JP4538133B2 - 廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法、これに用いる薬剤 - Google Patents
廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法、これに用いる薬剤 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法及びこれに使用する薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業の発達、高度消費経済の進展にあって、産業廃棄物や一般家庭からの廃棄物等の量は増大を極め、又、その種類も多種多様であり、その処分が深刻な社会問題となっている。廃棄物の処理方法として、古来より、経費が低廉なこと、新たに土地が造成される等の理由から、廃棄物を一箇所に集めて埋立て処分する方法が知られている。しかし、廃棄物の量が増大し、その種類が多種多様となった現代にあっては、膨大な量の廃棄物をそのままの状態で投棄し埋立て処分することは、広大な面積を要する埋立地の確保を必要とし、更に、廃棄された様々の物質が地球環境に及ぼすであろう悪影響は図り知れず、不可能である。従って、現代における廃棄物処理は、より集約的に且つ効率的に、しかも、地球環境に及ぼす影響を最小限に留めて行なうことが望まれている。
【0003】
このため、現在では、埋立地は、産業廃棄物や一般廃棄物の最終処分場として利用されており、廃棄物は、分別されて夫々に適した浄化処理や減量化が行なわれた後、埋立地に運ばれて埋立処分がなされている。例えば、可燃ゴミは、焼却処理がされた後、焼却残渣を埋立処分している。又、現代においては、かかる埋立処分場の役割も、従来のような単なる廃棄物の投棄場としての役割だけではなく、廃棄物の早期安定化を図る処分場としての機能をも果たすことが要求されており、埋立地内において廃棄物が積極的に処理されて、しかも、浸出水の水質やガスの発生量や成分が最適な状態に維持されるように処理されている。
【0004】
埋立廃棄物中には、微生物によって分解可能な種々の物質が含まれており、これらの物質は、埋立地内で廃棄物中の微生物によって順次分解されていく。廃棄物中に含まれる微生物により分解可能な物質としては、例えば、厨芥や焼却残渣中の未燃焼物中に含まれる易分解性物質や、紙、繊維、草木類、汚泥等の中分解性物質から難分解性物質まで種々の性状のものがあり、又、これらを栄養源とする微生物の種類も多様で、その増殖活動も埋立廃棄物内の環境条件によって変化し、複雑である。
【0005】
一般的には、微生物によって、廃棄物中の炭水化物や蛋白質のような高分子化合物が次第に低分子化されて、糖類や有機酸、アルコール等の中間物質を経て、最終的には、水や、炭酸ガスやメタンガス等の気体、或いは無機塩類となって、埋立廃棄物が減容化し、安定化することになる。この際、有機物は、微生物によって分解されるが、埋立層内における環境条件によっては、分解の際に硫化水素やメルカプタン類等の含硫黄成分等からなる悪臭物質を発生する場合がある。このため、新たに廃棄物を埋立てた埋立層が減容化して安定化する迄の間の埋立処分場周辺の環境は良好なものとは言い難く、悪臭や浸出水が生じるといった問題がある。特に、硫黄系臭気成分等の悪臭成分に対する人間の嗅覚は非常に敏感であり、硫化水素やメルカプタン類等の硫黄系臭気成分や、アンモニア臭等の悪臭成分が発生した場合には、微量であっても不快感を与え、問題となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、廃棄物埋立処分場における埋立層の有機物の分解が促進され、早期安定化が図られ、特に悪臭の発生を有効に抑制できる廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法、及びこれらに使用する薬剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。即ち、本発明は、廃棄物埋立処分場の廃棄物中に硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を混入させ、有機物を含む上記廃棄物を一貫して硫酸塩還元細菌の働きが抑制された状態で処理することを特徴とする廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法、及びこれらに使用する薬剤である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。
先に述べたように、廃棄物埋立処分場の埋立層の廃棄物に含まれる微生物により分解可能な物質としては、易分解性物質のものから、中分解性物質或いは難分解性物質のものまで種々の性状のものがあり、一方、これらを栄養源とする微生物の種類も多様で、その増殖活動も埋立廃棄物内の環境条件によって変化し、複雑である。これら微生物を大きく分けると好気性微生物と嫌気性微生物とがいるが、有機物がこれらの微生物によって分解されて悪臭を発生する場合、悪臭の原因物質の多くは、分解により生じた硫化水素やメルカプタン類等の含硫黄成分であることが分かっている。又、これらの硫黄系臭気成分は、硫黄元素を含む有機物に対し、嫌気性下で活動する硫酸塩還元細菌の働きによって生じるものと考えられる。従って、埋立廃棄物の層内の環境が好気的な条件下にあれば、本来は硫黄系臭気成分が発生しないはずである。
【0009】
しかしながら、広大な埋立処分場の埋立層を構成している廃棄物に対して常に理想的な好気状態を維持させることは非常に困難であり、時として硫酸塩還元細菌の活動が活発となって硫黄系臭気成分が生じ、悪臭の発生原因となっている。これに対し、本発明者らは、埋立処分場の埋立層を構成している廃棄物に対して、埋立層を構成している有機物の分解を促進させ、更に、硫酸塩還元細菌の動きを抑制することができれば、廃棄物埋立処分場における早期安定化が図られ、しかも悪臭の発生が抑制できると考え、その簡便な方法について鋭意検討を行なった結果、下記の具体的な方法を見いだして本発明に至った。
【0010】
即ち、廃棄物埋立処分場の廃棄物中に硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を混入させ、硝酸塩呼吸により廃棄物中の有機物を分解させれば、廃棄物埋立処分場における早期安定化が促進され、しかも悪臭の発生も有効に抑制される。更に、廃棄物埋立処分場の廃棄物中に硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を混入させ、有機物を含む上記廃棄物を一貫して硫酸塩還元細菌の働きが抑制された状態で処理すれば、廃棄物埋立処分場における早期安定化が促進され、しかも悪臭の発生が有効に抑制される。
【0011】
廃棄物埋立処分場においては、一般的に、好気性微生物による好気性分解が促進されるように設計することが好ましく、このような条件の埋立を行なうためには、埋立地の下部に空気挿入管を配置し、埋立られた廃棄物に空気を送って埋立処分場内を好気的雰囲気する方法がある。しかし、この好気性埋立方式の場合には設備や運転に対する負担が大きく、コストがかかることから、我が国の廃棄物埋立処分場では、一般的に、埋立廃棄物層内の腐敗性有機物を好気性分解させて埋立地の早期安定化を図るために、廃棄物層内の好気性領域を拡大して埋め立てる方式の準好気性埋立構造が採用されている。かかる構造では、図1に示したように、埋立地底部に浸出水集排水装置を敷設して、埋立層内への自然通気を促すことによって埋立地の早期安定化が図られる。
【0012】
しかしながら、上記のような方法で通気を行なったとしても、広大な埋立処分場の埋立層を構成している廃棄物の全てを常に理想的な好気状態に維持することは非常に困難であり、この場合には、好気的微生物の活動が活発に行なわれずに、廃棄物を構成している有機物の分解が促進されず、廃棄物埋立処分場における早期安定化が図れない。又、この場合には、時として硫酸塩還元細菌の活動が活発となって硫黄系臭気成分が生じ、悪臭の発生原因となる。
【0013】
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究の結果、廃水又は活性汚泥の処理の際に、有機物の分解を促進し、特に、硫黄系臭気成分の発生を抑制するためには、有機物を含む埋立層に硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を混入させて、硝酸塩呼吸により廃棄物中の有機物が分解するようにし、更には、硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を混入させることで、有機物を含む廃棄物を一貫して硫酸塩還元細菌の活動が活発でない状態に置くようにすればよいことを知見して本発明に至った。又、そのための経済的な手段として、廃硝酸又は硝酸塩或いは亜硝酸塩等の硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を嫌気的な部分に加えればよいことが分かった。
【0014】
更に、有機物の分解の促進、及び、硫化水素やメルカプタン等の硫黄系臭気成分の発生の抑制に対しては、硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物に加えて更に過酸化水素を混入させれば、埋立層に酸素分が補給されるので、より有機物の分解を促進することができ早期安定化が図られ、更に、過酸化水素の添加によって、硫黄系臭気成分が発生したとしても、硫黄分が酸化されて無臭の硫酸になるので速やかに無臭化され、しかも硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物が共存していると、その消臭状態が長期間保持されることが分かった。
【0015】
本発明の廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法は、廃棄物埋立処分場の廃棄物中に硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を混入させることを特徴とするが、その具体的な方法としては、好気的微生物の活動が活発に行なわれないために有機物の分解が進行せず、硫酸塩還元細菌の働きが活発になって、硫黄系臭気成分の発生が著しくなると考えられる埋立層の嫌気的な部分に、硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物である廃硝酸又は硝酸塩或いは亜硝酸塩を散布して埋立層中に混入させる方法が挙げられる。
【0016】
本発明で使用する廃硝酸とは、鉄鋼・鋼材製造業におけるステンレス硝酸洗浄工程排水、染料や顔料製造等の有機合成におけるニトロ化工程の濾過廃液等の有機合成化学工場排水、或いは、電池製造工程や希土類元素精製工程等で発生するもの、或いは、排水中の硝酸が中和処理されて硝酸塩として含まれているものをいう。本発明においては、これらの廃硝酸の中でも、特に、中和処理されているものを用いることが好ましい。
【0017】
又、本発明で使用することのできる硝酸塩としては、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸アンモニウム等が挙げられ、亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸アンモニウム等が挙げられる。又、アンモニア含有排水の硝化液等も使用できる。これらは、単独で、或いは2種以上組み合わせて使用することができる。更に、本発明においては、アンモニウム塩を含む廃水或いは廃液を微生物処理することで得られた硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を使用することもできる。例えば、図1に示したような埋立地底部に浸出水集排水装置が敷設されている場合に、該装置から得られるアンモニウム塩を含む浸出汚水を生物処理して得られる硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を使用すれば、廃棄物埋立処分場から出される物質の有効利用が図れる。
【0018】
上記のような硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を嫌気的な状態にあった埋立層の部分に混入させると、硝酸塩呼吸により廃棄物中の有機物の分解が促進される。即ち、嫌気的な状態の埋立層に廃硝酸や硝酸塩を混入させると、廃棄物中の通性好気性細菌は、無酸素状態で硝酸塩を最終電子受容体として有機物を酸化し、そのエネルギーを利用して成育する。この際、硝酸塩は亜硝酸に還元される。又、シュードモナス属等の好気性細菌は通常は無酸素条件下では成育しないが、硝酸塩添加で始めて成育ができるようになり、有機物を分解して維持エネルギーとし、増殖する。これらの結果、埋立層の有機物の分解が促進され、廃棄物埋立処分場における早期安定化が達成される。
【0019】
又、上記のような硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を嫌気的な状態にあった埋立層の部分に混入させると、硫酸還元細菌の働きが抑制される。硫酸還元細菌は、無酸素条件下、硫酸塩を末端電子受容体として還元し、特有の含硫黄有機物や分子状水素を酸化してエネルギーを獲得する編性嫌気性細菌であり、その際に硫化水素やメルカプタン等の硫黄系臭気成分が発生し易い。しかし、嫌気的な状態にあった埋立層の部分に硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を混入させると、嫌気的な状態にあったものが、上記した廃硝酸又は硝酸塩或いは亜硝酸塩が酸素源として機能することで、好気性、或いは少なくとも微好気性の状態となるので、硫酸塩還元細菌が活発に活動できなくなり、硫化水素やメルカプタン等が発生することが殆どなくなる。この結果、悪臭の発生を格段に抑制される。
【0020】
本発明において使用する硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物は、固体であっても液体であってもよい。又、その添加量としては、対象となる埋立層の廃棄物の性状や環境の諸条件にもよるが、例えば、硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物の添加量としては、1リットルの廃棄物に対して1〜500mg(1〜500ppm)程度とすることが好ましい。添加時期としては、廃棄物を埋立てた直後でもよいが、生物分解が進み埋立層内が嫌気的な状態となり始めた時期に添加することが効率的にはより好ましい。従って、埋立地内の硫化水素濃度をモニタリングして、その数値が上昇し始めた時点で、廃硝酸又は硝酸塩或いは亜硝酸塩を散布するようにしてもよい。
【0021】
本発明の廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法では、上記のような方法で硝酸塩呼吸による有機物の分解を促進し、硫黄系臭気成分の発生を抑制するが、上記に挙げた硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を混入させる時期に、硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物と共に、或いは、硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物の混入とは別に単独で、更に過酸化水素を添加することが好ましい。即ち、本発明の廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法では、廃棄物埋立処分場の埋立層の特に嫌気的な部分を、一貫して硫酸塩還元細菌の働きが抑制される状態に置くが、それでも、埋立層の条件によっては、嫌気的な状態になってしまう部分があり、特に、その量は抑制されるものの硫化水素やメルカプタン等の硫黄系臭気成分の発生を完全に防止できない場合がある。そこで、本発明においては、更に、過酸化水素を埋立層に混入させることによって、発生した硫黄系臭気成分の無臭化を図る。即ち、硫化水素やメルカプタン等は、過酸化水素を添加することによって酸化され、臭いのない硫酸に変化して容易に無臭化される。更に、過酸化水素の強い酸化力によって有機物の分解の促進効果も得られる。
【0022】
過酸化水素の添加量としては、対象となる埋立層を構成する廃棄物の性状や環境の諸条件にもよるが、例えば、1リットルの廃棄物に対して1〜500mg(1〜500ppm)程度にすることが好ましい。
【0023】
更に、本発明の廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法では、上記のようにして硫黄系臭気成分の発生を抑制するが、更に、その効果を高め、しかも共存しているアンモニア臭を抑制するためには、硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を添加する時期にこれらと共に、或いは、硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物の添加とは別に単独で、塩酸やリン酸等の鉱酸を添加して、埋立層のpHを下げることが好ましい。この結果、硫化水素、メルカプタン類の硫黄系臭気成分のみならずアンモニアも含めた各種臭気成分の発生の抑制がなされる。これらの鉱酸の添加量としては、対象となる埋立層を構成する廃棄物の性状や環境の諸条件にもよるが、廃棄物に対して0.01〜5モル濃度程度にすることが好ましい。
【0024】
【実施例】
次に本発明の実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
<実施例1及び比較例1>
図1に示した準好気性埋立構造の廃棄物埋立処分場の埋立層に、廃棄物1リットルに対して硝酸イオン濃度で200mg(200ppm)となるように、水に溶かした液状の硝酸ナトリウムを散布して混入させ、更に、過酸化水素を、廃棄物1リットルに対して100mgの割合で散布して混入させる以外は通常の方法で処理した。これに対して、比較例1として、硝酸ナトリウム及び過酸化水素を混入させずに通常の処理を行なった。
【0025】
そして、処理を開始してから48時間後までの夫々の埋立層の周辺の空気をサンプリングして硫化水素量を測定し、48時間後の結果を表1に示した。この結果、表1に示したように、硝酸ナトリウム及び過酸化水素を混入させなかった比較例1の場合に比べると、実施例1の場合は硫化水素の発生が格段に抑制され、しかも、その状態が継続していることが確認できた。又、処理開始から48時間経過後の夫々の廃棄物埋立処分場の埋立地の臭いは明確に異なっており、実施例1の処理を行なった場合の方が比較例1の場合よりも格段に悪臭の発生がなかった。又、夫々の廃棄物埋立処分場の埋立地からの浸出水中のBODを測定したところ、実施例1の場合は、比較例1の場合に比べて浸出水中のBOD値が低下しており、有機物の分解が促進されていることが確認できた。
【0026】
【表1】
【0027】
<実施例2>
硝酸ナトリウムの代わりに廃硝酸を使用する以外は、実施例1と同様にして処理を行った。その結果、実施例2においても、実施例1と同様の結果が得られた。更に、この場合は、産業廃棄物である廃硝酸を利用するので処理コストを大幅に削減できた。
【0028】
【発明の効果】
上記したように、本発明によれば、廃棄物埋立処分場における埋立層の有機物の分解が促進されて早期安定化が図られ、更に、悪臭の発生が有効に抑制される廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】準好気性埋立構造の廃棄物埋立処分場を説明するための概念図である。
Claims (7)
- 廃棄物埋立処分場の廃棄物中に硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を混入させ、有機物を含む上記廃棄物を一貫して硫酸塩還元細菌の働きが抑制された状態で処理することを特徴とする廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法。
- 更に、廃棄物中に過酸化水素を混入させる請求項1に記載の廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法。
- 硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物が、廃硝酸又は硝酸塩或いは亜硝酸塩の少なくともいずれかを有する請求項1又は2に記載の廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法。
- 硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物が、アンモニウム塩を含む廃水或いは廃液を微生物処理することで得られた硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物である請求項1又は2に記載の廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法。
- 請求項1に記載の廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法に用いる薬剤であって、廃硝酸又は硝酸塩或いは亜硝酸塩を主成分とすることを特徴とする薬剤。
- 請求項1に記載の廃棄物埋立処分場における早期安定化及び悪臭発生の抑制方法に用いる薬剤であって、アンモニウム塩を含む廃水或いは廃液を微生物処理することで得られた硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む化合物を主体とすることを特徴とする薬剤。
- 更に、過酸化水素を含む請求項5又は6に記載の薬剤。
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