JP2005140322A - 角部の応力集中防止構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、耐久性を向上させると同時に、原価を低減させることができる、角部の応力集中防止構造を提供することである。
【解決手段】本発明に係る角部の応力集中防止構造は、角部のうちの少なくとも一つの地点に形成されて、応力が集中する応力集中部、及び前記応力集中部の断面積が拡大されるように、前記応力集中部を基準に左右に形成される複数のラウンド部を含む構造とすることにより、前記角部の耐久性を向上させることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は応力集中防止構造に関し、より詳しくは、耐久性が向上した角部の応力集中防止構造に関する。
一般に、応力集中防止構造は、部材のうちの最も弱い部位に適用される。一例として、エンジンのシリンダーブロックにおいては、ベアリングキャップの装着部の角部が最も弱い部位であると言える。
従って、この角部のクラックを防止するために、多くの努力をしているのが実情である。
以下、図1(a)乃至図1(c)を参照して、従来の角部の応力集中防止構造について説明する。
まず、図1(a)に示すように、角部11を単純にラウンドさせることによって一つのラウンド部(R)を形成するものを挙げることができる。
しかしながら、このような角部の応力集中防止構造は、ラウンド部(R)の両端にクラックが発生する問題がある。
また、図1(b)に示すように、角部12を面取り(chamfer)した平面部(C)と平面部の端部をラウンドさせたラウンド部(R)とを備えるものを挙げることができる。
しかしながら、このような角部の応力集中防止構造は、平面部(C)でクラックが発生する問題がある。
特に、これらの構造が振動体であるエンジンのシリンダーブロックに適用される場合、クラックが発生する可能性は非常に高くなる。
つまり、応力は最も弱い部位であるベアリングキャップの装着部の角部に集中するため、角部に応力によって容易にクラックが発生することになる。
一方、図1(c)に示すように、角部の応力集中防止構造として、ローリングマシンで角部13をローリング加工して形成された円形陥没部(R)を備えたものを挙げることができる。
しかしながら、この角部の応力集中防止構造は、加工原価が高いという問題がある。
振動体であるエンジンのシリンダーブロックのベアリングキャップの装着部の金属疲労の軽減のためのベアリングキャップの構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、シリンダーブロック側の構造に関しては従来構造であり、上記問題点は解決されない。
特開平11−280752号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためのものであって、耐久性を向上させると同時に、原価を低減させることができる角部の応力集中防止構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明による角部の応力集中防止構造は、角部のうちの少なくとも一つの地点に形成されて、応力が集中する応力集中部、及び前記応力集中部の断面積が拡大されるように、前記応力集中部を基準に左右に形成される複数のラウンド部を含むことを特徴とする。
また、前記応力集中部は、前記応力が前記角部のうちのいずれか一方に偏らないように、前記角部の中央に形成されるのがより好ましい。
また、前記複数のラウンド部は、前記応力集中部を基準に左右各々に同一な大きさに形成される第1ラウンド部及び第2ラウンド部を含むのがさらに好ましい。
本発明による角部の応力集中防止構造は、次のような効果を奏する。
本発明の実施例によれば、応力が集中する角部の面積が広くなるので、クラックを防止することができる。つまり、角部を加工した部材の耐久性を向上させることができる。
また、本発明の実施例によれば、従来のようなローリングマシン及びローリング加工を必要としないので、原価を低減することができる。
以下、添付した図面を参照して、本発明による好ましい実施例を詳細に説明する。
図2は本発明の実施例による角部の応力集中防止構造を概略的に示した断面図である。本発明の実施例による角部の応力集中防止構造は、図2に示すように、角部20のうちの少なくとも一つの地点に形成されて、応力が集中する応力集中部21と、応力集中部21の断面積が拡大されるように、応力集中部21を基準に左右に形成される複数のラウンド部(R1、R2)とを含む。
特に、応力集中部21は、応力が角部20のうちのいずれか一方に偏らないように、角部20の中央に一つ形成されるのがより好ましい。
さらに、複数のラウンド部は、図2に示されているように、応力集中部21を基準に左右各々に同一な大きさに形成される第1及び第2ラウンド部R1、R2を含むのがさらに好ましい。
図面から分かるように、角部20の中央に応力集中部21を形成し、これを基準に左右に各々第1及び第2ラウンド部R1、R2が形成されることにより、相対的に応力集中部21の断面積は広くなる。もちろん、角部20の断面積全体も広くなる。
このように角部20の断面積が広く形成されることにより、応力が角部20に集中しても、クラックを防止することができる。
また、応力集中部21がその周囲に位置した第1、2ラウンド部R1、R2に比べてより外側に突出しているため、応力集中部21の断面積はその周囲の面積(R1、R2参照)に比べて相対的により広くなる。
従って、応力が応力集中部21に集中しても、クラックを防止することができることになる。
図3は本発明の実施例による角部の応力集中防止構造が適用されたエンジンのシリンダーブロックを示した概略図である。
図3に示すように、エンジンのシリンダーブロック30は、シリンダー31と、ベアリングキャップの装着部32とを含む。
そして、ベアリングキャップの装着部32は、角部33を有する。
従って、本発明の実施例による角部の応力集中防止構造を角部33に適用することができる。
具体的には、エンジンのシリンダーブロックは、図3に示すように、そのベアリングキャップの装着部32の角部33に、応力集中部33aと、複数のラウンド部R1、R2とを有する。
従って、ベアリングキャップの装着部32の角部33の断面積が広くなり、結果的に、クラックの発生を防止することができる。
以上で、本発明について、その好ましい実施例を説明したが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の本質的な技術範囲内で本発明の詳細な説明と異なる形態の実施例を実現することができる。本発明の技術範囲は特許請求の範囲に示されており、その範囲内にある差異点は本発明に含まれると解釈されるべきである。
(a)従来の技術による角部の応力集中防止構造を概略的に示した断面図である。(b)従来の技術による角部の応力集中防止構造を概略的に示した断面図である。(c)従来の技術による角部の応力集中防止構造を概略的に示した断面図である。 本発明の実施例による角部の応力集中防止構造を概略的に示した断面図である。 本発明の実施例による角部の応力集中防止構造が適用されたエンジンのシリンダーブロックを示した断面図である。
符号の説明
20、33 角部
21 応力集中部
R1、R2 複数のラウンド部
30 エンジンのシリンダーブロック
31 シリンダー
32 ベアリングキャップの装着部
33a 応力集中部

Claims (3)

  1. 角部のうちの少なくとも一つの地点に形成されて、応力が集中する応力集中部、及び前記応力集中部の断面積が拡大されるように、前記応力集中部を基準に左右に形成される複数のラウンド部を含む、角部の応力集中防止構造。
  2. 前記応力集中部は、前記応力が前記角部のうちのいずれか一方に偏らないように、前記角部の中央に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の角部の応力集中防止構造。
  3. 前記複数のラウンド部は、前記応力集中部を基準に左右各々に同一な大きさに形成される第1ラウンド部及び第2ラウンド部を含むことを特徴とする、請求項2に記載の角部の応力集中防止構造。
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