に対して、500gの鋼球を1mの高さから落として破砕の有無を確認し、以下のように評価した。
○:破砕が生じなかった。
×:破砕が確認された。
なお、表1において、樹脂、硬化剤及びアミン化合物の単位は、重量部である。
ラジカル硬化性樹脂100部に対して、硬化剤及びアミン化合物を添加混合し、樹脂組成物を得た。樹脂、硬化剤及びアミン化合物の種類、添加量等については、表2に示した。
この樹脂組成物のそれぞれについて、実施例1等と同様に、ホルムアルデヒド発散量を測定し、また、落球衝撃試験による破砕の有無を確認した。結果を表2に示す。
ラジカル硬化性樹脂100部に対して、硬化剤及びアミン化合物を添加混合し、樹脂組成物を得た。樹脂、硬化剤及びアミン化合物の種類、添加量等については、表3に示した。
この樹脂組成物のそれぞれについて、実施例1等と同様に、ホルムアルデヒド発散量を測定し、また、落球衝撃試験による破砕の有無を確認した。結果を表3に示す。
不飽和ポリエステル樹脂A100部に対して、硬化剤、アミン化合物及び空乾性付与剤を添加混合し、樹脂組成物を得た。硬化剤、アミン化合物及び空乾性付与剤の種類、添加量等については、表4に示した。
この樹脂組成物のそれぞれについて、実施例1等と同様に、ホルムアルデヒド発散量を測定し、また、落球衝撃試験による破砕の有無を確認した。結果を表4に示す。
なお、表4において、樹脂、硬化剤、アミン化合物及び空乾性付与剤の単位は、重量部である。
2:クリップ
3:試験板
4:水50g
Claims (3)
- ラジカル硬化性樹脂並びに第一級アミン及び/又は第二級アミンを含有することを特徴とする常温硬化性樹脂組成物。
- 前記ラジカル硬化性樹脂は、二重結合力価が300〜1800である重合体を含み、常温硬化性樹脂組成物の硬化物における引張強度が10MPaより大きく、かつ、引張伸び率が10%より大きいものであることを特徴とする請求項1に記載の常温硬化性樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の常温硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする防水材。
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