JP2005135990A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ESRが小さくかつ耐熱性に優れた固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】 陽極体1表面に、誘電体皮膜2、固体電解質層3を順次形成した固体電解コンデンサであって、上記固体電解質層3が、ドーパントとして少なくともフルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンを含有する導電性高分子からなることを特徴とする固体電解コンデンサ。ここで、ドーパントとしてさらに、テトラヒドロナフタレンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオンまたはベンゼンスルホン酸イオンを含有することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、導電性高分子を固体電解質層として用いた固体電解コンデンサに関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化に伴って、高周波領域におけるインピーダンスが低く、小型で大容量の高周波用のコンデンサが要求されるようになってきた。
高周波用のコンデンサとしては、マイカコンデンサ、フィルムコンデンサ、セラミックコンデンサなどが使用されているものの、これらのコンデンサは、大容量には適さない種類のコンデンサである。
一方、大容量化に適するコンデンサとしては、アルミ電解コンデンサや、タンタル固体電解コンデンサなどがある。しかしながら、アルミ電解コンデンサは、低コストで大容量が達成可能であるが電解液を使用しているために電解液の蒸発による経時変化や高周波数でのインピーダンスが高いなどの問題がある。
タンタル固体電解コンデンサは、電解質に固体の二酸化マンガンを用いているために容量劣化が少ないコンデンサである。しかしながら、タンタル固体電解コンデンサの固体電解質は、硝酸マンガン水溶液をタンタル焼結体の内部まで含浸させた後、350℃前後で硝酸マンガンを熱分解して形成され、この含浸を経た熱分解工程を通常数回から数十回繰り返す必要があり、固体電解質の形成工程において相当の労力を要した。さらに、二酸化マンガンの皮膜は自己修復性が乏しいため耐久性に欠けるなどの短所があった。
そこで、近年、上述した問題を解決するため、電気伝導性が優れ固体電解質の形成が容易な導電性高分子を固体電解質層として用いることが提案されている(たとえば、特許文献1または特許文献2参照。)。この手法により、上述したアルミ電解コンデンサまたはタンタル固体電解コンデンサなどと比較して製造コストが安く、静電容量が確実に得られ、誘電体皮膜の損傷がなく、漏れ電流の少ない固体電解コンデンサを得ることができるようになった。
ここで、導電性高分子は、ピロール、チオフェン、フランなどの複素環式モノマーを支持電解質とともに電解重合することにより、支持電解質のアニオンをドーパントとして導電性の良好な高分子を誘電体皮膜上に成膜することによって形成される。また、導電性高分子のドーパントとしては、過塩素酸イオン、四フッ化ホウ素イオン、パラトルエンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオンなどが用いられる。
かかる固体電解コンデンサにおいて、上記ドーパントを含有する導電性高分子からなる固体電解質層を形成する方法として、化学酸化重合法または電解酸化重合法などがある。化学酸化重合法は酸化剤を用いて単量体を酸化重合する方法であり、電解酸化重合法は電気分解においてアノードで起こる酸化反応を利用して単量体をアノード上に酸化重合する方法である。一般的に、電解酸化重合により形成された導電性高分子は、化学酸化重合により形成された導電性高分子に比べて、強度が大きく、導電率が高く、かつ均一な良質の固体電解質層となるが、耐熱性が低く、高温に暴露された場合に、ドーパントの脱離が起こり、ESR(Equivalent Series Resistance;等価直列抵抗)が大きくなるという問題がある。
特開昭60−037114号公報 特開昭60−244017号公報
したがって、本発明は、上記問題点を解決するため、ESRが小さくかつ耐熱性に優れた固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる固体電解コンデンサは、陽極体表面に、誘電体皮膜、固体電解質層を順次形成した固体電解コンデンサであって、固体電解質層が、ドーパントとして少なくともフルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンを含有する導電性高分子からなることを特徴とする。
本発明にかかる固体電解コンデンサにおいて、上記固体電解質層が、ドーパントとしてさらにテトラヒドロナフタレンスルホン酸イオンを含有する導電性高分子からなるものとすることができる。
また、本発明にかかる固体電解コンデンサにおいて、上記固体電解質層が、ドーパントとしてさらにナフタレンスルホン酸イオンを含有する導電性高分子からなるものとすることができる。
また、本発明にかかる固体電解コンデンサにおいて、上記固体電解質層が、ドーパントとしてさらにベンゼンスルホン酸イオンを含有する導電性高分子からなるものとすることができる。
さらに、本発明にかかる固体電解コンデンサにおいて、ドーパントの全体量に対して、上記フルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンを20モル%〜60モル%とすること、または上記導電性高分子をポリピロールとすることができる。
本発明によれば、ドーパントとして少なくともフルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンを用いることにより、ESRが小さくかつ耐熱性に優れた固体電解コンデンサを提供することができる。
図1を参照して、本発明にかかる一の固体電解コンデンサは、陽極体1表面に、誘電体皮膜2、固体電解質層3を順次形成した固体電解コンデンサであって、固体電解質層3が、ドーパントとして少なくともフルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンを含有する導電性高分子からなる。ここで、本発明において用いられるフルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンは、次の一般式(1)で示される。
Figure 2005135990
上記一般式(1)において、nはフルオロアルキル基([Cab2a+1−b]基)の数であり、置換可能な範囲で1以上の任意の整数をとることができる。aはフルオロアルキル基([Cab2a+1−b]基)中の炭素数であり、1〜20の任意の整数をとることができる。bはフルオロアルキル基([Cab2a+1−b]基)中のフッ素数であり、1〜2a+1の任意の整数をとることができる。pはスルホン酸イオン基([SO3 ]基)の数であり、置換可能な範囲で1以上の任意の整数をとることができる。フルオロアルキル基([Cab2a+1−b]基)の炭素数が20を超えると耐熱性が下がる傾向にある。また、フルオロアルキル基([Cab2a+1−b]基)を2以上含む場合において、フルオロアルキル基([Cab2a+1−b]基)の炭素数およびフッ素数は、互いに異なっていても同じであってもよい。なお、一般式(1)において、フルオロアルキル基([Cab2a+1−b]基)およびスルホン酸イオン基([SO3 ]基)がナフタレン環の両方の芳香族環を貫くような位置に記載されているのは、フルオロアルキル基([Cab2a+1−b]基)およびスルホン酸イオン基([SO3 ]基)は、ナフタレン環の水素が置換可能な範囲で、かつ配向性の条件を満たす限り、ナフタレン環の任意の場所に位置することが可能であることを意味するものとする。
上記一般式(1)で示されるフルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンの具体例としては、モノ(モノフルオロ)ペンチルナフタレンモノスルホン酸イオン、ジ(モノフルオロ)ペンチルナフタレンモノスルホン酸イオン、モノ(モノフルオロ)ペンチルナフタレンジスルホン酸イオン、モノ(オクタフルオロ)ペンチルナフタレンモノスルホン酸イオン、ジ(オクタフルオロ)ペンチルナフタレンモノスルホン酸イオン、モノ(オクタフルオロ)ペンチルナフタレンジスルホン酸イオンなどが挙げられる。ここで、フルオロアルキル基([Cab2a+1−b]基)がモノ体か、ジ体か、トリ体であるか、またはスルホン酸イオン基([SO3 ]基)がモノ体か、ジ体か、トリ体であるかは、固体電解コンデンサのESR低減および耐熱性向上に関して違いは少なく、いずれを用いても、また混合物を用いてもよい。
固体電解質層のドーパントとして少なくとも上記フルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンを含有する固体電解コンデンサは、リフロー前のESRが小さく、かつリフロー後もESRが小さく維持される。ここで、リフローとは、熱をかけてコンデンサなどの電子部品を基盤にはんだ付けをすることをいう。リフロー後もESRが小さいことは、そのコンデンサの耐熱性が高いことを示す。ここで、上記フルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンは、アルキル基の1以上の水素原子がより原子径の大きいフッ素原子に置換されているため、高温時にも導電性高分子からの脱離が起こりにくくESRを小さく維持でき、耐熱性が高くなるものと考えられる。
本発明にかかる固体電解コンデンサにおいて、上記固体電解質層が、ドーパントとしてさらにテトラヒドロナフタレンスルホン酸イオンを含有する導電性高分子からなるものとすることができる。ここで、本発明において用いられるテトラヒドロナフタレンスルホン酸イオンは、次の一般式(2)で示される。
Figure 2005135990
上記一般式(2)において、m1はアルキル基(R1基)の数であり、置換可能な範囲で0以上の任意の整数をとることができる。qはスルホン酸イオン基([SO3 ]基)の数であり、置換可能な範囲で1以上の任意の整数をとることができる。また、R1は炭素数1〜20のアルキル基を表わす。アルキル基(R1基)を1以上含むテトラヒドロナフタレンスルホン酸イオン(m1≧1)は、アルキル基(R1基)を含まないテトラヒドロナフタレンスルホン酸イオン(m1=0)に比べて導電性高分子への乳化力が大きく溶けやすい。アルキル基(R1基)の炭素数が20を超えると耐熱性が下がる傾向にある。また、アルキル基(R1基)を2以上含む場合において、各アルキル基(R1基)の炭素数は、互いに異なっていても同じであってもよい。
上記一般式(2)で示されるテトラヒドロナフタレンスルホン酸イオンの具体例としては、テトラヒドロナフタレンモノスルホン酸イオン、テトラヒドロナフタレンジスルホン酸イオン、モノブチルテトラヒドロナフタレンモノスルホン酸イオン、モノブチルテトラヒドロナフタレンジスルホン酸イオン、ジイソプロピルテトラヒドロナフタレンモノスルホン酸イオン、ジノニルテトラヒドロナフタレンモノスルホン酸イオンなどが挙げられる。ここで、スルホン酸イオン基([SO3 ]基)がモノ体か、ジ体か、トリ体であるか、またはアルキル基(R1基)がモノ体か、ジ体か、トリ体であるかは、固体電解コンデンサのLC低減に関して違いは少なく、いずれを用いても、また混合物を用いてもよい。
上記テトラヒドロナフタレンスルホン酸イオンは、耐熱性は低くリフロー後のESRは高いがLC(Leaked Current;漏れ電流)を小さくするドーパントであり、上記フルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンと併用することにより、ESRを小さく維持しながらLCを小さくすることができる。
また、本発明にかかる固体電解コンデンサにおいて、上記固体電解質層が、ドーパントとしてさらにナフタレンスルホン酸イオンを含有する導電性高分子からなるものとすることができる。ここで、本発明において用いられるナフタレンスルホン酸イオンは、次の一般式(3)で示される。
Figure 2005135990
上記一般式(3)において、m2はアルキル基(R2基)の数であり、置換可能な範囲で0以上の任意の整数をとることができる。rはスルホン酸イオン基([SO3 ]基)の数であり、置換可能な範囲で1以上の任意の整数をとることができる。また、R2は炭素数1〜20のアルキル基を表わす。アルキル基(R2基)を1以上含むナフタレンスルホン酸イオン(m2≧1)は、アルキル基(R2基)を含まないナフタレンスルホン酸イオン(m2=0)に比べて導電性高分子への乳化力が大きく溶けやすい。アルキル基(R2基)の炭素数が20を超えると耐熱性が下がる傾向にある。なお、アルキル基(R2基)を2以上含む場合において、各アルキル基(R2基)の炭素数は、互いに異なっていても同じであってもよい。なお、一般式(3)において、アルキル基(R2基)およびスルホン酸イオン基([SO3 ]基)がナフタレン環の両方の芳香族環を貫くような位置に記載されているのは、アルキル基(R2基)およびスルホン酸イオン基([SO3 ]基)は、ナフタレン環の水素が置換可能な範囲で、かつ配向性の条件を満たす限り、ナフタレン環の任意の場所に位置することが可能であることを意味するものとする。
上記一般式(3)で示されるナフタレンスルホン酸イオンの具体例としては、ナフタレンモノスルホン酸イオン、ナフタレンジスルホン酸イオン、モノメチルナフタレンモノスルホン酸イオン、ジメチルナフタレンモノスルホン酸イオン、ジメチルナフタレンジスルホン酸イオン、モノブチルナフタレンモノスルホン酸イオン、ジブチルナフタレンモノスルホン酸イオン、ジブチルナフタレンジスルホン酸イオンなどが挙げられる。ここで、スルホン酸イオン基([SO3 ]基)がモノ体か、ジ体か、トリ体であるか、またはアルキル基(R2)がモノ体か、ジ体か、トリ体であるかは、固体電解コンデンサのLC低減に関して違いは少なく、いずれを用いても、また混合物を用いてもよい。
上記ナフタレンスルホン酸イオンは、ESRが大きいがLCを小さくするドーパントであり、上記フルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンと併用することにより、ESRを小さく維持しながらLCを小さくすることができる。
また、本発明にかかる固体電解コンデンサにおいて、上記固体電解質層が、ドーパントとしてさらにベンゼンスルホン酸イオンを含有する導電性高分子からなるものとすることができる。ここで、本発明において用いられるベンゼンスルホン酸イオンは、次の一般式(4)で示される。
Figure 2005135990
上記一般式(4)において、m3はアルキル基(R3基)の数であり、置換可能な範囲で0以上の任意の整数をとることができる。sはスルホン酸イオン基([SO3 ]基)の数であり、置換可能な範囲で1以上の任意の整数をとることができる。また、R3は炭素数1〜20のアルキル基を表わす。アルキル基(R3基)を1以上含むベンゼンスルホン酸イオン(m3≧1)は、アルキル基(R3基)を含まないベンゼンスルホン酸イオン(m3=0)に比べて導電性高分子への乳化力が大きく溶けやすい。アルキル基(R3基)の炭素数が20を超えると耐熱性が下がる傾向にある。なお、アルキル基(R3基)を2以上含む場合において、各アルキル基(R3基)の炭素数は、互いに異なっていても同じであってもよい。
上記一般式(4)で示されるベンゼンスルホン酸イオンの具体例としては、ベンゼンモノスルホン酸イオン、ベンゼンジスルホン酸イオン、モノドデシルベンゼンモノスルホン酸イオン、モノドデシルベンゼンジスルホン酸イオン、モノオクチルベンゼンモノスルホン酸イオン、ジオクチルベンゼンモノスルホン酸イオンなどが挙げられる。ここで、スルホン酸イオン基([SO3 ]基)がモノ体か、ジ体か、トリ体であるか、またはアルキル基(R3)がモノ体か、ジ体か、トリ体であるかは、固体電解コンデンサのLC低減に関して違いは少なく、いずれを用いても、また混合物を用いてもよい。
上記ベンゼンスルホン酸イオンは、ESRが大きいがLCを小さくするドーパントであり、上記フルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンと併用することにより、ESRを小さく維持しながらLCを小さくすることができる。
本発明において、ドーパントの全体量に対して、上記フルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンを20モル%〜60モル%とすることが好ましい。上記フルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンを20モル%〜60モル%とすると、上記フルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンと、上記テトラヒドロナフタレンスルホン酸イオン、上記ナフタレンスルホン酸イオンまたは上記ベンゼンスルホン酸イオンとの組合わせによる相乗効果が大きくなり、固体電解コンデンサのリフロー後のESRを小さく維持しかつLCを小さくできる。かかる観点から、ドーパントの全体量に対して、上記フルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンを30モル%〜50モル%とすることがより好ましい。
なお、ドーパントとして、上記フルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンと併用するために、少なくとも上記テトラヒドロナフタレンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオンまたはベンゼンスルホン酸イオンを1つ以上用いることができ、2以上用いることもできる。
本発明に用いられる電導性高分子としては、特に制限はないが、ポリピロール、ポリチオフェンまたはポリアニリンなどの複素環を有する電導性高分子が好ましく用いられる。さらに、電解重合により良質な固体電解質層が形成されるポリピロールが特に好ましい。
ここで、固体電解コンデンサは、図1に示すように、タンタル、ニオブ、チタンまたはアルミニウムなどの弁金属の焼結体からなる陽極体1の表面に、この陽極体1表面を酸化させた誘電体皮膜2、固体電解質層3、導電性カーボンを含有するカーボン層4、銀ペーストなどからなる陰極引出層5が順次形成されてコンデンサ素子8が構成され、上記陽極体1の一端面に植立された陽極リード部材10に陽極端子20が接続され、上記陰極引出層5に陰極端子21が接続され、上記コンデンサ素子8がエポキシ樹脂などの外装樹脂7によって被覆密封された構造を有する。
本発明にかかる固体電解コンデンサについて、実施例に基づいて、さらに具体的に説明する。以下の実施例および比較例においては、スルホン酸イオン基およびアルキル基についてはモノ体を主成分とするスルホン酸イオンを用いた。以下、実施例および比較例におけるスルホン酸イオン名またはスルホン酸塩名において、モノの接頭辞を省略して記載する。
(実施例1)
図1を参照して、一端面(3.26mm×0.90mm面)に陽極リード部材10が植立されたタンタル(Ta)焼結体からなる4.36mm×3.26mm×0.90mmの直方体の陽極体1をリン酸水溶液中で陽極酸化を行ない、その表面に誘電体皮膜2を形成し、下記重合液を用いて電解重合を行ない、誘電体皮膜2上に固体電解質層3を形成した。次いで、この固体電解質層3上にカーボン層4、陰極引出層5を順次形成してコンデンサ素子8とした。さらに、陽極リード部材10に陽極端子20を溶接し、陰極引出層5に陰極端子21を導電性接着剤により接続した後、コンデンサ素子8の外側をエポキシ樹脂からなる外装樹脂7により被覆密封して固体電解コンデンサを作製した。
ここで、固体電解質層の形成は、重合液として、溶媒として水を用いて、導電性高分子を形成するためのピロール(0.2M、溶媒全体に対するモル濃度、以下同じ)と、ドーバントとするためのオクタフルオロペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム(0.2M)とを加えたものを用いた。重合液中でオクタフルオロペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウムは、オクタフルオロペンチルナフタレンスルホン酸イオンとナトリウムイオンとに解離しており、重合の際にオクタフルオロペンチルナフタレンスルホン酸イオンがドーパントとしてポリピロールに取り込まれて固体電解質層が形成される。なお、このことは、他のスルホン酸ナトリウムについても同様である。また、ドーパントの原料となる各種スルホン酸化合物は、重合液中でスルホン酸イオンとその対イオンとに解離することができるものであれば特に限定されず、上記スルホン酸ナトリウムの他、スルホン酸、スルホン酸カリウム、スルホン酸アンモニウムなどが挙げられる。
上記のようにして得られた固体電解コンデンサをリフローした後、ESRおよびLCを測定した。ここで、リフロー方法および条件は以下の4ステップとした。すなわち、第1ステップとして60秒以内で150℃に昇温し、第2ステップとして150℃で120秒間以内保持し、第3ステップとして150℃から30秒以内で200℃に昇温し、第4ステップとして200℃から250℃までの昇温、250℃での5秒間以内の保持および250℃から200℃までの降温を40秒以内で行なった。上記ESRおよびLCを表1にまとめた。
(比較例1〜比較例4)
電解重合の重合液として、表1に示すモル濃度の化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製し、実施例1と同様にリフロー後のESRおよびLCを測定した。それらの結果を表1にまとめる。
Figure 2005135990
表1に示すように、ドーパントとしてオクタフルオロペンチルナフタレンスルホン酸イオン(以下、OFPNという)を含有する固体電解コンデンサ(実施例1)は、他のドーパントに比べてLCは少し大きいがESRが10.2mΩと著しく小さくなった。
(実施例2〜実施例5)
ドーパントとして、OFPNおよび他の種類のスルホン酸イオンとを含有させるため、電解重合の重合液として、表2に示すモル濃度の化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製し、実施例1と同様にリフロー後のESRおよびLCを測定した。それらの結果を実施例1とともに表2にまとめる。
Figure 2005135990
表2に示すように、ドーパントとして、上記OFPNおよびブチルテトラヒドロナフタレンスルホン酸イオン(以下、BTHNという)、OFPNおよびブチルナフタレンスルホン酸イオン(以下、BNという)、OFPNおよびメチルナフタレンスルホン酸イオン(以下、MNという)、またはOFPNおよびドデシルベンゼンスルホン酸イオン(以下、DBという)を含有することにより、ESRを小さく維持しながらかつLCを小さくすることができた。
(実施例6〜実施例10)
ドーパントとして、OFPNおよびBTHNを用いたときのOFPNのモル%の違いによる固体電解コンデンサのESRおよびLC特性の違いを検討するため、電解重合の重合液として、表3に示すモル濃度の化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製し、実施例1と同様にリフロー後のESRおよびLCを測定した。それらの結果を表3にまとめる。
Figure 2005135990
表3に示すように、ドーパント全体量に対して、OFPNが20モル%未満であるとESRが急激に大きくなり、60モル%を超えるとLCが急激に大きくなる。このことから、ドーパント全体量に対するOFPNのモル%は、20モル%〜60モル%であることが好ましく、30モル%〜50モル%であることがより好ましい。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、ESRの低下を目的として、固体電解コンデンサに広く利用することができる。
本発明にかかる一の固体電解コンデンサを示す概略断面図である。
符号の説明
1 陽極体、2 誘電体皮膜、3 固体電解質層、4 カーボン層、5 陰極引出層、7 外装樹脂、8 コンデンサ素子、10 陽極リード部材、20 陽極端子、21 陰極端子。

Claims (6)

  1. 陽極体表面に、誘電体皮膜、固体電解質層を順次形成した固体電解コンデンサであって、前記固体電解質層が、ドーパントとして少なくともフルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンを含有する導電性高分子からなることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記固体電解質層が、前記ドーパントとしてさらにテトラヒドロナフタレンスルホン酸イオンを含有する導電性高分子からなることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記固体電解質層が、前記ドーパントとしてさらにナフタレンスルホン酸イオンを含有する導電性高分子からなることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記固体電解質層が、前記ドーパントとしてさらにベンゼンスルホン酸イオンを含有する導電性高分子からなることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記ドーパントの全体量に対して、前記フルオロアルキルナフタレンスルホン酸イオンが20モル%〜60モル%である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
  6. 前記導電性高分子がポリピロールである請求項1〜請求項5のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
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