JPH07289987A - 耐候性・耐食性に優れた塗装金属板およびその製造方法 - Google Patents

耐候性・耐食性に優れた塗装金属板およびその製造方法

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JPH07289987A
JPH07289987A JP10910394A JP10910394A JPH07289987A JP H07289987 A JPH07289987 A JP H07289987A JP 10910394 A JP10910394 A JP 10910394A JP 10910394 A JP10910394 A JP 10910394A JP H07289987 A JPH07289987 A JP H07289987A
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Hiroshi Kihira
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裕 田所
Katsuya Kusakari
勝也 草刈
Toshihiro Kano
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Tomoaki Mukoyama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 海岸やトンネル等の苛酷な腐食環境下にあっ
ても、高度の耐候性、耐食性、高硬度、高耐汚染性、防
眩性に優れた塗装金属板およびその製造方法を提供す
る。 【構成】 金属板の最下層に、塗膜ガラス転移点が65
℃以下、塗膜伸びが30%以上の特性を有する固体もし
くは固体に近い状態に熱硬化された塗膜を設け、その上
にアクリルポリ(メタ)アクリレートと1分子中に2個
以上の(メタ)アクリロイル基を含みかつ(メタ)アク
リロイル基が150以下の多価アルコール(メタ)アク
リレートを必須成分とした組成物からなる1層以上の塗
膜を設けるとともに、この上層が電子線照射によって硬
化されてイオン透過抵抗を500Mオーム・cm2以上
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、最下層に柔軟な熱硬化
塗膜を有し、その上に1層以上の耐候性の良い電子線硬
化型アクリルポリ(メタ)アクリレートを有し、イオン
透過抵抗が500Mオーム・cm2 以上である耐食性・
耐候性に優れ、かつ高硬度、高耐汚染に優れた塗装金属
板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高硬度、高耐汚染に優れた塗装金属板お
よびその製造方法に関しては、特公平4―45342号
公報に開示された技術が既に実用化されている。この開
示した技術は、電子線硬化塗膜を金属板に被覆したもの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
塗装金属板は、苛酷な環境下、例えば海岸に直面した場
所や交通量が多く、年間の気温差が大きく、かつ道路の
凍結防止のために塩化物(NaCl,CaCl2)を散
布するトンネル等では耐食性が不十分な場合がある。
【0004】この耐食性の劣化原因について種々検討し
た結果、寒暖の差が大きい地域では塗膜の収縮が大きい
ために、硬い塗膜ではミクロな割れが発生してそれが成
長することが判明した。
【0005】また、トンネル内では車両通行による道路
の微小振動の繰り返しが硬い塗膜の割れを誘発させるこ
と、および飛び石が当たって塗膜割れを発生させること
等も判明した。
【0006】更に、トンネル外の道路にも最近は塗装金
属板が使用されるケースが、最近生じてきた。
【0007】この場合、特公平4―45342号公報に
開示された塗膜では、耐候性が十分でない(サンシャイ
ンウエザオメーター試験1000時間でチョーキング)
ことが判明した。
【0008】本発明は、上記のような腐食誘発要因にも
耐えて耐食性が十分(例えば5年以上)であり、かつ高
耐候性、高硬度、高耐汚染、防眩に優れた塗装金属板お
よびその製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の耐候性・耐食性
に優れた塗装金属板は、上記の課題を解決するために、
金属板の最下層に、塗膜ガラス転移点が65℃以下、塗
膜伸びが30%以上の特性を有する、固体もしくは固体
に近い状態に熱硬化された塗膜を設け、その上にアクリ
ルポリ(メタ)アクリレートと1分子中に2個以上の
(メタ)アクリロイル基を含みかつ(メタ)アクリロイ
ル基当量が150以下の多価アルコール(メタ)アクリ
レートを必須成分とした組成物からなる1層以上の塗膜
を設けるとともに、この上層が電子線照射によって硬化
されてイオン透過抵抗を500Mオーム・cm2以上の
塗膜であることを特徴とする。
【0010】そして、その製造方法は、金属板の最下層
に、塗膜ガラス転移点が65℃以下、塗膜伸びが30%
以上の特性を有する塗膜を塗布し、熱硬化によって固体
もしくは固体に近い状態の塗膜を形成し、その上層にア
クリルポリ(メタ)アクリレートと1分子中に2個以上
の(メタ)アクリロイル基を含みかつ(メタ)アクリロ
イル基当量が150以下の多価アルコール(メタ)アク
リレートを必須成分とした組成物からなる塗膜を1層以
上塗布し、前記上層に電子線を照射して硬化させてイオ
ン透過抵抗を500Mオーム・cm2以上とすることを
特徴とする。
【0011】上記の製造方法において、電子線照射後さ
らに板温として200℃以上で加熱することは最下層の
熱硬化塗膜の硬化度が不足した場合には有効である。
【0012】また、塗装金属板として13%以上のCr
を含有するステンレス鋼板を適用することは、耐食性の
確保に有効である。
【0013】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】まず、本発明では、金属板の最下層に、塗
膜ガラス転移点が65℃以下、望ましくは40℃以下、
塗膜伸びが30%以上、望ましくは50%以上の柔軟な
熱硬化型塗膜を設ける。
【0015】このように柔軟な塗膜を設けることによっ
て寒暖の差や道路の繰り返し振動および飛び石等に起因
した塗膜の割れが防止され、耐食性を格段に向上させる
ことができる。ガラス転移点および伸びは前記のように
規定しないと塗膜の割れを十分に防止できない。
【0016】本発明にいう熱硬化型塗膜用樹脂として
は、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、エポキシ
樹脂その他が挙げられるが前二者が好適である。
【0017】ポリエステルとしては、線状ポリエステル
が望ましく、分子量としては5000以上がのぞまし
い。これを構成する物質としては次の様なものがあげら
れる。
【0018】即ち、アルコールとしては、アルキレング
リコール型として、エチレングリコール、プロピレング
リコール、クロルポロピレングリコール、ブタンジオー
ル(1,3―または1,4―または2,3―)、3―メ
チルペンタンジオール、2,2―ジエチルプロパンジオ
ール、ペンタメチレングリコール、1,6―ヘキサンジ
オール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレング
リコール、ノナメチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ヘキサメチレンジオールなど、脂環式グリコー
ル型として、1,4―シクロヘキサンジオール、シクロ
ヘキサン―1,4―ジメタノール、水素化ビスフェノー
ルAなど、ポリアルキレングリコール型として、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブ
タジエンジオールなど、また芳香族系グリコール型とし
て、2,2’―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(別名ビスフェノールA)、ビス(4―ヒドロキシフ
ェニル)メタン(別名ビスフェノールF)、4,4’―
ジヒドロキシフェニル、ハイドロキノン、レゾルシンな
どのフェノール類にアルキレンオキサイド(エチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド
など)を付加して得られるグリコール類などがあげられ
る。
【0019】カルボン酸としては、鎖状または分岐状2
価カルボン酸として、しゅう酸、マロン酸、コハク酸、
グルタル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、ドテカン酸、メチレングルタル
酸、メチルマレイン酸、メチルコハク酸、ドデセニルコ
ハク酸など、脂肪族ジカルボン酸として、テトラヒドロ
フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、6―メチルテトラヒ
ドロフタル酸、6―メチルヘキサヒドロフタル酸、エン
ドメチレンテトラヒドロフタル酸、エンドイソプロピリ
デンテトラヒドロフタル酸、1,4,5,6,7,7―
ヘキサクロロ―エンド―5―ノルボルネン―2,3―ジ
カルボン酸(別名ヘット酸)、1,4,5,6,7,7
―ヘキサブロモ―エンド―5―ノルボルネン―2,3―
ジカルボン酸、シクロヘキサン、1,4―ジカルボン酸
など、また芳香族ジカルボン酸として、フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、テト
ラブロモフタル酸、あるいはこれらの無水物などがあげ
られる。
【0020】また、熱硬化性アクリル樹脂は、アクリル
酸、あるいはα―置換アクリル酸エステルとしては次の
ようなものがあげられるが、これに限定されるものでは
ない。
【0021】例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸―n―プロピル、アクリル酸イソプロ
ピル、アクリル酸―n―ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸―n―アミル、アクリル酸―n―ヘキシ
ル、アクリル酸―n―オクチルなどのアクリル酸アルキ
ルエステル、アクリル酸―2―クロルエチル、アクリル
酸―3―クロルプロピルなどのアクリル酸ハロゲン化ア
ルキル、アクリル酸―2―ヒドロキシエチル、アクリル
酸―2―ヒドロキシプロピルなどのOH基を持つアクリ
ル酸含OH基エステル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸―n―プロピル、メタクリル
酸イソプロピル、メタクリル酸―n―ブチル、メタクリ
ル酸イソブチル、メタクリル酸―n―アミル、メタクリ
ル酸―n―オクチル、メタクリル酸ラウリルなどのα―
アルキルアクリル酸アルキルエステル、α―クロルアク
リル酸メチル、α―クロルアクリル酸エチルなどのα―
ハロゲンアクリル酸エステル、メタクリル酸―2―クロ
ルエチル、メタクリル酸―3―クロルプロピルなどのα
―アルキルアクリル酸ハロゲン化アルキルエステル、メ
タクリル酸―2―ヒドロキシエチル、メタクリル酸―2
―ヒドロキシプロピル、メタクリル酸―1―クロル―2
―ヒドロキシエチルなどのOH基を持つα―アルキルア
クリル酸エステル、およびメタクリル酸グリシジルなど
のアクリル系モノマが含まれる。
【0022】この場合も分子量は5000以上がのぞま
しい。
【0023】次に、本発明で最下層の塗膜を固体に近い
状態に熱硬化させるのは、その上にさらに1層以上重ね
塗りする際に、下層と上層の密着性の点より完全硬化で
あってはならないからである。
【0024】次に、前記の最下層の上には、アクリルポ
リ(メタ)アクリレートと1分子中に2個以上の(メ
タ)アクリロイル基を含みかつ(メタ)アクリロイル基
当量が150以下の多価アルコール(メタ)アクリレー
トを必須成分とした組成物からなる塗膜を1層以上塗布
する。
【0025】このような塗膜を設ける目的は、最下層が
耐擦傷性に劣り、また耐汚染性がよくないのでこれらを
向上させることにある。更に、最下層の塗膜にピンホー
ルが生じた場合でも、重ね塗りすることによってこれを
つぶすことにある。
【0026】本発明に用いるアクリルポリ(メタ)アク
リレートとは、主鎖にアクリル骨格を用い、これに(メ
タ)アクリル酸をエステル化反応して得られるものをい
い、1000分子量当たり2個以上、望ましくは3個以
上の(メタ)アクリロイル基を有するものをいう。
【0027】十分な耐候性をうるためには、1000分
子量当たり不飽和炭素二重結合を1モル以上含む一層以
上の電子線硬化型アクリルポリ(メタ)アクリレートの
塗布が好適である。
【0028】本成分に関して、更に詳しくのべる。主鎖
は次にあげるようなアクリル酸、あるいはα―置換アク
リル酸エステル等の単量体からなる。
【0029】アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸―n―プロピル、アクリル酸イソ
プロピル、アクリル酸―n―ブチル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸―n―アミル、アクリル酸―n―ヘキ
シル、アクリル酸―n―オクチルなどのアクリル酸アル
キルエステル、アクリル酸―2―クロルエチル、アクリ
ル酸―3―クロルプロピルなどのアクリル酸ハロゲン化
アルキル、アクリル酸―2―ヒドロキシエチル、アクリ
ル酸―2―ヒドロキシプロピルなどのOH基を持つアク
リル酸含OH基エステル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸―n―プロピル、メタクリ
ル酸イソプロピル、メタクリル酸―n―ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸―n―アミル、メタク
リル酸―n―オクチル、メタクリル酸ラウリルなどのα
―アルキルアクリル酸アルキルエステル、α―クロルア
クリル酸メチル、α―クロルアクリル酸エチルなどのα
―ハロゲンアクリル酸エステル、メタクリル酸―2―ク
ロルエチル、メタクリル酸―3―クロルプロピルなどの
α―アルキルアクリル酸ハロゲン化アルキルエステル、
メタクリル酸―2―ヒドロキシエチル、メタクリル酸―
2―ヒドロキシプロピル、メタクリル酸―1―クロル―
2―ヒドロキシエチルなどのOH基を持つα―アルキル
アクリル酸エステル、およびメタクリル酸グリシジルな
どのアクリル系モノマが含まれる。
【0030】この場合も分子量は5000以上がのぞま
しい。
【0031】次に多価アルコール(メタ)アクリレート
とは、多価アルコールの末端の水酸基に(メタ)アクリ
ル酸を反応させて(メタ)アクリロイル基を導入したも
のをいい、オリゴ(メタ)アクリレートと組合せて極め
て高度な架橋密度を得るための役目を果すものである。
【0032】そのためには、1分子中に(メタ)アクリ
ロイル基を2ケ以上含むもので、(メタ)アクリロイル
基当量が150以下、更に望ましくは130程度以下が
好ましい。
【0033】尚この場合、前述の多価アルコール(メ
タ)アクリレートの混合物でもよい。ここにいう多価ア
ルコールとは次のようなものをいう。
【0034】即ち、2価アルコールとしては、アルキレ
ングリコール型として、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、クロルプロピレングリコール、ブタンジ
オール(1,3―または1,4―または2,3―)、3
―メチルペンタンジオール、2,2―ジエチルプロパン
ジオール、ペンタメチレングリコール、1,6―ヘキサ
ンジオール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレ
ングリコール、ノナメチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、ヘキサメチレンジオールなど、脂環式グリ
コール型として、1,4―シクロヘキサンジオール、シ
クロヘキサン―1,4―ジメタノール、水素化ビスフェ
ノールAなど、ポリアルキレングリコール型として、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポ
リブタジエンジオールなど、また芳香族系グリコール型
として、2,2’―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(別名ビスフェノールA)、ビス(4―ヒドロキ
シフェニル)メタン(別名ビスフェノールF)、4,
4’―ジヒドロキシフェニル、ハイドロキノン、レゾル
シンなどのフェノール類にアルキレンオキサイド(エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキ
サイドなど)を付加して得られるグリコール類などがあ
げられる。
【0035】3価以上のアルコールとしては、アルカン
トリオール型として、グリセリン、トリメチロールメタ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
1,2,6―ヘキサントリオール、1,2,3―ブタン
トリオール、1,2,3―ペンタントリオール、2―メ
チル―2,3,4―ブタントリオール、2―エチル―
2,3,4―ブタントリオール、2―メチル―1,2,
3―ブタントリオール、2―エチル―1,2,3―ブタ
ントリオール、2,3,4―ヘキサントリオール、ペン
タメチレングリコールなど、アルカンテトラオールとし
て、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール、トイレット、1,2,3,4―ペンタ
ンテトロール、2,3,4,5―ヘキサンテトロール、
2,5―ジメチル―2,3,4,5―ヘキサンテトロー
ル、1,2,3,5―ペンタンテトロール、3―ヘキセ
ン―1,2,5,6―テトロール、3―ヘキシン―1,
2,5,6―テトロールなど、エーテル基含有脂肪族ト
リオールとして、グリセリンやトリメチロールプロパン
などにアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プ
ロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)を付加
させて得られるトリオールなど、エーテル基含有脂肪族
テトラオールとしてエリスリトールやペンタエリスリト
ールなどにアルキレンオキサイドを付加させて得られる
テトラオールなど、また芳香族トリオールとして、ピロ
ガロールにアルキレンオキサイドを付加させて得られる
トリオールなどがあげられる。
【0036】このうち、結果として(メタ)アクリロイ
ル基当量が150以下のものが特に好ましい。
【0037】上記のオリゴ(メタ)アクリレートを必須
成分とする塗膜の膜厚は、最低15μm以上、好ましく
は25μm以上である。
【0038】重ね塗りする層数は、1層以上好ましくは
2層以上、更に好ましくは3層以上であり、それぞれの
膜厚は2μm以上で10μm以下が望ましい。
【0039】その理由は、薄すぎると塗膜欠陥(ピンホ
ール)を補いあう効果が薄れ、厚すぎると電子線硬化
後、硬化性が大なるため収縮応力も大となり塗膜割れ、
層間剥離等が生じ易くなるためである。
【0040】以上、本発明を構成する組成物の樹脂成分
に関して述べたが、この他に顔料、溶剤、ポリマー等を
必要に応じて添加することができる。
【0041】無機着色顔料としては、弁柄、黄色酸化
鉄、クロムバーミリオン、酸化クロム、カーボンブラッ
ク等、有機着色顔料としては、キナクリドン、イソイン
ドリノン、インダンスレンブルー、フタロシアニンブル
ー、フタロシアニングリーン等があげられる。
【0042】その他として、チタンホワイト、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、アルミナ、シリカ等が挙げられ
る。オーバープリンティングワニスにも必要に応じて添
加される。
【0043】溶剤としては、キシレン、酢酸ブチル、シ
クロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、モルフォリン、オレフィン系溶剤等が挙げられる。
【0044】ポリマーとしては、塗布性を向上させるた
めに使用することがあるが、ポリエステル、アクリル、
ウレタン、エポキシ等が用いられる。この場合、量的に
多すぎると性能低下になるので、適当量添加する。
【0045】以上の組成物で高硬度、耐汚染性を有する
塗膜が得られるが、用途によっては防眩性が要求され
る。
【0046】この場合、種々の方策が考えられるが、塗
膜最表面層に滑らかな幾何学的凹凸を与える方法が良い
ことがわかった。
【0047】すなわち、通常行われる体質顔料でも防眩
効果は得られるが、耐汚染性の低下がみられる。
【0048】表面に滑らかな幾何学的凹凸を与える方法
とは、ガラスもしくは樹脂ビーズの添加が本発明の目的
にかなうものである。具体的には次のものがあげられ
る。
【0049】ガラスビーズとしては、必要とする凹凸に
応じて粒径2μm〜70μmのソーダ石灰ガラスないし
は低アルカリガラスが好ましい。
【0050】ソーダ石灰ガラスはアルカリもしくは水に
より、極微量ではあるが、長期間しようすると溶出する
可能性があり、イオン透過抵抗を低下させるため、低ア
ルカリガラスの方が好ましい。
【0051】樹脂ビーズとしては、メラミン、スチレン
アクリル、テフロン、ポリアクリロニトリル、等の比較
的硬いビーズがあげられるが、硬さの点からいうと架橋
アクリル樹脂ビーズが好ましく、必要とする凹凸に応じ
て2μm〜100μmの粒径のものが選択される。
【0052】その他、高硬度(8H)を要求されない用
途によっては、ナイロン、ウレタン等のビーズも用いら
れる。耐食性を重視すれば、樹脂ビーズの方がより好ま
しい。
【0053】次に、塗膜のイオン透過抵抗に関して述べ
る。腐食が電気化学的プロセスであることに着目して、
水溶液中における電気化学的交流インピーダンス測定を
行い、この結果の解析から塗膜のイオン透過抵抗値を求
めることができる。
【0054】この値は、外界からの腐食性イオン種(C
-,SO4 2-,NO3 -、など)の内部への浸透を、当該
塗膜が如何に抑え得るかという度合いを定量的に示すも
のであり、測定法としては特開昭60―100751号
公報、特開昭62―229056号公報、特開昭63―
126242号公報等に公表されているとおり確立して
いる。
【0055】装置としては日鉄テクノス(神奈川県相模
原市)から市販されている塗膜劣化度診断センサー(R
ST Model3)を用いれば、面積補正を行う事に
より、容易に上記の値を得る事ができる。
【0056】本発明において塗膜のイオン透過抵抗値を
500Mオーム・cm2以上に規定する理由は以下のと
おりである。
【0057】種々の塗装系で、膜厚・塗り重ね回数を変
えて異なる塗膜のイオン透過抵抗値を持つ塗装金属板を
準備し、これらの試料の複合腐食試験による点錆発生ま
での時間を測定した。
【0058】本複合試験には、0.01規定の硫酸、
0.01規定の硝酸および3%塩化カルシウムの混合水
溶液を摂氏40度にて3時間噴霧し、その後摂氏60度
にて3時間乾燥、さらに摂氏60度で湿度95%とする
事を6時間継続する、というサイクルを繰り返した。
【0059】試験の結果、本発明の塗装系をステンレス
に施す場合、十分な耐食性を確保するためには、500
Mオーム・cm2以上となるようにする必要があり、出
来得ることなら1.5Gオーム・cm2以上である事が
望ましいことが導き出された。
【0060】前記の抵抗値を得るには適切な樹脂構造を
選ぶことと膜厚を上げることが考えられる。
【0061】前者に関しては、硬化塗膜の樹脂構造中に
極性官能基例えば―COOH、―OH、―NH2その他
が極力存在しないほうがよい。
【0062】このためには、最下層に関しては樹脂骨格
中に極性官能基が少ないものを選択するか、或いは極性
官能基が多くても電子線照射後に再加熱して架橋反応を
さらにすすめること等の二つが考えられるが、架橋密度
の点からいうと後者の方が望ましい。
【0063】オリゴ(メタ)アクリレートに関していえ
ば、合成原料の単量体の分子中に含まれる極性官能基の
85%以上、望ましくは95%以上が反応しているもの
が本発明の主旨にそうものである。
【0064】このような考え方に基ずいて、2層以上で
塗膜厚30〜40μm程度以上塗布すれば前記の抵抗値
は得られるが、この場合でも先に述べたように塗膜とし
ては多層の方が良い。
【0065】この場合、最下層の膜厚は最低20μm以
上、その上に塗り重ねる塗膜の膜厚は、最低1μm以
上、望ましくは3μm以上であり、塗布する層数は2層
以上が良い。但し、全膜厚としては70μm以下が望ま
しい。
【0066】その理由は、厚すぎると塗膜の内部応力が
大きくなり長期間使用する場合ヒビ割れ等が発生する可
能性があること及び経済性にある。
【0067】次に、本発明に用いる金属板としてはCr
含有量が13%以上のステンレス鋼板を適用するのが望
ましい。
【0068】市販の、SUS410(13%Cr),S
US430(18%Cr),YUS180(19Cr―
0.4Cu―0.4Nb―低C―低N),およびYUS
220(22Cr―0.8Mo―0.4Nb―0.5C
u)を母材として、請求項1記載の塗装系で500Mオ
ーム・cm2のイオン透過抵抗値を持つ塗膜を施し、前
述と同様の複合腐食試験を行い、点錆発生までの時間を
測定した。
【0069】その結果、SUS410は1400時間に
して点錆が発生したのに対し、SUS430では540
0時間、YUS180では7900時間、YUS220
では24000時間というように、母材のクロムおよび
モリブデンの各含有量の増加にともなって耐食性が大幅
に改善された(SUSは日本工業規格に規定された記
号、YUSは新日本製鉄(株)のステンレス製品につけ
られている商標)。
【0070】これまで、厳しい腐食環境となるトンネル
内で、十年以上の寿命を持つ塗装ステンレスとしては、
これまでの経験から前述の複合腐食試験において500
0時間以上が望ましいとされてきており、このことから
母材ステンレスには18%以上Crが含有されているこ
とが望ましい。
【0071】ここで、高い塗膜のイオン透過抵抗値を有
する塗装系と耐食合金元素量をさらに増やした母材とを
組み合わせることによって、さらに高耐食の塗装ステン
レスも設計・製造が可能である事は言うまでもない。
【0072】このように塗り重ねできる状態に硬化した
グランドコートの上に、更に一層以上重ね塗りする方法
としては、塗装に用いるロールコート方式や印刷に用い
るグラビアオフセット方式、シルクスクリーン方式等が
用いられ、2層以上重ね塗りする時は、同じ方式を繰り
返しても良いし、他の方式との組み合わせでも良い。グ
ランドコート、重ね塗り層は必要に応じて着色、柄付を
しても良い。
【0073】以上の本発明の製造法において、電子線照
射法について説明する。
【0074】照射装置としては、例えばスキャニング方
式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式等が挙げ
られ、塗布膜厚によって必要加速電圧が選択される。電
子線照射雰囲気は不活性ガス等で置換する。
【0075】尚、本発明において、塗膜の上に塩ビ、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等の保護フィルムを貼り合
わせてもよい。
【0076】母材金属板として、Cr含有量が13%以
上のステンレス鋼板を用いれば、さらに完全な高耐食性
が得られる。
【0077】次に本発明の塗装金属板を製造する方法に
関して説明する。
【0078】本発明の塗装金属板において、原板として
は先に述べたようなステンレス鋼板を適用するのが好ま
しいが、これは切板状、又は、コイル状であってもよ
い。
【0079】これらは、鋼板製造工程で脱脂されたも
の、更にクロム酸、燐酸、シランカップリング剤等の化
成処理を施されたものが用いられるか、もしくは塗装工
程の前処理工程で前記の処理を施したものが用いられ
る。
【0080】又、この原板と本発明における組成物の層
間にプライマーを用いた方が良い。このプライマーの組
成としては、エポキシ、変性エポキシ、エポキシアクリ
ル、ポリエステル、エポキシポリエステル等ステンレス
鋼板との密着性が良ければ、何でも良い。
【0081】塗装法としては、ロールコーター等の通常
方法であり、硬化法としては、熱、電子線、紫外線等何
でも良い。その塗布膜厚としては、1〜10μm位、好
ましくは2〜8μm位である。
【0082】本発明にいうグランドコートの塗布方法と
しては、ロールコート、カーテンフローコート等の塗装
法が用いられる。膜厚としては、既に述べた通りであ
る。
【0083】ここで、グランドコートの熱硬化に関して
説明する。これに用いる本発明の樹脂系は、この上に塗
り重ねできる状態に熱硬化するものである。
【0084】熱硬化時の板温としては120℃〜200
℃位、時間としては20秒〜3分位が本目的に好適であ
る。
【0085】金属板の最下層は、電子線照射前に、固体
もしくは固体に近い状態に硬化されているが、完全硬化
するために電子線照射後に再び加熱する。
【0086】その温度は、縮合反応が起る温度であり、
最終板温としては200℃以上とする必要がある。
【0087】
【実施例】
【0088】
【実施例1】 (試験NO.1)先ず母材に塗布する塗料として以下の
3種類を準備した。
【0089】層A(グランドコート):軟質アクリル系
塗料 塗膜のガラス転移点;−5℃、塗膜伸び率;300%、
塗膜硬度;F
【0090】層B(層A上の第1層目);アクリル酸・
アクリル酸エチル・アクリル酸2ヒドロキシエチル・メ
タアクリル酸グリシジル共重合体(数平均分子量:約1
0,000、二量結合量:二ヶ/1,000分子量)1
00部に酸化チタン120部を添加して塗料化した。
【0091】層C;(層A上の第2層目)層Bで用いた
ポリアクリル共重合体100部に酸化チタン100部を
添加して塗料化した。
【0092】層D(層A上の第3層目);層Aで用いた
ポリアクリル共重合体100部にトリメチロールプロパ
ントリメタクリレート(メタクリル基等量約100)1
00部を添加して組成物とした。
【0093】次に、熱硬化型エポキシプライマーを塗布
(3μm)したフェライト系ステンレス鋼板(19Cr
―0.4Cu―0.4Nb)に層Aを乾燥膜厚で30μ
mとなるようにカーテンフローコーター(岩田塗装機
製)で塗布し、これを板温140℃の条件で軟固体状と
した。
【0094】この軟固体塗膜の上に、層Bをグラビアオ
フセット印刷機により乾燥膜厚で5μmとなるように塗
布し、更に層C及びDをグラビアオフセット印刷機によ
りそれぞれ乾燥膜厚で5μmとなるように塗布した。
【0095】この後、電子線照射にて3層を同時に硬化
した。その条件は160mA/1.2m、照射線量は9
Mad、照射時の酸素濃度は150ppmであった。こ
の塗装鋼板を板温230℃となるように再加熱してグラ
ンドコート層を完全硬化した。
【0096】
【比較例1】 (試験NO.2)層A(グランドコート層)を塗膜のガ
ラス転移点が70℃、塗膜伸びが10%の硬質ポリエス
テルとして、この上に層B,C、Dを実施例1と同じ条
件で塗板を作成した。
【0097】
【比較例2】 (試験NO.3)層Aのみを40μ塗布し(層B,C,
Dは塗布しない)、実施例1と同じ処理をして塗板をえ
た。
【0098】
【比較例3】 (試験NO.4)実施例1.における塗装原板を溶融亜
鉛めっき鋼板(目付量:180g/cm2)とし、他は
全く同じ条件で塗板を作成した。
【0099】
【実施例2】 (試験NO.5)実施例1の層Aに、ガラス転移点40
℃、塗膜伸び率:150%の軟質ポリエステル塗料を用
い、他の条件は実施例1と同じ条件で塗板を作成して試
験を行った。
【0100】
【比較例4】 (試験NO.6)実施例1.の層Cにおいて、アクリル
酸・アクリル酸エチル・アクリル酸2ヒドロキシエチル
・メタアクリル酸グリシジル共重合体(数平均分子量:
約10,000)の二重結合量を1個/1,000分子
量)とし、この100部に酸化チタン120部を添加し
て塗料化した。他の条件は実施例1.と同じにして塗板
を作成した。
【0101】
【比較例5】 (試験NO.7)実施例1.の層Dであるアクリル酸・
アクリル酸エチル・アクリル酸2ヒドロキシエチル・メ
タアクリル酸グリシジル共重合体(数平均分子量:約1
0,000、二重結合量:二ヶ/1,000分子量)の
代わりに、テトラヒドロフタル酸,トリメチロールプロ
パン・アクリル酸の縮合モル比が1:2:4(アクリロ
イル基当量約155)のポリエステルオリゴマーを用
い、他の条件は実施例1.と同じにして塗板を作成し
た。
【0102】以上の塗板について、以下の各試験を実施
した。 JISK5400に基ずく鉛筆硬度試験。
【0103】マジックインキ(赤、黒、青)、インキ
(赤、黒、青)を塗布し、24時間後にエタノールに浸
した時の除去の難易性(◎:完全除去、○:僅かに跡が
残る、△:明かに残る)。
【0104】5%塩酸、カセイソーダに240時間浸
した後の、いわゆる耐薬品性(◎:無変化、○:僅かに
跡が残る、△:明かに残る)。
【0105】耐食試験は武藤氏等の試験法(第37回
腐食防食討論会講演集,P.353,1990年)に従
って行った。この試験法は、1サイクルが5%NaCl
噴霧―(35℃;4時間)―乾燥(60℃;2時間)―
湿潤(45℃;相対湿度95%、2時間)の8時間であ
り厳しいものであって、道路に凍結防止のために塩化物
を散布する場合、気温差が生じる場合を想定した試験法
であるといえる。
【0106】更に、目視では確認できないミクロクラッ
クを想定して、デュポン衝撃試験(300g,20c
m)をしたものも試験試料に加えたものについて赤錆の
程度を観察した(◎:無変化、○:1%以下の赤錆、
△:1〜5赤錆%の赤錆、×:5赤錆%以上の赤錆)。
【0107】日鐵テクノス(株)製塗膜劣化診断装置
RST Model―3による塗膜のイオン透過抵抗の
測定。
【0108】サンシャインウエザオメーターとして
は、スガ試験機製デューサイクルサンシャインスーパー
ロングライフウエザオメーター WEL―SUN―DC
を用いて塗膜のチョーキングの程度を観た(◎:無変
化、○:僅かにチョーキング、△:かなりチョーキン
グ、×:ひどいチョーキング)。
【0109】それらの評価結果を第1表にしめす。本発
明による塗板(試験NO.1)は耐食性に極めて優れ、
鉛筆硬度、耐汚染性、耐薬品性も比較例2(試験NO.
3)と比較すると向上している。
【0110】硬度、耐汚染性耐薬品性が向上するのはE
B硬化塗膜層B,C,Dの効果と思われる。
【0111】更に、耐食性も優れるのは、多層塗装のた
め塗膜のピンホールが極めて現象してイオン透過抵抗が
上がるためと思われる。
【0112】グランドコートとして軟質アクリルを用い
た系(試験NO.2)の加工部にはグランドコートにミ
クロクラックが生ずるためか、あるいは試験中に乾湿・
温度差が原因か、両者の複合によりミクロクラックが助
長され、耐食性が良くないものと思われる。
【0113】また、原板に溶融亜鉛めっき鋼板を用いた
場合(試験NO.4)には、耐食性で赤錆が発生した。
【0114】一方、架橋密度が低い場合(試験NO.
6)にも、十分な性能が得られていない。
【0115】さらには、アクリル共重合体の代わりに、
ポリエステルを用いた場合(試験NO.7)も、耐候性
が良くない。
【0116】
【表1】
【0117】
【発明の効果】本発明により、イオン透過抵抗が500
Mオーム・cm2以上である耐食性・耐候性に優れ、か
つ高硬度、高耐汚染に優れた塗装金属板が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 15/08 102 Z 7148−4F 27/30 A 8115−4F C09D 4/02 PDV 5/00 PPF 5/08 PQA PQH (72)発明者 金井 洋 千葉県富津市新富20―1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 紀平 寛 千葉県富津市新富20―1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 田所 裕 千葉県富津市新富20―1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 草刈 勝也 神奈川県愛甲郡愛川町中津4013 大日本エ リオ株式会社内 (72)発明者 鹿野 利広 神奈川県愛甲郡愛川町中津4013 大日本エ リオ株式会社内 (72)発明者 堀切 正人 横浜市緑区青砥町450 ザ・インクテック 株式会社内 (72)発明者 向山 智明 横浜市緑区青砥町450 ザ・インクテック 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の最下層に、塗膜ガラス転移点が
    65℃以下、塗膜伸びが30%以上の特性を有する、固
    体もしくは固体に近い状態に熱硬化された塗膜を設け、
    その上にアクリルポリ(メタ)アクリレートと1分子中
    に2個以上の(メタ)アクリロイル基を含みかつ(メ
    タ)アクリロイル基当量が150以下の多価アルコール
    (メタ)アクリレートを必須成分とした組成物からなる
    1層以上の塗膜を設けるとともに、この上層が電子線照
    射によって硬化されてイオン透過抵抗が500Mオーム
    ・cm2以上であることを特徴とする耐候性・耐食性に
    優れた塗装金属板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアクリルポリ(メタ)ア
    クリレートにおいて、1000分子量当たり二重結合を
    2モル以上含む耐候性・耐食性に優れた塗装金属板。
  3. 【請求項3】 金属板が13%以上のCrを含有ステン
    レス鋼板である請求項1記載の耐候性・耐食性に優れた
    塗装金属板。
  4. 【請求項4】 金属板の最下層に、塗膜ガラス転移点が
    65℃以下、塗膜伸びが30%以上の特性を有する塗膜
    を塗布し、熱硬化によって固体もしくは固体に近い状態
    の塗膜を形成し、その上層にアクリルポリ(メタ)アク
    リレートと1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル
    基を含みかつ(メタ)アクリロイル基当量が150以下
    の多価アルコール(メタ)アクリレートを必須成分とし
    た組成物からなる塗膜を1層以上塗布したのち、前記上
    層に電子線を照射して硬化させてイオン透過抵抗を50
    0Mオーム・cm2以上とすることを特徴とする耐候性
    ・耐食性に優れた塗装金属板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のアクリルポリ(メタ)ア
    クリレートにおいて、1000分子量当たり二重結合を
    2モル以上含む耐候性・耐食性に優れた塗装金属板の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 金属板が13%以上のCrを含有ステン
    レス鋼板である請求項4記載の耐候性・耐食性に優れた
    塗装金属板の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の製造方法において、電子
    線照射後さらに板温として200℃以上で加熱すること
    を特徴とする耐候性・耐食性に優れた塗装金属板の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005132999A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Dainippon Ink & Chem Inc ハードコートフィルムの作成方法
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