JP3288843B2 - 汚染土壌水系の生物的浄化方法 - Google Patents

汚染土壌水系の生物的浄化方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の環境汚染物質に
汚染された土壌水系を、微生物の物質変換機能を利用し
て汚染物質を分解・無害化する生物的浄化方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】産業の多様化と自然生態系への配慮を欠
いた廃棄物の放出によって、今や世界各地の土壌中に難
分解性の汚染物質が堆積し、その地下水系への漏出によ
り汚染地域はさらに拡大している。これらの難分解性の
汚染物質の中には、トリクロロエチレン、PCB等の人
体に対する毒性が極めて強い物質があり、大きな社会問
題となっている。
【0003】このような土壌水系の汚染を浄化するため
の対策として、現状で実施されている技術は、地下水を
汲み上げてこれを大気中に曝気したり、活性炭での汚染
物質の吸着除去処理にかける方法、減圧下で土壌からガ
スを吸引除去する方法、汚染土壌を風乾する方法などが
取られてきた。
【0004】しかしながら、これらの方法は汚染物質の
除去のために広範な面積にわたり土壌を掘り返したり、
有害なガスの大気中への拡散を完全に防ぐことができな
いなど、環境に対する負荷が高いという問題を有する。
【0005】このように、環境汚染物質は多種多様とな
り、その量は膨大で、汚染範囲もしばしば広大となるこ
とがあり、環境浄化を物理的、化学的手段にのみ頼るこ
とは浄化処理にかかるエネルギーやコストを考慮する
と、必ずしも実用的であるとはいえない。
【0006】そこで、微生物が有する多様な物質変換機
能に着目して、微生物を利用して環境汚染物質の分解・
無毒化を行う環境修復技術(バイオレメディエーショ
ン)が注目されている。微生物の物質分解能力は主に微
生物の有する酵素による反応を基盤としているので、通
常の化学反応と比較して反応条件が温和で、エネルギー
消費が少なく、反応副生成物が少ないことのみならず、
汚染領域を直接処理するインサイチュウ処理・オンサイ
ト処理に適しているなど、環境保全上望ましい特性を備
えている。
【0007】この微生物を利用する環境修復技術は、基
本的には2つのケースに分類される。第1のケースは、
汚染領域にもともと存在している微生物を活用する場合
であり、この場合は、汚染物質をエネルギー源にして自
然的に発生した微生物群の分解能力を引き出し、それら
による分解活性を強化するものである。第2のケース
は、汚染物質の分解能力に優れている汚染領域に由来し
ない微生物を、人為的に汚染領域に導入する場合であ
る。この場合に用いる微生物としては、自然界より分離
した微生物や、遺伝子操作や突然変異誘発などの手法に
より人工的に汚染物質の分解能力を強化したり、環境へ
の放出を容易にした微生物などが利用される。
【0008】しかしながら、土壌中に存在する、あるい
は土壌に新たに投与した汚染物質浄化用微生物によっ
て、浄化対象領域中で活発な汚染物質の分解活性が常に
得られるとは限らない。すなわち、微生物はそれがおか
れた環境に対して概して受動的であり、かつ敏感に反応
する場合が多く、微生物がおかれた環境条件の制御を適
切に行い、その浄化能力を高める必要がある。そのよう
な方法としては、例えば、土壌中に存在する、あるいは
新たに投与した微生物の汚染物質分解能を活性化するた
めに微生物の栄養物質を土壌中に散布したり、土壌を攪
拌・通気して好気化する等の方法がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、土壌は
自然の生態系を形成しており、そこには微生物間の競合
や捕食者と被食者の階層的構造により構成される食物連
鎖が存在する。汚染物質分解用微生物として期待されて
いるもののほとんどは主に細菌であるが、土壌中におい
ては細菌は植物や動物由来の有機物を栄養源として生育
する最低の栄養レベルを占めるものである。この細菌の
上のレベルには根足虫類(アメーバ等)や繊毛虫などの
原生動物が存在し、細菌を捕食する。従って、土壌中に
おいて汚染物質分解用の細菌がこれらの生物に捕食され
てその数が減少してしてしまうと、汚染物質の分解効果
の著しい低下が起きるので、このような捕食から分解菌
を守り、土壌中において分解菌を生残させる技術の開発
が要望されている。しかしながら、微生物を利用する土
壌汚染修復技術は適応されて間もない技術であり、土壌
中での分解菌の生残技術に関しては、多孔性の担体等に
分解菌を保持させて、原生動物の捕食から分解菌を守る
方法が試みられている。しかしながら土壌粒子よりも粒
径の大きな担体を土壌に分散させるためには、土壌の切
削、攪拌などの環境負荷の大きな操作が避けられず、バ
イオレミディエーションのインサイチュウ処理の長所が
生かせない場合がある。
【0010】本発明は、このような微生物を用いる環境
修復技術における汚染物質分解用微生物の他の生物の捕
食による問題に鑑みなされたものであり、土壌中での汚
染物質分解菌を他の生物による捕食から守り、その生残
性を高めることのできる技術を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
の本発明の生物的浄化方法は、汚染物質浄化用微生物に
よる土壌水系の生物的浄化方法において、該土壌水系中
に存在する捕食微生物を浄化対象領域から排除するため
の捕食微生物排除剤を浄化対象領域に用いることを特徴
とする。
【0012】本発明で用いる捕食微生物排除剤として
は、捕食微生物の化学走性を引き起こす物質等が利用で
きる。化学走性を引き起す物質を利用した捕食微生物排
除剤は、捕食微生物の有する走性(走化性)を刺激して
これを浄化対象領域から排除するものである。一般に、
微生物の走性には正および負の走性がある。例えば、微
生物が正の走性を示す場合とは、微生物が走性を引き起
こす物質の濃度勾配を感じとり、濃度が上昇する方向に
移動する場合であり、負の走性を示す場合とは、その逆
で、濃度が低下する方向に移動する場合である。従っ
て、浄化対象領域内あるいはその隣接領域に捕食微生物
が走性を示して浄化対象領域外に移動するような物質を
投与することで、捕食微生物から汚染物質浄化用微生物
を守ることができる。
【0013】このような走性を引き起こす物質として
は、種々のものが知られており、それらの中から、対象
となる捕食微生物の種類に応じて選択したものが利用で
きる。例えば、細胞性粘菌に対しては、サイクリックA
MP、イノシトール−3−リン酸、カルシウムイオン等
が、アメーバ類に対しては各種金属イオンまたはそのキ
レート剤が、テトラヒメナやゾウリムシなどに対して
は、各種金属イオンや脂肪族アルコール類、有機酸など
を用いることができる。また、一般に栄養源となり得る
物質に対しては正の走性を示すのでこれを用いることも
できる。
【0014】捕食微生物に対して負の走性を誘起する物
質を用いる場合には、浄化対象領域にこれを直接投与す
る。また、正の走性を誘起する物質を用いる場合には、
捕食微生物を浄化対象領域外に移動させるように浄化対
象領域外にこの物質の濃度勾配を形成する。
【0015】いずれにしても、走性を利用する場合に
は、走性を誘起する物質の濃度勾配が必要であり、その
ような濃度勾配が生じるように捕食微生物排除剤を投与
する。なお、これらの捕食微生物排除剤としては、所望
の排除効果が得られるものであれば制限なく利用できる
が、環境中に投与しても、環境に対する毒性や負荷が問
題とならないものが良い。走性を利用する場合には、環
境に対する毒性や負荷のない、あるいは少ない物質でも
走性を誘起するものが多く、広範な物質から安全性の高
いものが選択できるという利点がある。また、その投与
方法としては、土壌に、必要に応じて担体や希釈剤とと
もに散布する方法や、所定領域への排除剤の放出を可能
とする各種装置、例えば前記の走性誘起物質が透過可能
な材質または多孔性の材質で作られた容器に、該物質を
直接に導入したものや、徐放が可能なように適切な吸収
保持剤に含有させたものを用いることができる。走性を
利用する場合に、排除剤の量及び散布位置や放出装置の
設置位置を選択することで、排除剤の濃度勾配を土壌中
に形成することができる。
【0016】本発明における汚染物質浄化用微生物とし
ては、汚染物質を分解するなどして、浄化対象領域の浄
化を行う能力のある微生物が用いられ、対象となる汚染
物質の種類に応じて選択される。
【0017】例えば、好気的条件下では、Pseudo
monas属に属するP. putida、P. ce
pacia、P. fluorescens等がトリク
ロロエチレン(TCE)やトリクロロエタン等を分解す
ることが知られており、またMethylosinus
属やMethylocystis属に属するメタン資化
性菌やNitrosomonas属などのアンモニア酸
化細菌(硝化細菌)なども強いTCE分解能を持つこと
が知られており、これらの公知で公的に入手可能な菌株
を用いることができる。
【0018】また、嫌気性菌は脱ハロゲン能力が高いこ
とが知られており、Methanosarcina属、
Acetobacterium属、Agrobacte
rium属に属する菌種がテトラクロロエチレン(パー
クロロエチレン;PCE)、四塩化炭素、トリクロロエ
タンなどを分解することが知られており、これらの属に
属する菌株を利用することができる。または、これらの
属に属する菌または汚染物質により集積培養して、自然
界より単離した新属種または株に同定される菌も用いる
ことができる。さらに、上記のすべての菌体より、問題
となる汚染物質を分解する酵素をコードする遺伝子をク
ローニングし、他の菌に導入して分解能を付与したもの
も用いることができる。
【0019】これらの微生物は、土壌中の浄化対象領域
にもともと存在していたもの(土着微生物)であって
も、外部より人為的に浄化対象領域に投入したもの(移
入微生物)であっても良い。また、純粋分離されて同定
されているものであっても、そうでない未同定の微生物
の混合系などであっても良い。
【0020】また、土着微生物としては、もとより汚染
物質を分解、無毒化する性質を備えていたもの、汚染物
質の存在下で汚染物質を分解、無毒化する性質を備える
に至ったもの、栄養物質の添加、通気による土壌の好気
化等の処理により汚染物質を分解、無毒化する能力が実
用レベルにまで活性化されたものなどが利用できる。
【0021】一方、移入微生物としては、もともと汚染
物質を分解、無毒化する性質を有するもの、元来汚染物
質を分解、無毒化する能力を持たないものに変異誘発や
遺伝子工学などの手法で汚染物質を分解、無毒化する能
力を付与したものが利用できる。なお、変異により汚染
物質を分解、無毒化する性質を付与する方法は、土着微
生物などの土壌中での残存性の高い、あるいは浄化対象
浄域の環境に適した微生物を選択して、これを変異させ
ることで、汚染物質浄化用微生物の生残性を更に高める
ことができるという利点がある。
【0022】なお、本発明における土壌水系とは、土壌
中の水分含量を多く、土壌粒子塊が水を介して連続的に
つながっている領域、すなわち土壌中に水の連続層が形
成されている領域をいう。なお、水分含量が少ない土壌
の浄化の場合には、十分な量の水を浄化対象の土壌に供
給することで、土壌水系として本発明の方法により処理
することが可能となる。
【0023】さらに詳しく説明すると、土壌は土の粒子
からなる固相、水からなる液相、および気相の三相より
構成される。三相のうち気相の占める割合がわずかであ
り、土壌粒子間の間隙がほぼ水で満たされている地層を
飽和層、そうでないものを不飽和層という。土壌は通常
地表から下方に向けて、表層土/砂層/粘土層/砂石樂
層のように層状構造を形成しており、地下水の水位は変
動するものの透水性の低い粘土層を挟んで砂層に位置す
ることが多い。地下水の水位より下方の土壌は飽和層で
あり、上方は不飽和層となる。しかし地下水位より上方
にあっても、不透水性の地層の存在や降雨などの条件に
より、地下水系とは連続しない飽和層が形成されること
もある。
【0024】本発明における飽和層とは、地層中の存在
部位にかかわらず水の連続層によって繋がれた領域をい
う。こうした領域においては、飽和層を形成する水が移
動することなく一定の領域に滞留する場合もある。ま
た、地下水は一般に地下に存在する水すべてを含むが、
本発明における地下水層とは、地下水位よりも下方にあ
って飽和層を形成している領域をいう。地下水層におい
ては、水源の水および流域における降水その他により水
の流れが起きていることが多く、ここでは地下水が土壌
粒子を縫って連続体として移動する。
【0025】汚染浄化対象領域が飽和層である場合に
は、土壌粒子間の空隙は殆ど水で占められ水の連続層が
形成されているので、水の流れがないか、あるいは水の
流れが走性誘起物質の拡散速度に比べて遅い場合には、
添加地点からその周囲に向って自然拡散に従って添加物
質の負の濃度勾配が形成される。また、地下水の移動速
度が走性誘起物質の拡散速度に比べて速い場合には、地
下水流の下流に向って物質の移動が起こり地下水流を中
心として周囲に負の濃度勾配が形成される。
【0026】一方、地下水の帯水域に達しない不飽和層
においては、土壌の含水比が低く土壌中に連続的な水層
は形成されていない。このような不飽和層が汚染浄化対
象領域である場合には、あらかじめ水の連続層を形成す
るに十分な水を汚染浄化対象領域に供給した後に走性誘
起物質を添加することにより本発明の方法を適用するこ
とができる。また、先に走性誘起物質を添加した後に水
流を加えることにより、水流の方向に向って走性誘起物
質の負の濃度勾配を形成することもできる。
【0027】
【実施例】
実施例1 直径1m、深さ50cmの円筒状容器に野外より採取し
た鹿沼土を満たし、これに約200リットルのイオン交
換水を加え、容器内の土壌中の全体にわたって連続的な
水相が形成されるようにした。
【0028】次に、原生動物に負の走化性を誘起する物
質である塩化カリウム固形粉末200gを容器中心部の
土壌表面に添加した。その際、塩化カリウムの添加前と
添加後における容器内の3点、すなわち中心部(添加地
点)、中心部より周辺方向に25cm離れた地点及び周
辺部のそれぞれにおいて表面より10cmの深さから1
gの土壌をサンプリングし、細菌数及び原生動物数を光
学顕微鏡による目視観察により計測した。なお、野外よ
り採取した直後の鹿沼土中の細菌及び原生動物の数は、
土壌1gあたり、5×107及び3×105であった。得
られた結果を、図1及び2に示す。図1、2の結果から
明らかなように、塩化カリウムの周辺への拡散にともな
い、中心部から周辺部へ向って負の塩化カリウム濃度勾
配が形成され、それに従って原生動物の走化性が誘起さ
れて周辺部に移動し、添加地点及びその周囲での細菌が
原生動物による捕食をまぬがれ生残していることが確認
された。
【0029】実施例2 塩化カリウムに代えて、原生動物に正の走化性を誘起す
るグルコースの固形粉末(500g)を用いる以外は、
実施例1と同様のモデル土壌の処理を行った。得られた
結果を、図3及び4に示す。これらの図の結果から明ら
かなように、グルコースの周辺への拡散にともない、中
心部から周辺部へ向って負のグルコース濃度勾配が形成
され、それに従って原生動物の走化性が誘起されて中心
部に移動し、周辺部における細菌が原生動物による捕食
をまぬがれ生残していることが確認された。
【0030】実施例3 長さ1m、幅10cm、高さ50cmの直方体状の容器
の下部に、長さ方向に直径10cmの通水管を設置し
た。この容器に園芸用細砂を細密に充填した。この状態
での気相率は18.4%であった。細砂中の細菌および
原生動物の数は1gあたり、それぞれ7×106および
5×105であった。通水管を通じて容器下部の一端よ
り0.1M塩化カリウム溶液を1日あたり0.4リット
ル流し、他端より流出させた。この例における容器内の
水流の速度は、1日あたりおよそ0.2mの地下水流の
流速に相当する。7日後に容器の鉛直方向に対して土壌
をサンプリングし、細菌数および原生動物数を計測し
た。図5に示すように、容器の上部に向って塩化カリウ
ムの負の濃度勾配が形成された結果、容器の下部に生息
していた原生動物は上部に移動し、下部の帯水域の細菌
は捕食を免れて生残していた。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、汚染物質浄化用微生物
を捕食する微生物の土壌中の浄化対象領域内での、すな
わちオンサイトでの制御が可能となり、汚染物質浄化用
微生物の生残を保持し、浄化対象領域内での汚染物質の
分解活性を効果的に維持することが可能となった。
【0032】また、本発明の方法によれば、微生物を利
用する環境修復技術のオンサイト処理に好都合であり、
エネルギー消費や環境負荷が少ないという利点をさらに
活かすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における各サンプリング位置での細菌
の生残率(実験開始時の菌数を100%として計算した
もの)の経時的変化を示すグラフである。
【図2】実施例1における各サンプリング位置での原生
動物の生残率(実験開始時の数を100%として計算し
たもの)の経時的変化を示すグラフである。
【図3】実施例2における各サンプリング位置での細菌
の生残率(実験開始時の菌数を100%として計算した
もの)の経時的変化を示すグラフである。
【図4】実施例2における各サンプリング位置での原生
動物の生残率(実験開始時の数を100%として計算し
たもの)の経時的変化を示すグラフである。
【図5】実施例3における容器下部からの距離の異る各
サンプリング位置での細菌及び原生動物の生残率(実験
開始時の数を100%として計算したもの)を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 朋子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 野本 毅 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−84780(JP,A) 特表 平6−508553(JP,A) 特表 平6−500495(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09C 1/10 A62D 3/00 C02F 3/00 WPI(DIALOG)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚染物質浄化用微生物による土壌水系の
    生物的浄化方法において、該土壌水系中に存在する捕食
    微生物を浄化対象領域から排除するための捕食微生物排
    除剤を用いることを特徴とする汚染土壌水系の生物的浄
    化方法。
  2. 【請求項2】 捕食微生物排除剤が捕食微生物の化学走
    性を引き起こすものである請求項1に記載の生物的浄化
    方法。
  3. 【請求項3】 捕食微生物に対して負の化学走性を誘起
    する物質を浄化対象領域に添加する請求項2に記載の生
    物的浄化方法。
  4. 【請求項4】 捕食微生物に対して正の化学走性を誘起
    する物質を、浄化対象領域に隣接する領域に添加する請
    求項2に記載の生物的浄化方法。
  5. 【請求項5】 汚染物質浄化用微生物が細菌であり、捕
    食微生物が原生動物である請求項1に記載の生物的浄化
    方法。
  6. 【請求項6】 汚染物質浄化用微生物が土着の微生物で
    ある請求項1に記載の生物的浄化方法。
  7. 【請求項7】 汚染物質浄化用微生物が外来の微生物で
    ある請求項1に記載の生物的浄化方法。
  8. 【請求項8】 浄化対象領域が水の連続層を形成してい
    るものである請求項1に記載の生物的浄化方法。
  9. 【請求項9】 浄化対象領域が飽和層である請求項8に
    記載の生物的浄化方法。
  10. 【請求項10】 浄化対象領域が地下水層である請求項
    8に記載の生物的浄化方法。
  11. 【請求項11】 浄化対象領域が不飽和層である領域に
    対して、水の連続層を形成するに十分な容積の水分を供
    給する請求項8に記載の生物的浄化方法。
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