JP2005279394A - 汚染土壌及び地下水の浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の汚染土壌及び地下水の浄化方法の中で、本願に関係するバイオレメデエーション法は、環境に左右されて最適期間内に浄化することができない場合があり不安定なものであった。
【解決手段】炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩を充填した浄化壁と、浄化壁は土壌及び地下水の汚染部/その拡散域を縦断する地下水の下流側に遮蔽するように設置し、浄化壁の栄養塩によって嫌気性微生物を増殖かつ活性化させ、揮発性有機化合物による汚染領域の揮発性有機化合物を分解処理する。
【選択図】 図1

Description

この発明はバイオレメデエーション法を用いて嫌気性微生物を活性化し、有機塩素系化合物で汚染された土壌及び地下水の浄化を促進して、汚染領域を原位置で短期間に浄化する技術に関するものである。
従来、土壌及び地下水の汚染の浄化設備とその浄化方法として、真空抽出法、揚水曝気法、石灰法、鉄粉法、土壌掘削置換法、土壌湿気式洗浄法、不溶化処理法、気・液混合井戸方法、エアースパージング方式、バイオレメディエーション法と、浄化に関して様々な方法が用いられるが、短期間で、土壌及び地下水の汚染の浄化ができる方法は、鉄粉法とバイオレメディエーション法である。
炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とし、特に粒径100mm以内の粒子状に成形し、主に廃水処理に用いる脱窒素促進剤およびこの脱窒素促進剤を用いた水処理方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−334492号公報(第3〜9頁、第1〜4図)
しかしながら、このような従来の土壌及び地下水の汚染の浄化設備とその浄化方法では、鉄粉法は土壌を掘削してゼロ化鉄粉を注入する方法で、化学反応により短期間に土壌浄化するが、現状では汚染領域を絞って掘削する方法が主流の為、汚染領域全てを最適期間内に浄化することができなく、しかも高額な施工費用がかかる。またバイオレメデエーション法は、環境に左右され最適期間内に浄化することができない場合もあり不安定である。
さらに浄化処理剤についても、従来の栄養塩類では、例えば水に対する溶解度が高く、この場合供給した栄養塩(の消費量)の地下水への溶出が早く(多く)、したがって頻繁に栄養塩の追加(継続)投与が必要であった。また、炭素数が10以上の脂肪酸は地下水への溶出が遅く、汚染部での最適量の溶出が管理できなく、地下水の流速が、例えば地下水が1日8センチも流れる場所では対応が難しく、地下水が年に数センチ程度の流れの場所での浄化に限られる。したがって、地下水の流速が遅い場所での栄養塩の過剰注入は、湖沼や内海などの閉鎖系水系等では、過剰栄養化によるプランクトン、藻、赤潮等の異常発生をまねく問題を生じることになり、管理システムの混乱・煩雑さをまねく等々の課題も派生することになる。ここに、浄化処理剤の溶解度が最適で、常時処理が安定し、メンテナンスが楽なものが切望されていた。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、土壌や地下水中に生息する嫌気性微生物を長期(常時)に安定して増殖・活性化させて、汚染の原位置浄化処理・管理を最適化し、かつ各浄化処理の設備・施設を簡略化した汚染土壌及び地下水の浄化方法を提供することを目的とする。
つまり、施工費用が比較的安いバイオレメデエーション法に注目し、特定の栄養塩を選定した嫌気性微生物処理によって原位置での土壌及び地下水の汚染の浄化を促進せしめ、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩(カプロン酸、ペンタンカルボン酸、ブチル酢酸、エナント酸、エナンチル酸、ヘキサンカルボン酸、ペンチル酢酸、カプリル酸、ヘプタンカルボン酸、ヘキシル酢酸、ペラルゴン酸、オクタンカルボン酸、ヘプチル酢酸等)を浄化壁として汚染領域の下流側に注入することにより、汚染領域を広げることなく全てを最適期間内に安定して浄化でき、たとえ長期に亘る工期であってもメンテナンスフリーな工法を用いた浄化方法を提供する。
本発明の汚染土壌及び地下水の浄化方法は、上記目的を達成するために、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした固体成形品の栄養塩と、前記栄養塩を充填するために土壌及び帯水層を掘って形成した浄化壁と、前記浄化壁は土壌及び地下水の汚染部/その拡散域を縦断する地下水の下流側に遮蔽するように設置し、前記浄化壁の前記栄養塩によって嫌気性微生物を増殖かつ活性化させ、揮発性有機化合物による前記汚染部および前記拡散域の前記揮発性有機化合物を分解処理する工法を用いたものである。
本発明者らは、汚染領域を掘削等により状況把握した後、当該汚染領域の地下水の流れる方向を確認し、土壌・帯水層を難透水層に達するまで掘削して浄化壁(又は/およびカプセル投入井戸、観測井戸、揚水井戸、注入井戸、遮水壁)を設置し、この浄化壁は炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩を充填して形成する。したがって、栄養塩によって土壌及び帯水層中に自然条件(溶存酸素濃度DO値の極めて低い嫌気性環境)下で生態している嫌気性微生物を増殖かつ活性化させる。つまり、土壌及び地下水の汚染部/その拡散域を縦断してきた地下水は、浄化壁(栄養塩の壁)を通過することによって、揮発性有機化合物による汚染領域の汚染物質をバイオ的に安定して分解(還元的脱塩素化反応による浄化、無害化)処理することができ、汚染領域全体を(地下水流(流速)を利用しているので浄化処理速度は遅いが、反面確実性が極めて高い)浄化することができる。
本発明によれば、土壌及び帯水層を掘削して浄化壁(又は/およびカプセル投入井戸、観測井戸、揚水井戸、注入井戸、遮水壁)を設け、汚染領域を縦断してきた地下水は浄化壁を形成する特定の栄養塩を通過し、(増殖かつ活性化した嫌気性微生物によって)汚染物質である揮発性有機化合物を分解する。この場合、栄養塩を炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分として特定することによって、この原位置での最適の浄化処理が常に安定して行われる汚染土壌及び地下水の浄化方法を提供できる。
請求項1に記載の本発明によれば、特定の栄養塩(炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩)を充填・形成した浄化壁によって、現地の汚染状況や周辺の各種状況に応じて、原位置での土壌及び地下水の汚染領域の浄化処理を促進せしめ、汚染領域全体を最適期間内に安定かつ確実に浄化でき、メンテナンスフリー、安価格の浄化工法とすることができる。
つまり、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とする栄養塩は、地下水に対して徐々に溶解する(富栄養塩化にならない)ものであり、地下水流(流速)を利用したもので処理速度は遅いが、反面常に安定して(嫌気性微生物の活性化・増殖による)有機塩素系化合物の分解ができるものとなる。
請求項2に記載の本発明によれば、浄化壁、カプセル投入井戸、観測井戸によって、常に上記浄化壁(栄養塩)による浄化処理の効果を観測・監視を継続しているので、汚染物質の浄化が完了するまでの間、最適の処理条件を制御・維持することができ、また汚染状況の急変等にも対応ができる。
請求項3に記載の本発明によれば、浄化壁、カプセル投入井戸、観測井戸、遮水壁によって、常に上記浄化壁(栄養塩)による浄化処理の効果を観測・監視を継続しているので、汚染物質の浄化が完了するまでの間、最適の処理条件を制御・維持することができ、また汚染状況の急変等にも対応ができる。
請求項4に記載の本発明によれば、浄化壁、揚水井戸、注入井戸によって、常に上記浄化壁(栄養塩)による浄化処理の効果を観測・監視を継続しているので、汚染物質の浄化が完了するまでの間、最適の処理条件を制御・維持することができ、また汚染状況の急変等にも対応ができる。
請求項5に記載の本発明によれば、浄化壁、揚水井戸、注入井戸、遮水壁によって、常に上記浄化壁(栄養塩)による浄化処理の効果を観測・監視を継続しているので、汚染物質の浄化が完了するまでの間、最適の処理条件を制御・維持することができ、また汚染状況の急変等にも対応ができる。
以下、本発明の汚染土壌及び地下水の浄化方法の各実施例について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例1の浄化壁による汚染土壌及び地下水の浄化工法の概要を示し、(A)は、その模擬的平面図、(B)は、同断面図である。
図1において、1は有機塩素化合物で汚染された汚染部(汚染源)を示し、その汚染(汚染部1)の拡散域2は、地下水流のある帯水層5の地下水流(水流方向を→印で示す、以下同じとする)や浸透・溶解等によってその汚染(汚染部1)が拡散された領域を示し、帯水層5を中心として土壌4にも及んでいる状態を示す。なお、以降の説明において、汚染部1及びその拡散域2を汚染領域(仮に定義する。以下同じとする)と称する。
有機塩素化合物(又は、揮発性有機化合物VOC)には、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ホルムアルデヒド、トルエン、ベンゼン、キシレンなどさまざまな物質がある。これらは化学的に安定していて分解しにくい性質があり、産業界で種々の用途に普及した反動として、今や特に土壌4及び地下水(帯水層5)の汚染の原因ともなっている。
7は浄化壁(別称、マルチバリアとも称される。後述の遮水壁11も同じ)を示し、汚染領域を掘削等により状況把握した後、当該汚染領域の地下水の流れる方向を確認し、汚染領域の下流側を遮断するように、土壌4・帯水層5を難透水層6に達するまで掘削して設置し、この浄化壁7は炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした特定の栄養塩(固体成形品)を充填して形成する。したがって、この栄養塩によって土壌4及び帯水層5中に自然条件(溶存酸素濃度DO値の極めて低い嫌気性環境)下で生態している嫌気性微生物群(嫌気性菌群であって、シュドモナス属の嫌気性微生物など)を増殖かつ活性化させる栄養剤となる。浄化壁7は、地中に壁を構築するだけでよいので、メンテナンスフリーであり、分解生成物を含め確実に分解され、清浄な地下水のみ下流へ流すことができる。
8はカプセル投入井戸を示し、その設置は浄化壁7の上流側近傍に、土壌4及び帯水層5を鉛直に掘削して、その先端は難透水層(一般的に言われている不透水層、又は不透水性岩体等も含む)6に達している。そしてその配置(設置)は、汚染領域の地下水流の下流側に並べて設置される。カプセル投入井戸8は、開閉弁(図示は、省略する)等の操作によって、嫌気性微生物を入れた生分解性カプセルを帯水層5中に投入する(投入域3となり)もので、自然に生態している嫌気性微生物群をさらに増強(投入域3によって)し、浄化壁7による浄化作用を補強する。
したがって、土壌4及び帯水層5の汚染部1/その拡散域2を縦断してきた地下水は、浄化壁7(栄養塩の壁)を通過することによって、揮発性有機化合物による汚染領域の汚染物質をバイオ的に安定して分解(還元的脱塩素化反応による浄化、無害化)処理することができ、汚染領域全体を[地下水流(流速)を利用しているので浄化処理速度は遅いが、反面確実性が極めて高く]浄化することができる。
9は観測(モニタリング)井戸を示し、土壌4及び帯水層5を鉛直に掘削して、その先端は難透水層(一般的に言われている不透水層、又は不透水性岩体等も含む)6に達している。観測井戸9は、浄化壁7の下流側近傍に設置し、浄化壁7の通過後の地下水の浄化状態を計測・観測する。
そして、改めて言うまでもないが、観測井戸9は、帯水層5の注入域3の地下水を採取又は揚水(揚水方向を→印で示す、以下同じとする)等によって種々の測定を行う。つまり、観測井戸9は、浄化壁7や生分解性カプセルによる汚染の浄化の効果判定や処理条件の設定、汚染物質の状態変化の検知等を行う。
1)ORP計(酸化還元電位計)を用いて酸化・還元電位を測定し、例えば、例えば地下水の酸化還元電位が低いときは、カプセル投入井戸8の生分解性カプセル投入量を増やすように調整・制御(投入量を加減する)される。さらに、浄化壁7の栄養塩の状態の適否(浄化効果)の測定・判定が為される。
2)また経時的には、揮発性有機化合物(汚染物質)について、テトラクロロエチレン(PCE)、トリクロロエチレン(TCE)、ジクロロエチレン(cis−1,2−DCE)、ジクロロエチレン(1,1−DCE)、塩化ビニル(VC)等を各現場に応じて選定し、その各濃度(mg/l)の経日変化(減少状況)を観測(測定や監視)したりする。
また、詳細な説明は省略するが、別に制御装置を設けて、上述のデータ検知・測定(入力)部、演算・分析・判定(出力)部等によって、生分解性カプセル投入量や効果判定、最適な栄養塩の種別(や配合)や状況判定、交換時期、後述の揚水量(流量)、地下水の返送量、工期推定、メンテナンス時期等の制御ができることは自明のことである。このことは当然に、無人化の遠隔制御、管理化への展開・拡大が容易となる。
本願の栄養塩のカルボン酸としては、炭素数が6以上であることが必須であり、長期間にわたって安定した栄養塩の付与ができる。つまり、炭素数が6未満では水に対する溶解度が大きすぎ、このことは短期間の供給・消費となり、また、この一時的過剰な溶解は短期間で過剰な栄養塩を付与することとなり、前述の(課題のところで述べた)ような嫌気性環境や嫌気性菌に対して悪影響をもたらすこととなる。
炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸には、例えばカプロン酸、ペンタンカルボン酸、ブチル酢酸、エナント酸、エナンチル酸、ヘキサンカルボン酸、ペンチル酢酸、カプリル酸、ヘプタンカルボン酸、ヘキシル酢酸、ペラルゴン酸、オクタンカルボン酸、ヘプチル酢酸等があげられる。
本願の栄養塩は、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分としたもので、粒状〜ペレット状等の固体(成形の固形品)を基本としている。
帯水層5の地下水は硝酸態窒素が多いため、嫌気性微生物の栄養塩となるが、窒素成分だけでは活性できなく、C成分である炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を適量投入することで、嫌気性微生物(分解菌)の活性化が促進され、微生物による水素と塩素の交換が活発になり、安定して汚染領域を浄化(無害化処理)できる(適量投入の判断はORP計の測定等による)。
また、炭素数の上限は特に設ける必要はないが、工業的に大量に入手可能なものとしては炭素数が18程度までと考えられる(が必ずしも、炭素数が18以下のものに限られるものではないことは言うまでもない)。炭素数が大き過ぎると、水溶解性が更に悪く(溶解に時間がかかり)なり、栄養塩としての効果(実効性)が低くなる。
また、本願のカルボン酸は、直鎖状構造を有し、さらには、飽和モノカルボン酸であることが好ましい(これらの基本的な内容等については、特開2000−334492号公報に記載されている)。
図2は、本発明の実施例2の浄化壁、遮水壁による汚染土壌及び地下水の浄化工法の概要を示し、その模擬的平面図である。
図2(実施例2)において、前述の図1(実施例1)と相違するのは、遮水壁11が新たに追加・設置されるだけである。なお、図1のような断面図(B)を省略しているが、ほぼ同様のものである。
したがって、遮水壁11に関わる(他の同一名称・符号については、両実施例の概要は同一であり重複するので、その説明は省略する)ことを以下に説明する。
すなわち、遮水壁11は、図1における浄化壁7の下流側背面に、汚染領域の下流側を遮断するように(透水性のある)矢板等で構成されたものであり、浄化壁7と同様に掘削・設置されている。つまり遮水壁11を併設することによって実施例1よりも下流への遮断性が大きくなり、汚染物質を安価、かつ、より確実に浄化できる。
したがって、土壌4及び帯水層5の汚染部1/その拡散域2を縦断してきた地下水は、浄化壁7(栄養塩の壁)及び遮水壁11を通過することによって、揮発性有機化合物による汚染領域の汚染物質をバイオ的に安定して分解(還元的脱塩素化反応による浄化、無害化)処理することができ、汚染領域全体を[地下水流(流速)を利用しているので浄化処理速度は遅いが、反面確実性が極めて高い]浄化することができる。なお実施例2は、上述の実施例1よりも汚染領域の汚染状態(汚染度・汚染範囲等)が重度であるような場合に有効とされる。
10は観測(モニタリング)井戸を示し、実施例1と同様に、カプセル投入井戸8の生分解性カプセル投入量の調整・制御等を行う。
図3は、本発明の実施例3の浄化壁、揚水井戸による汚染土壌及び地下水の浄化工法の概要を示し、(A)は、その模擬的平面図、(B)は、同断面図である。
図3(実施例3)において、前述の図1(実施例1)と相違するのは、図1のカプセル投入井戸8が無くなり、観測井戸9が揚水井戸21に替わり、新たな注入井戸22が追加されることである。
したがって、揚水井戸21、注入井戸22に関わる(他の同一符号については、両実施例の概要は同一であり重複するので、その説明は省略する)ことを以下に説明する。
すなわち、揚水井戸21、注入井戸22は共に、土壌4及び帯水層5を鉛直に掘削して、その先端は難透水層(一般的に言われている不透水層、又は不透水性岩体等も含む)6に達している。まず揚水井戸21は、浄化壁7の下流側近傍に設置し、改めて言うまでもないが、浄化壁7の通過後の地下水を採取又は揚水(揚水方向を→印で示す、以下同じとする)等によって種々の測定を行い、浄化状態を観測する。つまり、揚水井戸21は、浄化壁7による汚染の浄化の効果判定や処理条件の設定、汚染物質の状態変化の検知等を行う。
この揚水井戸21の用途としては、例えば、1)前述の実施例1,2と同様に観測(機能)を兼用し、浄化処理が十分な場合、1)揚水して外部に放流したり、2)揚水しなかったり、また、浄化処理が不十分で再処理が必要な場合、1)地下水を汲み上げて別の同処理施設へ回送したり、2)上述の注入井戸22から帯水層5に戻して返送・注入・循環(再浄化)させたりすること等、種々に使い分けても良い。
注入井戸22は、汚染領域の上流側に設置し、揚水井戸21から返送された地下水が注入され、そして汚染領域全体を囲うことが出来る位置となる。
実施例3においては、揚水井戸21、及び注入井戸22を設けて地下水を返送・循環させる場合、両井戸の間に形成されるショートサーキット的な(地下水の水量・流速が加速された)流れをなし、かつ、汚染領域を囲って流れ、汚染物質を有効に、かつ比較的速やか(少なくとも上述実施例1,2よりも)に、積極的に浄化処理することができる。
図4は、本発明の実施例4の浄化壁、遮水壁、揚水井戸による汚染土壌及び地下水の浄化工法の概要を示し、その模擬的平面図である。
図4(実施例4)において、前述の図3(実施例3)と相違するのは、遮水壁11が新たに追加・設置されるだけである。なお、図3のような断面図(B)を省略しているが、ほぼ同様のものである。
したがって、遮水壁11に関わる(他の同一名称・符号については、両実施例の概要は同一であり重複するので、その説明は省略する)ことを以下に説明する。
すなわち、遮水壁11は、図3における浄化壁7の下流側背面に、汚染領域の下流側を遮断するように(透水性のある)矢板等で構成されたものであり、浄化壁7と同様に掘削・設置されている。つまり遮水壁11を併設することによって実施例3よりも下流への遮断性が大きくなり、汚染物質を安価、かつ、より確実に浄化できる。
以上の説明により、バイオ工法分類の中の一つである「浄化壁による浄化処理工法」は既に知られた工法であるが、本願の特徴は、この栄養塩を特定することにより、新たに特異な効果を生じることになる。
以上、4つの実施例について述べたが、汚染領域に対する浄化壁7、観測井戸9、遮水壁11、揚水井戸21,31、注入井戸22,32の配置は、上述のとおり、地下水流方向の上流〜下流を基本として有効(理想)である。が、これだけに限定せず(詳細な記述はしない)、現場の汚染状況に応じて自在に為される(必ずしも、上流〜下流を基本としない任意の配置)ことは自明のことである。例えば、汚染領域の広がりや汚染状況に応じて、複数の各井戸で囲んで並べて設置したりする。この場合、各井戸の注入・揚水の量・時期を個々の井戸毎に設定・制御すれば、浄化処理がより一層最適化されることは自明である。
さらに、現場の汚染状況に対応させて、夫々の実施例を適宜に組み合せたりして、多様化して展開することは自明のことである。
上述のとおり、本実施例では、浄化壁(又は/およびカプセル投入井戸、観測井戸、揚水井戸、注入井戸、遮水壁)を適宜に設置して浄化処理をしているが、各井戸間の配管やその切換手段を新たに設置すれば、状況変化にも自在に対応・処理でき、本願特有の栄養塩(の効用がより一層発揮できて)と相俟って拡大して展開すれば、無人化の遠隔制御等への用途にも容易に適用できることになる。
(A)は本発明の実施例1の浄化壁による汚染土壌及び地下水の浄化工法の概要を示す模擬的平面図、(B)は同断面図 本発明の実施例2の浄化壁、遮水壁による汚染土壌及び地下水の浄化工法の概要を示す模擬的平面図 (A)は本発明の実施例3の浄化壁、揚水井戸による汚染土壌及び地下水の浄化工法の概要を示す模擬的平面図、(B)は同断面図 本発明の実施例4の浄化壁、遮水壁、揚水井戸による汚染土壌及び地下水の浄化工法の概要を示す模擬的平面図
符号の説明
1 汚染部
2 拡散域
3 投入域
4 土壌
5 帯水層
6 難透水層
7 浄化壁
8 カプセル投入井戸
9,10 観測井戸
11 遮水壁
21,31 揚水井戸
22,32 注入井戸

Claims (5)

  1. 炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした固体成形品の栄養塩と、
    前記栄養塩を充填するために土壌及び帯水層を掘って形成した浄化壁と、
    前記浄化壁は土壌及び地下水の汚染部/その拡散域を縦断する地下水の下流側に遮蔽するように設置し、
    前記浄化壁の前記栄養塩によって嫌気性微生物を増殖かつ活性化させ、揮発性有機化合物による前記汚染部および前記拡散域の前記揮発性有機化合物を分解処理する工法を用いた汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  2. 前記浄化壁の上流側近傍に嫌気性微生物を入れたカプセルを投入するカプセル投入井戸を並べ、
    前記浄化壁の下流側近傍に前記汚染部および前記拡散域の浄化状態を計測する観測井戸とを、
    それぞれ設置してなる請求項1に記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  3. 前記浄化壁の上流側近傍に嫌気性微生物を入れたカプセルを投入するカプセル投入井戸を並べ、
    前記浄化壁の下流側に近接して遮水壁を形成し、
    前記浄化壁/前記遮水壁の下流側近傍に前記汚染部および前記拡散域の浄化状態を計測する観測井戸とを、
    それぞれ設置してなる請求項1に記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  4. 前記浄化壁の下流側近傍に前記汚染部および前記拡散域の浄化状態を計測し、かつ地下水を揚水する揚水井戸と、
    前記汚染部および前記拡散域の上流側に前記揚水井戸からの地下水を注入する注入井戸とを、
    それぞれ設置してなる請求項1に記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  5. 前記浄化壁の下流側に近接して遮水壁を形成し、
    前記浄化壁/前記遮水壁の下流側近傍に前記汚染部および前記拡散域の浄化状態を計測し、かつ地下水を揚水する揚水井戸と、
    前記汚染部および前記拡散域の上流側に前記揚水井戸からの地下水を注入する注入井戸とを、
    それぞれ設置してなる請求項1に記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
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