JP2005136689A - アンテナ - Google Patents

Abstract

【課題】 部品点数が少なく、且つ、小型化できるアンテナを提供する。
【解決手段】 軟磁性体で、且つ、柔軟性を有するコア部１２と、このコア部１２に巻回された導線１３と、コア部１２及び導線１３の外周を被い、且つ、柔軟性を有する被覆部材１４とを備えたアンテナ１０Ａであって、被覆部材１４に取付突起１４ａを一体形成し、この取付突起１４ａをドアハンドル１の取付孔５に係止することによりアンテナ１０Ａをドアハンドル１内に内蔵した。
【選択図】 図１

Description

本発明は、例えば自動車のキーレスエントリーシステムに使用されて好適なアンテナに関する。

近年、自動車のドア等のロックやロック解除をキー無しで行うことができるキーレスエントリーシステムが種々提案されている。そして、自動車のキーレスエントリーシステムに使用される車両用通信装置においては、自動車側に携帯機との間で交信を行うためのアンテナが設置される。その種のアンテナの従来例として、特許文献１に記載されたものが知られている。

このアンテナ５０は、図５（ａ）に示すように、薄型棒状の強磁性セラミックで作られたコア部５１と、このコア部５１に巻かれる導線を有するボビン５２と、コア部５１及びボビン５２の外周を覆う柔軟性を持つゴム質材で構成されたポッティング材５３と、ポッティング材５３で覆われたコア部５１及びボビン５２を収納するケース５４とから構成されている。そして、アンテナ５０は、図５（ｂ）に示すように、ハンドル本体６０ａとカバーハンドル６０ｂからなるドアハンドル６０内のアンテナ取付孔６１内に配置され、アンテナ５０の両端側がネジ止め等によってドアハンドル６０に固定されている。
特開２００１−３５５３５８号公報

しかしながら、従来のアンテナ５０では、コア部５１が剛性の高い素材で形成され、衝撃や圧力に弱いため、コア部５１の外周にポッティング材５３及びケース５４を設けなければならず、部品点数が多くなり、又、小型化できないという問題がある。

又、アンテナ５０の取付部はコア部５１に取付応力がかからないように配慮する必要があり、このように取付応力が作用しない取付部を作成すると更に部品点数の増大や大型化になる。

そこで、本発明は、部品点数が少なく、且つ、小型化できるアンテナを提供することを目的とする。

上記目的を達成する請求項１の発明は、軟磁性体で、且つ、柔軟性を有するコア部と、このコア部に巻回された導線と、前記コア部及び前記導線の外周を被い、且つ、柔軟性を有する被覆部材とを備え、この被覆部材に取付部を一体形成し、この取付部を介して被取付部に固定されることを特徴とする。

請求項２の発明は、請求項１記載のアンテナであって、前記取付部は取付突起であり、この取付突起を弾性変形によって被取付部に係止されることを特徴とする。

請求項３の発明は、請求項２記載のアンテナであって、前記取付突起は挿入方向の先端に設け、アンテナ取付孔への挿入によってアンテナ取付孔内に配置されると共に挿入過程で前記取付突起が弾性変形によって被取付部に係止されることを特徴とする。

請求項４の発明は、請求項３記載のアンテナであって、前記アンテナ取付孔は、一体成形されたドアハンドルに設けられたことを特徴とする。

請求項１の発明によれば、コア部が柔軟性を有する素材で衝撃や圧力に強いことからコア部を覆う被覆部材に直接に取付部を設けても何ら支障がなく、被覆部材に取付部を一体に形成した。従って、少ない部品点数でアンテナを構成でき、且つ、アンテナを小型化できる。又、アンテナ自体が柔軟性を有するため、変形保護部材等を付設することなく外力を受けて変形される箇所に配置できる。

請求項２の発明によれば、請求項１の発明の効果に加え、取付突起をワンタッチで被取付部に係止できるため、アンテナの取付性が良い。

請求項３の発明によれば、請求項２の発明の効果に加え、アンテナをアンテナ取付孔に挿入するだけでアンテナの取り付けができるため、アンテナの取付性が非常に良い。

請求項４の発明によれば、ドアハンドル内に内蔵するアンテナに対し、請求項３の発明と同様の効果が得られる。

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

図１及び図２は自動車のキーレスエントリーシステムを構成する車両用通信装置のアンテナに本発明を適用した第１実施形態を示し、図１（ａ）はアンテナ１０Ａをドアハンドル１内に固定した状態を示す断面図、図１（ｂ）は図１（ａ）のＡ部拡大図、図２（ａ）はアンテナ１０Ａの平面図、図２（ｂ）はアンテナ１０Ａの正面図である。

図１において、ドアハンドル１は、ハンドル本体２とカバーハンドル３とから構成され、全体として操作者が手で握持できるグリップハンドル形状を有している。操作者がドアハンドル１を握持して回転操作することによりドア（不図示）を開閉できるようになっている。

ハンドル本体２は、その一端側がベース部材（不図示）に軸支され、他端側にロック機構（不図示）に係止するロック係止部２ａが設けられている。カバーハンドル３は、柔軟性を有する樹脂等、例えばエラストマー樹脂から形成され、ハンドル本体２の係止部２ｂに係止され、且つ、ネジ４で締結されることによってハンドル本体２に組み付けられている。カバーハンドル３には被取付部である取付孔５が２箇所に形成されている。そして、カバーハンドル３とハンドル本体３の互いの内面に囲まれてアンテナ取付スペース６が形成されており、このアンテナ取付スペース６にアンテナ１０Ａが配置されている。

アンテナ１０Ａは、図２（ａ）、（ｂ）にも示すように、薄板状のフレキシブルプリント基板１１と、このフレキシブルプリント基板１１の表裏面に配置され、２枚の平板状の軟磁性体で、且つ、柔軟性を有するコア部１２と、フレキシブルプリント基板１１及び２枚のコア部１２の外周に巻回した導線である絶縁被覆導線１３と、これらの全外周を被覆し、且つ、柔軟性を有する被覆部材１４とを備えている。

被覆部材１４には、その下面の２箇所に取付部である取付突起１４ａが一体に形成されており、この各取付突起１４ａがカバーハンドル３の取付孔５に係止されている。被覆部材１４は、フレキシブルプリント基板１１、２枚のコア部１２及び絶縁被覆導線１３の全外周を、柔軟性を有するエラストマー樹脂等でデッピング処理することにより形成され、アンテナ１０Ａは被覆部材１４によって一体化（ユニット化）されている。そして、フレキシブルプリント基板１１、コア部１２及び被覆部材１４が共に柔軟性を有する部材であることからアンテナ１０Ａはストレート形状で、且つ、柔軟性を有するものとして構成されている。

又、フレキシブルプリント基板１１には電線１５の一端が接続され、この電線１５の他端にはコネクタ１６が接続されている。アンテナ１０Ａは、このコネクタ１６を介して車体側の送受信手段（不図示）に接続されている。

次に、アンテナ１０Ａの取り付け作業を説明する。アンテナ１０Ａの取付突起１４ａを弾性変形させることによってカバーハンドル３の取付孔５に係止する。次に、アンテナ１０Ａが組み付けされたカバーハンドル３をアンテナ本体２に組み付ける。これでアンテナ１０Ａの取付作業及びカバーハンドル３の取付作業が共に完了する。

上記構成において、ドアハンドル１が操作されると、その操作力がカバーハンドル３及びアンテナ１０Ａに作用する。すると、カバーハンドル３及びアンテナ１０Ａが共に柔軟性があるためカバーハンドル３と共にアンテナ１０Ａが撓み変形する。操作力が解除されると、カバーハンドル３及びアンテナ１０Ａが元の状態に復帰する。ここで、アンテナ１０Ａのコア部１２は柔軟性を有する素材で衝撃や圧力に強いため、操作力によってダメージを受けることはない。

以上、コア部１２が柔軟性を有する素材で衝撃や圧力に強いことからコア部１２を覆う被覆部材１４に直接に取付突起１４ａを設けても何ら支障がなく、被覆部材１４に取付突起１４ａを一体に形成した。従って、少ない部品点数でアンテナ１Ａを構成でき、且つ、アンテナ１０Ａを小型化できる。又、アンテナ１０Ａ自体が柔軟性を有するため、変形保護部材等を付設することなく外力を受けて変形される箇所に配置できる。

第１実施形態では、取付部は取付突起１４ａにて構成され、この取付突起１４ａを弾性変形によって取付孔５に係止するので、取付突起１４ａをワンタッチで取付孔５に係止できるため、アンテナ１０Ａの取付性が良い。

図３及び図４は自動車のキーレスエントリーシステムを構成する車両用通信装置のアンテナに本発明を適用した第２実施形態を示し、図３（ａ）はアンテナ１０Ｂをドアハンドル１内に固定した状態を示す断面図、図３（ｂ）は図３（ａ）のＢ部拡大図、図４（ａ）はアンテナ１０Ｂの平面図、図４（ｂ）はアンテナ１０Ｂの正面図である。

図３において、ドアハンドル１は、第１実施形態のものとは異なり、一体成形により１部材で形成され、全体として操作者が手で握持できるグリップハンドル形状を有している。操作者がドアハンドル１を握持して回転操作することによりドア（不図示）を開閉できるようになっている。

ドアハンドル１内にはアンテナ取付孔７が形成されており、このアンテナ取付孔７は一端側に外部に開口する開口部７ａが形成されている。又、アンテナ取付孔７の他端側は閉塞壁部８で塞がれており、この閉塞壁部８に被取付部である取付孔９が形成されている。

アンテナ１０Ｂは、前記第１実施形態のアンテナ１０Ａと比較するに、取付部である取付突起１４ａの設置位置のみが相違する。つまり、取付突起１４ａはアンテナ取付孔７への挿入方向Ｔの先端面に配置されている。他の構成は同一であるため、同一構成箇所には同一符号を付してその説明を省略する。

次に、アンテナ１０Ｂの取付作業を説明する。取付突起１４ａを先端としてアンテナ１０Ｂを開口部７ａよりアンテナ取付孔７に挿入する。すると、アンテナ１０Ｂ自体がその柔軟性によってアンテナ取付孔７の形状にならって変形しつつ挿入される。そして、アンテナ１０Ｂの先端に位置する取付突起１４ａが閉塞壁部８の取付孔９の外周に当接する。この当接位置より更にアンテナ１０Ｂを挿入すると、取付突起１４ａが弾性変形して取付孔９に挿入されて係止される。これで、アンテナ１０Ｂがアンテナ取付孔８内に固定される。

この第２実施形態においても、前記第１実施形態と同様に、少ない部品点数でアンテナ１Ｂを構成でき、且つ、アンテナ１０Ｂを小型化できる。又、アンテナ１０Ｂ自体が柔軟性を有するため、変形保護部材等を付設することなく外力を受けて変形される箇所に配置できる。

又、この第２実施形態では、アンテナ１０Ｂをアンテナ取付孔８に挿入するだけでアンテナ１０Ｂの取り付けができるため、アンテナ１０Ｂの取付性が非常に良い。又、アンテナ１０Ｂがそれ自体の柔軟性によりアンテナ取付孔９の形状に沿って自由に挿入可能であるため、ドアハンドル１に形成するアンテナ取付孔９の形態を有る程度自由に設定できる。従って、ドアハンドル１を一体成形による１部材で作成できるため、ドアハンドル１に継ぎ目がなく、操作者の握持触感を向上させることができる。

尚、前記第１及び第２実施形態では、アンテナ１０Ａ，１０Ｂをドアハンドル１内に内蔵したが、ドアハンドル１以外の場所に設置しても良いことはもちろんである。

前記第１、第２実施形態では、アンテナ１０Ａ，１０Ｂにはフレキシブルプリント基板１１が設けられているので、巻回された絶縁被覆導線１３への給電や絶縁被覆導線１３での誘導起電力を取り出すための配線が容易に形成できる。尚、アンテナ１０をコア部１２とこれに巻回する絶縁被覆導線１３のみから構成し、フレキシブルプリント基板１１を設けないものとして構成することもできる。

又、前記第１、第２実施形態では、アンテナ１０Ａ，１０Ｂには２枚の軟磁性体で、且つ、柔軟性を有するコア部１２が設けられているが、１枚の軟磁性体で、且つ、柔軟性を有するコア部１２のみで形成しても良い。尚、３枚以上の軟磁性体で、且つ、柔軟性を有するコア部１２を用いて形成しても良い。

更に、アンテナ１０Ａ，１０Ｂの軟磁性体で、且つ、柔軟性を有するコア部１２としては、株式会社トーキン社の商品名「バスタレイド」等を使用でき、この「バスタレイド」は透磁性についてはフェライトと同様で、且つ、柔軟性に優れている上に衝撃に強いため、耐久性に優れたものとなる。

尚、前記第１、第２実施形態では、被覆部材１４は、エラストマー樹脂にて形成されているが、柔軟性を有する部材であれば良く、エラストマー以外の樹脂材やゴム材にて形成しても良い。

尚、前記第１、第２実施形態では、被覆部材１４の取付部を取付突起１４ａにて形成したが、弾性変形を利用して係止できるものであれば突起に限定されるものではなく、その他種々の形状が考えられる。

尚、前記第１、第２実施形態は、本発明の車両用通信装置を自動車のキーレスエントリーシステムに適用する場合を示したが、キーレスエントリーシステム以外で携帯機との交信を行う場合にも同様に適用でき、又、自動車以外に設置される場合にも適用できることはもちろんである。

本発明の第１実施形態を示し、（ａ）はアンテナをドアハンドル内に固定した状態を示す断面図、（ｂ）は図１（ａ）のＡ部拡大図である。 本発明の第１実施形態を示し、（ａ）はアンテナの平面図、（ｂ）はアンテナの正面図である。 本発明の第２実施形態を示し、（ａ）はアンテナをドアハンドル内に固定した状態を示す断面図、（ｂ）は図３（ａ）のＢ部拡大図である。 本発明の第２実施形態を示し、（ａ）はアンテナの平面図、（ｂ）はアンテナの正面図である。 従来例を示し、（ａ）はアンテナの断面図、（ｂ）はアンテナがアンテナ取付孔内に固定された状態を示す断面図である。

符号の説明

１ ドアハンドル
５，９ 取付孔（被取付部）
７ アンテナ取付孔
１０Ａ，１０Ｂ アンテナ
１２ コア部
１３ 導線（絶縁被覆導線）
１４ 被覆部材
１４ａ 取付突起（取付部）

Claims (4)

1. 軟磁性体で、且つ、柔軟性を有するコア部と、このコア部に巻回された導線と、前記コア部及び前記導線の外周を被い、且つ、柔軟性を有する被覆部材とを備え、
   この被覆部材に取付部を一体形成し、この取付部を介して被取付部に固定されることを特徴とするアンテナ。
2. 請求項１記載のアンテナであって、
   前記取付部は取付突起であり、この取付突起を弾性変形によって被取付部に係止することを特徴とするアンテナ。
3. 請求項２記載のアンテナであって、
   前記取付突起は挿入方向の先端に設け、アンテナ取付孔への挿入によってアンテナ取付孔内に配置されると共に挿入過程で前記取付突起が弾性変形によって被取付部に係止されることを特徴とするアンテナ。
4. 請求項３記載のアンテナであって、
   前記アンテナ取付孔は、一体成形されたドアハンドルに設けられたことを特徴とするアンテナ。
   

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