JP2006026574A - 揚水井戸水の水質改善による防錆方法 - Google Patents

揚水井戸水の水質改善による防錆方法 Download PDF

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Abstract

【課題】地下水の流れる砂レキ層で、オゾン水により鉄分である地中の鉄イオン、重炭酸第一鉄を水酸化第二鉄に酸化させて砂レキ層で効果的に鉄分を除去して揚水ポンプの揚水能力の低下することなく安定して長寿命で揚水ポンプを作動させる揚水井戸水の水質改善による防錆方法を目的としている。
【解決手段】遮断壁6で囲み、地下水の流れる速度を低下させて、汚染部1にオゾン水を注入する注入井戸14を設け、注入井戸14から下流部に対称に複数の揚水井戸9を設け、地中の鉄イオンや、重炭酸第一鉄を水酸化第二鉄に酸化させ、砂レキ層4表面において、微生物の粘質性の生物膜により水酸化第二鉄や濁り及びマンガンを効果的に除去できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、土壌及び地下水に浸透した汚染物質(有機塩素化合物)の浄化をするにあたって、揚水井戸を用いて地上の浄化装置で汚染物質を浄化する方法に関する。
従来、汚染物質(有機塩素化合物)の浄化方法には鉄粉法のように、鉄粉を酸化させて錆びる過程で汚染物質(有機塩素化合物)を還元的に分解する作用を利用したものがある。
しかし、土壌中(地殻)には鉄及びマンガンが自然界に多く存在し、さらに、地下水中には鉄イオン、マンガンイオンの状態で存在するため、深度のある地下水には炭酸ガスと結合した重炭酸第一鉄が多く存在し、この重炭酸第一鉄の存在下で、揚水処理や、曝気処理をすることにより、地下水中で酸化され水酸化第二鉄が析出し沈殿する。
さらに水酸化第二鉄は、その一部は微粒子状、或はコロイド状の水酸化鉄となり地下水中に懸諾し、揚水時の揚水ポンプに赤錆が付着して、揚水能力の低下による揚水ポンプの故障ということがしばしば見受けられ、揚水方式での汚染物質(有機塩素化合物)の浄化方法での安定した揚水設備のメンテナンスが頻繁に必要であった。
また、地下水を汲み上げた後、オゾンやオゾン水により地下水中の鉄分や重炭酸塩化合物の酸化力を促進させ磁化処理を行うことで、地下水のポテンシャルエネルギーを高め、鉄分の場合はマグネタイトにする処理方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、地下水や工業排水に含まれる鉄やマンガン等をエマルジョン化させる反応剤を供給した後に攪拌する反応槽を備え、浄化処理する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、第一鉄イオン、或は(及び)マンガンイオンを多量に含む地下水、工業用水をコーラルサンドで濾過することにより赤水の防止を行うものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、鉄分が溶存する地下水を貯溜槽に汲み上げた後、消石灰及びセメントを主成分とした一次処理剤を添加し、その後ポリ塩化アルミニウムからなる二次処理剤と高分子凝集剤からなる三次処理剤を順次添加する方法も知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開2004−97875号公報 特開平10−258292号公報 特開昭53−7961号公報 特開2001−70955号公報
このように従来の地下水等からの鉄分除去は、地下水を汲み上げた後、地上において、化学処理、凝集沈殿処理する方法などがあり多岐にわたるが、鉄分を処理するための設備に広いスペースが必要となり、処理後の鉄分を含んだ汚泥の処理等2次的な問題も発生していた。
また、窒素ガスを用い嫌気状態にする方法も考えられるが、土粒中の水分及び空気を完全に除去することはできない。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、有機塩素化合物の汚染領域を地下水の上流部分以外を遮断壁で囲み、汚染領域中の汚染部にクラスターの小さいオゾン水を注入する注入井戸を設け、注入井戸から地下水の下流部分に注入井戸に対して対称に複数の揚水井戸を設ける。
次に、注入井戸にオゾン水を圧力注入することにより、オゾン水の本来の強酸化作用によって汚染物質である有機塩素化合物を低分子化させることができ、低分子化した有機塩素化合物を含有する地下水は透水層(砂レキ層)を透過しながら地下水の下流部分に設けた揚水井戸に係連された揚水ポンプで汲み上げられる。
前記揚水ポンプ出口近傍に設けられた遠心分離装置を介して、活性炭槽で残留する有機塩素化合物を吸着せしめ、浄化された地下水は、さらにその後段でオゾン水発生装置を通して再びクラスターの小さいオゾン水として注入井戸に注入することができ、これにより汚染物質である有機塩素化合物を除去ができる。
さらに地下水の流れる砂レキ層で、オゾン水により鉄分である地中の鉄イオン、重炭酸第一鉄を水酸化第二鉄に酸化させ、揚水井戸に至るまでに砂レキ層の表面に微生物の粘質性の膜がつくられ、この微生物の膜により、水酸化第二鉄(赤水)や濁り及びマンガンが付着して効果的に除去でき、揚水配管や、揚水ポンプに水酸化第二鉄(赤水)が付着することを防止する為、揚水能力を低下させることなく、安定して長寿命で揚水ポンプを作動させる揚水井戸水の水質改善による防錆方法を提供することを目的としている。
本発明の揚水井戸水の水質改善による防錆方法は上記目的を達成するために、汚染物質である有機塩素化合物(テロラクロロエチレン、トリクロロエチレン等)が地中に浸透している汚染領域を、地下水の上流部分以外を遮断壁で囲み、地下水の流れる速度を低下(0.3m/日〜2m/日)させて、汚染領域中の汚染部にクラスターの小さいオゾン水を注入する注入井戸を設け、注入井戸から地下水の下流部分に注入井戸に対して対称に複数の揚水井戸を設けて、注入井戸から揚水井戸までの距離を15m〜20mの間隔をおいて設置し、注入井戸からのオゾン水を0.3MPa〜1MPaの高圧力を用いてパルス状で間欠的(0.5Hz〜2Hz)に供給することにより、微生物をオゾン水により死滅させることなく、かつ、オゾン水の強酸化作用により汚染物質である有機塩素化合物を低分子化に分解せしめる。
オゾン水注入により有機塩素化合物を含有する地下水は、地中の鉄イオンや、重炭酸第一鉄を水酸化第二鉄に積極的に酸化させ、揚水井戸に揚水されるまでの砂レキ層において、砂レキ層の表面に微生物の粘質性の生物膜がつくられ、地下水により水酸化第二鉄(赤水)や濁り及びマンガンが拡散され、この微生物の膜により、水酸化第二鉄(赤水)や濁り及びマンガンが付着し効果的に除去できる。
これにより揚水配管や、揚水ポンプに水酸化第二鉄(赤水)が付着することを防止することができる為、揚水能力を低下することなく、安定して長寿命で揚水ポンプを作動できる。
また、揚水した地下水に鉄分が含有していても揚水ポンプの出口側の遠心分離装置により除去でき、さらに、後段の活性炭槽で揚水した地下水に含有する有機塩素化合物の吸着除去ができ、浄化した水をさらに、オゾン発生装置を通すことによりオゾン水となり、再度注入することができ、汚染物質である有機塩素化合物の浄化及び鉄分の浄化をしながら、地下水の浄化によるリサイクルが可能となる。
本発明の請求項1記載の発明によれば、汚染領域を遮断壁ですくなくとも上流部分以外を囲むことにより、汚染の拡散を防止できる。また、汚染領域の中の汚染部に注入井戸を設けてオゾン水を加圧注入することで、土壌及び地下水中に浸透しやすく、地中の鉄イオン及び重炭酸第一鉄等様々な状態の鉄分を水酸化第二鉄に変えることができ、遮断壁により地下水の流速が0.3m/日〜2m/日と緩やかな流れにすることにより、かつ、その水酸化第二鉄が揚水井戸で揚水されるまでの砂レキ層において、嫌気性微生物の働きにより粘質性の生物膜を砂レキ層の表面に形成され水酸化第二鉄や濁り及びマンガンが付着して効率良く除去できるため、揚水井戸内の揚水配管や、揚水ポンプに水酸化第二鉄が付着することを防止することができる。
また、本発明の請求項2記載の発明によれば、注入井戸からのオゾン水の注入を0.3MPaから1MPaで加圧注入することにより、広範囲にオゾン水を注入井戸から放出することができ、パルス状で0.5Hzから2Hzの周期で間欠供給することにより、注入井戸のオゾン水放出用の孔の近傍に水酸化第二鉄や濁り及びマンガンが付着することを防ぐことができ、安定した状態でオゾン水を加圧注入できる。
また、本発明の請求項3記載の発明によれば、注入井戸よりオゾン水を注入することにより、汚染物質である有機性塩素化合物(例えば、トリクロロエチレン)に対して強力な酸化能力により低分子化することができ、汚染物質の無害化促進を図ることができる。
また、本発明の請求項4記載の発明によれば、遮断壁で囲んだエリアにおいて注入井戸を地下水の上流側に設置して、地下水の下流側に地下水の流れに対して対称で、15m〜20m離隔した位置に複数の前記揚水井戸を設置することにより、オゾン水注入によって
地中の水酸化第二鉄や濁り及びマンガンが拡散し、緩やかな地下水の流れと、砂レキ層表面に微生物により形成された粘質性の生物膜に付着して砂レキ層(透水層)を効率良く、除去することにより、揚水井戸内の揚水配管や、揚水ポンプに水酸化第二鉄が付着することを防止することができる。
また、本発明の請求項5記載の発明によれば、揚水井戸に連通した揚水ポンプの吐出側に固液分離する為の遠心分離装置を具備することにより、砂レキ層で完全に除去できなかった場合の水酸化第二鉄等の固形物と地下水を分離することができ、固形物を除去した有機塩素化合物を含有した地下水は、後段の活性炭充填槽内の活性炭に吸着され、地下水を浄化することができる。
また、本発明の請求項6記載の発明によれば、揚水井戸の配管及び揚水ポンプの材質をクロム含有率12%以上とすることにより、防錆性が向上し、安定した地下水の揚水が可能となる。
また、本発明の請求項7の発明によれば、活性炭充填槽の後段にオゾン水生成装置を備えてあり、前記活性炭充填槽を通過して浄化された地下水をオゾン水生成装置に直結させて直接電気分解し1ppm〜3ppmのクラスターの小さいオゾン水を生成させることができる。
また、本発明の請求項8の発明によれば、揚水して浄化した地下水をクラスターの小さいオゾン水にすることで、再度、注入井戸に注入することができ、汚染された地下水を徐々に浄化することも可能となり、再度注入井戸に加圧注入することで、地下水の循環リサイクルができる。
本発明の請求項1記載の発明は、汚染領域を、地下水の上流部分以外を遮断壁で囲み、地下水の流れを制御して、汚染領域中の汚染部にオゾン水を注入する注入井戸を設け、その注入井戸から地下水の下流部分に前記注入井戸に対して対称に複数の揚水井戸を設け、前記注入井戸からのオゾン水を高圧力で注入することにより、地中の鉄イオン及び重炭酸第一鉄を水酸化第二鉄に酸化せしめ、前記揚水井戸で揚水されるまでの砂レキ層において、その砂レキ層の表面に形成された微生物の粘質性の生物膜により水酸化第二鉄や濁り及びマンガンが付着して除去されることにより、前記揚水井戸内の揚水配管や、揚水ポンプに水酸化第二鉄が付着することを防止できるようにしたものであり、遮断壁を設けることにより、有機塩素化合物(テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等)の汚染物質が外部に漏れることなくオゾン水の強酸化作用により分解できる。
またオゾン水は地中の物質と酸化し無害な安定した分子(酸素)となる。このオゾン水を注入井戸に高圧注入することにより、土粒の間にオゾン水が浸透し、また、地下水が通る砂レキ層(透水層)にオゾン水を注入させることにより、鉄分である鉄イオン及び重炭酸第一鉄を水酸化第二鉄にすることができる。
この水酸化第二鉄や、濁り及びマンガンが揚水井戸で揚水されるまでの砂レキ層の間で、嫌気性微生物の働きにより粘質性の生物膜が砂レキ層表面に形成されるため、その形成された粘質性の生物膜により、水酸化第二鉄や、濁り及びマンガンを効率良く吸着、除去されるために、揚水井戸内の揚水配管や、揚水ポンプに水酸化第二鉄が付着することを防止でき、安定して揚水ができる。揚水量については、注入井戸からの距離や、地中の状態、活性処理槽の能力などを考慮して1分間に10リットル〜20リットルの揚水が望ましい。
本発明の請求項2記載の発明は、オゾン水の注入が、0.3MPa〜1MPaの加圧注入であり、パルス状、かつ、0.5Hz〜2Hzの周期で間欠的に供給するようにしたものであり、地中への浸透性よりオゾン水を注入する圧力を0.3MPa〜1MPaとすることで、砂レキ層への浸透性を注入井戸に対して、深度方法、垂直方向への広がりを持たせることができ、注入井戸のオゾン水注入孔及びその近傍に水酸化第二鉄、濁り及びマンガンが付着しないレベルの圧力であり、目詰まりをしないで安定してオゾン水を加圧供給でき、パルス状、かつ、0.5Hz〜2Hzの周期で間欠的に供給することにより、オゾン水による殺菌作用により土着している嫌気性微生物を死滅させることを防ぐことができる。
本発明の請求項3記載の発明は、オゾン水を注入井戸より注入することにより、汚染物質を低分子化するものであり、例えば有機性塩素化合物であるトリクロロエチレンをオゾンの強い酸化能力により、ジクロロエチレン等に分解し、低分子化できる。
本発明の請求項4記載の発明は、注入井戸と前記揚水井戸の配置が、地下水の上流側に前記注入井戸を設置し、前記注入井戸から地下水の下流側において、前記地下水の流れに対して対称で15m〜20m離隔した位置に複数の前記揚水井戸を設置したものであり、遮断壁で囲んだ領域において、地下水の上流側に注入井戸を設置し注入井戸から下流方向に地下水の流を対称で15m〜20m離隔した30度〜35度の角度を有する位置に揚水井戸を設けることにより、オゾン水注入によって地中の水酸化第二鉄や濁り及びマンガンが拡散し、緩やかな地下水の流れと、砂レキ層表面に微生物により形成された粘質性の生物膜に付着して砂レキ層(透水層)を効率良く、除去することにより、揚水井戸内の揚水配管や、揚水ポンプに水酸化第二鉄が付着することを防止することができる。
注入井戸からの距離と揚水井戸の揚水量より、20mを超える位置に揚水井戸を設けた場合、地下水の流れが緩やかな為に、水酸化第二鉄が鉄イオンに変わる。また、15m未満の位置に揚水井戸を設けた場合は砂レキ層で充分水酸化第二鉄が除去できない可能性がある。
実験によれば、地下水の流れが0.5m/日において、揚水井戸の揚水量を1分間に10リットルとした場合、地下水の上流側に注入井戸を設置し注入井戸から下流方向に地下水の流れを対称で18m離隔した32度の角度を有する位置での揚水した地下水には、鉄分が検出されなかった。
しかしながら、地下水の流れが0.5m/日において、揚水井戸の揚水量を1分間に10リットルとした場合、地下水の上流側に注入井戸を設置し注入井戸から下流方向に地下水の流れを対称で18m離隔した40度の角度を有する位置での揚水した地下水には、鉄分が20mg/リットル含有していた。
また、地下水の流れが0.5m/日において、揚水井戸の揚水量を1分間に10リットルとした場合、地下水の上流側に注入井戸を設置し注入井戸から下流方向に地下水の流れを対称で18m離隔した25度の角度を有する位置での揚水した地下水には、鉄分が40mg/リットル含有していた。
さらに地下水の流れが0.5m/日において、揚水井戸の揚水量を1分間に10リットルとした場合、地下水の上流側に注入井戸を設置し注入井戸から下流方向に地下水の流れを対称で13m離隔した32度の角度を有する位置での揚水した地下水には、鉄分が20mg/リットル含有していた。
この結果は前述したように、オゾン水を加圧注入する注入井戸と揚水井戸の位置関係によるものであり、1つの注入井戸に対して複数の揚水井戸を注入井戸から下流方向に地下水の流れを対称で15m〜20m離隔した30度〜35度の角度を有する位置に揚水井戸を設けることにより、砂レキ層を透過する速度と距離に関係するものである。
本発明の請求項5記載の発明は、揚水井戸に連通した揚水ポンプの吐出側に固液分離する為の遠心分離装置を具備し、その遠心分離装置の後段に活性炭充填槽を設けて、地下水に溶存する汚染物質である有機塩素化合物を前記活性炭充填槽内の活性炭に吸着せしめて地下水を浄化させるようにしたものであり、地中の状態や、揚水ポンプの能力が異常に揚水した場合にも揚水ポンプの吐出側に遠心分離装置を具備することにより固形分である水酸化第二鉄と地下水を固液分離できるよう対応している為、その後段の活性炭槽に鉄分が付着することなく、異常時においても安定して鉄分除去及び活性炭槽で地下水に含有する有機性塩素化合物を吸着させることができ、浄化した地下水を得ることができる。
本発明の請求項6記載の発明は、揚水井戸の配管及び揚水ポンプの材質が成分としてクロムが12%以上含有された鋼製であるため、耐錆性能力があり、たとえ水酸化第二鉄を含む地下水を揚水しても安定して地下水を供給できる。
一般にはクロムが18%以上のステンレス鋼が工業的にも入手しやすいが、ステンレス鋼の溶接での酸化反応によるクロム含有率低下を防ぐために、継ぎ手方式が用いられ、特に錆には強いために安定して揚水できる。
本発明の請求項7記載の発明は、活性炭充填槽の後段にオゾン水生成装置を具備し、前記活性炭充填槽を通過して浄化された地下水は、前記オゾン水生成装置により直接電気分解され、1ppm〜3ppmのオゾン水とするものであり、オゾンガスを地下水に溶解させる方式ではなく、活性炭槽で処理された地下水を直接オゾン水生成装置に通し、直接電解処理をしてクラスターの小さいオゾン水を生成させることができる。
なお、オゾン水は中性の為、取扱いにも環境にも優しいものである。このオゾン水生成装置は、アイ電子工業製の「オゾン水生成器 AOD−ML30S」を使用しても良い。
本発明の請求項8記載の発明は、オゾン水生成装置により生成されたオゾン水を注入井戸に注入する循環方式としたものであり、汚染された地下水を浄化し再度オゾン水に生成した後、注入井戸に注入することにより、汚染物質の低分子化の促進、鉄分の除去が可能で、さらに地下水を揚水したことによる地盤沈下の問題もなく、汚染領域の原位置において浄化しながら地下水のリサイクルが可能となる。
(実施の形態)
図1は、本発明の汚染部を遮水壁で囲んだ状態の断面外略図である。また、図2は、本発明の汚染部を遮水壁で囲んだ状態の平面図である。
図1、図2において、工場等から洗浄剤として使われてきた汚染物質1(テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等の有機塩素化合物)は、雨等の自然のはたらきにより、地中に徐々に浸透し、汚染領域2となり表土3を浸透して、砂レキ層4(地下水の流れる透水層)に達して、地下水の流れにより、汚染領域2が広がっていく。
また、透水層の下部の不透水層5の上部まで汚染領域2が広がることが多い。
この前記汚染物質1、前記汚染領域2を浄化、無害化する手段として揚水曝気を主とする方法があるが、土壌、地下水中に鉄分があるため、酸素に触れた鉄分が水酸化第二鉄等となって、揚水井戸9の揚水配管8、揚水ポンプ10に付着し、作動しないなどの故障の原因となっていた。
また、活性炭充填槽12に水酸化第二鉄や、濁りが吸着され前記活性炭充填槽12のなかの活性炭を交換する時期が頻繁であったため、この課題を解消して安定して前記汚染物質1、前記汚染領域2を浄化しつつ、前記揚水ポンプ10が安定して作動するように、前記汚染物質1、前記汚染領域2を遮断壁6で囲み、地下水の上流側に注入井戸14を設置し、地下水の下流側に複数の前記揚水井戸9を設ける。
注入井戸14の上流側には前記遮断壁6を設ける場合と、設けない場合があるがその判断は、地下水の流速が0.3m/日〜2m/日と緩やかな流れにすることが重要である。また、前記揚水井戸9は前記注入井戸14より20mを超える位置に設けた場合、地下水の流れが緩やかな為に、還元作用により水酸化第二鉄が鉄イオンに変わる。
また、15m未満の位置に前記揚水井戸9を設けた場合は前記砂レキ層4で充分水酸化第二鉄が除去できないこともあるので、前記遮断壁6で囲まれた部分に設置する前記注入井戸14から前記揚水井戸9までの距離は15m〜20mが好ましい。
前記注入井戸14内の注入配管7にオゾン水を高圧(0.3MPa〜1MPa)で加圧注入することにより、広範囲にオゾン水を注入井戸14から浸透させることができ、また、パルス状で周期(0.5Hz〜2Hz)で間欠供給することにより、注入井戸のオゾン水放出用の孔の近傍に水酸化第二鉄や濁り及びマンガンが付着することを防ぐことができ、安定した状態でオゾン水を加圧注入できる。
前記注入配管7は耐酸化性能のあるステンレス製であることはいうまでもない。
注入配管7から加圧注入されたオゾン水は、注入井戸14から砂レキ層4に深度方法、垂直方向への広がりを持たせて注入することにより、土粒、砂粒の間にオゾン水が浸透し、また、地下水が通る前記砂レキ層4にオゾン水を注入させることにより、汚染物質である有機性塩素化合物(トリクロロエリレン等)の分解が見込まれる。
また、鉄分である鉄イオン及び重炭酸第一鉄を水酸化第二鉄にすることができる。また、注入配管7のオゾン水注入孔(図示しない。)及びその近傍に水酸化第二鉄、濁り及びマンガンが付着しないレベルの圧力であり、目詰まりをしないで安定してオゾン水を加圧供給でき、パルス状、かつ、0.5Hz〜2Hzの周期で間欠的に供給することにより、オゾン水による殺菌作用により土着している嫌気性微生物を死滅させることを防ぐことも考慮してのオゾン水の注入方法である。
オゾン水によって反応した水酸化第二鉄は、地下水の流れにより下流側に流れ、前記砂レキ層4の間を通過していく。また上述したように前記注入井戸14と前記揚水井戸9の配置が、地下水の上流側に前記注入井戸14を設置し、前記注入井戸14から地下水の下流側において、前記地下水の流れに対して対称で15m〜20m離隔した位置に複数の前記揚水井戸9を設置することにより、前記遮断壁6で囲んだ領域において、地下水の上流側の注入井戸14から下流方向に地下水の流を対称で18m離隔した30度〜35度の角度を有する位置に前記揚水井戸9を設けることにより、オゾン水注入によって地中の濃度の濃い水酸化第二鉄や濁り及びマンガンが対称に設けられた前記揚水井戸9の方向に分散して濃度が希薄になり、緩やかな地下水の流れと、砂レキ層表面に微生物により形成された粘質性の生物膜の作用により水酸化第二鉄や濁り及びマンガンが生物膜に付着して前記砂レキ層4を通過して効率良く除去することにより、揚水井戸9内の揚水配管8や、前記揚水ポンプ10に水酸化第二鉄が付着することを防止することとなる。
また、揚水ポンプ10は、異常停止時のことを考慮して自動切替制御(図示しない。)において複数台備えても良い。又揚水ポンプ10は逆洗機能を備えていても良い。この揚水ポンプ10によって揚水された地下水は異常時においても安定して鉄分除去できるように揚水ポンプ10の吐出側に設けたの遠心分離機11により、鉄分と水分の固液分離がなされ、分離された地下水は前記遠心分離機11に配管で係連された活性炭充填槽12に投入され、活性炭との接触により地下水に含有する有機性塩素化合物を吸着することとなり浄化される。浄化された地下水は後段のオゾン水生成装置13により供給され、オゾン水生成装置13により直接電気分解され、クラスターの小さい1ppm〜3ppmのオゾン水を生成する。
生成されたオゾン水は、前記注入井戸14の注入配管7に再度注入して循環することにより、汚染部1、汚染領域2の浄化促進及び砂レキ層4において鉄分の除去を行い、前記揚水井戸9から揚水する。
これにより、前記揚水ポンプ10を長寿命化させることができる水の水質改善による防錆の方法が実現できる。
本発明にかかる揚水井戸水の水質改善による防錆方法は、ポンプを長寿命化させるような、土壌及び地下水に浸透した汚染物質(有機塩素化合物)を浄化する等の用途に有用である。
本発明の汚染部を遮水壁で囲んだ状態の断面外略図 本発明の汚染部を遮水壁で囲んだ状態の平面図
符号の説明
1 汚染部
2 汚染領域
3 表土
4 砂レキ層(透水層)
5 不透水層
6 遮断壁
7 注入配管
8 揚水配管
9 揚水井戸
10 揚水ポンプ
11 遠心分離機
12 活性炭充填槽
13 オゾン水生成装置
14 注入井戸

Claims (8)

  1. 汚染領域を、地下水の少なくとも上流部分以外を遮断壁で囲み、この地下水の流れを制御して、前記汚染領域中の汚染部にオゾン水を注入する注入井戸を設け、この注入井戸から地下水の下流部分に前記注入井戸に対して対称に複数の揚水井戸を設け、前記注入井戸からのオゾン水を高圧力で注入することにより、地中の鉄イオン及び重炭酸第一鉄を水酸化第二鉄に酸化せしめ、前記揚水井戸で揚水されるまでの砂レキ層において、この砂レキ層の表面に形成された微生物の粘質性の生物膜により水酸化第二鉄を除去する揚水井戸水の水質改善による防錆方法。
  2. 前記オゾン水の注入が、0.3MPa〜1MPaの加圧注入であり、パルス状、かつ、0.5Hz〜2Hzの周期で間欠的に供給することを特徴とする請求項1記載の揚水井戸水の水質改善による防錆方法。
  3. 前記オゾン水を前記注入井戸より注入することにより、汚染物質を低分子化することを特徴とした請求項1または請求項2記載の揚水井戸水の水質改善による防錆方法。
  4. 前記注入井戸と前記揚水井戸の配置が、前記地下水の上流側に前記注入井戸を設置し、前記注入井戸から地下水の下流側において、地下水の流れに対して対称で15m〜20m離隔した位置に複数の前記揚水井戸を設置したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の揚水井戸水の水質改善による防錆方法。
  5. 前記揚水井戸に連通した揚水ポンプの吐出側に固液分離する為の遠心分離装置を具備し、この遠心分離装置の後段に活性炭充填槽を設けて、地下水に溶存する汚染物質である有機塩素化合物を前記活性炭充填槽内の活性炭に吸着せしめて地下水を浄化させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の揚水井戸水の水質改善による防錆方法。
  6. 前記揚水井戸の配管及び揚水ポンプの材質が成分としてクロムが12%以上含有された鋼製であることを特徴とした請求項1から5のいずれか一項に記載の揚水井戸水の水質改善による防錆方法。
  7. 前記活性炭充填槽の後段にオゾン水生成装置を具備し、前記活性炭充填槽を通過して浄化された地下水は、前記オゾン水生成装置により直接電気分解され、1ppm〜3ppmのオゾン水となることを特徴とした請求項1から6のいずれか一項に記載の揚水井戸水の水質改善による防錆方法。
  8. 前記オゾン水生成装置により生成されたオゾン水を前記注入井戸に注入する循環方式を特徴とした請求項1から7のいずれか一項に記載の揚水井戸水の水質改善による防錆方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100984320B1 (ko) * 2008-04-28 2010-09-30 (주)범한엔지니어링 종합건축사 사무소 우물 통 포기조를 이용한 강변여과수 처리장치
KR101006725B1 (ko) 2010-07-09 2011-01-10 한국수자원공사 강변여과수 현장 처리시스템 및 그 방법
JP2012183498A (ja) * 2011-03-07 2012-09-27 Takeo Suzuki 汚染土壌改良方法

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