JP2007315256A - クランクキャップの固定構造 - Google Patents

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裕靖 小山
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Abstract

【課題】簡易な構成にてクランクキャップおよびクランクキャップボルトの変形を抑制すること。
【解決手段】クランクケース10は、クランクキャップ13の両側面部13a,13aを押さえるキャップ側面押さえ部10a,10aと、底面部13bを押さえるキャップ底面押さえ部10bを備えた。キャップ側面押さえ部10a,10aは、両側面部13a,13aの各下端部に対応する位置に設けた。クランクケースボルト16は、キャップ側面押さえ部10aの反クランクシャフト11側近傍に配設した。
【選択図】 図1

Description

この発明は、クランクキャップの固定構造に関し、更に詳しくは、簡易な構成にてクランクキャップおよびクランクキャップボルトの変形を抑制することができるクランクキャップの固定構造に関する。
図6は、従来のクランクキャップの固定構造をクランクシャフトの軸方向から見た部分断面図であり、後述する図7のB−B断面図である。図7は、従来のクランクキャップの固定構造を示す側面図である。
図6および図7に示すように、クランクキャップ13は、クランクシャフト11のジャーナル軸受部をシリンダブロック12に固定するために、クランクケース10内に配置され、クランクキャップボルト14によってシリンダブロック12に固定されている。また、クランクケース10は、クランクケースボルト16によってシリンダブロック12に固定されている。
なお、関連する従来技術として、クランクキャップがシリンダの軸線に対して側面方向から取り付けられたもの(たとえば、特許文献1参照)や、一対のスカート壁の両外側からボルトを挿通してクランクキャップを組み付け、クランクキャップの横方向の滑り防止等を図ったもの(たとえば、特許文献2参照)や、軸受キャップがロアブロックの鋳造成型時に一体に鋳込み成形されたもの(たとえば、特許文献3参照)等が公知である。
特開2004−245101号公報 特開2004−239195号公報 特開2000−291808号公報
しかしながら、図6および図7に示した従来のクランクキャップの固定構造は、クランクシャフト11の各ジャーナル軸受け部(図示せず)をシリンダブロック12に固定するクランクキャップ13は、クランクキャップボルト14のみによってシリンダブロック12に締結固定されている。
このため、クランクキャップ13およびクランクキャップボルト14は、エンジン運転時の爆発荷重や回転荷重によって、図6および図7に示すLH・RH方向、FR・RR方向へと変形し易いという課題があった。
また、これらの変形量が大きくなることで、各部に大きな応力が発生し、亀裂や破壊等に繋がり易くなる虞もあった。これらのことは、上記特許文献1〜3に係る従来技術にあっても同様である。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成にてクランクキャップおよびクランクキャップボルトの変形を抑制することができるクランクキャップの固定構造を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明の請求項1に係るクランクキャップの固定構造は、クランクケース内に配置され、クランクシャフトの軸受け部をシリンダブロックに固定するクランクキャップの固定構造において、前記クランクケースは、前記クランクシャフトの軸方向に沿って形成されている前記クランクキャップの両側面部の位置を規制するキャップ側面位置規制手段を備えるとともに、前記クランクキャップの底面部の位置を規制するキャップ底面位置規制手段を備えたことを特徴とするものである。
また、この発明の請求項2に係るクランクキャップの固定構造は、請求項1に記載の発明において、前記キャップ側面位置規制手段は、前記クランクキャップの両側面部と当接する当接面として形成されていることを特徴とするものである。
また、この発明の請求項3に係るクランクキャップの固定構造は、請求項1または2に記載の発明において、前記キャップ底面位置規制手段は、前記クランクキャップの底面部と当接する当接面として形成されていることを特徴とするものである。
また、この発明の請求項4に係るクランクキャップの固定構造は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記キャップ側面位置規制手段は、前記クランクキャップの両側面部の各下端部に対応する位置に設けられていることを特徴とするものである。
また、この発明の請求項5に係るクランクキャップの固定構造は、請求項1に記載の発明において、前記キャップ底面位置規制手段は、前記クランクケースに固定され、かつ前記クランクキャップの底面部を固定するボルト手段であることを特徴とするものである。
また、この発明の請求項6に係るクランクキャップの固定構造は、請求項1に記載の発明において、前記キャップ底面位置規制手段は、前記クランクケースに固定され、前記クランクキャップの底面部を支持するボルト手段であることを特徴とするものである。
また、この発明の請求項7に係るクランクキャップの固定構造は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の発明において、前記クランクケースを前記シリンダブロックに固定するクランクケースボルトは、前記キャップ側面位置規制手段の反クランクシャフト側近傍に配設されていることを特徴とするものである。
この発明に係るクランクキャップの固定構造(請求項1)によれば、クランクキャップの両側面部およびクランクキャップの底面部の位置を規制することができるので、クランクキャップおよびこれをシリンダブロックに固定するクランクキャップボルトの変形を抑制することができ、これらの亀裂・破壊を抑制することができる。
また、この発明に係るクランクキャップの固定構造(請求項2)によれば、当接面を設けるだけでよいため、クランクケースおよびクランクキャップの加工が容易になる。
また、この発明に係るクランクキャップの固定構造(請求項3)によれば、当接面を設けるだけでよいため、クランクケースおよびクランクキャップの加工が容易になる。
また、この発明に係るクランクキャップの固定構造(請求項4)によれば、エンジン運転時に、より大きな爆発荷重や回転荷重がかかるクランクキャップの箇所を効果的に押さえることができ、当該部分の変形を抑制することができる。
また、この発明に係るクランクキャップの固定構造(請求項5)によれば、ボルト手段による固定によって容易にクランクキャップの底面部の上下方向の位置を規制することができる。
また、この発明に係るクランクキャップの固定構造(請求項6)によれば、ボルト手段による支持によって容易にクランクキャップの底面部の上下方向の位置を規制することができる。
また、この発明に係るクランクキャップの固定構造(請求項7)によれば、クランクキャップとクランクケースとの当接面の動きを抑制することができる。
以下に、この発明に係るクランクキャップの固定構造の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、この発明の実施例1に係るクランクキャップの固定構造を示す部分断面図であり、クランクシャフトの軸方向から見たものである。また、この図1は、後述する図2のA−A断面図である。
また、図2は、クランクキャップの固定構造を示す側面図、図3は、キャップ側面押さえ部およびキャップ底面押さえ部を示す斜視図である。なお、以下の説明において、すでに説明した部材と同一もしくは相当する部材には、同一の符号を付して重複説明を省略または簡略化する。
図1〜3に示すように、クランクケース10は、クランクシャフト11の軸方向に沿って形成されているクランクキャップ13の両側面部13a,13aの位置を、当接することによって規制するキャップ側面押さえ部10a,10a(キャップ側面位置規制手段、当接面)を備えている。
これにより、エンジン運転時に、爆発荷重や回転荷重がかかっても、簡易な構成にてクランクキャップ13およびクランクキャップボルト14のLH・RH側への変形を抑制することができる。
また、キャップ側面押さえ部10a,10aは、クランクキャップ13の両側面部13a,13aの各下端部に対応する位置(クランクシャフト11から離れる側)に設けられている。
これにより、エンジン運転時に、より大きな爆発荷重や回転荷重がかかる箇所を更に効果的に押さえることができ、当該部分のLH・RH側への変形を抑制することができる。また、当接面として加工する範囲を最小限にとどめることができ、加工コストを低減することもできる。
また、クランクケース10は、クランクキャップ13の底面部13bの位置を、当接することによって規制するキャップ底面押さえ部10b(キャップ底面位置規制手段、当接面)を備えている。
これにより、クランクキャップ13の底面部13bとキャップ底面押さえ部10bの当接面の動きを抑制することができ、LH・RH側に加え、FR・RR側への変形を抑制することができる。
また、図1に示すように、クランクケースボルト16は、キャップ側面押さえ部10aの反クランクシャフト11側近傍に配設されている。なお、図3において、符号15は、クランクケースボルト16を固定するためのボルト穴を示している。
これにより、クランクキャップ13の両側面部13aとキャップ側面押さえ部10aの当接面の動きを抑制することができ、LH・RH側への変形を抑制することができる。
以上のように、この実施例1に係るクランクキャップの固定構造によれば、キャップ側面押さえ部10aおよびキャップ底面押さえ部10bという簡易な構成にて、クランクキャップ13およびクランクキャップボルト14の変形を抑制することができ、これらの亀裂・破壊を抑制することができる。
図4は、この発明の実施例2に係るクランクキャップの固定構造を示す部分断面図であり、クランクシャフト11の軸方向から見たものである。
上記実施例1では、クランクキャップ13の底面部13bをキャップ底面押さえ部10bによって押さえていたが、本実施例2は、キャップ底面押さえ部10bの代わりに固定ボルト(ボルト手段)20で固定するように構成したものである。その他の構成および作用は、上記実施例1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
以上のように、この実施例2に係るクランクキャップの固定構造によれば、キャップ側面押さえ部10aおよび固定ボルト20という簡易な構成にて、クランクキャップ13およびクランクキャップボルト14の変形を抑制することができる。
図5は、この発明の実施例3に係るクランクキャップの固定構造を示す部分断面図であり、クランクシャフト11の軸方向から見たものである。
上記実施例1では、クランクキャップ13の底面部13bをキャップ底面押さえ部10bによって押さえていたが、本実施例3は、キャップ底面押さえ部10bの代わりに支えボルト(ボルト手段)21で支えるように構成したものである。この支えボルト21としては、いわゆるタイボルトを用いることができる。
すなわち、この支えボルト21は、クランクケース10にねじ込み固定され、かつクランクキャップ13の底面部13bを下方から当接支持するように構成したものである。その他の構成および作用は、上記実施例1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
以上のように、この実施例2に係るクランクキャップの固定構造によれば、キャップ側面押さえ部10aおよび支えボルト21という簡易な構成にて、クランクキャップ13およびクランクキャップボルト14の変形、特に上下方向への変形を抑制することができる。
以上のように、この発明に係るクランクキャップの固定構造は、エンジンのクランクシャフトのジャーナル軸受け部をシリンダブロックに固定するクランクキャップに有用であり、特に、クランクキャップおよびクランクキャップボルトの変形抑制に適している。
この発明の実施例1に係るクランクキャップの固定構造を示す部分断面図である。 クランクキャップの固定構造を示す側面図である。 キャップ側面押さえ部およびキャップ底面押さえ部を示す斜視図である。 この発明の実施例2に係るクランクキャップの固定構造を示す部分断面図である。 この発明の実施例3に係るクランクキャップの固定構造を示す部分断面図である。 従来のクランクキャップの固定構造をクランクシャフトの軸方向から見た部分断面図である。 従来のクランクキャップの固定構造を示す側面図である。
符号の説明
10 クランクケース
10a キャップ側面押さえ部(キャップ側面位置規制手段)
10b キャップ底面押さえ部(キャップ底面位置規制手段)
11 クランクシャフト
12 シリンダブロック
13 クランクキャップ
13a 側面部
13b 底面部
14 クランクキャップボルト
15 ボルト穴
16 クランクケースボルト
20 固定ボルト(ボルト手段)
21 支えボルト(ボルト手段)

Claims (7)

  1. クランクケース内に配置され、クランクシャフトの軸受け部をシリンダブロックに固定するクランクキャップの固定構造において、
    前記クランクケースは、前記クランクシャフトの軸方向に沿って形成されている前記クランクキャップの両側面部の位置を規制するキャップ側面位置規制手段を備えるとともに、
    前記クランクキャップの底面部の位置を規制するキャップ底面位置規制手段を備えたことを特徴とするクランクキャップの固定構造。
  2. 前記キャップ側面位置規制手段は、前記クランクキャップの両側面部と当接する当接面として形成されていることを特徴とする請求項1に記載のクランクキャップの固定構造。
  3. 前記キャップ底面位置規制手段は、前記クランクキャップの底面部と当接する当接面として形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のクランクキャップの固定構造。
  4. 前記キャップ側面位置規制手段は、前記クランクキャップの両側面部の各下端部に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のクランクキャップの固定構造。
  5. 前記キャップ底面位置規制手段は、前記クランクケースに固定され、かつ前記クランクキャップの底面部を固定するボルト手段であることを特徴とする請求項1に記載のクランクキャップの固定構造。
  6. 前記キャップ底面位置規制手段は、前記クランクケースに固定され、前記クランクキャップの底面部を支持するボルト手段であることを特徴とする請求項1に記載のクランクキャップの固定構造。
  7. 前記クランクケースを前記シリンダブロックに固定するクランクケースボルトは、前記キャップ側面位置規制手段の反クランクシャフト側近傍に配設されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のクランクキャップの固定構造。
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