JP2005144295A - 汚染土壌および汚染地下水の浄化方法 - Google Patents

汚染土壌および汚染地下水の浄化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005144295A
JP2005144295A JP2003383864A JP2003383864A JP2005144295A JP 2005144295 A JP2005144295 A JP 2005144295A JP 2003383864 A JP2003383864 A JP 2003383864A JP 2003383864 A JP2003383864 A JP 2003383864A JP 2005144295 A JP2005144295 A JP 2005144295A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contaminated soil
iron
soil
halogen
iii
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003383864A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4065226B2 (ja
Inventor
Osamu Miki
理 三木
Kimio Ito
公夫 伊藤
Toshiro Kato
敏朗 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2003383864A priority Critical patent/JP4065226B2/ja
Publication of JP2005144295A publication Critical patent/JP2005144295A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4065226B2 publication Critical patent/JP4065226B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • Y02W10/12

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Abstract

【課題】 含ハロゲン炭化水素を含有する汚染土壌を、微生物を用いて簡便かつ効率的に浄化処理する。
【解決手段】 汚染土壌に水酸化鉄(III)を添加し、汚染土壌を嫌気性に保ち、嫌気性の微生微生物により、汚染土壌中の汚染物質を除去する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、含ハロゲン炭化水素、単環芳香族炭化水素、多環芳香族炭化水素、油分の1種または2種以上に汚染された土壌および地下水の浄化方法に関する。
トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等に代表される含ハロゲン炭化水素は、不燃性・脱脂性に優れているため、半導体工業、機械工業、クリーニング業などで溶剤として広く使用されてきた。しかし、アメリカのシリコンバレーの地下水汚染問題を境として、ハロゲン炭化水素による環境汚染が広く認識されるにいたり、日本においても発ガン性の観点から、排水基準、土壌環境基準等で厳しく管理されるようになった。
しかしながら、既に、過去に排出された含ハロゲン炭化水素による土壌・地下水汚染は相当数にのぼると考えられており、その対策が急務となっている。このような含ハロゲン炭化水素は、大気に放出された場合は、主として光酸化により数日間で分解する。
しかし、土壌表面に流出した場合、比重が大きく、また、粘性も小さいことから、地中にすみやかに浸透する。不飽和帯(通気層)では、土壌粒子に吸着したり、土壌の間隙水に溶解して存在している。
また、帯水層(地下水層)に達した場合は、地下水への溶解度は小さいものの、帯水槽上部に滞留したり、下流部の地下水中に拡散していく。このような含ハロゲン炭化水素の汚染が広がった場合、土壌中では分解が極めて遅く、数ヶ月から数年間は残留するとされている。
表1に、土壌・地下水の汚染源となっている代表的な含ハロゲン炭化水素を形態別に示す。なお、表1中のすべての物質が土壌の規制対象となっているわけではない。
Figure 2005144295
このような含ハロゲン炭化水素で汚染された土壌を浄化する方法として、これまでに、以下のような方法が開発されている。
1)土壌ガス吸引と吸引排ガス処理法
2)揚水曝気法
3)加熱処理
4)化学分解法
5)生物分解法
以下に、その概要を述べる。
1)土壌ガス吸引と吸引排ガス処理法
含ハロゲン炭化水素は、一般的に揮発性が高い有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)であり、この特性を利用し除去する技術である。本方法は、含ハロゲン炭化水素が地下水に達しておらず、不飽和帯のみに限定されている場合に広く用いられている。
すなわち、ボーリングにより、不飽和帯にガス吸引用の井戸を設置し、真空ポンプなどで減圧して、揮発性の高い含ハロゲン炭化水素を気化させ吸引する。吸引されたガス状の含ハロゲン炭化水素は、吸引パイプで地上に設置した処理設備に導き、活性炭などで吸着処分されるか、あるいは、紫外線等で酸化分解される。
2)揚水曝気法
含ハロゲン炭化水素が帯水層にある場合は、土壌ガス吸引法は適用できない。そこで、揚水用の井戸を設置し、汚染された地下水を揚水する。続いて、揚水した地下水を空気により曝気して、水中から含ハロゲン炭化水素を放散する。
放散されたガス状の含ハロゲン炭化水素は、パイプで地上に設置した処理設備に導き、活性炭などで吸着処分されるか、あるいは、紫外線で酸化分解される。
汚染物が不飽和帯および帯水層に同時に存在する場合は、1)の土壌ガス吸引法と、2)揚水曝気法の同時処理を行い、土壌、地下水をともに環境基準以下とする。
3)加熱処理法
含ハロゲン炭化水素が不飽和層に限定され、汚染深度も浅く、掘削が可能な場合、本方法が採用さる場合がある。具体的には、汚染土壌を掘削し、掘削した土壌中に、加熱促進剤(生石灰、Al粉など)や温風を加え混合する。
温度は、汚染物質の沸点より30℃から100℃程度に高く保つ。気化したガスを吸引し、排ガス中の含ハロゲン炭化水素を処理設備に導き、活性炭などで吸着処分、あるいは、紫外線、光触媒等で酸化分解する。
また、土壌の掘削が不可能で、また、不飽和層の土壌の粘性が高く土壌ガス吸引が困難な場合、圧縮空気と生石灰を混合して、汚染土壌中に送り込む加熱処理方法も提案されている。
さらに、含ハロゲン炭化水素が不飽和帯および帯水層に同時に存在する場合は、2)の揚水曝気法と組み合わせた処理を行い、土壌、地下水を、ともに環境基準以下とする。
4)化学分解法
含ハロゲン炭化水素が不飽和層に限定され、汚染深度も浅く、掘削可能な場合、掘削土
中に鉄粉を加え混合し、還元除去する方法が提案されている。鉄粉によるトリクロロエチレンの還元分解については、古くから、廃水処理の分野で報告がある。例えば、先崎らが、トリクロロエチレンは鉄粉により数時間で還元分解して、メタン、エタン、エチレンが検出されたと報告している(非特許文献1、参照)。
さらに、このような鉄粉を用いる方法は、1990年初期から米国、カナダを中心に、多くの現場での適用報告事例が見られる。例えば、含ハロゲン炭化水素は、以下のような還元反応により、零価鉄により脱塩素されるとされている。
Fe+R−Cl+3HO→2Fe2++3OH+H+R−H+Cl
鉄粉としては、自動車産業の副産物である灰色鋳鉄が主成分の粒状鉄(0.25〜2.0mm、比表面積1.0m/g)や、製鉄業の副産物であるコロイド鉄(0.1〜6ミクロン)などが広く用いられている(非特許文献2、特許文献1、参照)。
また、汚染物が帯水層に存在する場合は、鉄粉をくみこんだ透水性の浄化壁を埋設し、地下水を浄化する方法も提案されている。止水壁群の中に、透水性の浄化壁を設け、汚染された地下水が壁を通過する際に、含ハロゲン炭化水素を分解しようとするものである。 含ハロゲン炭化水素が、不飽和帯および帯水層に同時に存在する場合は、これらの方法の同時処理を行い、土壌、地下水を、ともに環境基準以下とする場合もある。
5)生物分解法
含ハロゲン炭化水素を微生物を用いて分解する方法についても、多くの報告事例がある。まず、好気的な条件下(酸素を電子受容体として用いる)で、好気性微生物を用いた含ハロゲン炭化水素を酸化分解する事例としては、メタンを炭素源として増殖するメタン資化性細菌による分解報告例が多い。
メタン資化性細菌は、メタンモノオキシゲナーゼという酵素をもっており、メタン以外の種々の有機化合物も酸化することができる。このため、メタン資化性細菌を優先的に増殖させることができれば、この酵素によって、例えば、トリクロロエチレンを、エポキシ化合物や抱水クロラールを経て、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリクロロエタノールまで酸化分解できる。
さらに、これらの生成化合物は、他の好気性細菌群によって、容易に炭酸ガスまで酸化分解されるとされている。総合的な反応式は、以下の式で表される。
2HCl+3/2O+H2O→2CO+3H+3Cl
メタン資化性細菌としては、メチロサイナス トリコポスポリウム(Methylosynus tricosporium)OB3株やメチロサイナス トリコポスポリウム(Methylosynus tricosporium)TUKUBA株が広く知られている(特許文献2、特許文献3、参照)。
さらに、メタン資化性細菌の他に、含ハロゲン炭化水素の酸化分解に用いられる好気性細菌としては、シュードモナス プチダF1株(Pseudomonas putida)、バークホルデリア セパシア(Burkholderia cepacia)種などが知られている(特許文献4、特許文献5、参照)。
しかし、このような好気性細菌群は、表1に示した分子式中のハロゲン原子数(ハロゲン置換数ともいう)の多いテトラクロロエチレンや四塩化炭素を分解することができないとされている(非特許文献3、非特許文献4、参照)。
次に、嫌気的な条件下で、嫌気性微生物を用いたの還元分解についても報告があるが、嫌気性細菌による分解は、好気性細菌と比較すると少ない。嫌気的条件下では、以下に示すような、微生物による生物学的還元反応により、テトラクロロエチレンやトリクロロエチレンが還元分解されるとされている。
2Cl→C2HCl→C22Cl→C23Cl→C2
本細菌群は、含ハロゲン炭化水素を電子受容体(呼吸源)として用い、他の有機物を電子供与体として用いる、特殊な従属嫌気性細菌群である。このような反応は、ハロゲン呼吸とも呼ばれる。この細菌群の増殖には、電子供与体となる有機物の外部からの添加が絶対に必要である。
このような還元反応を完全に進行させる細菌として、1997年、コーネル大学により、デハロコッコイデス エテノゲネス(Dehalococcoides ethenogenes)195株が初めて報告された。しかし、実際には、多くの嫌気性微生物は、テトラクロロエチレンやトリクロロエチレンをエチレンまで完全に分解を進めることは困難であり、ハロゲン置換数が少ない物質(例えば、CCl)が蓄積しやすい(非特許文献5、参照)。
現場でのデハロコッコイデス エテノゲネス(Dehalococcoides ethenogenes)195株の選択的な増殖も困難である。
特開2001−198567号公報 特開平5−212371号公報 特開平2−92274号公報 特開昭64−34499号公報 特開平10−52259号公報 先崎哲夫、熊谷裕男:工業用水、No.357(1988年6月) 前田照信:鉄粉水溶液を活用した有機塩素系溶媒の分解技術、地球環境、p.104−p.106(2000年12月) 矢木修身、内山裕夫:揮発性有機塩素化合物の微生物による分解、除去、水環境学会誌、Vol.15,No.8,p.493−p.498(1992年8月) 大森俊雄:環境微生物学、照晃堂、p.148−p.151(2000年4月) 大森俊雄:環境微生物学、照晃堂、p.152(2000年4月) 矢田美恵子、川口博子、佐々木健:廃棄物のバイオコンバージョン、地人書館、p.187(1996年6月) 漆川芳国:化学物質の微生物分解性と処理方策、水環境学会誌、Vol.15,No.8,p.2−p.7(1992年8月)
しかし、これまでに開発された技術は、必ずしも、すべての汚染に対応できるわけではなく、多くの課題も有している。
まず、土壌ガス吸引法は、土壌を掘削することなく、比較的低コストで浄化できることから、有機塩素化合物に対する浄化対策の主流となっている。ただし、通気性の悪い粘性土には有効ではなく、処理に限界がある。
地下水揚水法は、含ハロゲン炭化水素の水への溶解度が小さい点がネックとなり、浄化に長時間を要する。また、地下水揚水による周辺への影響防止対策(地盤沈下)が必要であり、施工できる範囲は限られる。
加熱処理法は、汚染土壌の含水率が高い場合、浄化効率が低下する。また、加熱促進剤と汚染土壌の混合が必要であるが、粒度・比重等の異なる物質と土壌の均一な混合は難しく、汚染土壌全体での均一加熱に課題がある。
化学分解法による含ハロゲン炭化水素の還元処理についても、以下の留意すべき点がある。
還元剤は、土壌中の酸素、酸化性ガス、各種有機物と反応するので、このような他の物質との競合反応を制御する必要となる。また、還元剤が固体の場合、表面での鉄酸化物の生成や各種物質の吸着による反応速度の低下に対する対策が必要である。粒度・比重等の異なる物質と土壌の均一な混合が必要である。
最後に、生物学的方法の課題を説明する。
まず、好気性細菌を用いた方法について説明する。
酸化剤である塩素で置換された含ハロゲン炭化水素のテトラクロロエチレン(塩素数=4)やトリクロロエチレン(塩素数=3)は、好気的な微生物(酸素利用)によって酸化されにくいことは容易に推定される。塩素によってすでに酸化・安定化されているこのような物質を、常温・常圧の状態で酸化することははかなり困難と考えられるからである。
メタン資化性細菌としては、前述したように、メチロサイナス トリコポスポリウム(Methylosynus tricosporium)OB3株やメチロサイナス トリコポスポリウム(Methylosynus tricosporium)TUKUBA株が知られているが、メタン資化細菌によるトリクロロエチレンの好気的な分解については、メタンを添加し、メタンモノオキシゲナーゼを有するこのようなメタン資化性細菌の選択的増殖が絶対に必要である。
しかし、実際には、このようなメタン資化性細菌の現場での選択的増殖は難しく、必ずしもうまくいっていないとの報告もある。例えば、1993年、アメリカ南カロライナ州での現場実験では、井戸を数本設置し、メタンを注入したが、メタンは検出されたものの、トリクロロエチレンの減少は認められなかったと報告されている(非特許文献6、参照)。
この原因の1つとしては、電子受容体となる酸素を汚染土壌に対して、均一に供給することが難しいことが考えられる。また、シュードモナス プチダF1株(Pseudomonas putida)、バークホルデリア セパシア(Burkholderia cepacia)種などの好気性細菌を用いる方法も、同様の理由で、選択的な増殖は極めて難しいと考えられる。
次に、嫌気的な条件下での微生物による還元分解の課題について説明する。
まず、塩素で多く置換されたテトラクロロエチレンやトリクロロエチレンは、酸化分解とは逆に、還元分解されやすく、ある程度、還元反応が進行することは十分予想される。
しかし、ハロゲン置換数が少ない物質、例えば、クロロエチレン(塩素数=1)などまで還元されると、還元反応速度が急激に低下するため、エチレンまで分解がなかなか進まない。
エチレンまで還元分解すると報告されているデハロコッコイデス エテノゲネス(Dehalococcoides ethenogenes)195株を用いる方法は、外部からの有機物の添加が必要であるとともに、実際には、本細菌の選択的な増殖を現場で行うことは極めて困難である。 これは、有機物を添加しても、硝酸イオンなどが存在すれば、脱窒細菌などの他の嫌気性細菌が容易に優先して増殖してしまうからである。
嫌気と好気を組み合わせた生物学的方法も提案されている(非特許文献7、参照)が、実際には、酸素の供給の制御が難しい課題が残されている。
したがって、このように、生物学的な方法は、まだ完成された技術とはいいがたい。しかし、一方で、生物分解法は、2次汚染の可能性が小さいこと、省エネルギーであること、低コストであること、広範囲の土壌に適用でき土壌そのものの性質を変えないなどの利点があるため、今後の技術の発展が最も期待される方法であると考えられる。
本発明は、上記のような土壌浄化方法の問題を解決して、含ハロゲン炭化水素を含有する土壌から安定して高い除去率を得る汚染土壌の浄化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく検討を重ねた結果、以下の方法により、含ハロゲン炭化水素を安定して効率的に処理することに成功した。本発明の要旨とするところは、次の(1)〜(15)である。
(1)汚染土壌にIII価の鉄化合物を添加し、汚染土壌中に存在する嫌気性細菌、および/または、新たに添加する嫌気性細菌を用いて、汚染物質を除去することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
(2)前記III価の鉄化合物として、水酸化鉄(III)を用いることを特徴とする(1)に記載の汚染土壌の浄化方法。
(3)前記III価の鉄化合物として、製鉄所の酸洗および/またはメッキ排水処理工程から発生する水酸化鉄(III)を用いることを特徴とする(1)または(2)に記載の汚染土壌の浄化方法。
(4)前記嫌気性細菌として、III価鉄イオンを還元する鉄還元細菌を用いることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
(5)前記嫌気性細菌として、脱ハロゲン機能を有する嫌気性細菌を鉄還元細菌と併用して用いることを特徴とする(4)に記載の汚染土壌の浄化方法。
(6)前記鉄還元細菌および/または脱ハロゲン機能を有する嫌気性細菌を、コークス工場廃水処理設備、製紙工場廃水処理設備、パルプ工場廃水処理設備の1種または2種以上の処理槽中の活性汚泥から馴養して用いることを特徴とする(4)または(5)に記載の汚染土壌の浄化方法。
(7)前記汚染土壌のpHを、3以上7未満に制御することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
(8)前記汚染土壌に、淡水、海水、または、海水に淡水を混合した溶液を添加することを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
(9)前記汚染土壌のORP(酸化還元電位/銀−塩化銀電極基準)を測定し、ORPにより、嫌気性微生物を介した酸化還元および分解反応を制御することを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
(10)前記ORP値の下降剤として、有機酸を添加することを特徴とする(9)に記載の汚染土壌の浄化方法。
(11)前記汚染土壌を、自然地盤若しくは人工地盤上に堆積、または、槽内に投入し、汚染物を分解することを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
(12)前記汚染土壌を、淡水、海水、または、海水に淡水を混合した溶液の添加により土壌スラリーとし、土壌スラリー反応槽またはスラリーラグーンを設けて、前記反応槽またはラグーンにて汚染土壌を浄化することを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
(13)前記汚染土壌中の汚染物質が、含ハロゲン炭化水素、単環芳香族炭化水素、多環芳香族炭化水素、油分の1種または2種以上であることを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
(14)分子式中にハロゲン原子が4個以上存在する含ハロゲン炭化水素を含む汚染土壌の浄化方法であって、まず、脱ハロゲン機能を有する嫌気性細菌により還元分解した後、または、鉄粉を用いて還元分解した後、生成した中間生成物を鉄還元細菌を用いて酸化分解することを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
(15)(1)〜(7)、(9)、(10)、(13)、(14)のいずれかに記載の汚染土壌に換えて、汚染地下水を浄化することを特徴とする汚染地下水の浄化方法。
なお、本発明において、含ハロゲン炭化水素とは、炭化水素中の水素原子の一部または全部に、塩素または臭素等のハロゲン原子が置換した構造の化合物を示し、クロロメタン、クロロエタン、クロロエチレン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロメタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロメタン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、ブロモメタン、ジブロモメタン、トリブロモメタン、テトラブロモメタン等を含む。
本発明により、含ハロゲン炭化水素を含有する汚染土壌を、嫌気性微生物を用いて簡便かつ効率的に浄化処理することが可能となる。
本発明者らは、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の含ハロゲン炭化水素で汚染された土壌を生物学的に浄化するため、嫌気性の微生物を用いた以下の方法を発明した(なお、ここでいう嫌気性とは酸素の無い状態を指している。)。
本方法は、ハロゲンを含んだ炭化水素ばかりでなく、ベンゼンなどの単環芳香族系炭化水素、ナフタレン、フェナンスレンなどの多環芳香族系炭化水素(PAHs)に対しても複合的な適用が可能である。これらの物質は、コールタールあるいはガソリン、重油などの石油製品に起因する油分中に多く含まれているため、油分で汚染された土壌にも適用できる。
本発明の基本処理を図1〜図3に示す。基本的には、以下の3種のプロセスからなる。代表例として、含ハロゲン炭化水素の事例を示す。
(1)汚染土壌に添加した、III価の鉄化合物からのIII価鉄イオンの溶解過程
(2)嫌気性の鉄還元細菌による含ハロゲン炭化水素の酸化分解
(III価の鉄イオンの還元とII価の鉄イオンの生成)
(3)嫌気性の脱ハロゲン細菌、または、鉄粉による含ハロゲン炭化水素の還元分解
分子式中にハロゲン原子が3個以下の含ハロゲン炭化水素を含む汚染土壌の場合、(1)および(2)のプロセスを優先させる(図1のケース1)。鉄還元細菌を用いて酸化分解する方法である。
また、分子式中にハロゲン原子が4個以上存在する含ハロゲン炭化水素を含む汚染土壌の場合は、まず、(3)に示すような脱ハロゲン機能を有する嫌気性細菌により還元分解した後、または、鉄粉を用いて還元分解した後に、生成した中間生成物を(1)および(2)の鉄還元細菌を用いて酸化分解する(図2のケース2、または、図3のケース3)。
以下、各工程について、詳細に説明する。
1)III価の鉄化合物からのIII価の鉄イオンの溶解
まず、汚染土壌にIII価の鉄化合物を添加する。
III価鉄の形態は、FeSO(硫酸第二鉄)、FeCl(塩化第二鉄)、Fe(ヘマタイト)、クエン酸鉄、Fe(OH)(水酸化第二鉄、水酸化鉄(III)ともいう)などがあるが、いずれのIII価鉄を土壌に添加してもかまわない。このようなIII価の鉄化合物は、溶解性のIII価の鉄イオンを土壌に供給する貯蔵庫の役割を果たす。
この中で、水酸化鉄(III)、中でも、製鉄所の酸洗および/またはメッキ排水処理工程から発生する水酸化鉄(III)を用いることが望ましい。製鉄所の酸洗および/またはメッキ排水は、一般に、空気酸化(あるいは、微生物酸化)と中和沈澱処理工程から成り立っており、この工程で発生する水酸化鉄(III)は、非晶質の性状を示すとともに、粒径1〜10μmで比表面積が100〜200m/gもあり、また、疎水コロイド状態となっている。
この結果、極めて反応性に富んでおり、この水酸化鉄(III)の表面には、土壌中の微生物および含ハロゲン炭化水素が吸着し、水酸化鉄(III)の界面で分解反応が進行するのである。ただし、III価の鉄化合物の中で、硫化鉄(III)は硫酸還元反応、すなわち、硫化水素を発生させることが考えられるので好ましくない。
本方法は、環境条件の影響を強く受ける。例えば、土壌のpHが高いと、溶解度が減少し、III価の鉄化合物から溶解性のIII価鉄イオンの供給速度が低下してしまう。このため、土壌のpH制御は極めて重要であり、土壌中のpHは7未満であることが好ましく、さらには、5未満が特に望ましい。
pH制御のためには、硫酸、塩酸、有機酸、あるいは、FeSO(硫酸第二鉄)水溶液、FeCl(塩化第二鉄)水溶液などを用いればよい。このなかで、後述するが、有機物源としての共用が可能であるため、有機酸、中でも、酢酸を用いることが最も望ましい。しかし、pHを下げすぎると、他の金属イオンの溶解や微生物活性の低下を招くため、3以上とすることが望ましい。
2)嫌気性の鉄還元細菌による含ハロゲン炭化水素の酸化分解
III価の鉄化合物は、低pH条件下で、電子受容体となり、次のような反応により、II価鉄イオンに還元される。
Fe(OH)+ 3H + e → Fe2+ +3H
これと平行して、土壌中に含まれる有機物や含ハロゲン炭化水素が電子供与体となる反応が進行する。この反応を媒介し進行させるのが、嫌気性の鉄還元細菌である。
本細菌は、III価鉄イオンによって、有機物や含ハロゲン炭化水素を酸化分解し、この際に発生するエネルギーを利用して増殖する。
本発明者らは、土壌が含ハロゲン炭化水素で汚染されている場合、鉄還元細菌が、土壌中の他の有機物ばかりでなく、ハロゲン置換数の少ない炭化水素(置換数:1〜3程度)を炭酸ガスまで完全に酸化できることを知見した。
例えば、含ハロゲン炭化水素が塩素数=2のジクロロメタンの場合、以下のような反応が進行する。
Fe(OH)+ 3H + e → Fe2+ +3H
CH Cl + 2H O → CO +6H +2Cl +4e
4Fe(OH)+CHCl+6H → 4Fe2++10HO+CO+ 2Cl
また、有機物が塩素数=3のトリクロロエチレンの場合、以下のような反応が進行する。
Fe(OH)+ 3H + e → Fe2+ +3H
HCl + 4H O → 2CO +9H +3Cl +6e
6Fe(OH)+CHCl+9H → 6Fe2++14HO+2CO +3Cl
このような反応も土壌の環境条件の影響を強く受ける。
例えば、汚染土壌中に酸素が存在すると、これらを電子受容体として用いる好気性細菌群が優先して増殖してしまうため、鉄還元細菌の増殖(III価の鉄イオンの還元反応)が抑制されうる。また、硝酸イオンや亜硝酸イオンが存在すると、硝酸イオンや亜硝酸イオンを電子受容体として用いる脱窒細菌が増殖してしまう可能性がある。
したがって、土壌は、酸素や硝酸イオン、亜硝酸イオンが存在しない程度の嫌気性の条件が必要となる。また、前述したように、土壌のpHが高いとIII価の鉄イオンの溶解が小さくなり、溶解性のIII価の鉄イオン供給速度が小さくなり、この結果、反応速度が低下してしまう。
これらのことから、環境条件の中で、特に、土壌のpHおよびORPが、本反応を進行させるためには重要な管理項目である。
pHは、溶解性のIII価鉄イオンの供給が進みやすい7未満に保つことが好ましく、さらには、5未満が望ましい。また、鉄還元細菌の活性維持の視点からは、pHを3以上に保つことが好ましく、さらには、4以上が望ましい。
ORPは、pHの影響を受けるため、pH=6〜7の領域で−200mV以下(銀−塩化銀電極基準)、pH=5〜6で−150mV以下(銀−塩化銀電極基準)pH=4〜5で−100mV以下(銀−塩化銀電極基準)、pH=3〜4で−50mV(銀−塩化銀電極基準)以下に保つことが望ましい。
ORPの下限は−300mV以上あることが望ましい。ORPが低すぎると、硫酸還元反応が生じて硫化水素が発生し、鉄還元細菌の活性が著しく低下するので好ましくない。
ORPを低下させる手段としては、生物分解性の高い有機物を添加してやればよい。有機物としては、メチルアルコール、エチルアルコール、有機酸(酢酸、プロピオン酸など)、下水汚泥などが考えられる。この中で、分解性およびpH調整機能を平行して考えると、有機酸、特に、酢酸を用いることが最も望ましい。酢酸は生物分解が容易であるとともに、コスト的にも有利である。
嫌気性の鉄還元細菌は、一般に、汚染土壌中に生息しているといわれているが、含ハロゲン炭化水素のすべてを酸化分解できるわけではない。ハロゲン置換数の多い炭化水素(置換数:4以上)を、炭酸ガスまで酸化するのはかなり困難である。
例えば、テトラクロロエチレンなどはかなり困難である。このような場合は後述する嫌気性の脱ハロゲン細菌を併用して用い、テトラクロロエチレンを、トリクロロエチレン、ジクロロエチレン、および/または、モノクロロエチレンまで、まず還元した後、鉄還元細菌を用いて処理することが望ましい。
また、汚染土壌の浄化期間を短縮するため、コークス工場廃水の処理設備の活性汚泥を汚染土壌に添加することは望ましいことである。コークス工場廃水には、石炭由来のベンゼン、フェノールなどの芳香族炭化水素が含まれており、これらを分解する微生物が既に存在しており、このため、汚染土壌中で芳香族炭化水素よりも構造が単純である炭化水素を分解できる鉄還元細菌を容易に馴養できる。
すなわち、上記の活性汚泥に含まれる微生物群は、通常、酸素、硝酸イオン、および/または、亜硝酸イオンを電子受容体として用いているが、この一部は、III価の鉄イオンを電子受容体とし、かつ、含ハロゲン炭化水素を電子供与体として増殖が可能である。
さらに、製紙・パルプ工場廃水の処理設備の活性汚泥を用いてもかまわない。この廃水には、漂白に用いた塩素で置換された有機化合物が多く混入しており、塩素耐性を有する微生物が既に存在しており、このため、これらの活性汚泥から汚染土壌中で含ハロゲン炭化水素を分解できる鉄還元細菌を容易に馴養できる。
すなわち、上記の活性汚泥に含まれる微生物群は、通常、酸素、硝酸イオン、および/または、亜硝酸イオンを電子受容体として用いているが、この一部は、III価の鉄イオンを電子受容体とし、かつ、含ハロゲン炭化水素を電子供与体として容易に増殖が可能であることを知見したのである。
また、汚染土壌の浄化の際に嫌気性細菌の活性維持のため水を添加する場合は、淡水単独でも構わないが、海水、または、海水に淡水を混合した溶液であることがより望ましい。海水の使用に対しては、微生物に対する浸透圧の影響から否定的な意見が極めて多いが、あえて、発明者らが積極的に海水を用いるのは、以下の理由によるものである。
(a)微生物処理に必要な微量栄養源を含有している。特に、沿岸域、汽水域であれば窒素、リンの濃度も高い場合がある。
(b)pH緩衝能がある。
(c)安価で大量入手可能である。
(d)水温がほぼ一定である。
(e)汚染土壌に含まれる水は、河川等の淡水に比べ、イオン濃度、言い換えれば、電気伝導度が高い場合が多く、この状況に応じた微生物が生息している。海水混合によって、この状況を作り出せる。また、製鉄所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水を汚染土壌に添加する水として用いてもかまわない。これは、製鉄所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水は、廃水と海水を混合させて活性汚泥処理しており、海水を廃水に対して150〜300容積%添加しているためである。
また、安水の活性汚泥処理水は、水温も約30〜38℃で一定しているため、冬場の微生物活性の低下する時期には最適である。さらに、微生物の栄養源である窒素、リンなども大量に含有しているため、汚染土壌をスラリー化して用いる水として望ましい。
3)嫌気性の脱ハロゲン細菌または鉄粉による含ハロゲン炭化水素の還元分解
ハロゲン置換数の多い炭化水素(分子式中の置換数4以上)が存在する場合は、1)と2)の方法のみで汚染土壌を浄化するのは難しい。
このような場合は、まず、有機物、例えば、酢酸を汚染土壌に添加し、脱ハロゲン機能のある嫌気性細菌を増殖させ、この細菌により、ハロゲン置換数の多い炭化水素、例えば、テトラクロロエチレンを、トリクロロエチレン、ジクロロエチレン、および/または、モノクロロエチレンまで還元する。
テトラクロロエチレンが、トリクロロエチレン、ジクロロエチレン、および/または、モノクロロエチレンまで還元されれば、今度は、前述した1)の水酸化鉄(III)添加、および、2)の鉄還元細菌により、エチレンまで酸化されることになる。
生物学的方法ではなく、鉄粉を添加し、化学的な還元反応を進行させてもかまわない。
脱ハロゲン機能のある嫌気性細菌のpH、ORPは、前述した鉄還元細菌と同じでかまわない。また、コークス工場廃水の活性汚泥および/または、製紙・パルプ工場廃水の活性汚泥を土壌に添加し、脱ハロゲン機能のある嫌気性細菌を馴養して用いてもかまわない。また、汚染土壌の浄化の際に添加する水は、海水、または、海水に淡水を混合した溶液であることが望ましい。
2)の方法と3)の方法は、酸化反応と還元反応と全く逆反応である。しかし、いずれも、酸素を用いない嫌気性条件下で行えることが最大の特長である。このことにより、好気−嫌気微生物法のような好気(酸素の土壌への吹き込み)と嫌気の切り替えのような複雑な制御は必要ないという利点がある。
このように、汚染土壌中にIII価の鉄化合物を添加し、嫌気性の条件下で、微生物学的な酸化還元反応を繰り返して生じさせることにより、含ハロゲン炭化水素を安定して除去することが可能となる。
次に、本発明を実施する具体的なプロセスについて説明する。
一般に、バイオレメディエーションプロセスには、大別して、ランドファーミング法とスラリー法があるが、本発明は、いずれのプロセスにも適用できる。
最初に、ランドファーミング法への適用方法について具体的に説明する。図4を用いて以下に説明する。
まず、汚染土壌1への添加水3を準備する。添加水3は、汚染土壌中の含水率が元々高いときなど、場合によっては添加しないこともある。乾燥した土壌に対しては、微生物の活性維持のために通常は添加する。添加水3が、淡水単独の場合は、微生物の増殖に必要な微量栄養源を添加する必要がある場合があるので、海水が容易に得られる場合は、これを用いることが望ましい。淡水と海水を混合して用いてもかまわない。
汚染土壌の近辺にパルプ・製紙工場あるいは製鉄所があり、これらの工場の活性汚泥処理水を容易に得ることができれば、これらを全量あるいは一部を用いてもかまわない。特に、製鉄所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水は、元々海水を混合させて処理しているため、海水を50〜70容積/容積%程度含有している。
また、水温も30〜38℃近くで一定しているため、冬場の微生物活性の低下する時期には最適である。また、微生物の栄養源であるリンなども含有している。このため、汚染土壌に添加する水としては、最も望ましいものであると思われる。
汚染土壌1は、自然地盤あるいは人工地盤上に堆積させる。この後、汚染土壌の上部から、添加水3とIII価の鉄化合物、例えば、水酸化鉄(III)スラリー10を土壌に添加し攪拌する。水酸化鉄(III)スラリー10は、例えば、製鉄所の酸洗/メッキ廃水処理工程から発生するものを用いればよい。
添加水3と水酸化鉄(III)スラリー10は、それぞれを別々に添加しても、事前に混合したものを添加しても構わないし、水酸化鉄(III)スラリー10中の水を添加水として用いても構わない。
水酸化鉄(III)スラリー10の添加量は、多いほど効果は増加するが、土壌中の鉄含有濃度が1〜10質量%/乾燥土壌となるように添加すればよい。汚染土壌に生息する鉄還元細菌が、III価鉄イオンを電子受容体として用い、含ハロゲン炭化水素を酸化する。
汚染物質としてハロゲン置換数の多い炭化水素(分子式中の置換数4以上)が存在する場合は、上記の方法のみで汚染土壌1を浄化するのは難しい。このため、水酸化鉄(III)スラリー10を添加する前に、有機物、例えば、有機酸7を汚染土壌1に添加しておくことが望ましい。
脱ハロゲン細菌が含ハロゲン炭化水素を還元し、ハロゲン数の少ない炭化水素まで事前に還元しておくのである。有機酸の添加量は、後述するようにORPを用いて制御すればよい。
汚染物質としてハロゲン置換数の多い炭化水素(置換数4以上)が存在する場合は、事前に鉄粉を添加しておいてもかまわない。鉄粉は、汚染状態にもよるが、鉄粉に水を加え、スラリー(鉄分10〜50質量%)とし、汚染土壌に、1〜20容積/容積%添加すればよい。
このような微生物の活動に重要な環境条件は、以下の通りである。
1)pH
pHは、III価鉄イオンの溶出や微生物の活性に強く影響する。このため、pHの管理は必須である。すなわち、汚染土壌1に含まれる水のpHが、3以上7未満、望ましくは、4以上5未満に維持されるように、淡水、海水、または、海水と淡水の混合水のpHを調整して汚染土壌に添加する。
このpH範囲をはずれると、微生物の活性は急激に低下する。pHの調整剤としては、例えば、希硫酸や水酸化ナトリウムの水溶液、等を用いればよい。また、汚染土壌のpHを事前に測定しておき、汚染土壌にpH調整剤として、石灰や硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなどを土中に混入させておいてもかまわない。
2)ORP
嫌気性汚染土壌に含まれる水のORP(銀/塩化銀電極基準)により、嫌気度を推定する。前述したように、酸素や硝酸イオン、亜硝酸イオンが存在すると、鉄還元反応が生じない。このため、必要な場合は、土壌に有機酸を添加し、好気性細菌や脱窒細菌による酸化反応を生じさせ、酸素や硝酸イオン、亜硝酸イオンを除去する。
この制御にORPを用いる方法が有効である。ORPは、pHの影響を受けるため、pH=6〜7の領域で−200mV以下(銀−塩化銀電極基準)、pH=5〜6で−150mV以下(銀−塩化銀電極基準)pH=4〜5で−100mV以下(銀−塩化銀電極基準)、pH=3〜4で−50mV(銀−塩化銀電極基準)以下に保つように、有機酸7を汚染土壌1に添加すればよい。
3)汚泥の添加
通常、汚染土壌中に存在する微生物は、汚染物質で既にある程度馴養されており、これを用いることができる。微生物の反応速度をさらに上げ、短期間で浄化する必要がある場合は、製鉄所コークス工場から発生する安水の活性汚泥や製紙・パルプ工場廃水の活性汚泥を用いることができる。
添加量は、汚染状況によって変化し、多い方が効果が大きい傾向があるが、汚染土壌あたり、最大10質量/質量%添加すればよい。これ以上、汚染土壌1に添加しても効果はあまり向上しない。
次に、スラリー法への適用事例について具体的に説明する。図5を用いて以下に説明する。
本プロセスは、基本的には、汚染土壌1を土壌スラリーとして汚染物質を処理するプロセスである。汚染土壌1に対してIII価の鉄化合物、例えば、水酸化鉄スラリー10を添加して土壌スラリーとする工程、および、攪拌を与えることにより土壌スラリー中の前記汚染物質を水中に脱離すると共に、前記汚染物質を微生物分解する工程、および、前記土壌スラリーをそのまま排出する工程、または、前記土壌スラリーを土壌と上澄液に分離して別々に排出する工程を、バッチ的あるいは連続的に行うものである。
以下に、詳細に説明する。
最初に、土壌スラリー反応槽12において土壌スラリーを調整する方法について説明する。
図5の土壌スラリー反応槽12において、汚染土壌1に、水酸化鉄(III)スラリー10を添加する。水酸化鉄(III)スラリー10は、例えば、製鉄所の酸洗/メッキ廃水処理工程から発生するものを用いればよい。土壌中の鉄含有濃度が、1〜10質量%/乾燥土壌となるように添加水3を添加して土壌をスラリー化する。
水が淡水単独の場合は、微生物処理に必要な微量栄養源を添加する必要がある場合があるので、海水が容易に得られる場合は、これを用いることが望ましい。淡水と海水を混合して用いてもかまわない。
汚染土壌の近辺にパルプ・製紙工場あるいは製鉄所があり、活性汚泥処理水を容易に得ることができれば、これらを用いてもかまわない。特に、製鉄所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水は、元々海水を混合させて処理しているため、海水を50〜70容積/容積%程度含有している。
また、水温も30〜38℃近くで一定しているため、冬場の微生物活性の低下する時期には最適である。また、微生物の栄養源であるリンなども含有している。このため、汚染土壌を洗浄する水としては最も望ましいものであると思われる。
なお、汚染土壌の粒度、性状が広範囲で不均一の場合、図6に示すように、土壌スラリー反応槽12でスラリー操作を行わず、別途、スラリー調整槽11を設けて、均一化した後、土壌スラリー反応槽12に搬出する。汚染土壌と水との混合比は、土壌スラリー濃度が以下に述べる範囲に入るように、土壌の含水率を測定後決定する。
土壌スラリー濃度としては、10質量%以上50質量%未満が望ましい範囲である。50質量%以上の場合は、土壌スラリーの攪拌動力が過大となり攪拌を維持することが難しく、一方、10質量%未満では、水使用量が増大してしまい、経済的でない。
スラリー反応槽12は、通常、水中攪拌機によって攪拌される。攪拌によって、汚染物質の気固液の接触頻度が更に増加し、汚染物の分解速度が飛躍的に向上するからである。汚染土壌中の鉄還元細菌が、III価の鉄イオンを電子受容体として用いて、含ハロゲン炭化水素を酸化する。また、脱ハロゲン細菌が含ハロゲン炭化水素を還元する。
スラリー反応槽12を多段としてもかまわない。汚染物質としてハロゲン置換数の多い炭化水素(置換数4以上)が存在する場合、例えば、テトラクロロエチレンや四塩化炭素の場合、まず、1段目のスラリー反応槽に有機物を添加し、脱ハロゲン機能を有する嫌気性細菌により還元分解した後、2段目のスラリー反応槽で、中間生成物を鉄還元細菌を用いて酸化分解する方法である。多段とすることにより、各槽の制御を明確に行え、除去率が向上する。
1段目のスラリー反応槽に鉄粉を添加してもよい。鉄粉は、汚染状態にもよるが、鉄粉に水を加え、スラリー(鉄分10〜50質量%)とし、汚染土壌に、1〜20容積/容積%添加すればよい。
このような微生物の活動に重要な環境条件は、以下の通りである。
1)pH
pHは、III価の鉄イオンの溶出や微生物の活性に強く影響する。このため、pHの管理は必須である。スラリー中のpHが、3以上7未満、望ましくは、4以上5未満に維持されるように、淡水、海水、または、海水と淡水の混合水のpHを調整してスラリーに添加する。
このpH範囲をはずれると、微生物の活性は急激に低下する。pHの調整剤としては、例えば、希硫酸や水酸化ナトリウムの水溶液等を用いればよい。また、汚染土壌のpHを事前に測定しておき、汚染土壌にpH調整剤として、石灰や硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなどを土中に混入させておいてもかまわない。
2)ORP
スラリー中のORP(銀/塩化銀電極基準)により、嫌気度を推定する。前述したように、酸素や硝酸イオン、亜硝酸イオンが存在すると、鉄還元反応が生じない。このため、必要な場合は、土壌に有機酸を添加し、好気性細菌や脱窒細菌による酸化反応を生じさせ、酸素や硝酸イオン、亜硝酸イオンを除去する。
この制御にORPを用いる方法が有効である。ORPは、pHの影響を受けるため、pH=6〜7の領域で−200mV以下(銀−塩化銀電極基準)、pH=5〜6で−150mV以下(銀−塩化銀電極基準)pH=4〜5で−100mV以下(銀−塩化銀電極基準)、pH=3〜4で−50mV(銀−塩化銀電極基準)以下に保つように、有機酸7を土壌スラリー反応槽12に添加すればよい。
3)汚泥の添加
通常、汚染土壌中に存在する微生物は、汚染物質で既にある程度馴養されており、これを用いることができる。微生物の反応速度をさらに上げ、短期間で浄化する必要がある場合は、製鉄所コークス工場から発生する安水の活性汚泥や製紙・パルプ工場廃水の活性汚泥を用いることができる。添加量は汚染状況によって変化し、多い方が効果が大きいが、汚染土壌あたり、最大10質量/質量%添加すればよい。
土壌スラリーの土壌と上澄み液の分離方法は、以下の通りである。図5または図6の固液分離槽13で浄化土壌14と上澄液に沈降分離し、沈降した浄化土壌14は再利用される。上澄液は、循環ポンプ4を用い添加水3としてスラリー生成に再使用される。
反応槽を設けず、スラリーラグーンとして、汚染土壌を浄化してもかまわない。スラリーラグーンとは、自然の沼や湿地を利用して建設する人口池、人口湿地の総称である。反応槽を設ける必要がなく、安価な処理法となる。しかし、厳密な管理が困難なため、やや効率が低下するため、所用面積が広大となる。
また、本方法は、汚染地下水の浄化にも適用が可能である。例えば、揚水用の井戸を設置し、汚染された地下水を揚水する。続いて、揚水した地下水をパイプで地上に設置した反応槽に導く。反応槽では、水酸化鉄(III)を鉄として最大10g/l程度添加する。添加量は汚染状況によって変化し、多い方が効果が大きいが、最大でも10g/l添加すればよい。
さらに、製鉄所コークス工場から発生する安水の活性汚泥や製紙・パルプ工場廃水の活性汚泥を添加する。汚泥の添加量も汚染状況によって変化し、多い方が効果が大きいが、最大でも10g/l添加すればよい。反応槽の滞留時間は、汚染状況で異なるが、通常、数時間から数日間攪拌すればよい。
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は本実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
水酸化鉄(III)添加/嫌気性ランドファーミング法
油分、トリクロロエチレンおよびコールタールの主成分であるナフタレン、フエナンスレンなどの多環芳香属系炭化水素(PAHs)で汚染された汚染土壌に、本方法を適用した。図4に従い説明する。
汚染土壌1は、当初、油分を1000mg/kg−乾重(ノルマルヘキサン〜ソックスレー抽出重量法で測定)、ナフタレンおよびフェナンスレンなどの16種類のPAHsの和であるTotal−PAHsも800mg/kg−乾重(溶媒抽出−GCMS(ガスクロマトグラフ質量分析計)法で測定)含んでいた。また、トリクロロエチレンは、溶出試験で1.5mg/l検出された。
汚染土壌1を非透水性のシートで作成した非透水性地盤9の上に堆積させ、製鉄所の酸洗およびメッキ処理工程から発生した水酸化鉄(III)スラリー(10質量%)を汚染土壌1当たり、10容積/容積%添加し、よく混合した。
鉄還元細菌は、新たに土壌に添加せず、元々汚染土壌に存在したものを活用した。汚染土壌に存在し、増殖した鉄還元細菌群は、シュードモナス(Pseudomonus)属、バークホルデリア属(Burkholderia)属、あるいは、それらの近縁種が大半であった。
また、添加水のpHおよびORPをpHセンサー5およびORPセンサー6を用いて連続測定し、制御した。添加水のpHは、酸および/またはアルカリタンク8中の希硫酸や水酸化ナトリウムの溶液を用い、Fe(III)イオンの溶出促進と鉄還元細菌の生育に適したpHの4.0〜5.0に維持した。
添加水のORPは、+100mV(銀/塩化銀複合電極基準、以下同じ)以下に維持されるように酢酸タンク7中の酢酸を添加した。
水酸化鉄(III)の土壌添加を開始してから、60日間、トリクロロエチレン(mg/l)、油分(mg/kg−乾重)および土壌中の芳香属系炭化水素濃度(mg/kg−乾重)の変化を追った。この結果を表2に示す。
トリクロロエチレンは、容易に除去され、10日後の測定では、基準の0.03mg/l以下となっていた。土壌中の油分は1000mg/kg−乾重から60日後には200mg/kg−乾重まで(除去率:80%)削減した。また、T−PAHsは800mg/kg−乾重から60日後には200mg/kg−乾重まで(除去率:75%)低下し、顕著な効果が認められた。
Figure 2005144295
(実施例2)
水酸化鉄(III)添加/嫌気性スラリー法
汚染土壌として、含ハロゲン炭化水素で汚染された土壌を用いた。
汚染土壌は、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレンが、それぞれ溶出試験で1〜2mg/l、1〜2mg/l程度も検出され、土壌環境基準をはるかに超過していた。
作業の手順を図6に従って説明する。まず、汚染土壌1を海水と淡水の混合水3(海水:淡水=1:1)により、スラリー調整槽11においてスラリー化する。汚染土壌1に、土壌容量の1倍量の海水と淡水の混合水を添加した。短期間で浄化する必要があったので、製鉄所コークス工場から発生する安水の活性汚泥(濃度10000mg/l)を、土壌スラリー1m中、0.05mとなるように添加した。
安水の活性汚泥中に存在し、汚染土壌中で増殖した鉄還元能を有する細菌群は、主にシュードモナス(Pseudomonus)属、バークホルデリア(Burkholderia)属、および、その近縁種の細菌群であった。また、脱ハロゲン機能を有する嫌気性細菌群は、デハロバクター(Dehalobacter)属あるいはその近縁種であった。
スラリー反応槽12において、汚染土壌中のテトラクロロエチレン、トリクロロエチレンは、1段目でトリクロロエチレンまで、2段目で最終的にエチレンまで分解される。
今回は、以下のようなバッチ運転を実施した。
まず、土壌スラリー反応槽12に、ORPが−150mV以下となるよう酢酸を添加した。その後、10日間攪拌し、テトラクロロエチレンが0.01mg/lとなっていることを確認した。その後、土壌スラリー反応槽12に、水酸化鉄(III)スラリー(鉄として10質量%)を10容積/容積%添加し、10日間攪拌した。
スラリー反応槽12のスラリーのpHは、pHセンサー5にて連続測定し、酸および/またはアルカリタンク8中の希硫酸や水酸化ナトリウムの溶液を用い、4.0〜5.0に維持した。スラリー反応槽12には、ORPセンサー6を設置し、ORPが−150mV以下に維持されていることを確認した。
この経過を追ったところ、表3に示すように、土壌からのテトラクロロエチレン、トリクロロエチレンともに、20日後の測定(溶出試験)で、土壌環準の0.01mg/l、0.03mg/lを下回っていた。
Figure 2005144295
(実施例3)
汚染地下水の浄化
人工廃水(トリクロロエチレン:500μg/l)を用い、水酸化鉄(III)添加と鉄還元細菌の除去効果を実験により検討した。表4に実験条件を示す。まず、人工廃水(トリクロロエチレン:500μg/l)を、6本のガラス瓶に、それぞれ200ml添加した。その後、Fe(OH)を2g/lとなるように添加した(比較例を除く)。鉄としての添加量は、1g/lである。
安水活性汚泥処理場から採取した活性汚泥をろかし、ろ紙上の残留物を30mg/lから3000mg/l、ガラス瓶に添加した。ガラス瓶のpHは、硫酸でpH=4とした。ガラス瓶をスターラーで攪拌しながら、常温(水温20℃)で1日放置した。その後、サンプルを採取し、ろか後、GC−MS(ガスクロマトグラフ質量分祈計)でトリクロロエチレンを測定した。以下、数日毎に同じ作業を繰り返し、評価した。
Figure 2005144295
トリクロロエチレン(TCE)濃度の経時変化を図7に示す。
液中のトリクロロエチレンは、攪拌のみでも揮散により減少しやすいので、効果を検討する際には、ブランク実験(比較例)を必ず行なう必要がある。
この結果、以下のことが明らかになった。
揮散により、トリクロロエチレンの減少が確認されたが、添加系と比較すると減少割合は小さかった。また、Fe(OH)の3g/lの添加のみで、減少がやや加速されることが確認されたが、この減少は、水酸化鉄への吸着によるものと推定された。
さらに、Fe(OH)に加え、微生物の添加量を増加させると水中からのトリクロロエチレンの除去が著しく促進されることが確認された。
この結果から、本方法は、地下水中のトリクロロエチレンの削減にも適用でき、排水基準の30μg/l以下まで削減することも可能であると判断された。
本発明により汚染土壌を簡単かつ効率的に浄化処理することができるので、本発明は、環境保護技術として有用なものである。したがって、産業上の利用可能性はきわめて大きい。
本発明の基本処理(ケース1)を示す図である。 本発明の基本処理(ケース2)を示す図である。 本発明の基本処理(ケース3)を示す図である。 本発明の汚染土壌の浄化方法におけるランドファーミング法のプロセスを示す図である。 本発明の汚染土壌の浄化方法におけるスラリー法のプロセスを示す図である。 本発明の汚染土壌の浄化方法におけるスラリー調整槽を設けたスラリー法のプロセスを示す図である。 本発明の汚染地下水の浄化方法における水中のトリクロロエチレンの減少を示す図である。
符号の説明
1…汚染土壌
2…透水部
3…添加水
4…循環ポンプ
5…pHセンサー
6…ORPセンサー
7…有機酸
8…酸および/またはアルカリタンク
9…非透水性地盤
10…水酸化鉄(III )スラリー
11…土壌スラリー調整槽
12…土壌スラリー反応槽
13…固液分離槽
14…浄化土壌

Claims (15)

  1. 汚染土壌にIII価の鉄化合物を添加し、汚染土壌中に存在する嫌気性細菌、および/または、新たに添加する嫌気性細菌を用いて、汚染物質を除去することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  2. 前記III価の鉄化合物として、水酸化鉄(III)を用いることを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化方法。
  3. 前記III価の鉄化合物として、製鉄所の酸洗および/またはメッキ排水処理工程から発生する水酸化鉄(III)を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の汚染土壌の浄化方法。
  4. 前記嫌気性細菌として、III価鉄イオンを還元する鉄還元細菌を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法。
  5. 前記嫌気性細菌として、脱ハロゲン機能を有する嫌気性細菌を鉄還元細菌と併用して用いることを特徴とする請求項4に記載の汚染土壌の浄化方法。
  6. 前記鉄還元細菌および/または脱ハロゲン機能を有する嫌気性細菌を、コークス工場廃水処理設備、製紙工場廃水処理設備、パルプ工場廃水処理設備の1種または2種以上の処理槽中の活性汚泥から馴養して用いることを特徴とする請求項4または5に記載の汚染土壌の浄化方法。
  7. 前記汚染土壌のpHを、3以上7未満に制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法。
  8. 前記汚染土壌に、淡水、海水、または、海水に淡水を混合した溶液を添加することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法。
  9. 前記汚染土壌のORP(酸化還元電位/銀−塩化銀電極基準)を測定し、ORP値により、嫌気性微生物を介した酸化還元および分解反応を制御することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法。
  10. 前記ORP値の下降剤として、有機酸を添加することを特徴とする請求項9に記載の汚染土壌の浄化方法。
  11. 前記汚染土壌を、自然地盤若しくは人工地盤上に堆積、または、槽内に投入し、汚染物を分解することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法。
  12. 前記汚染土壌を、淡水、海水、または、海水に淡水を混合した溶液の添加により土壌スラリーとし、土壌スラリー反応槽またはスラリーラグーンを設けて、前記反応槽またはラグーンにて汚染土壌を浄化することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法。
  13. 前記汚染土壌中の汚染物質が、含ハロゲン炭化水素、単環芳香族炭化水素、多環芳香族炭化水素、油分の1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法。
  14. 分子式中にハロゲン原子が4個以上存在する含ハロゲン炭化水素を含む汚染土壌の浄化方法であって、まず、脱ハロゲン機能を有する嫌気性細菌により還元分解した後、または、鉄粉を用いて還元分解した後、生成した中間生成物を鉄還元細菌を用いて酸化分解することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法。
  15. 請求項1〜7、9、10、13、14のいずれか1項に記載の汚染土壌に換えて、汚染地下水を浄化することを特徴とする汚染地下水の浄化方法。
JP2003383864A 2003-11-13 2003-11-13 汚染土壌および汚染地下水の浄化方法 Expired - Fee Related JP4065226B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003383864A JP4065226B2 (ja) 2003-11-13 2003-11-13 汚染土壌および汚染地下水の浄化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003383864A JP4065226B2 (ja) 2003-11-13 2003-11-13 汚染土壌および汚染地下水の浄化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005144295A true JP2005144295A (ja) 2005-06-09
JP4065226B2 JP4065226B2 (ja) 2008-03-19

Family

ID=34692462

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003383864A Expired - Fee Related JP4065226B2 (ja) 2003-11-13 2003-11-13 汚染土壌および汚染地下水の浄化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4065226B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006272118A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Kurita Water Ind Ltd 有機塩素化合物による汚染物の浄化方法
JP2006314903A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 嫌気性処理によるアンモニア処理方法及び装置
JP2007113116A (ja) * 2005-09-26 2007-05-10 Osaka Prefecture Univ 金属回収方法
JP2008093575A (ja) * 2006-10-12 2008-04-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 浄化装置とこの浄化装置を用いた地下水の浄化方法
JP2008296176A (ja) * 2007-06-01 2008-12-11 Panasonic Corp 地下水汚染の浄化方法
JP2012020278A (ja) * 2010-06-18 2012-02-02 Kinsei Seishi Kk 多環芳香族炭化水素の除去方法
JP2012086191A (ja) * 2010-10-21 2012-05-10 Kurita Water Ind Ltd 土壌・地下水の浄化方法
JP2012130900A (ja) * 2010-11-30 2012-07-12 Sekisui Chem Co Ltd 水処理方法及び装置
RU2456406C1 (ru) * 2011-02-18 2012-07-20 Учреждение Российской академии наук Институт экологических проблем Севера Уральского отделения РАН Способ очистки проточных водоемов от нефтяных пленок
CN105598161A (zh) * 2016-03-24 2016-05-25 中国科学院新疆生态与地理研究所 一种微生物处理含油废渣的方法
JP2017164731A (ja) * 2016-03-11 2017-09-21 有限会社エコルネサンス・エンテック 土壌汚染物質の対策方法
CN110395805A (zh) * 2019-07-30 2019-11-01 盐城工学院 一种强化水平潜流湿地微生物电化学装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA3039965A1 (en) 2019-04-10 2020-10-10 Her Majesty The Queen In Right Of Canada, As Represented By The Minister Of National Defence Method for remediating polyfluorocarbon-contaminated soil

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006272118A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Kurita Water Ind Ltd 有機塩素化合物による汚染物の浄化方法
JP2006314903A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 嫌気性処理によるアンモニア処理方法及び装置
JP4517075B2 (ja) * 2005-05-11 2010-08-04 独立行政法人産業技術総合研究所 嫌気性処理によるアンモニア処理方法及び装置
JP2007113116A (ja) * 2005-09-26 2007-05-10 Osaka Prefecture Univ 金属回収方法
JP2008093575A (ja) * 2006-10-12 2008-04-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 浄化装置とこの浄化装置を用いた地下水の浄化方法
JP2008296176A (ja) * 2007-06-01 2008-12-11 Panasonic Corp 地下水汚染の浄化方法
JP2012020278A (ja) * 2010-06-18 2012-02-02 Kinsei Seishi Kk 多環芳香族炭化水素の除去方法
JP2012086191A (ja) * 2010-10-21 2012-05-10 Kurita Water Ind Ltd 土壌・地下水の浄化方法
JP2012130900A (ja) * 2010-11-30 2012-07-12 Sekisui Chem Co Ltd 水処理方法及び装置
RU2456406C1 (ru) * 2011-02-18 2012-07-20 Учреждение Российской академии наук Институт экологических проблем Севера Уральского отделения РАН Способ очистки проточных водоемов от нефтяных пленок
JP2017164731A (ja) * 2016-03-11 2017-09-21 有限会社エコルネサンス・エンテック 土壌汚染物質の対策方法
CN105598161A (zh) * 2016-03-24 2016-05-25 中国科学院新疆生态与地理研究所 一种微生物处理含油废渣的方法
CN105598161B (zh) * 2016-03-24 2019-02-05 中国科学院新疆生态与地理研究所 一种微生物处理含油废渣的方法
CN110395805A (zh) * 2019-07-30 2019-11-01 盐城工学院 一种强化水平潜流湿地微生物电化学装置
CN110395805B (zh) * 2019-07-30 2024-01-23 盐城工学院 一种强化水平潜流湿地微生物电化学装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4065226B2 (ja) 2008-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5833855A (en) Situ bioremediation of contaminated groundwater
JP2716494B2 (ja) 汚染物質の処理方法
Qin et al. Fe (II) and Mn (II) removal from drilled well water: A case study from a biological treatment unit in Harbin
JP4065226B2 (ja) 汚染土壌および汚染地下水の浄化方法
JP3820180B2 (ja) 汚染土壌の浄化方法
JP5865166B2 (ja) 油類及び/又は揮発性有機化合物含有水の浄化方法及び浄化装置
Hsia et al. Treatment of petroleum hydrocarbon-polluted groundwater with innovative in situ sulfate-releasing biobarrier
JP4167052B2 (ja) 有機化合物汚染の浄化方法
JP2004066195A (ja) 汚染土壌の浄化方法
JP2004130184A (ja) 土壌浄化方法および装置
JP4288198B2 (ja) 汚染土壌の浄化方法
JP2001347280A (ja) ハロゲン化有機化合物を含む汚染物質で汚染された地下水の浄化方法
JP4460479B2 (ja) シアン汚染土壌の浄化方法
JP5126926B2 (ja) 超高度水処理方法及びそれに用いる水処理システム
JP5224502B2 (ja) 被処理物質の生分解処理方法
JP2004066193A (ja) 汚染土壌の浄化方法
JP3820203B2 (ja) 汚染土壌の浄化方法
KR100757332B1 (ko) 오염토양 정화방법
JP4031737B2 (ja) 汚染土壌の浄化方法
JP2006272081A (ja) 超高度水処理方法及びそれに用いる水処理システム
JP3495318B2 (ja) 埋立処分場浸出水に対する高度処理方法
Zhong et al. Transformation rules and degradation of CAHs by Fentonlike oxidation in growth ring of water distribution network-A review
DE102008008031A1 (de) Verfahren und Vorrichtung zur kombinierten in situ und on site Reinigung schadstoffhaltiger Wässer
JP2006026574A (ja) 揚水井戸水の水質改善による防錆方法
JP2005279394A (ja) 汚染土壌及び地下水の浄化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070816

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070918

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071228

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4065226

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120111

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140111

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees