JP4261384B2 - 防水用複合被覆体の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、防水用複合被覆体の施工方法に関する。より詳しくは、ベランダ、バルコニー、陸屋根、床面、屋内駐車場等に代表される建築空間等の平面部のライニング工法として有用な防水用複合被覆体の施工方法に関する。
防水用複合被覆体の施工方法は、強度、表面硬度が高く、耐久性、寸法安定性等に優れた防水施工方法であり、ベランダ、バルコニー、陸屋根、床面、屋内駐車場等に代表される建築空間等の平面部のライニング工法として注目されている。このような防水施工方法においては、木質材やコンクリート構造物等の基体上に、繊維強化樹脂層を形成し、その上層に、耐侯性、耐水性等の向上や平滑性等の美観の向上を目的として仕上材層を設けることにより行われている。
ところで、建築材料に対するシックハウス対策として建築基準法等の一部改正があり、居室内における化学物質の発散に対する衛生上の措置に関する技術的基準の整備に関し、発散により衛生上の支障を生じるおそれのある化学物質としてホルムアルデヒドが挙げられている。例えば、内装仕上げ材の発散速度に関し、夏季においてその表面積1平方メートルにつき毎時0.12ミリグラムを超える量のホルムアルデヒドを発散するものが第一種ホルムアルデヒド発散建築材料(内装の仕上げには、用いないものとする)等とされることから、ホルムアルデヒドの発散量を基準値より低くして、内装仕上げ材等の分野において建築基準に適合させることができる技術が求められている。
従来の建築分野等における施工に関する技術としては、(a)重合性不飽和モノマー、(b)該(a)成分に可溶又は分散可能なポリマー、(c)ラジカル重合開始剤、(d)遷移金属石鹸、及び、(e)該(d)成分中の遷移金属と錯体又はキレートを形成する化合物を含有するラジカル重合硬化性施工材料組成物に関し、実施例として、アクリレート化した不飽和ポリエステルとジブチルアミンとを含有する組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この組成物において、ジブチルアミン等の化合物(e)は、重合硬化系における重合開始反応の遅延効果を目的として使用されている。しかしながら、この技術は、コンクリート構造物の補強を目的としたものであり、建築基準法等の一部改正等に充分に対応することができるようにホルムアルデヒド等の発散量をより低く抑制することにより、樹脂組成物の硬化過程や硬化物において衛生上の支障を生じるおそれが充分に抑制され、防水用複合被覆体の施工方法に好適に用いられるようにするための工夫の余地があった。
国際公開第99/62977号パンフレット
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、耐侯性、耐水性等の防水性能や平滑性等の美観に優れるうえに、効率的にライニングすることができ、しかもホルムアルデヒド発散量が充分に低減されることにより衛生上の支障を生じるおそれを充分に抑制することが可能な防水用複合被覆体の施工方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、防水ライニング工法について種々検討したところ、基体上に少なくとも繊維強化樹脂層及び仕上材層をこの順で積層してなる防水用複合被覆体の施工方法とすると、耐侯性、耐水性等の防水性能や平滑性等の美観に優れる防水用複合被覆体を得ることができることに着目した。そして、繊維強化樹脂層を、特定の二重結合力価を有する不飽和ポリエステル、重合性単量体及び脂環式アミンを含有し、特定の引張強度及び引張伸び率を有する常温硬化性樹脂組成物(A)により構成すると、繊維強化樹脂層の防水性能が向上するとともに、該組成物(A)の硬化過程や硬化物においてホルムアルデヒド発散量を充分に低減することができることを見いだし、更に、仕上材層を、特定の不飽和ポリエステル樹脂を含有する常温硬化性樹脂組成物(B)を硬化してなる樹脂硬化層とすると、耐アルカリ性や耐熱性に優れ、防水用複合被覆体の腐食や劣化を充分に抑制することが可能となることを見いだし、これらを組み合わせて施工することにより、建築空間等の平面部のライニング工法として非常に有用な施工方法となることを見いだし、上記課題をみごとに解決できることに想到し、本発明に到達したものである。なお、本発明の防水用複合被覆体の施工方法は、平成15年7月1日に施行された改正建築基準法における「シックハウス対策に係る建築基準法等の一部を改正する法律」を受け、建築分野等における建築材料等の最終製品が、ホルムアルデヒド発散量を充分に低減することを可能とするものである。
すなわち本発明は、基体上に少なくとも繊維強化樹脂層及び仕上材層をこの順で積層してなる防水用複合被覆体の施工方法であって、上記繊維強化樹脂層は、二重結合力価が300〜1800である不飽和ポリエステル、重合性単量体及び脂環式アミンを含有する常温硬化性樹脂組成物(A)により構成され、上記常温硬化性樹脂組成物(A)は、硬化物における引張強度が10MPaより大きく、かつ、引張伸び率が10%より大きいものであり、上記仕上材層は、不飽和ポリエステル及び重合性単量体からなる不飽和ポリエステル樹脂と、JIS K2235(1991)に規定される石油ワックス0.05〜1.0質量%とを含む常温硬化性樹脂組成物(B)を硬化してなる樹脂硬化層であり、上記不飽和ポリエステル樹脂は、硬化物がJIS K6919(1992)5.2.8に規定される耐アルカリ性試験によりUP−CM、UP−CE若しくはUP−CEE、又は、荷重たわみ温度試験によりUP−HM若しくはUP−HEのいずれかに適合するものである防水用複合被覆体の施工方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の防水用複合被覆体の施工方法は、基体上に少なくとも繊維強化樹脂層及び仕上材層をこの順で積層してなるものである。
上記施工方法において、基体の部位としては、建築物の屋根、庇、解放廊下、ベランダ、バルコニー、工場床等が挙げられ、その材質として、コンクリート、アスファルト、石綿スレート、発泡コンクリート、プラスチック、木材、金属等が挙げられる。
なお、基体がコンクリート、アスファルト、石綿スレートの場合には、不燃層なしで施工することができ、表面含水量が5質量%以下となった状態のものが好適に用いられる。また、基体に対する層の密着性を良好にするために、雨水や汚れ、付着物、脆弱な表面層等を除去することが好ましく、例えば、ベランダ上部をブルーシート等で覆い雨水対策をしたり、サッシ・手摺等にビニールシート等で保護養生したり、ショットブラスト、サンドペーパー等により剥落し、研掃して表面を清潔にしたりすることが好適である。
上記施工方法においては、基体と繊維強化樹脂層との間に不燃層を積層してもよく、このような基体と繊維強化樹脂層との間に不燃層を積層してなる防水用複合被覆体の施工方法もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記施工方法において用いてもよい不燃層とは、不燃材により構成されるものであり、例えば、コンクリート、レンガ、ガラス、岩石、金属、木毛セメント板、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板等の平板が挙げられる。中でも、JIS A5430(2001)に規定されるケイ酸カルシウム板で不燃認定品を取得しているものを用いることが好適である。本発明においては、このような不燃層を設けることにより、防火機能を付与することができ、木造住宅等に好適に用いられることとなる。
上記不燃層としては、動きのないようにねじで基体に固定する、あるいは、接着剤、粘着剤で基体に固定することにより形成することが好適である。なお、入隅、出隅は面取りをしておくことが好ましい。
上記繊維強化樹脂層を施工するにあたって、その下地となる基体又は不燃層表面との接着性をより確実にするために、必要に応じてプライマーを0.1〜1kg/m塗布することが好ましい。プライマーとしては、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等が好適である。この場合、下地への含浸をよくするために、プライマーに溶剤や架橋性単量体を添加して粘度を下げることが好ましい。また、プライマーの硬化後、基体との追従性を向上させるために、軟質の樹脂を0.1〜2kg/m塗布してもよい。軟質の樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ウレタンアクリレート樹脂等が好適であり、その硬化物の伸び率は、30〜300%であることが好ましい。
更に下地との密着性を向上させるために、珪砂、タルク等の充填材を配合してもよく、その使用量としては、軟質の樹脂100重量部に対して50〜300重量部とすることが好適である。
上記施工方法においては、次に、繊維強化樹脂層(FRP層)の形成工程を行うことになる。繊維強化樹脂層は、繊維状補強材と常温硬化性樹脂組成物(A)とが複合された状態で硬化されて形成されることが好適であるが、繊維状補強材としては、ガラス繊維、金属繊維、セラミック繊維や炭素繊維等の1種又は2種以上を用いることができ、また、形状としては、チョップドストランドマット、クロス(織物)、不織布、三次元織物等の1種又は2種以上のものが使用できる。このような繊維状補強材の使用量としては、繊維強化樹脂層を形成する全材料を100質量%とすると、8〜80質量%であり、10〜60質量%とすることが好ましく、必要物性に応じて適宜設定されることとなる。
上記繊維強化樹脂層において、常温硬化性樹脂組成物(A)としては、二重結合力価が300〜1800である不飽和ポリエステル、重合性単量体及び脂環式アミンを含有するものを用いることが適当である。なお、本発明において、不飽和ポリエステル及び重合性単量体からなる不飽和ポリエステル樹脂とは、常温でラジカル重合が可能なものを意味する。
上記不飽和ポリエステルにおいて、二重結合力価が300未満であると、防水用複合被覆体における下地基体の動きに対する追従性等が充分なものとはならないおそれがあり、1800を超えると、繊維強化樹脂層の耐加重性、耐磨耗性等が優れたものとはならないおそれがある。好ましくは、400〜1600であり、より好ましくは、500〜1400である。
なお、二重結合力価とは、重合性二重結合1モル当たりの不飽和ポリエステルのグラム数であり、例えば、下記式;
二重結合力価={(酸成分+グリコール成分)−縮合水}/不飽和酸のモル数
により求める。
ところで、防水材をベランダや屋内床に使用する場合においては、異物の落下等は避けられず、これらに対する衝撃性は要求物性の一つであるが、本発明においては、上記二重結合力価の範囲を満たす不飽和ポリエステルを繊維強化樹脂層に用いることにより、異物の落下等に対して充分に耐え得る性能を有することになる。なお、二重結合力価が300に満たない重合体を用いると、落球衝撃で破砕が確認される。
上記常温硬化性樹脂組成物(A)において、脂環式アミンとしては、ホルムアルデヒドの捕捉を目的として用いられるものであるが、例えば、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン等の1種又は2種以上が好適である。なお、脂環式アミンは、予め樹脂組成物中に配合しておいてもよく、硬化させる直前に配合してもよい。また、本発明で用いる脂環式アミンには、予め配合した脂環式アミンが樹脂組成物中で骨格中や他の配合物と反応し、形成したアミン化合物も含むものとする。
上記脂環式アミンの使用量としては、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、上限は3重量部、下限は0.01重量部であることが好ましい。より好ましい上限は1.5重量部、下限は0.05重量部である。また、好ましい範囲は、0.01〜3重量部であり、より好ましい範囲は、0.05〜1.5重量部である。このような範囲に設定することにより、ホルムアルデヒド発散量を充分に低減するという本発明の作用効果を充分に発揮することが可能となる。
上記常温硬化性樹脂組成物(A)においては、硬化過程や硬化後のホルムアルデヒドの発生を充分に抑制することが可能となる。樹脂組成物(A)の硬化物におけるホルムアルデヒド発散量としては、1.8mg/L以下であることが好ましい。より好ましくは、0.35mg/L以下であり、更に好ましくは、0.12mg/L以下である。
上記常温硬化性樹脂組成物(A)としてはまた、常温硬化性樹脂組成物の硬化物における引張強度が10MPaより大きく、かつ、引張伸び率が10%より大きいものである。引張強度が10MPa以下であると、形成された繊維強化樹脂層の防水性、耐水性、基体に対する追従性等を充分に向上させることができないおそれがあり、また、引張伸び率が10%以下であると、常温硬化性樹脂組成物(A)から形成される硬化層の剛直性が高くなり過ぎて、木質材等の基体の伸縮や振動に対する追従性が充分とはならないおそれがある。
上記引張強度としては、15MPa以上であることがより好ましく、更に好ましくは、20MPa以上である。また、50MPa以下であることがより好ましく、更に好ましくは、40MPa以下である。
上記引張伸び率としては、20%以上であることがより好ましく、更に好ましくは、30%以上である。また、200%以下であることがより好ましく、更に好ましくは、100%以下である。
なお、樹脂組成物の硬化物における引張強度及び引張伸び率は、日本工業規格(JIS K7113(1995))に準拠して測定することが好ましい。
上記繊維強化樹脂層の形成方法としては、例えば、常温硬化性樹脂組成物(A)を塗布した上に繊維状補強材を施工し、更に常温硬化性樹脂組成物(A)を塗布した後硬化させる方法;常温硬化性樹脂組成物(A)をハンドレイアップ等により繊維強化材を含浸させて被覆材とし、硬化させる方法等により繊維強化樹脂層を形成することが可能である。なお、このような繊維強化樹脂層は、0.5〜5kg/mでライニングされることが好ましい。
上記常温硬化性樹脂組成物(A)を塗布する方法としては、例えば、刷毛塗り、ロール刷毛塗り、スプレーコート等による塗装法により行うことができる。
また上記常温硬化性樹脂組成物(A)を硬化する方法としては、例えば、施工直前に、硬化剤を含む全ての成分を混合して樹脂組成物(A)を作成したり、予め硬化剤を除いて樹脂組成物(A)を調整し、施工する直前に硬化剤を混合したりすることにより硬化させることができる。また、硬化条件において、硬化温度としては、常温で行うことが好ましい。より好ましくは、−10〜60℃であり、更に好ましくは、10〜40℃である。ゲル化時間としては、1〜180分であることが好ましい。より好ましくは、5〜60分である。
上記施工方法においては、次に、仕上材層の形成工程を行うことになる。仕上材層は、不飽和ポリエステル樹脂と、JIS K2235(1991)に規定される石油ワックスとを含む常温硬化性樹脂組成物(B)を硬化することにより形成される樹脂硬化層である。なお、仕上材層の形成前に、上記繊維強化樹脂層硬化後、ディスクサンダー等で表面を研掃しガラスマット等の跡を平坦にしておくことが好ましい。
上記常温硬化性樹脂組成物(B)において、JIS K2235(1991)に規定される石油ワックスとは、この規定における表1(パラフィンワックス)、表2(マイクロワックス)及び表3(ペトロラタム)に記載されたものであり、1種又は2種以上を用いることができる。このような石油ワックスを使用することにより、樹脂組成物(B)の施工において、該石油ワックスが硬化途中の樹脂組成物(B)から形成される被膜や成形物の表面に析出しやすくなり、空気との遮断層が充分に形成され、本発明の作用効果を充分に発揮することができることとなる。また、仕上材層において、乾燥後の防水性や基体に対する追従性、耐加重性、耐磨耗性等の機械的特性や、防根性、耐薬品性、長期耐久性等の付加性能も充分かつ確実に発揮させることが可能となる。
上記石油ワックスとしては、JIS K2235(1991)の表1及び表2に記載されたパラフィンワックス及びマイクロワックスが好ましく、パラフィンワックスがより好ましい。
上記石油ワックスとしてはまた、種類や融点が異なる2以上の石油ワックスにより構成されていてもよい。樹脂組成物(B)の施工では、季節により施工時の温度条件が異なることになるが、融点が異なる2種以上の石油ワックスを用いることにより、一年を通じて常温硬化性や表面乾燥性を向上する作用を発揮させることが可能となる。すなわち硬化途中の被膜や成形物の表面に遮断層を形成しやすくするためには、気温が高い夏場では空乾性付与剤の融点を高くする方がよく、気温が低い冬場では石油ワックスの融点を低くする方がよいが、融点が高い石油ワックスと融点を低い石油ワックスとを組み合わせることにより気温に関わりなく硬化途中の被膜や成形物の表面に遮断層が充分に形成されることになる。
上記石油ワックスの含有量としては、常温硬化性樹脂組成物(B)100質量%に対して、0.05〜1.0質量%とすることが適当である。0.05質量%未満であると、優れた遮断性及び硬化性を発揮することができず、硬化物からのホルムアルデヒド発散量を充分に低減できないおそれがある。1.0質量%を超えると、樹脂組成物(B)中に充分に溶解することができず、他の層との密着性が充分とはならないおそれがある。好ましい上限は0.8質量%であり、より好ましくは、0.5質量%である。一方、好ましい下限は、0.1質量%である。また、石油ワックスの含有量の好適な範囲としては、0.1〜0.8質量%であり、より好ましくは、0.1〜0.5質量%である。
上記常温硬化性樹脂組成物(B)において、不飽和ポリエステル樹脂は、その硬化物がJIS K6919(1992)5.2.8に規定される耐アルカリ性試験によりUP−CM、UP−CE若しくはUP−CEE、又は、荷重たわみ温度試験によりUP−HM若しくはUP−HEのいずれかに適合するものである。ここで、JIS K6919(1992)5.2.8に規定される耐アルカリ性試験によりUP−CMに適合するものとは、耐アルカリ性に優れているものを意味し、UP−CEに適合するものとは、耐アルカリ性に特に優れているものを意味し、UP−CEEに適合するものとは、耐アルカリ性に非常に優れているものを意味する。すなわち、これらUP−CM、UP−CE又はUP−CEEに適合するものは、いずれも耐薬品性に優れたものであることを意味する。また、荷重たわみ温度試験によりUP−HMに適合するものとは、耐熱性に優れているものを意味し、UP−HEに適合するものとは、耐熱性に特に優れているものを意味する。
なお、本発明においては、不飽和ポリエステル樹脂として、これらのいずれかに適合するものを単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
このような硬化物を形成する不飽和ポリエステル樹脂を用いることにより、基体中等に由来するアルカリ成分に対する耐アルカリ性又は耐熱性に優れるため、例えば、長期間使用しても繊維強化樹脂層等の防水層に及ぼす影響を充分に抑制することができ、防水用複合被覆体の防水性能を充分に向上させることが可能となる。
なお、常温硬化性樹脂組成物(B)に用いる不飽和ポリエステル樹脂の硬化物が、上述したUP−CM、UP−CE若しくはUP−CEE、又は、UP−HM若しくはUP−HEに適合しないものであると、耐アルカリ性又は耐熱性が充分ではないため、長期に使用した場合に仕上材層にクラックが発生し、繊維強化樹脂層等の防水層にアルカリ成分の影響が及び、腐食や劣化による漏水の原因となるおそれがある。
上記仕上材層としては、上記常温硬化性樹脂組成物(B)を0.2〜1kg/m塗布し、硬化させることによって形成することが好ましく、塗布方法及び硬化方法としては、繊維強化樹脂層において上述したものと同様である。
なお、本発明における仕上材層においては、色彩的意匠を施してもよく、例えば、グラニット仕上げをすることができる。また、仕上材層の表面粗度を上げることにより防滑性を良好にすることができる。
上記意匠性を施す粒子(骨材)としては、例えば、砕石、砂利、小石、スラグ等が挙げられ、その粒径は、例えば、5mm以上の範囲が好ましく、より好ましくは、5〜30mmの範囲である。
上記粒子(骨材)としては、防滑性を発現させるには、6号(150〜600μm)砕石、ガラスビーズ等が好適に用いられる。
上記粒子(骨材)の使用量としては、例えば、施工面の1/3〜1/10の範囲の占有面積となることが好ましい。施工面の1/10未満では、密着強度やせん断強度を充分に向上することができないおそれがあり、1/3を越えると、施工面の平均的な強度物性を充分に得ることができず、部分的な強度低下をかえって引き起こすおそれがある。より好ましくは、1/5〜1/7の範囲である。
本発明の防水用複合被覆体の施工方法においてはまた、上記繊維強化樹脂層形成後少なくとも3日経過後に、密着性を発現させるための下地処理をせずに、上記仕上材層を施工してもよく、これにより、繊維強化樹脂層の形成から仕上材層の形成までの間に防水用複合被覆体の施工方法において通常付随して行われる工事、例えば、壁、柱や内装材、その他什器や備品の設置や移動等を実施することが可能となる。このように、繊維強化樹脂層形成後少なくとも3日経過後に、密着性を発現させるための下地処理をせずに、仕上材層を施工する防水用複合被覆体の施工方法は、本発明の好適な形態の1つである。
この施工方法において、「密着性を発現させるための下地処理」とは、繊維強化樹脂層の全面又は一部の面を表面の状態が変化して密着性を発現する程度にサンディングしたり、繊維強化樹脂層の全面又は一部の面にプライマー層(接着剤層)を設けたりすることを意味する。なお、本発明においては、繊維強化樹脂層の形成から1週間以上経過後に仕上材層を形成してもよい。
本発明においては、このような施工方法において防水用複合被覆体が耐侯性、耐水性等の防水性能や平滑性等の美観に優れることとなるように、仕上材層と繊維強化樹脂層とを密着するように施工することとなるが、そのように施工するために、繊維強化樹脂層を形成する常温硬化性樹脂組成物(A)の配合等を適宜調整することが好適である。例えば、繊維強化樹脂層を形成する常温硬化性樹脂組成物(A)に表面乾燥性を向上させるためのパラフィンワックスを分散剤とともに特定量配合することにより調整することが好ましく、これにより、繊維強化樹脂層の形成から仕上材層の形成までの間に防水用複合被覆体の施工方法において通常付随して行われる工事を実施することが可能となり、しかも仕上材層が繊維強化樹脂層と充分に密着するように施工されることとなる。
上記施工方法において、繊維強化樹脂層の形成から少なくとも3日経過後に仕上材層を形成し、かつ密着性を発現させるための下地処理をせずに、仕上材層を繊維強化樹脂層上に積層して形成する際の仕上材層の密着性としては、例えば、繊維強化樹脂層の形成から3日後に仕上材を塗布し、仕上材塗布24時間後に、JIS K5400(1990)8.5.2に準じて碁盤目法にて仕上材付着性(すきま間隔2mm、ます目の数25)を評価した場合の付着性の評価点が6点以上であることが好ましい。より好ましくは、繊維強化樹脂の形成から1週間後に仕上材を塗布した場合の付着性の評価点が6点以上であり、更に好ましくは、8点以上である。なお、JIS K5400(1990)に示された密着性評価表を表1に示す。
Figure 0004261384
本発明の防水用複合被覆体の施工方法によると、防水性や耐水性、基体に対する追従性、耐加重性、耐磨耗性等の機械的特性が優れるうえに、防根性、耐薬品性、長期耐久性等の付加性能を有し、しかも硬化過程や硬化後のホルムアルデヒド発散量を充分に低減することが可能な防水用複合被覆体を得ることができるが、このような本発明の施工方法により施工された防水用複合被覆体もまた、本発明の1つである。
以下に、常温硬化性樹脂組成物(A)及び常温硬化性樹脂組成物(B)について更に説明するが、まず、常温硬化性樹脂組成物(A)について説明する。
上記常温硬化性樹脂組成物(A)において、不飽和ポリエステル樹脂とは、上述したように不飽和ポリエステル及び重合性単量体を含むものであるが、必要に応じて安定剤や各種添加剤を混合して得ることができる。
上記不飽和ポリエステルは、多塩基酸成分と、グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分とを縮合反応して得ることができる。
上記不飽和ポリエステルに用いられる多塩基酸成分としては、グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分に含まれる水酸基及び/又はエポキシ基と反応してエステル結合を生成することができる置換基を2つ以上有する化合物であればよく、不飽和多塩基酸を必須とし、その一部を飽和多塩基酸に置き換えて使用してもよい。
上記不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、イタコン酸等のα,β―不飽和多塩基酸;ジヒドロムコン酸等のβ,γ―不飽和多塩基酸;これらの酸の無水物;これらの酸のハロゲン化物;これらの酸のアルキルエステル等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記飽和多塩基酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルコハク酸、ヘキシルコハク酸、グルタル酸、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和多塩基酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族飽和多塩基酸;ヘット酸、1,2−ヘキサヒドロフタル酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂環式飽和多塩基酸;これらの酸の無水物;これらの酸のハロゲン化物;これらの酸のアルキルエステル等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記不飽和ポリエステルに用いられるグリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2−エチル−1,4−ブタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオール、3−メチルペンタン−1,4−ジオール、2,2−ジエチルブタン−1,3−ジオール、4,5−ノナンジオール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記不飽和ポリエステルに用いられるエポキシ化合物成分としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、3,4−エポキシ−1−ブテン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記不飽和ポリエステルの原料の一部を、以下に示すアリル基等の不飽和結合を有する化合物に置き換えて製造してもよく、この場合には、いわゆる空気硬化型ポリエステルとすることができる。具体的には、少なくとも上述した通常の多塩基酸成分の全量又は一部を、以下に示すアリル基等の不飽和結合を有する不飽和多塩基酸に置き換えるか、上述した通常のグリコール成分及び/若しくはエポキシ化合物成分の全量又は一部を、以下に示すアリル基等の不飽和結合を有するグリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分に置き換えればよい。
上記不飽和結合を有する不飽和多塩基酸成分としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、α−テルピネン−無水マレイン酸付加物、シクロペンタジエン−無水マレイン酸付加物(エンドメチレンテトラヒドロフタル酸)、ロジン、エステルガム、乾性油脂肪酸、半乾性油、脂肪酸等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記不飽和結合を有するグリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分としては、例えば、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールエタンモノアリルエーテル、トリメチロールエタンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記不飽和ポリエステルの末端ヒドロキシル基を、多官能イソシアネートと反応して使用することもできる。反応させる多官能イソシアネートとしては、特に制限されるものではなく、例えば、フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等のジイソシアネート類;トリフェニルメタントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート等のトリイソシアネート類等を挙げることができ、これらを単独で又は混合して使用することができる。
上記多官能イソシアネートの使用量は、上記不飽和ポリエステル100質量%に対して0.1〜10質量%、好ましくは0.3〜5質量%とするのがよい。上記不飽和ポリエステルと上記多官能イソシアネートとを反応させてウレタン変性されてなる不飽和ポリエステルを得る際の反応方法は、当該業界で公知の方法に従って行えばよい。例えば、ハイドロキノンや酸素等の重合禁止剤及び錫化合物や三級アミン等のウレタン化触媒の共存下、必要に応じて後述のラジカル重合性不飽和単量体(重合性単量体)を存在させ、室温〜130℃で、上記不飽和ポリエステルと上記多官能イソシアネートとを反応させればよい。
上記不飽和ポリエステル樹脂において、重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、パラメチルスチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等の1官能アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート等の分子内に環状構造を有する1官能(メタ)アクリレート;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート等を用いることができ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スチレンを用いることが好ましい。
上記重合性単量体において、スチレンを用いる場合には、重合性単量体の全量を100質量%とすると、50〜100質量%であることが好ましい。
上記重合性単量体の好適な形態としては、25℃における粘度が100mPa・s以下のものである。粘度が100mPa・sを超えると、常温硬化性樹脂組成物(A)の粘度が高くなり、作業性が充分なものとはならないおそれがある。
上記不飽和ポリエステル樹脂において、不飽和ポリエステル及び重合性単量体の質量比としては、不飽和ポリエステル/重合性単量体が、(20〜80)/(80〜20)であることが好ましい。重合性単量体の質量比が80質量%を超えると、得られる樹脂の耐薬品性及び靭性が充分なものとならないおそれがあり、20質量%未満であると、硬化物の表面性を充分に向上することができず、また、粘度が大きいために作業性に優れたものとはならないおそれがある。
上記不飽和ポリエステル樹脂においてはまた、安定剤として、ハイドロキノン、カテコール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、クレゾール、t一ブチルハイドロキノン、フェルダジル、DPPH(ジフェニルピクリルヒドラジル)等の安定ラジカルを使用することができる。
このようにして常温硬化性樹脂組成物(A)に含有される不飽和ポリエステル樹脂を得ることができるが、その中でも、ジシクロペンタジエン(DCPD)系不飽和ポリエステル樹脂及び/又は回収ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた不飽和ポリエステル樹脂であってもよい。なお、「回収PETを用いた」とは、回収PETを原料として利用したことを意味する。
上記ジシクロペンタジエン系不飽和ポリエステル樹脂とは、ノルボルネン骨格を有する不飽和ポリエステルを上述した重合性単量体に溶解したものである。ノルボルネン骨格を有する不飽和ポリエステル(I)(以下、「不飽和ポリエステル(I)」ともいう。)とは、不飽和ポリエステルの分子末端の一部に、下記一般式(1)で示されるノルボルネン骨格が導入されたものを指す。
Figure 0004261384
上記不飽和ポリエステル(I)の酸価及び分子量には特に制限が無いが、一般的には酸価が40以下であり、数平均分子量が500〜5000、重量平均分子量が1000〜50000の範囲内にあることが好ましく、低粘性と硬化物物性とのバランスの観点から、数平均分子量が600〜2500、重量平均分子量が1500〜15000の範囲内にあることがより好ましい。なお、これらの分子量測定は、汎用のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置を用い、分子量既知のポリスチレンを標準物質として、示差屈折率計を検出器として測定することで容易に求めることができる。
上記不飽和ポリエステルへのノルボルネン骨格の導入方法としては特に限定されないが、例えば、ジシクロペンタジエンを原料に用いて導入する方法が効率的かつ経済的である。具体的には、例えば、不飽和ポリエステルに用いられる多塩基酸酸成分の一部を、ジシクロペンタジエンの不飽和多塩基酸付加物で置き換えることによって得られる。ジシクロペンタジエンの不飽和多塩基酸付加物としては、上述した不飽和多塩基酸をジシクロペンタジエンに付加させてなる付加物、例えば、ジシクロペンタジエンのマレイン酸付加物等のジシクロペンタジエンの不飽和2価カルボン酸付加物を用いることができる。また、不飽和ポリエステルに用いられるグリコール成分の一部を、ジシクロペンタジエンのグリコール付加物類やヒドロキシジシクロペンタジエンで置き換えることによっても得られる。
上記常温硬化性樹脂組成物(A)としてはまた、ケトンパーオキサイド等の硬化剤を含むことが好ましく、例えば、アセチルアセトンパーオキサイド(AAPO)、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKPO)、ジエチルケトンパーオキサイド、メチルプロピルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、エチルアセトアセテートパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド等の1種又は2種以上を用いることができる。なお、ケトンパーオキサイド以外の他の硬化剤、例えば、クメンヒドロキシパーオキサイド等を併用してもよい。
上記ケトンパーオキサイドの使用量としては、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、上限は3重量部、下限は0.5重量部とすることが好ましい。3重量部を超えても、用いる量に比べて、不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤としての効果が充分に発揮されないおそれがあり、0.5重量部未満であると、常温硬化性樹脂組成物(A)が充分に硬化しないおそれがあり、また、ホルムアルデヒド発散量を充分に低減させることができないおそれがある。より好ましい上限は2重量部、下限は1重量部である。また、好ましい範囲は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.5〜3重量部であり、より好ましい範囲は、1〜2重量部である。
上記常温硬化性樹脂組成物(A)としては更に、空乾性付与剤(空気乾燥性付与剤)を含有することが好ましい。空乾性付与剤とは、不飽和ポリエステル樹脂が硬化する際に樹脂組成物から形成される被膜や成形物の表面に析出し、空気との遮断層を該表面に形成することにより、空気中の酸素が不飽和ポリエステル樹脂のラジカル重合を阻害することを防止して不飽和ポリエステル樹脂の乾燥性を向上させる作用を有するものである。これを用いることにより、硬化物のホルムアルデヒド発散量を更に充分に低減させることが可能となる。このような空乾性付与剤としては、例えば、以下の(1)〜(3)に記載するワックス類等が挙げられる。
(1)天然ワックスとしては、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木蝋、ホホバ油等の植物系ワックス;密蝋、ラノリン、鯨蝋等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等が挙げられる。
(2)合成ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス;動物性油脂の誘導体;カルボキシル基含有単量体とオレフィンとの共重合体;硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワックス;ステアリン酸、ドデカン酸、ステアリン酸オクタデシル等の炭素数12以上の脂肪酸及びその誘導体;アルキルフェニールや高級アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付加したアルコール類等が挙げられる。
(3)その他のものとしては、例えば、天然ワックスや合成ワックス等の配合ワックス等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、上記ワックス類に、他の成分を含んでもよい。
これらの中でも、パラフィンワックスを用いることが好ましい。
上記空乾性付与剤としてはまた、融点が40〜80℃の1種又は2種以上のものを用いることが好ましい。これにより、樹脂組成物(A)の施工において、硬化途中の樹脂組成物(A)から形成される被膜や成形物の表面に析出しやすくなることから、空気との遮断層が充分に形成され、本発明の作用効果を充分に発揮することができることとなる。また、乾燥後の防水性と基体に対する追従性、耐加重性、耐磨耗性等の機械的特性や、防根性、耐薬品性、長期耐久性等の付加性能も充分かつ確実に発揮させることが可能となる。
上記空乾性付与剤の融点が40℃未満であると、硬化途中の被膜や成形物の表面に空乾性付与剤が充分に析出しにくくなるおそれがあり、また、80℃を超えると、樹脂組成物(A) 中に充分に溶解することができないおそれがある。より好ましくは、50〜70℃である。
上記空乾性付与剤としては更に、融点が異なる2以上の空乾性付与剤により構成されていてもよい。樹脂組成物(A)の施工では、季節により施工時の温度条件が異なることになるが、融点が異なる2種以上の空乾性付与剤を用いることにより、一年を通じて常温硬化性や表面乾燥性を向上する作用を発揮させることが可能となる。すなわち硬化途中の被膜や成形物の表面に遮断層を形成しやすくするためには、気温が高い夏場では空乾性付与剤の融点を高くする方がよく、気温が低い冬場では空乾性付与剤の融点を低くする方がよいが、融点が高い空乾性付与剤と融点を低い空乾性付与剤とを組み合わせることにより気温に関わりなく硬化途中の被膜や成形物の表面に遮断層が充分に形成されることになる。
上記空乾性付与剤の使用量としては、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、上限は1重量部、下限は0.001重量部(10ppm)とすることが好ましい。1重量部を超えると、樹脂組成物(A)中に充分に溶解することができず、他の層等との密着性が充分とはならないおそれがある。0.001重量部未満であると、優れた遮断性及び硬化性を発揮することができず、作業性を著しく遅らせるおそれがある。より好ましい上限は0.3重量部、下限は0.01重量部(100ppm)である。また、好ましい範囲は、0.001〜1重量部であり、より好ましい範囲は、0.01〜0.3重量部である。
上記常温硬化性樹脂組成物(A)においてはまた、必要に応じて、常温で硬化させるための促進剤や、促進助剤等を含んでいてもよい。
上記促進剤としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸銅、ナフテン酸カリウム、ナフテン酸カルシウム、オクチル酸コバルト等の金属石鹸類等が挙げられ、中でもコバルト塩を用いることが好適である。
上記促進剤の使用量としては、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上、5重量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.2重量部以上、1.0重量部以下である。
上記促進助剤としては、例えば、ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ(ヒドロキシ)−4−メチルアニリン等のアミン類等のβ−ケトエステル、β−ケトアミド類;アセチルアセトン等のβ−ジケトン類等が好適である。また、脂環式アミンも促進助剤として作用する。
促進助剤の使用総量としては、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上、5重量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.03重量部以上、1.0重量部以下である。
上記常温硬化性樹脂組成物(A)においては更に、必要に応じて、充填剤、揺変剤、重合禁止剤、消泡剤、増粘剤、無機骨材、不活性粉体、紫外線吸収剤、低収縮剤、老化防止剤、可塑剤、難燃剤、安定剤、顔料やトナー等の着色剤等の添加剤を含んでいてもよい。
上記添加剤において、充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム(ATH)、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、クレー、タルク、ガラスパウダー、ミルドファイバー、クリストバライト、マイカ、シリカ、川砂、珪藻土、雲母粉末、石膏、ガラス粉末等の無機充填剤;有機充填剤等の1種又は2種以上が挙げられる。充填剤の使用量としては、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、20重量部以上、300重量部以下であることが好ましい。
上記揺変剤としては、例えば、ヒュームドシリカ等が挙げられる。揺変剤の使用量としては、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上、5重量部以下であることが好ましい。
上記重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン等のハイドロキノン類;ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン等のベンゾキノン類;t−ブチルカテコール等のカテコール類;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4−メトキシフェノール等のフェノール類;フェノチアジン等が好適である。
上記消泡剤としては、シリコン系等の他、市販の高分子系消飽剤その他添加剤を用いることができる。
上記増粘剤としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の多価金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の多価金属水酸化物;多官能イソシアネート等が好適である。
上記無機骨材としては、珪砂、シリカ、クレー、ベントナイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム等の無機粉体等が好適である。不活性粉体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂硬化物、ゴム、木材等の粉体及び/又は粉砕物等が好適である。
次に、常温硬化性樹脂組成物(B)について更に説明する。
上記常温硬化性樹脂組成物(B)において、不飽和ポリエステル樹脂とは、上述したように不飽和ポリエステル及び重合性単量体を含むものであるが、必要に応じて安定剤や各種添加剤を混合して得ることができる。
上記不飽和ポリエステルは、常温硬化性樹脂組成物(A)において上述したように、多塩基酸成分と、グリコール成分及び/又はエポキシ化合物成分とを縮合反応して得ることができるが、用いられる多塩基酸成分(不飽和多塩基酸及び飽和多塩基酸)、グリコール成分及びエポキシ化合物成分の他、不飽和ポリエステル樹脂に含有される重合性単量体の例示や好適な形態、使用量等については、常温硬化性樹脂組成物(A)において上述したのと同様である。そして、常温硬化性樹脂組成物(A)と同様にして、不飽和ポリエステル樹脂を得ることができるが、その中でも、ジシクロペンタジエン(DCPD)系不飽和ポリエステル樹脂及び/又は回収ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いた不飽和ポリエステル樹脂であってもよく、これらの不飽和ポリエステル樹脂については、上述したとおりである。
上記常温硬化性樹脂組成物(B)としてはまた、硬化剤、促進剤、促進助剤の他、充填剤、揺変剤、重合禁止剤、消泡剤、増粘剤、無機骨材、不活性粉体、紫外線吸収剤、低収縮剤、老化防止剤、可塑剤、難燃剤、安定剤、顔料やトナー等の着色剤等の添加剤を含んでいてもよいが、これらの例示や好適な形態、使用量等については、常温硬化性樹脂組成物(A)において上述したのと同様である。なお、上述した脂環式アミンを常温硬化性樹脂組成物(B)に添加してもよい。
なお、本発明において、常温硬化性樹脂組成物(A)としては、含有される不飽和ポリエステルの二重結合力価や硬化物物性が特定されており、また、上記空乾性付与剤を含有してもよいこと以外の事項については、常温硬化性樹脂組成物(B)と同様であってもよく、また、常温硬化性樹脂組成物(B)としては、不飽和ポリエステル樹脂がJIS K6919(1992)5.2.8に規定される特定の硬化物分類に適合し、特定の石油ワックス(JIS K2235(1991))を含むこと以外の事項については、常温硬化性樹脂組成物(A)と同様であってもよいものである。すなわち、上述したように、不飽和多塩基酸、飽和多塩基酸、グリコール成分、エポキシ化合物成分、重合性単量体、硬化剤、促進剤、促進助剤、及び、添加剤(充填剤、揺変剤、重合禁止剤、消泡剤、増粘剤、無機骨材、不活性粉体、紫外線吸収剤、低収縮剤、老化防止剤、可塑剤、難燃剤、安定剤、顔料やトナー等の着色剤等)の例示や好適な形態、使用量等について同様のものとしてもよく、また、これらの樹脂組成物に含まれる不飽和ポリエステル樹脂としては、いずれもDCPD系不飽和ポリエステル樹脂及び/又は回収PETを用いた不飽和ポリエステル樹脂であってもよいものである。
本発明の防水用複合被覆体の施工方法は、上述のような構成であるので、耐侯性、耐水性、防火性等の防水性能や平滑性等の美観に優れるうえに、効率的にライニングすることができ、しかもホルムアルデヒド発散量が充分に低減されることにより衛生上の支障を生じるおそれを充分に抑制することを可能とすることから、ベランダ、バルコニー、陸屋根、床面、屋内駐車場等に代表される建築空間等の平面部のライニング工法として有用なものである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
(合成例1)
温度計、撹拌機、不活性ガス吹込管及び還流冷却管を備えた四ッ口フラスコに、トリエチレングリコール8モル、プロピレングリコール2.3モル、イソフタル酸4.5モル、アジピン酸3モルを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら210℃で酸価10まで縮合反応した。150℃まで冷却し無水マレイン酸2.5モルを仕込み、210℃まで昇温し、15時間、縮合反応させた二重結合力価996の不飽和ポリエステル65部にスチレン35部、ハイドロキノン0.01部を加え、数平均分子量4300、酸価7、粘度8ポイズ(1ポイズ=1×10−1Pa・s)の不飽和ポリエステル樹脂(A−1)を得た。
(合成例2)
合成例1と同じ反応装置で、ジエチレングリコール10.3モル、テレフタル酸3モル、無水フタル酸5.5モルを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら220℃で酸価10まで縮合反応した。150℃まで冷却しフマル酸1.5モルを仕込み、215℃まで昇温し、15時間、縮合反応させた二重結合力価1545の不飽和ポリエステル60部にスチレン40部、ハイドロキノン0.01部を加え、数平均分子量4500、酸価7、粘度4ポイズの不飽和ポリエステル樹脂(A−2)を得た。
(合成例3)
合成例1と同じ反応装置で、飽和二塩基酸としてのイソフタル酸0.3モル、並びに、多価アルコールとしてのプロピレングリコール0.53モル及びジプロピレングリコール0.5モルを仕込んだ後、窒素ガスを吹き込みながら215℃となるように加熱し、脱水反応を行った。酸価が10になったところで温度を50℃に下げ、無水マレイン酸を0.7モルを仕込み、最高温度が215℃となるように加熱し、脱水反応を継続して酸価が28の不飽和ポリエステルを得た。そして、この不飽和ポリエステル60部、重合性不飽和単量体としてのスチレン40部、及び、安定剤としてのハイドロキノン0.02部を混合することにより、数平均分子量2000、二重結合力価289の仕上げ層用不飽和ポリエステル樹脂Bを得た。
(比較合成例1)
合成例1と同様にして、四ッ口フラスコに、ジエチレングリコール5モル、エチレングリコール5.5モル、無水フタル酸4モル、無水マレイン酸6モルを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら210℃で15時間縮合反応させた二重結合力価312の不飽和ポリエステル70部にスチレン30部、ハイドロキノン0.01部を加え、酸価25、粘度6.5ポイズの不飽和ポリエステル樹脂Cを得た。
(仕上材B、Cの常温硬化性樹脂組成物の調整)
以下の原料を用いて、仕上材B、Cの常温硬化性樹脂組成物の調整を行った。
不飽和ポリエステル樹脂B(又はC) 75部
スチレンモノマー 6部
灰色無機顔料 8部
アエロジル#200(日本アエロジル社製) 2.3部
オクテン酸コバルト 0.5部
6号珪砂 8部
[各合成樹脂の硬化物物性評価]
各合成樹脂にオクテン酸コバルト(金属分8%)を0.5部、カヤメックM(化薬アクゾ社製)1部を添加混合し、JIS K6919(1992)に準じて樹脂硬化物の注型板を作製した。
JIS K7113(1995)に準じて引張強度及び伸び率を測定し、JIS K7191−1(1996)に準じて荷重たわみ温度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004261384
実施例1〜4、比較例1〜4
[防火性及びへこみ試験]
(試験片の作製)
500mm×500mmJAS規定の厚さ9mmの普通合板の上に、500mm×500mm、JIS A5430(2001)、厚さ10mm、かさ比重0.8の珪酸カルシウム板を鋼製木ねじ(長さ16mm)で固定した。
珪酸カルシウム板の上にウレタンプライマーを塗布乾燥後、合成した各樹脂100部に、5質量%パラフィンワックスを表3に示す量で添加し、オクテン酸コバルト(金属分8%)0.5部、表3に示す脂環式アミン、及び、カヤメックM(化薬アクゾ社製)1部を添加調整したもので、ガラスマット#380(CM−385FA;旭ファイバー社製)2プライで積層した。
更に仕上材B、Cに表3中のパラフィンワックスとカヤメックM1部とを添加し、刷毛で125g塗布した。
(試験)
防火性試験は、簡易的に、上述の500mm×500mm試験片上に、建築基準法第22条に適合する試験と同様の火種を1つのせ、扇風機で風を送り、実施した。
へこみ試験は、各試験片を60℃の乾燥機に1時間入れ、1mの高さから500gの鉄球を落下させ、表面のへこみ、割れ等を目視で確認した。これらの結果を表3に示す。
[ホルムアルデヒド放散量(発散量)の測定]
(試験片の作製)
150mm×150mm、JIS A5430(2001)、厚さ10mm、かさ比重0.8の珪酸カルシウム板上にウレタンプライマーを塗布乾燥後、合成した各樹脂100部に5質量%パラフィンワックスをスチレンに加熱溶解したパラフィンワックス溶液を表4に示す量で添加し、オクテン酸コバルト(金属分8%)を0.5部、表4に示す脂環式アミン、及び、カヤメックM(化薬アクゾ社製)1部を添加調整したもので、ガラスマット#380(CM−385FA;旭ファイバー社製)2プライで積層した。
更に仕上材B、Cに表3中のパラフィンワックスとカヤメックM1部とを添加し、刷毛で12g塗布した。
これらの試験片を23℃の恒温機の中で7日間保管した。
(測定)
試験片をJIS K5601−4−1(2003)に準じてデシケータ法でホルムアルデヒド放散量を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0004261384
(パラフィンワックスの調整)
パラフィンワックス分散溶液の合成は、以下のようにして行った。
温度計、撹拌機、不活性ガス吹込管及び還流冷却管を備えた四ッ口フラスコに、フマル酸1モル、ビスフェノールAの2EO(エチレンオキサイド付加物)を0.75モル、1,3−ブタンジオール0.55モルを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら180℃で酸価1まで縮合反応させた不飽和ポリエステル60部にイソドデカンを40部、ハイドロキノン0.01部を加え、不飽和ポリエステル分散液を得た。
融点が55℃のパラフィンワックス(130;日本精蝋社製)10部、先に合成した不飽和ポリエステル分散液90部を70℃で加熱分散し、ワックス濃度10%のパラフィンワックス分散溶液を調整した。
[密着性評価]
500mm×500mmJAS規定の厚さ9mmの普通合板上にウレタンプライマーを塗布乾燥後、合成した各樹脂100部に表4に示す量のパラフィンワックス分散溶液、脂環式アミン、オクテン酸コバルト(金属分8%)を0.5部、及び、カヤメックM(化薬アクゾ社製)1部を添加調整したもので、ガラスマット#380(CM−385FA;旭ファイバー社製)2プライで積層板を作製した。屋外に3、7、14日間放置後に上記仕上材B(不飽和ポリエステル樹脂灰色着色品)100部に硬化剤(カヤメックM;化薬アクゾ社製)1部を添加撹拌後、刷毛で塗布した(500g/m)。
トップコート塗布24時間後に、JIS K5400(1990)8.5.2に準じて碁盤目法にてトップコート付着性を評価した(すきま間隔2mm、ます目の数25)。結果を表4に示す。なお、JIS K5400(1990)に示された密着性評価表を、上記表1に示した。
Figure 0004261384

Claims (3)

  1. 基体上に少なくとも繊維強化樹脂層及び仕上材層をこの順で積層してなる防水用複合被覆体の施工方法であって、
    該防水用複合被覆体の施工方法は、繊維強化樹脂層形成後少なくとも3日経過後に、密着性を発現させるための下地処理をせずに、仕上材層を施工する方法であり、
    該繊維強化樹脂層は、二重結合力価が300〜1800である不飽和ポリエステル、重合性単量体及び脂環式アミンを含有する常温硬化性樹脂組成物(A)により構成され、
    該常温硬化性樹脂組成物(A)は、硬化物における引張強度が10MPaより大きく、かつ、引張伸び率が10%より大きいものであり、
    該仕上材層は、不飽和ポリエステル及び重合性単量体からなる不飽和ポリエステル樹脂と、JIS K2235(1991)に規定される石油ワックス0.05〜1.0質量%とを含む常温硬化性樹脂組成物(B)を硬化してなる樹脂硬化層であり、
    該不飽和ポリエステル樹脂は、硬化物がJIS K6919(1992)5.2.8に規定される耐アルカリ性試験によりUP−CM、UP−CE若しくはUP−CEE、又は、荷重たわみ温度試験によりUP−HM若しくはUP−HEのいずれかに適合するものであることを特徴とする防水用複合被覆体の施工方法。
  2. 前記常温硬化性樹脂組成物(A)は、更に、パラフィンワックスを含有するものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の防水用複合被覆体の施工方法。
  3. 前記防水用複合被覆体の施工方法は、基体と繊維強化樹脂層との間に不燃層を積層してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の防水用複合被覆体の施工方法。
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