JPH09314120A - 汚染土壌の生物分解評価方法及び汚染土壌の修復方法 - Google Patents

汚染土壌の生物分解評価方法及び汚染土壌の修復方法

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JPH09314120A
JPH09314120A JP8139255A JP13925596A JPH09314120A JP H09314120 A JPH09314120 A JP H09314120A JP 8139255 A JP8139255 A JP 8139255A JP 13925596 A JP13925596 A JP 13925596A JP H09314120 A JPH09314120 A JP H09314120A
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和夫 岡村
Teruyasu Hirayama
照康 平山
Masaharu Tazaki
雅晴 田崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微生物による有機性汚染物質の分解量の検出
を高精度に行なうことができる汚染土壌の生物分解評価
方法、及び微生物による汚染土壌の修復の効率化、迅速
化を可能とする汚染土壌の修復方法を提供する。 【解決手段】 密閉系下に汚染土壌の標本G1と酸素O
2とを封入し、その密閉系下での酸素減少量と二酸化炭
素増加量のいずれか一方又は双方を測定し、その測定値
に基づいて、微生物Bによる標本G1中の有機性汚染物
質Sの分解量を検出することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚染土壌の生物分
解の評価を行なう汚染土壌の生物分解評価方法及びこの
生物分解評価方法を適用可能な汚染土壌の修復方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、市街地土壌の汚染が顕在化するケ
ースが増加しており、特に工場跡地の再利用等の土地改
変に伴って土壌汚染が判明する例が頻出している。この
ような市街地土壌汚染については、平成4年度土壌汚染
対策の実施状況等に関する調査で昭和50年以降累計1
77件の事例が把握されており、近年判明件数は増加の
傾向にある。
【0003】土壌汚染の原因は、製造施設の破損等に伴
う漏出、廃棄物処理法施行前の工場敷地内での廃棄物の
不適正な埋め立て、汚染原因物質の不適正な取り扱い、
不法投棄などとなっており、事業別にみると、化学工
業、電気鍍金業、電気機械器具製造業に多い。汚染物質
は鉛、六価クロム、水銀等の重金属に加え、近年では、
トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の有機塩
素系化合物の増加が著しい。
【0004】一方、米国でも有害廃棄物の処分地や地下
タンクからの貯蔵物質の漏洩が数多く発生し、土壌汚
染、地下水汚染が深刻な問題となり、スーパーファンド
法の制定により積極的にこの問題に対する取組みがなさ
れている。
【0005】さて、そのような内外情勢の中、種々の汚
染土壌修復技術が提案されている。従来の修復技術とし
ては、焼却法、固化法、安定化法などがあるが、最近で
は汚染土壌を効果的且つ経済的に浄化する修復技術の開
発が注目されている。その中には、抽出・浄化、化学分
解、真空抽出、バイオレメディエーション等の種々の革
新的な汚染土壌の修復方法がある。
【0006】特に、バイオレメディエーション、即ち、
微生物による有機性汚染物質の分解を利用した汚染土壌
の修復方法は、広範囲、低濃度での処理が可能で、物理
・化学的処理では対応できない処理もできることから注
目されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな微生物を用いた汚染土壌の修復方法は、特に有機性
汚染物質がガソリン等の揮発性の高い物質を多く含有し
ている場合に、未解決の問題を有している。即ち、有機
性汚染物質が揮発性の高い物質を多く含有している場合
には、その有機性汚染物質の一部は、大気へ気散すると
推定されるため、微生物による有機性汚染物質の分解量
が明確には検出できず、効果の程度が把握できないとい
う問題点があった。
【0008】また、このため、従来の微生物を用いた汚
染土壌の修復方法では、汚染土壌への微生物の補給の要
否或いはその補給量の調整も、大まかな推量に拠らざる
を得ない。よって、微生物の補給等を非効率的に行なわ
ざるを得ず、汚染土壌の修復工期の見積もりもままなら
ないという不都合がある。
【0009】本発明は、上記事情に鑑み、微生物による
有機性汚染物質の分解量の検出を高精度に行なうことが
できる汚染土壌の生物分解評価方法、及び、微生物によ
る汚染土壌の修復の効率化、迅速化を可能とする汚染土
壌の修復方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】有機性汚染土壌を修復す
るに際しては、まず、汚染土壌中に存在する土着の分解
菌(即ち、微生物)の存在を確認し、土着の分解菌が十
分存在する場合には、土着の分解菌を使用して汚染土壌
を修復する方法(Biostimuration)を選択し、土着の分
解菌が十分存在しないか、或いは、活性が非常に低い場
合には、外部から分解菌を補給して汚染土壌を修復する
方法(Bioaugmentation)を選択すると、効率が良い。
この選択のために以下の第一、第二の発明は好適であ
る。そこで、本発明の第一の発明の汚染土壌の生物分解
評価方法では、密閉系下に汚染土壌と酸素とを封入し、
その密閉系下での酸素減少量と二酸化炭素増加量のいず
れか一方又は双方を測定し、その測定値に基づいて、土
着の微生物による汚染土壌中の有機性汚染物質の分解量
を検出する。
【0011】即ち、微生物は、酸素を消費しながら、汚
染土壌中の有機性汚染物質を分解し、二酸化炭素を生成
する。従って、酸素減少量と二酸化炭素増加量のいずれ
か一方又は双方を測定することにより、汚染土壌中の有
機性汚染物質の微生物による分解量を検出することがで
きる。
【0012】また、密閉系下に汚染土壌を配しているた
め、有機性汚染物質が、ガソリン等の揮発性の高い物質
を多く含有している場合でも、有機性汚染物質の大気中
への気散による土壌からの消失が防止される。
【0013】また、密閉系下に酸素を配することで、酸
素の欠乏を防止している。
【0014】本発明の第二の発明の汚染土壌の生物分解
評価方法は、第一の発明において、密閉系下に、汚染土
壌と酸素に加えて、微生物を補給することを特徴とす
る。
【0015】これにより、汚染土壌に土着した微生物が
十分に存在しない場合に、補給すべき微生物の種類や補
給量などの最適な微生物環境を検出可能となる。即ち、
汚染土壌への微生物の補給を、その汚染土壌に応じて適
切に行なうことが可能である。
【0016】本発明の第三の発明の汚染土壌の修復方法
は、微生物により汚染土壌を修復する土壌修復工程を有
する汚染土壌の修復方法であって、土壌修復工程の前
に、最適環境を検出する最適環境設定工程を設け、最適
環境設定工程では、密閉系下に少なくとも汚染土壌を封
入し、その密閉系下の内部ガスの成分濃度の変化量を測
定し、この測定値に基づいて、微生物による前記汚染土
壌中の有機性汚染物質の分解量を検出する汚染土壌の生
物分解評価方法を用い、この汚染土壌の生物分解評価方
法において、密閉系下の環境を変化させて、各環境ごと
に汚染土壌中の有機性汚染物質の分解量を検出し比較す
ることにより、汚染土壌の有機性汚染物質を分解するた
めの最適環境を検出し、土壌修復工程では、最適環境に
基づいて、汚染土壌の環境を調整することを特徴とす
る。
【0017】即ち、汚染土壌の環境を、微生物が有機性
汚染物質を分解するに適した環境に近付け、微生物によ
る有機性汚染物質の分解効率を高めることが可能であ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づき説明する。図5に示す汚染土壌Gは、有機性汚
染物質Sに汚染されたものであり、以下には、このよう
な汚染土壌Gを修復する汚染土壌の修復方法の一実施形
態について説明する。
【0019】尚、有機性汚染物質Sを例示すれば、ガソ
リン、ディーゼル燃料、燃料油、精油所汚泥等の石油系
炭化水素(Total Petroleum Hydrocarbons)や、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン等
の芳香族(BTEX)や、ナフタリン、フェナントレ
ン、ピレン、ベンゾピレン等の多環芳香族(PAH)
や、イソプロパノール、エタノール、エチレングリコー
ル、t−ブタノール等のアルコールや、炭水化物や、界
面活性剤や、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン
や、クロロフェノール、PCP等のフェノールや、PC
Bや、フタル酸や、塩化メチレン、エチレンジクロライ
ド等の有機塩素溶剤がある。
【0020】さて、本実施形態の汚染土壌の修復方法
は、微生物Bにより汚染土壌Gを修復する土壌修復工程
と、土壌修復工程の前に行なわれる図1に示す最適環境
設定工程とからなるものである。
【0021】最適環境設定工程では、まず、図5に示す
修復すべき汚染土壌Gの一部を図1に示すように定量
(本実施形態では10グラム程度)の標本G1として多
数個、採取する。
【0022】次に、以下の汚染土壌の生物分解評価方法
を用いて、各種環境下での標本G1中の有機性汚染物質
Sの分解量を検出する。
【0023】まず、各標本G1をそれぞれ、純酸素O2
と定量の栄養塩Nと共に、ブチルゴム栓1aを有する定
容積(本実施形態では300ミリリットル)の密閉式培
養ビン1に封入して密閉系下に配し、以下のような異な
る環境下で培養を行なう。
【0024】尚、封入される純酸素O2の量は、微生物
Bが標本G1中の有機性汚染物質Sを全て分解するため
に消費する酸素量よりも多い。
【0025】基準の密閉式培養ビン1では、標本G1と
純酸素O2と定量の栄養塩Nのみを封入する。
【0026】その他の多数の密閉式培養ビン1では、標
本G1と純酸素O2と定量の栄養塩Nに加えて、微生物
Bを補給封入する。この多数の密閉式培養ビン1では、
微生物Bの量をそれぞれ段階的に変えて、その微生物B
の量の順に第一種の密閉式培養ビン1、第二種の密閉式
培養ビン1、第三種の密閉式培養ビン1、…として区別
し、これにより、微生物環境を変える。
【0027】また、基準の密閉式培養ビン1、第一種の
密閉式培養ビン1、第二種の密閉式培養ビン1、第三種
の密閉式培養ビン1、…を一組として、この組を、第一
組、第二組、第三組、…として、多数組、設ける。
【0028】更に、それら密閉式培養ビン1は、組ごと
に、密閉系下の温度環境、湿度環境を変える。
【0029】そして、各密閉式培養ビン1の内部ガスA
を採取する。この内部ガスAの採取は、密閉式培養ビン
1のブチルゴム栓1aに、気密型の抽出手段であるガス
タイトシリンジ(図示略)を刺し通して、その先端を密
閉式培養ビン1内に配置させ、抽出することで、密閉系
を崩さずに行なうことができる。
【0030】採取された内部ガスAは、何種類もの成分
が混在している気体から各成分を分離し定量分析するこ
とができるガスクロマトグラフ(図示略)に装填し、ガ
スクロマトグラフにより、内部ガスAの酸素濃度と二酸
化炭素濃度とを検出し、初期値として記録しておく。ま
た、密閉式培養ビン1などの密閉容器中の酸素濃度と二
酸化濃度とを検出するためのガス検知管、その他の方法
で前記濃度の把握を行なってもよい。
【0031】培養中には、下記化学式に示すように、微
生物Bは、酸素O2を消費しながら、汚染土壌G中の有
機性汚染物質Sを分解し、二酸化炭素CO2を生成す
る。下式では有機性汚染物質Sがベンゼンの場合を示し
ている。 C66 + 7.5O2 → 6CO2 + 3H2
【0032】さて、培養開始後、定期間が経過したなら
ば、各密閉式培養ビン1の内部ガスAを再び採取し、そ
の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを検出する。そして、こ
の酸素濃度と二酸化炭素濃度と、それらの初期値とに基
づいて、各密閉式培養ビン1ごとに内部ガスAの酸素減
少量と二酸化炭素増加量を測定する。
【0033】この酸素O2の減少と二酸化炭素CO2の増
加は、微生物Bによる有機性汚染物質Sの分解に伴って
生じるので、酸素減少量と二酸化炭素増加量の測定値に
基づいて、各密閉式培養ビン1ごとに標本G1中の有機
性汚染物質Sの分解量を検出することができる。
【0034】尚、以上のように本実施形態の汚染土壌の
生物分解評価方法では、密閉系下に標本G1を配してい
るため、標本G1中の有機性汚染物質Sが、ガソリン等
の揮発性の高い物質を多く含有している場合でも、有機
性汚染物質Sの大気中への気散による標本G1からの消
失が防止される。
【0035】また、密閉系下に酸素O2を十分に配する
ことで、酸素O2の欠乏を防止している。
【0036】よって、有機性汚染物質Sが、揮発性の高
い物質を多く含有している場合でも、酸素減少量と二酸
化炭素増加量を高精度に測定することができ、有機性汚
染物質Sの分解量の検出を高精度に行なうことができ
る。
【0037】次に、それらの密閉式培養ビン1の内、最
も、分解量が多いものを選び出し、その密閉式培養ビン
1での微生物環境を最適環境とし、この密閉式培養ビン
1での微生物Bの補給量に基づいて、図5の汚染土壌G
に適した微生物Bの補給量を検出する。この微生物Bの
補給量は、汚染土壌Gの単位質量当たりの質量である。
【0038】また、図1の選び出された密閉式培養ビン
1での温度環境、湿度環境を、図5の汚染土壌Gの有機
性汚染物質Sを分解するための最適環境として検出す
る。
【0039】以下には、最適環境を検出する工程の詳細
を、汚染土壌Gを実験用に想定して行なった例に基づい
て説明する。この実験では、図1の標本G1としては、
2ミリのふるいにかけた乾燥重量10グラムの畑土に有
機性汚染物質Sとして灯油を1%濃度になるように添加
したものを使用し、この標本G1には、栄養塩Nとして
尿素及びK2HPO4を、有機性汚染物質Sに対する質量
比10%、1%となるように添加している。また、微生
物Bは、畑土に自然に存在するもののみであり、43日
間培養した後の酸素濃度を検出している。
【0040】標本G1中の水Wの量である水分量は湿度
40%に調整し、図2に示すように温度を摂氏10度、
20度、30度、40度、50度と変えた各環境での酸
素濃度をそれぞれ調べている。この実験結果では、温度
が30度の環境で最も酸素減少量が大きく、このことか
ら、温度30度の環境が、最適環境として検出される。
【0041】また、図3は、上記実験において、温度を
約30度に固定し、標本G1の水分量を湿度20%、3
0%、40%、50%、70%と変えた各環境での酸素
濃度をそれぞれ調べている。この実験結果では、水分量
が湿度70%の環境で最も酸素減少量が大きく、このこ
とから、湿度70%の環境が、最適環境として検出され
る。
【0042】以上のようにして、最適環境設定工程で
は、図5の汚染土壌Gに適した微生物Bの補給量及び最
適環境を検出することができる。
【0043】そこで、土壌修復工程では、最適環境設定
工程で検出された微生物環境の最適環境に基づいて、即
ち、微生物Bの補給量に基づいて、汚染土壌Gへの微生
物Bの補給を行なうか否かを決定し、補給を要すると決
定された場合には、最適環境設定工程で検出された微生
物Bの補給量に一致させるように、汚染土壌Gへの微生
物Bの補給を行なう。
【0044】尚、微生物Bの補給を行なわない場合と
は、図1の最適環境設定工程において、最も分解量が多
いものとして、基準の密閉式培養ビン1が選出された場
合であり、この密閉式培養ビン1では、標本G1中の土
着の微生物B以外には微生物Bを人為的に補給し封入し
てはいないのであるから、図5の汚染土壌Gの土着の微
生物Bが、分解のために適した量だけ自然に存在してい
ることとなる。よって、当然、微生物Bの補給は不要で
ある。
【0045】また、土壌修復工程では、最適環境設定工
程で検出された温度環境、湿度環境の最適環境に基づい
て、汚染土壌Gの環境を、微生物Bが有機性汚染物質S
を分解するに適した環境にして行なう。分解するに適し
た環境にするとは、例えば、汚染土壌Gの湿度(水分
量)を、最適環境の湿度に近付けるように汚染土壌Gに
水を撒くことや、汚染土壌Gの温度を、最適環境の温度
に近付けるように、汚染土壌Gを日蔭にすることや、汚
染土壌Gを包囲するように、温度、湿度調節設備を設け
て、常時、汚染土壌Gの温度、湿度を最適環境の温度、
湿度にしておくことなどである。
【0046】このように、汚染土壌Gへの微生物Bの補
給を、その汚染土壌Gに応じて適切に行なうことができ
ると共に、汚染土壌Gの環境を、微生物Bが有機性汚染
物質Sを分解するに適した環境に近付けることができる
ので、微生物Bによる有機性汚染物質Sの分解効率を高
めることができる。このため、本実施形態の汚染土壌の
修復方法では、微生物Bによる汚染土壌Gの修復の効率
化、迅速化を図ることができる。
【0047】尚、上記最適環境設定工程においては、培
養開始後、定期的に、図1の密閉式培養ビン1の内部ガ
スAを採取し、標本G1中の有機性汚染物質Sの分解量
の経時変化を検出し、この分解量の経時変化に基づい
て、効率的に分解が行なわれる期間を検出し、この期間
に基づいて、土壌修復工程の期間を定めるようにすれ
ば、更に、汚染土壌Gの修復の効率化、迅速化を図るこ
とができる。
【0048】即ち、まず、図4は、上記図2、図3での
実験において、異なる石油化合物で汚染された汚染土壌
Gをそれぞれ生物分解し、その比較を行ないつつ、酸素
濃度の減少と二酸化炭素濃度の増加を経時的に調べたグ
ラフである。図1の標本G1としては、ガソリンを畑土
に添加した標本と、灯油を畑土に添加した標本と、軽油
を畑土に添加した標本を用い、それぞれ1%濃度になる
ように添加している。
【0049】この実験結果では、図4に示すように、例
えば、最も酸素減少量が多かったのは灯油であり、43
日間で純酸素濃度が40%まで低下している。しかし、
これ以後の酸素減少量の経時変化は緩慢である。従っ
て、この43日の期間に基づいて、図5の微生物Bによ
る土壌修復工程の期間や、微生物Bや栄養塩Nの再投入
などの時期を定めるようにすれば、汚染土壌Gの修復の
効率化、迅速化を図ることが可能となる。
【0050】また、図1の上記最適環境設定工程での汚
染土壌の生物分解評価方法では、酸素減少量と二酸化炭
素増加量の双方を検出したが、酸素減少量と二酸化炭素
増加量のいずれか一方を検出する構成でもよい。また、
汚染土壌G中の有機性汚染物質Sの分解のためには、嫌
気下で活性の高い物質もあり、その場合は、密閉式培養
ビン1などの密閉容器中に、酸素O2の代りに、窒素等
のガスを使用し、酸素の無い条件下で評価することもで
きる。この場合は、密閉容器中の二酸化炭素CO2の他
に、メタンや水素の発生を検出することにより、有機性
汚染物質Sの分解を評価することができる。
【0051】また、上記最適環境設定工程においては、
微生物B群の種類を変えて、汚染土壌の生物分解評価方
法を行ない、最適環境の一つの微生物環境として微生物
B群の種類を検出し、図5の土壌修復工程において、そ
の微生物B群を用いる構成を加えてもよい。
【0052】また、図1の汚染土壌の生物分解評価方法
において、栄養塩Nの種類或いは量を変えて、最適環境
の一つの栄養環境として栄養塩N或いはその補給量を検
出し、図5の土壌修復工程において、その栄養塩Nを適
切な補給量だけ補給する構成を加えてもよい。
【0053】また、図1の汚染土壌の生物分解評価方法
において、標本G1の水素イオン指数(ペーハー)を変
えて、最適環境の一つの水素イオン環境として水素イオ
ン指数を検出し、図5の土壌修復工程において、汚染土
壌Gを最適な水素イオン指数にする構成を加えてもよ
い。
【0054】
【発明の効果】本発明の第一の発明の汚染土壌の生物分
解評価方法によれば、密閉系下に汚染土壌を配すること
で、有機性汚染物質が、ガソリン等の揮発性の高い物質
を多く含有している場合でも、有機性汚染物質の大気中
への気散による土壌からの消失が防止されると共に、密
閉系下に酸素を配することで、酸素の欠乏を防止してい
る。よって、有機性汚染物質が、揮発性の高い物質を多
く含有している場合でも、酸素減少量と二酸化炭素増加
量のいずれか一方又は双方を測定することにより、汚染
土壌中の有機性汚染物質の分解量の検出を高精度に行な
うことができる。
【0055】本発明の第二の発明の汚染土壌の生物分解
評価方法によれば、上記効果に加えて、汚染土壌への微
生物の補給を、その汚染土壌に応じて適切に行なうこと
ができる。よって、汚染土壌の環境の一つである微生物
環境を最適環境に近付けることができ、微生物による汚
染土壌の修復の効率化、迅速化を図ることができる。
【0056】本発明の第三の発明の汚染土壌の修復方法
によれば、汚染土壌の環境を、微生物が有機性汚染物質
を分解するに適した環境に近付けることで、微生物によ
る有機性汚染物質の分解効率を高めることができる。よ
って、微生物による汚染土壌の修復の更なる効率化、迅
速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の汚染土壌の修復方法の最適環境設定
工程に用いた汚染土壌の生物分解評価方法の一実施形態
を示す簡略図である。
【図2】 図1の汚染土壌の生物分解評価方法を用い
て、石油化合物の生物分解における温度の影響を調べた
結果を示すグラフである。
【図3】 図1の汚染土壌の生物分解評価方法を用い
て、石油化合物の生物分解における水分の影響を調べた
結果を示すグラフである。
【図4】 図1の汚染土壌の生物分解評価方法を用い
て、異なる石油化合物で汚染された汚染土壌をそれぞれ
生物分解し、その比較を行ないつつ、酸素濃度の減少と
二酸化炭素濃度の増加を経時的に調べたグラフである。
【図5】 本発明の汚染土壌の修復方法の土壌修復工程
の一実施形態を示す簡略図である。
【符号の説明】
G…汚染土壌 G1…標本(汚染土壌) S…有機性汚染物質 B…微生物 O2…酸素

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉系下に汚染土壌と酸素とを封入し、
    その密閉系下での酸素減少量と二酸化炭素増加量のいず
    れか一方又は双方を測定し、その測定値に基づいて、土
    着の微生物による前記汚染土壌中の有機性汚染物質の分
    解量を検出する汚染土壌の生物分解評価方法。
  2. 【請求項2】 前記密閉系下には、前記汚染土壌と前記
    酸素に加えて、微生物を補給することを特徴とする請求
    項1記載の汚染土壌の生物分解評価方法。
  3. 【請求項3】 微生物により汚染土壌を修復する土壌修
    復工程を有する汚染土壌の修復方法であって、 前記土壌修復工程の前に、最適環境を検出する最適環境
    設定工程を設け、 前記最適環境設定工程では、密閉系下に少なくとも汚染
    土壌を封入し、その密閉系下の内部ガスの成分濃度の変
    化量を測定し、この測定値に基づいて、微生物による前
    記汚染土壌中の有機性汚染物質の分解量を検出する汚染
    土壌の生物分解評価方法を用い、 この汚染土壌の生物分解評価方法において、前記密閉系
    下の環境を変化させて、各環境ごとに前記汚染土壌中の
    有機性汚染物質の分解量を検出し比較することにより、
    前記汚染土壌の有機性汚染物質を分解するための最適環
    境を検出し、 前記土壌修復工程では、前記最適環境に基づいて、前記
    汚染土壌の環境を調整することを特徴とする汚染土壌の
    修復方法。
JP13925596A 1996-05-31 1996-05-31 汚染土壌の生物分解評価方法及び汚染土壌の修復方法 Expired - Lifetime JP3520489B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20020025334A (ko) * 2000-09-28 2002-04-04 양한춘 오염된 연안 바다의 저질 개선방법
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