JP2005137312A - 自走型乗用草刈機 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドカッターを機体腹部へ収納可能であり、又、サイドカッターによる広幅の草刈りと樹木の幹周辺の草刈りが可能であるとともに、障害物接触時にもサイドカッターが破損することのない自走型乗用草刈機を提供する。
【解決手段】機体の前後に左右一対の前輪6、及び後輪7を設け、該前輪6と後輪7との間の機体腹部1にメインカッター3とサブカッター2を設け、その前後取付位置を異ならせて配置し、該サブカッター2後方に空間部Aを形成するとともに、サブカッター2周りに機体側方Bへ開閉可能のサイドカッター4を設け、前記空間部Aにサイドカッター4を収納可能に構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、果樹園や休耕田等の雑草刈りに用いる自走型の乗用草刈機に関するものである。
機体腹部下方の左右中央に大径のメインカッターを設け、機体側方へ向けて一部又は全体が開閉可能なサブカッターユニットを備えた自走型乗用草刈機が特許文献1に記載されている。この技術は、単一の大径メインカッターと、機体側方へ向け開閉可能な複数に並設のサブカッターユニットによって広幅の草刈作業が可能であるとともに、サブカッターユニット前方が障害物と接触した際、後方へ退避回動することによって、衝突の衝撃による操縦ミスの事故やサブカッターユニットの破損を防止でき、又、樹木の幹の周りなどの草刈作業を高能率で行うことのできるものである。
特開2002−315417号公報
しかしながら、特許文献1の草刈機は、機体腹部中央に単一の大径メインカッターを設けているので、サブカッターユニットを後方へ閉じた収納状態としてもサブカッターユニットが機体側方に突出しており、この突出部前方が障害物と接触した場合にはサブカッターユニットが破損するという問題があった。又、草刈機をトラック等に積み込んだ場合にはサブカッターユニットが突出して邪魔になるという問題があった。
本発明は、上記問題を解決し、サイドカッターによる広幅刈りと幹周辺刈りが可能であるとともに、障害物の接触によってサイドカッター部が破損することのない自走型乗用草刈機を提供することを課題とする。
機体の前後に左右一対の前輪6、及び後輪7を設け、該前輪6と後輪7との間の機体腹部1にメインカッター3とサブカッター2を設け、その前後取付位置を異ならせて配置し、該サブカッター2後方に空間部Aを形成するとともに、サブカッター2周りに機体側方Bへ開閉可能のサイドカッター4を設け、前記空間部Aにサイドカッター4を収納可能に構成してなる自走型乗用草刈機の構成とする。
又、サブカッター2をメインカッター3よりも小径に形成するとともに、該サブカッター2をサイドカッター4と一体的に機体腹部1内方へ向け移動可能に構成してなる自走型乗用草刈機とする。
請求項1記載の発明は、機体の前後に左右一対の前輪6、及び後輪7を設け、該前輪6と後輪7との間の機体腹部1にメインカッター3とサブカッター2を設け、その前後取付位置を異ならせて配設し、該サブカッター2後方と、メインカッター3、及び後輪7との間に空間部Aを形成してあるので、この空間部Aに、サブカッター2周りに機体側方Bへ開閉可能のサイドカッター4を収納することができ、機体側方Bにサイドカッター4が開いた状態のサイドカッター4前方位置から樹木等の障害物が接触しても、サイドカッター4は後方へ退避回動し、サイドカッター4の破損を防止できるとともに、樹木に傷を付けることなく、幹周りの草を刈り残しなく容易に刈ることができる。
又、サイドカッター4を空間部Aに収納すれば、機体側方Bへの突出部分を極力少なくし、狭い場所での草刈り作業を行うことができる。
更に、本発明の自走型乗用草刈機をトラック等で輸送する場合にもサイドカッター4が邪魔にならず、倉庫等への保管の際にも場所を取らない。
請求項2記載の発明は、サブカッター2をメインカッター3よりも小径に形成してあるので、サブカッター2及びメインカッター3で広幅の刈幅を維持できるとともに、サブカッター2後方に形成する空間部Aの前後長さを、限られた前輪6と後輪7とのホイルベース内で極力長くすることができ、この前後長さの長い空間部Aに収納されるサイドカッター4を機体側方へ開いた場合には、刈幅を大幅に拡大させることが可能で作業効率も良い。
又、サブカッター2をサイドカッター4と一体的に、機体腹部1内方へ向け移動させる際、小径のサブカッター2は軽量で、移動させることも容易である。
更に、サブカッター2を機体側方Bへ向け若干突出させ、刈幅を広幅に構成する草刈機においても、サイドカッター4を後方へ閉じ、サブカッター2と一体的に機体腹部1内方へ向け移動させることでサブカッター2及びサイドカッター4を収納することができ、草刈り作業中は広い刈幅で効率良く草刈りを行い、草刈機輸送時や保管時にはコンパクトに収納可能な草刈機を提供することができる。
次に、本発明を図面を参照に説明する。本発明の自走型乗用草刈機は、図1、図2に示すように機体前方に左右一対の前輪6,6及び後方に左右一対の後輪7,7を備え、該左右後輪7,7の外幅W7は前輪6,6の外幅Wと略同幅である。機体中央部には操縦者が座るシート15を設け、その前方には前輪6,6を操舵可能のハンドル16を設けてある。該シート15後方にはエンジン17を配置し、エンジン17上部をエンジンカバー18で覆ってある。エンジンカバー18内方にはエンジン17の他に、燃料タンク等のエンジン関連部品を収納してある。
該エンジン17は出力軸を下方へ突出させたバーチカルタイプであり、該出力軸に取着のエンジンプーリ19によって走行及び刈刃の駆動を行う。エンジンプーリ19とその後方のプーリ20にはVベルト21を巻き掛け、エンジン17の駆動力はHST(油圧無段変速装置)50と一体的に取着されたトランスミッション22を介して後輪7,7に伝達される構成である。
シート15下方の機体腹部1には、大径でその回転中心が機体右側後部に位置するメインカッター3と、小径でその回転中心が機体左側前方に位置するサブカッター2を設け、左右一対の前輪6,6の外幅Wと略同等の刈幅で草刈作業が可能である。サブカッター2とメインカッター3は、各々の先端回転軌跡を離間させ、草刈作業時に上下に大きく撓む大径メインカッター3の刈刃がサブカッター2の刈刃と接触しないようにしてある。又、先端回転軌跡を離間させていることによる刈り残しがないよう、各々の内方を前後延長線方向においては重合して配置してある。図3に示すようにサブカッター2とその後方の後輪7、及びメインカッター3側方との間には空間部Aを形成してある。
サブカッター2外周部には、サブカッター2の回転軸23を中心として機体側方Bへの開閉回動が可能のサイドカッター4を設けてある。サブカッター2、メインカッター3及びサイドカッター4の刈刃は、水平方向に回転して草を刈ることができる形態である。サブカッター2は、メインカッター3よりも小径に形成してあり、サイドカッター4には更に小径の刈刃24,25を並設し、サイドカッター4を機体側方Bへ向け開けば、サブカッター2とメインカッター3との刈幅よりも広い刈幅での草刈作業が可能である。尚、サイドカッター4刈刃24,25の先端は、隣接する刈刃と回転軌跡を重合させ、この重合部分は刈刃を上下にずらすことで刈刃が接触しないようにして、草の刈り残しがないよう構成してある。
サイドカッター4への伝動は、本実施の形態においては全てVベルトで行っているが、Vベルトに限定するものではなくチェンや軸及びギヤ等の伝動手段を用いることも可能である。伝動系路についてはエンジンプーリ19の駆動力を、まず後側メインカッター3に伝達し、次にサブカッター2、基部側の刈刃24、先端側の刈刃25の順に伝達する。エンジンプーリ19とメインカッター3のプーリ26間のVベルト27にはテンションクラッチ28を設けてあり、シート15側方の刈刃クラッチレバー29を操作することでテンションクラッチ28を移動させてメインカッター3、サブカッター2及びサイドカッター4への伝動を断続することが可能である。又、隣接する刈刃間の伝動を行うVベルト36,37,38にはスプリング等の弾性手段でVベルト36,37,38を常時張った状態としてある。従ってメインカッター3が回転すれば全ての刈刃が同方向に回転し、刈り取った草が右側へ搬送され、機体右側後方Cへ向け排出される構成である。
メインカッター3、サブカッター2及びサイドカッター4は、草の刈り高さを調整するために、一体的に昇降が可能である。その具体構成は、メインカッター3とサブカッター2上方を覆うカバー30とその上方の機体フレーム31との間を2対の平行リンクロッド32,33で連結し、カバー30上面に枢支した昇降ロッド34を上下動させることでメインカッター3、サブカッター2及びサイドカッター4を一体的に昇降させることができ、その高さ調整はシート15側方の調整レバー35で調整することができる。昇降ロッド34の昇降駆動については、手動レバーやアクチュエータ、モータ等を用いた手段によって行えば良い。
カバー30のメインカッター3右側方には、上下方向に開閉回動可能のサイドカバー55を設けてある。該サイドカバー55は、草刈作業中は閉じており、刈草や石等が周囲へ飛散しないようにしてある。又、草が密集している所や、高速走行で草を刈った場合には、サイドカバー55の斜め後方Cへ排出される草の排出が間に合わず、サイドカバー55下方に停滞し詰まるという問題がある。更に、走行中サイドカバー55が地面に接触すると、サイドカバー55が下方から突き上げられて破損するという問題もある。本実施の形態のサイドカバー55は、下方から所定以上の負荷が加わると上方へ回動し、詰まりぎみとなった草を外方へ排出して詰まりを解消する。サイドカバー55が地面に接触して突き上げられてもサイドカバー55は上方へ回動回避し、破損を防ぐことができる。又、刈刃等のメンテナンス時にはサイドカバー55を上方へ回動開放し、開放状態で固定することもできる。
その具体構成は、カバー30上面にサイドカバー55の回動支点となるボス56を固着し、サイドカバー55に固着したピン57を前記ボス56に緩嵌することで、サイドカバー55を上下に回動自在に取着してある。サイドカバー55は、カバー30上面から外方へ延設し、下方へ屈曲させた形状に形成し、その上面に支持板58を立設してある。カバー30上面には、上部にピン59を固着したステー60を設け、前記支持板58とステー60間を連結板61で連結してある。
連結板61の両端部には長穴62,63を設け、ステー60のピン59が連結板61の長穴62を摺動可能に、又、長穴63にボルト64を挿入して支持板58とボルト64によって連結板61を挾み、ボルト64が長穴63を摺動可能に取着してある。連結板61はスプリング65によって、通常ピン59が水平方向の長穴62の先端側となるようスプリング65で付勢してある。
草刈作業を行う場合には、サイドカバー55は図7の閉状態であり、ボルト64は長穴63の下端位置で、連結板61を支持板58との間で挟着固定してある。この状態でサイドカバー55下方に刈草が停滞するとサイドカバーを上方へ持ち上げる力が作用する。この力がスプリング65の付勢力以上になると、サイドカバー55が上方へ回動し、長穴62内をピン59が摺動してサイドカバー55が開放され、図8の状態となる。
メインカッター3のメンテナンスを行う場合には、図9に示すようにボルト64を緩め、サイドカバー55を持ち上げればボルト64は、長穴63内を上方へ摺動し、開状態とすることができ、又、この開状態でボルト64を締め付ければ、サイドカバー55は開状態で固定することもできる。
サイドカッター4を機体側方Bへ開いた状態のサイドカッター4前方には、障害物を検知する検知杆39を設けてある。又、サイドカッター4とカバー30とはシリンダー40で連結してあり、該シリンダー40を伸縮させることでサイドカッター4を開閉可能である。図4は、樹木や石等の障害物41がサイドカッター2前方にあった際のサブカッター2を中心としたサイドカッター4の動きを示したものである。(検知杆39及びシリンダー41は図示せず)前進走行中、開いた状態のサイドカッター4前方の検知杆39に障害物41が接触し、検知杆39が後方へ押されるとサイドカッター4開閉用のシリンダー40の開方向への圧力が抜け、機体が前進することによってサイドカッター4が障害物41に沿って後方へ回動しながら障害物41を回避する。サイドカッター4に沿う障害物41が検知杆39から非接触状態になれば、再びシリンダー40がサイドカッター4を開方向へ押圧してサイドカッター4を開状態に復起させる。この構成で、障害物41が機体側に接近した状態、すなわち前輪6に障害物41が接近した状態でサイドカッター4に接触した場合にもサイドカッター4は、前輪6外幅Wよりも突出しない状態まで後方回動し、機体腹部1の空間部Aに収納されるため、この場合にもサイドカッター4が破損せず、又、樹木等の障害物41にも傷をつけない。又、サイドカッター4の略全体を左右前輪6,6外幅W内に収納することができるので、狭い場所での草刈り作業を容易に行うことができ、草刈機運搬時や倉庫内保管時にもサイドカッター4が邪魔にならない。
図5に示すのは、サブカッター2とサイドカッター4を一体的に機体腹部1内方へ向け移動可能に構成したものである。カバー30上面に設けた平行リンク機構をサブカッター2及びサイドカッター4に連結し、前側のリンクアーム42は、サブカッター2とメインカッター3との各々の中心を結ぶ形態に設け、シリンダー45を伸縮させることにより、メインカッター3を中心としてサブカッター2が回動可能な構成である。後側のリンクアーム43は、シリンダー44によって伸縮自在に構成し、サイドカッター4をサブカッター2中心に機体側方Bへ開閉させることが可能である。このシリンダー44は、図1に記載のシリンダー40に代わって使用することができる。この構成では、サブカッター2とメインカッター3で刈れる刈幅を左右前輪6,6の外幅Wよりも広く設定することができ、又、サイドカッター4を後方へ閉じた状態でサブカッター2とサイドカッター4とを一体的に機体内方へ向け移動させ、左右前輪6,6外幅W内に収納させることが可能である。
図6に示すのは、メインカッター2とサイドカッター4の直径を変えた場合の別実施例を示すものである。(a)に示すのはサブカッター2とメインカッター3との直径を略同径に構成した場合である。サイドカッター4の刈刃は、単一で構成することも、(b)に示すように小径のものを複数個並設することも可能であるが、刈刃先端部における周速度はメインカッター2と略同等にする必要があり、サイドカッター4刈刃の直径を極端に小さくすると刈刃の回転数を高回転にしなければならず、又、複数個に並設するサイドカッター4の伝動は煩雑になるため、サイドカッター4の刈刃は1個乃至3個、好ましくは2個を並設して構成することが良い。
全体平面図。 全体側面図。 サイドカッターの収納を示す要部平面図。 サイドカッターの作用説明図。 別実施例を示す要部平面図。 別実施例を示す要部平面図。 サイドカバーの開閉を示す説明図。 サイドカバーの開閉を示す説明図。 サイドカバーの開閉を示す説明図。
符号の説明
1 機体腹部
2 サブカッター
3 メインカッター
4 サイドカッター
6 前輪
7 後輪
A 空間部
B 機体側方
W 外幅

Claims (2)

  1. 機体の前後に左右一対の前輪(6)、及び後輪(7)を設け、該前輪(6)と後輪(7)との間の機体腹部(1)にメインカッター(3)とサブカッター(2)を設け、その前後取付位置を異ならせて配置し、該サブカッター(2)後方に空間部(A)を形成するとともに、サブカッター(2)周りに機体側方(B)へ開閉可能のサイドカッター(4)を設け、前記空間部(A)にサイドカッター(4)を収納可能に構成してなる自走型乗用草刈機。
  2. サブカッター(2)をメインカッター(3)よりも小径に形成するとともに、該サブカッター(2)をサイドカッター(4)と一体的に機体腹部(1)内方へ向け移動可能に構成してなる請求項1記載の自走型乗用草刈機。
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