JP4495289B2 - チェーンのプレート形状 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動二輪車や産業用機械などの動力伝達に用いられる小型チェーン、及びコンベヤなどに使用されている大型チェーンを構成するプレートの形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
チェーンの破断形態には、ピンが破断する場合、ピンが外プレートから抜ける場合、外プレートや内プレートが破断する場合がある。そして、それぞれの部品寸法や硬さの設定により、何れか一つ又は複合した形態で破断が発生する。ピン及び外プレートからのピン抜け強度がプレートの強度より勝る場合にはプレートが破断する。逆に、プレート強度及びピン抜け強度が高い場合にはピンが切断する。
【0003】
ところで、産業用チェーンや自動二輪車用ドライブチェーンにおいて、上記強度の他に軽量化がある。定められたピッチ長さの中で強度と軽量化を両立させることが求められる訳で、必要な強度を維持したままで軽量化しようとする場合、個々の部品強度を高め、寸法を小さくする方法が考えられる。しかし、部品の硬さを高くすれば静的引っ張り強度はそれに連れて高くなる一方、脆くなり、衝撃や酸、熱疲労などに対して敏感になって耐久性は低下する。
【0004】
そこで硬さを変えずに軽くする方法としてはプレートの形状が考えられる。ピンの場合には唯一その径を小さくする方法しかなく、ピン径が小さくなればせん断及び曲げに影響して強度は直ちに低下することは明らかである。その為に強度を維持したままで軽量化を図るにはプレート形状を変えることしか残っていない。
【0005】
従来から使用されているチェーンのプレートは図1(a)に示すような小判型と図1(b)に示すひょうたん型が一般的である。小判型はひょうたん型に比較して疲れ強度は一般に高いが、重量は必然的に大きくなり、その為に必要とする強度の範囲内で中央にクビレを形成して軽量化を図っている。又疲れ強度は上記クビレの形状や寸法以外にもブシュやピンのしめ代など、他の因子の影響を受けることから、クビレを大きくした分の疲れ強さの低下を補うことが可能であり、バランスのとれた形状を作ることが出来る。
【0006】
引っ張り強度については、このクビレの影響が小さいことから、ガイドやテンショナーとの接触がない場合やその面圧が小さい場合にはクビレがある形状のプレートが一般的である。ところで、このひょうたん型プレートでは、プレート穴の中心と外周円弧の中心は一致しており、この場合の静的引っ張りによる破断形態は図1(c)に示しているように、ピッチ線を中心として約90°の角度をもってせん断する。すなわちこの部分に応力が集中する為である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようにチェーンの強度を維持した上で軽量化を図ることは容易ではない。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、軽くて耐久性の高いプレートを用いたチェーンを提供する。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
一般的なチェーンプレートの長さLは隣り合うリンクプレートとの接触を防ぐ為にチェーンピッチに対して2倍未満の長さに規制されている。又幅についても屈曲時の干渉を避ける為に、その大きさはチェーンピッチの長さ未満にしなければならない。従ってプレートの外周形状は穴中心と同一円で描かれた円弧とすることが最も単純で無駄の少ない形となる。
【0009】
ところが、この従来の一般的な形状において、チェーンに静的張力を負荷する場合、図1(c)に示しているように約90°の角度でせん断破壊する。すなわちこの部位が最も高い応力が作用している訳であって、それ以外の部分の寸法を小さくすることは可能である為に、強度を維持しながら軽量化を図ることが出来る。
【0010】
本発明ではひょうたん型プレートを基本形態とし、その両側端部を一部削除し、又両側部を一部削除する。上記側端部とは外周円弧の中心角度がピッチ線を中心として40°〜80°に設けた直線と円弧の両交点を結ぶ直線より外側の領域であり、側部とは外周円弧の中心角度がピッチ線を中心として100°〜140°に設けた直線と円弧との交点を通ってピッチ線と平行に引いた直線より外側の領域である。
【0011】
このように、プレート外周の一部を削除するならば、外周は円弧と直線の組合せで構成されるが、角張らないように実際には滑らかな曲線で形成する方が好ましい。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
【実施例】
図2は本発明に係るチェーンプレートを示している実施例であり、ひょうたん型プレートの両側部A、Aの部分、及び両側端部B、Bの部分、すなわち斜線部分を削除したプレート形状としている。この部分は前記図1(c)に示しているように破断部位から離れており、強度の低下を避けた上で重量を少なくすることが出来る。上記破断部位は応力が集中したが、本発明のように傾斜部分を削除することで破断部位への応力集中は解消される。
【0013】
ところで、プレート側端部のB部分は外周円弧1の中心角度がピッチ線O―Oを中心として40°〜80°に設けた直線と円弧の両交点2,2を結ぶ直線より外側の領域である。又側部のA部分とは外周円弧1の中心角度がピッチ線O―Oを中心として100°〜140°に設けた直線と円弧との交点3,3を通ってピッチ線O―Oと平行に引いた直線より外側の領域である。
【0014】
このようにプレート外周の一部を削除することで強度の低下を招くことなく重量を小さくすることが可能となるが、動力伝達用のドライブチェーンはガイドやテンショナーと組合わされる場合が多い。このような場合、プレートの外周を一部削除することで角部が残ったのではドライブに支障が生じることから、滑らかな曲線、又は滑らかな曲線と直線で結ぶことが好ましい。
【0015】
図3は本発明の他の実施例であり、プレート外周の一部を削除することで角部が残らない形状とした具体例である。同図の点線で示している形状は従来の一般的なひょうたん型プレート形状であり、実線が本発明のプレート形状を示している。このプレートは前記図2に示したプレート外周の削除部分を曲線で構成したものであり、円弧の中心位置をプレート穴の中心に対してピッチ線方向及びピッチ線に対して垂直方向にズラシ、半径R1、R2の円弧で結んでいる。
【0016】
このプレートには側部に直線部分aがあり、その端から半径R1の円弧bが連続し、円弧bには半径R2の円弧cが繋がっている。この円弧cの範囲はピッチ線を中心として40°〜80°となっている。ここで穴4の中心と外周円弧1の中心を一致して形成した従来のプレートにおける外周円弧の半径Rとの関係はR1<R<R2となっている。
【0017】
図4は本発明のプレートを示す他の実施例である。このプレートは穴4の中心より側端部へズラした点5を中心とした半径R3の円弧dと、プレートの中心からピッチ線に対して垂直線上の点6を中心とした半径R4の円弧eを滑らかに繋いで構成している。ここでθは約45°とし、前記図1(c)に示している破断部位が削除されないようにしている。点線が従来のプレート形状を示すように、このプレートは側端部が削除されていないが、R3を大きく(R3>R)して円弧dと繋ぐことで側端部を削除することも出来る。
【0018】
図3、図4は本発明の具体例に過ぎず、プレートの両側端部及び両側部を削除すると共に、外周が滑らかな曲線にて構成される形態は他にも色々ある。以上述べたように、本発明のチェーンプレートは側端部及び側部の一部を削除することで次のような効果を得ることが出来る。
【0019】
【発明の効果】
本発明のチェーンプレートは外周部の一部を削除している為にその重量は小さくなり、自動二輪車用のチェーンであれば質量の低下によって加速性能が向上し、又スプロケットへの噛み合い時に発生する衝撃は小さく、騒音を低下させることが出来る。そして、プレート外周部の削除は両側端部と両側部であって、プレートに応力が集中する箇所となる、穴を中心とした約90°部位は削除されることはなく、強度の低下を招くことなく重量だけが小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のチェーンプレート。
【図2】本発明のチェーンプレート。
【図3】角部を無くして外周部を削除したプレート。
【図4】角部を無くして外周部を削除したプレート。
【符号の説明】
1 外周円弧
2 交点
3 交点
4 穴
5 点
6 点
R 半径
Claims (2)
- ドライブチェーンを構成するひょうたん型プレートにおいて、強度を維持した上で軽量化を図るために両側端部及び両側部を削除し、側端部とは外周円弧の中心角度がピッチ線を中心として40°〜80°に設けた直線と円弧の両交点を結ぶ直線より外側の領域であり、側部とは外周円弧の中心角度がピッチ線を中心として100°〜140°に設けた直線と円弧との交点を通ってピッチ線と平行に引いた直線より外側の領域としたことを特徴とするチェーンのプレート形状。
- ドライブチェーンを構成するひょうたん型プレートにおいて、強度を維持した上で軽量化を図るために両側端部及び両側部を削除し、側端部とは外周円弧の中心角度がピッチ線を中心として40°〜80°に設けた直線と円弧の両交点を結ぶ直線より外側の領域であり、側部とは外周円弧の中心角度がピッチ線を中心として100°〜140°に設けた直線と円弧との交点を通ってピッチ線と平行に引いた直線より外側の領域とし、そして、上記側端部の削除部分を曲線で構成する為に、削除された側部の直線部分aの端から半径R1の円弧bが連続し、該円弧bにはピッチ線を中心とした上記40°〜80°の領域では半径R2の円弧cが繋がり、穴の中心と外周円弧の中心を一致して形成した従来の外周円弧半径Rとの関係をR1<R<R2としたことを特徴とするチェーンのプレート形状。
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