JP2005279392A - 汚染土壌及び地下水の浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の汚染土壌及び地下水の浄化方法の中で、本願に関係するバイオレメデエーション法は、環境に左右されて最適期間内に浄化することができない場合があり不安定なものであった。
【解決手段】炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩を貯留する栄養塩槽と、栄養塩を注入機によって汚染部及びその拡散域の土壌及び地下水に注入/浄化する鉛直の注入井戸とにより、注入された栄養塩によって嫌気性微生物を増殖かつ活性化させ、揮発性有機化合物による汚染部および拡散域の揮発性有機化合物を分解処理する。
【選択図】図1

Description

この発明はバイオレメデエーション法を用いて嫌気性微生物を活性化し、有機塩素系化合物で汚染された土壌及び地下水の浄化を促進して、汚染領域を原位置で短期間に浄化する技術に関するものである。
従来、土壌及び地下水の汚染の浄化設備とその浄化方法として、真空抽出法、揚水曝気法、石灰法、鉄粉法、土壌掘削置換法、土壌湿気式洗浄法、不溶化処理法、気・液混合井戸方法、エアースパージング方式、バイオレメディエーション法と、浄化に関して様々な方法が用いられるが、短期間で、土壌及び地下水の汚染の浄化ができる方法は、鉄粉法とバイオレメディエーション法である。
原位置での生物学的処理が可能で、炭素数が10以上の脂肪酸、炭素数が12以上のアルコール、炭素数が14以上の直鎖状飽和脂肪酸と1価アルコールのエステル、炭素数が14以上の直鎖状飽和脂肪酸と多価アルコールのエステル、炭素数が16以上の脂肪酸とグリセリンのエステルなどを土壌中に埋設して、土壌や地下水の硝酸態窒素及び揮発性有機化合物を低減させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とし、特に粒径100mm以内の粒子状に成形し、主に廃水処理に用いる脱窒素促進剤およびこの脱窒素促進剤を用いた水処理方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−370085号公報(第4〜14頁、第1〜3図) 特開2000−334492号公報(第3〜9頁、第1〜4図)
しかしながら、このような従来の土壌及び地下水の汚染の浄化設備とその浄化方法では、鉄粉法は土壌を掘削してゼロ化鉄粉を注入する方法で、化学反応により短期間に土壌浄化するが、現状では汚染領域を絞って掘削する方法が主流の為、汚染領域全てを最適期間内に浄化することができなく、しかも高額な施工費用がかかる。またバイオレメデエーション法は、環境に左右され最適期間内に浄化することができない場合もあり不安定である。
さらに浄化処理剤についても、従来の栄養塩類では、(例えばポリ乳酸エステル)水に対する溶解度が高く、この場合供給した栄養塩(の消費量)の地下水への溶出が早く(多く)、したがって頻繁に栄養塩の追加(継続)投与が必要であった。また、炭素数が10以上の脂肪酸は地下水への溶出が遅く、汚染部での最適量の溶出が管理できなく、地下水の流速が、例えば地下水が1日8センチも流れる場所では対応が難しく、地下水が年に数センチ程度の流れの場所での浄化に限られる。したがって、地下水の流速が遅い場所での栄養塩の過剰注入は、湖沼や内海などの閉鎖系水系等では、過剰栄養化によるプランクトン、藻、赤潮等の異常発生をまねく問題を生じることになり、管理システムの混乱・煩雑さをまねく等々の課題も派生することになる。ここに、浄化処理剤の溶解度が最適で、常時処理が安定し、メンテナンスが楽なものが切望されていた。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、土壌や地下水中に生息する嫌気性微生物を長期(常時)に安定して増殖・活性化させて、汚染の原位置浄化処理・管理を最適化し、かつ各浄化処理の設備・施設を簡略化した汚染土壌及び地下水の浄化方法を提供することを目的とする。
つまり、施工費用が比較的安いバイオレメデエーション法に注目し、特定の栄養塩を選定した嫌気性微生物処理によって原位置での土壌及び地下水の汚染の浄化を促進せしめ、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩(カプロン酸、ペンタンカルボン酸、ブチル酢酸、エナント酸、エナンチル酸、ヘキサンカルボン酸、ペンチル酢酸、カプリル酸、ヘプタンカルボン酸、ヘキシル酢酸、ペラルゴン酸、オクタンカルボン酸、ヘプチル酢酸等)を汚染領域の上流側に注入することにより、汚染領域全てを最適期間内に安定して浄化でき、たとえ長期に亘る工期であってもメンテナンスフリーな工法を用いた浄化方法を提供する。
本発明の汚染土壌及び地下水の浄化方法は、上記目的を達成するために、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩を貯留する栄養塩槽と、前記栄養塩を注入機によって汚染部及びその拡散域の土壌及び地下水に注入/浄化する鉛直の注入井戸とにより、注入された前記栄養塩によって嫌気性微生物を増殖かつ活性化させ、揮発性有機化合物による前記汚染部および前記拡散域の前記揮発性有機化合物を分解処理する工法を用いたものである。
本発明者らは、汚染領域を掘削等により状況把握した後、当該汚染領域の地下水の流れる方向を確認し、帯水層を難透水層に達するまで掘削して注入井戸を設置し、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩を注入井戸から汚染領域を囲って注入・浸透する。したがって、注入された栄養塩によって、土壌及び帯水層中に自然条件(溶存酸素濃度DO値の極めて低い嫌気性環境)下で生態している嫌気性微生物を増殖かつ活性化させ、つまり揮発性有機化合物による汚染領域の汚染物質をバイオ的に安定して分解(還元的脱塩素化反応による浄化、無害化)処理することができ、最適の工期間で汚染領域全体を浄化することができる。
本発明によれば、帯水層を難透水層に達するまで掘削して注入井戸、観測井戸、揚水井戸を適宜に設け、汚染領域に特定の栄養塩を注入し、嫌気性微生物を増殖かつ活性化させ、汚染物質である揮発性有機化合物を分解する。この場合、栄養塩を炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分として特定することによって、この原位置での最適の浄化処理が常に安定して行われる汚染土壌及び地下水の浄化方法を提供できる。
請求項1に記載の本発明によれば、現地の汚染状況や周辺の各種状況に応じた特定の栄養塩(炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩)を選定・注入することにより、原位置での土壌及び地下水の汚染領域の浄化処理を促進せしめ、汚染領域全体を最適期間内に安定して浄化でき、たとえ長期に亘る工期であったとしてもメンテナンスフリー、かつ安価格の浄化工法とすることができる。
つまり、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とする栄養塩は、地下水に対して徐々に溶解する(富栄養塩化にならない)ものであり、長期に亘るような場合においても常に安定して注入・供給ができ、したがって、嫌気性微生物の活性化・増殖による有機塩素系化合物の分解を長期に安定・最適化できるものとなる。
請求項2に記載の本発明によれば、鉛直の注入井戸、観測井戸によって、常に上記栄養塩の注入による浄化処理の効果を観測・監視を継続しているので、汚染物質の浄化が完了するまでの間、最適の処理条件を維持すること等ができ、また汚染状況の急変等にも対応ができる。
請求項3,4に記載の本発明によれば、鉛直の注入井戸、揚水井戸によって、上記栄養塩が汚染部、その拡散域の全体を大きく囲って注入でき、汚染の浄化の最適の処理状態を維持すること等ができる。
以下、本発明の汚染土壌及び地下水の浄化方法の各実施例について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例1の注入井戸および観測井戸(いずれも鉛直井戸)による汚染土壌及び地下水の浄化工法の概要を示す模擬的断面図である。
図1において、1は有機塩素化合物で汚染された汚染部(汚染源)を示し、その汚染(汚染部1)の拡散域2は、地下水流のある帯水層5の地下水流(水流方向を→印で示す、以下同じとする)や浸透・溶解等によってその汚染(汚染部1)が拡散された領域を示し、帯水層5を中心として土壌4にも及んでいる状態を示す。なお、以降の説明において、汚染部1及びその拡散域2を汚染領域(仮に定義する。以下同じとする)と称する。
有機塩素化合物(又は、揮発性有機化合物VOC)には、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ホルムアルデヒド、トルエン、ベンゼン、キシレンなどさまざまな物質がある。これらは化学的に安定していて分解しにくい性質があり、産業界で種々の用途に普及した反動として、今や特に土壌及び地下水の汚染の原因ともなっている。
7は栄養塩槽を示し、例えば地上に設置して、栄養塩を内部に貯留する。その栄養塩としては、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩を特定し、汚染領域内の嫌気性微生物群(嫌気性菌群であって、シュドモナス属の嫌気性微生物など)を増殖かつ活性化させる栄養剤となる。
炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸には、例えばカプロン酸、ペンタンカルボン酸、ブチル酢酸、エナント酸、エナンチル酸、ヘキサンカルボン酸、ペンチル酢酸、カプリル酸、ヘプタンカルボン酸、ヘキシル酢酸、ペラルゴン酸、オクタンカルボン酸、ヘプチル酢酸等が上げられる
9は上記栄養塩を注入(供給)する注入井戸を示し、その設置は土壌4及び帯水層5を鉛直に掘削して、その先端は難透水層(一般的に言われている不透水層、又は不透水性岩体等も含む)6に達している。そしてその配置(設置)は、汚染領域の地下水流の上流側に設置される。
栄養塩槽7内に貯留された栄養塩は、注入機8、開閉弁(図示は、省略する)等の操作によって、注入井戸9から汚染領域の土壌4及び帯水層5全体に行きわたるように注入/供給(注入井戸9、及び帯水層5(注入域3)内の注入方向を→印で示す、以下同じとする)され、地下水流(又は/および溶解性)や浸透・溶解等を利用して注入域3となる。すなわち図1に示すように、栄養塩が汚染部1、拡散域2を通過する方向の(地下水の水量・流速が加速された)流れとなり、注入域3は、汚染領域を大きく囲って(図示は省略するが、平面的にも大きく囲って)形成され、汚染の浄化処理が為される。すなわち注入された栄養塩によって、土壌4及び帯水層5中に自然条件(溶存酸素濃度DO値の極めて低い嫌気性環境)下で生態している嫌気性微生物を増殖かつ活性化させ、つまり揮発性有機化合物による汚染領域の汚染物質をバイオ的に安定して分解(還元的脱塩素化反応による浄化、無害化)処理する工法となる。
10は、観測(モニタリング)井戸を示し、汚染領域の下流側の注入域3内に鉛直に設置(前述の注入井戸9と同様に掘削)し、栄養塩の注入(供給・投入)による汚染の浄化の効果判定や処理条件の設定、汚染物質の状態変化の検知等を行う。その配置は現場(原位置)の汚染状況に応じ、例えば、注入井戸9内に抵抗を測定する部材を入れ、次いで純水を投入し、抵抗値の高い方位に設置する。
そして、改めて言うまでもないが、観測井戸10は、帯水層5の注入域3の地下水を採取又は揚水(揚水方向を→印で示す、以下同じとする)等によって種々の測定を行う。例えば、
1)ORP計(酸化還元電位計)を用いて酸化・還元電位を測定し、栄養塩の注入量の適否(浄化効果)の測定・判定が為される。
2)また経時的には、揮発性有機化合物(汚染物質)について、テトラクロロエチレン(PCE)、トリクロロエチレン(TCE)、ジクロロエチレン(cis−1,2−DCE)、ジクロロエチレン(1,1−DCE)、塩化ビニル(VC)等を各現場に応じて選定し、その各濃度(mg/l)の経日変化(減少状況)を観測(測定や監視)したりする。
また、詳細な説明は省略するが、別に制御装置を設けて、上述のデータ検知・測定(入力)部、演算・分析・判定(出力)部等によって、最適な栄養塩の種別(や配合)や供給・注入量(や流量)、注入時期、後述の揚水量(流量)、地下水の返送量、工期推定、メンテナンス時期等の制御ができることは自明のことである。このことは当然に、無人化の遠隔制御、管理化への展開・拡大が容易となる。
なお、観測井戸10の他の用途としては、例えば、浄化処理が不十分で再処理が必要な場合、1)地下水をくみ上げて別の同処理施設へ回送したり、2)元の注入井戸9から透水層に戻して返送・循環(再浄化)させたりすること等に兼用しても良い。なお、浄化処理が十分為されていれば、揚水の必要は特にない。
なお、汚染領域に対する注入井戸9(後述の29,39)、観測井戸10、後述の揚水井戸(21,31)の配置は、上述のとおり、地下水流方向の上流〜下流を基本とし、有効(理想)である。が、これだけに限定せず(詳細な記述はしない)、現場の汚染状況に応じて自在に為される(必ずしも、上流〜下流を基本としない任意の配置)ことは自明のことである。例えば、汚染領域の広がりや汚染状況に応じて、複数の各井戸で囲んで並べて設置したりする。この場合、各井戸の注入・揚水の量・時期を個々の井戸毎に設定・制御すれば、浄化処理がより一層最適化されることは自明である。
本願の栄養塩のカルボン酸としては、炭素数が6以上であることが必須であり、長期間にわたって安定した栄養塩の付与ができる。つまり、炭素数が6未満(例えば、ギ酸、酪酸)では水に対する溶解度が大きすぎ、このことは短期間の供給・消費となり、また、この一時的過剰な溶解は短期間で過剰な栄養塩を付与することとなり、前述の(課題のところで述べた)ような嫌気性環境や嫌気性菌に対して悪影響をもたらすこととなる。
また、炭素数の上限は特に設ける必要はないが、工業的に大量に入手可能なものとしては炭素数が18程度までと考えられる(が必ずしも、炭素数が18以下のものに限られるものではないことは言うまでもない)。炭素数が大き過ぎると、水溶解性が更に悪く(溶解に時間がかかり)なり、栄養塩としての効果(実効性)が低くなる。
また、本願のカルボン酸は、直鎖状構造を有し、さらには、飽和モノカルボン酸であることが好ましい(これらの基本的な内容等については、特開2000−334492号公報に記載されている)。
本願の栄養塩は、炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分としたもので、粒状〜ペレット状等の固体(成形の固形品)を基本としている。
帯水層5の地下水は硝酸態窒素が多いため、嫌気性微生物の栄養塩となるが、窒素成分だけでは活性できなく、C成分である炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を適量投入することで、嫌気性微生物(分解菌)の活性化が促進され、微生物による水素と塩素の交換が活発になり、安定して汚染領域を浄化(無害化処理)できる(適量投入の判断はORP計の測定等による)。
前述のとおり炭素数が大きい場合、地下水への溶解に時間がかかり(難水溶・浸透性)、栄養塩としての効果が低くなる(遅効性)が、例えば、本願のカルボン酸(高級脂肪酸)にアルコール(グリセリン)を加えてエステル(油脂)としても良い。つまり、カルボン酸をグリセリンによってエステル結合となし、カルボン酸の水溶性が増すことになり、カルボン酸による浄化の補助的な寄与が期待できることになる(これらの内容等については、特開2002−370085号公報に記載されている)。
したがって、注入機8は、栄養塩槽7から注入井戸9を経て、上記のような栄養塩を選定・供給して注入域3を形成することになる(後述の実施例2,3についても同様である)。
仮に、端的に汚染の浄化処理期間の観点から見れば、短期〜中期〜長期等があり、例えば、短期とすれば、炭素数が小さくカルボン酸、かつ、カルボン酸をグリセリンによってエステル化した栄養塩とすることが考えられる。逆に長期とすれば、炭素数が大きいカルボン酸(例えば、ステアリン酸)、グリセリンを使用しない栄養塩とすること等が考えられる。つまり、カルボン酸の炭素数やグリセリンの添加量を自在に選択し、その注入量・時期等を絡ませて決めれば最適の浄化処理条件、処理期間等が決定・制御でき、現位置での対応が自在にできることになる。
以上の説明により、バイオ工法分類の中の一つである「鉛直井戸による浄化処理工法」は既に知られた工法であるが、本願の特徴は、この栄養塩を特定することにより、新たに特異な効果を生じることになる。
図2は、本発明の実施例2の注入井戸および揚水井戸(いずれも鉛直井戸)による汚染土壌及び地下水の浄化工法の概要を示す模擬的断面図である。
図2において、前述の図1と相違するのは、図1の観測井戸10が図2においては、揚水井戸21に置き換わることだけである。
したがって、揚水井戸21に関わる(他の同一名称・符号については、両実施例の概要は同一であり重複するので、その説明は省略する)ことを以下に説明する。
21は、揚水井戸を示し、汚染領域の下流側の注入域3内に鉛直に設置(前述の実施例1の観測井戸10と同様に掘削)し、注入井戸29から注入(供給・投入)された栄養塩による汚染の浄化後の地下水を揚水する(揚水方向を→印で示す、以下同じとする)。
栄養塩槽7内の栄養塩は、注入井戸29から地下水流(方向)と同方向に流れ、揚水井戸21との間に形成されるショートサーキット的な流れをなし、かつ、汚染領域を囲って流れ、汚染物質を浄化処理することができる。つまり、注入井戸29から栄養塩が注入され、かつ揚水井戸21が注入域3の地下水を揚水することで栄養塩の拡散が加速され、汚染物質の浄化が有効に行われる。
なお、揚水井戸21の他の用途としては、例えば、1)前述の実施例1と同様に観測(機能)を兼用したり、浄化処理が十分な場合、1)揚水して外部に放流したり、2)揚水しなかったり、また、浄化処理が不十分で再処理が必要な場合、1)地下水を汲み上げて別の同処理施設へ回送したり、2)元の注入井戸29から帯水層5に戻して返送・循環(再浄化)させたりすること等、種々に使い分けても良い。
図3は、上述の実施例2の他の同浄化工法の概要を示す模擬的断面図である。
図3において、前述の図2と相違するのは、図2の注入井戸29、揚水井戸21が図3においては、地下水流方向に対する配置が、注入井戸39、揚水井戸31に置き換わることだけである。
したがって、注入井戸39、揚水井戸31に関わる(他の同一符号については、両実施例の概要は同一であり重複するので、その説明は省略する)ことを以下に説明する。
39は、注水井戸を示し、汚染領域の下流側の注入域3内に鉛直に設置(前述の実施例1,2の注入井戸9,29と同様に掘削)する。31は、揚水井戸を示し、汚染領域の上流側の注入域3内に鉛直に設置(前述の実施例2の揚水井戸21と同様に掘削)し、注入井戸39から注入(供給・投入)された栄養塩による汚染の浄化後の地下水を揚水する。
栄養塩槽7内の栄養塩は、注入井戸39から地下水流(方向)と対向の逆方向に流れ、揚水井戸31との間に形成されるショートサーキット的な流れをなし、かつ、汚染領域を囲って流れ、汚染物質を浄化処理することができる。つまり、拡散域2の末端から注入井戸39の栄養塩が注入され、次いで汚染部1を逆に通過する方向の流れとなり、かつ揚水井戸21が注入域3の地下水を揚水することで栄養塩の拡散が加速され、汚染物質の浄化が有効に行われる。
なお、揚水井戸31の他の用途としては、上述の実施例2と同様である(説明は省略する)。
以上、3つの実施例について述べたが、現場の汚染状況に対応させて、夫々の実施例を適宜に組み合せたりして、多様化して展開することは自明のことである。
上述のとおり、本実施例では、注入井戸、観測井戸、揚水井戸を設けて浄化処理をしているが、井戸間の配管やその切換手段を新たに設置すれば、状況変化にも自在に対応・処理でき、本願特有の栄養塩(の効用がより一層発揮できて)と相俟って拡大して展開すれば、無人化の遠隔制御等への用途にも容易に適用できることになる。
本発明の実施例1の注入井戸および観測井戸による汚染土壌及び地下水の浄化工法の概要を示す模擬的断面図 本発明の実施例2の注入井戸および揚水井戸による汚染土壌及び地下水の浄化工法の概要を示す模擬的断面図 上述の実施例2の他の同浄化工法の概要を示す模擬的断面図
符号の説明
1 汚染部
2 拡散域
3 注入域
4 土壌
5 帯水層
6 難透水層
7 栄養塩槽
8 注入機
9,29,39 注入井戸
10 観測井戸
21,31 揚水井戸

Claims (4)

  1. 炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とした栄養塩を貯留する栄養塩槽と、
    前記栄養塩を注入機によって汚染部及びその拡散域の土壌及び地下水に注入/浄化する鉛直の注入井戸とにより、
    注入された前記栄養塩によって嫌気性微生物を増殖かつ活性化させ、揮発性有機化合物による前記汚染部および前記拡散域の前記揮発性有機化合物を分解処理する工法を用いた汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  2. 前記栄養塩の注入によって前記土壌及び前記地下水の浄化状態を監視する鉛直の観測井戸と、
    前記注水井戸を前記汚染部及びその前記拡散域の地下水流の上流側に、
    前記観測井戸を前記汚染部及びその前記拡散域の前記地下水流の下流側に夫々設置してなる請求項1に記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  3. 前記栄養塩の注入によって浄化された前記地下水を揚水する鉛直の揚水井戸と、
    前記注水井戸を前記汚染部及びその前記拡散域の前記地下水流の上流側に、
    前記揚水井戸を前記汚染部及びその前記拡散域の前記地下水流の下流側に夫々設置してなる請求項1に記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  4. 前記栄養塩の注入によって浄化された前記地下水を揚水する鉛直の前記揚水井戸と、
    前記注水井戸を前記汚染部及びその前記拡散域の前記地下水流の下流側に、
    前記揚水井戸を前記汚染部及びその前記拡散域の前記地下水流の上流側に夫々設置してなる請求項1に記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
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