JP2010022978A - 汚染土壌又は地下水の浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機化合物により汚染された土壌又は地下水に、アンモニウム基を持つ窒素系栄養剤及びリン系栄養剤を添加することにより、該汚染土壌又は地下水を浄化する汚染土壌又は地下水の浄化方法であって、該土壌又は地下水の一部をサンプルとして採取し、サンプル中に含まれる微生物が有機化合物を酸化分解するときの酸素消費量又は二酸化炭素発生量の1/60〜1/15倍(窒素換算重量)の前記窒素系栄養剤を、前記土壌又は地下水に添加することを特徴とする、汚染土壌又は地下水の浄化方法。
【選択図】図1
Description
本発明の汚染土壌又は地下水の浄化方法は、特に、原位置生物浄化方法として好適に用いられる。
このように、従来は、油分等の有機化合物で汚染された土壌や地下水を浄化するための、窒素系栄養剤及びリン系栄養剤の効率的な添加基準の検討がなされていないのが実状であった。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
本発明の汚染土壌又は地下水の浄化方法は、原位置生物浄化方法として有効である。
尿素系栄養剤としては、ウレアホルム、尿素とイソブチルアルデヒドの縮合物、尿素とアセトアルデヒドの縮合物、シュウ酸とアンモニアの縮合物が例示される。
これらの窒素系栄養剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらのリン系栄養剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
なお、採取したサンプルに、濃度を変えて窒素系栄養剤を添加し、2〜3日室温に放置した後のサンプル中のpHを確認することによって、サンプルのpHが9以上とならない窒素系栄養剤の添加量を求めることができる。なお、土壌のpHは、後述の実施例の項に記載される方法で求められる。
即ち、油分を初めとした様々な有機化合物を基質として生物分解試験を行った場合、COD分解によって菌体に取り込まれるCOD量は、酸素消費量又は二酸化炭素発生量とほぼ当量であることは既に知られている。一方、油分量はCOD量に対して重量あたり約1/3倍であることが知られている。従って、酸素消費量又は二酸化炭素発生量の3分の1が油分の分解量となることが分かる。また、菌体を構成する元素の構成割合は、炭素(C):窒素(N):リン(P)=100:(5〜20):(0.5〜2)であることが判明しているので、油分の分解に必要な窒素系栄養剤の添加量は、酸素消費量又は二酸化炭素発生量の約1/60〜1/15倍(窒素換算重量)となり、リン系栄養剤の添加量は、酸素消費量又は二酸化炭素発生量の約1/600〜1/150倍(リン換算重量)となると考えられる。
図1は、この酸素消費量を測定するための装置を示す概略図である。
以下、油分で汚染された土壌又は地下水を浄化する場合の方法を主体として本発明を説明するが、本発明は、油分で汚染された土壌又は地下水を浄化するものに限定されるものでなく、その他の有機化合物で汚染された土壌又は地下水の浄化にも適用できる。
(1) 土着微生物を活性化させて浄化する方法。即ち、汚染土壌及び/又は地下水に生息する、油分を分解する能力を有する微生物に、栄養剤となる化合物を与えて微生物を増殖、活性化させ、汚染物質である油分の分解を促進する方法(バイオスティミュレーション)。
及び
(2) 外来微生物及び栄養剤となる化合物を導入して浄化する方法。即ち、外部で大量に増殖、活性化させた、油分を分解する能力を有する微生物を、栄養剤となる化合物と共に汚染土壌又は地下水に注入して浄化する方法(バイオオーグメンテーション)
のいずれでも良い。
また、窒素系栄養剤とリン系栄養剤の添加頻度については、空気供給前に1回添加するのみでもよいが、複数回に分けて(例えば定期的)に添加してもよい。
A重油を添加した模擬汚染土壌200g(油分濃度10,000mg/kg−土壌、含水率20重量%)を、200mL容量のカラムに充填し、窒素系栄養剤として尿素を15g−N/Lの水溶液として土壌水分に対して250mg−N/Lとなるように添加すると共に、リン系栄養剤として、リン酸二水素カリウム及びリン酸水素二カリウムのバッファ溶液(pH7)(以下「リン酸カリウムバッファ」と称す)を5mg−P/Lの水溶液として土壌水分に対して25mg−P/Lとなるように、カラム内に添加した後、通気(通気量:100mL/min)を行いながら、分圧変化測定装置としてChallemging Systems社製のANRを用いた図1に示す酸素消費量測定装置により酸素消費量を連続的に測定した。
土壌に窒素系栄養剤及びリン系栄養剤を添加しないで、実験例1と同様にして酸素消費量を連続的に測定した。
図2は、実験例1及び比較実験例1において酸素消費量を連続的に測定した結果を示すグラフである。図2において、横軸は時間(日数)を表し、縦軸は酸素消費量(mg−O2/kg−土壌)を表す。
以上の結果を表1にまとめる。
表2のように、窒素系栄養剤としての尿素を、酸素消費量に対してそれぞれ特定の比率で上記汚染土壌に添加し、またリン系栄養剤としてリン酸カリウムバッファ(pH7)を窒素:リンが10:1(重量比)となるように上記汚染土壌に添加した。その後、3週間連続的に通気(通気量:3mL/min)を行い、それぞれの油分残存量の測定平均値、油分分解率、並びに土壌中のpHを測定した。結果を表2に示す。
<ノルマルヘキサン重量法による油分残存量の測定方法>
土壌を採取し、土壌中の水分を脱水処理した後、n−ヘキサンを混合撹拌し、次いでヘキサン相を回収する。次に、ヘキサン相を加熱してヘキサンのみを揮発させ、ヘキサン相中に溶解していた油分の重量を測定する。以上の操作を3回繰り返し、各測定値の平均値を油分残存量とする。
これに対して、酸素消費量に対して適当量の窒素系栄養剤とリン系栄養剤を添加した実施例1,2では、高い油分分解率を得ることができる。
14 流路
15 流路
16 ポンプ
20 二酸化炭素吸収瓶
22 二酸化炭素吸収剤
24 流路
26 分圧変化測定装置
28 流路
30 酸素ボンベ
34 データ記録装置
Claims (2)
- 有機化合物により汚染された土壌又は地下水に、アンモニウム基を持つ窒素系栄養剤及びリン系栄養剤を添加することにより、該汚染土壌又は地下水を浄化する汚染土壌又は地下水の浄化方法であって、
前記汚染土壌又は地下水の一部をサンプルとして採取し、該サンプルに前記窒素系栄養剤及びリン系栄養剤を添加したときの酸素減少量又は二酸化炭素増加量と、前記窒素系栄養剤及びリン系栄養剤を添加しなかったときの酸素減少量又は二酸化炭素増加量とを、所定期間断続的又は連続的に測定し、それぞれの測定値の差を酸素消費量又は二酸化炭素発生量として求め、
該酸素消費量又は二酸化炭素発生量の1/60〜1/15倍(窒素換算重量)の前記窒素系栄養剤を、前記土壌又は地下水に添加することを特徴とする汚染土壌又は地下水の浄化方法。 - 前記有機化合物が油分であることを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌又は地下水の浄化方法。
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