JP3905322B2 - サイレントチェーン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車やモーターサイクルのタイミングドライブ、あるいは、汎用エンジンやディーゼル機関や産業機械のチェーンドライブ等、動力伝達に使用されるサイレントチェーンに関するものであって、特に、エンジン用のタイミングチェーンとして好適なサイレントチェーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のサイレントチェーンの一例として、ブシュタイプのサイレントチェーン1を図4に示す。
このサイレントチェーン1は、図4の(A)、(B)に示すように、ガイドプレート2とリンク組立体3と中間リンクプレート6とが、チェーン幅方向に配置されると共に、長手方向にそれぞれ相互に位置をずらせて組み合わされて、すなわち指組状に組み合わされて、連結ピン7により屈曲自在に連結されたものである。
【0003】
ガイドプレート2は、図5に示すように、噛合い歯を備えてなく、一対のピン孔2aを有している。
リンク組立体3は、図6(A)、(B)に示すように、スプロケットの歯に噛み合う一対の歯4a及びブシュ用孔4bを有する内リンクプレート4の2枚が、ブシュ用孔4bに圧入した2個の(すなわち一対の)ブシュ5で連結固定されて一体化されたものである。
また、中間リンクプレート6は、図7に示すように、スプロケットの歯に噛み合う一対の歯6a及び一対のピン孔6bを有している。
【0004】
内リンクプレート4には、図6(A)、図8に示すように、外側面部4cと内側面部4dとからなる一対の歯4a、ブシュ5が圧入固定される一対のブシュ用孔4b、一対の歯4aが設けられた側の反対側に形成された背面部4e、外側面部4cと背面部4eとの間をつなぐ肩部4f等が形成されている。
なお、図8中のPは、ブシュ用孔の中心を結ぶピッチラインである。
【0005】
サイレントチェーン1は、図4(A)に示すように、チェーンの幅方向中央に2枚の中間リンクプレート6が配置され、その両外側にリンク組立体3が配置され、両最外側にガイドプレート2が配置されてなり、これらが相互に位置をずらせて指組状に組み合わされて、連結ピン7により屈曲自在に連結されたものである。
この場合、両最外側のガイドプレート2は、ピン孔2aに連結ピン7が圧入固定され、中間リンクプレート6は、ピン孔6aに連結ピン7が遊嵌又は圧入固定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
リンク組立体3を構成する内リンクプレート4には、ブシュ用孔4bにブシュ5が圧入固定されるため、中間リンクプレート6のピン孔6bに比べて一回り大きいブシュ用孔4bが形成されているので、中間リンクプレートなどに比べて、ブシュ用孔4bと内リンクプレート4の外郭部との距離が全体的に小さくなっている。
この場合、ブシュ用孔4bとピン孔6bとが同心円状となり、図8に示すように、ブシュ用孔4bと外側面部4cとの間の最短距離k’、ブシュ用孔4bと内側面部4dとの間の最短距離l’、ブシュ用孔4bと背面部4eとの間の最短距離m’、ブシュ用孔4bと肩部4fとの間の最短距離n’が比較的に小さくなる。
【0007】
通常、内リンクプレート4は、鋼板、帯鉄等の金属板からプレス打ち抜きにより形成されるが、この場合、まず内リンクプレート4の外郭形状に打ち抜かれ、次いでブシュ用孔4bが打ち抜かれるか、あるいは、まずブシュ用孔4bが打ち抜かれ、次いで外郭形状に打ち抜かれる。
ところが、いずれの場合も、内リンクプレートの外郭部とブシュ用孔4bとの距離が小さい部分で、プレス打ち抜きによる変形が生じやすいので、ブシュ用孔自体の真円精度が低下する。
【0008】
また、内リンクプレート4のブシュ用孔4bにブシュ5を圧入すると、距離が小さい部分で内リンクプレート4が変形し、それに伴って、圧入されたブシュ5の内径に歪みが発生する。
この場合、前記のように真円精度が低下したブシュ用孔4bに圧入すると、その影響をも受けてブシュ内径に歪みが大きく発生する。
すなわち、図8に示すように、内リンクプレートの歯4aの外側面部4c、内側面部4d、背面部4e、肩部4f等とブシュ用孔4bとの間の距離が最短となる部位K’、L’、M’、N’近傍でブシュ5内径の歪みが発生し、ブシュ内径の真円精度が低下する。
また、最短距離k’、l’、m’、n’のバランスが悪いと、ブシュ用孔に圧入されたブシュの内径の変形度合いが不均一となり、ブシュ内径の真円精度が低下し、場合によっては内リンクプレート4に対するブシュ5の垂直精度も低下する。
なお、ブシュ内径の変形を防止するために、ブシュの管板厚を厚くすることも考えられるが、連結ピンの強度(径)、内リンクプレートのサイズ等の関係で限度がある。
【0009】
従来、内リンクプレートについて、最短距離と板厚との関係に着目していなかったため、最短距離が板厚以上になる部分と、板厚以下になる部分とが混在することがあり、また、いずれかの各最短距離が内リンクプレートの板厚tに比べて小さすぎたりすることもあり、そのため上記のように、ブシュ内径の真円精度が低下したり、ブシュ用孔へのブシュ圧入時に距離が小さい部分で内リンクプレートが変形し、場合によっては破損するという問題があった。
【0010】
以上のように、ブシュ用孔に圧入されたブシュの内径の真円精度が低下したり、ブシュの内リンクプレートに対する垂直精度が低下すると、リンク組立体がチェーンに組み込まれて使用された場合、連結ピンとブシュ内周面との面圧が不均一になったり、連結ピンとブシュ内周面とが片当たりしたりするので、連結ピン及びブシュの摩耗が促進され、それに伴って、チェーンの摩耗伸びが促進されるという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、前述したような問題点、すなわち、リンク組立体を構成する内リンクプレートの外郭部とブシュ用孔との間の距離が小さい部分で生じがちなプレス打ち抜きによる変形に起因したブシュ用孔自体の真円精度の低下を解消するとともに、内リンクプレートのブシュ用孔にブシュが圧入された場合、ブシュ内径の変形度合いを均一化して、ブシュ内径の真円精度とブシュの内リンクプレートに対する垂直精度の向上を図ることにより、連結ピン及びブシュの摩耗を抑制でき、チェーンの摩耗伸びを抑制できるサイレントチェーンを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に係る本発明は、一対のブシュ用孔を有する内リンクプレートの少なくとも2枚が、それぞれのブシュ用孔に圧入した一対のブシュで連結固定されたリンク組立体と該リンク組立体を屈曲自在に連結する連結ピンが圧入固定されたガイドプレートとを備えてなるサイレントチェーンにおいて、前記リンク組立体を構成する内リンクプレートが、外側面部及び内側面部を有する一対の歯、該一対の歯が設けられた側の反対側に形成された背面部、外側面部と背面部との間をつなぐ肩部を有すると共に、前記ブシュ用孔と外側面部との間の最短距離をkとし、ブシュ用孔と内側面部との間の最短距離をlとし、ブシュ用孔と背面部との間の最短距離をmとし、ブシュ用孔と肩部との間の最短距離をnとしたとき、前記各最短距離k、l、m、nが、内リンクプレートの板厚t以上であり、且つ、前記各最短距離k、l、m、nの内の最大の最短距離と最小の最短距離との差が、最小の最短距離の30%以下であるという構成とする。
【0013】
【作用】
本発明のサイレントチェーンは、ブシュ用孔と外側面部との間の最短距離をkとし、ブシュ用孔と内側面部との間の最短距離をlとし、ブシュ用孔と背面部との間の最短距離をmとし、ブシュ用孔と肩部との間の最短距離をnとしたとき、前記各最短距離k、l、m、nが、内リンクプレートの板厚t以上であり、且つ、前記各最短距離k、l、m、nの内の最大の最短距離と最小の最短距離との差が、最小の最短距離の30%以下であるという構成によって、リンク組立体を構成する内リンクプレートを連結固定するブシュの真円精度と垂直精度の低下が防止され、その結果、連結ピン及びブシュの摩耗が抑制され、チェーンの摩耗伸びが抑制される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例1を図1に基づいて説明する。
本発明のサイレントチェーンは、図4に示す従来のサイレントチェーンとリンク組立体が異なる以外は相違するところがないので、サイレントチェーン全体像の図示を省略し、具体的構造の説明を簡略にし、前記従来のサイレントチェーンと同一態様部材については、同一符号を付して以下説明する。
【0015】
サイレントチェーンは、前記従来例のサイレントチェーン1と同様に、チェーンの幅方向中央に2枚の中間リンクプレート6が配置され、その両外側にリンク組立体(3)が配置され、両最外側にガイドプレート2が配置されてなり、これらが指組状に組み合わされて、連結ピンにより屈曲自在に連結された構成であり、ガイドプレート2は、スプロケットの歯に噛み合う歯を備えてなく、一対のピン孔2aを有し、中間リンクプレート6は、スプロケットの歯に噛み合う一対の歯6aと一対のピン孔6bを有している。
【0016】
また、リンク組立体は、前述したような従来のリンク組立体と同じように、スプロケットの歯に噛み合う一対の歯及びブシュ用孔を有する内リンクプレートの2枚が、それぞれのブシュ用孔に圧入した2個の(すなわち一対の)ブシュで連結固定されて一体化されたものである。
【0017】
図1には、リンク組立体を構成する内リンクプレート14が示され、内リンクプレート14には、外側面部14cと内側面部14dとを有する一対の歯14a、ブシュ5が圧入固定される一対のブシュ用孔14b、一対の歯14aが設けられた側の反対側に形成された背面部14e、外側面部14cと背面部14eとの間をつなぐ肩部14f等が形成されている。この肩部14fは、ブシュ用孔14bと略々同心円状の円弧で形成されている。
【0018】
図1において、Kは、ブシュ用孔14bと外側面部14cとの間が最短距離kとなる外側面部14cにおける部位、Lは、ブシュ用孔14bと内側面部14dとの間が最短距離lとなる内側面部14dにおける部位、Mは、ブシュ用孔14bと背面部14eとの間が最短距離mとなる背面部14eにおける部位、Nは、ブシュ用孔14bと肩部14fとの間が最短距離nとなる肩部14fにおける部位である。
これら各部位K、L、M、Nは、ブシュ用孔14bと同心円状の1個の仮想円14R近傍に点在し、k=l=m=nとなっている。また、各最短距離k、l、m、nは、いずれも内リンクプレートの板厚t以上である。
【0019】
上記のように、内リンクプレート14を形成すると、ブシュ用孔14bに圧入されたブシュ5は、その内径の変形が殆ど均一となるので、ブシュ内径の真円度が低下しない。
そのため、連結ピンとブシュ内周面との片当たりが防止されると共に、連結ピンとブシュ内周面との面圧が均一になり、連結ピン及びブシュの摩耗を抑制することができる。
その結果、内リンクプレート14で構成されたリンク組立体を備えたサイレントチェーンは、摩耗伸びが抑制される。
【0020】
実施例2を図2に基づいて説明する。
サイレントチェーンは、前記実施例1のサイレントチェーンと同様に、2枚の中間リンクプレート、リンク組立体、ガイドプレート等が指組状に組み合わされて、連結ピンにより屈曲自在に連結された構成である。
また、リンク組立体は、スプロケットの歯に噛み合う一対の歯及びブシュ用孔を有する内リンクプレートの2枚が、それぞれのブシュ用孔に圧入した2個のブシュで連結固定されて一体化されたものである。
【0021】
図2には、リンク組立体を構成する内リンクプレート24が示され、前記実施例1同様、内リンクプレート24には、外側面部24cと内側面部24dとを有する一対の歯24a、ブシュ5が圧入固定される一対のブシュ用孔24b、一対の歯24aが設けられた側の反対側に形成された背面部24e、外側面部24cと背面部24eとの間をつなぐ肩部24f等が形成されている。
【0022】
図2において、Kは、ブシュ用孔24bと外側面部24cとの間が最短距離kとなる外側面部24cにおける部位、Lは、ブシュ用孔24bと内側面部24dとの間が最短距離lとなる内側面部24dにおける部位、Mは、ブシュ用孔24bと背面部24eとの間が最短距離mとなる背面部24eにおける部位、Nは、ブシュ用孔24bと肩部24fとの間が最短距離nとなる肩部24fにおける部位である。
これら各部位K、L、M、Nは、ブシュ用孔24bと概略同心円状の1個の仮想円24R近傍に点在し、また、各最短距離k、l、m、nは、いずれも内リンクプレートの板厚t以上である。
【0023】
ここで、各部位K、L、M、Nがブシュ用孔24bと概略同心円状の1個の仮想円24R近傍に点在するということは、各最短距離が、k≒l≒m≒nの関係にあるということである。
内リンクプレートは、サイレントチェーンの耐摩耗性能のみを考えた場合、前記実施例1のように、各最短距離が等しいことが好ましい。しかし、サイレントチェーンの強度、スプロケット歯との噛合いを考慮した場合、各最短距離に僅かの差を生じさせなければならないことがある。
この差というのは、各最短距離k、l、m、nの内の、最大の最短距離と最小の最短距離との差が、最小の最短距離に対して30%以下の割合であれば、圧入されたブシュ内径の変形度合いが比較的均一となるが、50%を越えると圧入されたブシュ内径の変形度合いが不均一となりすぎるので、少なくとも30%以下が許容範囲である。
【0024】
上記のように、内リンクプレート24を形成すると、ブシュ用孔24bに圧入されたブシュ5は、その内径の変形度合いが殆ど均一となるので、ブシュ内径の真円度が低下しない。
そのため、連結ピンとブシュ内周面との片当たりが防止されると共に、連結ピンとブシュ内周面との面圧が均一になり、連結ピン及びブシュの摩耗を抑制することができる。
その結果、内リンクプレート24で構成されたリンク組立体を備えたサイレントチェーンは、摩耗伸びが抑制される。
【0025】
実施例3を図3に基づいて説明する。
サイレントチェーンは、前記実施例1のサイレントチェーンと同様に、2枚の中間リンクプレート、リンク組立体、ガイドプレート等が指組状に組み合わされて、連結ピンにより屈曲自在に連結された構成である。
また、リンク組立体は、スプロケットの歯に噛み合う一対の歯及びブシュ用孔を有する内リンクプレートの2枚が、それぞれのブシュ用孔に圧入した2個のブシュで連結固定されて一体化されたものである。
【0026】
図3には、リンク組立体を構成する内リンクプレート34が示され、前記実施例2同様、内リンクプレート34には、外側面部34cと内側面部34dとを有する一対の歯34a、ブシュ5が圧入固定される一対のブシュ用孔34b、一対の歯34aが設けられた側の反対側に形成された背面部34e、外側面部34cと背面部34eとの間をつなぐ肩部34f等が形成されている。
この肩部34fは、複合アール曲線で形成されている。
すなわち、背面部34eに連なる部分が、ブシュ用孔34bと同心円状にr1曲線で形成され、外側面部34cに連なる部分が、ブシュ用孔34bの中心から僅かにずれたr2曲線で形成されている。
【0027】
図3において、Kは、ブシュ用孔34bと外側面部34cとの間が最短距離kとなる外側面部34cにおける部位、Lは、ブシュ用孔34bと内側面部34dとの間が最短距離lとなる内側面部34dにおける部位、Mは、ブシュ用孔34bと背面部34eとの間が最短距離mとなる背面部34eにおける部位、Nは、ブシュ用孔34bと肩部34fとの間が最短距離nとなる肩部34fにおける部位である。
これら各部位K、L、M、Nは、ブシュ用孔34bと概略同心円状の1個の仮想円34R近傍に点在し、また、各最短距離k、l、m、nは、いずれも内リンクプレートの板厚t以上である。
【0028】
各最短距離は、前記実施例2と同じように、k≒l≒m≒n≧tの関係にあり、各最短距離k、l、m、nの内の、最大の最短距離と最小の最短距離との差は、最小の最短距離に対する割合が30%以下である。
【0029】
上記のように、内リンクプレート34を形成すると、ブシュ用孔34bに圧入されたブシュ5は、その内径の変形が殆ど均一となるので、ブシュ内径の真円度の低下が生じない。
そのため、連結ピンとブシュ内周面との片当たりが防止されると共に、連結ピンとブシュ内周面との面圧が均一になり、連結ピン及びブシュの摩耗を抑制することができる。
その結果、内リンクプレート34で構成されたリンク組立体を備えたサイレントチェーンは、摩耗伸びが抑制される。
【0030】
以上、実施例1乃至3について説明したが、他の態様として、リンク組立体を2枚のリンクプレートで形成する代わりに、3枚以上で形成してもよく、少なくとも2枚以上のリンクプレートで形成されていればよい。
また、チェーン幅方向にリンク組立体を2個配置する代わりに、2個以上配置してもよく、中間リンクプレート6は1枚、複数枚でもよく、複数個所に配置してもよい。
また、内リンクプレートの肩部は、ブシュ用孔と同心円状の円弧で形成されたものに限らず、直線状に形成されたものでもよい。
【0031】
また、サイレントチェーンのタイプとしては、チェーンの幅方向内側(例えば、中央)にガイドプレート2が配置され、その両外側にリンク組立体3が配置され、両最外側に外リンクプレートが配置され、これらが指組状に組み合わされて連結ピン7で連結されたタイプのものでもよい。
なお、このサイレントチェーンがスプロケットに捲回されて伝動装置として使用される場合、外周面にガイドプレートが挿入可能な環状の凹溝を中央寄りに有するスプロケットが使用される。
【0032】
次に、本発明のサイレントチェーン(本発明品)と従来のサイレントチェーン(従来品)との比較試験の結果を図9に示す。
試験したサイレントチェーンは、図7に示す構造のサイレントチェーンで、本発明のサイレントチェーン(実施例2相当)と従来のサイレントチェーンとは、リンク組立体を構成する内リンクプレートが異なるだけである。
【0033】
各サイレントチェーンは、内リンクプレート、中間リンクプレート及びガイドプレートが、ピン孔及びブシュ用孔のピッチ;約9.525mm、連結ピン径;4.5mm弱であり、ブシュは、長さ;約4.5mm、管板厚;約0.7mm、管径(内径);4.5mm強、クリアランスC;約0.1mmである。
【0034】
リンク組立体を構成する内リンクプレートは、本発明品が、k;約1.3mm、l;約1.5mm、m;約1.65mm、n;約1.6mm、板厚t;約1.3mmであり、最短距離の最大がm(1.65mm)で最小がk(1.3mm)となり、mとkの差;[(1.65−1.3)÷1.3]×100=27%である。
従来品の内リンクプレートが、k;約1.2mm、l;約1.5mm、m;約1.7mm、n;約1.6mm、板厚t;約1.3mmであり、最短距離の最大がm(1.7mm)で最小がk(1.2mm)となり、mとkの差;[(1.7−1.2)÷1.2]×100=38%である。
【0035】
また、試験条件は、スプロケット;21NT×42NT、チェーン速度;約19m/s、チェーン張力;約1.8kNで、チェーンに給油しながら走行させ、経時的にチェーンの長さを測定したものである。
チェーン伸び率は、走行試験前のチェーン長さに対する試験後のチェーンの伸長分の割合であり、図9から分かるように、本発明のサイレントチェーンは、従来のサイレントチェーンに比較して伸び率が大幅に改善されている。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のサイレントチェーンは、ブシュ用孔と外側面部との間の最短距離をkとし、ブシュ用孔と内側面部との間の最短距離をlとし、ブシュ用孔と背面部との間の最短距離をmとし、ブシュ用孔と肩部との間の最短距離をnとしたとき、各最短距離k、l、m、nが内リンクプレートの板厚t以上であり、且つ、各最短距離k、l、m、nの内の最大の最短距離と最小の最短距離との差が最小の最短距離の30%以下であるため、リンク組立体を構成する内リンクプレートの外郭部とブシュ用孔との距離が小さい部分で生じがちなプレス打ち抜きによる変形に起因したブシュ用孔自体の真円精度の低下を解消することができるとともに、内リンクプレートのブシュ用孔にブシュが圧入された場合、ブシュ内径の真円精度とブシュの内リンクプレートに対する垂直精度の低下を防止することができ、その結果、連結ピン及びブシュの摩耗を抑制してチェーンの摩耗伸びを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1である内リンクプレートの側面図。
【図2】本発明の実施例2である内リンクプレートを示し、(A)は側面図、(B)は断面図。
【図3】本発明の実施例3である内リンクプレートの側面図。
【図4】従来のサイレントチェーンを示し、(A)は一部断面とした平面図であり、(B)は側面図。
【図5】ガイドプレートの側面図。
【図6】リンク組立体を示し、(A)は側面図、(B)は断面図。
【図7】中間リンクプレートの側面図。
【図8】従来の内リンクプレートの側面図。
【図9】サイレントチェーンの伸び比較試験結果を示す図。
【符号の説明】
1 ・・・サイレントチェーン
2 ・・・ガイドプレート
3 ・・・リンク組立体
4 ・・・内リンクプレート
5 ・・・ブシュ
6 ・・・中間リンクプレート
7 ・・・連結ピン
14 、24 、34 ・・・内リンクプレート
14a、24a、34a ・・・歯
14b、24b、34b ・・・ブシュ用孔
14c、24c、34c ・・・外側面部
14d、24d、34d ・・・内側面部
14e、24e、34e ・・・背面部
14f、24f、34f ・・・肩部
14R、24R、34R ・・・仮想円
K ・・・ブシュ用孔に対する外側面部の最短距離部位
L ・・・ブシュ用孔に対する内側面部の最短距離部位
M ・・・ブシュ用孔に対する背面部の最短距離部位
N ・・・ブシュ用孔に対する肩部の最短距離部位
k、l、m、n ・・・最短距離
t ・・・板厚
Claims (1)
- 一対のブシュ用孔を有する内リンクプレートの少なくとも2枚がそれぞれのブシュ用孔に圧入した一対のブシュで連結固定されたリンク組立体と該リンク組立体を屈曲自在に連結する連結ピンが圧入固定されたガイドプレートとを備えてなるサイレントチェーンにおいて、
前記リンク組立体を構成する内リンクプレートが、外側面部及び内側面部を有する一対の歯と、該一対の歯が設けられた側の反対側に形成された背面部と、前記外側面部と背面部との間をつなぐ肩部とを有すると共に、
前記ブシュ用孔と外側面部との間の最短距離をkとし、前記ブシュ用孔と内側面部との間の最短距離をlとし、前記ブシュ用孔と背面部との間の最短距離をmとし、前記ブシュ用孔と肩部との間の最短距離をnとしたとき、
前記各最短距離k、l、m、nが、内リンクプレートの板厚t以上であり、且つ、前記各最短距離k、l、m、nの内の最大の最短距離と最小の最短距離との差が、最小の最短距離の30%以下であることを特徴とするサイレントチェーン。
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