JP2005132999A - ハードコートフィルムの作成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 JIS K 5400により測定した時の硬化塗膜の伸び率が80%以上となる紫外線硬化型塗料(a)をフィルム基材(C)上に塗布し、紫外線照射により硬化させ硬化塗膜(A)を形成させた後、JIS K 5400の手かき法により測定した時の硬化塗膜の鉛筆引っかき値が4H以上となる紫外線硬化型塗料(b)を前記硬化塗膜(A)上に塗布し、紫外線照射により硬化させ硬化塗膜(B)を形成させるハードコートフィルムの作成方法。
【選択図】 なし
Description
本発明で用いる紫外線硬化型塗料(a)は、JIS K 5400により測定した時の硬化塗膜の伸び率が80%以上であることが必要である。前記硬化塗膜の伸び率が80%より小さいと塗膜の屈曲性が十分でなく、フィルム基材(C)の屈曲に追随できないので好ましくない。紫外線硬化型塗料(a)は、得られる硬化塗膜の伸び率が80〜250%となる紫外線効果型塗料が好ましく、得られる硬化塗膜の伸び率が90〜230%となる紫外線効果型塗料がより好ましい。
1.測定しようとする紫外線硬化型塗料に光重合開始剤を塗膜形成成分に対して4重量%となるように配合する。例えば、有機溶剤を50重量%含有する紫外線硬化型塗料の時は、前記紫外線効果型塗料100重量部に対して光重合開始剤を2重量部添加する。光重合開始剤としてはアセトフェノン系の光重合開始剤であるイルガキュア184(チバスペシャリティーケミカル社製)を用いる。
等の化合物も塗膜形成成分としてラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物としてを含有させても良い。
1.測定しようとする紫外線硬化型塗料に光重合開始剤を塗膜形成成分に対して4重量%となるように配合する。例えば、有機溶剤を50重量%含有する紫外線効果型塗料の時は、前記紫外線効果型塗料100重量部に対して光重合開始剤を2重量部添加する。光重合開始剤としてはアセトフェノン系の光重合開始剤であるイルガキュア184(チバスペシャリティーケミカル社製)を用いる。
攪拌機、ガス導入管、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を備えた2リットルの清浄なセパラブルフラスコに、窒素ガスを吹き込み、フラスコ内の空気を窒素ガスで置換した後、フラスコに70℃に加温し溶解したトリメトロールプロパン136.7gとプラクセルM〔ダイセル化学工業(株)製のイプシロン−カプロラクトン 6−ヒドロキシヘキサン酸1,6−ラクトン〕883.3gを加え、攪拌しながら140℃まで昇温した。次いで、テトライソプロピルチタネート〔三菱ガス化学(株)社製〕0.05g加えた後、190℃で5時間保持して水酸基を分子中に3個有するポリエステルポリオール〔不揮発分:100%、ガードナー粘度(25℃):X、水酸基価:168mgKOH/g、酸価mgKOH/g:0.1、ガードナーカラー:2〕1,000gを得た。以下、これをポリエステルポリオール(PO1)と称する。
攪拌機、ガス導入管、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を備えた2リットルの清浄なセパラブルフラスコに、乾燥空気を吹き込み、フラスコ内を乾燥空気で置換した後、フラスコに酢酸エチル153g、酢酸ブチル153g、イソホロンジイソシアネート231g、ジブチル錫ジアセテートを0.2gおよびメトキノン0.2g加え、攪拌しながら70℃まで昇温した。次いで、エチレングリコールモノアクリレート121gを1時間かけて加えた。さらに2時間保持した後、合成例1で得たポリエステルポリオールPO1を360g加えた後、80℃で3時間保持してアクリロイル基を分子中に3個有するウレタンアクリレート〔不揮発分:70%、ガードナー粘度(25℃):U−V、ガードナーカラー:1以下〕1,000gを得た。以下、これをウレタンアクリレート樹脂(UA1)と称する。
攪拌機、ガス導入管、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を備えた3リットルの清浄なセパラブルフラスコに、窒素ガスを吹き込み、フラスコ内の空気を窒素ガスで置換した後、フラスコにイソホロンジイソシアネート444g、ジブチル錫ジアセテート0.1gおよびメトキノンを0.5g加え、攪拌しながら70℃まで昇温した。次いで、エチレングリコールモノアクリレート232gを1時間かけて加えた。さらに2時間保持した後、クリスボンCMA−244〔大日本インキ化学工業(株)社製ポリエステルジオール、水酸基価:56.1〕2,000gを加えた後、80℃で3時間保持してアクリロイル基を分子中に2個有するウレタンアクリレート〔不揮発分:100%、ガードナー粘度(25℃):Z8以上、ガードナーカラー:1以下〕2,676gを得た。以下、これをウレタンアクリレート樹脂(UA2)と称する。
攪拌機、ガス導入管、コンデンサー、滴下ロートおよび温度計を備えた2リットルの清浄なセパラブルフラスコに、窒素ガスを吹き込み、フラスコ内の空気を窒素ガスで置換した後、フラスコにイソホロンジイソシアネート444g、酢酸ブチル323g、ジブチル錫ジアセテート0.1gおよびメトキノン0.5g加え、攪拌しながら70℃まで昇温した。次いで、アロニックスM−305〔東亞合成(株)社製ペンタエリスリトールトリアクリレート、水酸基価:110.0〕1,071gを1時間かけて加えた。さらに80℃で3時間保持してアクリロイル基を分子中に6個有するウレタンアクリレート樹脂〔不揮発分:80%、ガードナー粘度(25℃):H、ガードナーカラー:1以下〕1,616gを得た。以下、これをウレタンアクリレート樹脂(UA3)と称する。
第1表に示すように樹脂成分、光重合開始剤〔イルガキュア184(チバ・スペシャリテイーケミカル社製1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル-ケトン)〕およびシンナーを混合し、紫外線硬化型塗料1を作製した。この塗料1を用いて硬化塗膜を作製し、JIS K 5400により硬化塗膜の伸び率及び硬化塗膜の鉛筆引っかき値を測定した。硬化塗膜の伸び率の具体的測定方法と硬化塗膜の鉛筆硬度測定の具体的測定方法を下記に示す。また、測定結果を第1表に示す。
紫外線硬化型塗料1を、表面をトルエンにてふき取りを行った70×300mmの清浄なガラス板に硬化塗膜の厚さが2ミルとなるようにアプリケーターにて塗装し、熱風乾燥炉内で70℃で15分間加熱乾燥を行った。その後80W/cmの高圧水銀灯下を15cmの距離から5m/minの速度で6回通過させて紫外線を照射し硬化塗膜を作成した。このときの紫外線の積算光量は1,500mj/cm2であった。
ガラス板状に作成した硬化塗膜を10×100mmの短冊状に切り取り、試験片とした。試験片をTENSILON:RTC−1210A[株式会社オリエンテック社製引っ張り試験器]にチャック間距離20mmで装着し、試験速度10mm/minで引っ張り試験を行った。測定時の環境は温度23℃、湿度50%であった。
紫外線硬化型塗料1を、ワーヤーバーコーターを用いて硬化塗膜の厚さが10μmとなるように清浄なスミペックE[住友化学(株)製ポリメチルメタクリレート(PMMA)、厚さ2mm]基板上に塗装した。熱風乾燥炉内で70℃で15分間加熱乾燥を行った後、80W/cmの高圧水銀灯下を15cmの距離から5m/minの速度で6回通過させて紫外線を照射し硬化塗膜を作成した。このときの紫外線の積算光量は1,500mj/cm2であった。得られた硬化塗膜を用いて、鉛筆引っかき値を測定した。測定時の環境は温度23℃、湿度50%であった。
第1表に示した配合で各成分を用いる以外は参考例1と同様にして紫外線硬化型塗料2〜3を作製した。参考例1と同様にして硬化塗膜の伸び率及び硬化塗膜の鉛筆引っかき値を測定した。測定結果を第1表に示す。尚、紫外線硬化型塗料3の硬化塗膜の伸び率を測定する際に硬化塗膜の硬度がありすぎ、塗膜が伸びない為塗膜にクラックが発生し、硬化塗膜を10×100mmの短冊状に切り取ることができなかった。
シンナー組成:キシレン/トルエン/酢酸エチル/酢酸ブチル/セロソルブアセテート=25/40/15/10/10(重量%)
紫外線硬化型塗料1をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムA4100[東洋紡(株)製易接着PETフィルム]にワイヤーバーコータを用いて塗布した。熱風乾燥炉内で70℃で10分間加熱乾燥を行った後、80W/cmの高圧水銀灯下を15cmの距離から5m/minの速度で6回通過させて紫外線を照射し、塗料を硬化させ、硬化塗膜(A1)を作製した。この時の紫外線の積算照度は1,500mj/cm2であった。次に紫外線硬化型塗料3を硬化塗膜(A1)上にワイヤーバーコータを用いて塗布した。熱風乾燥炉内で70℃で10分間加熱乾燥を行った後、80W/cmの高圧水銀灯下を15cmの距離から5m/minの速度で6回通過させて紫外線を照射し、塗料を硬化させ、硬化塗膜(B1)を作製し(紫外線の積算照度は1,500mj/cm2)、硬化塗膜(A1)と硬化塗膜(B1)がPETフィルム状にPETフィルム/硬化塗膜(A1)/硬化塗膜(B1)の順で配置したハードコートフィルム1を作製した。このハードコートフィルム1の伸び率の試験、鉛筆硬度試験及び加工性試験を下記の方法にて行った。結果を第2表に示す。
得られたハードコートフィルムを10×100mmの短冊状に切り取り、試験片を作製した。試験片をTENSILON:RTC−1210Aにチャック間距離20mmで装着し、試験速度10mm/minで引っ張り試験を行い、塗膜にクラックが生じた時の伸び率を測定した。クラックの発生有無は目視観察にて判定した。測定時の環境は温度23℃、湿度50%であった。この伸び率が2.0%以上であれば、ハードコートフィルムの伸びが良く、屈曲性に優れると判断した。尚、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムA4100の伸び率は317%であった。
得られたハードコートフィルムの硬化塗膜表面の鉛筆硬度をJIS K 5400の機械法に準じて測定した。この時の加重は0.5Kgであった。また、測定時の環境は温度23℃、湿度50%であった。この鉛筆硬度がH以上であれば、ハードコートフィルム上の硬化塗膜の硬度が高く、耐磨耗性に優れると判断した。尚、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムA4100の鉛筆硬度はHBであった。
得られたハードコートフィルムを50×100mmの短冊状に切り取り、試験片を作製した。試験片を90°の角に密着するように押し当てて屈曲させた後、塗膜表面のクラック発生の有無を目視にて評価した。クラックが発生しなかったものを○、発生したものを×で記した。
実施例1と同様にしてハードコートフィルム2〜4およびハードコートフィルム1′〜4′を作製した。実施例1と同様にしてハードコートフィルムの伸び率の試験と鉛筆硬度試験を下記の方法にて行った。結果を第2表及び第3表に示す。
Claims (7)
- JIS K 5400により測定した時の硬化塗膜の伸び率が80%以上となる紫外線硬化型塗料(a)をフィルム基材(C)上に塗布し、紫外線照射により硬化させて硬化塗膜(A)を形成させた後、JIS K 5400の手かき法により測定した時の硬化塗膜の鉛筆引っかき値が4H以上となる紫外線硬化型塗料(b)を前記硬化塗膜(A)上に塗布し、紫外線照射により硬化させて硬化塗膜(B)を形成させることを特徴とするハードコートフィルムの作成方法。
- 前記紫外線硬化型塗料(a)が2官能のウレタン(メタ)アクリレートおよび/または3官能のウレタン(メタ)アクリレートを樹脂分を基準として50〜100重量%含有する紫外線硬化型塗料であり、前記紫外線硬化型塗料(b)が4官能以上のウレタン(メタ)アクリレートを樹脂分を基準として25〜100重量%含有する紫外線硬化型塗料である請求項1記載のハードコートフィルムの作成方法。
- 前記紫外線硬化型塗料(a)が(メタ)アクリロイル基を樹脂分を基準として0.2〜3.0mmol/g含有する紫外線硬化型塗料であり、かつ、前記紫外線硬化型塗料(b)が(メタ)アクリロイル基を樹脂分を基準として4.0〜12.0mmol/g含有する紫外線硬化型塗料である請求項2記載のハードコートフィルムの作成方法。
- 前記2官能のウレタン(メタ)アクリレートおよび/または3官能のウレタン(メタ)アクリレートが末端に(メタ)アクリロイル基を有する重量平均分子量1,000〜10,000のウレタン(メタ)アクリレートであり、前記4官能以上のウレタン(メタ)アクリレートが重量平均分子量450〜2,000のウレタン(メタ)アクリレートである請求項2記載のハードコートフィルムの作成方法。
- 前記フィルム基材(C)がポリエチレンテレフタレートフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムおよびポリスチレンフィルムからなる群から選ばれる1種以上のフィルムである請求項4記載のハードコートフィルムの作成方法。
- 前記硬化塗膜(A)の膜厚が5〜80μmとなる様に前記紫外線硬化型塗料(a)をフィルム基材(C)上に塗布し、かつ、前記硬化塗膜(B)の膜厚が3〜25μmとなる様に前記紫外線硬化型塗料(b)を硬化塗膜(A)上に塗布する請求項1〜5のいずれか1項記載のハードコートフィルムの作成方法。
- 前記紫外線硬化型塗料(a)の硬化塗膜の伸び率が80〜250%であり、かつ、前記紫外線硬化型塗料(b)の硬化塗膜の鉛筆引っかき値が4H〜8Hである請求項1〜5のいずれか1項記載のハードコートフィルムの作成方法。
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