JP4460479B2 - シアン汚染土壌の浄化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シアン化合物で汚染された土壌およびシアン化合物、油分、芳香族有機化合物で複合汚染された土壌の微生物利用浄化方法に関するものである。
シアン化合物で汚染された土壌の浄化方法としては、シアン化合物含有排水の処理で用いられている物理化学的な浄化方法の適用事例がある。なお、ここで述べるシアン化合物とは、シアン化物(遊離シアン(CN)を発生させるKCNなどの化合物)および鉄、ニッケル、カドミウムなどとの金属シアノ錯体(錯体イオン、および、シアン化錯体イオンの難溶解性塩)の総称である。
代表的なシアン化合物の処理方法としては、以下のものがある。
1)アルカリ塩素法
2)アルカリ加熱法
3)オゾン酸化法
4)電解酸化法
5)紺青法
以下、各方法について説明する。
1)アルカリ塩素法
最も代表的なシアン化物の処理方法である。アルカリを用いてpH10から13にした後、塩素、次亜塩素酸、過マンガン酸カリウムなどの酸化剤を加えて、シアン化物イオンを酸化分解する。
反応式(次亜塩素酸酸化の事例)
しかし、アルカリ塩素法は、低濃度の比較的分解しやすいシアン化物の分解に適用可能であるが、高濃度のシアン化物の分解には適用できない。また、鉄、ニッケル、カドミウムなどとのシアン化錯体イオンにも適用が難しい。また、実際に土壌浄化への適用は、pH=10〜13に上昇させることの困難性、次亜塩素酸塩を多量消費、環境影響などの観点から困難である。これに対して、汚染土壌を高温(80〜100℃)で処理する方法が提案されているが、大量の汚染土壌を高pH、高温に維持することはコスト上の課題がある(例えば、特許文献1参照)と考えられる。
2)アルカリ加熱法
シアン化合物汚染土壌とアルカリ水をオートクレーブに入れ、140℃程度に加熱加圧し、分解する方法である。この方法では、副生成物として腐食性のギ酸とアンモニアを生じてしまうこと、オートクレーブで処理できる土壌量が限られること、オートクレーブの大規模装置を作るためには設備コストがかかるなどの課題があり、実用性は低いと考えられる。
3)オゾン酸化法
オゾンの酸化力によりシアン化合物を直接酸化する方法である。この方法では、特殊なオゾン発生設備が必要となり、コスト上の課題がある。また、酸化分解効率も必ずしも高いものではない。また、鉄などとのシアン化錯体イオンにも適用が難しい。さらに、土壌へ適用する場合、密閉化することは困難で、有害な排オゾンの処理も必要であり、実際には土壌浄化への適用は困難である。
反応式(オゾン酸化の事例)
4)電解酸化法
汚染土壌中に設置した電極に通電してシアン化合物を電気化学的に酸化分解する方法である。濃厚なシアン化物イオンに適用が可能である利点があるが、一方で、シアン化物イオンの濃度が300mg/L以下では、分解速度が低下するなどの課題がある。また、鉄、ニッケル、カドミウムなどとのシアン化錯体イオンにも適用が難しい。さらに、電極の維持管理やコストの課題もあり、土壌浄化への適用は容易ではない。
5)紺青法
水中のシアン化物イオンがニッケルや鉄などとの重金属シアン錯体イオンを形成すると、アルカリ塩素法などでは分解が困難となる。例えば、以下のような溶解性のフェロシアン錯イオンやフェリシアン錯イオンが形成される。
しかし、このような重金属シアン錯体に鉄イオン(II)や鉄イオン(III)を過剰に添加すると難溶解性の塩を形成し、水中から除去される。
しかし、液のpHが6以上に上昇すると、一部が水酸化物となるとともに、一部が錯イオンとなり再び溶解する課題がある。
本処理方法は、排水処理などには有効である。しかし、土壌汚染の場合に適用する場合は、やはり、多くの問題点がある。
すなわち、土壌は廃水と比較し均質化して反応を促進させることが難しい。また、本方法は、基本的にシアン化合物を分解・無害化するのではなく、難溶塩として固定化しようとするものであり、土壌の場合、土壌中に残留することになる。この場合、土壌pHの上昇によって錯イオンとなり溶解する可能性がある。したがって、土壌の場合、処理方法としては不完全である。
物理化学的なシアン化合物汚染土壌に対して生物分解法(以下、バイオレメディエーションと述べる)は、省エネルギーで広範囲への土壌に適用できる、土壌そのものの性質を変えることがない、また、維持管理が容易なことなどの特長がある。バイオレメディエーションは生物による有機物分解の原理を有害化学物質で汚染された土壌や地下水の処理に適用するものであり、原理的には活性汚泥法など排水処理の生物処理プロセスと土壌中の汚染物質のバイオレメディエーションプロセスに大きな差はない。微生物を用いたシアン化合物の分解事例として、活性汚泥法により、シアン廃水処理を行っている事例はある(非特許文献1)。
しかし、微生物利用による浄化、バイオレメディエーションは、低コストで特殊な設備を必要とせず、常温常圧下で浄化処理をおこなえることから、近年、土壌浄化への適用検討事例が増加してきている。
一方で、シアン化物イオン(CN)は、微生物への毒性が強いため、分解が可能な微生物の報告はあるものの、決して容易ではないと考えられる。これに対して、シアン化物イオン(CN)より毒性の弱い[Fe(CN)4−(フェロシアン錯イオン)として、通性嫌気性微生物により、分解が可能との報告事例がある(例えば、特許文献2参照)。本方法は、土壌に酸素を吹き込んでおらず、いわゆる嫌気法である。確かに、汚染土壌は、酸素がない嫌気状態にあり、pHも6以下の場合が多いため、鉄が十分にある条件下では、鉄はII価の状態で存在し、[Fe(CN)4−(フェロシアン錯イオン)や不溶解性のFe[Fe(CN)]の形で存在していると思われる。
しかし、特許文献2では、嫌気状態下で、細菌が何を電子受容体として用いて、[Fe(CN)4−(フェロシアン錯イオン)を分解しているのか不明である。また、不溶解性のFe[Fe(CN)]の分解については全く触れられていない。したがって、このような方法によって、シアン化合物で汚染された土壌を完全に浄化することは困難であると考えられる。
また、実際のシアン化合物の汚染土壌は、油分、芳香族有機化合物で複合汚染された場合が多く、これまでに開発された方法では同時除去を行うことは極めて困難である。
本発明は、このような課題を有するシアン化合物汚染土壌からシアン化合物を低コストで安定して除去する処理方法を提供することを目的とする。
特開2004−58011号公報 特開2002−210491号公報 環境工学概論(補訂版)165−168(1991)
これまで開発された物理化学的あるいは生物学的なシアン化合物汚染土壌の処理方法には、以下のような課題が残されている。
物理化学的方法は、アルカリ剤によるpH制御、酸化薬品に多大なコストと労力が掛かる。また、シアンや酸化剤の大気中への放散や他の土壌への拡散など環境影響も懸念される。
シアン化合物を分解する微生物処理においては、開発途上のものが多く、効率的処理は行えない。また、不溶解性の錯塩の分解は期待できない。また、シアン化合物が油分や芳香族有機化合物と複合汚染されている場合には適用が困難である。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく検討を重ねた結果、以下の方法により汚染土壌を安定して効率的に処理することに成功した。本発明の要旨とするところは次の(1)〜(1)である。
(1)シアン化合物及び鉄(II)を含有する汚染土壌に、溶存酸素、NOx−Nの少なくともいずれかを含有する水、又は溶存酸素及びアンモニア態窒素を含有する水を添加し、前記鉄(II)を鉄(III)に酸化するとともに、前記シアン化合物を溶解性のフェリシアン錯イオンに変換し、当該錯イオンを汚染土壌中の細菌により分解するシアン汚染土壌の浄化方法であって、前記汚染土壌に添加する水を汚染土壌中から揚水して再度汚染土壌に添加することを繰り返し、当該添加水を汚染土壌中に循環させると共に、前記添加水の揚水後の溶存酸素(DO)濃度が2mg/L以上8mg/L以下になるように、添加水を曝気することを特徴とするシアン汚染土壌の浄化方法。
)前記添加水は、前記汚染土壌中に埋設した配管により、汚染土壌中にて添加することを特徴とする上記(1)に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
)前記添加水の揚水後のNOx−N濃度が1mg/L以上10mg/L以下になるように、添加水に硝酸塩、亜硝酸塩の少なくともいずれかを添加することを特徴とする上記(又は(2)に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
)前記添加水の揚水後のpHが6以上8.5以下になるように、添加水に酸又はアルカリを添加することを特徴とする上記()〜()のいずれか1項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
(5)前記汚染土壌又は前記添加水に、鉄粉、溶解性の鉄塩(II)、水酸化鉄(III)、溶解性の鉄塩(III)の少なくともいずれかを添加することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
)前記汚染土壌に添加する水酸化鉄(III)として、鉄鋼製造における、酸洗工程、メッキ排水処理工程の少なくともいずれかの工程で生じる、Fe(OH)、FeOOHの一方又は両方を用いることを特徴とする上記(5)に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
)前記汚染土壌に添加する溶解性の鉄塩(III)として、塩化第二鉄、硫酸第二鉄の少なくともいずれかを用いることを特徴とする上記(又は6)に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
)前記汚染土壌に、更に、リン酸態リン、アンモニア態窒素、マグネシウム、カルシウムの少なくとも1成分を添加することを特徴とする上記(1)〜()のいずれか1項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
)前記汚染土壌に海水を添加することを特徴とする上記(1)〜()のいずれか1項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
(1)汚染土壌が、油分、芳香族有機化合物の少なくともいずれかを更に含むことを特徴とする上記(1)〜()のいずれか1項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
(1)前記汚染土壌にコークス工場廃水を処理している活性汚泥を添加することを特徴とする上記(1)〜(1)のいずれか1項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
(1)前記添加する水が汚染土壌中の帯水層に含まれる地下水であることを特徴とする上記()〜(1)のいずれか1項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
本発明でいう「鉄(II)」とは、2価の鉄イオン、2価の鉄化合物の少なくともいずれかのことを示す。
また、本発明でいう「鉄(III)」とは、3価の鉄イオン、3価の鉄化合物の少なくともいずれかのことを示す。
本発明により、シアン化合物、又はシアン化合物に加えて油分および芳香族有機化合物で汚染された土壌を低コストで効率的に浄化する技術を提供することが可能となる。
発明者らは、シアン汚染土壌からシアン化合物を低コストかつ効率的に除去するため、以下の手法を発明した。以下、本発明のシアン化合物汚染土壌の浄化方法について具体的に説明する。
先にも述べたように、汚染土壌は通常酸素のない嫌気性条件下にある。このため、汚染土壌中に鉄が存在していても、pHが8未満で、しかも嫌気性条件下では、鉄の大半が(II)価の形態となっていると考えられる。さらに、汚染土壌にシアン化物が多いと、Fe(II)イオンとシアン化物が反応し、溶解性のフェロシアン錯イオンの形で存在していると思われる。また、Fe(II)イオンが過剰にあり、汚染土壌のpHが6未満と低い場合には、不溶態のFe[Fe(CN)]としても存在していると推定される。
発明法では、このような嫌気性条件下ではシアン化合物の分解を進行させることは困難と考え、以下の方法を発明した。
まず、溶存酸素、NOx−Nの少なくともいずれかを含む水を、汚染土壌中の鉄(II)およびシアン化合物と接触させる。このようにして、溶存酸素、NOx−Nの少なくともいずれかをFe(II)イオンと接触させると、Fe(II)イオンは容易に酸化されFe(III)イオンとなる。また、フェロシアン錯イオンも容易に酸化されフェリシアン錯イオンとなる。フェリシアン錯イオンの場合、フェロシアン錯イオンとは異なり、Fe(III)イオンが過剰にあっても、不溶態とならず、溶存態のままである。
また、NOx−Nは、酸化剤としての効果ばかりでなく、汚染土壌中に存在する微生物の栄養源としての効果も有している。
溶存酸素及びアンモニア態窒素(NH−N)を含む水を、汚染土壌中の鉄(II)およびシアン化合物と接触させてもかまわない。アンモニア態窒素(NH−N)は、酸素の存在下では、土壌中の硝化細菌によって、NOx−Nまで容易に酸化される。したがって、前述したNOx−Nの添加の場合と同様の効果を有することとなる。
このように、本方法では、まず、汚染土壌に含まれるシアン化物イオン(CN−)あるいは[Fe(CN)4−(フェロシアン錯イオン)あるいは不溶態のFe[Fe(CN)]を、まず、溶解性でしかも毒性の小さい[Fe(CN)3−(フェリシアン錯イオン)として存在させる点に特徴がある。
汚染土壌に鉄の含有量が多い場合、鉄をあえて添加する必要はない。しかし、汚染土壌が人工的に廃棄物で造成されていた場合など、鉄分が非常に少ない場合がある。また、鉄は汚染土壌中の有機物質やアンモニアなどとも結合しやすく、シアン化合物との優先的な反応が生じにくい場合がある。このような場合、汚染土壌中に含有される鉄量で必ずしも判断できない。
そこで、溶解性のフェリシアン錯イオンの形成を確実に行うためには、シアン化合物を含有する汚染土壌に、溶存酸素、NOx−Nの少なくともいずれかを含有する水、又は溶存酸素及びアンモニア態窒素を含有する水に、水酸化鉄(III)、溶解性の鉄塩(III)の少なくともいずれかを添加し、前記シアン化合物を溶解性のフェリシアン錯イオンに変換することが望ましい。
水酸化鉄(III)は、pHが3以上では通常不溶解性である。しかし、このような条件下でも、汚染土壌中のシアン化物イオンと接触すると再び溶解し、水酸化鉄(III)の一部が溶解性のフェリシアン錯イオンとなる。水酸化鉄(III)は残存しても何ら環境上の問題はない。
汚染土壌に添加する水酸化鉄(III)としては、メッキ排水処理工程あるいは鉄鋼の腐食生成物から得られるオキシ水酸化鉄(III)(FeOOH)あるいは水酸化鉄(III)(Fe(OH))であることは、経済的視点から望ましいことである。これらは、例えば、鉄鋼製造における酸洗工程、メッキ排水処理工程等で生じたものが好適に利用できる。不溶解性の鉄(III)ばかりでなく、薬品として市販されている塩化第二鉄(FeCl)や硫酸第二鉄(Fe(SO)などの溶解性の鉄(III)を水に添加し用いてもかまわない。
また、シアン化合物を含有する汚染土壌に、溶存酸素、NOx−Nの少なくともいずれかを含有する水、又は溶存酸素及びアンモニア態窒素を含有する水に、鉄粉、溶解性の鉄塩(II)の少なくともいずれかを添加し、前記鉄分を鉄(III)に酸化するとともに、前記シアン化合物を溶解性のフェリシアン錯イオンに変換してもかまわない。
溶存酸素、NOx−Nの少なくともいずれかがある条件下で鉄粉や溶解性の鉄塩(II)は容易に鉄(III)まで酸化される。鉄粉としては、製鐵所のミルスケールや転炉ダストなど、製鐵所からの副産物を用いることは望ましいことである。この他、塩化第一鉄(FeCl)や硫酸第一鉄(Fe(SO)などの鉄(II)の化合物を用いてもかまわない。
鉄の添加方法は以下のように決定する。
まず、汚染土壌に含まれる全シアン濃度を測定する。これにより、汚染土壌1kgに含まれる全シアン化合物量がわかる。さらに、以下の式から錯イオンを形成するのに必要な鉄量は容易に計算できる。
計算上、必用な鉄(III)イオンは、シアン化物イオンのモル比で6倍、質量比で2.3倍である。したがって、汚染土壌中の全シアン化合物量がわかれば、フェリシアン錯イオンを形成するために必要な鉄量を推定できる。
しかし、土壌の場合、液体や気体と異なり、固液の接触効率が悪い。このため、鉄添加量は全シアン化合物中のCN量に対して、鉄添加量は少なくとも質量として3倍以上あることが望ましいことが実験により判明した。また、鉄は、安価であり、毒性もほとんどないため、上限は特に限定しないが、コストの面から100倍以下が望ましい。
鉄は、汚染土壌に添加する水に混入させても、あるいは、汚染土壌に直接散布した後、水を添加してもかまわない。ただし、汚染が地下深く広がっている場合、土壌に鉄を直接散布する方法では、鉄を土壌中に均一に分散させることは困難である。したがって、このような場合は、鉄は、汚染土壌に添加する水にあらかじめ混入させた方が望ましい。
次に、上記方法により生成した溶解性のフェリシアン錯イオンを、フェリシアン錯イオン分解機能を有する細菌により分解する。殆どのシアン汚染土壌中には、好気性条件下でフェリシアン錯イオンの分解機能を有する細菌(以下、細菌、又はフェリシアン錯イオン分解細菌と呼ぶ)がいることを実験的に見出している。この分解により、炭素成分はCO、鉄成分は水酸化鉄、窒素成分はアンモニアを経てNOとなっていると考えられる。また、この分解には、水中に含まれる溶存酸素(DO)あるいは硝酸イオンあるいは亜硝酸イオンのいずれかを電子受容体として用いる。嫌気条件とはしない。
細菌によるフェリシアン錯イオン分解時の水の溶存酸素(DO)は、細菌によるフェリシアン錯イオンの分解速度を維持する観点から2mg/L以上に維持する。2mg/L未満では、反応速度が低下するので、浄化に要する時間が増加する。また、DOの上限は、溶解度の関係から通常は8mg/Lが限界である。水にDOを供給するため、水をブロアであらかじめ曝気し供給するか、あるいは、汚染土壌中の帯水層に含まれる水(地下水)を埋設した配管を用いてブロアから曝気してもかまわない。具体的には、細菌で処理後の水の溶存酸素(DO)を測定し、この溶存酸素が2mg/L以上8mg/L以下に維持されるように、水あるいは地下水を曝気すればよい。
溶存酸素(DO)を用いると共に、結合態の酸素を有する硝酸イオンあるいは亜硝酸イオンを電子受容体として用いてもかまわない。硝酸イオンあるいは亜硝酸イオンはフェリシアン錯イオンとの反応の結果、窒素ガスに還元される。細菌によるフェリシアン錯イオン分解時の水のNOx−N濃度(亜硝酸性窒素と硝酸性窒素の和)は、細菌によるフェリシアン錯イオンの分解速度を維持する観点から1mg/L以上に維持することが望ましい。例えば、NO−Nが1mg/Lの場合、Oとして2mg/L以上存在することとなる。一方、上限は、濃度が高いほうが反応速度は大きくなるので、反応速度の観点からは大きい方が望ましい。しかし、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素には、廃水規制値が設けられている関係から、濃度は10mg/L以下に維持することが望ましい。NOx−N濃度を維持するため、水に亜硝酸(酸)ナトリウム等の亜硝酸塩や硝酸ナトリウム等の硝酸塩を溶解させ供給する。あるいは、汚染土壌中の帯水層に含まれる水(地下水)に埋設した配管を用いて供給してもかまわない。具体的には、細菌で処理後の水のNOx−Nを測定し、このNOx−Nが1mg/L以上10mg/L以下に維持されるようにすればよい。
さらに、細菌によるフェリシアン錯イオン分解時の水のpHは、6以上8.5以下に維持することが望ましい。pHが6.0未満ではフェリシアン錯イオン分解細菌の活性が低下しやすい。また、汚染土壌のpHが6以上の場合、汚染土壌と接触する付近のFe[Fe(CN)]の溶解を促進することができる。水のpHが8.5を超えるとフェリシアン錯イオン分解細菌の活性が低下する。したがって、汚染土壌浄化に用いる水のpHは、6以上8.5以下が望ましい。pHを維持するため、水に酸又はアルカリ、例えば、硫酸あるいは水酸化ナトリウムあるいは水酸化カルシウムを溶解させ供給する。あるいは、汚染土壌中の帯水層に含まれる水(地下水)に埋設した配管を用いて供給してもかまわない。具体的には、細菌で処理後の水のpHを測定し、このpHが6以上8.5以下に維持されるようにすればよい。
また、前記水の成分として、フェリシアン錯イオン分解細菌の活性を維持するため、リン酸態リン、アンモニア態窒素、マグネシウム、カルシウムの少なくとも1成分を添加することも望ましいことである。この場合、リン酸態リンの濃度が0.1mg/L以上5mg/L以下、アンモニア態窒素の濃度が0.1mg/L以上、10mg/L以下、マグネシウムの濃度が0.1mg/L以上、10mg/L以下、カルシウムの濃度が0.1mg/L以上、20mg/L以下であることが望ましい。これら鉄以外の添加成分が濃度範囲の下限値未満では、フェリシアン錯イオン分解細菌への各成分の栄養源としての供給が不十分となる。また、濃度範囲の上限値を超える添加では、添加効果は少なく、コストがかかりすぎる。添加成分は、汚染土壌の調査を行い、フェリシアン錯イオン分解細菌に不足すると考えられる成分を補充してもかまわない。また、海水が得られる場合、海水がマグネシウムを約1.3g/L、カルシウムを0.4g/L含んでいるため、水に海水を加え調整してもかまわない。
さらに、前記フェリシアン錯イオン分解細菌として、前記水または汚染土壌にコークス工場廃水を処理している活性汚泥を用いることが処理速度を増加させる視点から望ましい。コークス工場廃水には、チオシアン(SCN)が高い濃度で含まれており、この廃水処理を実施している活性汚泥にはチオシアン分解細菌が大量に生息している。発明者らは、このコークス工場廃水(安水とも言う)の活性汚泥に含まれている細菌がフェリシアン錯イオンも分解できることを新たに知見し、シアン化合物で汚染された土壌浄化に適用した。添加量は汚染状況、必用とされる浄化期間などによって異なるが、概ね、水に活性汚泥濃度として10〜100mg/Lとなるように添加すればよい。一方、上限は、DO律速とならない限り、細菌の濃度が高いほうが反応速度は大きくなるので、反応速度の観点からはより大きい方が望ましいが、経済的視点から、添加濃度は100mg/L以下に維持することが望ましい。
シアン化合物及び鉄と溶存酸素、NOx−Nの少なくともいずれかを接触させる方法としては、例えば、定期的に水を汚染土壌表面に散布し、汚染土壌中に浸透させ、溶存酸素、NOx−Nの少なくともいずれかとシアン化合物及び鉄を接触させる方法がある。さらに、シアン化合物及び鉄と溶存酸素、NOx−Nの少なくともいずれかをシアン化合物を効率的に接触させるためには、汚染土壌を掘削し、汚染土壌に前記水を加え、スラリーとし、スラリーを攪拌すればよい。空気によって、スラリーを攪拌してもかまわない。
しかし、汚染が大規模かつ大深度に広がっていたり、汚染物質として、シアン化合物ばかりでなく、油分や芳香族有機化合物の少なくともいずれかを更に含む場合には、以下の方法が望ましい(図3参照)。
すなわち、汚染が帯水層12主体の場合には、汚染土壌の帯水層12(飽和帯ともいう)に含まれる水(地下水)にブロア5を用いて埋設した配管15を通じて帯水層12の底部から地下水を直接曝気するか、または、帯水層12に含まれる水(地下水)に、埋設した配管15を通じて帯水層12の底部に直接NOx−Nを注入し、原位置で浄化する。帯水層12に含まれる水(地下水)に、水酸化鉄(III)および/あるいは溶解性の鉄塩(III)および/あるいは溶解性の鉄塩(II)および/あるいは鉄粉を同時に添加してもかまわない。
また、汚染が帯水層12ばかりでなく、不飽和層11に広がっている場合には、帯水層12に含まれる水(地下水)を土壌上部に設置したポンプ4で揚水した後、汚染土壌2に通水するばかりでなく、水を汚染土壌2表面に散布し、帯水層12まで浸透させた後、この水を再び配管14を通じてポンプ4で揚水することにより、水を汚染土壌2中で循環させる。
さらに、汚染土壌2の帯水層12に含まれる水(地下水)にブロア5を用いて埋設した配管15を通じて帯水層12の底部から地下水を直接曝気するか、または、帯水層12に含まれる水(地下水)に、埋設した配管15を通じて帯水層12の底部に直接NOx−Nを注入し、原位置で浄化する。帯水層12に含まれる水(地下水)に、埋設した水を循環する配管14を通じて水酸化鉄(III)および/あるいは溶解性の鉄塩(III)および/あるいは溶解性の鉄塩(II)および/あるいは鉄粉を同時に添加してもかまわない。
このような方法により、汚染土壌を掘削し移動させず、原位置で、安価かつ安全にシアン化合物で汚染された土壌を浄化できる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明の内容は実施例の内容に限られるものではない。
(実施例1) シアン化合物で汚染された土壌浄化(図1参照)
シアン化合物汚染土(2)を、溶存酸素の無い嫌気条件下にあった工場跡地の土壌から採取した。このシアン化合物汚染土(2)を、ガラス製カラム(3)(直径:9cm;深さ30cm;有効容量1.9L)に充填した。なお、汚染土壌は、湿重量で4kg用いた(含水率:15%)。
DO(DO計(7)にて計測)を含有する添加水(1)を、図1に示すように、ポンプ(4)を用いてカラム(3)下部から上部ヘ1.2L/日の流量で通水した。添加水(1)は、A系、B系ともにあらかじめブロア(5)により空気で曝気し、DOとして8mg/L程度に維持した。添加水(1)のDOは、土壌カラム中に存在する細菌の呼吸により消費されたが、カラム(3)上部のDO(細菌で処理した後のDO)は、2mg/L以上に維持されていた。
添加水のpH(pH計(6)にて計測)は、7.2であったが、カラム(3)上部のpH(細菌で処理した後のpH)は7.5から8.5の範囲に維持されていたため、特にpH調整は行なわなかった。
又、添加水(1)は、表1に示すように、鉄(III)(10)を含有するA系と鉄(III)(10)を含まないB系の2系列を作成し、それぞれについて処理性能を評価した。鉄(III)としては塩化第二鉄(FeCl)を用いた。
処理実験は60日間実施した。添加水(1)のカラムへの総通水量は72Lであった。この結果、A系列の鉄(III)供給量は、20日間で24mg、30日間で36mg、60日間で72mgとなった。20日間で供給した鉄量は全シアン量(6.8mg)の3倍を上回った。
本試験で30日間、60日間処理したシアン汚染土壌からの全シアン溶出試験(公定法による)結果を表3に示す。
(*検出されずとは、JIS K−102 工場排水試験方法38の全シアン分析法の定量限界0.1mg/L未満を意味する。)
土壌汚染対策法による基準では、溶出試験によりシアンは検出されないことと定められている。これは表3に示したように全シアン溶出濃度が0.1mg/L未満であることを意味する。
両系列とも60日後には全シアン溶出濃度は検出されなくなり(定量限界0.1mg/L未満)、シアン汚染に対して環境基準を満足できるレベルにまで浄化できた。特に、鉄(III)を含有する添加水Aを用いた系では、シアン酸化反応が早く進み、20日後には全シアン溶出濃度は全く検出されていなかった。
鉄(III)を添加しないB系でも60日でシアン化合物汚染土壌の浄化が達成できたが、A系と比較し、浄化が遅れた。この理由としては、汚染土壌中に元々存在する鉄(II)が、汚染土壌中の有機物質やアンモニアなどとも結合しており、鉄(III)への酸化反応が生じにくかったためと思われる。すなわち、このような場合には、酸素の供給により、好気性細菌が活性化し、易分解性の有機物の分解やアンモニア酸化が優先的におこった後に、汚染土壌中の有機物質やアンモニアなどとも結合した鉄(II)が酸化し、フェリシアン錯イオンが形成されると推定される。したがって、汚染土壌に十分な鉄が含まれていても、鉄(III)を添加する事は、処理期間短縮の観点から望ましいことである。
このように、酸素または酸素および鉄(III)を含有する水をシアン化合物に汚染された土壌と接触させることにより、シアン化合物汚染土壌を浄化できた。
(実施例2) シアン化合物および油分および芳香族有機化合物で汚染された土壌浄化(図2参照)
シアン化合物および油分および芳香族有機化合物で汚染された土壌(2)を、溶存酸素の無い嫌気条件下にあった工場跡地の土壌から採取した。このシアン化合物および油分および芳香族有機化合物で汚染された土壌(2)をガラス製カラム(3)(直径:9cm;深さ30cm;有効容量1.9L)に充填した。
この後、図2に示すように、ポンプ(4)を用いて添加水(1)をカラムの汚染土壌下部から上部に1.2L/日の流量で通水した。添加水(1)は曝気せずに、カラム(3)中の汚染土壌の下部をブロア配管を通じて十分量の空気で直接曝気した。カラム上部のDO(DO計(7)にて計測)(細菌処理後のDO)は、実験期間中ほぼ8mg/Lに維持されていた。本汚染土壌は、多くの有機物を含んでいたことから、これらの物質を完全に酸化分解するためには大量の酸素を必要とすることが考えられる。したがって、このような場合は、添加水(1)の曝気では溶存酸素が飽和濃度であっても、量的に不十分なケースがあることが推定される。したがって、カラム上部のDO(細菌処理後のDO)を測定し、この値を指標としながら、汚染土壌下部から汚染土壌を曝気する量を調整する方法が望ましい。具体的には、カラム上部のDO(細菌処理後のDO)が2mg/L以上8mg/L以下であればよい。
添加水のpH(pH計(6)にて計測)は、カラム(3)上部のpH(細菌処理後のpH)を測定し、pHを7.5から8.5の範囲に維持されるように、水酸化ナトリウム又は硫酸で調整した。
微生物によるシアン化合物および油分および芳香族有機化合物の浄化を検討した。
汚染土壌は、表4、表5に示すようにシアンの溶出量が0.2mg/L、含有量が2.0(mg/kg−乾重)であった。また、シアン化合物ばかりでなく、ベンゼンでも汚染されており、ベンゼンで10mg/Lの溶出量(土壌環境基準:0.01mg/L以下)があった。さらに、土壌環境基準には規制されていないものの油分(N−ヘキサン抽出量)の溶出量が2.5mg/Lであった。加えて、土壌環境基準(溶出、含有量とも)には規制されていないものの、多環芳香族有機化合物(PAHs)、特にナフタレンで高濃度に汚染されており、4200mg/(kg−乾重)の含有量があった。
添加水(1)は表6に示すように、鉄(III)(10)を含有する添加水(1)を作成した。鉄(III)(10)としては、製鐵所の酸洗工程及びメッキ排水処理工程から得たFe(OH)を主成分とするスラッジを用いた。
処理実験は60日間実施し、総通水量は72Lであった。A系列の鉄(III)供給量は、20日間で24mg、30日間で36mg、60日間で72mgとなった。20日間で供給した鉄量は全シアン量(6.8mg)の3倍を上回った。
本試験で30日間、60日間処理したシアン汚染土壌からの全シアン溶出試験(公定法による)結果を表7に示す。
土壌汚染対策法による環境基準では、溶出試験によりシアンは検出されないことと定められている。30日後には全シアン溶出濃度は検出されなくなり(定量限界0.1mg/L未満)、シアン汚染に対して環境基準を満足できるレベルにまで浄化できた。
また、土壌汚染対策法による環境基準では、溶出試験によりベンゼンは0.1mg/L以下と定められている。30日後にはベンゼン溶出濃度は0.1mg/L以下となり環境基準を満足できるレベルにまで浄化できた。
土壌汚染対策法による環境基準では定められていないが、異臭等で問題となるN−ヘキサン抽出量は、溶出試験により2.5mg/L検出されたが、30日後には0.2mg/L、60日後には検出されない程度まで浄化できた。
さらに、ナフタレンは4200mg/(kg−乾重)含まれていたが、30日後には1000mg/kg−乾重、60日後には200mg/(kg−乾重)程度まで浄化できた。
このように本方法は、シアン化合物と油分、芳香族有機化合物で複合汚染された土壌の浄化にも極めて有効である。
(実施例3)フェリシアン錯イオンの微生物分解
フェリシアン化カリウム溶液(100mg/L、T−CNとして47mg/L)を1L作成し、pH=7.2に調整した。更に、リン酸態リンを1mg/L、アンモニア態窒素を2mg/L、マグネシウムを5mg/L、カルシウムを10mg/Lになるように薬品で調整した。鉄(III)は塩化第二鉄を用い、0.1mg/L添加した。
その後、上記の液300mLに対して、コークス工場廃水処理場の活性汚泥10mL(用いた活性汚泥の濃度:3000mg/L)を添加した。空気で曝気を行いながら、経日的に酸素消費量及びT−CN濃度を測定し、フェリシアン錯イオンの分解の状況を調査した。
この結果、7日後にはT−CNは18mg/L、12日後には2mg/Lまで削減できた。20日後には検出限界以下となった。又、活性汚泥中の細菌によるフェリシアン錯イオンの分解に伴う酸素消費量は7日後には27mg−O/L、12日後には40mg/Lとなり、酸素消費が明確に行われていることが確認できた。
すなわち、フェリシアン錯イオンは汚染土壌中や活性汚泥中に存在する細菌により、生物学的分解除去が可能であることが判る。
シアン化合物で汚染された土壌処理事例である。 シアン化合物および油分および芳香族有機化合物で汚染された土壌処理事例である。 シアン化合物で大規模に汚染された土壌の浄化に用いる本方法の模式図である。
符号の説明
1 添加水、
2 汚染土壌、
3 カラム、
4 ポンプ、
5 ブロア、
6 pH計、
7 DO計、
8 廃水処理装置、
9 処理水、
10 水酸化鉄(III)および/または溶解性の鉄塩(III)および/または溶解性の鉄塩(II)および/または鉄粉、
11 不飽和層、
12 帯水層、
13 難透水層、
14 水配管、
15 配管、
16 地下水の流れ方向。

Claims (12)

  1. シアン化合物及び鉄(II)を含有する汚染土壌に、溶存酸素、NOx−Nの少なくともいずれかを含有する水、又は溶存酸素及びアンモニア態窒素を含有する水を添加し、前記鉄(II)を鉄(III)に酸化するとともに、前記シアン化合物を溶解性のフェリシアン錯イオンに変換し、当該錯イオンを汚染土壌中の細菌により分解するシアン汚染土壌の浄化方法であって、前記汚染土壌に添加する水を汚染土壌中から揚水して再度汚染土壌に添加することを繰り返し、当該添加水を汚染土壌中に循環させると共に、前記添加水の揚水後の溶存酸素(DO)濃度が2mg/L以上8mg/L以下になるように、添加水を曝気することを特徴とするシアン汚染土壌の浄化方法。
  2. 前記添加水は、前記汚染土壌中に埋設した配管により、汚染土壌中にて添加することを特徴とする請求項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
  3. 前記添加水の揚水後のNOx−N濃度が1mg/L以上10mg/L以下になるように、添加水に硝酸塩、亜硝酸塩の少なくともいずれかを添加することを特徴とする請求項1又は2に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
  4. 前記添加水の揚水後のpHが6以上8.5以下になるように、添加水に酸又はアルカリを添加することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
  5. 前記汚染土壌又は前記添加水に、鉄粉、溶解性の鉄塩(II)、水酸化鉄(III)、溶解性の鉄塩(III)の少なくともいずれかを添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
  6. 前記汚染土壌に添加する水酸化鉄(III)として、鉄鋼製造における、酸洗工程、メッキ排水処理工程の少なくともいずれかの工程で生じる、Fe(OH)、FeOOHの一方又は両方を用いることを特徴とする請求項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
  7. 前記汚染土壌に添加する溶解性の鉄塩(III)として、塩化第二鉄、硫酸第二鉄の少なくともいずれかを用いることを特徴とする請求項5又は6に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
  8. 前記汚染土壌に、更に、リン酸態リン、アンモニア態窒素、マグネシウム、カルシウムの少なくとも1成分を添加することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
  9. 前記汚染土壌に海水を添加することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
  10. 汚染土壌が、油分、芳香族有機化合物の少なくともいずれかを更に含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
  11. 前記汚染土壌にコークス工場廃水を処理している活性汚泥を添加することを特徴とする請求項1〜1のいずれか1項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
  12. 前記添加する水が汚染土壌中の帯水層に含まれる地下水であることを特徴とする請求項〜1のいずれか1項に記載のシアン汚染土壌の浄化方法。
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