JP4288198B2 - 汚染土壌の浄化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、原油および原油から精製された石油製品に起因する油分、石炭製品に起因する油分、動植物油、ベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素、フェナントレン、フルオレンやピレンなどを主体とする多環芳香族炭化水素、テトラクロロエチレンやトリクロロエチレンなどを主体とする含ハロゲン炭化水素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素に汚染された土壌又は地下水の新規脱窒菌による浄化方法と当該脱窒菌のモニタリング方法に関する。
原油および原油から精製された石油製品に起因する油分、石炭製品に起因する油分、動植物油、ベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素、フェナントレン、フルオレンやピレンなどを主体とする多環芳香族炭化水素、テトラクロロエチレンやトリクロロエチレンなどを主体とする含ハロゲン炭化水素により汚染された土壌の浄化では以下の方法が一般に知られている:
(1)洗浄法;
(2)加熱処理法(揮発・脱離)・熱分解法・溶融法;
(3)吸着法;
(4)化学分解法;
(5)生物分解法(バイオレメディエーション)。
まず、洗浄法は土壌に含有・吸着されている汚染物質を水中に分散又は溶解させる方法であり、汚染物質を分解する方法ではない。処理というよりも前処理操作に位置づけられる。洗浄効果は、土壌の粒度の影響を強く受け、粒度の小さいシルト・粘土への適用は困難である。
加熱法は、土壌中の汚染物質を揮発化する効果が高い。しかしながら、加熱により土壌から揮発させた汚染物質はそのまま大気に放出できないので、最終的にトラップして分解し、無害化する必要がある。処理(エネルギー)コストが高いこと、装置コストが大きくなること、土壌の性状が加熱により大幅に変化してしまうこと、臭気の発生など多くの課題がある。
活性炭などによる汚染物質の吸着法は、洗浄法との併用になる。活性炭は揮発性の有機化合物や芳香族炭化水素類に対してかなり吸着効果がある。しかしながら、その再生に膨大な費用がかかる欠点がある。
過マンガン酸カリウムなどの薬剤を用いる汚染物質の化学分解法は、通常、過剰の薬品添加量を必要とするため、処理コストが大きくなる。また、残留薬品による2次汚染の慎重な防止対策が必要である。
これに対して生物分解法(バイオレメディエーション)は、汚染土壌の浄化に対して、2次汚染の可能性が小さく、省エネルギーで広範囲への土壌に適用でき、土壌そのものの性質を変えることなく、維持管理が容易なことなどの特長がある。バイオレメディエーションは、生物による有機物分解の原理を有害化学物質で汚染された土壌や地下水の処理に適用するものであり、原理的には活性汚泥法など排水処理の生物処理プロセスと土壌中の汚染物質のバイオレメディエーションプロセスに大きな差はない。例えば、対象とする土壌汚染物質として原油および原油から精製された石油製品に起因する油分、石炭製品に起因する油分、動植物油、ベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素、フェナントレン、フルオレンやピレンなどを主体とする多環芳香族炭化水素、テトラクロロエチレンやトリクロロエチレンなどを主体とする含ハロゲン炭化水素などがあり、これらはバイオレメディエーションにより最終的には炭酸ガスにまで分解されて土壌から除去されることになる。
バイオレメディエーションには大別して、ランドファーミング法とスラリー法がある。ランドファーミング法は、土壌表面近くの汚染物質対策として、米国等で広く用いられている。油汚染や石油精製廃棄物の管理処分、炭化水素や農薬で汚染された表面土壌などが処理対象である。浄化に時間を要するが、処理費用が安価であること、加熱処理のように土壌の性状を変質させることがないため土壌の再利用が容易なことなどの利点があるとされている。この方法は、処理対象の土壌自体を微生物の種として用い、積極的に空気を供給することで、酸素を利用する好気性の微生物作用により、汚染物質の分解を最適化するように設計されている。但し、好気性の微生物による分解を促進するために、以下の対策が必要であるとされている。
(1)空気の供給(耕作機械による通気、バルキング剤添加による土壌空隙率確保);
(2)栄養剤添加(肥料等);
(3)乾燥防止(定期的な水分の添加);
(4)土壌のpH調整(石灰等の添加により中性に維持)。
特定の物質の分解速度をさらに向上させるために、外部から特定の微生物の植種を行う場合もあり、下水汚泥、牛糞、コンポスト(堆肥等)などの使用報告例もある。処理設備としては、掘り返した汚染土壌を処分するベッド、ベッドからの浸出水処理設備、再利用設備のほか、場合によっては、覆蓋施設などが必要となる。
スラリー法は(特許文献1)、土壌に水を添加しスラリー状(スラリーリアクター又はスラリーラグーン)として、汚染物質の微生物分解を図る方法であり、米国等で適用事例がある。処理コストはランドファーミング法より高いが、処理速度や汚染物質除去性能が優れている。スラリー法の微生物反応槽は、開放式タンク又は密閉式タンクあるいはラグーンとなり、以下の設備が必要となる。
(1)スラリー調整槽;
(2)微生物反応槽(リアクター又はラグーン);
(3)濃縮槽(沈澱池);
(4)脱水機;
(5)脱水機等から発生する排水の処理設備。
また、反応槽等においては、空気供給(ブロアーによる空気供給)、スラリーの沈澱防止(攪拌機による撹拌)、pH調整(中性に維持)、栄養塩添加、固液分離促進、等の操作が必要である。さらに、特定の物質の分解速度を向上させるために、外部から特定の微生物の植種を行う場合がある。濃縮槽や脱水機から発生する排水については、排水基準を遵守できるまで処理する必要がある。
一方、汚染された地下水を浄化するためには、一般に地下水が揚水され、水処理される(特許文献2)。地下水の汚染物質が亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素である場合、窒素除去のための水処理が必要となる。微生物を利用する方法として、脱窒反応を利用して無害な窒素ガスに変換して放散することが可能である。
特許公開2003−126838 特許公開平5−228463
これまで開発された微生物を用いた原油及び原油から精製された石油製品に起因する油分、石炭製品に起因する油分、動植物油、ベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素、フェナントレン、フルオレンやピレンなどを主体とする多環芳香族炭化水素、テトラクロロエチレンやトリクロロエチレンなどを主体とする含ハロゲン炭化水素などで汚染された土壌の処理方法には、以下のような課題が残されている:
(1)物質の分解に要する時間が長く、数百日にもおよぶこともある。
(2)処理性能が不安定である。
(3)浄化性状の適切なリアルタイムのモニタリング指標がない。
汚染土壌の浄化に要する期間が長く、また、処理性能が不安定な理由には多くの原因がある。まず、特定の汚染物質に対して分解機能を有している微生物の育成が進んでおらず、その濃度が極めて低いことがあげられる。例えば、都市下水処理場や食品工場排水処理場の活性汚泥を芳香族炭化水素で汚染された土壌にそのまま用いても分解はほとんど進まない。しかしながら、芳香族炭化水素分解機能を有する微生物や活性汚泥を高濃度に維持できれば、処理期間の短縮の可能性が大きくなる。また、微生物の濃度ばかりでなく、これらの微生物が十分に機能を発揮できる土壌の環境条件が整っていなければならない。例えば、環境条件としては、汚染物負荷、pH、DO(溶存酸素)、温度、水分、微量栄養源、毒性物質の有無、微生物と空気と汚染物質の接触効率などがあげられる。微生物を高濃度に維持できるだけでなく、このような環境条件が整って分解に要する期間の短縮が初めて可能となるのである。土壌粒度が小さく、固化しやすい傾向がある場合、多くの場合、DO律速または汚染物質の拡散律速により処理性能は大きく低下する。このような場合、外部からたとえ有用な微生物を添加しても顕著な効果は得られない。また、多環芳香族炭化水素類(PAHs)は、ベンゼンのような単環芳香族炭化水素と比較するとバイオレメディエーションによる除去率が一般に低い。これはPAHsの疎水性が高く、土壌粒子への吸着性が高いため、土壌粒子が動かない場合、DOとの接触機会が極めて少ないためと考えられる。したがって、PAHsについてはDO律速にならない環境を如何に作るかが分解効率を高めるために重要と一般に考えられている。
例えば土壌の浄化を例に挙げると、ランドファーミング法は、土壌粒子自体が動かないため、酸素との接触機会が極めて少ないため、微生物が有効に作用せず、このため分解性が低いと考えられる。空気を土壌に吹き込んだ場合であっても、空気のバイパスが生じて均一な酸素供給が行われず、顕著な改善効果が得られない。耕作機械による通気にも限界がある。また、土壌の浄化性状の適切なモニタリング指標は全くみあたらない。耕作機械による通気や酸素吹き込みの頻度の決定根拠が不明である。
スラリー法は、土壌粒子を水と一緒に空気で完全に流動させるため、水中に溶解したPAHsばかりでなく、土壌粒子に付着したPAHsも空気と接触しやすくなる。この結果、スラリー法は、ランドファーミング法と比較して、PAHsの分解効率は優れていると考えられる。その一方で、土壌スラリーの撹拌や空気吹き込みのための処理コストが上昇する課題がある。
また、亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素で汚染された地下水を水処理で浄化するためには、地下水を揚水する必要が生じ、井戸、ポンプ設置などの設備コストがかかる課題がある。さらに地下水中で脱窒反応を司る微生物についても明らかになっていない課題がある。
本発明は、このような従来のバイオレメディエーションプロセスの課題を解決し、土壌または地下水から汚染物質を高効率で除去することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく検討を重ねた結果、以下の方法により汚染土壌を安定して効率的に処理することに成功した。本発明の要旨とするところは次の〔1〕〜〔〕である。
〔1〕土壌中の脱窒菌の塩基配列に基づく検出により、16SrRNA遺伝子中に配列番号1に示す塩基配列を有するチオバシルス・ディニトリフィカンス(Thiobacillus denitrificans)近縁の脱窒菌、又は、その16SrRNA遺伝子中に配列番号2若しくは3に示す塩基配列を有するステロリバクテリウム・ディニトリフィカンス(Sterolibacterium denitrificans)近縁の脱窒菌、又は、その16SrRNA遺伝子中に配列番号4若しくは5に示す塩基配列を有するステノトロフォモナス・ナイトライティリデュウセンス(Stenotrophomonas nitritireducens)近縁の脱窒菌、又は、その16SrRNA遺伝子中に配列番号6若しくは7に示す塩基配列を有するディアフォロバクター・ニトロリデュウセンス(Diaphorobacter nitroreducens)近縁の脱窒菌の内の1種又は2種以上の存在が確認された土壌を、硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む水と共に、汚染土壌に添加し、或いは、前記検出により前記脱窒菌の内の1種又は2種以上の存在が確認された汚染土壌に、硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む水を添加し、嫌気条件下で、前記汚染土壌中の汚染物質を分解することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
〔2〕前記汚染物質が、原油及び原油から精製された石油製品に起因する油分、石炭製品に起因する油分、動植物油、ベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素、フェナントレン、フルオレン若しくはピレンを主体とする多環芳香族炭化水素、テトラクロロエチレン若しくはトリクロロエチレンを主体とする含ハロゲン炭化水素の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、前記〔1〕の汚染土壌の浄化方法。
〔3〕前記嫌気条件が、飽和塩化カリウム銀/塩化銀電極基準の酸化還元電位で、−100mV以上−20mV以下であることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕の汚染土壌の浄化方法。
〔4〕前記脱窒菌の内の1種又は2種以上が、前記配列番号1に示す塩基配列を有するチオバシルス・ディニトリフィカンス(Thiobacillus denitrificans)近縁の脱窒菌、前記配列番号2に示す塩基配列を有するステロリバクテリウム・ディニトリフィカンス(Sterolibacterium denitrificans)近縁の脱窒菌、前記配列番号4に示す塩基配列を有するステノトロフォモナス・ナイトライティリデュウセンス(Stenotrophomonas nitritireducens)近縁の脱窒菌、及び、前記配列番号6に示す塩基配列を有するディアフォロバクター・ニトロリデュウセンス(Diaphorobacter nitroreducens)近縁の脱窒菌であることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかの汚染土壌の浄化方法。
〔5〕前記脱窒菌の内の1種又は2種以上が、前記配列番号1に示す塩基配列を有するチオバシルス・ディニトリフィカンス(Thiobacillus denitrificans)近縁の脱窒菌、前記配列番号3に示す塩基配列を有するステロリバクテリウム・ディニトリフィカンス(Sterolibacterium denitrificans)近縁の脱窒菌、前記配列番号5に示す塩基配列を有するステノトロフォモナス・ナイトライティリデュウセンス(Stenotrophomonas nitritireducens)近縁の脱窒菌、及び、前記配列番号7に示す塩基配列を有するディアフォロバクター・ニトロリデュウセンス(Diaphorobacter nitroreducens)近縁の脱窒菌であることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかの汚染土壌の浄化方法。
本発明により、原油及び原油から精製された石油製品に起因する油分、石炭製品に起因する油分、動植物油、ベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素、フェナントレン、フルオレンやピレンなどを主体とする多環芳香族炭化水素、テトラクロロエチレンやトリクロロエチレンなどを主体とする含ハロゲン炭化水素などで汚染された土壌、あるいは亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素に汚染された地下水を安定かつ短時間に効率的に浄化することが可能となる。
発明者らは、原油及び原油から精製された石油製品に起因する油分、石炭製品に起因する油分、動植物油、ベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素、フェナントレン、フルオレンやピレンなどを主体とする多環芳香族炭化水素、テトラクロロエチレンやトリクロロエチレンなどを主体とする含ハロゲン炭化水素で汚染された土壌、あるいは亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素で汚染された地下水から汚染物を効率的に除去するため、以下の手法を発明した。
土壌中にはランドファーミング法やスラリー法で用いられるような酸素呼吸をおこなう微生物の他、硝酸性窒素又は亜硝酸性窒素を用いる硝酸呼吸又は亜硝酸呼吸をおこなう微生物も生息できる。この硝酸呼吸又は亜硝酸呼吸の際に土壌中の汚染物質を水素供与体として分解することが可能と考えられた。そして硝酸呼吸又は亜硝酸呼吸では、硝酸性窒素又は亜硝酸性窒素は窒素ガスに還元され、大気中に放散させることができる。
このような反応は、水処理の分野では既知であり、下水の窒素除去に用いられている。以下、水処理における反応を述べる。排水中の窒素はアンモニア性窒素又はは硝酸性窒素の形で含有されることが多い。アンモニア性窒素を含有する排水として、都市下水、屎尿、畜産排水、製鉄所コークス工場排水、肥料工場排水、半導体工場排水、皮革工場排水などがある。また、硝酸性窒素を含有する例としては、ステンレス鋼板の洗浄排水や農業肥料で汚染された河川水、地下水などがある。
排水からの窒素除去方法としては、以下のような生物学的硝化脱窒法が広く知られている。これは絶対好気性・独立栄養細菌(ニトロソモナス(Nitrosomonas)、ニトロバクター(Nitrobacter)等の硝化細菌)によるアンモニア性窒素の生物学的酸化反応(硝化)による亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素の生成と通性嫌気性・従属栄養細菌(シュードモナス(Pseudomonas)等)による亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素の生物学的還元反応(脱窒)による窒素ガスの生成の組み合わせから成る。
まず、硝化工程は以下の2段の反応からなり、関与する硝化細菌の種類は異なる:
NH4 + +2H2O → NO2 - +8H+ + 6e− (1)
NO2 - + H2O → NO3 - +2H+ + 2e− (2)
式(1)に示す反応はニトロソモナスを代表種とするアンモニア酸化細菌によってもたらされ、そして式(2)に示す反応は、ニトロバクターを代表種とする亜硝酸酸化細菌によってもたらされる。
次に脱窒工程であるが、上記反応によって生成した亜硝酸性窒素、硝酸性窒素は通性の嫌気性細菌を用いて無酸素の条件下、以下のように還元されて一酸化窒素ガス(N2O)あるいは窒素ガス(N2)となり大気中に放散される。以下に窒素ガスまで還元される事例を示す:
2NO2 - + 6(H) → N2 + 2H2O + 2OH- (3)
2NO3 - + 10(H) → N2 + 4H2O + 2OH- (4)
(上式中の(H)は、水素供与体由来の水素を表す。)
本細菌群は、通性の嫌気性細菌群からなるとされ、もしも酸素があれば酸素を優先して用いて増殖できる細菌群も含んでいる(但し、酸素呼吸ができるすべての細菌が硝酸呼吸や亜硝酸呼吸をできるわけではない。)。したがって、効率よく脱窒をおこなう場合には、式(3)と式(4)の反応は、無酸素下でおこなわなければならない。また、式(3)と式(4)の反応においては、水素供与体が必要である。
そこで、汚染土壌中の汚染物質、例えば原油及び原油から精製された石油製品に起因する油分、石炭製品に起因する油分、動植物油、ベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素、フェナントレン、フルオレンやピレンなどを主体とする多環芳香族炭化水素類、テトラクロロエチレンやトリクロロエチレンなどを主体とする含ハロゲン炭化水素などを水素供与体として利用して、硝酸性窒素や亜硝酸性窒素を用いて分解することができる。曝気等で供給するガス状の酸素にくらべて、水に溶解させた硝酸イオン又は亜硝酸イオンは、この水を土壌に浸潤させることにより、土壌中に極めて均一に分散し、かつ、汚染土壌の内部にまで浸透させることが可能である。したがって脱窒菌の馴養及び汚染物質の分解を効率よく行うことができ、汚染土壌の早期浄化、効率的な浄化が可能となる。
一方、硝酸性窒素や亜硝酸性窒素で汚染された地下水においても、上記脱窒反応を利用すれば、窒素除去をおこなうことが可能となる。
汚染物質を除去しようとする土壌又は地下水中の嫌気環境下で棲息する脱窒菌が自生して存在する場合は、その菌を利用することが可能である。自生する脱窒菌が利用できない場合は、汚染土壌、あるいは地下水環境で棲息できる脱窒菌を含む土壌、あるいは、脱窒菌を含む水あるいは培養液を添加することが望ましい。土壌を掘り返したり、スラリー状にしたりして、脱窒菌を可能な限り均一に添加することも可能である。
脱窒反応を適用した、汚染土壌や汚染地下水の浄化においては、汚染土壌や汚染地下水への酸素供給は不要となり、連続的な曝気や土壌の掘り返しなどの作業・エネルギーコストを削減できる。汚染地下水の浄化においては、地下水揚水や汚染物質である亜硝酸性窒素や硝酸性窒素を除去するための水処理に要するコストを削減できる。
以上のように、本発明は新規な塩基配列を有する脱窒菌を用いて、土壌の汚染物質あるいは地下水中の亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素を分解除去する方法とこの脱窒菌のモニタリング方法を提供するものである。
以下、本発明の新規脱窒菌を用いた土壌あるいは地下水の浄化方法について具体的に説明する。
まず、本発明者は脱窒反応を用いた土壌の汚染物質、あるいは地下水中の亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素の分解除去をになう脱窒菌を、その16S rRNA遺伝子のDNAの塩基配列の、大腸菌の同遺伝子で506番目の塩基から907番目の塩基の領域(506f〜907rと略す)に相当するDNAの塩基配列を特定することに成功した。すなわち、これら脱窒菌として以下の表1に示す既知の脱窒菌と近縁な新規な塩基配列を有する脱窒菌を特定した。さらにこれらの新規な塩基配列を用いて浄化を行う脱窒菌のモニタリングを可能にした。
表1に示した各脱窒菌は単独で用いることも可能であるが、複数種の脱窒菌を組み合わせて用いることも可能である。
次に、本発明の新規脱窒菌を用いた原油及び原油から精製された石油製品に起因する油分、石炭製品に起因する油分、動植物油、ベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素、フェナントレン、フルオレンやピレンなどを主体とする多環芳香族炭化水素類、テトラクロロエチレンやトリクロロエチレンなどを主体とする含ハロゲン炭化水素に汚染された土壌の浄化方法について説明する。
汚染土壌に自生している脱窒菌を利用する場合、脱窒菌が存在しているか否か確認することが望ましい。この場合、本発明の配列番号1〜7の塩基配列に基づいて、本発明の脱窒菌をPCR法、FISH法などにより確認することが可能であり、自生している場合は浄化にそのまま用いることができる。また、これら本発明の脱窒菌の存在が確認できない場合には、脱窒菌を添加することになる。本発明の脱窒菌を含む土壌と汚染土壌を混合する、あるいは、脱窒菌を含む土壌と水の混合物であるスラリーとして、土壌中に注入して添加する、あるいは、脱窒菌を含む水や培養液を汚染土壌に注入添加して、浸透、拡散させる。尚、本発明の脱窒菌の入手方法であるが、これら脱窒菌は石炭製品に起因する油分に汚染された土壌中に多く存在するので、利用することができる。また、本発明者は、本発明の脱窒菌を含む土壌を保有しており、提供することは可能である。
汚染土壌への添加水を準備する。硝酸イオン又は亜硝酸イオンを淡水、海水又は海水と淡水の混合水に溶解させる。硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含む薬品としては硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムなどを用いればよい。水源が淡水単独の場合、微生物の増殖に必要な微量栄養元素源を加える必要がある場合があるので、海水が容易に得られる場合はこれを用いることが望ましい。海水を用いる理由としては、微生物処理に必要なミネラルなど微量栄養元素を含有していること、pH緩衝能があること、安価であること、水温がほぼ一定であることなどがあげられる。淡水と海水を混合して用いても構わない。汚染土壌の近辺に下水処理場や食品工場、製鉄所などがあり、硝酸イオンあるいは亜硝酸イオンを含有する活性汚泥処理水を容易に得ることができればこれらを全量又は一部用いても構わない。特に製鉄所コークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水は、元々海水を混合させて処理しているため、海水を50〜70容積/容積%程度含有している。また、水温も30〜38℃近くで一定しているため、冬場の微生物活性が低下する時期には最適である。また、微生物の栄養源であるリンなども含有している。このため、汚染土壌を洗浄する水として用いることができる。次に浄化方法であるが、汚染土壌は、例えば、非透水性の自然地盤又は人工シートで透水阻止をはかった人工地盤上に堆積させる。この後、汚染土壌の上部から硝酸イオン又は亜硝酸イオンを含有した淡水又は海水あるいは海水と淡水の混合水をポンプで汚染土壌の表面に均一に散布する。添加水中に一部の汚染物質は溶出するが、この水を土壌下部において集水し、集水した水を再びポンプで汚染土壌の表面に均一に散布するように循環使用することが排水規制遵守と薬品コスト削減の理由から望ましい。汚染土壌を、鋼矢板などで囲い、下部もシートなどで遮水した構造の内部に、堆積・集積させ、この中に硝酸イオンあるいは亜硝酸イオンを含有した淡水又は海水あるいは海水と淡水の混合水を添加し、汚染土壌をこの水中に湛水させてもかまわない。
本発明の新規脱窒菌が、汚染土壌に添加された水中、循環する水中、あるいは湛水中の硝酸イオン又は亜硝酸イオンをもちいた呼吸により、水素供与体となる汚染物質を分解する。また、硝酸イオン又は亜硝酸イオン中の硝酸性窒素又は亜硝酸性窒素は無害な窒素ガスに還元され、放散される(脱窒反応)。このようにして汚染物質は分解除去される(式(3)〜式(4)参照)。
土壌の汚染物質としては、生物分解可能な有機物であれば特定しないが、原油及び原油から精製された石油製品に起因する油分、石炭製品に起因する油分、動植物油、ベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素、フェナントレン、フルオレンやピレンなどを主体とする多環芳香族炭化水素類、テトラクロロエチレンやトリクロロエチレンなどを主体とする含ハロゲン炭化水素の除去に用いることができる。
次に、本発明の新規脱窒菌を用いた、亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素で汚染された地下水の浄化方法について説明する。本発明が浄化の対象とする地下水は、畑や畜産場周辺の土壌など、窒素汚染が問題となる土壌に接している地下水である。このような土壌に接する地下水に対して、汚染土壌に自生している脱窒菌を利用する場合、脱窒菌が存在しているか否か確認することが望ましい。この場合、本発明の配列番号1〜7の塩基配列に基づいて、本発明の脱窒菌をPCR法、FISH法などにより確認することが可能であり、自生している場合は浄化にそのまま用いることができる。また、これら本発明の脱窒菌の存在が確認できない場合には、脱窒菌を添加することになる。本発明の脱窒菌を含む土壌と汚染土壌を混合する、あるいは、脱窒菌を含む土壌と水の混合物であるスラリーとして、土壌中に注入して添加する、あるいは、脱窒菌を含む水や培養液を汚染土壌に注入添加して、浸透、拡散させる。なお、本発明の脱窒菌の入手方法であるが、これら脱窒菌は石炭製品に起因する油分に汚染された土壌中に多く存在するので、利用することができる。また、本発明者は、本発明の脱窒菌を含む土壌を保有しており、提供することは可能である。
本発明の脱窒菌は酸素が利用できない嫌気条件下で硝酸性窒素又は亜硝酸性窒素を還元して、式(3)、式(4)に基づいて、水素供与体が存在すれば脱窒反応により窒素を除去することが可能である。通常、土壌中には有機物質等、豊富な水素供与体が存在するため、新たに水素供与体を加えなくても、本発明の脱窒菌により窒素除去することが可能である。脱窒菌の活性を維持するため、嫌気環境の目安として、ORP(酸化還元電位)が0(mV 銀−塩化銀電極基準)未満に保たれることが望ましい。土壌には、酸素を消費する微生物がいるため、空気曝気等による酸素の供給を断つことにより、このような嫌気環境は容易につくることができる。但し、脱窒反応はこれ以上のORP値でも起こるので、この値に限定されるものではない。また、温度は15℃以上40℃以下の範囲に保たれることが望ましい。本発明では、汚染地下水を揚水しなくても、地中で上記のように脱窒反応がすすむので、亜硝酸性窒素や硝酸性窒素を除去できる。揚水のための設備コストを省略できるメリットがある。
なお、配列番号1〜7に示す新規な塩基配列に基づいて、脱窒菌をモニタリングすることが可能である。例えば、配列番号1〜7に示す新規な塩基配列の全体又は一部とストリンジェント条件下でハイブリダイズするFISH(Fluoresent In Situ Hybridization)用DNAプローブやPCRプライマーを作製して、FISH、PCR−DGGE(DGGE: Denatured Gradient Gel Electrophoresis)などにより土壌浄化に関わる脱窒菌の存在量の増減を確認することができ、モニタリングが可能である。
例えば、土壌中の脱窒菌の増減の経時変化は、配列番号1〜7の塩基配列又はその一部に基づいて、上記のPCR−DGGEを行うことにより、各脱窒菌に該当するDNAのバンドの濃淡から、可視的に脱窒菌の経時的な増減をモニタリングすることができる。あるいは、何カ所か異なる空間位置から土壌サンプルを採取して、その土壌中の脱窒菌に対して、配列番号1〜7の塩基配列の一部に基づいて、上記のFISHを適用すれば、共焦点レーザー蛍光顕微鏡などを用いて蛍光強度から脱窒菌の存在量の空間的分布を測定することができる。なお、本発明の脱窒菌は、土壌及び地下水の浄化に直接関わる菌であるので、本発明の脱窒菌が増殖するほど、浄化性能も高くなる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明の内容は実施例の内容に限られるものではない。
実施例1:硝酸イオンを含有した海水と淡水を等体積で混合した水(海水:淡水の体積比1:1)を添加することによる油分及びPAHsに汚染された土壌の浄化と脱窒菌のモニタリング
コールタールで汚染されたガス精製工場跡地の土壌に本方法を適用した。汚染土壌は当初、油分汚染がノルマル・ヘキサン抽出物質含有量として7000mg/kg−乾燥重量土壌であり、また、米国環境保全局(EPA)に指定された16種類の多環芳香族炭化水素類(PAHs)の含有量の和(Total−PAHs)が1040mg/kg−乾燥重量土壌(溶媒抽出−GCMS(ガスクロマトグラフ質量分析計)法で測定)とPAHsにも汚染された土壌であった。この汚染土壌1kgに海水と淡水を等体積で混合した水(海水:淡水の体積比1:1)に硝酸イオンを硝酸性窒素濃度として100mg/L溶かした水をpH8に調整したものを200mL添加し、撹拌後20℃で静置した。一日に一回、土壌を撹拌し、水の蒸発による土壌含水率の低下をふせぐため、蒸発した水の相当量の蒸留水を補充するとともに、酸性化する傾向があるため水酸化ナトリウムの溶液を用いてpHを8に維持するようにした。脱窒菌の至適pHが8前後のため、酸性化すると脱窒菌の活性が低下するためである。土壌中の酸化還元電位は−100mV(飽和塩化カリウム 銀/塩化銀電極基準、以下同じ)以上−20mV以下に維持されており還元的な環境になっていることを確認した。
硝酸イオン(硝酸性窒素として100mg/L)を含む海水と淡水を等体積で混合した水(海水:淡水の体積比1:1)の添加を開始してから60日間処理した。図1及び図2に示すように、油分(ノルマル・ヘキサン抽出物質)含有量とPAHs含有量の削減効果がみられた。ノルマル・ヘキサン抽出物質含有量は当初の7000mg/kg−乾燥重量土壌から700mg/kg−乾燥重量土壌まで90%低下した。また、16成分のTotal−PAHs含有量は当初の1040mg/kg−乾燥重量土壌 から 360mg/kg−乾燥重量土壌 まで(除去率:66%)低下した。以上のように、油分汚染とPAHs汚染に対して浄化効果が認められた。
さらに処理過程での土壌中の微生物を16S rRNA遺伝子の大腸菌の同遺伝子で506番塩基から907番塩基に相当する領域についてPCR−DGGEにより解析した。
解析は以下のようにおこなった。浄化処理工程において、土壌を経時的に採取した。土壌試料20gを緩衝液(100mM Tris−HCl(pH9.0)、40mM EDTA)に懸濁してホモジナイザーにより分散した。次いで、塩化ベンジル法によりDNAを抽出した。抽出したDNAはエタノール沈澱で濃縮回収した。回収したDNAについて GFXTM PCR DNA and Gel Band Purification Kit (Amersham) を用いてDNAを精製して土壌からの夾雑物を除いた。精製したDNAを鋳型としてPCR法によりDNAの検出感度を上げるとともに、DGGE法によりわずかな塩基配列の違いでも検出できるようにした。使用したプライマーを以下の表2に示す。
DNAポリメラーゼはAmpliTaq GoldTM(Applied Biosystems),サーマルサイクラーにはGeneAmp PCR System 9600 (Applied Biosystems) を用いた。PCRの条件は、94℃、 7min + (94℃、 30sec、65〜55℃、60sec、72℃、90sec)× 20サイクル(ここで2サイクル毎にアニーリング温度を1℃下げた(65〜55℃))+(94℃、30sec、55℃、60sec、72℃、90sec)×15サイクル+72℃、10min として実施した。PCR産物はQIA quick PCR Purification Kit (QIAGEN) で精製した。このPCR産物の確認には2%アガロースゲルを用いて電気泳動した。泳動後、ゲルをエチジウムブロマイド染色して紫外線照射下で、マーカーDNA Ladder (TAKARA) と比較して、目的の長さのDNA断片が増幅されていることを確認した。精製されたDNAはDcode DGGE Complete System (BioRad) を用いて DGGE 解析した。変性剤として尿素を使用した。変性剤濃度勾配は電気泳動方向に30% → 60% とし、ポリアクリルアミドゲル濃度は 5% → 10% とした。泳動条件は電圧 130Vで7時間泳動した。泳動後、ゲルをCyber Green (TAKARA) で染色して、UV310nm 照射下でDGGE後のDNAバンド像をCCDカメラで撮影した。DGGEの結果を、各DNAバンドの塩基配列に近縁な微生物との相同性(単位%)と共に、図3に示す。図3より浄化処理中の土壌に本発明の脱窒菌の棲息が確認された。また、処理の進行にともない、微生物群集構造が大きく変化していることが明らかになった。60日間の微生物作用による処理で、各微生物の存在量の目安となるDNAバンドの濃さの変化をデンシトメーターなどを用いて測定し、経時的に微生物の菌相が変化する様子をモニタリングできた。
実施例2:亜硝酸イオンを含有した海水を添加することによる油分及びPAHsに汚染された土壌の浄化と脱窒菌のモニタリング
石炭系油分で汚染されたガス精製工場跡地の土壌に本方法を適用した。汚染土壌は当初、油分汚染がノルマル・ヘキサン抽出物質含有量として7000mg/kg−乾燥重量土壌であり、また、米国環境保全局(EPA)に指定された16種類の多環芳香族炭化水素類(PAHs)の含有量の和(Total−PAHs)が1240mg/kg−乾燥重量土壌(溶媒抽出−GCMS(ガスクロマトグラフ質量分析計)法で測定)含んでおり、PAHsにも汚染されていた。この汚染土壌1kgに海水に亜硝酸イオンを亜硝酸性窒素濃度として100mg/L溶かした水をpH8に調整したものを200mL添加し、撹拌後20℃で静置した。一日に一回、土壌を撹拌し、水の蒸発による土壌含水率の低下をふせぐため、蒸発した水の相当量の上記添加液、ただし海水由来の塩分濃縮を防ぐために、淡水に溶解させた添加液を補充するとともに、酸性化する傾向があるため水酸化ナトリウムの溶液を用いてpHを8に維持するようにした。土壌中の酸化還元電位は−100mV(飽和塩化カリウム 銀/塩化銀電極基準、以下同じ)以上−20mV以下に維持されており還元的な環境になっていることを確認した。
亜硝酸イオン(亜硝酸性窒素として100mg/L)を含む海水の添加を開始してから60日間処理した。図4及び図5に示すように、油分(ノルマル・ヘキサン抽出物質)含有量とPAHs含有量の削減効果がみられた。ノルマル・ヘキサン抽出物質含有量は当初の7000mg/kg−乾燥重量土壌から500mg/kg−乾燥重量土壌まで93%低下した。また、16成分のTotal−PAHs含有量は当初の1240mg/kg−乾燥重量土壌 から 230mg/kg−乾燥重量土壌 まで(除去率:82%)低下した。以上のように、油分汚染とPAHs汚染に対して浄化効果が認められた。
さらに処理過程での土壌中の微生物を16S rRNA遺伝子の大腸菌の同遺伝子で506番塩基から907番塩基に相当する領域についてPCR−DGGEにより解析した。
解析は以下のようにおこなった。浄化処理工程において、土壌を経時的に採取した。土壌試料20gを緩衝液(100mM Tris−HCl(pH9.0)、40mM EDTA)に懸濁してホモジナイザーにより分散した。次いで、塩化ベンジル法によりDNAを抽出した。抽出したDNAはエタノール沈澱で濃縮回収した。回収したDNAについて GFXTM PCR DNA and Gel Band Purification Kit (Amersham) を用いてDNAを精製して土壌からの夾雑物を除いた。精製したDNAを鋳型としてPCR法によりDNAの検出感度を上げるとともに、DGGE法によりわずかな塩基配列の違いでも検出できるようにした。PCRプライマーは先の表2に示したものを用いた。
DNAポリメラーゼはAmpliTaq GoldTM(Applied Biosystems),サーマルサイクラーにはGeneAmp PCR System 9600 (Applied Biosystems) を用いた。PCRの条件は、94℃、 7min + (94℃、 30sec、65〜55℃、60sec、72℃、90sec)× 20サイクル(ここで2サイクル毎にアニーリング温度を1℃下げた(65〜55℃))+(94℃、30sec、55℃、60sec、72℃、90sec)×15サイクル+72℃、10min として実施した。PCR産物はQIA quick PCR Purification Kit (QIAGEN) で精製した。このPCR産物の確認には2%アガロースゲルを用いて電気泳動した。泳動後、ゲルをエチジウムブロマイド染色して紫外線照射下で、マーカーDNA Ladder (TAKARA) と比較して、目的の長さのDNA断片が増幅されていることを確認した。精製されたDNAはDcode DGGE Complete System (BioRad) を用いて DGGE 解析した。変性剤として尿素を使用した。変性剤濃度勾配は電気泳動方向に30% → 60% とし、ポリアクリルアミドゲル濃度は 5% → 10% とした。泳動条件は電圧 130Vで7時間泳動した。泳動後、ゲルをCyber Green (TAKARA) で染色して、UV310nm 照射下でDGGE後のDNAバンド像をCCDカメラで撮影した。DGGEの結果を、各DNAバンドの塩基配列に近縁な微生物との相同性(単位%)と共に、図6に示す。図6より浄化処理中の土壌に本発明の脱窒菌の棲息が確認された。また、処理の進行にともない、微生物群集構造が大きく変化していることが明らかになった。60日間の微生物作用による処理で、各微生物の存在量の目安となるDNAバンドの濃さの変化から、経時的に微生物の菌相が変化する様子をモニタリングできた。
参考例:硝酸汚染している地下水への脱窒菌添加による窒素除去
硝酸性窒素濃度が43mg/Lと窒素汚染している地下水を採取して、0.2μmろ過により無菌化処理した。また、地下水採取位置近傍の土壌を採取して、オートクレーブ処理にて無菌化した土壌を用意した。無菌化した地下水1Lと、無菌化した土壌1kgを混合して、図7に示すように密栓できる2Lの容器2本にそれぞれ等量ずつ入れた。一方には、配列番号1に示す塩基配列を有するチオバシルス・ディニトリフィカンス(Thiobacillus denitrificans)近縁の脱窒菌の培養液(菌体濃度 1×108個/mL)を1mL添加して混合したものとした。培養液の組成は、NaHPO 1.2g/L、KHPO 1.8g/L、MgSO・7HO 0.1g/L、(NH SO 0.1g/L、CaCl 0.03g/L、FeCl 0.02g/L、MnSO 0.02g/L、Na 10g/L、NaHCO 0.5g/L、KNO 5g/Lである。
もう一方は、菌体を全く加えず、無菌のままとして、それぞれ密栓して空気の流入を防いで20℃で30日間静置した。30日後容器内の地下水を回収して、硝酸性窒素濃度を測定した。図8に示すように、本発明の脱窒菌を添加した場合、地下水中の硝酸性窒素濃度は0.1mg/L未満に減少しており、窒素汚染が解消していた。一方、無菌の場合では、地下水中の硝酸性窒素濃度は40mg/Lであり、ほとんど変化が見られなかった。
実施例3:脱窒反応の確認
配列番号1〜7の塩基配列をその16S rRNA遺伝子の一部に有する7種類の微生物を含む土壌と近接した位置に存在している土壌の一部を採取して、そのDNAを塩化ベンジル法によりDNAを抽出した。抽出したDNAはエタノール沈澱で濃縮回収した。回収したDNAについて GFXTM PCR DNA and Gel Band Purification Kit (Amersham) を用いてDNAを精製して夾雑物を除いた。精製したDNAを鋳型としてPCR法によりDNAの検出感度を上げるとともに、DGGE法によりわずかな塩基配列の違いでも検出できるようにした。PCRプライマーは先の表2に示したものを用いた。
DNAポリメラーゼはAmpliTaq GoldTM(Applied Biosystems),サーマルサイクラーにはGeneAmp PCR System 9600 (Applied Biosystems) を用いた。PCRの条件は、94℃、 7min + (94℃、 30sec、65〜55℃、60sec、72℃、90sec)× 20サイクル(ここで2サイクル毎にアニーリング温度を1℃下げた(65〜55℃))+(94℃、30sec、55℃、60sec、72℃、90sec)×15サイクル+72℃、10min として実施した。PCR産物はQIA quick PCR Purification Kit (QIAGEN) で精製した。このPCR産物の確認には2%アガロースゲルを用いて電気泳動した。泳動後、ゲルをエチジウムブロマイド染色して紫外線照射下で、マーカーDNA Ladder (TAKARA) と比較して、目的の長さのDNA断片が増幅されていることを確認した。精製されたDNAはDcode DGGE Complete System (BioRad) を用いて DGGE 解析した。変性剤として尿素を使用した。変性剤濃度勾配は電気泳動方向に30% → 60% とし、ポリアクリルアミドゲル濃度は 5% → 10% とした。泳動条件は電圧 130Vで7時間泳動した。泳動後、ゲルをCyber Green (TAKARA) で染色して、UV310nm 照射下でDGGE後のDNAバンド像をCCDカメラで撮影した。配列番号1〜7の塩基配列をその16S rRNA遺伝子の一部に有する7種類の微生物を含む土壌から抽出したDNAと、この土壌に近接した位置の土嚢の一部を採取した複数の土壌試料から抽出したDNAに対して、上記のPCRとDGGEによる解析を同様に実施して、DGGEでは並べて電気泳動した。配列番号1〜7の塩基配列に相当する各DNAバンドのうち、配列番号1〜7のそれぞれの塩基配列に相当するDNAバンドが検出される土壌サンプルを得た。このようにして、配列番号1〜7の塩基配列をその16S rRNA遺伝子の一部に有する7種類の微生物がそれぞれを優占的に存在していることをDGGEで確認した土壌試料それぞれを、滅菌処理された培養液(NaHPO 1.2g/L、KHPO 1.8g/L、MgSO・7HO 0.1g/L、(NH)2SO 0.1g/L、CaCl 0.03g/L、FeCl 0.02g/L、MnSO 0.02g/L、Na 10g/L、NaHCO 0.5g/L、KNO 5g/L、NaCl 15g/L)に添加して、無酸素状態で、30℃で72時間培養した後、水素供与体としてフェノール 0.6g/Lを添加し、更に、24時間30℃無酸素条件で、培養した。一方、対照として、オートクレーブで滅菌した土壌試料についても同様の試験を併行して行った。培養液中の全窒素濃度と硝酸性窒素濃度の変化を測定したところ、オートクレーブで滅菌した土壌を添加した培養液では、全窒素濃度と硝酸性窒素濃度は共に初期濃度と比べて全く減少しなかった。一方、微生物を添加した場合には、全窒素濃度と硝酸性窒素濃度は共に初期濃度に比べて85%〜95%減少したことから、上記7種類の微生物による脱窒反応を確認した。
実施例1に係る、汚染土壌からの油分(n−ヘキサン抽出物質)の除去結果である。 実施例1に係る、60日間のバイオレメディエーションによる汚染土壌からの16種類のPAHsの除去結果である。 実施例1に係る、60日間のバイオレメディエーションにおける微生物相の変化をDGGEによりモニタリングし、かつ、微生物をDNAの塩基配列に基づいて特定した結果である。 実施例2に係る、汚染土壌からの油分(n−ヘキサン抽出物質)の除去結果である。 実施例2に係る、60日間のバイオレメディエーションによる汚染土壌からの16種類のPAHsの除去結果である。 実施例2に係る、60日間のバイオレメディエーションにおける微生物相の変化をDGGEによりモニタリングし、かつ、微生物をDNAの塩基配列に基づいて特定した結果である。 実施例3に記載の密栓できる容器に、地下水と土壌の混合物を入れたときの概要図である。 実施例3に係る、硝酸性窒素の除去結果である。
符号の説明
1…密栓用フタ
2…地下水と土壌の混合物
3…容器

Claims (5)

  1. 土壌中の脱窒菌の塩基配列に基づく検出により、16SrRNA遺伝子中に配列番号1に示す塩基配列を有するチオバシルス・ディニトリフィカンス(Thiobacillus denitrificans)近縁の脱窒菌、又は、16SrRNA遺伝子中に配列番号2若しくは3に示す塩基配列を有するステロリバクテリウム・ディニトリフィカンス(Sterolibacterium denitrificans)近縁の脱窒菌、又は、16SrRNA遺伝子中に配列番号4若しくは5に示す塩基配列を有するステノトロフォモナス・ナイトライティリデュウセンス(Stenotrophomonas nitritireducens)近縁の脱窒菌、又は、16SrRNA遺伝子中に配列番号6若しくは7に示す塩基配列を有するディアフォロバクター・ニトロリデュウセンス(Diaphorobacter nitroreducens)近縁の脱窒菌の内の1種又は2種以上の存在が確認された土壌を、硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む水と共に、汚染土壌に添加し、或いは、前記検出により前記脱窒菌の内の1種又は2種以上の存在が確認された汚染土壌に、硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素を含む水を添加し、嫌気条件下で、前記汚染土壌中の汚染物質を分解することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  2. 前記汚染物質が、原油および原油から精製された石油製品に起因する油分、石炭製品に起因する油分、動植物油、ベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素、フェナントレン、フルオレン若しくはピレンを主体とする多環芳香族炭化水素、テトラクロロエチレン若しくはトリクロロエチレンを主体とする含ハロゲン炭化水素の内の1種又は2種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌の浄化方法。
  3. 前記嫌気条件が、飽和塩化カリウム銀/塩化銀電極基準の酸化還元電位で、−100mV以上−20mV以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の汚染土壌の浄化方法。
  4. 前記脱窒菌の内の1種又は2種以上が、前記配列番号1に示す塩基配列を有するチオバシルス・ディニトリフィカンス(Thiobacillus denitrificans)近縁の脱窒菌、前記配列番号2に示す塩基配列を有するステロリバクテリウム・ディニトリフィカンス(Sterolibacterium denitrificans)近縁の脱窒菌、前記配列番号4に示す塩基配列を有するステノトロフォモナス・ナイトライティリデュウセンス(Stenotrophomonas nitritireducens)近縁の脱窒菌、及び、前記配列番号6に示す塩基配列を有するディアフォロバクター・ニトロリデュウセンス(Diaphorobacter nitroreducens)近縁の脱窒菌であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法。
  5. 前記脱窒菌の内の1種又は2種以上が、前記配列番号1に示す塩基配列を有するチオバシルス・ディニトリフィカンス(Thiobacillus denitrificans)近縁の脱窒菌、前記配列番号3に示す塩基配列を有するステロリバクテリウム・ディニトリフィカンス(Sterolibacterium denitrificans)近縁の脱窒菌、前記配列番号5に示す塩基配列を有するステノトロフォモナス・ナイトライティリデュウセンス(Stenotrophomonas nitritireducens)近縁の脱窒菌、及び、前記配列番号7に示す塩基配列を有するディアフォロバクター・ニトロリデュウセンス(Diaphorobacter nitroreducens)近縁の脱窒菌であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の汚染土壌の浄化方法。
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