WO2005048402A1 - アンテナ - Google Patents

Abstract

　ドア開閉装置に使用されるアンテナは、柔軟性を有する軟磁性体よりなるコア部と、前記コア部に巻かれた導線と、前記コア部および前記導線の外周を覆う、取付対象へ取り付けるべく構成された１つ以上の取付部を一体に備えた、柔軟な被覆部材と、を備える。

Description

技術分野

[0001] 本発明は、キー無しで操作しうる自動車等のドア開閉装置に使用されるアンテナに 関わる。

背景技術

[0002] 近年、自動車のドア等のロックおよびロックの解除を、キー無しで操作することがで 明

きる、いわゆるキーレスエントリーシステムが種々提案されている。キーレスエントリー 田

システムは、車体が備える制御回路と、操作者が携帯する携帯機と、これらの間の交 信を仲介するアンテナとの組み合わせ力 なるものが提案されて 、る。交信によって 制御回路が携帯機を認証することにより、制御回路はドアのロック機構を解錠状態と する。

[0003] このようなアンテナの技術としては、 日本国特許公開 2001— 355358号〖こ開示され たものがある。前記従来の技術によるアンテナは、強磁性のセラミック力もなる棒状の コア部と、巻かれた導線を有するボビンと、柔軟性を有するゴム質力 なり前記コア部 および前記ボビンの外周を覆うポッティング材と、これら全体を収納するケースと、を 備えている。前記アンテナは、ハンドル本体とカバーハンドル力もなるドアハンドル内 のアンテナ取付孔内に配置され、その両端はネジ止め等によりドアハンドルに固定さ れる。

発明の開示

[0004] 前記従来の技術によるコア部は、セラミック等の脆性を有する素材力 なるため、衝 撃や圧力により破損する虞がある。それゆえ、ポッティング材およびケースによりコア 部を保護する必要がある。このために部品点数が多くなり、小型化できないという問 題がある。またアンテナは、取り付けの際および取り付け後において、コア部に過大 な力がかからな!、ように、コア部への応力に配慮された取付部を備える必要がある。 そのような取付部は、さらに多くの部品点数を必要とし、従ってアンテナは小型化しに くい。 [0005] 本発明は上述の問題を克服するためになされたものであって、簡便かつコンパクト な構成のアンテナを提供することを目的とする。

[0006] 本発明の第一の局面によれば、アンテナは、柔軟性を有する軟磁性体よりなるコア 部と、前記コア部に巻かれた導線と、前記コア部および前記導線の外周を覆う、取付 対象へ取り付けるべく構成された 1つ以上の取付部を一体に備えた、柔軟な被覆部 材と、を備える。

[0007] 望ましくは、前記取付部は弾性変形により取付対象へ係止するべく構成された取 付突起である。さらに望ましくは、前記取付突起は、前記取付対象が備える収容室に 対してアンテナを挿入する方向に関して、アンテナの先端に配置されており、挿入に より弾性変形して取付対象に係止される。またさらに望ましくは、前記取付対象は一 体成型されたドアハンドルである。

図面の簡単な説明

[0008] [図 1A]図 1Aは、本発明の第 1の実施形態によるアンテナを内蔵したドアハンドルの 断面図である。

[図 1B]図 1Bは、図 1Aの Aから取られた、本発明の第 1の実施形態による前記アンテ ナの拡大断面図である。

[図 2A]図 2Aは、本発明の第 1の実施形態によるアンテナの正面図である。

[図 2B]図 2Bは、本発明の第 1の実施形態によるアンテナの側面図である。

[図 3A]図 3Aは、本発明の第 2の実施形態によるアンテナを内蔵したドアハンドルの 断面図である。

[図 3B]図 3Bは、図 3Aの B力 取られた、本発明の第 2の実施形態による前記アンテ ナの拡大断面図である。

[図 4A]図 4Aは、本発明の第 2の実施形態によるアンテナの正面図である。

[図 4B]図 4Bは、本発明の第 2の実施形態によるアンテナの側面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0009] 本発明の第 1の実施形態を、図 1Aから 2Bを参照して以下に説明する。

[0010] ドアハンドル 1は、図 1 Aに示すごとくハンドル本体 2とカバーハンドル 3とを備え、全 体として操作者が手で握るのに適した形状を有している。操作者は、ドアハンドル 1を 握り、回動せしめることにより、ドア（図示されていない）を開閉することができる。

[0011] ハンドル本体 2は、一方の端がベース部材（図示されていない）に軸支されており、 反対の端にロック機構（図示されて 、な 、）と係合するロック係止部 2aを備えて 、る。 カバーハンドル 3は、柔軟性を有する榭脂など、例えばエラストマー榭脂から形成さ れ、ハンドル本体 2の係止部 2bに係止され、さらにネジ 4により締結されることにより、 ハンドル本体 2に組み付けられている。カバーハンドル 3は、アンテナ 10Aを取り付け るための取付孔 5を 2箇所に備えている。ハンドル本体 6の内面とカバーハンドル 3と の間は、所定の間隙を有することにより、アンテナ取り付けスペース 6を形成しており、 アンテナ 10Aはここに収納される。

[0012] アンテナ 10Aは、図 2Aおよび 2Bに示されるように、フレキシブルプリント基板 11と 、軟磁性体からなり、フレキシブルプリント基板 11の表裏面にそれぞれ配置された柔 軟性を有する一対のコア部 12と、フレキシブルプリント基板 11および一対のコア部 1 2の外周に巻かれた絶縁被覆導線 13と、これらの外周を被覆する柔軟性を有する被 覆部材 14と、を備えている。

[0013] コア部 12としては、柔軟性を有して軟磁性であるものが好適である。「バスタレイド」

(株式会社トーキン)の商品名で入手することができるものを例示することができる。

[0014] 被覆部材 14は、その下面の 2箇所に、それぞれ前記取付孔 5と係合する取付突起 14aがー体に形成されている。被覆部材 14は、フレキシブルプリント基板 11と、一対 のコア部 12と、絶縁被覆導線 13との全体の外周を、エラストマー榭脂等の柔軟性を 有する素材によりデッビング処理することにより形成される。すなわち、被覆部材 14は アンテナ 10Aの全体を一体化している。フレキシブルプリント基板 11、コア部 12およ び被覆部材 14は、いずれも柔軟性を有する素材カゝらなるために、アンテナ 10Aの全 体は柔軟性を有しており、またストレートな形状を有する。

[0015] アンテナ 10Aは、さら〖こ、フレキシブルプリント基板 11に接続された電線 15と、電線 14にさらに接続されたコネクタ 16と、を備えている。コネクタ 16を媒介して、アンテナ 10Aは車体が備えて ヽる交信手段（図示されて!ヽな ヽ）と接続されて!ヽる。

[0016] アンテナ 10Aは、下記のようにしてハンドル本体 2へ取り付けられる。アンテナ 10A の取付突起 14aを、それぞれ弾性変形させつつカバーハンドル 3の取付孔 5に挿入 し、係止する。次に、アンテナ 10Aが取り付けられたカバーハンドル 3をハンドル本体 2に取り付ける。これで、アンテナ 10Aおよびカバーハンドル 3をハンドル本体 2に取 り付ける作業が共に完了する。

[0017] 操作者がドアを開閉しょうとする際には、操作者はドアハンドル 1を握り、その力によ りカバーハンドル 3およびアンテナ 10Aが橈み変形する。操作者が握る力を取り除く と、カバーハンドル 3およびアンテナ 10Aは元の形状に復帰する。コア部 12は柔軟 性を有し、脆性を有さない素材力もなるために、これら動作を通して、破損する虞が ない。すなわち、コア部 12への応力付カ卩にっき格別の配慮をした取付部ではなぐ 被覆部材 14と一体に形成された取付突起 14aのような簡単な構成の取付部であつ ても、コア部 12には破損する虞がない。従って、少ない部品点数でアンテナ 10Aを 構成することができ、従ってアンテナ 10Aを小型化することができる。また、変形から アンテナ 10Aを保護するための格別の部材等を必要とせずに、外力を受けて変形す るような箇所にアンテナ 10Aを設置することができる。

[0018] 取付孔 5と取付突起 14aの組み合わせは上述のごとく取付を容易とするので、アン テナ 10Aのハンドル本体 2への取付に関わる作業性が改善される。

[0019] 本発明の第 2の実施形態を、図 3Aから 4Bを参照して以下に説明する。

[0020] ドアハンドル 1は、前述の第 1の実施形態によるものと異なり、図 3Aに示すごとく一 体成形されて、全体として操作者が手で握るのに適した形状を有している。操作者は 、ドアハンドル 1を握り、回動せしめることにより、ドア（図示されていない）を開閉する ことができる。

[0021] ドアハンドル 1はその内部に、アンテナ 10Bを収容するためのアンテナ収容室 7を 備えている。アンテナ収容室 7の一方の端は外部に開口して、開口部 7aを形成して いる。アンテナ収容室 7の開口部 7aと反対の端は閉塞されて、閉塞壁部 8を形成して いる。閉塞壁部 8は、アンテナ 10Bを取り付けるための取付孔 9を備えている。

[0022] アンテナ 10Bは、前記第 1の実施形態のアンテナ 10Aと比較すると、取付突起 14a の位置および個数が異なり、図 4Aおよび 4Bに示すごとぐその先端に 1つだけ備え ている。他の構成要素は同一であって、前記第 1の実施形態と同一の符号を付して その詳細な説明は省略する。 [0023] アンテナ 10Bは、下記のようにしてドアハンドル 1へ取り付けられる。アンテナ 10Bの 先端を、開口部 7aからアンテナ収容室 7へ挿入する。次いで、図 4Aおよび 4Bにお V、て矢印 Tで示されて 、る方向に更に押し込むと、アンテナ 10Bはアンテナ収容室 7 の内面に沿って柔軟に変形しつつ更に挿入され、閉塞壁部 8に当接する。更に押し 込むと、取付突起 14aは弾性変形されつつドアハンドル 1の取付孔 9に挿入され、係 止される。これで、アンテナ 10Bをドアハンドル 1に取り付ける作業が共に完了する。

[0024] 第 2の実施形態は、前述の第 1の実施形態と同様に、少ない部品点数でアンテナ 1 OBを構成することができ、従ってアンテナ 10Bを小型化することができる。アンテナ 1 OBはそれ自体の柔軟性によりアンテナ収容室 7に沿って変形しうるため、アンテナ収 容室 7の形状に関わる設計自由度が向上する。ドアハンドル 1は一体成型されており 、継ぎ目がないので、操作者が握る際の感触をより好ましいものとすることができる。

[0025] いくつかの実施例により本発明を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるも のではない。上記開示内容に基づき、当該技術分野の通常の技術を有する者が、実 施例の修正ないし変形により本発明を実施することが可能である。たとえば、フレキシ ブルプリント基板 11を省略して、コア部 12と絶縁被覆導線 13のみ力もアンテナ 10を 構成してもよい。一対のコア部 12のうち、一方を省略してもよい。また、 3枚以上のコ ァ部 12をアンテナ 10に装着せしめてもよい。被覆部材 14の素材は、エラストマ一に 代えて、柔軟性を有する適当な他の榭脂あるいはゴムであってもよい。取付突起 14a に代えて、弾性変形を利用した他の取付具であってもよい。またこれら実施形態によ るアンテナ 10A, 10Bは、自動車のキーレスエントリーシステムに適用する例を例示 したが、携帯機との交信を要する他の様々なシステムに適用することができる。また、 住居の玄関等の他の様々な場合に適用することができる。これら修正例においても、 上述の説明と同様な効果を得ることができる。

産業上の利用の可能性

[0026] 簡便かつコンパクトな構成のドア開閉装置に使用されるアンテナが提供される。

Claims

請求の範囲

[1] 柔軟性を有する軟磁性体よりなるコア部と、

前記コア部に巻かれた導線と、

前記コア部および前記導線の外周を覆う、取付対象へ取り付けるべく構成された 1 つ以上の取付部を一体に備えた、柔軟な被覆部材と、

を備えた、アンテナ。

[2] 請求項 1に記載のアンテナであって、前記取付部は弾性変形により取付対象へ係 止するべく構成された取付突起である。

[3] 請求項 2に記載のアンテナであって、前記取付突起は、前記取付対象が備える収 容室に対してアンテナを挿入する方向に関して、アンテナの先端に配置されており、 挿入により弾性変形して取付対象に係止される。

[4] 請求項 3に記載のアンテナであって、前記取付対象は一体成型されたドアハンドル である。